特許第6402646号(P6402646)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特許6402646-電動過給器 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402646
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】電動過給器
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/10 20060101AFI20181001BHJP
   F02B 39/16 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   F02B39/10
   F02B39/16 G
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-30687(P2015-30687)
(22)【出願日】2015年2月19日
(65)【公開番号】特開2016-151260(P2016-151260A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2017年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】藤木 豊
(72)【発明者】
【氏名】梅村 聡
(72)【発明者】
【氏名】上辻 清
(72)【発明者】
【氏名】大下 真貴夫
(72)【発明者】
【氏名】山道 智裕
【審査官】 小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−227889(JP,A)
【文献】 特開2011−196221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 33/00−41/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータと、
前記電動モータを収容したモータハウジングと、
前記電動モータを駆動する駆動回路と、
前記駆動回路を収容した回路用ハウジングと、
前記電動モータによって駆動される圧縮部と、を有する電動過給器であって、
前記回路用ハウジングは、前記モータハウジングの外面から突出した形状の収容壁部と、前記モータハウジングの外面からの前記収容壁部の突出方向の先端に位置する底部と、を有するとともに前記駆動回路を前記モータハウジングと共に封止しており、
前記底部は、前記回路用ハウジングの外側に臨む放熱部を備え、該放熱部において前記回路用ハウジングの内側に臨む内面に前記駆動回路が熱的に結合されており、
前記収容壁部は樹脂製であることを特徴とする電動過給器。
【請求項2】
電動モータと、
前記電動モータを収容したモータハウジングと、
前記電動モータを駆動する駆動回路と、
前記駆動回路を収容した回路用ハウジングと、
前記電動モータによって駆動される圧縮部と、を有する電動過給器であって、
前記回路用ハウジングは、前記モータハウジングの外面から突出した形状の収容壁部と、前記モータハウジングの外面からの前記収容壁部の突出方向の先端に位置する底部と、を有するとともに前記駆動回路を前記モータハウジングと共に封止しており、
前記底部は、前記回路用ハウジングの外側に臨む放熱部を備え、該放熱部において前記回路用ハウジングの内側に臨む内面に前記駆動回路が熱的に結合されており、
前記モータハウジングと前記駆動回路との間に介在する断熱層を有することを特徴とする電動過給器。
【請求項3】
前記放熱部は金属製である請求項1又は請求項2に記載の電動過給器。
【請求項4】
前記収容壁部は樹脂製である請求項2に記載の電動過給器。
【請求項5】
前記モータハウジングと前記駆動回路との間に介在する断熱層を有する請求項1に記載の電動過給器。
【請求項6】
前記放熱部において前記回路用ハウジングの外側に臨む外面に放熱フィンを有する請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の電動過給器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータと、モータハウジングと、駆動回路と、回路用ハウジングと、圧縮部と、を有する電動過給器に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の出力を増加させるために吸気通路上に電動過給機を設ける技術が知られている。このような電動過給器は、空気を圧縮する圧縮部と、圧縮部を駆動させる電動モータと、電動モータの駆動を制御する駆動回路を備える。
【0003】
駆動回路(インバータ)は、超高速で制御する必要があり、また、一般に自動車の電圧は低電圧のため大電流が必要となる。このため、このような高回転かつ大電流状態での連続運転時においては、駆動回路における半導体素子の損失や配線抵抗による損失が大きくなり、駆動回路の温度が上昇する。駆動回路の温度上昇を抑えるために駆動回路を冷却するようにした電動過給器として、例えば特許文献1が挙げられる。
【0004】
図3に示すように、特許文献1の電動過給装置80は、圧縮機81と、圧縮機81を駆動させる電動モータ82と、電動モータ82の駆動を制御する駆動回路としてのインバータユニット83を備える。圧縮機81と、電動モータ82と、インバータユニット83とは、ロータ軸82aの軸方向に並んでいる。電動モータ82は、モータハウジング84に収容されている。ロータ軸82aの中心軸線の延びる方向をモータハウジング84の軸方向とすると、モータハウジング84は、インバータユニット83に面する壁部に気体供給口84aを備え、圧縮機81に近い壁部に気体排出口84bを備える。
【0005】
また、電動過給装置80は、冷却通路85を備える。冷却通路85は、モータハウジング84内において気体供給口84aと気体排出口84bを連通させている。電動過給装置80は、気体排出口84bを圧縮機81の吸込口81aに連結する吸込通路87を備える。
【0006】
インバータユニット83は、回路用ハウジングであるインバータハウジング86内に収納されている。インバータハウジング86は、モータハウジング84のうち、気体供給口84aが形成された端部に取り付けられている。インバータユニット83の素子回路基板88は通気孔88aを備え、通気孔88aは気体供給口84aに対向した位置にある。また、インバータハウジング86は、開口孔86aを備え、開口孔86aは気体供給口84aに対向した位置にある。
【0007】
そして、圧縮機81の駆動により、冷却通路85に吸込通路87から負圧を印加することにより、インバータハウジング86の開口孔86a及び素子回路基板88の通気孔88aを介して、気体供給口84aへと外気が導入され、冷却通路85に外気が導入される。この外気の導入の際、素子回路基板88の周囲にも外気が導入されることから、外気によってインバータユニット83が冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−24041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1に開示の電動過給装置80においては、インバータユニット83の冷却のために、インバータハウジング86内に外気を導入しており、外気の導入のためにインバータハウジング86に開口孔86aを設けている。電動過給装置80は、一般に自動車におけるエンジンルームにエンジンとともに搭載されており、そのエンジンルームには水分や塵といった異物が侵入する。このため、インバータハウジング86の開口孔86aを介してインバータハウジング86内に異物が侵入してしまう。
【0010】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、回路用ハウジング内への異物の侵入を抑止しつつ駆動回路の温度上昇を抑えることができる電動過給器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するための電動過給器は、電動モータと、前記電動モータを収容したモータハウジングと、前記電動モータを駆動する駆動回路と、前記駆動回路を収容した回路用ハウジングと、前記電動モータによって駆動される圧縮部と、を有する電動過給器であって、前記回路用ハウジングは、前記モータハウジングの外面から突出した形状の収容壁部と、前記モータハウジングの外面からの前記収容壁部の突出方向の先端に位置する底部と、を有するとともに前記駆動回路を前記モータハウジングと共に封止しており、前記底部は、前記回路用ハウジングの外側に臨む放熱部を備え、該放熱部において前記回路用ハウジングの内側に臨む内面に前記駆動回路が熱的に結合されていることを要旨とする。
【0012】
これによれば、駆動回路は、回路用ハウジングとモータハウジングによって封止されている。このため、電動過給器が、例えば車両のエンジンルームに搭載されたとしても、水や塵等の異物が回路用ハウジング内に侵入することを抑止することができる。また、駆動回路から発生した熱は、放熱部に伝わる。放熱部は、回路用ハウジングの外側に臨んでいる。このため、放熱部に伝わった熱を外気へ放出することができる。このため、回路用ハウジング内への異物侵入の抑止のために駆動回路が回路用ハウジング内に封止されていても、駆動回路で発生した熱が回路用ハウジング内に篭もることが抑制され、駆動回路の温度上昇を抑えることができる。
【0013】
また、電動過給器について、前記放熱部は金属製であるのが好ましい。
これによれば、例えば、放熱部が樹脂製である場合と比べると、放熱部の熱伝導率が高くなる。このため、駆動回路で発生した熱が放熱部に伝わりやすくなり、さらに放熱部の外面側へと伝わりやすくなる。よって、放熱部からの放熱性が高まり、駆動回路の温度上昇を抑えることができる。
【0014】
また、電動過給器について、前記収容壁部は樹脂製であるのが好ましい。
これによれば、モータハウジングには電動モータで発生した熱が伝わる。回路用ハウジングの収容壁部はモータハウジングの外面から突出した形状であるが、その収容壁部を樹脂製とすることでモータハウジングの熱が収容壁部に伝わりにくくなる。このため、モータハウジングの熱が、収容壁部を介して駆動回路に伝わることを抑制することができ、駆動回路の温度上昇を抑えることができる。
【0015】
また、電動過給器について、前記モータハウジングと前記駆動回路との間に介在する断熱層を有していてもよい。
これによれば、モータハウジングの外面からは電動モータの輻射熱が発生するが、断熱層によって輻射熱を断熱し、輻射熱が駆動回路に及びにくくなる。
【0016】
また、電動過給器について、前記放熱部において前記回路用ハウジングの外側に臨む外面に放熱フィンを有していてもよい。
これによれば、放熱フィンによって放熱部外面での面積を広げることができる。その結果として、放熱部からの放熱性能を高めることができ、駆動回路の温度上昇を抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回路用ハウジング内への異物の侵入を抑止しつつ駆動回路の温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態の電動過給器を示す断面図。
図2】モータハウジングと回路用ハウジングとを示す分解斜視図。
図3】背景技術を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、電動過給器を具体化した一実施形態を図1図2にしたがって説明する。
本実施形態の電動過給器は、自動車のエンジンルームに搭載され、図示しないエンジンに空気を圧縮して供給する。
【0020】
図1に示すように、電動過給器10は、金属製及び筒状のモータハウジング11を備える。モータハウジング11は、筒状のハウジング本体11aと、ハウジング本体11aの軸方向一端に固定された円板状の第1シールプレート12と、ハウジング本体11aの軸方向他端に固定された円板状の第2シールプレート13とを含む。モータハウジング11は、ハウジング本体11aと、第1シールプレート12と、第2シールプレート13とで囲まれたモータ収容空間Sを備える。モータ収容空間Sには電動モータMが収容されている。モータ収容空間Sは、第1シールプレート12と第2シールプレート13によってシールされている。
【0021】
また、ハウジング本体11aは、第1シールプレート12に臨む端部に軸受支持部14を備える。軸受支持部14には、固定側軸受ケース21が支持され、この固定側軸受ケース21には固定側軸受20が支持されている。第2シールプレート13には可動側軸受ケース31が支持され、この可動側軸受ケース31には可動側軸受30が支持されている。
【0022】
電動モータMのシャフトMaは、軸方向の一端側が固定側軸受20によって回転可能に支持されている。電動モータMのシャフトMaは、軸方向の他端側が可動側軸受30によって回転可能に支持されている。可動側軸受ケース31の内部には予圧ばね37が収納されている。この予圧ばね37の軸方向一端は、回り止め部材35を介して可動側軸受30に当接し、予圧ばね37の軸方向他端は第2シールプレート13に固定されたカバー19の内面に当接している。予圧ばね37は、軸方向に圧縮された状態で回り止め部材35とカバー19との間に配置されている。そして、可動側軸受30には、圧縮された予圧ばね37の原形状へ復帰しようとする力によって荷重が加えられている。
【0023】
予圧ばね37によって可動側軸受30に加えられた荷重は、可動側軸受30を介してシャフトMaに伝わり、そのシャフトMaを介して固定側軸受20に伝わる。その結果、予圧ばね37によって固定側軸受20が予圧されている。シャフトMaにおける第1シールプレート12からの突出端部にはインペラ17が固定されている。
【0024】
電動過給器10は、金属製のコンプレッサハウジング18を備える。コンプレッサハウジング18は、第1シールプレート12に取り付けられている。コンプレッサハウジング18には、気体を吸入するための吸気口18aが設けられている。コンプレッサハウジング18と第1シールプレート12との間には、インペラ17を中心として渦巻状に形成されたスクロール流路18bが形成されている。そして、吸気口18aからコンプレッサハウジング18に吸入された気体は、インペラ17の回転によってスクロール流路18bに送り出され、圧縮された状態でエンジンに供給される。よって、電動過給器10は、シャフトMaと、インペラ17と、コンプレッサハウジング18とから構成された圧縮部Cを備える。
【0025】
電動過給器10は、回路用ハウジング40を備える。シャフトMaの中心軸線Lの延びる方向を電動過給器10の軸方向とすると、電動過給器10では、軸方向に沿って一端側から他端側に向けてコンプレッサハウジング18、モータハウジング11及び回路用ハウジング40の順序で並んでいる。
【0026】
回路用ハウジング40は、モータハウジング11における第2シールプレート13に固定されている。回路用ハウジング40は、第2シールプレート13に向けて開口する有底円筒状である。回路用ハウジング40は、電動過給器10の軸方向に沿って第2シールプレート13の外面から突出した円筒状の収容壁部41と、第2シールプレート13の外面からの収容壁部41の突出方向に沿った先端に位置する底部51と、を備え、さらに好ましくは回路用ハウジング40は、収容壁部41の内側に一体化された断熱プレート61を備える。
【0027】
収容壁部41は、円筒状の樹脂製である。収容壁部41は、第2シールプレート13に向けた開口部を取り囲む端面に開口端面41aを備える。また、収容壁部41は、開口端面41a側の外面に取付フランジ42を備える。
【0028】
図1又は図2に示すように、取付フランジ42は、収容壁部41の周方向全体に亘って存在する。取付フランジ42はボルト挿通孔42aを複数備える。第2シールプレート13は、取付フランジ42のボルト挿通孔42aに対向してフランジ13aを備える。フランジは複数の雌ねじ孔13bを備える。取付フランジ42のボルト挿通孔42aに挿通されたボルト43は、フランジ13aの雌ねじ孔13bに螺合され、モータハウジング11に回路用ハウジング40が固定されている。
【0029】
図1に示すように、第2シールプレート13は、収容壁部41の開口端面41aに対向した位置に環状凹部13cを備え、環状凹部13cにはOリング製のシール部材16が装着されている。シール部材16は、収容壁部41の開口端面41aと、環状凹部13cの内面に密着し、収容壁部41と第2シールプレート13との間をシールしている。そして、電動過給器10は、第2シールプレート13と回路用ハウジング40とで囲まれた収容空間44を備える。この収容空間44は、第2シールプレート13と、回路用ハウジング40と、シール部材16によって隙間なく封止されている。
【0030】
底部51は、アルミニウム製(金属製)であり、本実施形態では底部51は放熱部を兼ねている。底部51は、円盤状であり、収容壁部41の先端部に一体化されている。底部51は、収容壁部41の成形時にインサート成形によって収容壁部41と一体化される。底部51と収容壁部41とが一体化されることで、回路用ハウジング40が有底円筒状に形成される。底部51は、回路用ハウジング40の内側に臨む面に内面51aを備え、回路用ハウジング40の外側に臨む面に外面51bを備える。底部51の内面51aは収容空間44に露出し、底部51の外面51bは回路用ハウジング40の外に露出し、外気に触れている。
【0031】
底部51の内面51aには、電動モータMを駆動する駆動回路55が取り付けられている。駆動回路55は、回路基板56と、この回路基板56と電気的に接続されたパワーモジュール57や電子機器58とを備えている。駆動回路55の回路基板56は、図示しない伝熱グリスを介して底部51の内面51aに螺子止めされている。よって、駆動回路55は、伝熱グリスを介して底部51と熱的に結合されている。そして、駆動回路55は、電動過給器10の軸方向において、電動モータM及びモータハウジング11よりも底部51に近付けられ、外気に近付けられている。回路用ハウジング40は、底部51の外面51bに複数の放熱フィン52を備える。放熱フィン52は、それぞれ板状であり、外面51bに沿って等間隔おきに配置されている。
【0032】
断熱プレート61は、電動過給器10の軸方向において、底部51と第2シールプレート13との間に介在する。断熱プレート61は樹脂製であり、円盤状である。断熱プレート61は、収容壁部41に嵌合されている。断熱プレート61は、収容空間44を底部51側と第2シールプレート13側に仕切っている。断熱プレート61は、モータハウジング11側からの輻射熱が駆動回路55に及ぶことを抑止する断熱層として機能する。また、電動過給器10の軸方向において、第2シールプレート13と断熱プレート61との間には、収容空間44の一部である空間が存在し、この空間は空気断熱層44aとして機能する。
【0033】
次に、電動過給器10の作用を記載する。
さて、電動過給器10において、駆動回路55の制御によって電動モータMの駆動が制御される。電動モータMが駆動され、電動モータMの駆動に合わせてシャフトMaが回転するとともにインペラ17が回転し、圧縮部Cが駆動される。電動過給器10の駆動時、駆動回路55は超高速で制御され、また、大電流が必要とされる。このため、高回転かつ大電流状態での連続運転時においては、駆動回路55の温度が上昇する。駆動回路55で発生した熱は、伝熱グリスを介して底部51に伝わる。底部51に伝わった熱は、放熱フィン52から外気に放出される。
【0034】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)電動過給器10は、駆動回路55を封止した回路用ハウジング40を備える。回路用ハウジング40は、モータハウジング11の第2シールプレート13に固定され、回路用ハウジング40の内側に駆動回路55を封止する。このため、回路用ハウジング40の内側に水や塵といった異物が侵入することを抑止することができる。そして、駆動回路55を回路用ハウジング40の内側に封止した構造において、回路用ハウジング40においてモータハウジング11から一番離れており、放熱部として機能する底部51に駆動回路55を熱的に結合した。このため、モータハウジング11からの熱が駆動回路55に伝わりにくく、駆動回路55で発生した熱を、底部51を介して外気に放出することができ、駆動回路55の温度上昇を抑えることができる。
【0035】
(2)回路用ハウジング40において、駆動回路55と熱的に結合された底部51は金属製である。このため、底部51を樹脂製とした場合と比べると、駆動回路55で発生した熱は底部51に効率良く伝わり、さらに、底部51から外気へと放出されやすく、駆動回路55の放熱性を高め、温度上昇を抑えることができる。
【0036】
(3)回路用ハウジング40において収容壁部41を樹脂製とした。電動モータMで発生した熱は、モータハウジング11に伝わるが、収容壁部41を樹脂製とすることで、モータハウジング11の熱を回路用ハウジング40に伝わりにくくすることができる。このため、モータハウジング11の熱が収容壁部41を介して駆動回路55に伝わりにくく、駆動回路55の温度上昇を抑えることができる。
【0037】
(4)回路用ハウジング40は、電動過給器10の軸方向において、モータハウジング11の第2シールプレート13と、駆動回路55との間に介在する断熱プレート61を備える。断熱プレート61は、収容空間44をモータハウジング11側と底部51側に仕切る。そして、断熱プレート61により、モータハウジング11からの輻射熱が駆動回路55に伝わることを抑制する。
【0038】
(5)電動過給器10は、電動モータMと、駆動回路55とを一体化した構造である。このため、エンジンルーム内において、電動モータMと、駆動回路55とが分かれて配置されている場合と比べると電動過給器10の設置スペースを小さくできる。さらには、エンジンルーム内での駆動回路55の配線の取り回しが不要となり、配線損失や配線からのノイズを低減できる。
【0039】
(6)回路用ハウジング40は底部51に放熱フィン52を備える。このため、放熱フィン52によって、底部51の外面51bでの面積を広げることができ、駆動回路55から底部51に伝わった熱の外気への放出効率が高められる。よって、放熱フィン52が無い場合と比べると、駆動回路55の温度上昇をより抑えることができる。
【0040】
(7)モータハウジング11における第2シールプレート13にシール部材16を装着し、シール部材16を回路用ハウジング40の開口端面41aに密接させた。このため、回路用ハウジング40と第2シールプレート13との合わせ面をシール部材16によってシールすることができ、合わせ面から収容空間44への異物の侵入を抑止することができる。
【0041】
(8)回路用ハウジング40内の収容空間44は、断熱プレート61によって第2シールプレート13側と底部51側とに仕切られている。このため、第2シールプレート13と断熱プレート61との間には空間が存在し、この空間を空気断熱層44aとして利用することができる。よって、空気断熱層44aと断熱プレート61との併用により、電動モータMからの輻射熱が駆動回路55に及びにくくなり、駆動回路55の温度上昇を抑えることができる。
【0042】
(9)回路用ハウジング40の収容壁部41を樹脂製とし、底部51だけを金属製とした。このため、収容壁部41も金属製とする場合と比べて、回路用ハウジング40の軽量化を図ることができる。
【0043】
(10)回路用ハウジング40は、収容壁部41に対し底部51がインサート成形によって一体化されている。このため、収容壁部41と底部51との接合部から異物が収容空間44に侵入することを抑制できる。
【0044】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、回路用ハウジング40全体をモータハウジング11と別体構成としたが、これに限らない。例えば、モータハウジング11における第2シールプレート13に筒状の収容壁部を一体形成する。この場合、収容壁部は金属製となる。そして、第2シールプレート13に一体の収容壁部に底部を取り付ける。第2シールプレート13に一体の収容壁部と、この収容壁部に取り付けられた底部とから回路用ハウジングを構成してもよい。この場合、底部は金属製でもよいし、樹脂製でもよい。
【0045】
○ 底部51に設けた放熱フィン52に関し、板状でなく、コルゲートフィンや、正弦波状、ジグザグ状、波形状等のフィンに適宜変更してもよい。
○ 底部51の放熱性を向上させるために、外面51bを凹凸状に形成し、外面51bの面積を広げてもよい。
【0046】
○ 底部51の外面51bに放熱フィン52を設けず、外面51bを平坦面としてもよい。
○ 実施形態では、断熱層としての断熱プレート61を、第2シールプレート13と駆動回路55との間に介在させたが、断熱層はこれに限らない。例えば、底部51の内面51aと熱的に結合した駆動回路55を樹脂モールドして回路用ハウジング40に埋設した状態とする。そして、電動過給器10の軸方向において、第2シールプレート13と駆動回路55の間に、樹脂モールドの樹脂を断熱層として介在させてもよい。
【0047】
○ 断熱プレート61は、樹脂製でなく、ゴム製、セラミック製等に適宜変更してもよい。さらには、断熱プレート61を省略してもよい。
○ 回路用ハウジング40は、収容壁部41及び底部51を共に金属製としてもよい。
【0048】
○ 回路用ハウジング40は、収容壁部41及び底部51を共に樹脂製としてもよい。
○ 底部51は、アルミニウム以外の金属製であってもよい。
○ 実施形態では、底部51全体を金属板製とし、底部51に放熱部を兼用させたが、回路用ハウジング40における底部の一部に金属製の放熱部を設け、その放熱部と駆動回路55を熱的に結合してもよい。
【0049】
○ 駆動回路55の回路基板56を底部51に接触させて熱的に結合させたが、これに限らず、駆動回路55のパワーモジュール57を底部51に接触させて熱的に結合させてもよい。
【0050】
○ 回路用ハウジング40は、電動過給器10の軸方向に沿ってモータハウジング11の外面から突出する形態で設けたが、これに限らない。回路用ハウジング40は、モータハウジング11の外周面から、モータハウジング11の径方向に沿って突出する形態で設けてもよい。
【0051】
○ 駆動回路55は、底部51の内面51aと回路基板56との間に伝熱グリスを介さずに底部51に取り付けてもよい。
○ 回路用ハウジング40において、底部51と収容壁部41はインサート成形ではなく、別の方法で一体化されていてもよい。例えば、底部51と収容壁部41との接合箇所をシールした状態で接着したり、ねじ止めしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
C…圧縮部、M…電動モータ、10…電動過給器、11…モータハウジング、40…回路用ハウジング、41…収容壁部、51…放熱部を兼用する底部、51a…内面、51b…外面、52…放熱フィン、55…駆動回路、61…断熱層としての断熱プレート。
図1
図2
図3