(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記軸受チョックの前記本体部の前記2つの側面の一方が前記軸受チョック締結部の前記2つの内壁面の一方に接触した状態において、前記締結ネジに掛かる曲げ荷重が前記締結ネジの頭部と前記フランジ部の前記上面との接触面の最大静止摩擦力よりも小さくなるように、前記軸受チョックの前記本体部の前記2つの側面のそれぞれと前記軸受チョック締結部の前記2つの内壁面のそれぞれとの隙間の寸法が規定されることを特徴とする請求項1に記載の軸受チョックの締結構造。
【背景技術】
【0002】
熱延工場や厚板工場などにおいて、粗圧延機や仕上げ圧延機に圧延材を搬送する設備として、ローラーテーブルが用いられている。ローラーテーブルは、電動機などの動力によって回転する複数の搬送ローラーを有する。それぞれの搬送ローラーは、軸受(ベアリング)が収容された軸受チョックによって回転可能に支持され、さらにそれぞれの軸受チョックは、ローラーテーブルのテーブルフレーム(筺体)などといった、支持部材に締結ネジによって締結されている。
【0003】
圧延材を搬送するローラーテーブルのそれぞれの搬送ローラーには、大きな材料荷重が掛かる。また、圧延によって圧延材の搬送方向の端部が下側に反るため、圧延材を搬送する際にこの下側に反った部分が搬送ローラーに衝突し、軸受チョックに大きな衝撃荷重が掛かる。そこで、軸受チョックの支持構造は、このような荷重に耐えられる構成でなければならない。
【0004】
図5は、軸受チョック91の締結構造の従来例を示す図である。
図5に示すように、従来の軸受チョック91は、ブロック状の本体部911と、本体部911から圧延材の搬送方向(
図5中では左右方向)に突出するフランジ部912とを有する。一方、支持部材の例であるテーブルフレーム92には、凹部状の軸受チョック締結部921が設けられる。そして、軸受チョック91の本体部911がテーブルフレーム92の軸受チョック締結部921に嵌め込まれ、軸受チョック91のフランジ部912がテーブルフレーム92の上面924に締結ネジ93によって締結される。フランジ部912の下面915はテーブルフレーム92の上面924に接触させてあり、軸受チョック91に掛かる荷重は、フランジ部912の下面915を介してテーブルフレーム92の上面924で受ける。このように、フランジ部912の下面915をテーブルフレーム92の上面に接触させておくことにより、支点との距離を短くすることで回転モーメントを小さく抑え、搬送ローラーに圧延材が衝突して軸受チョック91に回転方向(ピッチング方向)の荷重が掛かった場合における軸受チョック91の回転を防止する。
【0005】
このような構成では、軸受チョック91の本体部911を軸受チョック締結部921に嵌め込めるように、加工精度や熱変形を考慮し、軸受チョック91の本体部911の寸法は、軸受チョック締結部921の寸法よりも小さい寸法に設定される。このため、フランジ部912の下面915をテーブルフレーム92の上面に接触させた状態では、軸受チョック91の本体部911の下面913が、軸受チョック締結部921の底面922から浮いた状態となる。同様に、軸受チョック91の本体部911の側面914と軸受チョック締結部921の内壁面923との間には隙間が存在する。したがって、搬送ローラーに掛かる衝撃荷重などによって、フランジ部912の下面915とテーブルフレーム92の上面924との間で、搬送方向にすべりが生じることがある。このようなすべりは、締結ネジ93の弛緩の原因となる。さらに、デスケーリング水と圧延材の熱により、締結ネジ93の座面の腐食が促進されるため、軸受チョック91を締結する締結ネジ93が弛緩しやすい。そして、締結ネジ93が弛緩すると、軸受チョック91にがたつきが生じ、軸受やカップリングのシールの寿命が短くなる。このため、軸受やカップリングの潤滑の管理が困難になる。つまり、締結ネジが弛緩すると、ローラーテーブルの駆動部品の劣化予測が困難になり、突発的な駆動部品の故障によって多大な生産損失を生じることがある。このように、締結ネジ93が弛緩すると、ローラーテーブルの寿命が短くなる。
【0006】
なお、特許文献1には、締結ネジを用いた締結構造として、検出器のケースに設けられるボルトフランジを、ボルトによってハウジングに接触させて固定する構成が開示されている。しかしながら、このような構成を軸受チョックの締結構造に適用すると、軸受チョックに大きな荷重が掛かった場合に、ボルトの座面とフランジとの間ですべりが生じ、締結ネジが弛緩する。また、特許文献2には、多変量解析によって搬送ローラーの交換時期を判断する構成が開示されている。しかしながら、特許文献2には、軸受チョックを締結する締結ネジの弛緩を防止し、軸受チョックの健全性を維持する構成は開示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明者は、鋭意研究の結果、圧延材などの搬送物の接触により軸受チョックに掛かる荷重は、軸受チョックをピッチング方向に回転させるモーメントではなく、搬送方向に平行に弾性変形させる荷重であることと知見した。本発明者は、この知見に基づき、軸受チョックを締結する締結ネジの弛緩を防止する締結構造を発明したものである。
【0015】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図においては、軸受チョックの三次元の各方向を、X,Y,Zの矢印で示す。X方向は搬送ローラーの回転軸の軸線方向であり、Y方向は搬送物の搬送方向であり、Z方向は上下方向である。
【0016】
(ローラーテーブルの構成)
まず、本発明の実施形態の軸受チョックの締結構造が適用されるローラーテーブル7の構成例について、
図1を参照して簡単に説明する。
図1は、ローラーテーブル7の構成例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、ローラーテーブル7は、複数の搬送ローラー71と、複数のエプロン72と、複数の軸受チョック1と、2組のテーブルフレーム5とを有する。
【0017】
複数の搬送ローラー71は、圧延材などの搬送物の搬送方向に並べて配置される。それぞれのエプロン72は、搬送ローラー71どうしの間に配置される。なお、搬送ローラー71とエプロン72は、従来公知の構成が適用できる。軸受チョック1は、それぞれの搬送ローラー71の軸線方向端部に設けられ、それぞれの搬送ローラー71を、軸受73(
図2A〜
図3参照)を介して回転可能に支持する。2組のテーブルフレーム5は、軸受チョック1を支持する支持部材の例であり、基礎(地面)に固定されている。また、支持部材の例である2組のテーブルフレーム5は、それぞれ搬送方向に延伸するように設けられる棒状の部材であり、互いに所定の距離をおいて平行に設けられる。2組のテーブルフレーム5のそれぞれの上面54の側には、複数の軸受チョック締結部51が、搬送方向に所定の間隔で配列されるように設けられる。そして、それぞれの軸受チョック1は、2組のテーブルフレーム5のそれぞれの軸受チョック締結部51に、締結ネジ41によって締結されて固定される。なお、軸受チョック締結部51の構成は後述する。
【0018】
このほか、ローラーテーブル7は、モーターなどの回転動力源と、回転動力源が出力する回転動力をそれぞれの搬送ローラー71に伝達する動力伝達機構とを有する。回転動力源と動力伝達機構は、従来公知の構成が適用できる。
【0019】
(軸受チョックの構成)
次に、軸受チョック1の構成例について説明する。
図2Aと
図2Bは、軸受チョック1の構成例を模式的に示す外観斜視図である。そして、
図2Aは斜め上方から見た図であり、
図2Bは斜め下方から見た図である。なお、
図2Bにおいては、締結のための上側ナット42、下側ナット43、締結ネジ41を省略してある。
【0020】
図2Aと
図2Bに示すように、軸受チョック1は、軸受73(ベアリング)を収容する本体部2と、締結ネジ挿通穴31が形成されるフランジ部3とを有する。なお、本体部2とフランジ部3とは一体に形成される。
【0021】
本体部2は直方体形状に形成される。本体部2には、軸受73(ベアリング)を収容する軸受収容部21が形成される。本実施形態では、軸受収容部21として、本体部2を軸線方向に貫通する貫通孔状の開口部を示す。ただし、軸受収容部21は、軸受73(ベアリング)を収容できる構成であればよく、具体的な構成は限定されない。
【0022】
本体部2の下側の面は、後述するテーブルフレーム5の軸受チョック締結部51の底面511に接触する面である。本実施形態では、この面を「本体部下面22」と称する。本体部下面22は、上下方向に直角(搬送方向に平行)な平面状に形成される。さらに、本体部下面22には、テーブルフレーム5の軸受チョック締結部51に係合する2組の係合リブ221が設けられる。2組の係合リブ221は、下側に向かって突出し、搬送方向に延伸する凸状の構成を有する。そして、2組の係合リブ221は、本体部下面22の搬送方向に平行な外縁部のそれぞれに設けられる。
【0023】
本体部2は、搬送方向に直角な2つの側面を有する。本実施形態では、これら2つの面を、「本体部側面23」と称する。軸受チョック1が搬送方向に弾性変形して締結ネジ41が曲げ変形した場合に、締結ネジ41の曲げ変形を阻害しない径に設定される。このため、少なくとも、締結ネジ挿通穴31の内径は、締結ネジ41の外径よりも大きい径に設定される。なお、締結ネジ挿通穴31の数は、締結ネジ41の数に応じて設定される。また、本体部側面23は、締結ネジ41との干渉を防止する凹部231を除いては、搬送方向に直角な平面状に形成される。
【0024】
フランジ部3は、本体部側面23から搬送方向に突出するように設けられるブロック状の構成を有する。そして、フランジ部3には、締結ネジ41を挿通する締結ネジ挿通穴31が形成される。締結ネジ挿通穴31は、フランジ部3を上下方向に貫通する貫通孔であり、その軸線は上下方向に平行である。
図2Aと
図2Bでは、それぞれのフランジ部3に2カ所ずつの締結ネジ挿通穴31が形成され、軸受チョック1の全体で4カ所の締結ネジ挿通穴31が形成される構成を示す。ただし、締結ネジ挿通穴31の数は、締結に用いられる締結ネジ41の数に応じて設定されるものであり、2カ所ずつの合計4カ所に限定されない。例えば、それぞれのフランジ部3に1箇所ずつの締結ネジ挿通穴31が形成され、軸受チョック1の全体で2カ所の締結ネジ挿通穴31が形成される構成であってもよい。そして、フランジ部3の上面(以下、「フランジ部上面34」と記す)の締結ネジ挿通穴31の周囲が、締結ネジ41に締結された上側ナット42(後述)に接する座面となる。説明の便宜上、フランジ部上面34に設けられる座面を、「上側座面32」と称する。
【0025】
なお、フランジ部3は、軸受チョック1の上側寄りの位置に設けられる。特に、フランジ部3の下面(以下、「フランジ部下面35」と記す)は本体部下面22よりも上側に位置する。
【0026】
このほか、
図2Aに示すように、本体部側面23には、摩耗や腐蝕による本体部2の搬送方向寸法の減少を抑制するため、肉盛部232が設けられる。同様に、
図2Aと
図2Bに示すように、本体部下面22とフランジ部上面34の上側座面32にも、摩耗や腐蝕による上下方向寸法(特に、上側座面32と本体部下面22との距離)の寸法の減少を抑制するため、肉盛部222,33が設けられる。これらの肉盛部222,232,33は、本体部2やフランジ部3よりも耐食性や耐摩耗性の高い材料により形成される。例えば、これらの肉盛部222,232,33には、SUS309のステンレス鋼が適用できる。
【0027】
(軸受チョック締結部の構成)
次に、テーブルフレーム5の軸受チョック締結部51の構成例について説明する。軸受チョック締結部51は、2組のテーブルフレーム5のそれぞれの上面54の側に設けられる凹状の部分であり、底面511とその搬送方向両側に設けられる2つの内壁面512とを有する。軸受チョック締結部51の底面511は、上側を向く面であり、搬送方向に平行(上下方向に直角)な平面状に形成される。軸受チョック1の2つの内壁面512は、搬送方向を向く面であり、搬送方向に直角な平面状に形成され、底面511を挟んで互いに対向する。さらに、軸受チョック締結部51には、締結ネジ41を挿通する締結ネジ挿通穴52が形成される。締結ネジ挿通穴52は、テーブルフレーム5を上下方向に貫通する貫通孔であり、軸線が上下方向に平行である。テーブルフレーム5の下面55の締結ネジ挿通穴52の周囲は、下側ナット43が接触するため、軸受チョック1のフランジ部3と同様な肉盛部531が設けられてもよい。また、軸受チョック1の肉盛部222,232が接触する軸受チョック締結部51の底面511と内壁面512にも肉盛部514,515が設けられてもよい。軸受チョック締結部51の底面511と内壁面512の肉盛部には、軸受チョック1の肉盛部222,232に適用するSUS309に比べて硬度が高い13Cr−4Ni系のステンレス鋼を適用する。このような肉盛部514,515,531を設けることにより、テーブルフレーム5の腐食および摩耗を抑制できる。
【0028】
(軸受チョックと軸受チョック締結部の各部の寸法の関係)
ここで、軸受チョック1の各部の寸法と、軸受チョック締結部51の各部の寸法の関係について説明する。軸受チョック1の本体部2の搬送方向寸法B(2つの本体部側面23どうしの距離)は、軸受チョック締結部51の搬送方向寸法G(内壁面512どうしの距離)よりも小さい。軸受チョック1の本体部下面22からフランジ部下面35までの高さHは、軸受チョック締結部51の深さK(テーブルフレーム5の上面54から軸受チョック締結部51の底面511までの距離)よりも大きい。軸受チョック1の本体部下面22の2組の係合リブ221どうしの距離M(特に、係合リブ221の対向する面どうしの距離)は、軸受チョック締結部51の底面511の幅Nと略同じか、またはそれよりもわずかに大きい。
【0029】
(軸受チョックの締結構造)
次に、軸受チョック1の締結構造について説明する。本実施形態では、締結ネジ41としてタイロッド(頭部を有さず、ナット座面付近にネジが形成されるロッド)が適用され、タイロッドとナットによって軸受チョック1を軸受チョック締結部51に締結する構成を示す。ただし、締結ネジ41はタイロッドに限定されない。例えば、半ネジ六角ボルトなどといった、頭部を有するネジが適用されてもよい。
【0030】
まず、軸受チョック1の本体部2を、軸受チョック締結部51に嵌め込む。軸受チョック1の本体部2の搬送方向寸法Bは、軸受チョック締結部51の内壁面512どうしの距離Gよりも小さい。このため、軸受チョック1の本体部2を軸受チョック締結部51に嵌め込むことができる。なお、軸受チョック1の本体部2の搬送方向寸法Bと、軸受チョック締結部51の内壁面512どうしの距離Gの寸法の差は、嵌め合いのための寸法公差も含むものとする。すなわち、軸受チョック1の本体部2を軸受チョック締結部51に嵌め込めるようにするためには、加工精度や熱変形を考慮して、軸受チョック1の本体部2の搬送方向寸法Bは、軸受チョック締結部51の内壁面512どうしの距離Gよりも小さくしなければならない。このため、嵌め込んだ状態で、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512との間には、隙間が存在することになる。また、軸受チョック1の本体部下面22からフランジ部下面35までの高さHは、軸受チョック締結部51の深さKよりも大きい。このため、軸受チョック1の本体部2を軸受チョック締結部51に嵌め込むと、軸受チョック1の本体部下面22が軸受チョック締結部51の底面511に接触し、軸受チョック1のフランジ部下面35はテーブルフレーム5の上面54から浮いた状態となる。なお、軸受チョック1の本体部下面22と軸受チョック締結部51の底面511は、いずれも搬送方向に平行で上下方向に直角な平面状に形成される。このため、軸受チョック1の本体部2が軸受チョック締結部51に嵌め込まれると、軸受チョック1の本体部下面22と軸受チョック締結部51の底面511とは面接触する。
【0031】
また、軸受チョック1の本体部2が軸受チョック締結部51に嵌め込まれると、2組の係合リブ221が、軸受チョック締結部51の底面511を挟むようにして、軸受チョック締結部51に係合する。前述のように、2組の係合リブ221は搬送方向に延伸する。また、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512との間には隙間が存在する。このため、軸受チョック1は、締結されていない状態では、本体部下面22が軸受チョック締結部51の底面511に面接触した状態を維持しつつ、摺動する態様で搬送方向に弾性変形できる。なお、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512は、締結ネジ41との干渉を防止する凹部231,513を除いては、いずれも搬送方向に直角な平面状に形成される。このため、軸受チョック1が軸受チョック締結部51に嵌め込まれた状態で搬送方向に弾性変形すると、軸受チョック1の本体部側面23は、軸受チョック締結部51の内壁面512に面接触する。なお、2組の係合リブ221は、軸受チョック締結部51の底面511を挟むように軸受チョック締結部51に係合する。このため、軸受チョック1は、テーブルフレーム5に対して軸線方向には移動できない。
【0032】
そして、締結ネジ41(タイロッド)を軸受チョック1および軸受チョック締結部51に形成される締結ネジ挿通穴31,52に挿通し、その上端部および下端部にナットを締結する。本実施形態では、上端部に締結されるナットを「上側ナット42」と称し、下端部に締結されるナットを「下側ナット43」と称する。上側ナット42は、軸受チョック1のフランジ部上面34の上側座面32に接触し、軸受チョック1に下向きの軸力を掛ける。下側ナット43は、テーブルフレーム5の下面55の座面(この座面を、「下側座面53」と称する)に接触して、テーブルフレーム5に上向きの軸力を掛ける。これにより、軸受チョック1が軸受チョック締結部51に締結される。上側ナット42と下側ナット43とが締結されると、軸受チョック1の本体部下面22と軸受チョック締結部51の底面511とが、締結ネジ41の軸力によって所定の圧力で面接触する。なお、締結ネジ41の軸力は、上側ナット42と下側ナット43の締結力(締結トルク)を規定することにより、所定の値に規定できる。これらの上側ナット42および下側ナット43による軸力については後述する。このように、本実施形態では、軸受チョック1が軸受チョック締結部51に締結された状態で、軸受チョック1の本体部下面22と軸受チョック締結部51の底面511とを所定の圧力で面接触する状態に維持する。
【0033】
なお、軸受チョック1の本体部下面22からフランジ部下面35までの高さHは、テーブルフレーム5の上面54から軸受チョック締結部51の底面511までの距離(深さK)よりも大きい。このため、軸受チョック1が軸受チョック締結部51に締結された状態では、軸受チョック1のフランジ部下面35とテーブルフレーム5の上面54とは接触せず、これらの間に隙間が存在する。このような構成とすることにより、軸受チョック1の本体部下面22と軸受チョック締結部51の底面511とを強固に密着させることができるから、軸受チョック1に掛かる荷重を、軸受チョック締結部51の底面511で受け止めることができる。
【0034】
前述のとおり、従来は、搬送ローラー71に搬送物が衝突した際には、軸受チョック1にモーメント荷重が掛かると考えられていた。そこで、軸受チョック1の回転を防止するため、従来は、
図5に示すように、フランジ部912の下面915をテーブルフレーム92(支持部材)の上面924に接触させた状態で、軸受チョック1をテーブルフレーム92に締結していた。この際、加工精度や熱変形を考慮して、軸受チョック91の本体部911の下面913と軸受チョック締結部921の底面922との間に隙間が存在するようにしていた。しかしながら本発明者は、軸受チョック1には、モーメント荷重が掛かるのではなく、搬送方向に平行に弾性変形させる荷重が掛かることを知見した。そこで、軸受チョック1のフランジ部下面35とテーブルフレーム5の上面54との間に隙間を存在させ、軸受チョック1に掛かる荷重を軸受チョック締結部51の底面511で受け止める構成とした。
【0035】
さらに、フランジ部上面34の上側座面32(上側ナット42との接触面)は、軸受チョック1の本体部下面22と軸受チョック締結部51の底面511よりも上側に位置する。そして、締結ネジ41の上側座面32と下側座面53との間の部分が固定されていない。このため、締結ネジ41の上側座面32と下側座面53との間の部分は、搬送方向に曲げ変形可能である。
【0036】
なお、軸受チョック1には、このほか、軸受収容部21を覆う蓋部材や、シールのためのOリングなどが組み付けられる。これら軸受チョック1に軸受73を組み付ける構成は限定されるものではなく、従来公知の構成が適用できる。したがって、図示および説明を省略する。
【0037】
(締結ネジの弛緩防止のメカニズム)
粗圧延機や仕上げ圧延機で圧延材を圧延すると、圧延材(搬送物)の搬送方向の端部が下側に向かって反ることがある。そして、下側に反った部分が搬送ローラー71に衝突し、軸受チョック1には衝撃的な荷重が掛かる。そして、軸受チョック1に掛かった搬送方向の荷重は、軸受チョック1の本体部下面22から軸受チョック締結部51の底面511に伝わるほか、上側座面32と締結ネジ41と下側座面53とを介してテーブルフレーム5に伝わる。発明者は、鋭意研究の結果、軸受チョック1に掛かるこの荷重は、軸受チョック1をピッチング方向に回転させるモーメント荷重ではなく、軸受チョック1を搬送方向に平行弾性変形させる荷重(搬送方向の荷重)であるという知見を得た。
【0038】
そして、軸受チョック1に搬送方向の荷重が掛かると、上側ナット42および上側座面32との間、および、下側ナット43および下側座面53との間には、すべりを生じさせるような荷重が掛かることになる。この場合、上側座面32に掛かる搬送方向の荷重が、上側座面32における最大静止摩擦力よりも大きいと、フランジ部上面34の上側座面32において、フランジ部3と上側ナット42との間ですべりが生じる。同様に、下側座面53に掛かる搬送方向の荷重が下側座面53における最大静止摩擦力よりも大きいと、下側座面53において、テーブルフレーム5と下側ナット43との間ですべりが生じる。その結果、上側座面32と下側座面53において各部材に摩耗が生じるなどして、締結ネジ41が弛緩しやすくなる。そこで、本実施形態では、これらの上側座面32と下側座面53に掛かる搬送方向の荷重(すべりを生じさせる方向の荷重)を規制することにより、これらの上側座面32と下側座面53におけるすべりの発生を防止し、締結ネジ41の弛緩を防止する。これにより、締結ネジ41の弛緩に起因して発生するローラーテーブル7の健全性の喪失を防止し、ローラーテーブル7の長寿命化を図ることができる。
【0039】
ここでは、本実施形態の軸受チョック1の締結構造による締結ネジ41の弛緩防止のメカニズムについて、
図3を参照して説明する。
図3は、軸受チョック1の締結構造を模式的に示す図であり、軸線方向に直角な面で切断した図である。なお、
図3においては、模式化のため、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512との隙間の大きさを強調してある。
【0040】
軸受チョック1に掛かった搬送方向の荷重が、軸受チョック1の本体部下面22と軸受チョック締結部51の底面511との間の最大静止摩擦力以下である場合には、軸受チョック1は搬送方向に弾性変形しない。このため、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512との間に隙間が存在する状態に維持される。この状態では、軸受チョック1に掛かった搬送方向の荷重は、軸受チョック締結部51の底面511によって受け止められることになる。
【0041】
この荷重が、軸受チョック1の本体部下面22と軸受チョック締結部51の底面511との間の最大静止摩擦力を超えた場合には、軸受チョック1はこの荷重によって搬送方向に弾性変形する。そして、軸受チョック1の本体部側面23が軸受チョック締結部51の内壁面512に接触する。この状態となると、軸受チョック1は、それ以上は搬送方向に弾性変形できなくなる。なお、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512は、いずれも、締結ネジ41との干渉を防止する凹部231,513を除いては、搬送方向に直角な平面状に形成される。このため、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512とは面接触する。このように、軸受チョック1に掛かった搬送方向の荷重は、仮に上側ナット42と上側座面32との間ですべりが生じたとすると、軸受チョック締結部51の底面511と内壁面512とに分配されて受け止められることになる。
【0042】
軸受チョック1の本体部側面23が軸受チョック締結部51の内壁面512に接触していない状態では、軸受チョック1に掛かる荷重が大きくなると、上側座面32と下側座面53のそれぞれに掛かる荷重も大きくなる。しかしながら、軸受チョック1の本体部側面23が軸受チョック締結部51の内壁面512に接触すると、上側座面32と下側座面53のそれぞれに掛かる荷重は頭打ちとなり、ある所定の値を超えて大きくなることはない。この所定の値(最大荷重)は、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512との隙間、すなわち、軸受チョック1の搬送方向の許容最大変位量に応じて決まる。具体的には、この隙間が大きくなると、上側座面32と下側座面53のそれぞれに掛かる荷重も大きくなる。そこで、本実施形態では、上側座面32と下側座面53のそれぞれに掛かる最大荷重が、上側座面32と下側座面53のそれぞれの最大静止摩擦力以下となるように、前述の隙間の寸法を規定して管理する。これにより、上側座面32と下側座面53のそれぞれにおいてすべりの発生を防止し、締結ネジ41の弛緩を防止する。
【0043】
この隙間の具体的な規定方法は、次のとおりである。本実施形態では、締結ネジ41を材料力学における片持ち支持梁でモデル化する。ここでは、締結ネジ41における下側座面53の位置を片持ち支持梁の固定端とし、上側座面32の位置を自由端とする。このモデルにおいては、下側座面53と上側座面32との距離が、片持ち支持梁の長さとなる。そして、締結ネジ41の上側座面32の位置(片持ち支持梁の自由端)に、搬送方向の荷重が曲げ荷重として掛るものとする。
【0044】
このようにモデル化された締結ネジ41の上側座面32の位置における搬送方向の変位量(曲げ変形量)は、次の数式(1)で表される。なお、数式(1)において、Frは搬送方向の荷重であり、Lは締結ネジ41の長さ(下側座面53から上側座面32の距離)であり、Eは締結ネジ41のヤング率であり、Iは締結ネジ41の断面二次モーメントである。
δ = (Fr×L
3)/(3×E×I) 数式(1)
【0045】
この数式(1)から明らかなように、締結ネジ41に掛かる荷重Frと搬送方向の変位量δとは、線形の関係を有する。また、締結ネジ41の上側座面32の位置における変位量は、最大で、軸受チョック1の許容最大変位量(軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512との隙間の寸法)に等しい。このため、この数式(1)のFrに、上側座面32と下側座面53のそれぞれの最大静止摩擦力(=締結ネジ41の軸力×上側座面32と下側座面53のそれぞれの摩擦係数)を代入することにより、すべりを生じさせない隙間の寸法の最大値が得られる。すなわち、前述の隙間の寸法を、数式(1)のFrに最大静止摩擦力を代入して算出される変位量δの値以下に規定すればよい。なお、ここでは、上側座面32が自由端である場合を示したが、下側座面53が自由端である場合も同様である。
【0046】
このような構成によれば、軸受チョック1に搬送方向の荷重が掛かった場合であっても、上側座面32と下側座面53のそれぞれには、最大静止摩擦力を超える荷重は掛からない。したがって、上側座面32と下側座面53のそれぞれにおいて、すべりの発生を防止し、締結ネジ41の弛緩を防止できる。
【0047】
このように本実施形態では、軸受チョック1に掛かる搬送方向の荷重が小さい場合には、この荷重を軸受チョック締結部51の底面511で受け止める。この荷重が大きい場合には、この荷重を軸受チョック締結部51の底面511と内壁面512とで分配して受け止める。そして、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512との隙間の寸法を規定し、上側座面32と下側座面53のそれぞれに掛かる最大荷重を規制する。これにより、上側座面32と下側座面53のそれぞれにおいてすべりの発生を防止する。
【0048】
なお、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512に設けられる凹部231,513の内径(特に、搬送方向の深さ)は、軸受チョック1が搬送方向に弾性変形した場合に、締結ネジ41の弾性変形を阻害しない径(深さ)に設定される。凹部231,513の具体的な内径は、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512との隙間の寸法に応じて設定される。例えば、軸受チョック1の本体部側面23が軸受チョック締結部51の内壁面512に接触した状態において、締結ネジ41の外周面(ねじ山の頂部)が凹部231,513の内周面に接触しない径(深さ)に設定される。
【0049】
図4は、本実施形態の締結構造において、軸受チョック1に掛かる搬送方向の荷重と上側座面32と下側座面のそれぞれに掛かる搬送方向の荷重との関係を模式的に示すグラフである。軸受チョック1に掛かる搬送方向の荷重が大きくなるにしたがって、上側座面32と下側座面53のそれぞれに掛かる搬送方向の荷重(すなわち、締結ネジ41の曲げ荷重)も大きくなっていく。軸受チョック1に掛かる荷重が軸受チョック1の本体部下面22と軸受チョック締結部51の底面511との最大静止摩擦力を超えない範囲で、軸受チョック1が搬送方向に弾性変形し、軸受チョック1の本体部側面23が軸受チョック締結部51の内壁面512に接触する。この状態となると、上側座面32と下側座面53のそれぞれに掛かる搬送方向の荷重は頭打ちとなり、それ以上大きくならない。
【0050】
そして、本実施形態では、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512との隙間の寸法が、数式(1)に上側座面32と下側座面53のそれぞれの最大静止摩擦力を代入して算出されるδの値未満に規定される。このため、
図4に示すように、上側座面32と下側座面53のそれぞれに掛かる搬送方向の荷重は、上側座面32と下側座面53のそれぞれの最大静止摩擦力未満の大きさで頭打ちとなる。このため、軸受チョック1に掛かる搬送方向の荷重が大きくなっても、上側座面32と下側座面53のそれぞれに掛かる荷重が、上側座面32と下側座面53のそれぞれの最大静止摩擦力を超えることがない。
【0051】
なお、本実施形態では、前述の隙間の規定に用いる締結ネジ41の軸力を、締結ネジ41の本数に応じて異ならせる構成が適用できる。具体的には、4本の締結ネジ41で軸受チョック1を締結する構成では、軸受チョック1の軸受収容部21に収容された軸受73(ベアリング)が変形しない程度の軸力とする。この軸力は、軸受チョック1の剛性や、軸受73として用いられるベアリングの剛性などに応じて設定される。一方、2本の締結ネジ41を用いて軸受チョック1を締結する構成では、JIS規格に従い、締結ネジ41の降伏応力の70%の軸力を用いる。
【0052】
なお、上側座面32と下側座面53のそれぞれでのすべりを防止する作用は、次のようにも説明できる。軸受チョック1が荷重によって搬送方向に弾性変形すると、軸受チョック1の弾性変形に伴って締結ネジ41が曲げ変形する。そして、上側座面32と下側座面53のそれぞれには、締結ネジ41が元の形状(直線の棒状)に戻ろうとする復元力が掛かる。この復元力が上側座面32と下側座面53のそれぞれの最大静止摩擦力以下である場合には、上側座面32と下側座面53のそれぞれにおいてすべりは生じない。この復元力が上側座面32と下側座面53のそれぞれの最大静止摩擦力を超えると、上側座面32と下側座面53のそれぞれにおいてすべりが生じる。
【0053】
この復元力は、前述の数式(1)から明らかなように、締結ネジ41の曲げ変形の変形量(搬送方向の変位量δ)に応じて決まる。すなわち、ある変形量δを生じさせる曲げ荷重Frと、ある変形量δが生じた場合の復元力とは、同じ大きさである。そして、締結ネジ41の最大曲げ変形量(搬送方向の変位量δ)は、軸受チョック1の許容最大変位量である軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512との隙間の寸法と同じである。したがって、この隙間の寸法を規定することにより、上側座面32と下側座面53のそれぞれの最大静止摩擦力を超える復元力が生じないように、締結ネジ41の曲げ変形量を規制する。これにより、上側座面32と下側座面53のそれぞれでのすべりを防止できる。
【0054】
さらに、次のようにも説明できる。軸受チョック1に搬送方向の荷重が掛かると、上側座面32と下側座面53にも搬送方向の荷重(すなわち、すべりを生じさせるような荷重)がかかる。ただし、締結ネジ41の上側座面32と下側座面53との間は固定されておらず、この間の部分は曲げ変形可能である。このため、締結ネジ41の弾性曲げ変形によって、上側座面32と下側座面53とに掛かる荷重は緩和される。そして、締結ネジ41の曲げ変形により緩和された荷重が上側座面32と下側座面53のそれぞれにおける最大静止摩擦力を超えるよりも前に、軸受チョック1の本体部側面23が軸受チョック締結部51の内壁面512に接触するように、これらの間の隙間の寸法を規定する。これにより、上側座面32と下側座面53のそれぞれでのすべりを防止できる。
【0055】
前述のとおり、軸受チョック1の本体部2を軸受チョック締結部51に嵌め込むことができるように、加工精度や熱変形を考慮して、軸受チョック1の本体部2の搬送方向寸法Bを、軸受チョック締結部51の内壁面512どうしの距離Gよりも小さくしなければならない。このような構成では、軸受チョック1の本体部2を軸受チョック締結部51に嵌め込むと、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512の間には隙間が存在することになる。このため、軸受チョック1は、軸受チョック締結部51に嵌め込まれた状態で、搬送方向に移動可能である。
【0056】
従来は、軸受チョックに回転方向(ピッチング方向)の荷重が掛かると考えられていた。そこで従来は、
図5に示すように、軸受チョック91のフランジ部912の下面915を支持部材の例であるテーブルフレーム92の上面924に接触させることにより、支点との距離を短くすることで回転モーメントを小さく抑えて軸受チョック91の回転を防止しようとしていた。このような構成では、軸受チョックが搬送方向に弾性変形すると、フランジ部912の下面915とテーブルフレーム92の上面924との間にすべりが生じる。そして、このすべりによって、締結ネジ93に螺合されるナットなどのネジ頭部とフランジ部912との間ですべりが生じやすく、締結ネジ93が弛緩しやすい。なお、軸受チョック91のフランジ部912の下面915をテーブルフレーム92の上面924に接触させるためには、加工精度や熱変形を考慮すると、本体部911の下面913を軸受チョック締結部921の底面922から離れさせなければならなかった。
【0057】
これに対して、本実施形態は、「軸受チョックにはモーメント荷重ではなく、搬送方向に平行な荷重が掛かる」という知見に基づき、軸受チョック1のフランジ部下面35とテーブルフレーム5の上面54との間に隙間を存在させ、本体部下面22を軸受チョック締結部51の底面511に接触させる構成とした。そして、軸受チョック1に掛かる荷重を、フランジ部下面35を介してテーブルフレーム5の上面54で受けるのではなく、本体部下面22を介して底面511で受ける構成とした。このような構成によれば、軸受チョック1が搬送方向に弾性変形しても、締結ネジ41が曲げ変形することにより、上側座面32と上側ナット42との間にすべりが生じないようにしやすい。そして、上側座面32と上側ナット42との間にすべりが生じるよりも前に、軸受チョック1の本体部側面23が軸受チョック締結部51の内壁面512に接触し、それ以上の変位ができない。このため、締結ネジ41の弛緩を防止できる。その結果、締結構造の長寿命化を図ることができる。
【0058】
すなわち、
図5に示す従来構成例では、締結ネジ93のネジ頭部の座面とフランジ部912の上面との間ですべりが生じてから、本体部911の側面914と軸受チョック締結部921の内壁面923とが接触する。これに対して、本実施形態では、上側ナット42と上側座面32との間にすべりが生じるよりも前に、本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512とが接触し、すべりの発生を防止する。この結果、締結ネジ93の弛緩を防止してローラーテーブル7の健全性が喪失されないようにし、長寿命化を図ることができる。
【0059】
また、軸受チョック1の本体部側面23と軸受チョック締結部51の内壁面512との隙間の大きさは、軸受チョック1に掛かる荷重に応じて決めてもよい。すなわち、軸受チョック1に掛かる荷重が大きくなるほど、この隙間の大きさを小さくするという構成が適用できる。
【0060】
以上、本発明の実施形態および実施例について詳細に説明したが、前記実施形態および実施例は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎない。本発明は、前記実施形態や実施例によって技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明は、その技術思想またはその主要な特徴から逸脱することなく、さまざまな形で実施することができる。
【0061】
たとえば、前述の実施形態では、搬送ローラーを有するローラーテーブルとして、粗圧延機や仕上げ圧延機に圧延材を搬送するローラーテーブルを示したが、本発明は、このようなローラーテーブルに限定されるものではない。さらに、本発明は、軸受チョックにより回転可能に支持される搬送ローラーを有する設備であれば、設備の種類を問わずに適用できる。また、前記実施形態では、支持部材の例としてテーブルフレームを示したが、支持部材はテーブルフレームに限定されない。支持部材は、軸受チョックを支持して荷重を受ける部材であればよい。