(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態によるコンタクトレンズの概要
2.各実施形態
2−1.第1の実施形態
2−2.第2の実施形態
2−3.第3の実施形態
2−4.第4の実施形態
2−5.第5の実施形態
2−6.第6の実施形態
3.まとめ
【0015】
<<1.本開示の一実施形態によるコンタクトレンズの概要>>
まず、本開示の一実施形態による一対のコンタクトレンズ100の概要について
図1を参照して説明する。
図1は、本開示の一実施形態による一対のコンタクトレンズ100の概要を説明するための図である。
図1に示すように、一対のコンタクトレンズ100は、右眼4Rに装着されるコンタクトレンズ1Rと、左眼4Lに装着されるコンタクトレンズ1Lとから成る一組のコンタクトレンズである。
【0016】
各コンタクトレンズ1R、1Lは、曲面形状のレンズ部により形成され、全体として虹彩2および瞳3を覆うよう眼球4Aに装着し、また、離脱できる構成を有する。なお、以下各コンタクトレンズ1R、1Lを区別して説明する必要がない場合は、コンタクトレンズ1とも総称する。
【0017】
(背景)
上述したように、近年、視覚補正のための度入りコンタクトレンズや、眼の外観を変えるためのカラーコンタクトレンズを装着しているユーザが増加している。また、このような日常的に使用するコンタクトレンズの高機能化も提案されている。
【0018】
しかしながら、両目に装着される一対のコンタクトレンズが互いに連携して動作する点については何ら提案されていなかった。
【0019】
そこで、上記事情を一着眼点にして本開示の各実施形態による高機能コンタクトレンズを創作するに至った。本開示の各実施形態によるコンタクトレンズは、他方の眼に装着されている異なる機能を有するコンタクトレンズと連携して動作することにより、コンタクトレンズをインテリジェント化させ、利便性を格段に向上させることができる。
【0020】
このような本実施形態によるコンタクトレンズの基本的な構成について、以下、
図2を参照して具体的に説明する。
【0021】
<1−1.外観構成>
図2は、本開示の一実施形態によるコンタクトレンズ1の外観構成の一例を示す平面図である。
図2に示すように、本実施形態によるコンタクトレンズ1は、眼球に装着されるレンズ部10により形成され、眼球正面から見て、円1Cにより、その内側の領域1Aと、その外側の領域1Bとに区分される。円1Cの直径D2は、人間の眼の虹彩2の内側の円2Aの最大時の直径D1とほぼ等しいか、それより大きい値とされる。
【0022】
円1Cの外側の領域1Bには、回路部20が設けられている。回路部20の外側(レンズ部10の眼球接触面と対向する側)には、透明な合成樹脂などで構成される円滑部が形成されている。これにより、コンタクトレンズ1をユーザが眼に装着したとき、ユーザのまぶたが円滑に移動可能となる。
【0023】
本実施形態による回路部20は、
図2に示すように、制御部21、無線通信処理部22、アンテナ23、および機能部30を含む。以下、各構成について説明する。
【0024】
(制御部21)
制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えたマイクロコンピュータ(マイクロチップ、ICチップ)により構成され、回路部20の各構成を制御する。
【0025】
また、本実施形態による制御部21は、一対のコンタクトレンズ100にそれぞれ設けられた異なる機能を有する各機能部30(第1の機能部30R、第2の機能部30L)が互いに連携して動作するよう制御する。
【0026】
(無線通信処理部22およびアンテナ23)
アンテナ23は、例えば
図1に示すレンズ部10の領域1Bの外周に設けられ、他方の眼に装着されている他のコンタクトレンズ1(外部装置の一例)と無線で接続し、データの送受信を行う機能を有する。
【0027】
無線通信処理部22は、アンテナ23により送受信されるデータに対する各種の信号処理を行う機能を有する。
【0028】
(機能部30)
機能部30は、制御部21の制御にしたがって所定の機能を発揮する。機能部30は、例えば撮像機能、表示機能、各種センサ機能(UI機能を含む)、照明機能、集音機能(UI機能の一例として用いられてもよい)、電力供給機能、および外部通信機能の少なくともいずれかである。なお
図2に示す機能部30の配置は一例であって、例えば機能部30が有する所定の機能が表示機能である場合、表示機能を有する機能部30(表示部)は、レンズ部10の円1Cの内側の領域1Aを覆うよう設けられ、装着者(ユーザ)により表示画像が認識される。また、表示機能を有する機能部30(表示部)が領域1Aを覆うように設けられる場合、回路部20は、表示部による画像表示の邪魔にならないよう、表示部
の外周としての領域1Bに設けられる。
【0029】
また、本実施形態による一対のコンタクトレンズ100(コンタクトレンズ1R、1L)は、互いに異なる機能を有する機能部30(第1の機能部30R、第2の機能部30L)を備え、無線通信処理部22およびアンテナ23を介して連携動作を行う。これにより、異なる機能を有する各機能部30を一対のコンタクトレンズ100(コンタクトレンズ1R、1L)にそれぞれ分散して設けることで、一のコンタクトレンズ1に全て設ける場合に比べて、配置領域の省スペース化を実現することができる。
【0030】
このような異なる機能の組み合わせとしては、例えば「撮像機能と、表示/照明/記憶/バッテリー/外部通信/UI機能」、「表示機能と、照明/記憶/バッテリー/外部通信/UI機能」、「記憶機能と、バッテリー/外部通信/UI機能」といった組み合わせが考えられる。また、「特殊撮像(ズーム/赤外線/紫外線撮像)機能と通常撮像」、「遠方撮像と近傍撮像」といったように、細分化された撮像機能の組み合わせであってもよい。このように、異なる機能組み合わせは多様であって特に限定しないが、本実施形態の一対のコンタクトレンズ100による異なる機能の連携動作の具体例については、続く「2.各実施形態」において詳細に説明する。
【0031】
以上、コンタクトレンズ1の基本的な外観構成について説明した。本実施形態による回路部20の構成は、図
2に示す例に限定されず、さらにバッテリー(電力供給部)を有する構成であってもよい。また、回路部20のアンテナ23および無線通信処理部22は、電力受給を行う機能を有してもよく、例えば電磁誘導方式、電波方式、または電磁界共鳴方式等により外部の電力供給装置(不図示)から電力を受給することができる。また、本実施形態による無線通信処理部22およびアンテナ23は、他方の眼に装着されている他のコンタクトレンズ1と無線接続する他、外部通信端末(例えばユーザが所持するスマートフォン等)と無線接続してもよい。また、図
2に示す回路部20の各構成の配置は一例であって、本実施形態による回路部20は、図
2と異なる配置であってもよい。
【0032】
次に、一対のコンタクトレンズ100による異なる機能の連携動作について、複数の実施形態を用いて具体的に説明する。
【0033】
<<2.各実施形態>>
<2−1.第1の実施形態>
まず、一方のコンタクトレンズ1が撮像機能を有し、他方のコンタクトレンズ1が表示機能を有する第1の実施形態による連携動作について、
図3〜
図4を参照して説明する。
【0034】
(2−1−1.構成)
図3は、第1の実施形態による一対のコンタクトレンズ100を形成する左眼4Lに装着されるコンタクトレンズ1L−1と、右眼4Rに装着されるコンタクトレンズ1R−1の構成を示すブロック図である。
【0035】
図3に示すように、コンタクトレンズ1L−1は、制御部21L−1、無線通信処理部22、アンテナ23および機能部30L−1を有する。機能部30L−1は、撮像部24およびセンサ27を含む。
【0036】
(撮像部24)
撮像部24(カメラ)は、撮像レンズ、絞り、ズームレンズ、フォーカスレンズ等により構成されるレンズ系、レンズ系に対してフォーカス動作やズーム動作を行わせる駆動系、およびレンズ系で得られる撮像光を光電変換して撮像信号を生成する固体撮像素子アレイ等を有する。固体撮像素子アレイは、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサアレイや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサアレイにより実現されてもよい。
【0037】
撮像レンズは、コンタクトレンズ1を装着したユーザの視線方向を撮像方向となるよう設けられている。
【0038】
また、撮像部24は、固体撮像素子によって得られる信号に対する処理を行い、デジタルデータとしての撮像信号を得る撮像信号処理部を有する。例えば、撮像信号処理部は、眼球の動きによる撮像画像のぶれを補正する目ぶれ補正を行ってもよい。撮像部24は、取得した撮像画像(デジタルデータ)を制御部21L−1に出力する。
【0039】
(センサ27)
センサ27は、コンタクトレンズ1の外界(周辺)情報を検知するため各種センサであって、例えば圧電センサ(圧力センサの一例)、赤外線センサ、または加速度センサ等により実現される。また、本実施形態によるセンサ27は、カメラ起動コマンド、撮像コマンド、およびカメラ終了コマンドの検出に用いられる。センサ27は、検知結果を制御部21L−1に出力する。
【0040】
(制御部21L−1)
制御部21L−1は、センサ27の検知結果に基づいて各種コマンドを検出し、検出した各種コマンドに応じて、コンタクトレンズ1L−1の各構成を制御する。また、制御部21L−1は、コンタクトレンズ1L−1とコンタクトレンズ1R−1が連携して動作するよう制御する。より具体的には、例えば制御部21L−1は、撮像部24により撮像された撮像画像を、他方のコンタクトレンズ1R−1に設けられる表示部26に表示するよう制御する。
【0041】
以上、本実施形態によるコンタクトレンズ1L−1の構成について具体的に説明した。一方、コンタクトレンズ1R−1は、
図3に示すように、制御部21R−1、無線通信処理部22、アンテナ23および機能部30R−1を有する。機能部30R−1は、表示部26を含む。
【0042】
(表示部26)
表示部26には、複数の表示素子(不図示)が配置される。各表示素子は、例えば、液晶表示装置や有機EL(Electroluminescence)表示装置、FED(Field Emission Display)表示装置などにより構成される。各表示素子は、人間の眼(コンタクトレンズ1が装着されるのが他の動物である場合にはその動物の眼)の表面に対応する1つの曲面(例えば略球状の曲面)上に、マトリックス状に配置される。また、各表示素子は、それぞれが表示領域を有しており、それぞれが独立した画像を表示してもよいし、全体で1つの画像を表示してもよい。
【0043】
表示領域は円1C内の領域1A(図
2参照)の全体にわたって配置される。これにより、円1Cの直径D2は瞳(瞳孔)3の最大の直径(虹彩2の内側の円2Aの最大時の直径)D1と等しいか、それより大きい値に設定されるので、虹彩2の内側の円2Aの直径の値に拘わらず、常に瞳3の全体にわたって表示領域が存在することになる。したがって、より多くの表示領域の画像の光が確実に眼球の網膜上に結像する。なお、この実施形態の場合、円1Cの直径D2は、虹彩2の外側の円2Bの直径D3より小さい値とされているが、大きくてもよい。
【0044】
また、表示素子は、人により全体として1つの画像が認識できる程度のピッチで(画像が局部的に欠落しない程度に)密に配置されている。
【0045】
また、表示部26は、画像を表示していない状態のとき、外部の光を透過するので、ユーザは外部の画像(実空間の景色)を視認することができる。
【0046】
(制御部21R−1)
制御部21R−1は、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1L−1から送信された撮像画像を、表示部26に表示するよう制御する。
【0047】
以上、コンタクトレンズ1L−1およびコンタクトレンズ1R−1の構成について具体的に説明した。上記構成により、左眼4Lに装着しているコンタクトレンズ1L−1で撮像した撮像画像を、右眼4Rに装着しているコンタクトレンズ1R−1で表示することができる。
【0048】
(2−1−2.動作処理)
続いて、第1の実施形態による一対のコンタクトレンズ100の動作処理について
図4を参照して説明する。
図4は、第1の実施形態による連携処理の一例を示すシーケンス図である。
【0049】
図4に示すように、まず、ステップS103において、コンタクトレンズ1L−1のセンサ27がONにされる。具体的には、例えばコンタクトレンズ1L−1に電力の供給がある場合や、所定のトリガ信号を外部(ユーザが所持するスマートフォンやタブレット端末等の外部通信端末)から受信した場合、センサ27の電源が入る。電源がONされたセンサ27は、検知結果を制御部21L−1に出力する。
【0050】
次いで、ステップS106において、制御部21L−1は、センサ27による検知結果に基づいて、カメラ起動コマンドを検出する。具体的には、例えば圧電センサ(センサ27の一例)によりコンタクトレンズ1L−1に接する瞼の開閉が検出される場合、制御部21L−1は、瞼が2回閉じたことを、「カメラ起動コマンド」として検出してもよい。
【0051】
続いて、ステップS109において、制御部21L−1は、「カメラ起動コマンド」を検出すると、撮像部24を起動する。
【0052】
次に、ステップS112において、制御部21L−1は、センサ27による検知結果に基づいて、撮像コマンド(シャッターコマンド)を検出する。具体的には、例えばコンタクトレンズ1L−1に接する瞼が意識的に閉瞼された場合(例えば0.5秒以上閉瞼した場合)、制御部21L−1は、「撮像コマンド」として検出する。
【0053】
次いで、ステップS115において、制御部21L−1は、「撮像コマンド」を検出すると、撮像部24により被写体の撮像を行う。
【0054】
次に、ステップS118において、制御部21L−1は、撮像部24により撮像した撮像画像を、アンテナ23および無線通信処理部22を介して、コンタクトレンズ1R−1に送信する。
【0055】
次いで、ステップS121において、コンタクトレンズ1R−1の制御部21R−1は、コンタクトレンズ1L−1から撮像画像を受信すると、表示部26をONする。
【0056】
続いて、ステップS124において、制御部21R−1は、コンタクトレンズ1L−1から受信した撮像画像を表示部26に表示するよう制御する。これにより、ユーザは、一方のコンタクトレンズ1L−1で撮像した撮像画像を、他方のコンタクトレンズ1R−1で見ることができる。
【0057】
次いで、ステップS127において、制御部21R−1は、表示部26をOFFする。表示部26をOFFするタイミングは、撮像画像を表示してから所定時間経過したタイミングであってもよいし、「表示部終了コマンド」が検出されたタイミングであってもよい。「表示部終了コマンド」は、コンタクトレンズ1L−1から送信されてもよいし、コンタクトレンズ1R−1にセンサ27が設けられている場合は当該センサ27による検知結果に基づいて検出されてもよい。
【0058】
一方、ステップS130において、コンタクトレンズ1L−1の制御部21L−1は、センサ27による検知結果に基づいて、「カメラ終了コマンド」を検出する。具体的には、例えばコンタクトレンズ1L−1に接する瞼が意識的に3回閉じられた場合、制御部21L−1は、「カメラ終了コマンド」として検出する。
【0059】
そして、ステップS133において、制御部21L−1は、「カメラ終了コマンド」を検出すると、撮像部24をOFFする。
【0060】
以上、第1の実施形態による連携動作について具体的に説明した。本実施形態によれば、一対のコンタクトレンズ100で、撮像機能と表示機能の連携動作を実現することができる。
【0061】
<2−2.第2の実施形態>
次に、一方のコンタクトレンズ1が撮像機能を有し、他方のコンタクトレンズ1が照明機能を有する第2の実施形態による連携動作について、
図5〜
図6を参照して説明する。
【0062】
(2−2−1.構成)
図5は、第2の実施形態による右眼4Rに装着されるコンタクトレンズ1R−2の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態による一対のコンタクトレンズ100は、左眼4Lに装着されるコンタクトレンズ1L−2と右眼4Rに装着されるコンタクトレンズ1R−2により形成される。コンタクトレンズ1L−2の構成は、
図3に示すコンタクトレンズ1L−1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0063】
図5に示すように、コンタクトレンズ1R−2は、制御部21R−2、無線通信処理部22、アンテナ23および機能部30R−2を有する。機能部30R−2は、照明部28を含む。
【0064】
(照明部28)
照明部28は、レンズ部10の領域1Bに設けられ、発光部とその発光部を発光させる発光回路から成る。照明部28は、制御部21R−2の制御に応じて、発光動作を実行させる。発光部が、コンタクトレンズ1R−2がユーザの眼球4Aに装着された状態において前方に対して照明を行うものとして取り付けられていることで、照明部28は、コンタクトレンズ1L−2が有する撮像部24の撮像方向(ユーザの視界方向と同様)を照明することができる。
【0065】
(制御部21R−2)
制御部21R−2は、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1L−2から送信されたコマンドに従って、照明部28のON/OFFを制御する。
【0066】
以上、コンタクトレンズ1R−2の構成について具体的に説明した。上記構成により、右眼4Rに装着しているコンタクトレンズ1R−2は、左眼4Lに装着しているコンタクトレンズ1L−2と連携して照明制御を行うことができる。
【0067】
(2−2−2.動作処理)
続いて、第2の実施形態による一対のコンタクトレンズ100の動作処理について
図6を参照して説明する。
図6は、第2の実施形態による連携処理の一例を示すシーケンス図である。
【0068】
図6に示すステップS143〜ステップS152に示す処理は、
図4に示すステップS103〜S112に示す処理と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0069】
次いで、ステップS155において、制御部21L−
2は、「撮像コマンド」(シャッターコマンド)を検出すると、照明ONのコマンドを、アンテナ23および無線通信処理部22を介して、コンタクトレンズ1R−2に送信する。
【0070】
次に、ステップS158において、コンタクトレンズ1R−2の制御部21R−2は、コンタクトレンズ1L−2から照明ONコマンドを受信すると、照明部28をONするよう制御する。
【0071】
次いで、ステップS161において、コンタクトレンズ1L−2の制御部21L−2は、コンタクトレンズ1R−2の照明部28がONにされている状態で、撮像部24により被写体の撮像を行う。これにより、一方のコンタクトレンズ1L−2において撮像を行う際に、他方のコンタクトレンズ1R−2で撮像方向に対する照明を行う連携動作を実現することができる。撮像部24により撮像された撮像画像は、制御部21L−2に含まれるメモリ領域に記憶されてもよいし、アンテナ23および無線通信処理部22を介して、外部通信端末(ユーザが所持するスマートフォン等)に送信されてもよい。
【0072】
次に、ステップS164において、制御部21L−2は、センサ27による検知結果に基づいて、「カメラ終了コマンド」を検出する。具体的には、例えばコンタクトレンズ1L−2に接する瞼が意識的に3回閉じられた場合、制御部21L−2は、「カメラ終了コマンド」として検出する。
【0073】
次いで、ステップS167において、制御部21L−2は、「カメラ終了コマンド」を検出すると、アンテナ23および無線通信処理部22を介して、照明OFFのコマンドをコンタクトレンズ1R−2に送信する。
【0074】
続いて、ステップS170において、コンタクトレンズ1R−2の制御部21R−2は、コンタクトレンズ1L−2から受信した照明OFFコマンドに従って、照明部28をOFFするよう制御する。
【0075】
そして、ステップS173において、コンタクトレンズ1L−2の制御部21L−2は、「カメラ終了コマンド」を検出すると、撮像部24をOFFする。
【0076】
以上、第2の実施形態による連携動作について具体的に説明した。本実施形態によれば、一対のコンタクトレンズ100で、撮像機能と照明機能の連携動作を実現することができる。
【0077】
<2−3.第3の実施形態>
次に、一方のコンタクトレンズ1がUI機能を有し、他方のコンタクトレンズ1が撮像機能を有する第3の実施形態による連携動作について、
図7〜
図8を参照して説明する。
【0078】
(2−3−1.構成)
図7は、第3の実施形態による一対のコンタクトレンズ100を形成する左眼4Lに装着されるコンタクトレンズ1L−3と、右眼4Rに装着されるコンタクトレンズ1R−3の構成を示すブロック図である。
【0079】
図7に示すように、コンタクトレンズ1L−3は、制御部21L−3、無線通信処理部22、アンテナ23および機能部30L−3を有する。機能部30L−3は、センサ27を含む。
【0080】
センサ27は、第1の実施形態において
図3を参照して説明したので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0081】
制御部21L−3は、センサ27による検知結果に基づいて、カメラ起動コマンド、撮像コマンド、およびカメラ終了コマンドを検出し、検出した各コマンドを、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1R−3に送信する。
【0082】
以上、本実施形態によるコンタクトレンズ1L−3の構成について具体的に説明した。
図7に示すように、コンタクトレンズ1L−3は、センサ27によりユーザ操作を受け付けるUI(ユーザインタフェース)機能を有する。一方、コンタクトレンズ1R−3は、
図7に示すように、制御部21R−3、無線通信処理部22、アンテナ23および機能部30R−3を有する。機能部30R−3は、撮像部24を含む。
【0083】
撮像部24は、第1の実施形態において
図3を参照して説明したので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0084】
制御部21R−3は、コンタクトレンズ1L−3から送信される各コマンドに従って、撮像部24による撮像動作を制御する。
【0085】
以上、コンタクトレンズ1L−3およびコンタクトレンズ1R−3の構成について具体的に説明した。上記構成により、左眼4Lに装着しているコンタクトレンズ1L−3でユーザ操作(各コマンド)が検出され、検出されたユーザ操作に応じて、右眼4Rに装着しているコンタクトレンズ1R−3が有する撮像部24が制御される。
【0086】
(2−3−2.動作処理)
続いて、第3の実施形態による一対のコンタクトレンズ100の動作処理について
図8を参照して説明する。
図8は、第3の実施形態による連携処理の一例を示すシーケンス図である。
【0087】
図8に示すステップS183、S186は、
図4に示すステップS103、S106に示す処理と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0088】
次いで、ステップS189において、コンタクトレンズ1L−3の制御部21L−3は、センサ27による検知結果に基づいて「カメラ起動コマンド」を検出すると、カメラ起動コマンドを、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1R−3に送信する。
【0089】
次に、ステップS192において、コンタクトレンズ1R−3の制御部21R−3は、コンタクトレンズ1L−3から受信したカメラ起動コマンドに従って、撮像部24を起動する。
【0090】
次いで、ステップS195において、コンタクトレンズ1L−3の制御部21L−3は、センサ27による検知結果に基づいて、撮像コマンド(シャッターコマンド)を検出する。
【0091】
次に、ステップS198において、制御部21L−3は、撮像コマンドを、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1R−3に送信する。
【0092】
次いで、ステップS201において、コンタクトレンズ1R−3の制御部21R−3は、コンタクトレンズ1L−3から受信した撮像コマンドに従って、撮像部24により被写体の撮像を行うよう制御する。
【0093】
続いて、ステップS204において、コンタクトレンズ1L−3の制御部21L−3は、センサ27による検知結果に基づいて、「カメラ終了コマンド」を検出する。具体的には、例えばコンタクトレンズ1L−3に接する瞼が意識的に3回閉じられた場合、制御部21L−3は、「カメラ終了コマンド」として検出する。
【0094】
次に、ステップS207において、制御部21L−3は、カメラ終了コマンドを、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1R−3に送信する。
【0095】
そして、ステップS210において、コンタクトレンズ1R−3の制御部21R−3は、コンタクトレンズ1L−3から受信したカメラ終了コマンドに従って、撮像部24をOFFする。
【0096】
以上、第3の実施形態による連携動作について具体的に説明した。本実施形態によれば、一対のコンタクトレンズ100で、UI機能(操作入力機能)と撮像機能の連携動作を実現することができる。
【0097】
<2−4.第4の実施形態>
上述した第3の実施形態では、コンタクトレンズ1L−3が、センサ27(例えば圧電センサ)によりユーザ操作(例えば瞬き)を検出するUI機能を有しているが、本実施形態によるUI機能は、センサ27による検知結果に基づいて検出される方法に限定されない。例えば、収音部(マイクロホン、以下マイクとも称する)により収音した音声に基づいて各コマンド(ユーザ操作)が検出されてもよい。そこで、以下、一方のコンタクトレンズ1が音声入力可能なUI機能を有し、他方のコンタクトレンズ1が撮像機能を有する第4の実施形態による連携動作について、
図9〜
図10を参照して説明する。
【0098】
(2−4−1.構成)
図9は、第4の実施形態による左眼4Lに装着されるコンタクトレンズ1L−4の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態による一対のコンタクトレンズ100は、左眼4Lに装着されるコンタクトレンズ1L−4と右眼4Rに装着されるコンタクトレンズ1R−4により形成される。コンタクトレンズ1R−4の構成は、
図7に示すコンタクトレンズ1R−3と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0099】
図9に示すように、コンタクトレンズ1L−4は、制御部21L−4、無線通信処理部22、アンテナ23および機能部30L−4を有する。機能部30L−4は、マイク(収音部)29を含む。
【0100】
(マイク29)
マイク29は、レンズ部10に設けられ、ユーザの声など外界の音声を収音し、収音した音声信号を制御部21L−4に出力する。また、本実施形態によるマイク29に防水機能を適用してもよいし、マイク29を、水中音を収音可能な構造により実現してもよい。
【0101】
(制御部21L−4)
制御部21L−4は、マイク29により収音された音声信号に基づいて、カメラ起動コマンド、撮像コマンド(シャッターコマンド)、およびカメラ終了コマンドを検出する。また、制御部21L−4は、検出した各コマンドを、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1R−4に送信するよう制御する。
【0102】
以上、コンタクトレンズ1L−4の構成について具体的に説明した。上記構成により、左眼4Lに装着されているコンタクトレンズ1L−4は、音声によるユーザ操作(コマンド)を検出し、検出した各コマンドに応じて、右眼4Rに装着されているコンタクトレンズ1R−4の撮像動作を制御することができる。
【0103】
(2−4−2.動作処理)
続いて、第4の実施形態による一対のコンタクトレンズ100の動作処理について
図10を参照して説明する。
図10は、第4の実施形態による連携処理の一例を示すシーケンス図である。
【0104】
図10に示すように、まず、ステップS233において、コンタクトレンズ1L−4のマイク29がONにされる。具体的には、例えばコンタクトレンズ1L−4に電力の供給がある場合や、所定のトリガ信号を外部(ユーザが所持するスマートフォンやタブレット端末等の外部通信端末)から受信した場合、マイク29の電源が入る。電源がONされたマイク29は、周囲の音声を収音し、収音した音声信号を制御部21L−4に出力する。
【0105】
次いで、ステップS236において、制御部21L−4は、マイク29により収音された音声信号を解析し(音声認識)、カメラ起動コマンドを検出する。
【0106】
続いて、ステップS239において、制御部21L−4は、「カメラ起動コマンド」を検出すると、カメラ起動コマンドを、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1R−4に送信する。
【0107】
次に、ステップS242において、コンタクトレンズ1R−4の制御部21R−4は、コンタクトレンズ1L−4から受信したカメラ起動コマンドに従って、撮像部24を起動する。
【0108】
次いで、ステップS245において、コンタクトレンズ1L−4の制御部21L−4は、マイク29により収音された音声信号を解析し、撮像コマンド(シャッターコマンド)を検出する。
【0109】
次に、ステップS248において、制御部21L−4は、撮像コマンドを、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1R−4に送信する。
【0110】
次いで、ステップS251において、コンタクトレンズ1R−4の制御部21R−4は、コンタクトレンズ1L−4から受信した撮像コマンドに従って、撮像部24により被写体の撮像を行うよう制御する。
【0111】
続いて、ステップS254において、コンタクトレンズ1L−4の制御部21L−4は、マイク29により収音された音声信号を解析し、「カメラ終了コマンド」を検出する。
【0112】
次に、ステップS257において、制御部21L−4は、カメラ終了コマンドを、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1R−4に送信する。
【0113】
そして、ステップS260において、コンタクトレンズ1R−4の制御部21R−4は、コンタクトレンズ1L−4から受信したカメラ終了コマンドに従って、撮像部24をOFFする。
【0114】
以上、第4の実施形態による連携動作について具体的に説明した。本実施形態によれば、一対のコンタクトレンズ100で、音声入力によるUI機能と撮像機能の連携動作を実現することができる。
【0115】
<2−5.第5の実施形態>
上述した第1〜第4の実施形態による一対のコンタクトレンズ100は、各コンタクトレンズ1R、1Lがそれぞれバッテリー(電力供給部)を有するか、または各コンタクトレンズ1R、1Lがそれぞれ外部の電力供給装置から電力を受給している。しかし、本実施形態による一対のコンタクトレンズ100の各構成はこれに限定されず、各コンタクトレンズ1R、1Lのうち一方のコンタクトレンズにバッテリーが設けられ、他方のコンタクトレンズに電力を供給するといった連携動作を行ってもよい。以下、このような電力供給の連携動作について、第5の実施形態として、
図11〜
図12を参照して説明する。
【0116】
(2−5−1.構成)
図11は、第5の実施形態による左眼4Lに装着されるコンタクトレンズ1L−5の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態による一対のコンタクトレンズ100は、左眼4Lに装着され、バッテリー機能を有するコンタクトレンズ1L−5と、右眼4Rに装着され、撮像機能を有するコンタクトレンズ1R−5により形成される。コンタクトレンズ1R−5の構成は、
図7に示すコンタクトレンズ1R−3と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0117】
図11に示すように、コンタクトレンズ1L−5は、制御部21L−5、無線通信処理部22、アンテナ23および機能部30L−5を有する。機能部30L−5は、センサ27およびバッテリー31を含む。
【0118】
センサ27は、第1の実施形態において
図3を参照して説明したので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0119】
バッテリー31は、コンタクトレンズ1L−5の各構成に電力を供給する機能を有する。バッテリー31は、例えば太陽光発電部により実現されてもよいし、アンテナ23により外部の電力供給装置から電力を受給する処理を行う電力受給処理部により実現されてもよい。
【0120】
制御部21L−5は、センサ27による検知結果に基づいて、カメラ起動コマンド、撮像コマンド、およびカメラ終了コマンドを検出し、検出した各コマンドを、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1R−5に送信する。また、制御部21L−5は、検出した各コマンドに応じて、コンタクトレンズ1R−5への電力送信を制御する。
【0121】
以上、コンタクトレンズ1L−5の構成について具体的に説明した。上記構成により、左眼4Lに装着しているコンタクトレンズ1L−5は、検出した各コマンドに応じて、右眼4Rに装着しているコンタクトレンズ1R−5への電力供給を制御する。
【0122】
(2−5−2.動作処理)
続いて、第5の実施形態による一対のコンタクトレンズ100の動作処理について
図12を参照して説明する。
図12は、第5の実施形態による連携処理の一例を示すシーケンス図である。
【0123】
図12に示すように、まず、ステップS263において、コンタクトレンズ1L−5のセンサ27がONにされる。
【0124】
次いで、ステップS266において、制御部21L−5は、センサ27による検知結果に基づいて、カメラ起動コマンドを検出する。具体的には、例えば圧電センサ(センサ27の一例)によりコンタクトレンズ1L−5に接する瞼の開閉が検出される場合、制御部21L−5は、瞼が2回閉じたことを、「カメラ起動コマンド」として検出してもよい。
【0125】
次に、ステップS269において、制御部21L−5は、バッテリー31から供給される電力をコンタクトレンズ1R−5に送信するよう制御する。電力送信は、例えば電磁誘導方式、電波方式、または電磁界共鳴方式等により実現され得る。また、コンタクトレンズ1R−5への電力送信は以降継続的に行われる。
【0126】
次いで、ステップS272において、制御部21L−5は、カメラ起動コマンドをコンタクトレンズ1R−5に送信する。
【0127】
続くステップS275〜S287において、
図8に示すステップS195〜S210に示す処理と同様の処理を行う。すなわち、コンタクトレンズ1L−5において撮像コマンド(シャッターコマンド)やカメラ終了コマンドが検出され、各コマンドに応じて、コンタクトレンズ1R−5の撮像部24が制御される。この際、コンタクトレンズ1R−5の各構成は、コンタクトレンズ1L−5から継続的に送信される電力を利用して駆動する。
【0128】
次に、ステップS290において、コンタクトレンズ1R−5の制御部21R−5は、撮像部24をOFFした旨をコンタクトレンズ1L−5に通知する。
【0129】
そして、ステップS293において、コンタクトレンズ1L−5の制御部21L−5は、撮像部24をOFFの旨を受信すると、コンタクトレンズ1R−5への電力の送信を中止する。
【0130】
以上、第5の実施形態による連携動作について具体的に説明した。本実施形態によれば、一対のコンタクトレンズ100で、バッテリー機能(電力供給機能)と撮像機能の連携動作を実現することができる。
【0131】
<2−6.第6の実施形態>
上述した第1〜第5の実施形態による一対のコンタクトレンズ100では、各コンタクトレンズ1R、1Lがそれぞれ有するアンテナ23および無線通信処理部22は、少なくとも各コンタクトレンズ1R、1Lが互いに通信するための機能を有していればよい。ここで、コンタクトレンズ1R、1Lのうち一方に、外部通信端末と通信可能な機能(外部通信機能)を設けることで、外部通信機能と他の機能との連携動作を実現することができる。外部通信端末とは、例えばユーザが所持するスマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末等の通信端末や、ネットワーク上のサーバ等である。以下、このような通信機能と他の機能(例えば撮像機能)の連携動作について、第6の実施形態として、
図13〜
図14を参照して説明する。
【0132】
(2−6−1.構成)
図13は、第6の実施形態による一対のコンタクトレンズ100を形成する左眼4Lに装着されるコンタクトレンズ1L−6と、右眼4Rに装着されるコンタクトレンズ1R−6の構成を示すブロック図である。
【0133】
図13に示すように、コンタクトレンズ1L−6は、制御部21L−6、無線通信処理部22、アンテナ23および機能部30L−6を有する。機能部30L−6は、外部無線通信処理部32およびアンテナ33を含む。
【0134】
アンテナ33は、ユーザが所持するスマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末等の通信端末や、ネットワーク上のサーバ等の外部通信端末と無線接続する。また、外部無線通信処理部32は、アンテナ33による外部通信端末との無線接続を処理する。なおコンタクトレンズ1L−6は、アンテナ33を有する構成の他、アンテナ33の代わりに人体を介して外部通信端末と無線通信を行ってもよい。
【0135】
制御部21L−6は、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1R−6から受信した撮像画像を、アンテナ33および外部無線通信処理部32を介して外部通信端末に送信するよう制御する。
【0136】
以上、本実施形態によるコンタクトレンズ1L−6の構成について具体的に説明した。一方、コンタクトレンズ1R−6は、
図13に示すように、制御部21R−6、無線通信処理部22、アンテナ23および機能部30R−6を有する。機能部30R−6は、撮像部24およびセンサ27を含む。
【0137】
撮像部24およびセンサ27は、第1の実施形態において
図3を参照して説明したので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0138】
制御部21R−6は、センサ27による検知結果に応じて撮像部24による撮像動作を制御し、撮像部24により撮像された撮像画像をコンタクトレンズ1L−6に送信するよう制御する。
【0139】
以上、コンタクトレンズ1L−6およびコンタクトレンズ1R−6の構成について具体的に説明した。上記構成により、左眼4Lに装着しているコンタクトレンズ1L−6は、右眼4Rに装着しているコンタクトレンズ1R−6が有する撮像部24により撮像された撮像画像を外部通信端末に送信することができる。
【0140】
(2−6−2.動作処理)
続いて、第6の実施形態による一対のコンタクトレンズ100の動作処理について
図14を参照して説明する。
図14は、第6の実施形態による連携処理の一例を示すシーケンス図である。
【0141】
まず、
図14に示すステップS303〜S315において、
図4に示すステップS103〜S115に示す処理と同様の処理を行う。すなわち、コンタクトレンズ1R−6において、センサ27による検知結果に基づいて、カメラ起動コマンド、撮像コマンド(シャッターコマンド)、カメラ終了コマンドが検出され、各コマンドに応じて、撮像部24による撮像動作が制御される。
【0142】
次いで、ステップS318において、コンタクトレンズ1R−6の制御部21R−6は、撮像部24により撮像された撮像画像を、アンテナ23および無線通信処理部22を介してコンタクトレンズ1L−6に送信する。
【0143】
次に、ステップS321において、コンタクトレンズ1L−6の制御部21L−6は、コンタクトレンズ1R−6から受信した撮像画像を、アンテナ33および外部無線通信処理部32を介して外部通信端末に送信するよう制御する。
【0144】
一方、ステップS324において、コンタクトレンズ1R−6の制御部21R−6は、センサ27による検知結果に基づいて、「カメラ終了コマンド」を検出する。具体的には、例えばコンタクトレンズ1R−6に接する瞼が意識的に3回閉じられた場合、制御部21R−6は、「カメラ終了コマンド」として検出する。
【0145】
そして、ステップS327において、制御部21R−6は、「カメラ終了コマンド」を検出すると、撮像部24をOFFする。
【0146】
以上、第6の実施形態による連携動作について具体的に説明した。本実施形態によれば、一対のコンタクトレンズ100で、外部通信機能と撮像機能の連携動作を実現することができる。なお、本実施形態による連携動作は、外部通信機能と撮像機能に限定されず、例えば外部通信機能と表示機能であってもよい。これにより、例えば外部通信機能を有する一方のコンタクトレンズ1Lによりネットワーク上の所定サーバから映像を受信し、表示機能を有する他方のコンタクトレンズ1Rにおいて受信した映像を表示してもよい。
【0147】
また、本実施形態による連携動作は、外部通信機能と記憶機能であってもよい。これにより、例えば外部通信機能を有する一方のコンタクトレンズ1Lにより外部通信端末からデータを受信し、記憶機能を有する他方のコンタクトレンズ1Rにおいて受信したデータを記憶してもよい。ここで記憶機能とは、所定の記録媒体に対してデータの記録再生を行う記憶部により実現され得る。記録媒体としては、フラッシュメモリ等の固定メモリなど各種考えられ、記憶部としては採用する記録媒体に応じて記録再生を実行できる構成とされればよい。
【0148】
<<3.まとめ>>
上述したように、本実施形態による一対のコンタクトレンズ100を形成するコンタクトレンズ1Rとコンタクトレンズ1Lは、互いに異なる機能を有し、これらの機能を連携して動作させることで、コンタクトレンズの利便性を格段に向上させることができる。
【0149】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本技術はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0150】
例えば、コンタクトレンズ1の回路部20に内蔵されるCPU、ROM、およびRAM等のハードウェアに、上述したコンタクトレンズ1の制御部21の各機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記憶させたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【0151】
また、上記各実施形態では、両目にコンタクトレンズ1R、1Lがそれぞれ装着されている場合における連携動作について説明したが、一対のコンタクトレンズ100のうち一方が外れた場合は、例外処理を実行してもよい。例えば、上記各実施形態において、一方のコンタクトレンズからの応答がない場合、他方のコンタクトレンズは、撮像画像や各コマンド、電力等の送信処理を中止するよう制御する。
【0152】
また、一般的に、コンタクトレンズには、レンズの特性およびレンズ径がそれぞれ異なるソフトコンタクトレンズおよびハードコンタクトレンズが知られているが、本実施形態によるコンタクトレンズ1は、いずれのタイプにも応用され得る。
【0153】
また、上述した各フローチャートにおける各コマンドの送信処理は、送信先からのコマンド完了通知を持って送信処理終了としてもよい。例えば、
図6のS155に示す「照明ONのコマンド送信処理」は、コンタクトレンズ1R−2からコマンド完了通知(照明ON通知)を受信することで終了し、次いでS161に示す「撮像処理」が行われる。これにより、コンタクトレンズ1R−2で照明が点く前にコンタクトレンズ1L−2で撮像処理が行われてしまうことを回避することができる。
【0154】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
両目の各眼球に装着される一対のレンズ部と、
前記一対のレンズ部のうち一方の前記レンズ部に設けられる第1の機能部と、
他方の前記レンズ部に設けられる前記第1の機能部の機能と異なる機能を有する第2の機能部と、
を備える、一対のコンタクトレンズ。
(2)
前記一対のコンタクトレンズは、前記一対のレンズ部を通信可能にする通信部をさらに備える、前記(1)に記載の一対のコンタクトレンズ。
(3)
前記通信部は、前記一対のレンズ部にそれぞれ設けられる、前記(2)に記載の一対のコンタクトレンズ。
(4)
前記第1、第2の機能部は、撮像部、照明部、表示部、記憶部、センサ、収音部、および電力供給部の少なくともいずれかである、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の一対のコンタクトレンズ。
(5)
前記一対のコンタクトレンズは、前記第1、第2の機能部が連携して動作するよう制御する制御部をさらに備える、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の一対のコンタクトレンズ。
(6)
前記制御部は、前記一対のレンズ部にそれぞれ設けられる、前記(5)に記載の一対のコンタクトレンズ。
(7)
眼球に装着されるレンズ部と、
前記レンズ部に設けられる機能部と、
前記レンズ部に設けられる、外部装置と通信可能な通信部と、
前記通信部により前記外部装置から受信した情報に応じて、前記機能部が前記外部装置と連携して動作するよう制御する制御部と、
を備える、コンタクトレンズ。
(8)
前記制御部は、前記外部装置の機能を制御する制御信号を、前記通信部を介して前記外部装置に送信するように制御する、前記(7)に記載のコンタクトレンズ。
(9)
前記外部装置は、他方の眼球に装着されている他の前記コンタクトレンズである、前記(7)または(8)に記載のコンタクトレンズ。
(10)
コンピュータに、
眼球に装着されるレンズ部に設けられる機能部と、
前記レンズ部に設けられる、外部装置と通信可能な通信部と、
前記通信部により前記外部装置から受信した情報に応じて、前記機能部が前記外部装置と連携して動作するよう制御する制御部と、
として機能させるためのプログラムが記憶された、記憶媒体。