(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、電波を利用した人体検知センサを備えた衛生洗浄装置において、使用者に関する情報をより確実に取得することができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、本体部と、トイレルーム内への使用者の入室を電波により検知する人体検知センサと、前記本体部に対して開閉自在に軸支され金属部材を含む暖房機能部を有する便座と、を備え、前記人体検知センサは、閉じた状態の前記便座の上面よりも下方の領域であって前記本体部の前面に面した領域に設けられ、前記人体検知センサから放射された前記電波の最大指向方向は、前記便座の中央部に形成された開口部を通過することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0008】
この衛生洗浄装置によれば、便座の開閉状態にかかわらず、人体検知センサから放射された電波の最大指向方向が便座に設けられた金属部材と干渉することを抑制することができる。したがって、人体検知センサの検知領域のうちで電波の強度が最大となる部分が便座の金属部材において反射されることを抑制することができる。そのため、人体検知センサは、最大の強度を有する部分の電波を衛生洗浄装置の外側に放射し、使用者の入室をより確実に検知することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記人体検知センサは、前記本体部が載置される便器のボウルに溜められた溜水の水面よりも上方に設けられたことを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0010】
この衛生洗浄装置によれば、人体検知センサが便器の溜水の揺らぎを検知することを抑制することができる。そのため、人体検知センサは、使用者の入室をより確実に検知することができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、前記人体検知センサは、前記便器の洗浄中において前記溜水の水面が最も上昇する溜水上昇位置よりも上方に設けられたことを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0012】
この衛生洗浄装置によれば、人体検知センサが便器の洗浄中の洗浄水の動きを検知することを抑制することができる。そのため、人体検知センサは、使用者の入室をより確実に検知することができる。
【0013】
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明において、前記本体部の内部から前記本体部の外部へ進出可能な洗浄ノズルをさらに備え、前記本体部は、前記洗浄ノズルが前記進出するときに通過する進出開口を有し、前記前面は、第1の前面部と、前記第1の前面部から下方に延在し前記進出開口が形成された第2の前面部と、を有し、前記人体検知センサは、前記第2の前面部に面した領域に設けられたことを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0014】
この衛生洗浄装置によれば、人体検知センサは、使用者の入室をより確実に検知することができる。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、前記第2の前面部の内面に付設された本体部ケースカバーをさらに備え、前記人体検知センサは、前記本体部ケースカバーで区画された領域に配置されたことを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0016】
この衛生洗浄装置によれば、洗浄ノズルから飛散した洗浄水が人体検知センサに接触することを抑制することができる。また、本体部の内部において、洗浄水が人体検知センサの前面に付着することを抑制することができる。これにより、人体検知センサが洗浄水により故障したり、人体検知センサが洗浄水を検知し使用者の入室を誤検知することを抑制することができる。
【0017】
第6の発明は、第4または5の発明において、前記第2の前面部は、鉛直方向に延在または下方に向かうと前記本体部の後方へ向かう方向に延在することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0018】
この衛生洗浄装置によれば、洗浄ノズルから飛散し第2の前面部に付着した洗浄水は、比較的早く垂下する。そのため、使用者がトイレルームに存在しているときに、洗浄水は、第2の前面部から比較的早く存在しなくなる。そのため、人体検知センサが使用者の入室を誤検知することを抑制することができる。
【0019】
第7の発明は、第6の発明において、前記第2の
前面部の表面の材料は、樹脂であることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0020】
この衛生洗浄装置によれば、洗浄ノズルから飛散し第2の前面部に付着した洗浄水は、比較的早く垂下する。そのため、使用者がトイレルームに存在しているときに、洗浄水は、第2の前面部から比較的早く存在しなくなる。そのため、人体検知センサが使用者の入室を誤検知することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の態様によれば、電波を利用した人体検知センサを備えた衛生洗浄装置において、使用者に関する情報をより確実に取得することができる衛生洗浄装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す模式的斜視図である。
図2は、本実施形態にかかる衛生洗浄装置の要部構成を表すブロック図である。
図1(a)は、便蓋が開いた状態および便座が閉じた状態を表す模式的斜視図である。
図1(b)は、便蓋および便座が開いた状態を表す模式的斜視図である。
図2(a)は、本実施形態にかかる衛生洗浄装置の要部構成を表すブロック図である。
図2(b)は、人体検知センサの変形例を表すブロック図である。
【0024】
図1に表したトイレ装置10は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800と、便器800の上に設けられた衛生洗浄装置100と、を備える。衛生洗浄装置100は、本体部110と、便座120と、便蓋130と、人体検知センサ140と、を有する。本体部110は、便器800の上に載置される。便座120および便蓋130のそれぞれは、本体部110に対して開閉自在に軸支されている。
【0025】
人体検知センサ140は、本体部110の内部に設けられ、トイレルーム内への使用者の入室およびトイレルーム内からの使用者の退室を検知する。人体検知センサ140の配置の詳細については、後述する。人体検知センサ140は、マイクロ波あるいはミリ波などの高周波の電波を放射(送信)し、放射した電波の被検知体からの反射波を受信する。人体検知センサ140は、被検知体の有無や状態を検知し、その検知信号を出力する。
【0026】
図2(a)に表したように、本体部110の内部には、制御部151と、ノズルモータ153と、洗浄ノズル155と、便蓋開閉ユニット157と、便座開閉ユニット159と、が設けられている。制御部151は、人体検知センサ140から出力された検知信号に基づいて制御信号を出力する。
【0027】
図2(a)に表したように、人体検知センサ140は、アンテナ141と、送信部143と、受信部145と、ミキサ部147と、を有する。高周波、マイクロ波あるいはミリ波などの10kHz〜100GHzの周波数帯の電波が、送信部143に接続されたアンテナ141から放射される。具体的には、例えば24.15GHzの周波数を有する送信波T1が、アンテナ141から放射される。人体などの被検知体からの反射波または透過波T2は、アンテナ141を経由して受信部145に入力される。
【0028】
図2(a)に表した人体検知センサ140のように、送信側のアンテナおよび受信側のアンテナは、互いに共通のアンテナ(アンテナ141)であってもよい。または、
図2(b)に表した人体検知センサ140aのように、送信側のアンテナ141aが送信部143に接続され、受信側のアンテナ141bが受信部145に接続されていてもよい。つまり、
図2(a)に表した人体検知センサ140は、
図2(b)に表した人体検知センサ140aに置き換えられてもよい。
【0029】
本実施形態では、人体検知センサ140がドップラー効果を利用したドップラーセンサである場合を例に挙げ説明する。
送信波の一部と受信波とは、ミキサ部147にそれぞれ入力されて合成され、例えばドップラー効果が反映された出力信号が出力される。ミキサ部147から出力された検知信号は、制御部151に出力される。
【0030】
ミキサ部147から出力された検知信号は、周波数の低いベースラインに周波数の高い信号が重畳した波形を有する。高周波数成分には、ドップラー効果に関する情報が含まれる。すなわち、人体などの被検知体が移動すると、ドップラー効果によって反射波の波長がシフトする。ドップラー周波数ΔF(Hz)は、下記の式(1)により表すことができる。
ΔF=Fs−Fb=2×Fs×v/c 式(1)
但し、Fs:送信周波数(Hz)
Fb:反射周波数(Hz)
v:物体の移動速度(m/s)
c:光速(=300×10
6m/s)
人体検知センサ140に対して被検知体が相対的に移動すると、式(1)で表されるように、その速度vに比例した周波数ΔFを含む出力信号が得られる。出力信号は周波数スペクトラムを有し、スペクトラムのピークに対応するピーク周波数と移動体の速度vとの間には相関関係がある。従って、ドップラー周波数ΔFを測定することにより速度vを求めることができる。なお、日本においては、人体を検知する目的として、10.50〜10.55GHzまたは24.05〜24.25GHzの周波数を使用することができる。
【0031】
なお、本実施形態の人体検知センサ140は、ドップラー効果を利用したドップラーセンサには限定されない。人体検知センサ140は、周波数変調やパルス出力を利用した測距センサであってもよい。
【0032】
洗浄ノズル155は、ノズルモータ153から伝達された駆動力を受け、本体部110の内部から本体部110の外部へ進出したり、本体部110の外部から本体部110の内部へ後退することができる。つまり、ノズルモータ153は、制御部151から送信された信号に基づいて洗浄ノズル155を進退させることができる。
図2(a)に表したように、本体部110の内部に収納された状態の洗浄ノズル155の前方には、進出開口113が設けられている。進出開口113は、本体部110の外形を形成するケーシング111に設けられている。
【0033】
なお、本願明細書においては、通常使用状態において便座120に座った使用者からみて前方を「前方」とし、通常使用状態において便座120に座った使用者からみて後方を「後方」とする。また、後方を向いて便器800の前に立った使用者からみて右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
【0034】
進出開口113の前方には、ノズルシャッタ115が設けられている。ノズルシャッタ115は、進出開口113を塞ぐように設けられている。例えば、使用者が便座120に座った状態において操作部200を操作すると、洗浄ノズル155は、ボウル801内に進出する。このとき、洗浄ノズル155は、例えばノズルシャッタ115の内面(本体部110の内部側の面)を押しノズルシャッタ115を開くことで、ボウル801内に進出する。
【0035】
洗浄ノズル155の先端部には、ひとつあるいは複数の吐水口155aが設けられている。洗浄ノズル155は、その先端部に設けられた吐水口155aから水を噴射して、便座120に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加温されたお湯も含むものとする。
【0036】
便蓋開閉ユニット157は、制御部151から送信された信号に基づいて便蓋130を開閉する。便座開閉ユニット159は、制御部151から送信された信号に基づいて便座120を開閉する。
【0037】
便座120の内部には、便座120の着座面を暖める暖房機能部121が設けられている。暖房機能部121は、加熱手段123と、金属部材125と、を有する。加熱手段123は、通電されて発熱することにより、便座120の着座面を加熱し暖めることができる。加熱手段123としては、いわゆる「チュービングヒータ」や、「シーズヒータ」、「ハロゲンヒータ」、「カーボンヒータ」などが用いられる。また、加熱手段123の形状は、ワイヤ状やシート状やメッシュ状などのいずれであってもよい。金属部材125の材料としては、例えばアルミニウムや銅などが挙げられる。便座120の中央部には、開口部127が形成されている。
【0038】
ここで、本体部110の内部における人体検知センサ140の配置によっては、人体検知センサ140から放射された電波が、例えば開いた状態の便座120の内部の金属部材125に遮断されることがある。言い換えれば、人体検知センサ140から放射された電波のほとんどが、例えば開いた状態の便座120の内部の金属部材125において反射されることがある。人体検知センサ140から放射された電波が遮断されると、人体検知センサ140は、使用者に関する情報(使用者の検知信号)を取得できない。
【0039】
これに対して、
図1(a)および
図1(b)に表したように、本実施形態の人体検知センサ140は、閉じた状態の便座120の上面よりも下方の領域であって本体部110の前面117に面した領域に設けられている。人体検知センサ140から放射された電波の最大指向方向149は、便座120の開口部127を通過する。
本願明細書において「最大指向方向」とは、人体検知センサ140の検知領域のうちで電波の強度が最大となる方向をいうものとする。
人体検知センサ140の配置および電波の最大指向方向149について、図面を参照しつつさらに説明する。
【0040】
図3は、溜水位置が通常位置にあるときのトイレ装置を表す模式的断面図である。
図4は、溜水位置が便器洗浄時の上昇位置にあるときのトイレ装置を表す模式的断面図である。
図3(a)および
図4(a)は、便蓋130および便座120が閉じた状態を表す模式的断面図であって、
図1(a)に表した切断面A−Aにおける模式的斜視図に相当する。
図3(b)および
図4(b)は、便蓋130が開いた状態および便座120が閉じた状態を表す模式的断面図であって、
図1(a)に表した切断面A−Aにおける模式的斜視図である。
【0041】
図3(a)〜
図4(b)に表したように、本実施形態の人体検知センサ140は、閉じた状態の便座120の上面126よりも下方の領域に設けられている。また、人体検知センサ140は、本体部110の内部において、前面117に面した領域に設けられている。人体検知センサ140から放射された電波の最大指向方向149は、便座120の開口部127を通過する。
【0042】
これにより、便座120の開閉状態にかかわらず、人体検知センサ140から放射された電波の最大指向方向149が便座120の内部に設けられた金属部材125と干渉することを抑制することができる。したがって、人体検知センサ140の検知領域148のうちで電波の強度が最大となる部分が便座120の金属部材125において反射されることを抑制することができる。そのため、人体検知センサ140は、最大の強度を有する部分の電波を衛生洗浄装置100の外側に放射し、使用者の入室および使用者の退室をより確実に検知することができる。
【0043】
人体検知センサ140は、便器800のボウル801に溜められた水(溜水)803の水面よりも上方に設けられている。より具体的には、
図3(a)および
図3(b)に表したように、人体検知センサ140は、溜水803の通常位置803aよりも上方に設けられている。
本願明細書において「溜水の通常位置」とは、便器800の洗浄を行っていない状態(待機状態)における溜水803の水面の位置をいうものとする。
【0044】
ここで、待機状態における溜水803の水面は、図示しない排水管の内部の圧力などに応じて上下に変位することがある。言い換えれば、待機状態における溜水803の水面の揺らぎが、図示しない排水管の内部の圧力などに応じて生ずることがある。
【0045】
これに対して、本実施形態によれば、人体検知センサ140は、溜水803の通常位置803aよりも上方に設けられている。
これにより、人体検知センサ140が便器800の溜水803の揺らぎを検知することを抑制することができる。そのため、人体検知センサ140は、使用者の入室および使用者の退室をより確実に検知することができる。
【0046】
人体検知センサ140は、便器800の洗浄中の溜水803の水面よりも上方に設けられている。例えば、
図4(a)および
図4(b)に表したように、人体検知センサ140は、便器800の洗浄中において溜水803の水面が最も上昇する位置(溜水上昇位置)803bよりも上方に設けられている。
【0047】
ここで、便器800の洗浄中における溜水803の水面は、便器800の洗浄中の洗浄水の流れに応じて上下に変位する。
これに対して、人体検知センサ140は、便器800の洗浄中の溜水803の水面よりも上方に設けられている。例えば、人体検知センサ140は、溜水上昇位置803bよりも上方に設けられている。
【0048】
これにより、人体検知センサ140が便器800の洗浄中の洗浄水の動きを検知することを抑制することができる。そのため、人体検知センサ140は、使用者の入室および使用者の退室をより確実に検知することができる。
【0049】
図5は、本実施形態の人体検知センサの設置構造を表す模式的拡大図である。
図6は、本実施形態の人体検知センサの他の設置構造を表す模式的拡大図である。
図7は、本実施形態の本体部の前面の変形例を表す模式的断面図である。
図5(a)は、本実施形態の人体検知センサの設置構造を表す模式的斜視図である。
図5(b)は、
図5(a)に表した切断面B−Bにおける模式的断面図である。
図6(a)は、本実施形態の人体検知センサの他の設置構造を表す模式的斜視図である。
図6(b)は、
図6(a)に表した切断面C−Cにおける模式的断面図である。
図7は、
図5(a)に表した切断面B−Bにおける模式的断面図に相当する。
【0050】
図5(a)および
図5(b)に表したように、本体部110のケーシング111の前面117は、第1の前面部117aと、第2の前面部117bと、を有する。第1の前面部117aは、第2の前面部117aに接続され、第2の前面部117bよりも上方に設けられている。第1の前面部117aは、洗浄ノズル155および人体検知センサ140の上方を覆う。第2の前面部117bは、第1の前面部117aに接続され、第1の前面部117bから下方に延在する。進出開口113は、第2の前面部117bに設けられている。
【0051】
図5(b)に表したように、人体検知センサ140は、第2の前面部117bに面した領域に設けられている。より具体的には、本体部110の内部の前方部には、本体部ケースカバー118が設けられている。本体部ケースカバー118は、第1の前面部117aの内面(本体部110の内部側の面)および第2の前面部117bの内面(本体部110の内部側の面)に付設されている。例えば、本体部ケースカバー118は、第1の前面部117aの内面および第2の前面部117bの内面に接着剤により固定されている。人体検知センサ140は、本体部ケースカバー118で区画された領域に配置されている。
【0052】
図6(b)に表したように、本体部ケースカバー118aは、第1の前面部117aの内面および第2の前面部117bの内面にねじなどの締結部材119により固定されていてもよい。この場合であっても、人体検知センサ140は、本体部ケースカバー118aで区画された領域に配置されている。
図6(a)および
図6(b)に表した設置構造の他の構造は、
図5(a)および
図5(b)に表した設置構造と同様である。
【0053】
これによれば、人体検知センサ140は、第2の前面部117bに面した領域に設けられているため、使用者の入室および使用者の退室をより確実に検知することができる。また、本体部ケースカバー118、118aが第2の前面部117bの内面に付設され、人体検知センサ140が本体部ケースカバー118、118aにより区画された領域に設けられているため、洗浄ノズル155から飛散した洗浄水が人体検知センサ140に接触することを抑制することができる。また、本体部110の内部において、洗浄水が人体検知センサ140の前面に付着することを抑制することができる。これにより、人体検知センサ140が洗浄水により故障したり、人体検知センサ140が洗浄水を検知し使用者の入室および使用者の退室を誤検知することを抑制することができる。
【0054】
図5(b)および
図6(b)に表したように、第2の前面部117bは、鉛直方向に向かって延在する。
これにより、洗浄ノズル155から飛散し第2の前面部117bに付着した洗浄水は、比較的早く垂下する。そのため、使用者がトイレルームに存在しているときに、洗浄水は、第2の前面部117bから比較的早く存在しなくなる。そのため、人体検知センサ140が使用者の入室および使用者の退室を誤検知することを抑制することができる。
【0055】
図7に表したように、第2の前面部117bは、鉛直方向ではなく、下方に向かうと本体部110の後方へ向かう方向に延在していてもよい。本体部ケースカバー118bは、第1の前面部117aの内面および第2の前面部117bの内面に付設されている。人体検知センサ140は、本体部ケースカバー118bで区画された領域に配置されている。この場合であっても、第2の前面部117bが鉛直方向に向かって延在する場合と同様の効果が得られる。
【0056】
本体部110のケーシング111の表面の材料として、例えば樹脂が挙げられる。第1の前面部117aおよび第2の前面部117bのそれぞれの表面の材料として、例えば樹脂が挙げられる。ケーシング111の表面だけではなく、ケーシング111の全体の材料が樹脂であってもよい。第2の前面部117bの表面の材料が樹脂である場合には、洗浄ノズル155から飛散し第2の前面部117bに付着した洗浄水は、比較的早く垂下する。そのため、使用者がトイレルームに存在しているときに、洗浄水は、第2の前面部117bから比較的早く存在しなくなる。そのため、人体検知センサ140が使用者の入室および使用者の退室を誤検知することを抑制することができる。
【0057】
図8は、本実施形態の変形例にかかる衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す模式的斜視図である。
図8(a)は、便蓋が開いた状態および便座が閉じた状態を表す模式的斜視図である。
図8(b)は、便蓋および便座が開いた状態を表す模式的斜視図である。
【0058】
図8(a)および
図8(b)に表したトイレ装置10aは、便器800aと、衛生洗浄装置100aと、を備える。衛生洗浄装置100aの本体部110は、便器800aと一体化されている。便器800aの材料は、例えば樹脂である。便座120および便蓋130のそれぞれは、便器800aに対して開閉自在に軸支されている。
【0059】
人体検知センサ140は、便器800aの内部に設けられている。便器800aの内部に収納された状態の洗浄ノズル155(
図2(a)参照)の前方には、進出開口113が設けられている。進出開口113は、便器800aに設けられている。便器800aに設けられた進出開口113の前方には、ノズルシャッタ115が設けられている。他の構造は、
図1(a)〜
図7に関して前述したトイレ装置10および衛生洗浄装置100の構造と同様である。
【0060】
このように衛生洗浄装置100aの本体部110が便器800aと一体化されている実施形態であっても、
図1(a)〜
図7に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
【0061】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、衛生洗浄装置100、100aなどが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや人体検知センサ140および本体部ケースカバー118、118aの設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。