特許第6402731号(P6402731)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6402731電力需給予測システム、電力需給予測方法および電力需給予測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402731
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】電力需給予測システム、電力需給予測方法および電力需給予測プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20181001BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20181001BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20181001BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20181001BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20181001BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20181001BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   H02J3/00 170
   H02J3/00 130
   H02J3/14 130
   H02J13/00 311T
   H02J7/35 K
   H02J3/32
   H02J3/38 130
   H02J3/38 110
   H01M10/48 P
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-33948(P2016-33948)
(22)【出願日】2016年2月25日
(65)【公開番号】特開2017-153268(P2017-153268A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2017年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】江田 恭之
(72)【発明者】
【氏名】笠井 一希
(72)【発明者】
【氏名】今井 紘
(72)【発明者】
【氏名】高塚 皓正
(72)【発明者】
【氏名】相田 冨実二
【審査官】 小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−175825(JP,A)
【文献】 特開2013−192351(JP,A)
【文献】 特開2015−122836(JP,A)
【文献】 特開2012−095455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00−7/12
H02J 7/34−7/36
H02J 13/00
H01M 10/42−10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の需要家を含む需要家群の電力需給を予測する電力需給予測システムであって、
前記需要家群が所有する複数の蓄電池各々の蓄電量を取得する個別蓄電量取得部と、
前記需要家毎に電力の需要量を予測する個別需要量予測部と、
前記需要家群が所有する複数の発電装置各々の発電量を予測する個別発電量予測部と、
前記蓄電池毎に取得された蓄電量と、前記需要家毎に予測された需要量と、前記発電装置毎に予測された発電量に基づいて、前記蓄電池各々の蓄電量を予測する個別蓄電量予測部と、
前記蓄電池毎に予測された蓄電量および前記発電装置毎に予測された発電量の少なくとも一方に基づいて予測される供給可能な電力量が、所定閾値以上である前記需要家をデマンドレスポンス要請の対象として選定する要請対象選定部と、
を備えた、電力需給予測システム。
【請求項2】
記需要家毎に予測された需要量と、前記発電装置毎に予測された発電量に基づいて、前記需要家群の電力需給を予測する需要家群需給予測部を更に備えた、
請求項1に記載の電力需給予測システム。
【請求項3】
前記需要家毎に予測された需要量から前記需要家群の需要量の総和を予測する需要家群需要量予測部と
記発電装置毎に予測された発電量から前記需要家群が所有する前記複数の発電装置の発電量の総和を予測する需要家群発電量予測部と、を更に備え、
前記需要家群需給予測部は、前記予測された前記需要量の総和と、前記予測された前記発電量の総和と、に基づいて前記電力需給を予測する、
請求項2記載の電力需給予測システム。
【請求項4】
前記対象として選定された前記需要家に対してデマンドレスポンス要請を行う通知部を更に備えた、
請求項記載の電力需給予測システム。
【請求項5】
複数の需要家を含む需要家群の電力需給を予測する電力需給予測方法であって、
前記需要家群が所有する複数の蓄電池各々の蓄電量を取得する個別蓄電量取得ステップと、
前記需要家毎に電力の需要量を予測する個別需要量予測ステップと、
前記需要家群が所有する複数の発電装置各々の発電量を予測する個別発電量予測ステップと、
前記蓄電池毎に取得された蓄電量と、前記需要家毎に予測された需要量と、前記発電装置毎に予測された発電量に基づいて、前記蓄電池各々の蓄電量を予測する個別蓄電量予測部ステップと、
前記蓄電池毎に予測された蓄電量および前記発電装置毎に予測された発電量の少なくとも一方に基づいて予測される供給可能な電力量が、所定閾値以上である前記需要家をデマンドレスポンス要請の対象として選定する要請対象選定ステップと、
を備えた、電力需給予測方法。
【請求項6】
複数の需要家を含む需要家群の電力需給を予測する電力需給予測プログラムであって、
前記需要家群が所有する複数の蓄電池各々の蓄電量を取得する個別蓄電量取得ステップと、
前記需要家毎に電力の需要量を予測する個別需要量予測ステップと、
前記需要家群が所有する複数の発電装置各々の発電量を予測する個別発電量予測ステップと、
前記蓄電池毎に取得された蓄電量と、前記需要家毎に予測された需要量と、前記発電装置毎に予測された発電量に基づいて、前記蓄電池各々の蓄電量を予測する個別蓄電量予測ステップと、
前記蓄電池毎に予測された蓄電量および前記発電装置毎に予測された発電量の少なくとも一方に基づいて予測される供給可能な電力量が、所定閾値以上である前記需要家をデマンドレスポンス要請の対象として選定する要請対象選定ステップと、
を備えた、電力需給予測方法をコンピュータに実行させる電力需給予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力需給予測システム、電力需給予測方法および電力需給予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、再生可能エネルギーを利用して発電する発電電力装置(例えば、太陽光発電装置)が活用されている。わが国においては、余剰電力買い取り制度が制定されているため、太陽光発電装置や風力発電電装置等で発電された電力を電力会社に売ることができる。
一方、電力会社が買い取れる電力量を超えた場合(以下、出力抑制という)には、発電した電力を電力会社に売ることができないため、需要家は発電した電力を一時的に蓄電池に貯めることがある。また、蓄電池の残電池容量に対して発電装置で発電される電力が多い場合、これらの余剰電力を他の需要家に融通することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−190727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように需要家間での電力融通が頻繁に行われると、配電事業者は、需要家群の受給の予測ができなかった。
すなわち、蓄電池の現在の残容量を精度良く推定する方法(例えば、特許文献1参照)は提案されているが、蓄電池各々の蓄電量の予測については提案されておらず、需要家群において、どれだけの電力を蓄電池から賄えるかが判断できないためである。
【0005】
このように需要家群の需給を予測できない場合、配電事業者は、デマンドレスポンスの要請を行うタイミングも予測できない。
本発明は、上記従来の課題を考慮して、精度よく電力の需給を予測可能な電力需給予測システム、および電力需給予測方法、電力需給予測プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る電力需給予測システムは、複数の需要家を含む需要家群の電力需給を予測する電力需給予測システムであって、個別蓄電量取得部と、個別需要量予測部と、個別発電量予測部と、個別蓄電量予測部と、を備える。個別蓄電量取得部は、需要家群が所有する複数の蓄電池各々の蓄電量を取得する。個別需要量予測部は、需要家毎に電力の需要量を予測する。個別発電量予測部は、需要家群が所有する複数の発電装置各々の発電量を予測する。個別蓄電量予測部は、蓄電池毎に取得された蓄電量と、需要家毎に予測された需要量と、発電装置毎に予測された発電量に基づいて、蓄電池各々の蓄電量を予測する。
【0007】
このように、蓄電池毎に取得された蓄電量と、需要家毎に予測された需要量と、発電装置毎に予測された発電量に基づいて、蓄電池各々の蓄電量を予測することができる。
これにより、各々の蓄電量から供給可能な電力量を予測できる。すなわち、各々の蓄電池によって賄えることができる電力量がわかるため、需要家群の電力需給を予測できる。
第2の発明に係る電力需給予測システムは、第1の発明に係る電力需給予測システムであって、需要家群需給予測部は、蓄電池毎に予測された蓄電量と、需要家毎に予測された需要量と、発電装置毎に予測された発電量に基づいて、需要家群の電力需給を予測する。
【0008】
ここで、蓄電池毎に取得された蓄電量と、需要家毎に予測された需要量と、発電装置毎に予測された発電量に基づいて、需要家群の電力需給を予測することができる。
このように需要家群の電力需要の総和を予測することができるため、需要家群の配電事業者に対する需要の増大による電力供給の逼迫や、需要家群の配電事業者に対する需要の減少による電力の余剰等を予測できる。
【0009】
これによって、配電事業者は、需要家群に対してデマンドレスポンスの要請・制御を行うタイミングを予測できる。
なお、DR要請・制御は、系統から需要家群に供給する電力供給量が多く見込まれ供給が逼迫した場合には、需要家に電力使用の抑制もしくは停止を要求、または抑制もしくは停止するように負荷を制御することを含み、また、DR要請・制御は、需要家群の所有する複数の蓄電池の蓄電量が多い場合には、需要家に電力の積極的な使用を要請若しくは積極的な使用を行うように負荷を制御することも含む。
【0010】
第3の発明に係る電力需給予測システムは、第2の発明に係る電力需給予測システムであって、要請対象選定部を更に備える。需要家群需給予測部は、複数の需要家群各々の電力需給を予測する。要請対象選定部は、予測された電力需給に基づいて、複数の需要家群からデマンドレスポンス要請の対象とする前記需要家群を選定する。
これにより、複数の需要家群からDR要請・制御の対象とする需要家群を選定できる。例えば、電力供給が逼迫する需要家群が、DR要請・制御の対象として選定される。
【0011】
第4の発明に係る電力需給予測システムは、第2または3の発明に係る電力需給予測システムであって、需要家群需要量予測部と、需要家群蓄電量予測部と、需要家群発電量予測部と、を更に備える。需要家群需要量予測部は、需要家毎に予測された需要量から需要家群の需要量の総和を予測する。需要家群蓄電量予測部は、蓄電池毎に予測された蓄電量から前記需要家群が所有する前記複数の蓄電池の蓄電量の総和を予測する。需要家群発電量予測部は、発電装置毎に予測された発電量から前記需要家群が所有する前記複数の発電装置の発電量の総和を予測する。需要家群需給予測部は、予測された前記需要量の総和と、前記予測された前記発電量の総和と、前記蓄電量の総和と、に基づいて前記電力需給を予測する。
【0012】
このように、需要家群の需要量の総和と、需要家群が所有する前記複数の蓄電池の蓄電量の総和と、需要家群が所有する前記複数の発電装置の発電量の総和を予測することによって、電力需給を予測できる。
第5の発明に係る電力需給予測システムは、第1の発明に係る電力需給予測システムであって、要請対象選定部を更に備える。要請対象選定部は、蓄電池毎に予測された蓄電量および発電装置毎に予測された発電量の少なくとも一方に基づいて予測される供給可能な電力量が、所定閾値以上である需要家をデマンドレスポンス要請の対象として選定する。
【0013】
このように、供給可能な電力量が所定閾値以上である需要家をDR要請の対象と選定することで、DR要請を行う際に要請を行う需要家を判断できる。
また、このように、蓄電量が所定閾値以上である需要家をDR要請の対象と選定することで、DR要請を行う際に要請を行う需要家を判断できる。
また、例えば、系統からの電力供給が逼迫する場合には、DR要請の対象となる需要家から他の需要家に電力を融通するなどの対応を行うことができる。
【0014】
また、このように、発電量が所定閾値以上である需要家をDR要請の対象と選定することで、DR要請を行う際に要請を行う需要家を判断できる。
第6の発明に係る電力需給予測システムは、第5の発明に係る電力需給予測システムであって、対象として選定された需要家に対してデマンドレスポンス要請を行う通知部を更に備える。
【0015】
これにより、デマンドレスポンス要請の対象に選定された需要家に、デマンドレスポンス要請の通知を行うことが出来る。
第7の発明に係る電力需給予測方法は、複数の需要家を含む需要家群の電力需給を予測する電力需給予測方法であって、個別蓄電量取得ステップと、個別需要量予測ステップと、個別発電量予測ステップと、個別蓄電量予測ステップと、を備える。個別蓄電量取得ステップは、需要家群が所有する複数の蓄電池各々の蓄電量を取得する。個別需要量予測ステップは、需要家毎に電力の需要量を予測する。個別発電量予測ステップは、需要家群が所有する複数の発電装置各々の発電量を予測する。個別蓄電量予測ステップは、蓄電池毎に取得された蓄電量と、前記需要家毎に予測された需要量と、前記発電装置毎に予測された発電量に基づいて、前記蓄電池各々の蓄電量を予測する。
【0016】
このように、蓄電池毎に取得された蓄電量と、需要家毎に予測された需要量と、発電装置毎に予測された発電量に基づいて、蓄電池各々の蓄電量を予測することができる。
これにより、各々の蓄電量から供給可能な電力量を予測できる。すなわち、各々の蓄電池によって賄えることができる電力量がわかるため、需要家群の電力需給を予測できる。
第8の発明に係る電力需給予測方法プログラムは、複数の需要家を含む需要家群の電力需給を予測する電力需給予測プログラムであって、個別蓄電量取得ステップと、個別需要量予測ステップと、個別発電量予測ステップと、個別蓄電量予測ステップと、を備える電力需給予測方法コンピュータに実行させる。個別蓄電量取得ステップは、需要家群が所有する複数の蓄電池各々の蓄電量を取得する。個別需要量予測ステップは、需要家毎に電力の需要量を予測する。個別発電量予測ステップは、需要家群が所有する複数の発電装置各々の発電量を予測する。個別蓄電量予測ステップは、蓄電池毎に取得された蓄電量と、前記需要家毎に予測された需要量と、前記発電装置毎に予測された発電量に基づいて、前記蓄電池各々の蓄電量を予測する。
【0017】
このように、プログラムとして実行してもよく、需要家群の電力需要の総和を予測することができるため、需要家群の配電事業者に対する需要の増大による電力供給の逼迫や、需要家群の配電事業者に対する需要の減少による電力の余剰等を予測できる。
これによって、配電事業者は、需要家群に対してデマンドレスポンスの要請・制御を行うタイミングを予測できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、精度よく電力の需給を予測可能な電力需給予測システム、および電力需給予測方法、電力需給予測プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る実施の形態における電力需給予測システムと複数の需要家の関係を示すブロック図。
図2図1に示す電力需給予測システムの動作を示すフロー図。
図3図2によって予測される予測需要量、予測発電量、および予測蓄電量を示す図。
図4図1に示す電力需給予測システムの動作を示すフロー図。
図5】グループGの需要家の蓄電量比率の例を示す図
図6】グループGにおけるDR要請対象リストを示す図。
図7】本発明に係る実施の形態の変形例における電力需給予測システムと複数の需要家の関係を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る実施の形態における電力需給予測システム、電力需給予測方法および電力需給予測プログラムについて図面を参照して説明する。
ここで、以下の説明において登場する需要家A20は、図1に示すように発電装置(ソーラーパネル21)と蓄電池(蓄電装置23)とを所有しており、電力が不足すると外部から電力を買い、余剰電力が生じると外部へと電力を売ることができる。
【0021】
他の需要家B、Cも、需要家Aと同様に、発電装置(ソーラーパネル21)と蓄電池(蓄電装置23)を有している。
これら需要家A、B、Cは、需要家群の一例としてのグループGに含まれている。また、グループGは、複数設けられており、それぞれが系統に接続されている。図1において、複数のグループGは、グループG、G、・・・Gとして記載されている。
【0022】
需要家とは、電力会社と契約を結んでおり、電力会社から系統50(図1参照)を介して供給される電力を使用する個人、法人、団体等であって、例えば、一般家庭(戸建て、マンション)、企業(事業所、工場、設備等)、地方自治体、国の機関等が含まれる。
また、上述した外部とは、電力会社、他の需要家を含む。すなわち、需要家Aが売電する外部としては、電力会社、他の需要家B、C等が挙げられる。
【0023】
そして、以下の実施の形態において、スマートメータ28(図1参照)とは、各需要家にそれぞれ設置され、電力消費量を計測し、通信機能を用いて、計測結果を電力会社等へ送信する計測機器を意味している。スマートメータ28を設置したことにより、電力会社は、需要家Aにおけるリアルタイムの電力状況を正確に把握できるとともに、所定期間ごとに実施される検針業務を自動化することができる。なお、図示していないが、需要家B、需要家Cにおいてもスマートメータが取り付けられている。
【0024】
さらに、以下の実施の形態において、負荷24(図1)とは、例えば、需要家が一般家庭の場合には、エアコン、冷蔵庫、電力レンジ、IHクッキングヒータ、テレビ等の電力消費体を意味している。また、例えば、需要家が企業(工場等)の場合には、工場内に設置された各種設備、空調設備等の電力消費体を意味している。
さらに、以下の実施の形態において、EMS(Energy Management System)26(図1)とは、各需要家にそれぞれ設置されており、各需要家における発電量、蓄電量、個別の負荷ごとの電力消費量を計測し、通信機能を用いて、上位システムへ送信する送信器を含み、消費電力量を削減するために設けられたシステムを意味している。そして、EMS26は、ネットワークを介して電力需給予測システム10に接続されている。
【0025】
(実施の形態)
<構成>
本実施の形態に係る電力需給予測システム10は、グループG(需要家群の一例)における電力の需給を予測するシステムである。
具体的には、電力需給予測システム10は、グループGにおける需要量の総和と、グループGにおける発電量の総和と、グループGにおける蓄電量の総和とを予測し、需要量の総和と、発電量の総和と、蓄電量の総和に基づいて、グループGにおける電力の需給を予測する。
【0026】
また、電力需給予測システム10は、複数のグループGについて電力の需給の予測を行い、デマンドレスポンス(DR)要請の対象となるグループGを絞り込み、更に、グループG内においてDR要請の対象となる需要家を選定する。
なお、図1に示す各構成をつなぐ実線は、データ等の情報の流れを示しており、一点鎖線は電気の流れを示している。
【0027】
また、本実施の形態の電力需給予測システム10の構成については、後段において詳述する。
(需要家)
本実施の形態の電力需給予測システム10は、図1に示すように、各需要家(例えば、需要家A20)のEMS26と接続されている。
【0028】
需要家A20は、図1に示すように、ソーラーパネル21(発電装置)、太陽光発電用電力変換装置(PCS)22、発電電力用電力センサ22a、蓄電装置23(蓄電池)、蓄電電力用電力センサ23a、負荷24、負荷用電力センサ24a、分電盤25、EMS(Energy Management System)26、通信部27およびスマートメータ28を備えている。
【0029】
ソーラーパネル21(発電装置)は、太陽光の光エネルギーを用いた光起電力効果を利用して電気を発生させる装置であって、需要家Aの屋根等に設置されている。そして、ソーラーパネル21における発電量は、天気予報の日照時間に関する情報に基づいて予測することができる。
太陽光発電用電力変換装置(PCS(Power Conditioning System))22は、図1に示すように、ソーラーパネル21と接続されており、ソーラーパネル21において発生した直流電流を交流電流に変換する。
【0030】
発電電力用電力センサ22aは、図1に示すように、太陽光発電用電力変換装置22に接続されており、ソーラーパネル21において発電した電力量を測定する。そして、発電電力用電力センサ22aは、EMS26に対して測定結果(発電量)を送信する。
蓄電装置23(蓄電池)は、ソーラーパネル21において発電した電力のうち、負荷24によって消費しきれなかった余剰電力を一時的に蓄えるために設けられている。これにより、ソーラーパネル21によって発電する日中の時間帯において、負荷24による電力消費量が少ない場合でも、余った電力を蓄電装置23へ蓄えておくことで、発電した電力を捨ててしまう無駄を排除できる。
【0031】
蓄電電力用電力センサ23aは、図1に示すように、蓄電装置23に接続されており、蓄電装置23において蓄えられている電力量を測定する。そして、蓄電電力用電力センサ23aは、EMS26に対して測定結果(蓄電量)を送信する。
負荷24は、上述したように、一般家庭におけるエアコンや冷蔵庫等の家電製品、工場等における設備、空調装置等の電力消費体であって、系統40から供給される電力、ソーラーパネル21によって発生した電力、蓄電装置23において蓄えられた電力を消費する。
【0032】
負荷用電力センサ24aは、図1に示すように、負荷24に接続されており、負荷24によって消費される電力量を測定する。そして、負荷用電力センサ24aは、EMS26に対して測定結果(消費電力量)を送信する。
分電盤25は、図1に示すように、発電電力用電力センサ22a、蓄電電力用電力センサ23a、負荷用電力センサ24a、およびスマートメータ28と接続されている。そして、分電盤25は、ソーラーパネル21において発電した電力、蓄電装置23に蓄えられた電力、または系統40から買った電力を負荷24に対して供給する。
【0033】
EMS(Energy Management System)26は、上述したように、需要家A20における消費電力量を削減するために設けられたエネルギー管理システムであって、図1に示すように、発電電力用電力センサ22a、蓄電電力用電力センサ23aおよび負荷用電力センサ24aと接続されている。また、EMS26は、通信部27と接続されている。さらに、EMS26は、各センサ22a,23a,24aから受信した検出結果を用いて、ソーラーパネル21による発電電力、蓄電装置23における蓄電量を効率よく負荷24に対して供給する。これにより、系統40から供給される電力の消費量を抑制して、需要家A20における電力コストを効果的に削減することができる。
【0034】
また、EMS26は、蓄電電力用電力センサ23aに接続された蓄電量収集部26aを有しており、蓄電量収集部26aは、蓄電装置23の蓄電量を収集する。蓄電量の収集は、蓄電電力用電力センサ23aによって検出される電流または電圧によって行われる。
通信部27は、蓄電量収集部26aによって収集された蓄電量を電力需給予測システム10へと送信する。通信部27は、無線または有線によって、電力需給予測システム10の通信部11と通信を行う。
【0035】
スマートメータ28は、上述したように、需要家A20が所有するソーラーパネル21の発電量、蓄電装置23の蓄電量、および負荷24の消費電力量を計測する。そして、スマートメータ28は、図1に示すように、分電盤25を介して各センサ22a,23a,24aと接続されている。さらに、スマートメータ28は、通信機能を有しており、電力会社に対して、需要家A20における発電量、蓄電量、消費電力量に関する情報を送信する。
【0036】
なお、グループGの需要家Bおよび需要家Cも需要家Aと同様の構成を所有している。また、グループGには、他の需要家も含まれている。他の需要家は、発電装置および蓄電装置の双方、若しくは両方を所有していなくてもよい。
また、グループGの一つであるグループGについて主に説明を行うが、他のグループG〜Gについても同様である。グループGには、発電装置および蓄電装置の双方を備えている需要家、または一方を備えている需要家、または双方を備えていない需要家が含まれている。
【0037】
(電力需給予測システム)
本実施の形態の電力需給予測システム10は、グループG毎の電力需給を予測する。電力需給予測システム10は、通信部11と、需要量予測部12と、発電量予測部13と、蓄電量予測部14と、需要家群需給予測部15と、要請対象選定部16と、需要家群需要量予測部17と、需要家群発電量予測部18と、需要家群蓄電量予測部19と、を有する。
【0038】
通信部11(蓄電量取得部)は、グループGが所有する蓄電装置23の各々の蓄電量の情報を受信する。いいかえると、蓄電装置23を所有する需要家から蓄電量の情報を受信する。
通信部11は、例えばグループGの需要家A20が所有する通信部27と通信を行い、蓄電装置23の充電量の情報を取得する。なお、蓄電装置を所有する他の需要家B、C等も通信部を所有しており、通信部11は、需要家B、Cの蓄電量の情報も受信する。すなわち、通信部11は、蓄電装置を所有する需要家毎に蓄電量を取得する。
【0039】
また、通信部11は、DR要請の対象となった需要家にDR要請を通知する。
需要量予測部12は、グループGにおいて需要家毎の需要量の予測を行う。例えば、需要量予測部12は、グループGに含まれる需要家A、需要家Bおよび需要家C、・・・の各々が必要とする需要量を予測する。需要量の予測は、天気予報などの情報に基づいて行うことが出来る。また、需要家A、B、C、・・・の各々の需要家の生活パターンや消費電力量の推移等の過去の需要量データに基づいて需要量の予測が行われても良い。
【0040】
需要量予測部12は、所定時刻における需要量a(kw)と、現在時刻から所定時刻までの積算需要量as(kwh)を予測する。いいかえると、需要量予測部12は、時間経過に伴って予測される時々の需要量a(kw)と、現在時刻から需要量a(kw)が予測される時刻までの積算需要量as(kwh)を予測する。
発電量予測部13は、グループGが所有するソーラーパネル21の各々の発電量の予測を行う。言い換えると、発電量予測部13は、ソーラーパネル21を所有する需要家の発電量を予測する。発電量の予測は、例えば、天気予報(温度、湿度)などの情報に基づくソーラーパネル21の発電量等から行われてもよいし、過去の発電量のデータに基づいて行われてもよい。
【0041】
発電量予測部13は、所定時刻におけるソーラーパネル21の発電量b(kw)と、現在時刻から所定時刻までの積算発電量bs(kwh)を予測する。いいかえると、発電量予測部13は、時間経過に伴って予測される時々の発電量b(kw)と、現在時刻から発電量b(kw)が予測される時刻までの積算発電量bs(kwh)を予測する。
蓄電量予測部14は、グループGが所有する蓄電装置23の各々の蓄電量の予測を行う。蓄電量予測部14は、通信部11によって取得された現在時刻における蓄電装置23の各々の蓄電量c(kwh)と、需要量予測部12によって予測される需要家の各々の積算需要量as(kwh)と、発電量予測部13によって予測されるソーラーパネル21の各々の積算発電量bs(kwh)に基づいて、所定時刻における蓄電装置23の各々の蓄電量d(kwh)を予測する。
【0042】
具体的には、需要家A20の場合、蓄電装置23の現在時刻での蓄電量c(kwh)から、所定時刻における蓄電量d(kwh)は、c+bs−asの式により算出される。
現在時刻から一定期間内において、一定間隔の時刻(上記所定時刻)ごとに蓄電量d(kwh)を算出することによって、現在時刻から一定期間内における蓄電量の予測を行うことが出来る。
【0043】
需要家群需要量予測部17は、グループGに含まれる需要家毎の需要量aを足し合わせることにより、グループGの予測される時々の総需要量Ta(kw)を算出する。例えば、グループGの場合、需要家A、B、C・・・の需要量aが足し合されてグループGにおける総需要量Taが算出される。
需要家群発電量予測部18は、グループGが所有するソーラーパネル21の各々の予想される発電量b(kw)を足し合わせることにより、グループGが所有するソーラーパネル21の予測される時々の総発電量Tb(kw)を算出する。
【0044】
需要家群蓄電量予測部19は、グループGが所有する蓄電装置23の各々の予想される蓄電量dを足し合わせることにより、グループGが所有する蓄電装置23の予測される時々の総蓄電量Tdを算出する。
需要家群需給予測部15は、予測される総需要量Taと、予測される総発電量Tbと、予測される総蓄電量Tdに基づいて、グループGに対する電力の需給を予測する。
【0045】
このように電力需給を予測することにより、例えば、グループGにおいて所定時刻に総需要量Taに対して総発電量Tbが少なくなることが分かるため、蓄電量の多い需要家に対して電力を他の需要家に融通するようにDR要請を行うことができる。
要請対象選定部16は、蓄電量予測部14によって予測された各々の蓄電装置23の蓄電量に基づいて、DR要請の対象とする需要家を選定する。詳しくは、満充電に対する蓄電量が所定割合以上の蓄電装置23を所有する需要家をDR要請の対象とする。
【0046】
<動作>
次に、本発明にかかる実施の形態の電力需給予測システム10の動作について説明するとともに、電力需給予測方法の一例についても述べる。
図2は、本実施の形態の電力需給予測システム10の動作を示すフロー図である。
図2に示すように、電力需給予測システム10は、ステップS11〜20において、グループG、G、・・・Gの需給の予測を行う。そして、ステップS21において、DR要請対象のグループGを絞り込むとともに、そのグループG内でのDR対象の需要家を選定する。
【0047】
以下に順に説明する。
ステップS11において、電力需給予測システム10は、グループG、G、・・・のうち1つのグループGを選択する。この選択は、任意の順番で良く予め定められていてもよい。選択された任意のグループをGとする。
次に、ステップS12において、通信部11が、グループGが所有する蓄電装置23の各々の現在時刻における蓄電量c(kwh)の情報を受信する。
【0048】
次に、ステップS13において、需要量予測部12は、グループGにおいて需要家毎に、所定時刻における需要量a(kw)と、現在時刻から所定時刻までの積算需要量as(kwh)を予測する。
次に、ステップS14において、発電量予測部13は、グループGが所有するソーラーパネル21の所定時刻における発電量b(kw)と、現在時刻から所定時刻までの積算発電量bs(kwh)を予測する。
【0049】
次に、ステップS15において、蓄電量予測部14は、グループGが所有する蓄電装置23の各々の蓄電量の予測を行う。具体的には、上述したように、需要家A20の場合、蓄電装置23の現在時刻での蓄電量c(kwh)から、所定時刻における蓄電量d(kwh)は、c+bs−asの式により算出される。なお、cがマイナスの値の場合、その量は系統50から供給される。
【0050】
現在時刻から一定期間内において、一定間隔の時刻(上記所定時刻)ごとに蓄電量d(kwh)を算出することによって、現在時刻から一定期間内における蓄電量の予測を行うことが出来る。ここで、図3は、需要家の1時間毎の予測需要量a(予測負荷量)、予測発電量b、および予測蓄電量dを示すグラフである。図3では、例えば時刻1:00では、需要家の蓄電装置23の蓄電量は1kwhとなっており、予測需要量aは3kwであり、予測発電量bは4kwとなっている。ここで、予測需要量aを上回る予測発電量bの分(余剰発電分)が蓄電装置23に蓄電される。そのため、2:00における蓄電装置23の蓄電量は2kwhとなっている。
【0051】
次に、ステップS16において、需要家群需要量予測部17は、グループGに含まれる需要家A、B、C、・・・毎の需要量aを足し合わせることにより、グループGの予測される時々の総需要量Ta(kw)を算出する。
次に、ステップS17において、需要家群発電量予測部18は、グループGが所有するソーラーパネル21の各々の予想される発電量b(kw)を足し合わせることにより、グループGが所有するソーラーパネル21の予測される時々の総発電量Tb(kw)を算出する。
【0052】
次に、ステップS18において、需要家群蓄電量予測部19は、グループGが所有する蓄電装置23の各々の予想される蓄電量dを足し合わせることにより、グループGが所有する蓄電装置23の予測される時々の総蓄電量Tdを算出する。
次に、ステップS19において、需要家群需給予測部15は、予測される総需要量Taと、予測される総発電量Tbと、予測される総蓄電量Tdに基づいて、グループGに対する電力の需給を予測する。
【0053】
次に、ステップS20において、全てのグループGについて、電力需給の予測が終了していない場合には、制御はステップS11へと戻る。グループG、G、・・・の全てのグループGについて電力需給の予測が終了すると、制御はステップS21へと進む。
なお、上述した需要量a、積算需要量as、発電量b、積算発電量bs、蓄電量c、予測蓄電量d、総蓄電量Tdは、図示しないメモリ等に記憶されている。
【0054】
次に、ステップS21において、電力需給予測システム10の要請対象選定部16は、DR要請の対象をとなるグループGを絞り込み、DR要請の対象となる需要家を選定し、その需要家に対してDR要請を行う。
図4は、ステップS21のDR要請の対象を決定するフローを示す図である。
ステップS30において、電力需給予測システム10は、DR要請の対象となるグループを絞り込む。電力需給予測システム10は、グループGごとの電力の需給を予測しており、いずれかのグループGにおいて所定の時刻において、例えば電力供給が逼迫するということが予測できる。そして、電力需給予測システム10は、例えば、電力供給が逼迫するグループGをDR要請の対象として絞り込む。対称として絞りこんだグループGをグループGとする。
【0055】
次に、ステップS31において、要請対象選定部16は、上述したようにメモリ(図示せず)に記憶されている対象グループGの需要家の所定時刻における予測蓄電量dを取得する。例えば、要請対象選定部16は、需要家Aについて所定の時刻における予測蓄電量dを取得する。ここで所定の時刻とは、DR要請を行う必要がある時刻のことであり、この時刻は、DR要請対象のグループを絞り込む際に要請対象選定部16によって検出されている。
【0056】
次に、ステップS32において、要請対象選定部16は、所定の時刻における予測蓄電量が、満充電量の50%以上であるか否かを判定し、50%以上の場合、その需要家をDR要請対象リストに加える。例えば、需要家Aの蓄電量が満充電量の80%である場合、DR要請の対象リストとなる。
次に、ステップS33において、他に需要家がいないか否かを判定し、他の需要家が存在する場合には、ステップS31において、その需要家の所定の時刻における予測蓄電量がメモリから取得される。そして、ステップS32、S33が実施される。すなわち、グループGの全ての需要家についてDR要請の対象となるか否かについて判定される。
【0057】
グループGに存在する需要家のうち蓄電装置23を所有する需要家を需要家A、B、Cとする。例えば、図5に示すように、需要家Aの蓄電量が満充電量の80%であり、需要家Bの蓄電量が満充電量の50%であり、需要家Cの蓄電量が満充電量の25%の場合、図6に示すように、需要家Aと需要家BがDR要請の対象リストとなる。
そして、ステップS35において、通信部11からDR要請の対象となった需要家(図6の例では、需要家A,B)にDR要請が送信される。
【0058】
例えば、所定時刻になると供給量が逼迫するという予測がされた場合には、所定時刻になると需要家A,Bの蓄電装置23からグループG内の他の需要家へ電力を供給するように需要家A,Bに要請する。また、所定時刻になると蓄電量が過剰になる場合には、所定時刻近辺において需要家A,Bに積極的な電力の使用を要請する。
なお、要請だけでなく、例えば需要家A,Bの蓄電装置23を制御して他の需要家に電力を供給するよう制御してもよい。また、需要家A、Bの負荷24を積極的に稼働させるように負荷24を制御してもよい。
【0059】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態1では、本発明の一例である電力需給予測方法として、図2および図4に示すフローチャートに従って、電力需給予測方法を実施する例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0060】
例えば、図2および図4に示すフローチャートに従って実施される電力需給予測方法をコンピュータに実行させる電力需給予測方法プログラムとして、本発明を実現しても良い。
また、電力需給予測方法プログラムの一つの利用形態は、コンピュータにより読取可能な、ROM等の記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であってもよい。
【0061】
また、電力需給予測方法プログラムの一つの利用形態は、インターネット等の伝送媒体、光・電波・音波などの伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であってもよい。
また、上述したコンピュータは、CPU等のハードウェアに限らずファームウェアや、OS、更に周辺機器を含むものであってもよい。
【0062】
なお、以上説明したように、電力需給予測方法はソフトウェア的に実現してもよいし、ハードウェア的に実現しても良い。
また、電力需給予測システム10は、クラウドコンピューティングシステムにおける仮想サーバであってもよく、電力供給予測プログラムが仮想サーバによって実行されてもよい。
【0063】
(B)
上記実施の形態の電力需給予測システム10は、複数のグループGの電力需給を予測し、DR要請対象のグループを絞り込んでいるが、1つのグループGの電力需給のみを予測し、そのグループにおいてDR要請・制御の対象となる需要家を選定してもよい。
(C)
上記実施の形態の電力需給予測システム10および電力需給予測方法では、ステップS32において、DR要請の対象として満充電の50%以上と設定しているが、割合でなく電力量であってもよい。
【0064】
(D)
上記実施の形態では、要請対象選定部16は、蓄電量が所定閾値以上の需要家をDR要請の対象としているが、これに限られるものではない。例えば、図7に示す電力需給予測システム310のように、発電量予測部13によって予測されたソーラーパネル21毎の発電量と、蓄電量予測部14によって予測された蓄電装置23毎の蓄電量との和から需要家ごとに供給可能な電力量を予測する供給可能電力量予測部30が設けられていてもよい。
この場合、要請対象選定部16は、供給可能電力量予測部30によって予測された供給可能な電力量が所定閾値以上の需要家がDR要請の対象として選定する。
更に、要請対象選定部16は、発電量予測部13によって予測されたソーラーパネル21毎の発電量が所定閾値以上の需要家をDR要請の対象として選定しても良い。
【0065】
(E)
上記実施の形態では、電力需給予測システム10は、需要家が所有する通信部(例えば、通信部27)を介して各々の需要家の蓄電量を取得しているが、これに限定されるものではない。例えば、各々の需要家が所有するスマートメータ28から、電力需給予測システム10の通信部11が蓄電量を取得しても良い。
【0066】
(F)
上記実施形態では、需要家が所有する発電装置として、ソーラーパネル21(太陽光発電装置)を用いた例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、複数の需要家が所有する発電装置として、風力発電装置、地熱発電装置等の他の発電装置を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の電力需給予測システム、および電力需給予測方法、電力需給予測プログラムは、精度よく電力の需給を予測可能な効果を有し、蓄電池および発電装置を所有する需要家などに対して有用である。
【符号の説明】
【0068】
10 :電力需給予測システム
11 :通信部(個別蓄電量取得部の一例、通知部の一例)
12 :需要量予測部(個別需要量予測部の一例)
13 :発電量予測部(個別発電量予測部の一例)
14 :蓄電量予測部(個別蓄電量予測部の一例)
15 :需要家群需給予測部
16 :要請対象選定部
17 :需要家群需要量予測部
18 :需要家群発電量予測部
19 :需要家群蓄電量予測部
20 :需要家A
21 :ソーラーパネル
22 :太陽光発電用電力変換装置
22a :発電電力用電力センサ
23 :蓄電装置
23a :蓄電電力用電力センサ
24 :負荷
24a :負荷用電力センサ
25 :分電盤
26 :EMS
26a :蓄電量収集部
27 :通信部
28 :スマートメータ
50 :系統
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7