特許第6402693号(P6402693)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402693
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】エンジンの排気装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/04 20060101AFI20181001BHJP
   F02B 37/22 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   F02D9/04 G
   F02B37/22
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-165008(P2015-165008)
(22)【出願日】2015年8月24日
(65)【公開番号】特開2017-44077(P2017-44077A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【弁理士】
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】末國 栄之介
(72)【発明者】
【氏名】梅村 潤司
(72)【発明者】
【氏名】辻田 周平
(72)【発明者】
【氏名】三原 誠
(72)【発明者】
【氏名】藤山 智彰
(72)【発明者】
【氏名】濱田 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】波多間 康司
(72)【発明者】
【氏名】池田 雅博
【審査官】 田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−84757(JP,A)
【文献】 実開昭60−95118(JP,U)
【文献】 実開平1−174529(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/00 − 11/00
F02B 33/00 − 41/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン本体と、当該エンジン本体から排出される排気ガスの圧力により駆動される過給機との間に介設されるエンジンの排気装置であって、
前記過給機に排気ガスを導入する第1排気通路および第2排気通路と、
前記第1排気通路と前記第2排気通路との間に介在してこれらの通路を仕切る隔壁と、
前記第2排気通路内に配置され、当該第2排気通路を流れる排気ガスの流量を調節するバルブとを備え、
前記隔壁は、前記第1排気通路と前記第2排気通路とを連通させる連通部を有し、
前記連通部は、前記バルブが前記第2排気通路を閉じた状態において、前記第2排気通路から前記第1排気通路に排気ガスが流れるように、前記第2排気通路のうち、少なくとも排気ガスの流れ方向における前記バルブよりも上流側に対応する位置に設けられている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
【請求項2】
エンジン本体と、当該エンジン本体から排出される排気ガスの圧力により駆動される過給機との間に介設されるエンジンの排気装置であって、
前記過給機に排気ガスを導入する第1排気通路および第2排気通路と、
前記第1排気通路と前記第2排気通路との間に介在してこれらの通路を仕切る隔壁と、
前記第2排気通路内に配置され、当該第2排気通路を流れる排気ガスの流量を調節するバルブとを備え、
前記隔壁は、前記第1排気通路と前記第2排気通路とを連通させる連通部を有し、
前記バルブは、前記第1排気通路と前記第2排気通路との並び方向と直交する方向に延びる軸周りに回転するバタフライバルブであり、
前記バタフライバルブは、当該バタフライバルブが閉じられた状態では前記第1排気通路側の端部が反第1排気通路側の端部よりも排気ガスの流れ方向における下流側に位置するように傾斜した状態で配置されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
【請求項3】
前記連通部は、排気ガスの流れ方向における前記隔壁の上流側端部から前記流れ方向に延びる切欠部であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエンジンの排気装置。
【請求項4】
前記連通部は、排気ガスの流れ方向に延びるスリットであることを特徴とする、請求項に記載のエンジンの排気装置。
【請求項5】
前記エンジン本体は、複数の気筒と、各気筒内で往復動するピストンとを有し、
前記第1排気通路および前記第2排気通路は、各々、前記気筒の数に応じて複数個設けられ、前記複数の第1排気通路および前記複数の第2排気通路は、各々、気筒列方向に一列に並んで配置され、
前記複数の第1排気通路と前記複数の第2排気通路との間にそれぞれ介在する前記隔壁のうち、前記気筒列方向の両端に位置する前記隔壁が前記連通部を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のエンジンの排気装置。
【請求項6】
前記バルブは、前記第1排気通路と前記第2排気通路との並び方向と直交する方向に延びる軸周りに回転するバタフライバルブであり、
前記バタフライバルブは、当該バタフライバルブが閉じられた状態では前記第1排気通路側の端部が反第1排気通路側の端部よりも排気ガスの流れ方向における下流側に位置するように傾斜した状態で配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ターボ過給機付エンジンを搭載した車両において、ターボ過給機の過給能力を高める研究がなされている。例えば、特許文献1には、車両の走行状態に応じて、排気通路内における排気ガスの流通面積を変更することにより、ターボ過給機に導入される排気ガスの流速を制御し、これによりターボ過給機の過給能力を高めるようにしたエンジンが開示されている。
【0003】
具体的に説明すると、特許文献1に記載のターボ過給機付エンジンは、エンジン本体と、エンジン本体の排気ポートに接続された排気弁装置と、排気弁装置の下流端部に接続されたターボ過給機とを備えている。上記排気弁装置は、気筒列方向に並ぶ3つの低速用排気通路および気筒列方向に並ぶ3つの高速用排気通路を有する装置本体と、各高速用排気通路内に配置されて、各高速用排気通路内を流れる排気ガスの流量を調節する排気可変弁とを備えている。上記装置本体は、金属鋳造体で構成されており、低速用排気通路と高速用排気通路とは、排気ガスの流れ方向に沿って延びる隔壁によって上下2段に区画されている。
【0004】
特許文献1における排気可変弁は、車両の低速運転領域では閉じられる。排気可変弁の閉弁により、少ない排気ガスを低速用排気通路に集中させることで排気ガスの流速を高め、これによりターボ過給機のタービンの駆動力をアップさせて吸気圧を高めることができる。一方、排気可変弁は、車両の高速運転領域では開かれる。排気可変弁の開弁により、低速用排気通路および高速用排気通路の両方を通じて排気ガスをターボ過給機に供給することで、排気可変弁が排気抵抗となるのを防止しつつターボ過給機を駆動させて吸気圧を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−84757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のターボ過給機付エンジンにおいては、低速用排気通路と高速用排気通路との間に位置する板状の隔壁が熱応力によって歪む虞があり、この歪みが大きくなると隔壁にクラックが生じる虞がある。
【0007】
詳しく説明すると、特に車両の高速運転領域では、排気ガスが低速用排気通路と高速用排気通路の両方を通過する上に隔壁が外気に触れないため、隔壁が上下両面から排気ガスによって加熱されて大きな熱膨張が生じる。一方、隔壁の周囲の部分は隔壁よりも肉厚で剛性が高く、外気に触れる面積が大きいため、隔壁と比べて熱膨張量が小さい。このため、隔壁とその周囲の部分との間に、熱膨張量の差による大きな歪みが発生し、隔壁とその周囲の部分との境界付近にクラックが生じる虞がある。
【0008】
さらに、上記排気可変弁が、隔壁やその周辺部分の熱歪み等により閉弁状態で固着した場合には、以下の不都合が生じる虞がある。すなわち、車両の高速運転領域において、本来であれば高速用排気通路を通じて流れるはずの排気ガスが排気可変弁に衝突して流れが滞り、その結果、エンジン本体の排気ポートから排気ガスがスムーズに出ず、エンジンの燃焼室で失火が生じて、高速運転領域における走行性能が低下する虞がある。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、過給機付エンジンを搭載した車両において、過給機に供給される排気ガスの流量を調節する排気弁装置が熱応力によって破損するのを防止しつつ、その排気弁装置に動作不良が生じた際に高速運転領域における走行性能が損なわれるのを抑制することができるエンジンの排気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、エンジン本体と、当該エンジン本体から排出される排気ガスの圧力により駆動される過給機との間に介設されるエンジンの排気装置であって、前記過給機に排気ガスを導入する第1排気通路および第2排気通路と、前記第1排気通路と前記第2排気通路との間に介在してこれらの通路を仕切る隔壁と、前記第2排気通路内に配置され、当該第2排気通路を流れる排気ガスの流量を調節するバルブとを備え、前記隔壁は、前記第1排気通路と前記第2排気通路とを連通させる連通部を有し、前記連通部は、前記バルブが前記第2排気通路を閉じた状態において、前記第2排気通路から前記第1排気通路に排気ガスが流れるように、前記第2排気通路のうち、少なくとも排気ガスの流れ方向における前記バルブよりも上流側に対応する位置に設けられていることを特徴とするエンジンの排気装置を提供する。
【0011】
本発明によれば、隔壁に連通部が形成されているため、隔壁に熱膨張が生じても、その熱膨張による熱応力が連通部に吸収される。これにより、隔壁が熱応力によって破損するのを防止することができる。さらに、隔壁やその周辺部分に生じた熱歪み等により、バルブが閉弁状態で固着することがあっても、高速運転領域における走行性能が低下するのを抑制することができる。詳しく説明すると、バルブが閉弁状態で固着した場合には、車両の高速運転領域では、エンジン本体からバルブ付近に到達した排気ガスが、連通部を通じて第1排気通路へ流れるため、バルブの上流側で排気ガスの滞留が生じにくくなり、その結果、エンジン本体の燃焼室内で失火が生じるのを防止することができ、これにより、低速運転領域での走行性能を維持しつつ、高速運転領域での走行性能が損なわれるのを抑制することができる。
【0012】
本発明においては、前記連通部は、排気ガスの流れ方向における前記隔壁の上流側端部から前記流れ方向に延びる切欠部であることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、連通部が、排気ガスの流れ方向における隔壁の上流側端部から下流側へ形成されていることにより、連通部が隔壁の熱応力を吸収し易くなり、その結果、隔壁が熱応力によって破損するのを防止する等の効果をより効果的に奏することができる。
【0014】
本発明においては、前記連通部は、排気ガスの流れ方向に延びるスリットであることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、スリットという簡単な構成により、隔壁の破損防止等の上記の効果を奏することができる。
【0016】
本発明においては、前記エンジン本体は、複数の気筒と、各気筒内で往復動するピストンとを有し、前記第1排気通路および前記第2排気通路は、各々、前記気筒の数に応じて複数個設けられ、複数の前記第1排気通路および複数の前記第2排気通路は、各々、気筒列方向に一列に並んで配置され、前記複数の第1排気通路と前記複数の第2排気通路との間にそれぞれ介在する前記隔壁のうち、前記気筒列方向の両端に位置する前記隔壁が前記連通部を有することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、少ない数の連通部で、隔壁の破損防止等の上記の効果を奏することができる。つまり、隔壁に生じる熱応力は、気筒列方向の両端に位置する隔壁で生じやすいため、その両端の隔壁に連通部を設けることにより、隔壁の破損防止等の効果をより効果的に奏することができる。
【0018】
本発明においては、前記バルブは、前記第1排気通路と前記第2排気通路との並び方向と直交する方向に延びる軸周りに回転するバタフライバルブであり、前記バタフライバルブは、前記第1排気通路側の端部が反第1排気通路側の端部よりも排気ガスの流れ方向における下流側に位置するように傾斜した状態で配置されていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、バタフライバルブは、第1排気通路側の端部が反第1排気通路側の端部よりも排気ガスの流れ方向における下流側に位置するように傾斜しているため、エンジン本体からバラフライバルブに到達した排気ガスが、バタフライバルブによって連通部にスムーズに案内され、連通部を通じて第1排気通路に導かれることができる。これにより、バルブが閉弁状態で固着した場合に、高速運転領域での走行性能が損なわれるのをより確実に抑制することができる。
なお、本発明は、エンジン本体と、当該エンジン本体から排出される排気ガスの圧力により駆動される過給機との間に介設されるエンジンの排気装置であって、前記過給機に排気ガスを導入する第1排気通路および第2排気通路と、前記第1排気通路と前記第2排気通路との間に介在してこれらの通路を仕切る隔壁と、前記第2排気通路内に配置され、当該第2排気通路を流れる排気ガスの流量を調節するバルブとを備え、前記隔壁は、前記第1排気通路と前記第2排気通路とを連通させる連通部を有し、前記バルブは、前記第1排気通路と前記第2排気通路との並び方向と直交する方向に延びる軸周りに回転するバタフライバルブであり、前記バタフライバルブは、当該バタフライバルブが閉じられた状態では前記第1排気通路側の端部が反第1排気通路側の端部よりも排気ガスの流れ方向における下流側に位置するように傾斜した状態で配置されていることを特徴とするエンジンの排気装置を提供する。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、過給機付エンジンを搭載した車両において、過給機に供給される排気ガスの流量を調節する排気弁装置が熱応力によって破損するのを防止しつつ、その排気弁装置に動作不良が生じた際に高速運転領域における走行性能が損なわれるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係るエンジンの全体構成を示す図である。
図2】上記エンジンのシリンダヘッド、排気マニホールド、及び過給機ケーシングの構成を示す図である。
図3図2のIII−III線に沿う矢視図(断面図)である。
図4図3のIV−IV線に沿う矢視図(断面図)である。
図5図3のV−V線に沿う矢視図(断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係るエンジン1の全体構成を示す。ただし、図1においては、排気マニホールド20内及び過給機ケーシング30内では、後述する第1〜第3高速用通路22a,22bc,22d及び高速用排気導入通路32が示される。本実施形態において、「上流」、「下流」というときは、そこを通過するガスの流れに関していう。
【0024】
エンジン1は、走行用の動力源として車両に搭載される直列4気筒の4サイクル火花点火式エンジンであり、ターボ過給機50を備える。ターボ過給機50は、周知の構造であり、排気通路33に備えられるタービン52と吸気通路10に備えられるコンプレッサ53とが連結軸51で連結される。図1は、便宜上、タービン52とコンプレッサ53とを分離して示すが、実際には1本の連結軸51の一端にタービン52が設けられ、他端にコンプレッサ53が設けられる。ターボ過給機50の設置位置付近では、吸気通路10と排気通路33とが近接し、その間にターボ過給機50が介設される。
【0025】
ターボ過給機50は、その軸方向がエンジン1の気筒列方向と一致するように配置され、後述する低速用排気導入通路31及び高速用排気導入通路32と共に、過給機ケーシング30に収容される。ターボ過給機50は、排気ガスWeの圧力でタービン52が回転することによりコンプレッサ53が駆動して吸気Wiを圧縮し吸気圧を上昇させる(過給圧)。排気通路33には、ターボ過給機50のタービン52をバイパスするウエスト通路55と、ウエスト通路55を開閉するウエストゲート弁56とが設けられる。
【0026】
吸気通路10には、コンプレッサ53の下流に、吸気を冷却するインタークーラ11が設けられ、インタークーラ11の下流に、運転状態に応じて吸気量を調節するスロットル弁12が設けられ、スロットル弁12の下流に、吸気を一時的に滞留させるサージタンク13が設けられ、サージタンク13の下流に、吸気を第1〜第4気筒4a,4b,4c,4d(これらを総称するときは気筒4という)に導く吸気マニホールド14が設けられる。
【0027】
吸気マニホールド14の下流端はシリンダヘッド2に接続される。シリンダヘッド2とシリンダブロック(図示せず)とを主要部材とするエンジン本体に、第1〜第4気筒4a,4b,4c,4dが一直線上に配設される。気筒4は、周知の構造であり、ピストン(図示せず)で画成される燃焼室の上部に、吸気マニホールド14から供給される吸気Wiを燃焼室に吸入するための吸気ポート5と、燃焼室で生成した排気ガスWeを第1〜第3独立排気通路16a,16bc,16dに排出するための排気ポート6と、吸気ポート5を開閉する吸気弁7と、排気ポート6を開閉する排気弁8とが設けられる。燃焼室の頂部に点火プラグ9が設けられ、燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁(図示せず)が適宜位置に設けられる。
【0028】
本実施形態では、第1気筒4a→第3気筒4c→第4気筒4d→第2気筒4bの順に180°CAずつずれたタイミングで、吸気、圧縮、膨張、排気の各行程が実施される。ここで、「°CA」は、エンジン1の出力軸であるクランク軸(図示せず)の回転角(クランク角)を表す。
【0029】
シリンダヘッド2に、吸気側の可変バルブタイミング機構15i及び排気側の可変バルブタイミング機構15eが設けられる。これらの可変バルブタイミング機構15i,15eは、吸気弁7及び排気弁8の開弁期間を維持したまま、吸気弁7及び排気弁8の開弁開始時期及び閉弁時期を平行移動させる。
【0030】
本実施形態では、所定の低速域(タービン52に作用する排気ガス量が所定量未満の運転領域)では、各気筒4の吸気弁7の開弁期間と排気弁8の開弁期間とが所定のオーバーラップ期間重複し、排気順序が1つ前の他の気筒4のオーバーラップ期間中に各気筒4の排気弁8の開弁が開始される。
【0031】
具体的には、第1気筒4aの吸気弁7と排気弁8とのオーバーラップ期間中に第3気筒4cの排気弁8が開弁し、第3気筒4cの吸気弁7と排気弁8とのオーバーラップ期間中に第4気筒4dの排気弁8が開弁し、第4気筒4dの吸気弁7と排気弁8とのオーバーラップ期間中に第2気筒4bの排気弁8が開弁し、第2気筒4bの吸気弁7と排気弁8とのオーバーラップ期間中に第1気筒4aの排気弁8が開弁する。
【0032】
第1気筒4aの排気ポート6に第1独立排気通路16aの上流端部が接続され、第2気筒4bの排気ポート6に第1分岐通路16bの上流端部が接続され、第3気筒4cの排気ポート6に第2分岐通路16cの上流端部が接続され、第4気筒4dの排気ポート6に第3独立排気通路16dの上流端部が接続される。第1分岐通路16bと第2分岐通路16cとが下流側で合流し、排気順序が連続しない第2気筒4bと第3気筒4cとで共通の第2独立排気通路16bcが形成される。これらの通路16a,16b,16c,16d,16bcはシリンダヘッド2内に形成される。
【0033】
排気通路33は、第1〜第3独立排気通路16a,16bc,16dと、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dと、第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dと、低速用排気導入通路31と、高速用排気導入通路32とを有する。
【0034】
具体的には、図1〜3に示されるように(ただし、図2においては、排気マニホールド20内及び過給機ケーシング30内では、後述する第1〜第3低速用通路21a,21bc,21d及び低速用排気導入通路31が示される)、第1〜第3独立排気通路16a,16bc,16dの下流端部に、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21d(本発明の「第1排気通路」に相当する)の上流端部と、第1〜第3高速用通路(本発明の「第2排気通路」に相当する)22a,22bc,22dの上流端部とが接続される。これらの通路21a,21bc,21d,22a,22bc,22dは気筒4a〜4dに対応し、排気マニホールド20内に形成される。排気マニホールド20は、その組付フランジ20g(図4,5参照)と、エンジン側スタッドボルト及びナットV2とにより、シリンダヘッド2に結合される。
【0035】
なお、以下の説明では、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dを総称する場合には、これらの通路を「低速用通路21」と総称し、第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dを総称する場合には、これらの通路を「高速用通路22」と総称する。
【0036】
第1〜第3低速用通路21a,21bc,21d及び第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dは、排気ガスWeの流れ方向に沿って延びる隔壁20a(図4,5参照)によって上下2段に区画される(仕切られる)。上段の第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dは、下段の第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dに比べて、排気ガス流通面積が小さい値に設定される。
【0037】
隔壁20aは、第1低速用通路21aと第1高速用通路22aとを仕切るとともに、第2低速用通路21bcと第2高速用通路22bcとを仕切り、さらに、第3低速用通路21dと第3高速用通路22dとを仕切る。以下の説明では、隔壁20aのうち、第1低速用通路21aと第1高速用通路22aとを仕切る部分を「左側の隔壁20a」と称し、第2低速用通路21bcと第2高速用通路22bcとを仕切る部分を「中央の隔壁20a」と称し、第3低速用通路21dと第3高速用通路22dとを仕切る部分を「右側の隔壁20a」と称する。
【0038】
図3に示されるように、左側の隔壁20aは、第1低速用通路21aと第1高速用通路22aとを連通させるスリット(本発明の「連通部」、「切欠部」、および「スリット」に相当する)20hを有し、右側の隔壁20aは、第3低速用通路21dと第3高速用通路22dとを連通させるスリット部20hとを有する。以下の説明では、前者のスリット20hを「左側のスリット20h」と称し、後者のスリット20hを「右側のスリット20h」と称する。なお、図4に示される例では、中央の隔壁20aは、スリット部20hを有さない。
【0039】
スリット20hは、排気ガスの流れ方向(図4における右方向)における隔壁20aの上流端部から流れ方向に延びる切欠部である。図4に示される例では、スリット20hは、隔壁20aにおける排気ガスの流れ方向全体に亘って形成されるとともに、隔壁20aにおける上下方向全体に亘って形成されている。つまり、左側の隔壁20aは、左側のスリット20hにより、車幅方向(第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dの配列方向、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dの配列方向)に切り離され、右側の隔壁20aは、右側のスリット20hにより、車幅方向に切り離されている。
【0040】
図2に示されるように、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dの下流端部は、下流側に向かって排気ガス流通面積が次第に減少するように、絞り形状とされる。一方、図1に示されるように、第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dの下流端部は、絞り形状とされない。
【0041】
図2に示されるように、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dの下流端部は、エンジン本体側の気筒列方向における気筒列長さの中心(エンジン中心)に集合するように相互に近接する。同様に、図1に示されるように、第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dの下流端部も、エンジン中心に集合するように相互に近接する。
【0042】
図1,3,4に示されるように、第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dに可変排気バルブ(本発明の「バルブ」に相当する)123が設けられる。可変排気バルブ123は、第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dを流れる排気ガスの流量を調節する。具体的には、可変排気バルブ123は、タービン52に作用する排気ガス量が所定量以上の運転領域では第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dを開き(開弁)、タービン52に作用する排気ガス量が所定量未満の運転領域では閉じるように駆動される(閉弁、絞り制御、図4,5参照)。なお、可変排気バルブ123の構造については後述する。
【0043】
図1〜3に示されるように、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dの下流端部には、低速用排気導入通路31の上流端部が接続され、第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dの下流端部には、高速用排気導入通路32の上流端部が接続される。低速用排気導入通路31は、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dから噴出する排気ガスを集合させ、高速用排気導入通路32は、第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dから噴出する排気ガスを集合させる。低速用排気導入通路31および高速用排気導入通路32は、過給機ケーシング30内に形成されている。
【0044】
図4,5に示されるように、過給機ケーシング30は、その組付フランジ30f及び排気マニホールド20側の組付フランジ20fと、過給機側スタッドボルト及びナットV9とにより、排気マニホールド20に結合される。
【0045】
低速用排気導入通路31及び高速用排気導入通路32は、排気ガスWeの流れ方向に沿って延びる隔壁30a(図4,5参照)によって上下2段に区画される(仕切られる)。上段の低速用排気導入通路31は、下段の高速用排気導入通路32に比べて、排気ガス流通面積が小さい値に設定される。
【0046】
これらの排気導入通路31,32は、エンジン本体側からの排気ガスWeをターボ過給機50のタービン52に導入するための通路であり、それぞれエンジン本体側が気筒列方向に拡幅されている。低速用排気導入通路31は、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dの下流端部とそれぞれ連通する共通の通路、すなわち低速用の集合通路である。高速用排気導入通路32は、第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dの下流端部とそれぞれ連通する共通の通路、すなわち高速用の集合通路である。
【0047】
図4,5に示されるように、可変排気バルブ123が絞り制御により閉じたときは、排気ガスWeは、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21d及び低速用排気導入通路31を通ってタービン52に導入され、可変排気バルブ123が開いたときは、排気ガスWeは、上記に加えて、さらに、第1〜第3高速用通路22a,22bc,22d及び高速用排気導入通路32も通ってタービン52に導入される。つまり、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21d及び低速用排気導入通路31は、エンジン回転速度に拘らず常時排気ガスWeが流れる低速用通路であり、第1〜第3高速用通路22a,22bc,22d及び高速用排気導入通路32は、タービン52に作用する排気ガス量が所定量以上のときにのみ排気ガスWeが流れる高速用通路である。
【0048】
そのため、タービン52に作用する排気ガス量が所定量未満の低速域では、可変排気バルブ123の絞り制御により、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21d及び低速用排気導入通路31の排気ガス流通面積が小さい分、排気ガスWeの上記通路21a,21bc,21d,31内の流速が速くなり、タービン52に作用する排気ガスWeの流速が上昇する。すなわち、動圧過給システムによる動圧過給効果が強められる。その結果、低速域での過給圧がアップする。
【0049】
一方、タービン52に作用する排気ガス量が所定量以上の高速域では、タービン52に導入される排気ガスWeの量が増えると共に、可変排気バルブ123が開くことにより、可変排気バルブ123が排気抵抗となるのを防止しつつ、ターボ過給機50を駆動させることができる。
【0050】
本実施形態では、タービン52に作用する排気ガス量が所定量未満のとき、すなわち可変排気バルブ123が絞り制御により閉じる低速域では、前述のように、各気筒4の吸気弁7と排気弁8とがオーバーラップし、かつ排気順序が1つ前の他の気筒4のオーバーラップ期間中に各気筒4の排気弁8が開弁する。
【0051】
そのため、タービン52に作用する排気ガス量が所定量未満の低速域では、可変排気バルブ123の絞り制御により、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dの排気ガス流通面積が小さい分、排気弁8の開弁直後に排出される排気ガスWe(ブローダウンガス)の上記通路21a,21bc,21d内の流速が速くなり、さらに、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dの下流端部が絞り形状とされている分、上記通路21a,21bc,21dの下流端部から集合通路としての低速用排気導入通路31に噴出する排気ガスWeの速度が速くなり、さらに、低速用排気導入通路31の排気ガス流通面積が小さい分、上記通路31に発生する負圧が増大して、吸気弁7と排気弁8とがオーバーラップ期間中にある気筒(隣接オーバーラップ気筒)4内の残留ガスの掃気が促進される。すなわち動圧排気システムによるエゼクタ効果が強められる。その結果、隣接オーバーラップ気筒4の吸気量がアップする。
【0052】
また、エゼクタ効果によって隣接オーバーラップ気筒4から吸引された排気ガスWeが付加される分、タービン52に作用する排気ガスWeの流速が上昇し、これによっても、動圧過給効果が促進され、低速域での過給圧がアップする。
【0053】
このことをさらに詳しく説明する。すなわち、可変排気バルブ123が全開のときはエゼクタ効果が得られず、このとき、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21d及び第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dから噴出するブローダウンガスは低速用排気導入通路31及び高速用排気導入通路32を介して他の通路に回り込む(逆流する)。これは、排気通路33の容積が見かけ上増えたように作用する。一方、可変排気バルブ123の絞り制御によるエゼクタ効果があると、第1〜第3低速用通路21a,21bc,21dから噴出するブローダウンガスは他の通路から排気ガスWeを吸引し、上記のような回り込み(逆流)がない。これは、動圧過給システムにおいて、排気通路33の容積が見かけ上減ったように作用する。したがって、エンジン1の低速域では、動圧過給システムの可変排気バルブ123の絞り制御による排気通路33の容積減少により動圧過給効果が得られた上に、動圧排気システムのエゼクタ効果により上記動圧過給効果が促進される。
【0054】
なお、図1,2において、符号60は、排気通路33を流れる排気ガスWeの一部を吸気通路10に還流させる排気再循環(EGR)を行うために排気通路33と吸気通路10とを連通するEGR通路を示す。EGR通路60の排気通路33側の導入部60aは、高速用排気導入通路32において、可変排気バルブ123の下流に開口する。EGR通路60の吸気通路10側の導出部60bは、スロットル弁12とサージタンク13との間に開口する。EGR通路60に、EGR通路60を通過するガスを冷却するEGRクーラ61と、EGR通路60を開閉するEGR弁62とが設けられる。本実施形態では、EGR通路60の上流部は、排気マニホールド20及びシリンダヘッド2の内部に形成される。
【0055】
以上のように、可変排気バルブ123は、本実施形態において、エンジン1の排気通路33に設けられた動圧排気システム及び動圧過給システムで用いられる。次に、図3を参照して、可変排気バルブ123の構造について説明する。
【0056】
可変排気バルブ123は、バルブ本体23と、一対の円筒状の第1、第2ブッシュ部材25a,25bと、円柱状のシャフト部材24とを備える。バルブ本体23は、第1〜第3バタフライバルブ23a,23bc,23dと、上記バタフライバルブ23a,23bc,23dを相互連結する第1、第2軸部23x,23yとを含む。第1、第2ブッシュ部材25a,25bは、上記バルブ本体23をバルブ本体23の軸方向(低速用通路21と高速用通路22との並び方向と直交する方向。車幅方向)の両端部で回転可能に支持する。シャフト部材24は、第1ブッシュ部材25aの内部を上記軸方向に貫通し、上記バルブ本体23の第1バタフライバルブ23a側の内部で第1ブッシュ部材25aから所定長さ突出し、その突出した部分で上記バルブ本体23に回転方向に相対移動不能に結合される。
【0057】
上記バルブ本体23の両端部に、上記ブッシュ部材25a,25bを嵌入させるための第1、第2ボス部23e,23fが形成される。
【0058】
可変排気バルブ123は、エンジン1の排気通路33を構成する上流側の排気マニホールド20と下流側の過給機ケーシング30との合わせ面部Mよりも上流側で、隔壁20aの下方に設けられる(図4,5参照)。可変排気バルブ123は、シャフト部材24の回転により、シャフト部材24周りに回転する。可変排気バルブ123が閉じられた状態では、可変排気バルブ123は、低速用通路21側の端部が反低速用通路21側の端部よりも排気ガスの流れ方向における下流側(図4,5における右側)に位置するように傾斜した状態で配置される。
【0059】
バルブ本体23の軸部23xは、排気マニホールド20の第1高速用通路22aと第2高速用通路22bcとの間に設けられてこれらの通路を仕切る高速用通路仕切壁を貫通する軸挿通孔20Xに挿通される。バルブ本体23の軸部23yは、排気マニホールド20の第2高速用通路22bcと第3高速用通路22dとの間に設けられてこれらの通路を仕切る高速用通路仕切壁を貫通する軸挿通孔20Xに挿通される(図3参照)。
【0060】
より詳しくは、バルブ本体23は耐熱鋼で一体成形され、一端部側(図3の左側)から、軸方向に、排気マニホールド20の第1高速用通路22aに配置される第1バタフライバルブ23aと、円筒状の第1軸部23xと、第2高速用通路22bcに配置される第2バタフライバルブ23bcと、円筒状の第2軸部23yと、第3高速用通路22dに配置される第3バタフライバルブ23dとがこの順に並設される。軸部23x,23yはバルブ本体23の軸心上に位置し、バタフライバルブ23a,23bc,23dはバルブ本体23の軸心側の厚みが大きく形成されて、上記軸部23x,23yと上記バタフライバルブ23a,23bc,23dとは相互に表面が滑らかに連続する。第1ボス部23eは、バルブ本体23の一端部を構成する第1バタフライバルブ23aの側部に形成され、第2ボス部23fは、バルブ本体23の他端部を構成する第3バタフライバルブ23dの側部に形成される。
【0061】
(本実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、隔壁20aにスリット20hが形成されているため、隔壁20aに熱膨張が生じても、その熱膨張による熱応力がスリット20hに吸収される。これにより、隔壁20aが熱応力によって破損するのを防止することができる。さらに、隔壁20aやその周辺部分に生じた熱歪み等により、バルブ本体23が閉弁状態で固着することがあっても、高速運転領域における走行性能が低下するのを抑制することができる。
【0062】
詳しく説明すると、バルブ本体23が閉弁状態で固着した場合には、車両の高速運転領域では、エンジン本体からバルブ本体23付近に到達した排気ガスが、スリット20hを通じて低速用通路21へ流れるため、バルブ本体23の上流側で排気ガスの滞留が生じにくくなり、その結果、エンジン本体の燃焼室内で失火が生じるのを防止することができ、これにより、低速運転領域での走行性能を維持しつつ、高速運転領域での走行性能が損なわれるのを抑制することができる。
【0063】
さらに、スリット20hが、排気ガスの流れ方向における隔壁20aの上流側端部から下流側へ形成されていることにより、スリット20hが隔壁20aの熱応力を吸収し易くなり、その結果、隔壁20aが熱応力によって破損するのを効果的に防止することができる。さらに、スリット20hは切削加工等により簡単に形成することができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、左側の隔壁20aおよび右側の隔壁20bのみがスリット20hを有しているため、少ない数のスリット20hで、隔壁20aの破損防止等の効果を奏することができる。つまり、隔壁20aに生じる熱応力は、気筒列方向(第1〜第3高速用通路22a,22bc,22dの配列方向)の両端に位置する隔壁20aで生じやすいため、その両端の隔壁20aにスリット20hを形成することにより、隔壁20aの破損防止等の効果を効果的に奏することができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、バタフライバルブ23a,23bc,23dは、低圧通路21側の端部が反低圧通路21側の端部よりも排気ガスの流れ方向における下流側に位置するように傾斜しているため(図4参照)、エンジン本体からバラフライバルブ23a,23bc,23dに到達した排気ガスが、バタフライバルブ23a,23bc,23dによってスリット20hにスムーズに案内され(図4の矢印We参照)、スリット20hを通じて低圧側通路21に導かれることができる。これにより、バタフライバルブ23a,23bc,23dが閉弁状態で固着した場合に、高速運転領域での走行性能が損なわれるのをより確実に抑制することができる。
【0066】
なお、上記実施形態では、低速用通路および高速用通路が各々3つ形成されているが、4つ以上形成されていてもよい。いずれの場合も、スリット20hは、気筒列方向の両端に位置する隔壁20aに形成することができる。
【0067】
また、上記実施形態では、スリット20hは、気筒列方向の両端に位置する隔壁20aにのみ形成されているが、それに加えて、中央の隔壁20aに形成されてもよい。
【0068】
また、上記スリット20hに代えて、種々の形状の切欠部が形成されてもよい。例えば、平面視で半円状の切欠部が形成されてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 エンジン
4a〜4d 第1〜第4気筒
20a,30a 隔壁
21a,21bc,21d 第1〜第3低速用通路(第1排気通路)
22a,22bc,22d 第1〜第3高速用通路(第2排気通路)
23a,23bc,23d 第1〜第3バタフライバルブ
50 ターボ過給機
123 可変排気バルブ(バルブ)
図1
図2
図3
図4
図5