(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記グループ指定手段は、少なくとも2台の撮像手段がユーザ指定された場合に、そのユーザ指定の撮像手段の撮影位置に基づいて、その間又は近くに配置されている1又は2以上の撮像手段を前記他の撮像手段として、前記ユーザ指定の撮像手段と共にグループ指定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
前記グループ指定手段は、予めユーザ指定された一部の撮像手段の配置状態を基準として1又は2以上の他の撮像手段を前記ユーザ指定の撮像手段と共にグループ指定する場合に、グループ候補が複数存在しているときには、このグループ候補毎にその各撮像手段の配列状態を比較し、その比較結果に基づいて前記被写体に対する視点が滑らかに切り換わるグループを指定する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
前記グループ指定手段は、前記複数の撮像手段の撮影画像内の被写体が所定の状態であり、かつ、前記複数の撮像手段のうち、予めユーザ指定された一部の撮像手段の配置状態を基準として前記被写体に対する視点が滑らかに切り換わるように、1又は2以上の他の撮像手段を前記ユーザ指定の撮像手段と共にグループ指定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、
図1〜
図6を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、複数台の撮像装置(カメラ)によって撮影された各撮影動画像を基にユーザが所望する一連の結合動画像を生成する動画像生成処理を行う画像処理システムを示したブロック図である。
この画像処理システムは、ユーザ所持の画像処理装置1を中核とする通信システムであり、この画像処理装置1には複数台の撮像装置(カメラ)2が短距離無線通信網3及び広域通信網4を介して接続されている。なお、この画像処理システムは、広域通信システムに限らず、構内通信システムであってもよい。
【0012】
画像処理装置1は、同一の被写体を撮影する複数台のカメラ2によって撮影された各撮影動画像を、各カメラ2から短距離無線通信網3及び広域通信網4を介して受信取得し、この各撮影動画像の中から所定のタイミングで切り換え取得した画像を順次結合する結合編集を行って一連の結合動画像を生成するPC(パーソナルコンピュータ)である。なお、この結合編集処理(動画像生成処理)については、後で詳述するものとする。複数台のカメラ2は、例えば、動画像撮影が可能なデジタルビデオカメラであり、同一の被写体に対して視点が異なるように配置されている。なお、被写体に対する視点は、撮像装置(カメラ)2の配置状態(撮影位置、撮影方向)に応じて異なるが、以下の説明では、視点の相違は撮影位置に基づくものとする。なお、撮影位置とはカメラ2の現在位置を示し、第1実施形態では、カメラ2の設置位置(固定位置)である。短距離無線通信網3は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)通信網であり、また、広域通信網4は、例えば、インターネットである。
【0013】
図2は、画像処理装置1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
画像処理装置1は、各種のアプリケーション機能として、文章作成機能、計時機能、インターネット接続機能などの基本的な機能のほかに、上述した結合編集機能(動画像生成機能)を備えている。制御部11は、電源部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの画像処理装置1の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリなどを有している。
【0014】
記憶部13は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどを有する構成で、後述する
図5及び
図6に示した動作手順に応じて第1実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているプログラムメモリ13aと、この画像処理装置1が動作するために必要となる各種の情報(例えば、撮影動画像、フラグなど)を一時的に記憶するワークメモリ13bと、上述の結合編集処理によって生成した一連の動画像を記録保存する画像メモリ13cなどを有している。なお、記憶部13は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続されている状態においては所定のサーバ装置側の記憶領域を含むものであってもよい。
【0015】
制御部11には、入出力デバイスとして表示部14、操作部15、広域通信部16などが接続され、それらの入出力動作を制御する。表示部14は、高精細液晶ディスプレイあるいは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであり、上述の結合編集処理によって生成した一連の結合動画像を再生する画面として使用される。操作部15は、各種のキーとして、図示省略したが、文字キー、テンキーなどを有し、複数台のカメラ2のうち、その一部のカメラ2を動画像生成用として、任意にユーザ指定する際などに使用される。広域通信部16は、短距離無線通信網3及び広域通信網4を介して各カメラ2に撮影指示を送信したり、各カメラ2から撮影動画を受信取得したりする。
【0016】
図3は、各カメラ2の基本的な構成要素を示したブロック図である。
制御部21は、電源部(二次電池)22からの電力供給によって動作し、記憶部23内の各種のプログラムに応じてこのカメラ2の全体動作を制御するもので、この制御部21には、その入出力デバイスとして、操作部24、表示部25のほか、撮像部26、無線通信部27、位置取得部28などが接続され、それらの入出力動作を制御する。撮像部26は、被写体を高精細に撮影可能なビデオカメラ部を構成するもので、自動焦点調整(コントラストAF)機能などを有し、この撮像部26によって撮影された画像はリアルタイム又は送信要求に応じて通信部27から画像処理装置1に送信される。無線通信部27は、無線LAN(Local Area Network)通信部やBluetooth(登録商標)通信部である。位置取得部28は、現在位置を受信取得するGPS(Global Positioning System)部で、例えば、誤差1m以内の高精度で測位可能な構成となっている。
【0017】
図4(1)は、被写体に対して複数台のカメラ2を配置した状態を例示した図である。
図示の例は、被写体として大勢でダンスのレッスンを行っている様子を撮影する場合で、その被写体の近傍には、5台のカメラ2が配置されている。この5台のカメラ2は、同一の被写体に対して視点が異なるもので、この5台のカメラ2で被写体を同期撮影する場合(撮影開始から撮影終了までの撮影期間が同一となる撮影を行う場合)、画像処理装置1は、カメラ2はその撮影開始を指示するようにしている。なお、各カメラ2側のタイマ(図示省略)が撮影期間の経過を検出しとき際に撮影を終了してもよいが、画像処理装置1から各カメラ2に撮影終了を指示するようにしてもよい。
【0018】
なお、5台のカメラ2をカメラA〜Eと呼称すると、図中の例は、左端にカメラAを配置し、右端にカメラEを配置し、このカメラA、Eの間にカメラB、C、Dを配置した場合である。このように各カメラA〜Eは、ダンスレッスンの様子を被写体として視点を変えて同期撮影するためにその被写体の近傍に配置されたもので、各カメラA〜Eを三脚などによって固定して設置するようにしているが、その設置位置を固定する場合に限らず、その各撮影者が任意に移動しながら撮影する場合であってもよい。また、各カメラ2に対してズーム倍率などの撮影条件を同じ値に設定してもよいが、カメラ2毎に異なる値を任意に設定するようにしてもよい。
【0019】
図4(2)、(3)は、上述した結合編集処理(動画像生成処理)によって一連の結合動画像の生成を説明するための図である。
画像処理装置1は、5台のカメラA〜Eの各撮影動画像(多視点撮影画像)を基にユーザの所望する一連の結合動画像を生成する場合に、この5台のカメラA〜Eのうち、ユーザの所望する視点で撮影するカメラ2としてその一部のカメラ(少なくとも2台のカメラ)2がユーザ操作によって任意に指定されると、このユーザ指定された各カメラ2の間に他のカメラ2が存在しているか否かの判別を行う。例えば、
図4(2)に示すようにカメラA、Dがユーザ指定された場合には、そのユーザ指定のカメラA、Dの間に他のカメラB、Cが存在していることを判別するが、
図4(3)に示すようにカメラA、Bがユーザ指定された場合には、そのユーザ指定のカメラA、Bの間には他のカメラ2が存在していないことを判別する。
【0020】
画像処理装置1は、ユーザ指定された各カメラ2の間に他のカメラ2が存在していれば、ユーザ指定されたカメラ2の撮影位置を基準として被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるように、1又は2以上の他のカメラ2を、ユーザ指定のカメラ2と共にグループ指定するようにしている。
図4(2)の例では、ユーザ指定のカメラA、Dの間に他のカメラB、Cが存在しているので、このカメラB、Cは、ユーザ指定されたカメラA、Dの撮影位置を基準として被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるカメラ2であるものと認識して、このカメラB、Cとユーザ指定のカメラA、Dとの組み合わせを1つの配列グループとして指定するようにしている。
【0021】
そして、画像処理装置1は、上述の配列グループ内の各カメラ2から撮影動画像(多視点撮影画像)を受信取得し、その多視点撮影画像の中から所定のタイミングで切り換え取得した画像を順次結合する結合編集を行って一連の結合動画像を生成するために、その結合する順番を決定するようにしている。
図4(2)の例では、カメラAを起点とすると、結合する順番は、カメラA、B、C、Dの順となる。すなわち、ユーザ指定されたカメラのうち最初に指定されたカメラ(最初に再生を開始する画像を撮影したカメラ)2を起点とするようにしているが、どのカメラ2を起点とするかは、ユーザ操作により任意に設定可能としてもよい。
【0022】
次に、第1実施形態における画像処理装置1の動作概念を
図5及び
図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0023】
図5及び
図6は、画像処理装置1の特徴的な動作(特に、多視点撮影画像の結合編集)を説明するためのフローチャートである。
画像処理装置1の制御部11は、同一の被写体に対して視点の異なる複数台のカメラ2に撮影開始の指示を送信して同期撮影を開始させる(
図5のステップS1)。なお、この撮影指示により複数台のカメラ2は、同時に動画撮影を開始する。画像処理装置1は、その後、適当なタイミングで複数台のカメラ2に撮影終了の指示を送信して同期撮影を終了させる。そして、画像処理装置1は、各カメラ2からこの同期撮影で撮影した撮影動画像とその設置位置(現在位置)を受信取得して画像メモリ13cに記録保存する処理を開始させる(ステップS2)。
【0024】
この状態において、動画像編集又は画像処理終了が指示されたかを調べ(ステップS3)、動画像編集が指示された場合に、その指示が“フレーム合成”であれば、記録保存されている各撮影動画像をフレーム合成する処理(図示省略)に移るが、“多視点撮影画像の結合編集”が指示されたときには、各撮影画像を順次結合して一連の結合動画像を生成する処理に移る(
図5のステップS4〜S6及び
図6のステップS7〜S11)。なお、処理終了が指示されたときには、
図5及び
図6のフローから抜ける。
【0025】
以下、多視点撮影画像の結合編集処理について説明する。
この結合編集処理においては、編集後の動画像を再生した場合に、撮影時の時間経過(撮影期間)を維持したままで、撮影の視点だけが次々と切り換わるような動画像を得ることを目的としている。そして、この編集処理においては、ユーザ操作又は自動決定により視点の切り換えタイミング及び切り換え先のカメラを指定することになるが、以下、この切り換えタイミングは、同期撮影(動画撮影)の開始からの撮影経過時間により示すものとする。
【0026】
なお、第1実施形態では、結合編集処理の対象となる複数の撮影動画像の撮影において、全てのカメラが同時に同期撮影(動画撮影)を開始しているので、同期撮影(動画撮影)の開始からの撮影経過時間が各撮影動画像の先頭からの記録位置(各撮影動画像を再生する場合の再生経過時間)と等しくなる。このため、同期撮影(動画撮影)の開始からの撮影経過時間で示される切り換えタイミングを、各撮影動画像内の対応するフレームの記録位置に変換することは容易である。
【0027】
先ず、ステップS4では、最初に再生(結合)を開始する画像(又はその画像を撮影したカメラ)のユーザ指定を受け付ける。
図5(2)、(3)の例では、カメラA(又はカメラAで撮影された画像)が最初に再生を開始する画像(又はカメラ)となる。次に再生(結合)する画像(又はその画像を撮影したカメラ)とその切り換えタイミングのユーザ指定を受け付ける(ステップS5)。
図4(2)の例ではカメラDで撮影された画像(又はカメラD)、
図4(3)の例では、カメラBで撮影された画像(又はカメラB)が次に再生する画像(又はカメラ)となる。ここで、切り換えタイミングは、画像を切り換えるまでの時間間隔であり、ユーザ操作により任意に設定可能な情報である。
【0028】
このようにして2台のカメラ2の撮影動画像がユーザ指定されると、この2つの撮影動画像を切り換え前後の2つの撮影動画像としてそのカメラ2の撮影位置を取得する(ステップS5)。すなわち、
図4(2)の例ではカメラA、Dの撮影位置をそれぞれ取得し、
図4(3)の例ではカメラA、Bの撮影位置をそれぞれ取得する。そして、
図6のフローに移り、このユーザ指定された2台のカメラ2の設置位置と他のカメラ2の設置位置とを比較して(ステップS7)、この2台のカメラ2の間に他のカメラ2が存在しているかを調べる(ステップS8)。
【0029】
ここで、ユーザ指定された2台のカメラ(切り換え前後のカメラ)2の間に他のカメラ2が存在していなければ(ステップS8でNO)、その切り換え前後の撮影動画像内のフレームを切り換えタイミングの前後で切り取って結合する処理を行う(ステップS9)。すなわち、
図4(3)の例ではカメラA、Bの間に他のカメラ2は存在していないので、カメラA、Bの撮影動画像内のフレームを切り換えタイミングにしたがって順次結合する処理を行う。例えば、切り換えタイミングを同期撮影(動画撮影)の開始から20秒後とすると、カメラAの撮影動画像の先頭(0秒)から20秒後までのフレームとカメラBの撮影動画像の20秒後以降のフレームをカメラA、Bの順に結合する処理を行う。
【0030】
また、2台のカメラ2の間に他のカメラ2が存在していれば(ステップS8でYES)、この2台のカメラ2と他のカメラ2とを1つの配列グループとして指定すると共に、この他のカメラ2の数に応じて等分となるように中間の切り換えタイミングを設定する(ステップS12)。そして、各カメラ2の撮影位置に応じて切り換えの順番を決定(ステップS13)した後、切り換えタイミング毎に、切り換え前後における撮影動画像内のフレームを切り換えタイミングの前後で切り取って結合する処理を行う(ステップS14)。
【0031】
すなわち、
図4(2)の例ではカメラA、Dの間に他のカメラB、Cが存在しているので、撮影動画像の先頭(0秒)から切り換えタイミング(例えば、15秒)までを3等分してその2つの中間値(5秒、10秒)を設定すると共に、切り換え順番としてA、B、C、Dを決定する。そして、カメラA、B、C、Dの撮影動画像内のフレームを切り換えタイミングにしたがって画像を順次結合する処理を行うが、この場合、切り換えタイミングの中間値は5秒、10秒であるので、カメラAの0〜5秒、Bの5〜10秒、Cの10〜15秒、Dの15秒以降分のフレームを切り取ってカメラA、B、C、Dの順に結合する処理を行う。
【0032】
このような結合処理が終ると、結合編集の終了がユーザ指示されたかを調べ(ステップS10)、その編集終了が指示されるまで
図5のステップS5に戻り、上述の動作を繰り返す。例えば、上述のようにユーザがカメラAからカメラBに切り換え指定した後、ステップS5においてユーザが更にカメラDへの切り換えを指定したものとすると、
図4(1)の例では、カメラB、Dの間に他のカメラCが存在しているので(ステップS8でYES)、ステップS12〜S14の処理を行う。また、上述のようにユーザがカメラAからカメラDに切り換え指定した後、ステップS5においてユーザが更にカメラEへの切り換えを指定したものとすると、
図4(1)の例では、カメラD、Eの間に他のカメラが存在していないので(ステップS8でNO)、ステップS9の処理を行う。その後、結合編集の終了が指示されると(ステップS10でYES)、生成した一連の結合動画像を画像メモリ13cに記録保存(ステップS11)させた後、
図5及び
図6のフローから抜ける。
【0033】
以上のように、第1実施形態において画像処理装置1は、同一の被写体に対して視点が異なる複数台のカメラ2のうち、ユーザにより切換指定された一部のカメラ2の配置状態を基準として被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるように、一連の結合動画像の生成に用いる画像を撮影する1又は2以上の他のカメラ2を、ユーザ指定のカメラ2と共にグループ指定し、この指定したグループ内の各カメラ2の各撮影動画像を所定の切り換えタイミングで切り換え結合して一連の結合動画像を生成するためにその結合する順番を決定するようにしたので、ユーザにあっては、どのカメラ2がどの位置に設置されているかを事前に把握しておく必要はなく、同一の被写体を様々な視点で撮影した各画像を基に一連の結合動画像を生成する場合に、次に切り換える一部のカメラ2を指定するという簡単なユーザ指定でユーザの要望に応じた一連の結合動画像を得ることができる。
【0034】
画像処理装置1は、複数台のカメラ2の撮影動画像とカメラ2の撮影位置に基づいて、所定の位置関係にある1又は2以上の他のカメラ2をユーザ指定のカメラ2と共にグループ指定するようにしたので、ユーザ指定のカメラ2との位置関係から1又は2以上の他のカメラ2を適切に指定することができる。
【0035】
画像処理装置1は、少なくとも2台のカメラ2をユーザ指定するだけで、その間に配置されている1又は2以上のカメラ2を含めてグループ指定するようにしたので、カメラの指定数を必要最小限とすることができ、その指定が簡単なものとなる。
【0036】
画像処理装置1は、ユーザの所望するカメラ2を操作部15のキー操作によって指定するようにしたので、ユーザの所望する結合画像を何時でも自由に生成することが可能となる。
【0037】
画像処理装置1は、各撮影動画像を切り換え結合する順番を決定する場合に、各カメラ2の撮影位置の並び順にしたがってその順番を決定するようにしたので、その結合する順番をユーザ指定する必要はなく、しかも被写体が滑らかに変化する見やすい一連の結合動画像を得ることができる。
【0038】
画像処理装置1は、ユーザ指定の各カメラ2に対応して切り換えタイミングを任意に指定するようにしたので、更にユーザの意向を反映した一連の結合動画像を得ることができる。
【0039】
画像処理装置1は、一連の結合動画像を生成するようにしたので、結合編集時に結合動画像を生成することができる。
【0040】
画像処理装置1は、グループ指定された1又は2以上の他のカメラ2の数に基づいて、ユーザ指定の切り換えタイミングの中間値を求め、この中間値の切り換えタイミング毎にグループ内の各カメラ2の撮影動画像を順次結合するようにしたので、切り換えタイミングを細かく指定する必要がなくなり、そのタイミング指定が簡単なものとなる。
【0041】
上述した第1実施形態においては、カメラ2の配置状態として撮影位置を例示したが、カメラ2の撮影方向をその配置状態としてもよい。カメラ2の撮影方向としては、電子方位計や加速度センサなどで方位を測定したり、基準に対するカメラ向きを測定したりすればよい。この場合、ユーザ指定されたカメラ2の撮影方向の間に他のカメラ2の撮影方向が存在しているかを比較して他のカメラ2を特定するようにすればよい(このことは、以下の他の実施形態においても同様である)。
【0042】
上述した第1実施形態においては、動画編集時のユーザによる複数の切り換えタイミング及び切り換え先のカメラの指定は、1つ1つ順番に行うものとし、最初のカメラを指定した後に1回目の切り換えが指定されることにより、少なくとも2台のカメラ2がユーザ指定された場合に、そのユーザ指定のカメラ2の撮影位置に基づいて、その間に配置されている1又は2以上の他のカメラ2を、ユーザ指定のカメラ2と共にグループ指定するようにしたが、ユーザ指定のカメラ2の近くに配置されている1又は2以上の他のカメラ2を、ユーザ指定のカメラ2と共にグループ指定するようにしてもよい。これによって例えば、ユーザ指定のカメラ2の間ではなく、その外側に配置されている他のカメラ2も含めてグループ指定することができる(このことは、以下の他の実施形態においても同様である)。
【0043】
また、上述した第1実施形態においては、ユーザが1つ1つ順番に切り換え指定を行い、切り換え指定が行われる毎に、切り換え前後のカメラの中間位置に配置されているカメラを次々とグループ指定するようにしたが、予め切り換える予定の複数のカメラをユーザが一括して指定し、この指定された複数のカメラの撮影位置に基づいて同時に複数のグループ分けを行うようにしてもよい。
【0044】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について
図7及び
図8を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、ユーザ指定の各カメラ2とそれらの間に存在している他のカメラ2との組み合わせ(配列グループ)が1つの場合を例示したが、この第2実施形態においては、この配列グループが複数存在する場合に、この複数の配列グループの中からどのグループを指定するかを特徴とするものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0045】
図7(1)は、第2実施形態において、被写体に対して複数台のカメラ2を配置した状態を例示した図である。
図示の例は、
図4(1)の場合と同様、大勢でダンスのレッスンを行っている様子を被写体とした例を示したもので、第2実施形態においては、被写体の周囲に配置された8台のカメラ2で被写体を同期撮影する場合(撮影開始から撮影終了までの撮影期間が同一となる撮影を行う場合)である。この8台のカメラ2は、同一の被写体に対する視点が異なるようにその被写体の周囲に配置されたもので、被写体を前後左右の8方向から多視点撮影を行うようにしている。
【0046】
なお、被写体の周囲に配置された8台のカメラ2を、カメラA〜Hと呼称すると、被写体を原点とするXY座標系において、X軸のマイナス側にカメラAを配置し、X軸のプラス側にカメラEを配置し、更に、このカメラAとカメラEの間において、Y軸のマイナス側にカメラB、C、Dを配置し、Y軸のプラス側にカメラH、G、Fを配置した場合である。また、各カメラA〜Hは、三脚などによって固定して設置してもよいが、その各撮影者が任意に移動しながら撮影する場合であってもよい。また、図示の例は、カメラB、Cと、カメラD、Eが比較的接近した状態で設置されているのに対し、カメラH、G、Fは略等間隔に設置されている場合を示している。
【0047】
図7(2)は、ユーザ指定のカメラA、Eと、その間に存在する他のカメラB、C、Dの配列を1つのグループとして指定した場合である。
図7(3)は、ユーザ指定のカメラA、Eと、その間に存在する他のカメラH、G、Fの配列を1つのグループとして指定した場合である。このようにユーザ指定の各カメラ2と、このユーザ指定の各カメラ2の間に存在している他のカメラ2との組み合わせ(配列グループ)が複数存在する場合に、画像処理装置1は、この複数の配列グループを所定の方法にしたがって評価することにより、いずれか1つの配列グループを指定するようにしている。
【0048】
図8は、第2実施形態において、画像処理装置1の特徴的な動作(特に、多視点撮影画像の結合編集)を説明するためのフローチャートである。
画像処理装置1の制御部11は、先ず、動画像編集(多視点撮影画像の結合編集)が指示されると、最初に再生(結合)を開始する画像(又はその画像を撮影したカメラ)のユーザ指定を受け付けると共に(ステップS21)、次に再生(結合)する画像(又はその画像を撮影したカメラ)とその切り換えタイミングのユーザ指定を受け付ける(ステップS22)。
【0049】
これによって2つの撮影動画像(カメラ)がユーザ指定されると、その2台のカメラ(切り換え前後のカメラ)2の撮影位置を取得し(ステップS23)、この切り換え前後のカメラ2の設置位置と他のカメラ2の設置位置とを比較して(ステップS24)、切り換え前後のカメラ2の間に他のカメラ2が存在しているかを調べる(ステップS25)。例えば、ユーザ指定された2台のカメラ2を結ぶ直線を境として区分されるその垂線方向の2つの区分領域毎に、ユーザ指定のカメラ2の間に他のカメラ2が存在しているかを調べる。ここで、上述のいずれの区分領域にも他のカメラ2が存在していなければ(ステップS25でNO)、ステップS30に移り、ユーザ指定された各カメラ(切り換え前後のカメラ)2の撮影動画像内のフレームを切り換えタイミングの前後で切り取って結合する処理を行う(ステップS30)。
【0050】
また、ユーザ指定のカメラ2の間に他のカメラ2が存在していれば(ステップS25でYES)、上述した区分領域毎に配列グループの選択候補として指定する(ステップS26)。例えば、
図7(2)の場合には、各カメラA、B、C、D、Eを配列グループの選択候補として指定し、
図7(3)の場合には、各カメラA、H、G、F、Eを配列グループの選択候補として指定する。そして、候補は複数グループであるかを調べ(ステップS27)、1つのグループであれば(ステップS27でNO)、そのグループ内において、他のカメラ2の数に応じて等分となるように中間の切り換えタイミングを設定すると共に各カメラの撮影位置に応じて切り換えの順番を決定する(ステップS31)。そして、切り換えタイミング毎に、切り換え前後の撮影動画像内のフレームを切り換えタイミングの前後で切り取って結合する処理を行う(ステップS32)。
【0051】
また、配列グループの候補が複数存在していれば(ステップS27でYES)、各グループを評価する処理に移る(ステップS28)。ここで、各グループを2種類の基準で評価し、その評価結果に基づいて、いずれか1つのグループを指定するようにしている(ステップS29)。すなわち、1つの評価基準は、配列グループに各カメラ2の配列状態であり、配列グループ毎に各カメラ2の配列状態としてカメラ2の配列間隔及びカメラ2の台数を比較し、その比較結果に基づいて被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるかを数値化して評価する(例えば、10段階評価)。この場合、グループ内のカメラ2の台数が多く、略等間隔に配列されていれば、視点がより滑らかに切り換わると評価し、その評価値は高くなる。なお又は、1回の切り換わりにおける視点の変化量と変化方向を視点の変化ベクトルとして示した場合に、複数回の切り換わりにおいて視点の変化ベクトルの変化が少ないほど視点がより滑らかに切り換わると評価してもよい。
【0052】
また、他の評価基準は、撮影動画像内の被写体の状態(被写体の写り具合)であり、配列グループ毎に各カメラ2の撮影動画像内の被写体が所定の状態であるかを数値化して評価する。被写体の所定の状態とは、被写体(人物)サイズの大きさ、人物の顔の大きさ、人数の多さであり、被写体(人物)サイズの大きさ、顔の大きさ、人数の多さを数値化して評価する(例えば、各要素を3段階評価)。このような評価を総合した評価点を比較し、その値が最大となるグループを指定する。例えば、
図7(2)の配列グループと
図7(3)の配列グループを比較した場合、被写体の状態が略同じであれば、
図7(3)の配列グループの方がその配列状態が略等間隔であるので、その総合評価値が高くなるので、この配列グループを指定する。
【0053】
このようにして複数のグループ候補の中からいずれか1つのグループを指定すると、上述のステップS31に移り、指定グループ内において、他のカメラ2の数に応じて等分となるように中間の切り換えタイミングを設定すると共に各カメラの撮影位置に応じて切り換えの順番を決定する。そして、切り換えタイミング毎に、切り換え前後の撮影動画像内のフレームを切り換えタイミングの前後で切り取って結合する処理を行う(ステップS32)。このような結合処理が終ると、結合編集の終了がユーザ指示されたかを調べ(ステップS33)、その編集終了が指示されるまでステップS22に戻り、上述の動作を繰り返すが、編集終了が指示されときには(ステップS33でYES)、生成した一連の結合動画像を画像メモリ13cに記録保存(ステップS34)させた後、
図8のフローから抜ける。
【0054】
以上のように、第2実施形態において画像処理装置1は、予めユーザ指定された一部のカメラ2の配置状態を基準として1又は2以上の他のカメラ2をユーザ指定のカメラ2と共にグループ指定する場合に、グループ候補が複数存在しているときには、このグループ候補毎にその各カメラ2の配列状態を比較し、その比較結果に基づいて被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるグループを指定するようにしたので、第1実施形態と同様に、同一の被写体を様々な視点で撮影した各画像を基に一連の画像を生成する場合に、簡単なユーザ指定でユーザの要望に応じた一連の画像を得ることができるほか、第2実施形態では、更に、カメラ2の配列状態に基づいて被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるグループを指定することができる。
【0055】
カメラ2の配列状態は、カメラ2の配置間隔、その数であるので、被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるグループを適切に指定することができる。
【0056】
画像処理装置1は、各カメラ2の撮影動画像内の被写体が所定の状態であり、かつ、被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるようにグループ指定するようにしたので、被写体に対する視点と被写体の状態との組み合わせでグループ指定することができる。
【0057】
画像処理装置1は、撮影動画像内の被写体のサイズがより大きく、かつ、その被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるようにグループ指定するようにしたので、被写体を重視した一連の結合動画像を得ることができる。
【0058】
画像処理装置1は、撮影画像内の人物の顔がより大きく、かつ、その被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるようにグループ指定するようにしたので、人物の顔を重視した一連の結合動画像を得ることができる。
【0059】
画像処理装置1は、撮影動画像内の人数がより多く、かつ、その被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるようにグループ指定するようにしたので、人数を重視した一連の結合動画像を得ることができる。
【0060】
なお、上述した第2実施形態においては、ユーザ指定された2台のカメラ2を結ぶ直線を境として区分されるその垂線方向の2つの区分領域毎に配列グループを選択候補としたが、候補となるグループ数は、4つのグループなど任意である。
【0061】
(第3実施形態)
以下、この発明の第3実施形態について
図9を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、複数台のカメラ2に同時に同期撮影(動画撮影)を開始及び終了させ、各カメラ2から受信取得した各撮影動画像を記録保存した後に、結合編集を行ってその撮影動画像を基に一連の結合動画像を生成するようにしたが、この第3実施形態においては、個々のカメラ2から撮影動画像を受信取得して記録する動作を切り換えながら一連の結合動画像を生成するようにしたものである。ここで、第1、第3実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第3実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
この第3実施形態において、切り換えタイミングは、最初に指定されたカメラが動画撮影を開始してからの撮影経過時間により示すものとする。
【0062】
図9は、第3実施形態において、画像処理装置1の特徴的な動作(特に、多視点撮影画像の結合編集)を説明するためのフローチャートである。
画像処理装置1の制御部11は、複数台のカメラ2で被写体を同期撮影している場合において、最初に撮影記録を開始するカメラ2のユーザ指定を受け付けると(ステップS41)、このユーザ指定されたカメラ2から撮影動画像を受信取得して記録保存する動作を開始する(ステップS42)。その後、別のカメラ2への切り換えがユーザ指示されたかを調べ(ステップS43)、その切り換えが指示されなければ(ステップS43でNO)、結合編集終了が指示されたかを調べ(ステップS49)、その編集終了が指示されなければ(ステップS49でNO)、上述のステップS43に戻り、切り換え指示又は編集終了指示があるまで上述のループを回りながら待機状態となる。
【0063】
ここで、別のカメラ2への切り換えがユーザ指示されたときには(ステップS43でYES)、ユーザ指定の2台のカメラ(切り換え前後のカメラ)2の撮影位置を取得し(ステップS44)、このユーザ指定の各カメラ2の設置位置と他のカメラ2の設置位置とを比較して(ステップS45)、この2台のカメラ2の間に他のカメラ2が存在しているかを調べる(ステップS46)。いま、他のカメラ2が存在していなければ(ステップS46でNO)、切り換え指示されたカメラ2の撮影動画像を受信取得して記録保存する動作を開始することで撮影記録の切り換えを行う(ステップS47)。
【0064】
なお、最初にユーザ指定されたカメラ2の撮影動画像の記録時間は、次にユーザ指定されたカメラ2との間に他のカメラ2が存在していなければ、その最初のユーザ指定時から次のユーザ指定時までの任意の時間となる。このことは、任意のカメラ2をユーザ指定すると同時に、撮影記録の切り換えタイミング(切り換え前のカメラ2の撮影記録時間)を任意に指定可能であることを意味している。次に、結合編集の終了が指示されたかを調べ(ステップS48)、その編集終了が指示されなければ(ステップS48でNO)、上述のステップS43に戻る。
【0065】
また、ユーザ指定のカメラ2の間に他のカメラ2が存在していれば(ステップS46でYES)、ユーザ指定のカメラ2とその間に存在している他のカメラ2を1つのグループとして指定すると共に、そのグループ内における他の未選択のカメラ2の中で現在のカメラ2に近いカメラ2を選択する(ステップS49)。つまり、切り換え前後のカメラ2の間に他のカメラ2が複数台存在していれば、そのカメラを1台ずつ選択するが、その際、他の未選択のカメラ2の中で現在のカメラ(切り換え前のカメラ)2の近傍に位置しているカメラ2を選択するようにしている。そして、この選択カメラ2から撮影動画像を受信取得して記録保存する動作を開始することで撮影記録の切り換えを行う(ステップS50)。
【0066】
そして、未選択の他のカメラ2が残っていれば(ステップS51でYES)、切り換えタイミングが経過するまで一定時間(例えば、10秒間)待機(ステップS52)した後、上述のステップS49に戻り、未選択の他のカメラ2を選択する。このようにしてユーザ指定のカメラ2の間に存在している全てのカメラ2を1台ずつ選択することによりその撮影記録の切り換えを順次行う。そして、未選択のカメラ2がなくなれば(ステップS51でNO)、ステップS48に戻る。
【0067】
以上のように、第3実施形態において画像処理装置1は、切り換え指示のカメラ2の撮影動画像を受信取得してその撮影記録する動作を切り換えながら一連の結合動画像を生成するようにしたので、第1実施形態と同様に、同一の被写体を様々な視点で撮影した各画像を基に一連の画像を生成する場合に、一部のカメラ2を指定するという簡単なユーザ指定でユーザの要望に応じた一連の画像を得ることができるほか、第3実施形態では、更に、リアルタイムに結合動画像を生成することが可能となる。
【0068】
なお、上述した第3実施形態においては、グループ指定された各カメラ2の撮影動画像を受信取得してその撮影記録する動作を順次切り換えながら順次結合して一連の結合動画像を生成するようにしたが、短距離無線通信網3及び広域通信網4を介して他の電子機器(図示省略)に配信する動作を順次切り換えながら順次結合して一連の結合動画像を生成するようにしてもよい。
【0069】
また、第3実施形態においてユーザは、同期撮影中に任意のカメラ2をユーザ指定する毎に撮影記録を切り換えるようにしたが、ユーザ指定のカメラ2を一括して事前指定すると共に、その指定カメラ2に対応して各々の切り換えタイミングを任意に指定するようにしてもよい。
【0070】
上述した各実施形態においては、各カメラ2の撮影動画像(多視点撮影画像)を基にユーザの所望する一連の結合動画像を生成するようにしたが、各カメラ2の撮影画像(多視点撮影画像)は、静止画像であってもよい。この場合、各静止画像の中から所定の切り換えタイミングで切り換え取得した静止画像を順次結合すると共にその中間フレームを補間することによって動画像を生成するようにしてもよい。これによって多視点の静止画像から動画像を生成することが可能となる。
【0071】
上述した各実施形態においては、一連の結合動画像を生成するようにしたが、各カメラ2の撮影画像(多視点撮影画像)が静止画像の場合、この複数の静止画像を結合させてスライド形式の一連の静止画像を生成するようにしてもよい。
【0072】
図10〜
図12は、上述した各実施形態の変形例の動作概念を説明するための図である。
図10は、その変形例の1つの動作概念を示した図で、6台のカメラA〜Fの設置位置が固定され、かつ、そのA〜Fの順序で配置されている場合に、この各カメラA〜Fの撮影期間が同じで、結合編集時の切り換え間隔(切り換え時間)を“5秒”に固定した条件において、多視点撮影画像の結合編集を開始する前に、カメラA、B、Eがその順序でユーザ指定された場合を示している。なお、図中、縦軸は、各カメラA〜Fの撮影位置を示し、実際の撮影位置は二次元であるが、便宜上、一次元を示している(以下、同様)。また、横軸は撮影時間を示し、撮影期間が同じであれば、各カメラA〜Fの撮影時間は、撮影期間が同じであれば、同じ長さとなる。
【0073】
画像処理装置1は、例えば、第3実施形態で示したように撮影記録する動作を順次切り換えながら一連の結合動画像を生成するものとすると、最初のユーザ指定のカメラAの撮影動画像を5秒間記録する動作を行った後、次のユーザ指定のカメラBの撮影動画像を5秒間記録する動作に切り換える。この場合、ユーザ指定のカメラB、Eの間には、他のカメラC、Dが存在しているので、カメラBの撮影記録を行った後に、カメラCの撮影動画像を5秒間記録する動作に切り換える。更に、カメラCの撮影記録を行った後に、カメラDの撮影動画像を5秒間記録する動作に切り換える。その後、ユーザ指定のカメラEの撮影動画像を5秒間記録する動作に切り換える。このように結合編集を開始する前にユーザ指定のカメラ2を特定しておけば、結合編集時の切り換え間隔を固定することができる。
【0074】
図11は、他の変形例の動作概念を説明するための図である。
図示の例は、6台のカメラA〜Fの設置位置が固定され、かつ、そのA〜Fの順序で配置され、この各カメラA〜Fの撮影期間が同じの場合に、カメラA、B、Eがユーザ指定されてその撮影記録の切り換え順序としてA〜Eの順番が指定され、かつ、各カメラA、B、Eに対応して各々の切り換えタイミングが任意に指定された場合を示している。この場合、画像処理装置1は、最初のユーザ指定のカメラAの撮影動画像を記録する動作を行った後、そのカメラAに対応して指定された切り換えタイミング(例えば、5秒)の経過後に次のカメラBの撮影動画像を記録する動作に切り換える。
【0075】
画像処理装置1は、例えば、第3実施形態で示したように撮影記録する動作を順次切り換えながら一連の結合動画像を生成するものとすると、ユーザ指定のカメラB、Eの間には、他のカメラC、Dが存在しているので、カメラBに対応して指定されている切り換えタイミング(例えば、30秒)を各カメラB、C、Dの撮影位置の距離間隔に相当する割合で分配することにより各カメラB、C、Dの切り換えタイミング(切り換え間隔:切り換え時間)を決定し、その切り換えタイミング(例えば、8秒、14秒、8秒)に応じてカメラB、C、Dの撮影動画像を順次記録する動作に切り換える。
【0076】
その後、ユーザ指定のカメラEの撮影動画像をその切り換えタイミングに応じて記録する動作に切り換える。このように、例えば、ユーザ指定のカメラB、Eの間に他のカメラC、Dが存在している場合に、このカメラBに対応して指定されている切り換えタイミングを各カメラB、C、Dの撮影位置の距離間隔の割合で分配することにより各カメラB、C、Dの切り換えタイミングを決定するようにすれば、距離間隔に応じて切り換えタイミングを決定することができる。
【0077】
図12は、更に他の変形例の動作概念を説明するための図である。
上記第1実施形態では、全てのカメラが同時に同期撮影(動画撮影)を開始及び終了するようにしたが、
図12の例では、同期撮影に参加する各々のカメラが動画撮影を開始又は終了するタイミングは異なっており、それらの位置も固定されていない場合の例である。この場合の切り換えタイミングも、最初に指定されたカメラが動画撮影を開始してからの撮影経過時間により示すものとする。ただし、この場合、上記第1実施形態と異なり、指定される切り換えタイミングを、各撮影動画像内の対応するフレームの記録位置に変換する際に、最初に指定されたカメラが動画撮影を開始してから他の動画像の撮影が開始されるまでの時間を差し引いてから、他の動画像内の対応するフレームの記録位置に変換する必要がある。
【0078】
図示の例は、6台のカメラA〜Fが同期撮影中に移動し、カメラ2の配置状態がカメラ移動によって変化する場合を示すと共に、各カメラA〜Fの撮影期間が異なる場合を示している。なお、図中、カメラA〜Fに対応する曲線は、そのカメラ移動に応じて変化したカメラ位置(現在の位置)を示している。また、カメラA、Fがその順番でユーザ指定されると共にその各カメラA、Fに対応して各々の切り換えタイミングが任意に指定された場合を示している。画像処理装置1は、例えば、第3実施形態で示したように撮影記録する動作を順次切り換えながら一連の結合動画像を生成するものとすると、最初にユーザ指定されたカメラAの撮影動画像をその切り換えタイミングに応じて記録する動作を行う。
【0079】
その後、次のユーザ指定のカメラFに着目するが、このユーザ指定のカメラA、Fの間には、他のカメラB、C、Dが存在し、カメラB、C、Dに対応して指定されている切り換えタイミングではその撮影期間が重なるため、カメラA、F間の距離の中心に近いカメラCを切り換え対象として選択する(その他のカメラB、Dは非選択)。そして、この選択したカメラCの撮影動画像をその切り換えタイミングに応じて記録する動作を行った後、ユーザ指定のカメラFの撮影動画像をその切り換えタイミングに応じて記録する動作に切り換える。このようにユーザ指定のカメラ2の間に存在する他のカメラ2が多くとも適切な位置のカメラ2を選択することができる。
【0080】
なお、
図12の例において、選択/非選択の基準は、カメラA、F間の距離の中心に限らず、カメラA、Fの間に存在しているカメラ数が多い場合には、カメラA、F間の距離を4等分してその2つの中間点に近いカメラをそれぞれ切り換え対象として選択するようにしてもよい。
【0081】
また、上述した各実施形態においては、画像処理装置1としてPCを例示したが、タブレット端末、携帯電話機などの携帯端末装置であってもよく、更に複数台のカメラ2のいずれか1台のカメラ2でであってもよい。また、カメラ2は、カメラに限らず、カメラ機能付きパーソナルコンピュータ・PDA(個人向け携帯型情報通信機器)・音楽プレイヤーなどであってもよい。
【0082】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0083】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
複数の撮影画像を結合して一連の結合画像を生成するための処理を行う画像処理装置であって、
被写体に対して視点が異なる複数の撮像手段のうち、予めユーザ指定された一部の撮像手段の配置状態を基準として前記被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるように、1又は2以上の他の撮像手段を前記ユーザ指定の撮像手段と共にグループ指定するグループ指定手段と、
前記グループ指定手段によって指定されたグループ内の各撮像手段の撮影画像を所定の切り換えタイミングで切り換え結合して前記一連の結合画像を生成するためにその結合する順番を決定する決定手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、
前記複数の撮像手段によって撮影された各撮影画像とその各撮像手段の撮影位置又は撮影方向を取得する取得手段を更に備え、
前記グループ指定手段は、前記取得手段によって取得された複数の撮像手段の撮影位置又は撮影方向を参照し、前記ユーザ指定された撮像手段の撮影位置又は撮影方向に対して所定の位置関係又は撮影方向の関係にある1又は2以上の他の撮像手段を前記ユーザ指定の撮像手段と共にグループ指定する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、
前記グループ指定手段は、少なくとも2台の撮像手段がユーザ指定された場合に、そのユーザ指定の撮像手段の撮影位置に基づいて、その間又は近くに配置されている1又は2以上の撮像手段を前記他の撮像手段として、前記ユーザ指定の撮像手段と共にグループ指定する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記グループ指定手段は、予めユーザ指定された一部の撮像手段の配置状態を基準として1又は2以上の他の撮像手段を前記ユーザ指定の撮像手段と共にグループ指定する場合に、グループ候補が複数存在しているときには、このグループ候補毎にその各撮像手段の配列状態を比較し、その比較結果に基づいて前記被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるグループを指定する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像処理装置において、
前記グループ指定手段は、前記グループ候補毎にその各撮像手段の配列状態を比較する場合は、少なくとも各撮像手段の配置間隔、その数のいずれかを比較する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、
前記グループ指定手段は、前記複数の撮像手段の撮影画像内の被写体が所定の状態であり、かつ、前記複数の撮像手段のうち、予めユーザ指定された一部の撮像手段の配置状態を基準として前記被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるように、1又は2以上の他の撮像手段を前記ユーザ指定の撮像手段と共にグループ指定する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、
前記被写体の所定の状態は、被写体のサイズであり、
前記グループ指定手段は、前記被写体のサイズがより大きく、かつ、その被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるようにグループ指定する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、
前記被写体の所定の状態は、人物の顔であり、
前記グループ指定手段は、前記被写体である人物の顔がより大きく、かつ、その被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるようにグループ指定する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、
前記被写体の所定の状態は、人物の人数であり、
前記グループ指定手段は、前記被写体である人数がより多く、かつ、その被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるようにグループ指定する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記複数の撮像手段のうち、その一部の撮像手段をユーザ操作により任意に指定する撮像指定手段を更に備える、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項11)
請求項11に記載の発明は、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記決定手段は、前記各撮影画像を切り換え結合する順番を決定する場合に、該各撮像手段の撮影位置又は撮影方向の並び順にしたがってその順番を決定する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項12)
請求項12に記載の発明は、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記ユーザ指定の撮像手段に対応して前記切り換えタイミングを任意にユーザ指定するタイミング指定手段を更に備える、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項13)
請求項13に記載の発明は、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記グループ指定手段によって指定されたグループ内の各撮像手段の撮影画像を前記決定手段によって決定された順番にしたがって順次結合することにより前記一連の結合画像を生成する生成手段を更に備える、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項14)
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の画像処理装置において、
前記生成手段は、前記グループ指定手段によってグループ指定された1又は2以上の他の撮像手段の数に基づいて、前記タイミング指定手段によって指定された切り換えタイミングの中間値を求め、この中間値の切り換えタイミング毎にグループ内の各撮像手段の撮影画像を順次結合する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項15)
請求項15に記載の発明は、請求項13に記載の画像処理装置において、
前記生成手段は、前記グループ指定手段によってグループ指定された各撮像手段の撮影動画像を受信取得してその記録又は配信する動作を順次切り換えながら順次結合して一連の結合動画像を生成する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項16)
請求項16に記載の発明は、請求項13に記載の画像処理装置において、
前記複数の撮像手段によって撮影された各撮影画像は、それぞれ静止画像であり、
前記生成手段は、前記静止画像の中から所定の切り換えタイミングで切り換え取得した静止画像を順次結合すると共にその中間フレームを補間することによって動画像を生成する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(請求項17)
請求項17に記載の発明は、
被写体に対して視点が異なる複数の撮像手段のうち、予めユーザ指定された一部の撮像手段の配置状態を基準として前記被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるように、1又は2以上の他の撮像手段を前記ユーザ指定の撮像手段と共にグループ指定するステップと、
前記指定されたグループ内の各撮像手段の撮影画像を所定の切り換えタイミングで切り換え結合して前記一連の結合画像を生成するためにその結合する順番を決定するステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
(請求項18)
請求項18に記載の発明は、
コンピュータに対して、
被写体に対して視点が異なる複数の撮像手段のうち、予めユーザ指定された一部の撮像手段の配置状態を基準として前記被写体に対する視点がより滑らかに切り換わるように、1又は2以上の他の撮像手段を前記ユーザ指定の撮像手段と共にグループ指定する機能と、
前記指定されたグループ内の各撮像手段の撮影画像を所定の切り換えタイミングで切り換え結合して前記一連の結合画像を生成するためにその結合する順番を決定する機能と、
を実現させるためのプログラム。