特許第6402678号(P6402678)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402678
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20181001BHJP
【FI】
   F04B39/00 106A
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-97536(P2015-97536)
(22)【出願日】2015年5月12日
(65)【公開番号】特開2016-211490(P2016-211490A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2017年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】木下 雄介
(72)【発明者】
【氏名】小出 達也
(72)【発明者】
【氏名】矢野 順也
(72)【発明者】
【氏名】水藤 健
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−155369(JP,A)
【文献】 特開2011−247215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00
H02K 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部を駆動させる電動モータと、
前記電動モータを駆動させる駆動回路と、
前記電動モータを収容するモータ室を区画するハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられるものであって、前記ハウジングと協働して前記駆動回路を収容する駆動回路室を区画するカバー部材と、
を備えた電動圧縮機において、
前記ハウジングは、前記モータ室と前記駆動回路室とを仕切る隔壁を備え、当該隔壁には貫通孔が形成されており、
前記電動圧縮機は、
前記貫通孔を介して、前記電動モータに電気的に接続されたモータ側配線と、前記駆動回路に電気的に接続された回路側配線とを電気的に接続する接続ピンと、
前記接続ピンを支持するものであって、前記貫通孔を塞いだ状態で前記隔壁に固定される支持プレートと、
前記隔壁における前記支持プレートとの対向面である隔壁対向面と前記支持プレートにおける前記隔壁との対向面であるプレート対向面との間に設けられた平板状のガスケットと、
少なくとも前記支持プレートと前記ガスケットとの位置決めを行う位置決め部と、
を備え、
前記ガスケットには、前記プレート対向面に向けて突出した凸部が設けられており、
前記プレート対向面には、前記凸部と嵌合する凹部が形成されていることを特徴とする電動圧縮機。
【請求項2】
流体を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部を駆動させる電動モータと、
前記電動モータを駆動させる駆動回路と、
前記電動モータを収容するモータ室を区画するハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられるものであって、前記ハウジングと協働して前記駆動回路を収容する駆動回路室を区画するカバー部材と、
を備えた電動圧縮機において、
前記ハウジングは、前記モータ室と前記駆動回路室とを仕切る隔壁を備え、当該隔壁には貫通孔が形成されており、
前記電動圧縮機は、
前記貫通孔を介して、前記電動モータに電気的に接続されたモータ側配線と、前記駆動回路に電気的に接続された回路側配線とを電気的に接続する接続ピンと、
前記接続ピンを支持するものであって、前記貫通孔を塞いだ状態で前記隔壁に固定される支持プレートと、
前記隔壁における前記支持プレートとの対向面である隔壁対向面と前記支持プレートにおける前記隔壁との対向面であるプレート対向面との間に設けられた平板状のガスケットと、
少なくとも前記支持プレートと前記ガスケットとの位置決めを行う位置決め部と、
を備え、
前記位置決め部は、
前記隔壁対向面及び前記プレート対向面のうち一方に設けられた凸部と、
前記隔壁対向面及び前記プレート対向面のうち他方に設けられ、前記凸部と嵌合する凹部と、を備え、
前記ガスケットには、前記凸部が挿通される位置決め挿通孔が形成されており、
前記隔壁には、ボルトが螺合される螺合孔が形成されており、
前記支持プレートには、前記ボルトが挿通される第1ボルト孔が形成されており、
前記ガスケットには、前記第1ボルト孔及び前記螺合孔と連通する第2ボルト孔が形成されており、
前記支持プレートは、前記第1ボルト孔及び前記第2ボルト孔を介して前記螺合孔に前記ボルトが螺合されることによって前記隔壁に固定されており、
前記ガスケットは、長手方向と短手方向とを有する形状であり、当該ガスケットには、前記第2ボルト孔から前記短手方向に延びたスリットが形成されており、
前記位置決め挿通孔は、前記第2ボルト孔に対して前記スリット側とは反対側に配置されていることを特徴とする電動圧縮機。
【請求項3】
流体を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部を駆動させる電動モータと、
前記電動モータを駆動させる駆動回路と、
前記電動モータを収容するモータ室を区画するハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられるものであって、前記ハウジングと協働して前記駆動回路を収容する駆動回路室を区画するカバー部材と、
を備えた電動圧縮機において、
前記ハウジングは、前記モータ室と前記駆動回路室とを仕切る隔壁を備え、当該隔壁には貫通孔が形成されており、
前記電動圧縮機は、
前記貫通孔を介して、前記電動モータに電気的に接続されたモータ側配線と、前記駆動回路に電気的に接続された回路側配線とを電気的に接続する接続ピンと、
前記接続ピンを支持するものであって、前記貫通孔を塞いだ状態で前記隔壁に固定される支持プレートと、
前記隔壁における前記支持プレートとの対向面である隔壁対向面と前記支持プレートにおける前記隔壁との対向面であるプレート対向面との間に設けられた平板状のガスケットと、
少なくとも前記支持プレートと前記ガスケットとの位置決めを行う位置決め部と、
を備え、
前記位置決め部は、
前記隔壁対向面及び前記プレート対向面のうち一方に設けられた凸部と、
前記隔壁対向面及び前記プレート対向面のうち他方に設けられ、前記凸部と嵌合する凹部と、を備え、
前記ガスケットには、前記凸部が挿通される位置決め挿通孔が形成されており、
前記凸部の周囲には、当該凸部を囲む溝が形成されていることを特徴とする電動圧縮機。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記支持プレートに対して前記ガスケットが回転しないように複数設けられている請求項2又は請求項3に記載の電動圧縮機。
【請求項5】
前記凸部の周囲には、当該凸部を囲む溝が形成されている請求項2に記載の電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動圧縮機は、例えば流体を圧縮する圧縮部と、圧縮部を駆動させる電動モータと、電動モータを駆動させる駆動回路としてのインバータと、電動モータを収容するモータ室を区画するハウジングとを備えている(例えば特許文献1参照)。また、特許文献1には、ハウジングに貫通孔が形成され、当該貫通孔に、電動モータとインバータとを接続する接続ピンを有する気密端子が設けられている点が記載されている。更に、特許文献1には、貫通孔の内面と気密端子との間にOリングが挟持されることによって、モータ室と、インバータを収容する駆動回路室としてのインバータ室とがシールされている点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−1882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、Oリングでシールする構成においては、例えばOリングを溝や段差等に取り付ける取付作業を行う必要が生じ得る。この場合、溝等にOリングが正しく取り付けていないと、シール性が低下するため、Oリングの取付作業には正確性が要求され易い。このため、当該取付作業は、比較的煩雑なものとなり易い場合がある。
【0005】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的はモータ室と駆動回路室とをシールしつつ、電動モータと駆動回路との電気的接続を比較的容易に行うことができる電動圧縮機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する電動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動させる電動モータと、前記電動モータを駆動させる駆動回路と、前記電動モータを収容するモータ室を区画するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるものであって、前記ハウジングと協働して前記駆動回路を収容する駆動回路室を区画するカバー部材と、を備え、前記ハウジングは、前記モータ室と前記駆動回路室とを仕切る隔壁を備え、当該隔壁には貫通孔が形成されており、前記電動圧縮機は、前記貫通孔を介して、前記電動モータに電気的に接続されたモータ側配線と、前記駆動回路に電気的に接続された回路側配線とを電気的に接続する接続ピンと、前記接続ピンを支持するものであって、前記貫通孔を塞いだ状態で前記隔壁に固定される支持プレートと、前記隔壁における前記支持プレートとの対向面である隔壁対向面と前記支持プレートにおける前記隔壁との対向面であるプレート対向面との間に設けられた平板状のガスケットと、少なくとも前記支持プレートと前記ガスケットとの位置決めを行う位置決め部と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、接続ピンを介して、モータ側配線と回路側配線とが電気的に接続されることにより、電動モータと駆動回路とを電気的に接続することができる。また、隔壁対向面とプレート対向面との間に設けられた平板状のガスケットによって、比較的容易にモータ室と駆動回路室とをシールすることができる。ここで、平板状のガスケットを用いてシールする関係上、ガスケットと支持プレートとの位置ずれが懸念される。これに対して、本構成によれば、位置決め部によって、少なくとも支持プレートとガスケットとが位置決めされているため、両者間の位置ずれを抑制することができる。よって、モータ室と駆動回路室とをシールしつつ、電動モータと駆動回路との電気的接続を比較的容易に行うことができる。
【0008】
上記電動圧縮機について、前記位置決め部は、前記隔壁対向面及び前記プレート対向面のうち一方に設けられた凸部と、前記隔壁対向面及び前記プレート対向面のうち他方に設けられ、前記凸部と嵌合する凹部と、を備え、前記ガスケットには、前記凸部が挿通される位置決め挿通孔が形成されているとよい。かかる構成によれば、位置決め挿通孔を介して凸部が凹部に嵌合することにより、支持プレート、ガスケット及び隔壁の位置決めを行うことができる。
【0009】
上記電動圧縮機について、前記位置決め部は、前記支持プレートに対して前記ガスケットが回転しないように複数設けられているとよい。かかる構成によれば、位置決め挿通孔を介して凸部が凹部に嵌合した状態で、支持プレートに対してガスケットが回転することを抑制できる。
【0010】
上記電動圧縮機について、前記隔壁には、ボルトが螺合される螺合孔が形成されており、前記支持プレートには、前記ボルトが挿通される第1ボルト孔が形成されており、前記ガスケットには、前記第1ボルト孔及び前記螺合孔と連通する第2ボルト孔が形成されており、前記支持プレートは、前記第1ボルト孔及び前記第2ボルト孔を介して前記螺合孔に前記ボルトが螺合されることによって前記隔壁に固定されており、前記ガスケットは、長手方向と短手方向とを有する形状であり、当該ガスケットには、前記第2ボルト孔から前記短手方向に延びたスリットが形成されており、前記位置決め挿通孔は、前記第2ボルト孔に対して前記スリット側とは反対側に配置されているとよい。かかる構成によれば、スリットから漏れる流体の有無を確認することにより、ボルトの螺合箇所におけるシール性を確認できる。そして、位置決め挿通孔が第2ボルト孔に対してスリット側とは反対側に配置されているため、ガスケットの強度分布の偏りを抑制できる。
【0011】
上記電動圧縮機について、前記凸部の周囲には、当該凸部を囲む溝が形成されているとよい。かかる構成によれば、溝が形成されているため、凸部の周囲の部分が突出することが抑制されている。これにより、凸部の周囲の部分が突出することに起因する不都合、詳細にはガスケットによるシール対象箇所の平坦性の低下に伴うシール性の低下を抑制できる。
【0012】
上記電動圧縮機について、前記ガスケットには、前記プレート対向面に向けて突出した凸部が設けられており、前記プレート対向面には、前記凸部と嵌合する凹部が形成されているとよい。かかる構成によれば、ガスケットに設けられた凸部と、プレート対向面に設けられた凹部とが嵌合することにより、ガスケットと支持プレートとを位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、モータ室と駆動回路室とをシールしつつ、電動モータと駆動回路との電気的接続を比較的容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】電動圧縮機の概要を説明するための模式図。
図2】気密端子及び底壁部の分解斜視図。
図3】気密端子の正面図。
図4図3の4−4線断面図。
図5図3の5−5線断面図。
図6】(a),(b)は支持プレートの製造方法を模式的に示す端面図。
図7】気密端子の取付方法を模式的に示す断面図。
図8】別例の位置決め部を模式的に示す断面図。
図9】別例の位置決め部及び電動圧縮機の製造方法を模式的に示す断面図。
図10】別例の位置決め部及び電動圧縮機の製造方法を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、電動圧縮機の一実施形態について説明する。本実施形態の電動圧縮機は例えば車両に搭載され、車両用空調装置に用いられる。すなわち、本実施形態における電動圧縮機の圧縮対象の流体は冷媒である。なお、図示の都合上、図4等においては、接続ピン53及び接着材56を側面図で示す。
【0016】
図1に示すように、電動圧縮機10は、車両用空調装置を構成する外部冷媒回路から冷媒が吸入される吸入口11aが形成されたハウジング11と、ハウジング11に収容された圧縮部12、電動モータ13及び回転軸14とを備えている。
【0017】
ハウジング11は、全体として筒状(詳細には円筒状)である。ハウジング11は、吸入口11aが形成されたものであって一方に開口した有底筒形状の吸入ハウジング21と、冷媒が吐出される吐出口11bが形成された吐出ハウジング22とを有している。吐出ハウジング22は、吸入ハウジング21の開口部分を塞いだ状態で吸入ハウジング21と連結されている。吸入ハウジング21は、底壁部21aと底壁部21aの外周縁から立設する側壁部21bとを有する。吸入口11aは、吸入ハウジング21の側壁部21bにおける底壁部21a寄りの部分に形成されている。吐出口11bは、外部冷媒回路に接続されている。
【0018】
圧縮部12は、ハウジング11内において、吸入口11aよりも吐出口11b側に配置されている。圧縮部12は、回転軸14が回転することによって、吸入口11aからハウジング11内に吸入された冷媒を圧縮し、その圧縮された冷媒を吐出口11bから吐出させるものである。なお、圧縮部12の具体的な構成は、スクロールタイプ、ピストンタイプ、ベーンタイプ等任意である。
【0019】
ハウジング11は、圧縮部12よりも吸入口11a側に形成される電動モータ13を収容するモータ室23を区画している。詳細には、モータ室23は、吸入ハウジング21の側壁部21bの内周面21baと、底壁部21aにおける上記内周面21baと連続する電動モータ13側の面21cとによって区画されている。
【0020】
図1に示すように、モータ室23内には、回転軸14が配置されている。回転軸14は、その一端部が圧縮部12に連結された状態で、ハウジング11に対して回転可能に支持されている。
【0021】
電動モータ13は、回転軸14を回転させることにより、圧縮部12を駆動させる。電動モータ13は、回転軸14に固定されたロータ31と、ロータ31に対して回転軸14の径方向外側に配置されたステータ32とを備えている。ロータ31は、例えば円筒形状であって、永久磁石31aを有している。ステータ32は、例えばロータ31よりも一回り大きい円筒形状のステータコア33と、ステータコア33に捲回されたコイル34とを備えている。ステータコア33は、吸入ハウジング21に固定されている。なお、本実施形態では、電動モータ13は例えば3つのコイル34を有する三相モータである。
【0022】
図1に示すように、電動圧縮機10は、電動モータ13を駆動させる駆動回路としてのインバータ40と、ハウジング11に取り付けられるものであって、ハウジング11と協働してインバータ40を収容するインバータ室41を区画するカバー部材42とを備えている。
【0023】
インバータ40は、例えば複数のパワースイッチング素子を有するパワーモジュール等の各種電子部品、及び、これら各種電子部品が実装された回路基板等を有している。インバータ40は、図示しないコネクタを介して、バッテリ等に接続されている。なお、本実施形態のインバータ40は、電動モータ13が三相モータであることに対応させて、三相インバータである。
【0024】
カバー部材42は、全体として一方に開口した略有底円筒形状である。カバー部材42は、その開口端が吸入ハウジング21の底壁部21aにおける電動モータ13側の面21cとは反対側の面21dと突き合わせられた状態で、ハウジング11に固定されている。インバータ室41は、底壁部21aにおける電動モータ13側の面21cとは反対側の面21dと、カバー部材42の内面とによって区画されている。
【0025】
モータ室23とインバータ室41とは底壁部21aによって仕切られている。本実施形態では、底壁部21aが「隔壁」に対応する。電動圧縮機10は、モータ室23には冷媒が流入する一方、インバータ室41には冷媒は流入しないように構成されている。
【0026】
図1に示すように、電動圧縮機10は、電動モータ13に電気的に接続されたモータ側配線43を備えている。モータ側配線43は複数設けられており、詳細にはコイル34が3つ設けられていることに対応させて3本設けられている。モータ側配線43は、モータ室23に収容されている。
【0027】
電動圧縮機10は、インバータ40に電気的に接続された回路側配線44を備えている。回路側配線44は複数設けられており、詳細には本実施形態のインバータ40が三相インバータであることに対応させて、3本設けられている。回路側配線44は、インバータ室41に収容されている。
【0028】
電動圧縮機10は、モータ側配線43と回路側配線44とを電気的に接続する構成を備えている。当該構成について以下に詳細に説明する。
図2図4に示すように、モータ室23とインバータ室41とを仕切る底壁部21aには、貫通孔51が形成されている。貫通孔51は、長手方向と短手方向とを有するオーバル形状であり、詳細には角丸長方形状である。貫通孔51は、モータ室23とインバータ室41とを連通するように、底壁部21aの厚さ方向に貫通している。なお、本実施形態では、貫通孔51は、段差状となっていない一定の大きさを有するものである。
【0029】
電動圧縮機10は、モータ室23とインバータ室41とをシールしつつ、モータ側配線43と回路側配線44とを電気的に接続する気密端子52を備えている。気密端子52は、モータ側配線43と回路側配線44とを電気的に接続する接続ピン53と、接続ピン53を支持するものであって、貫通孔51の一方の開口を塞いだ状態で底壁部21aに固定される支持プレート54とを備えている。
【0030】
図2に示すように、支持プレート54は、厚さ方向から見て、貫通孔51の開口よりも一回り大きいオーバル形状(詳細には角丸長方形状)である。支持プレート54は、底壁部21aにおける電動モータ13側の面21cとは反対側の面21dと対向するプレート対向面54aと、プレート対向面54aとは反対側の面であって周縁に沿ってリブ55が形成されたリブ面54bとを備えている。
【0031】
なお、以降の説明において、底壁部21aにおける電動モータ13側の面21cとは反対側の面21dを、隔壁対向面21dという。隔壁対向面21dとプレート対向面54aとは平坦面であり、両者は互いに対向している。
【0032】
接続ピン53は、例えば柱状である。接続ピン53は、絶縁性を有する接着材56によって、支持プレート54と絶縁された状態で支持プレート54に固定されている。この場合、図4に示すように、接続ピン53は、支持プレート54の厚さ方向に貫通しており、プレート対向面54a及びリブ面54bの双方から突出している。すなわち、接続ピン53は、プレート対向面54aから突出した第1突出部53aと、リブ面54bから突出した第2突出部53bとを有している。なお、接着材56の具体的な材料は、例えばガラス製の接着材料等が考えられるが、絶縁性を有していれば任意である。
【0033】
ここで、モータ側配線43及び回路側配線44が3本ずつ設けられていることに対応させて、接続ピン53は3つ設けられている。図3及び図4に示すように、3つの接続ピン53は、支持プレート54の長手方向に所定の間隔を隔てて配列されている。この場合、貫通孔51は、3つの接続ピン53が挿入可能な大きさとなっている。
【0034】
図2及び図4に示すように、気密端子52は、隔壁対向面21dとプレート対向面54aとの間に設けられた平板状のガスケット57を備えている。ガスケット57は、長手方向及び短手方向を有する形状であり、詳細にはガスケット57の厚さ方向から見て角丸長方形状である。本実施形態では、ガスケット57の外形は支持プレート54の外形と略同一である。ガスケット57には、貫通孔51と連通する連通孔58が形成されている。
【0035】
図2図4に示すように、支持プレート54には、締結部としてのボルト60が挿入可能な第1ボルト孔61が形成されている。第1ボルト孔61は、接続ピン53に対して長手方向の両側に設けられている。また、ガスケット57には、第1ボルト孔61と連通する第2ボルト孔62が形成されている。第2ボルト孔62は、連通孔58に対して長手方向の両側に設けられている。そして、隔壁対向面21dには、ボルト60が螺合可能な螺合孔63が形成されている。螺合孔63は、貫通孔51に対して当該貫通孔51の長手方向の両側に設けられている。支持プレート54は、第1ボルト孔61及び第2ボルト孔62にボルト60が挿通された状態で、当該ボルト60が螺合孔63に螺合されることによって底壁部21aに固定されている。
【0036】
この場合、貫通孔51のインバータ室41側の開口は、支持プレート54によってインバータ室41側から塞がれている。ガスケット57は、底壁部21a(詳細には隔壁対向面21d)と支持プレート54(詳細にはプレート対向面54a)とによって挟持されている。このため、貫通孔51を介するモータ室23からインバータ室41への冷媒の流入が規制されている。また、ガスケット57の連通孔58と貫通孔51とは連通している。そして、接続ピン53における第1突出部53aは、連通孔58及び貫通孔51を介してモータ室23側に突出している。
【0037】
図4に示すように、電動圧縮機10は、第1突出部53aとモータ側配線43とを接続する第1接続部71と、第2突出部53bと回路側配線44とを接続する第2接続部72とを備えている。これにより、モータ側配線43と回路側配線44とが接続ピン53を介して電気的に接続されるため、電動モータ13とインバータ40とが電気的に接続される。なお、各接続部71,72の具体的な構成は任意であり、例えばクラスタブロック等を有する構成等であってもよい。
【0038】
ちなみに、図2及び図3に示すように、ガスケット57には、第2ボルト孔62からガスケット57の短手方向に延びたスリット73が形成されている。スリット73は、ガスケット57の短手方向の端面まで形成されている。第2ボルト孔62は、スリット73を介して、ガスケット57の短手方向に開口している。
【0039】
なお、スリット73は、2つの第2ボルト孔62のそれぞれに形成されている。この場合、スリット73は、互いに逆向きに延びている。換言すれば、一対のスリット73は、ガスケット57の中心を中心点として対角配置されている。
【0040】
また、図3に示すように、ガスケット57の長手方向の両端部には、支持プレート54からはみ出したフランジ部74が設けられている。本実施形態では、フランジ部74は左右対称となっているが、これに限られず、ガスケット57の短手方向にずれていてもよい。
【0041】
本実施形態の電動圧縮機10は、少なくとも支持プレート54とガスケット57との位置決めを行う位置決め部80を備えている。位置決め部80について以下に詳細に説明する。
【0042】
図5に示すように、位置決め部80は、支持プレート54に設けられ、プレート対向面54aから隔壁対向面21dに向けて突出している凸部81を備えている。プレート対向面54aからの凸部81の突出寸法は、ガスケット57の厚さよりも長く設定されている。なお、本実施形態の凸部81は円柱状である。
【0043】
位置決め部80は、隔壁対向面21dにおける凸部81と対向する位置に設けられ、凸部81と嵌合する凹部82を備えている。また、ガスケット57には、凸部81が挿通される位置決め挿通孔83が形成されている。凸部81は位置決め挿通孔83を介して凹部82に嵌合している。
【0044】
ここで、凸部81が位置決め挿通孔83を介して凹部82に嵌合している状況において、貫通孔51とガスケット57の連通孔58とが連通し、且つ、第1ボルト孔61、第2ボルト孔62及び螺合孔63が連通している。換言すれば、凸部81が位置決め挿通孔83を介して凹部82に嵌合することによって、貫通孔51とガスケット57の連通孔58とが連通し、且つ、第1ボルト孔61、第2ボルト孔62及び螺合孔63が連通するように、底壁部21a、支持プレート54及びガスケット57の位置関係が設定されていると言える。
【0045】
ここで、位置決め部80は、支持プレート54に対してガスケット57が回転しないように複数(詳細には2つ)設けられている。詳細には、一対の位置決め部80は、支持プレート54及びガスケット57の中心を中心点として対角配置されている。
【0046】
特に、位置決め挿通孔83は、第2ボルト孔62に対して、スリット73側とは反対側に設けられている。詳細には、一対の位置決め部80に対応させて、ガスケット57には、位置決め挿通孔83が一対形成されている。一対の位置決め挿通孔83は、第2ボルト孔62に対して、対角配置されているスリット73とは反対側の位置にて対角配置されている。すなわち、一対のスリット73の対角方向と一対の位置決め挿通孔83の対角方向とは交差している。なお、両対角方向は、ガスケット57の長手方向及び短手方向の双方と交差している。
【0047】
図5に示すように、凸部81の周囲には、当該凸部81を囲む溝84が形成されている。溝84は、プレート対向面54aから凹んだ円環状である。また、リブ面54bにおける凸部81及び溝84とは反対側の部分には窪み85が形成されている。
【0048】
次に電動圧縮機10の製造方法の一部である支持プレート54の製造方法及び気密端子52の取付方法について説明する。
まず支持プレート54の製造方法について説明すると、図6(a)に示すように、プレス機械100を用いて板状のベース部材101をプレスして、リブ55を形成する。その後、図6(b)に示すように、治具102を用いて、リブ55が形成されたリブ面54bとは反対側のプレート対向面54aにおける凸部81が形成される部分の周囲に対応する部分を押さえつつ、リブ面54bから押圧することにより、凸部81を押し出して形成する。この場合、治具102による押さえによって、凸部81の周囲に溝84が形成されるとともに、凸部81とは反対側にて窪み85が形成される。その後、支持プレート54に3つの貫通孔を形成し、その貫通孔に接続ピン53を挿入した状態で、接着材56で接続ピン53を支持プレート54に取り付ける。これにより、支持プレート54が製造される。
【0049】
次に、気密端子52の取付方法について説明する。本実施形態では、ガスケット57を吸着する吸着装置103が用いられる。詳細には、図7に示すように、まず、凸部81を位置決め挿通孔83に挿通させることにより、支持プレート54とガスケット57とを、位置決めした状態で組み付ける。その後、吸着装置103は、フランジ部74を吸着することにより、支持プレート54及びガスケット57を保持する。そして、吸着装置103は、支持プレート54及びガスケット57を、凸部81が隔壁対向面21dに設けられた凹部82に嵌まるように設置する。これにより、貫通孔51及び連通孔58が連通するとともに、接続ピン53の第2突出部53bが、連通孔58及び貫通孔51を介して、モータ室23に突出する。そして、螺合孔63、第2ボルト孔62及び第1ボルト孔61が連通する。その後、ボルト60を、第1ボルト孔61及び第2ボルト孔62を介して螺合孔63に螺合させることにより、ガスケット57を介して支持プレート54を底壁部21aに固定する。
【0050】
次に本実施形態の作用について説明する。
位置決め挿通孔83を介して凸部81が凹部82に嵌合されることにより、支持プレート54及びガスケット57が位置決めされるとともに、底壁部21aに対して支持プレート54及びガスケット57が位置決めされる。
【0051】
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)電動圧縮機10は、流体としての冷媒を圧縮する圧縮部12と、圧縮部12を駆動させる電動モータ13と、電動モータ13を駆動させるインバータ40と、モータ室23を区画するハウジング11と、ハウジング11に取り付けられているものであってハウジング11と協働してインバータ室41を区画するカバー部材42とを備えている。ハウジング11は、モータ室23とインバータ室41とを仕切る底壁部21aを備え、当該底壁部21aには貫通孔51が形成されている。
【0052】
かかる構成において、電動圧縮機10は、電動モータ13に電気的に接続されたモータ側配線43と、インバータ40に電気的に接続された回路側配線44とを電気的に接続する接続ピン53と、接続ピン53を支持するものであって、貫通孔51を塞いだ状態で底壁部21aに固定される支持プレート54とを備えている。そして、電動圧縮機10は、底壁部21aにおける支持プレート54との対向面である隔壁対向面21dと、支持プレート54における底壁部21aとの対向面であるプレート対向面54aとの間に設けられた平板状のガスケット57と、少なくとも支持プレート54とガスケット57との位置決めを行う位置決め部80とを備えている。これにより、比較的容易にモータ室23とインバータ室41とをシールしつつ、電動モータ13とインバータ40とを電気的に接続することができる。
【0053】
詳述すると、Oリングを用いてシールする構成においては、例えば貫通孔に溝や段差等を設け、その溝等にOリングを取り付ける構成等が考えられる。この場合、Oリングの取付位置が悪いと、Oリングの一部が支持プレート54の側面と貫通孔51との内面との間に噛み込んで、シール性(換言すれば気密性)が低下する等といった不都合が生じ得る。よって、Oリングを取り付ける取付作業は、比較的煩雑なものとなり易く、自動化しにくい。
【0054】
これに対して、本実施形態では、シール部材として、Oリングではなく隔壁対向面21dとプレート対向面54aとの間に設けられた平板状のガスケット57が採用されている。これにより、ガスケット57が嵌まる溝等を設ける必要がないとともに、溝等にガスケット57を嵌める等といった作業を行うことなく、接続ピン53、支持プレート54及びガスケット57からなる気密端子52を比較的容易に設置できる。換言すれば、平板状のガスケット57を採用することにより、気密端子52の取付作業の自動化を比較的容易に行うことができる。しかしながら、ガスケット57を溝等に取り付けない構成においては、ガスケット57の位置が定まらないため、ガスケット57と支持プレート54との位置ずれが生じ得る。位置ずれが生じると、シール性の低下等の不都合が懸念される。
【0055】
これに対して、本実施形態では、位置決め部80によってガスケット57と支持プレート54とが位置決めされている。これにより、気密端子52の取付作業を比較的容易に行うことを通じて電動モータ13とインバータ40との電気的接続の容易化を図りつつ、ガスケット57の位置ずれに起因するシール性の低下を抑制できる。
【0056】
(2)位置決め部80は、プレート対向面54aに設けられた凸部81と、隔壁対向面21dに設けられ、凸部81と嵌合する凹部82とを備え、ガスケット57には、凸部81が挿通される位置決め挿通孔83が形成されている。これにより、位置決め挿通孔83を介して凸部81が凹部82に嵌合することにより、支持プレート54、底壁部21a及びガスケット57の位置決めを行うことができる。
【0057】
(3)位置決め部80は、支持プレート54に対してガスケット57が回転しないように複数設けられている。これにより、位置決め挿通孔83を介して凸部81が凹部82に嵌合している状態で、支持プレート54に対してガスケット57が回転することを抑制できる。
【0058】
特に、本実施形態では、支持プレート54は、ボルト60の螺合によって底壁部21aに固定されている。このため、ボルト60を螺合させる際には、支持プレート54及びガスケット57に回転力が付与されるため、回転方向の位置ずれが生じ易い。これに対して、本実施形態では、複数の位置決め部80によって支持プレート54に対するガスケット57の回転が規制されているため、ボルト60を螺合させる際に、上記回転方向の位置ずれが生じにくい。よって、好適にボルト60を螺合孔63に螺合させることができる。
【0059】
(4)底壁部21aには、ボルト60が螺合される螺合孔63が形成されている。支持プレート54には、ボルト60が挿通される第1ボルト孔61が形成されている。ガスケット57には、第1ボルト孔61及び螺合孔63と連通する第2ボルト孔62が形成されている。支持プレート54は、第1ボルト孔61及び第2ボルト孔62を介して螺合孔63にボルト60が螺合されることによってガスケット57を挟んだ状態で底壁部21aに固定されている。
【0060】
かかる構成において、ガスケット57は長手方向及び短手方向を有する形状であり、当該ガスケット57には、第2ボルト孔62からガスケット57の短手方向に延びたスリット73が形成されている。スリット73はガスケット57の短手方向の端面まで延びており、第2ボルト孔62は、スリット73を介して、ガスケット57の短手方向に開口している。これにより、スリット73を介して漏れる冷媒の有無を確認することにより、螺合箇所におけるシール性を確認することができる。
【0061】
当該スリット73に対応させて、位置決め挿通孔83は、第2ボルト孔62に対してスリット73側とは反対側に配置されている。これにより、スリット73側に位置決め挿通孔83が形成される構成と比較して、ガスケット57の強度分布の偏り、詳細にはスリット73側とは反対側よりもスリット73側がより脆弱となることを抑制できる。
【0062】
(5)第2ボルト孔62は、連通孔58に対してガスケット57の長手方向の両側に設けられており、2つの第2ボルト孔62にスリット73がそれぞれ形成されている。この場合、2つのスリット73は、第2ボルト孔62から互いに逆向きに延びており、2つのスリット73は対角配置されている。また、位置決め部80が2つ設けられていることに対応させて、ガスケット57には、対角配置されている一対の位置決め挿通孔83が形成されており、一対の位置決め挿通孔83の対角方向はスリット73の対角方向と交差している。これにより、ガスケット57の強度分布の偏りを抑制することができる。
【0063】
(6)凸部81の周囲には、当該凸部81を囲む溝84が形成されている。これにより、凸部81の周囲の部分がプレート対向面54aから突出することに起因する平坦性の低下に伴うシール性の低下を抑制できる。
【0064】
詳述すると、凸部81の周囲の部分がプレート対向面54aから隔壁対向面21dに向けて突出している場合、当該周囲の部分とプレート対向面54aにおける他の部分とが段差状となる。この場合、ガスケット57がシールする対象箇所が段差状となってしまうため、ガスケット57によるシール性が低下するという不都合が生じ得る。特に、支持プレート54をリブ面54bから押すことにより、凸部81を形成する構成においては、凸部81の周囲部分が突出し易いため、上記不都合が生じ易い。
【0065】
これに対して、本実施形態では、凸部81の周囲には溝84が形成されているため、凸部81の周囲の部分がプレート対向面54aよりも突出することを抑制することができる。これにより、ガスケット57によるシール対象箇所が段差状となることを抑制でき、それを通じてシール性の低下を抑制できる。
【0066】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
図8に示すように、位置決め部110は、プレート対向面54aに設けられた第1凹部111と、隔壁対向面21dに設けられた第2凹部112と、ガスケット57に設けられたものであって凹部111,112と嵌合する凸部121,122を備えている構成でもよい。この場合、第1凸部121と第1凹部111との嵌合によって支持プレート54とガスケット57とが位置決めされ、第2凸部122と第2凹部112との嵌合によってガスケット57と底壁部21aとが位置決めされる。
【0067】
なお、図8においては、第1凸部121及び第1凹部111と、第2凸部122及び第2凹部112とは、ガスケット57の厚さ方向に一致していたが、これに限られず、両者はずれていてもよい。
【0068】
図9に示すように、支持プレート54には、凸部81に代えて、支持プレート54の厚さ方向に貫通する位置決め貫通孔131が形成されていてもよい。この場合、吸着装置103は、位置決め貫通孔131に挿入可能な位置決め用挿入ピン103aを有しているとよい。
【0069】
かかる構成において、電動圧縮機10の製造方法は、位置決め用挿入ピン103aを、位置決め貫通孔131及び位置決め挿通孔83を挿入する工程と、その状態で、吸着装置103を用いてガスケット57のフランジ部74を吸着して、支持プレート54及びガスケット57を保持する工程とを備えているとよい。
【0070】
更に、図10に示すように、電動圧縮機10の製造方法は、吸着装置103を用いて、位置決め用挿入ピン103aが隔壁対向面21dの凹部82に挿入されるように位置合わせを行いながら、ガスケット57及び支持プレート54を配置する工程を備えている。また、電動圧縮機10の製造方法は、位置決め用挿入ピン103aが隔壁対向面21dの凹部82に挿入された状態で、ボルト60を螺合孔63に螺合させて、支持プレート54を底壁部21aに固定する工程を備えている。そして、電動圧縮機10の製造方法は、支持プレート54の固定後、位置決め用挿入ピン103aを抜く工程を備えている。これにより、支持プレート54、ガスケット57及び底壁部21aの位置決めを行いつつ、支持プレート54の固定を行うことができる。すなわち、位置決め部は、凸部を備えている構成に限られない。
【0071】
○ プレート対向面54aに凹部が形成され、隔壁対向面21dに凸部が形成されている構成でもよい。
○ 位置決め部80は1つであってもよい。この場合、凸部81、凹部82及び位置決め挿通孔83の断面形状を多角形又は楕円等といった非円形状にするとよい。これにより、位置決め部80は1つであっても、支持プレート54に対してガスケット57が回転することを規制できる。
【0072】
○ 位置決め部80が複数設けられている構成においては、凸部81の形状は任意である。
○ 位置決め部80の位置は、接続ピン53やボルト60等と干渉しなければ、任意であり、対角配置されていなくてもよい。
【0073】
○ 支持プレート54はボルト60によって底壁部21aに固定されていたが、これに限られず、他の固定態様で固定されていてもよい。
○ スリット73の延びる方向は短手方向に限られず任意である。また、スリット73を省略してもよい。
【0074】
○ 凸部81の周囲の溝84を省略してもよい。但し、ガスケット57によるシール性の観点に着目すれば、溝84がある方が好ましい。
○ 接続ピン53の数、回路側配線44の数及びモータ側配線43の数は任意である。
【0075】
○ 電動圧縮機10の搭載対象は、車両に限られず任意である。
○ 電動圧縮機10は、車両用空調装置に用いられていたが、これに限られず、他の装置に用いられてもよい。例えば、車両が燃料電池を搭載した燃料電池車両(FCV)である場合には、当該電動圧縮機10は、上記燃料電池に空気を供給する供給装置に用いられてもよい。要は、圧縮対象の流体は、任意であり、冷媒であってもよいし空気などであってもよい。
【0076】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)流体を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動させる電動モータと、前記電動モータを駆動させる駆動回路と、前記電動モータを収容するモータ室を区画するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるものであって、前記ハウジングと協働して前記駆動回路を収容する駆動回路室を区画するカバー部材と、を備え、前記ハウジングにおける前記モータ室と前記駆動回路室とを仕切る隔壁に形成された貫通孔を介して、前記電動モータに電気的に接続されたモータ側配線と、前記駆動回路に電気的に接続された回路側配線とを電気的に接続する接続ピンと、前記接続ピンを支持するものであって、前記貫通孔を塞いだ状態で前記隔壁に固定される支持プレートと、前記隔壁における前記支持プレートとの対向面である隔壁対向面と前記支持プレートにおける前記隔壁との対向面であるプレート対向面との間に設けられた平板状のガスケットと、を備えた電動圧縮機の製造方法であって、位置決め用挿入ピンを、前記支持プレートに設けられた位置決め貫通孔と、前記ガスケットに設けられた位置決め挿通孔とに挿入する工程と、前記位置決め用挿入ピンが前記位置決め貫通孔及び前記位置決め挿通孔に挿入された状態で、前記支持プレートを前記隔壁に固定する工程と、を備えていることを特徴とする電動圧縮機の製造方法。
【符号の説明】
【0077】
10…電動圧縮機、11…ハウジング、12…圧縮部、13…電動モータ、21a…底壁部(隔壁)、21d…隔壁対向面、23…モータ室、41…インバータ室(駆動回路室)、42…カバー部材、43…モータ側配線、44…回路側配線、51…貫通孔、53…接続ピン、54…支持プレート、54a…プレート対向面、57…ガスケット、60…ボルト、61…第1ボルト孔、62…第2ボルト孔、63…螺合孔、73…スリット、80,110…位置決め部、81,121,122…凸部、82,111,112…凹部、83…位置決め挿通孔、84…溝、103a…位置決め用挿入ピン、131…位置決め貫通孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10