特許第6402941号(P6402941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402941
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】面状光源装置及び液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20181001BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20181001BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20181001BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20181001BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20181001BHJP
【FI】
   F21S2/00 439
   F21S2/00 441
   F21S2/00 443
   F21V19/00 510
   G02F1/13357
   G02F1/1333
   F21Y115:10
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-537490(P2015-537490)
(86)(22)【出願日】2013年9月18日
(86)【国際出願番号】JP2013075172
(87)【国際公開番号】WO2015040699
(87)【国際公開日】20150326
【審査請求日】2016年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】303018827
【氏名又は名称】Tianma Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(72)【発明者】
【氏名】板谷 秀樹
【審査官】 野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−052520(JP,A)
【文献】 特開2008−186780(JP,A)
【文献】 特開2007−149501(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/102193(WO,A1)
【文献】 特開2007−080802(JP,A)
【文献】 特開2009−080947(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/128063(WO,A1)
【文献】 特開2003−346535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板と、前記導光板の側面に交換可能に配置されたランプユニットと、を少なくとも有する面状光源装置において、
前記導光板の出射面側から、前記導光板の端部及び前記ランプユニットを覆うフレームを有し、
前記フレームは、前記ランプユニットを前記導光板の側面に沿ってスライド可能にするガイド機構を備え、前記出射面の法線方向から見て、前記導光板の端部で出射面と重なるように形成され、前記出射面と重なる部分に、前記出射面側に突出し、前記導光板の端部に沿って延びる凸部が形成され、
前記ランプユニットは、前記導光板の側面に対向する面が開口となる形状のランプホルダーと、光源と、前記光源を実装し前記ランプホルダーの内面に貼り付け固定されるフレキシブルケーブルと、前記ランプホルダーの外面に貼り付け固定される遮蔽シートと、を備え、
前記ランプホルダーは、前記導光板の出射面側に位置する上部が、前記出射面の法線方向から見て、前記導光板の出射面と重ならないように形成され、
前記遮蔽シートは、一端が、前記ランプホルダーの前記上部に固定され、他端が、前記凸部に押圧されることにより、前記導光板の出射面に密着しており、
前記フレームのうち、前記ランプホルダーの前記上部に対向する部位と、前記遮蔽シートとの間に隙間を有することを特徴とする面状光源装置。
【請求項2】
前記凸部は、当該凸部の頂部と前記導光板の前記出射面との間隔が、前記遮蔽シートの厚みよりも大きくなるように形成されることを特徴とする請求項に記載の面状光源装置。
【請求項3】
前記遮蔽シートは、前記導光板よりも柔らかい材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の面状光源装置。
【請求項4】
前記導光板の出射面上に、1又は複数枚の光学シートが配置され、
前記光学シートは、前記導光板の端部を除く領域に配置され、
前記遮蔽シートは、前記出射面の法線方向から見て、前記他端が、前記光学シートと重ならないように配置されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一に記載の面状光源装置。
【請求項5】
前記導光板の出射面上に、1又は複数枚の光学シートが配置され、
前記1又は複数枚の光学シートの内の特定の光学シートは、前記導光板の端部にも配置され、
前記遮蔽シートは、前記出射面の法線方向から見て、前記他端が、前記特定の光学シートに重なるように配置されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一に記載の面状光源装置。
【請求項6】
前記遮蔽シートは、前記光源の光を遮光若しくは反射可能な材料で形成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一に記載の面状光源装置。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか一に記載の面状光源装置の前記導光板の出射面側に、液晶表示パネルが配置された液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状光源装置及び液晶表示装置に関し、特に、LED(Light Emitting Diode)を光源とするエッジライト方式の面状光源装置及び当該面状光源装置を搭載した液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置の光源としてLEDが使用されるようになってきており、液晶表示装置の薄型化に対応するため、光源として使用されるLEDは、その厚みが0.6mmあるいは0.8mmといった寸法のものが多く採用されている。LEDは点光源であり、液晶表示装置ではこの点光源を平面状の光に変換する必要があるために、アクリルやポリカーボネイトを材料とした平面もしくは楔状の形状で形成される導光板が用いられる。
【0003】
また、表示装置は、その用途によっては、長い期間にわたって継続的に使用できる仕様が求められる。一方で、液晶表示装置に使用される光源は、長時間の点灯、あるいは、その使用環境によって、光源の強さ、すなわち、表示装置としての明るさが低下する特徴がある。この課題を解決する方法として、表示装置から光源部を分離可能な構造とし、表示装置としての明るさが低下した際に、この光源部のみを交換する製品仕様とすることがある。
【0004】
LEDを光源とする液晶表示装置に関する技術ではないが、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を光源とする液晶表示装置に関する従来技術について、図面を参照して説明する。図6は、従来技術1に係るライトユニットの断面図である。図7は、従来技術2に係るライトユニットの反射体を示す平面図であり、図8は、従来技術2に係るライトユニットの断面図である。
【0005】
光源部が交換可能な構造を有するライトユニットに関する従来技術(特許文献1)として、図6のようなライトユニット101がある。このライトユニット101は導光板102を有し、その側面にCCFL103が設けられている。また、ライトユニット101は、照射光を効率的に導光板102に入射させるため、PET(polyethylene terephthalate)樹脂板またはステンレス板等からなる反射体105を有している。
【0006】
反射体105は、反射壁107、109によって導光板102を挟み込むように形成されている。反射壁109によって導光板102の出射面106側を被覆することにより、CCFL103からの照射光が導光板102を介さず直接、液晶表示パネル104側に出射する光漏れを防止している。また、このようなライトユニット101は、反射壁107、108、109を導光板102に対してスライドさせることによって古くなったCCFL103及び反射体105を取り外すことができる。
【0007】
また、光漏れを防止する構造を有するライトユニットに関する従来技術(特許文献2)として、図7及び図8のようなライトユニット201がある。このライトユニット201は導光板202を有し、その側面にCCFL203が設けられている。また、ライトユニット201は、照射光を効率的に導光板202に入射させるため、PET樹脂板またはステンレス板等からなる反射体205を有している。
【0008】
反射体205は、反射壁207、208、209、210によって導光板202の光源側端縁部分を覆うように形成されている。反射壁208は、境界線212で反射壁207、209より折り曲げられ、さらに折り曲げ溝213によってCCFL203の円周面に沿う形状で構成される。特に反射壁209によって、導光板202の出射面206側の端縁を被覆することにより、CCFL203からの照射光が導光板202を介さず直接、液晶表示パネル204側に出射する光漏れを防止している。また、反射壁209には、遮光シート211が設けられている。この遮光シート211によって、導光板202のCCFL203側端縁に対抗する部分が集中的に照射された場合に、その部分から放射される光を減らして、明るさの均一性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−034287号公報
【特許文献2】特開2005−158669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
導光板は、その材料の特徴から、熱や水分等の環境条件、あるいは導光板を成型する際の条件によって、反りなどの変形を伴うことがある。特に、LEDを採用する液晶表示装置では、この導光板の厚みをLEDの厚みと同等もしくはそれ以下とするのが一般的であるため、LEDの薄型化に伴って導光板も薄くなった場合には、導光板の反りが大きくなる。
【0011】
ここで、LEDは電流を供給することによって点灯する半導体であり、電流の供給量が増加すると、半導体としての消費電力量も増加して、自己発熱量も増加する。この自己発熱は、LEDの性能の劣化、すなわち、発することができる光の量の低下、明るさの低下の要因となることから、自己発熱による性能への影響を低減するために、LEDはアルミニウムなどの金属製の材料で形成される部品に固定して使用されることがある。また、交換構造を有した光源部を実現する場合、LEDはフレキシブルケーブルに実装され、このフレキシブルケーブルが両面テープなどで金属製の部品に固定される構造が一般的である。この金属製の部品は、LEDから発する光を効率的に導光板に供給するために、反射効率の良い材料で表面を覆うと共に、その形状は導光板を挟み込むようなコの字型になる。そして、この金属製の部品を装置内でスライドさせることによって光源部の交換が行われる。
【0012】
このように、コの字型の金属製の部品をスライドさせることで光源部を交換する構造では、導光板の反射面もしくは出射面、あるいはその両方が光源部をスライドさせるためのガイドの役割を担うこととなる。そのため、従来技術のように、金属製の部材の端部と導光板とが直に接触する構成では、金属製の部材が導光板の出射面を削り、その削り屑が表示装置の表示エリア内に入り込み、表示異物となって表示品位を低下させることとなる。また、導光板の反射面と出射面の両方をガイドとする、すなわち、コの字型が導光板を挟み込む構造の場合、導光板に反りなどの変形が生じると、光源部をスライドさせること自体が困難になる。
【0013】
また、これらの問題を改善するためにコの字型の開口部を広くする、あるいは、コの字型の端部の一方を導光板にオーバーラップしない構造にすると、LEDの発光面とLEDの発光面に対向する導光板の側面との間に生じる隙間から、導光板に入射せずに外部へ漏れる光が生じ、この光漏れによって、光源部付近が明るく見える表示ムラが生じることになる。
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、LEDを光源とするエッジライトが交換可能な構造において、導光板の反りに起因する表示品位の低下を抑制し、交換作業を容易にすることができる面状光源装置及び当該面状光源装置を搭載した液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一側面は、導光板と、前記導光板の側面に交換可能に配置されたランプユニットと、を少なくとも有する面状光源装置において、前記導光板の出射面側から、前記導光板の端部及び前記ランプユニットを覆うフレームを有し、前記フレームは、前記ランプユニットを前記導光板の側面に沿ってスライド可能にするガイド機構を備え、前記出射面の法線方向から見て、前記導光板の端部で出射面と重なるように形成され、前記出射面と重なる部分に、前記出射面側に突出し、前記導光板の端部に沿って延びる凸部が形成され、前記ランプユニットは、前記導光板の側面に対向する面が開口となる形状のランプホルダーと、光源と、前記光源を実装し前記ランプホルダーの内面に貼り付け固定されるフレキシブルケーブルと、前記ランプホルダーの外面に貼り付け固定される遮蔽シートと、を備え、前記ランプホルダーは、前記導光板の出射面側に位置する上部が、前記出射面の法線方向から見て、前記導光板の出射面と重ならないように形成され、前記遮蔽シートは、一端が、前記ランプホルダーの前記上部に固定され、他端が、前記凸部に押圧されることにより、前記導光板の出射面に密着しており、前記フレームのうち、前記ランプホルダーの前記上部に対向する部位と、前記遮蔽シートとの間に隙間を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の面状光源装置によれば、LEDを光源とするエッジライトが交換可能な構造において、導光板の反りに起因する表示品位の低下を抑制し、交換作業を容易にすることができる。
【0017】
その理由は、導光板の側面に配置されるランプユニットに、コの字型のランプホルダーと、ランプホルダーの内面に固定されるLEDと、ランプホルダーの外面に固定される遮蔽シートと、を設け、コの字型のランプホルダーの上面が導光板の出射面に重ならないようにすると共に、ランプホルダーの上面に固定された遮蔽シートの他端を導光板の出射面に密着させるからである。また、導光板の出射面側に配置されるフレームに、遮蔽シートを導光板の出射面方向に押圧する凸部又は突起(リブ)を設け、このリブにより、導光板の出射面と遮蔽シートの密着性を高めるからである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施例に係る面状光源装置を搭載した液晶表示装置の外観構成を示す正面図である。
図2】本発明の第1の実施例に係る面状光源装置の光源部の構造を示す断面図である。
図3】本発明の第1の実施例に係る面状光源装置のフレームを裏面側から見た斜視図である。
図4】本発明の第2の実施例に係る面状光源装置の光源部の構造を示す断面図である。
図5】本発明の第3の実施例に示す面状光源装置の光源部の構造を示す断面図である。
図6】従来技術(特許文献1)に係るライトユニットの構造を示す断面図である。
図7】従来技術(特許文献2)に係るライトユニットの反射体の構造を示す平面図である。
図8】従来技術(特許文献2)に係るライトユニットの構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
背景技術で示したように、液晶表示装置の薄型化を実現するために、バックライトの光源に厚み方向のサイズが小さいLEDを使用すると、このLEDの発光面のサイズに合わせて導光板を薄型化することが必要となる。一般にバックライトの導光板には、アクリルやポリカーボネイトなど透明の樹脂材が用いられるが、この導光板は、熱や水分等の環境条件や成型時の条件によって膨張、反りなどの変形が発生する場合があり、導光板の薄型化によってこの変形の発生が増長する傾向にある。
【0020】
また、交換が可能なエッジライトを光源としたバックライトを搭載した液晶表示装置では、導光板端部を覆う形状(コの字型)のランプホルダーが用いられる。しかしながら、この導光板端部を覆う構造では、エッジライトを交換する際に、導光板とランプホルダーとが接触するために、ランプホルダーによって導光板の出射面が削られ、その削り屑が表示異物となって表示品位を低下させる。また、この導光板端部を覆う構造では、導光板の膨張、反りなどの変形が発生すると、バックライトからのランプホルダーの挿抜が困難になるという問題がある。
【0021】
また、これらの問題を改善するためにコの字型の開口部を広くしたり、コの字型の端部の一方を導光板にオーバーラップしないようにしたりすると、光源と導光板の側面との間に生じる隙間から光が漏れ、表示ムラが生じることになる。
【0022】
そこで、本発明の一実施の形態において、LEDを光源としたエッジライトが交換可能な面状光源装置において、断面がコの字型の金属製の部材(ランプホルダー)を、導光板の出射面に重ならない形状とし、更に金属製の部材の導光板の出射面側の端部に、導光板よりも柔らかい材料で形成された可撓性を有する遮蔽シートを貼り付け、この遮蔽シートを導光板の出射面に密着させる構造にする。
【0023】
このように、金属製の部材が導光板に直に接触しないようにすることにより、光源部交換時のスライドによる導光板の削り屑の発生を防ぐことが可能になり、表示品位の低下を抑制することができる。また、可撓性を有する遮蔽シートを用いることにより、導光板の膨張、反りなどの変形に対しても光源交換時の作業性を向上させることができる。また、遮蔽シートを導光板の出射面に密着させることにより、光源と導光板の側面との間に生じる隙間からの光漏れを防ぐことができ、表示品位の低下を抑制することができる。
【0024】
また、導光板の変形によって、光源であるLEDと導光板の側面は厚み方向の位置にズレが生じ、位置ズレを生じた状態では、LEDから発せられる光は効率良く導光板に入射しない部分が発生する(光漏れが生じる)ため、導光板の変形が大きい場合には、バックライトの輝度の低下が生じることになる。
【0025】
そこで、本発明の一実施の形態では、バックライトと液晶表示パネルとの間に配置されるフレームの、導光板の出射面の端部に対応する位置に、導光板の出射面側に突出する凸部又は突起(リブ)を設け、遮蔽シートを導光板の出射面側に押圧するようにする。
【0026】
このように、導光板の出射面側に配置されるフレームに、遮蔽シートを導光板の出射面側に押圧するリブを設けることにより、遮蔽シートを導光板に確実に密着させ、光源と導光板の側面との間に生じる隙間からの光漏れを確実に防ぐことができ、光源と導光板の側面との位置ズレに起因する輝度の低下や表示品位の低下を抑制することができる。
【実施例1】
【0027】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る面状光源装置及び液晶表示装置について、図1乃至図3を参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施例に係る面状光源装置を搭載した液晶表示装置の外観構成を示す正面図である。本実施例の液晶表示装置は、液晶表示パネル10と、挿抜可能なランプユニット2を有するバックライト(図示せず)と、これらを保持するフレーム(図1では液晶表示パネル10側から装着するフロントフレーム12のみを図示)とで構成され、液晶表示パネル10をバックライト(面状光源装置)で照射することによって表示が可能となる。
【0029】
図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。液晶表示パネル10は、液晶層を挟持するTFT(Thin Film Transistor)基板及びCF(Color Filter)基板と、一対の基板の両外側に配置された偏光板などで構成され、バックライト(面状光源装置)の導光板1の出射面側に配置される。なお、本発明は、面状光源装置の構造に特徴を有するものであり、液晶表示パネル10の構造は特に限定されない。
【0030】
また、バックライトは、アクリルやポリカーボネイトなど透明の樹脂材で形成された導光板1と、導光板1の反射面側(図の下側)に配置された反射シート11と、導光板1の出射面側(図の上側)に配置された拡散シートやレンズシートなどの光学シート9と、導光板1の側面に配置されたランプユニット2(図の一点鎖線の枠内参照)などで構成される。
【0031】
そして、バックライトの出射面側から導光板1の端部及びランプユニット2を覆うように、樹脂などで形成されたフレーム3が配置され、バックライトの反射面側に金属などで形成されたリアフレーム13が配置され、フレーム3とリアフレーム13とによってバックライトが保持される。また、液晶表示パネル10の表示面側(図の上側)に金属などで形成されたフロントフレーム12が配置され、フレーム3とフロントフレーム12とによって液晶表示パネル10が保持される。
【0032】
ランプユニット2は、ランプホルダー4と、光源となるLED7と、LED7を実装するフレキシブルケーブル8と、遮蔽シート5などで構成される。このランプユニット2は、バックライトの側面よりスライドさせて挿抜できる機構を有している。ランプホルダー4は、ステンレスや銅、アルミニウムなどの金属材料からなる金属板を、断面がコの字型になる(導光板の側面に対向する面が開口となる)ように曲げ加工したものであり、コの字型の上側の端部は、導光板1の法線方向から見て、導光板1の出射面にはオーバーラップしないように加工される。フレキシブルケーブル8は、両面テープなどでランプホルダー4の内面に固定され、その上にLED7が固定される。
【0033】
更に、本実施例では、コの字型のランプホルダー4の上側(導光板1の出射面側)の外面に、遮蔽シート5がランプホルダー4から突出するように両面テープや粘着剤等で固定される。この遮蔽シート5は、PETやテフロン(登録商標)樹脂などの柔らかい材料(導光板1よりも柔らかい材料)であって、ある程度の遮光性を有しかつ容易に変形が可能な可撓性を有する材料で形成される。そして、ランプホルダー4から突出した遮蔽シート5の先端部分が、導光板1の出射面の端部を覆い、かつ、導光板1上に配置された光学シート9とは重ならない寸法で形成される。
【0034】
なお、遮蔽シート5を反射効率の良い材料(例えば、薄い金属膜を表面に形成した材料)で形成すれば、LED7から放射される光を効率よく導光板1に導くことができるし、遮蔽シート5を遮光性の高い材料(例えば、顔料を混入させた材料)で形成すれば、導光板1の側面から漏れる光を減らして表示品位を高めることができる。
【0035】
また、遮蔽シート5は、2層以上の積層構造としてもよく、例えば、導光板1の出射面に接する側の層を導光板1よりも柔らかい材料で形成し、他の層を反射効率の良い材料や遮光性の高い材料で形成することもできる。また、導光板1の出射面に接する側の層を導光板1よりも柔らかい材料で形成し、他の層を張りのある材料で形成してもよく、この構成では、遮蔽シート5の形状をある程度保持することができるため、ランプユニット2の交換作業を容易にすることができる。また、導光板1の出射面に接する側の層を導光板1よりも柔らかい材料で形成し、他の層をバネ性のある材料で形成してもよく、この構成では、バネ性を利用して遮蔽シート5で導光板1の出射面を押圧することができるため、導光板1の出射面との密着性を高めたり、導光板1の変形を抑制したりすることができる。
【0036】
また、液晶表示パネル10とバックライトとの間に配置されるフレーム3は、出射面の法線方向から見て、導光板1の端部で出射面と重なるように形成されており、導光板1の出射面の端部に対向する位置に、導光板1の出射面側に突出する凸部又は突起(リブ6)が設けられ(図の破線の枠内参照)、遮蔽シート5の突出部の先端部分は、フレーム3のリブ6によって導光板1の出射面に密着するように押圧される。なお、図2では、リブ6の断面形状を半円状としているが、リブ6の形状は特に限定されず、台形形状などとしてもよいし、内部に空洞を設けて弾性を持たせ、遮蔽シート5を導光板1の出射面側に適切に押圧できるようにしてもよい。
【0037】
図3は、フレーム3の構造例を示す斜視図である。フレーム3は、ランプユニット2をバックライトの側面よりスライドさせて挿抜するためのガイド機構14を有する。具体的には、フレーム3の側壁3aとリブ6との間の窪みに、図の矢印の方向から、コの字型のランプホルダー4の遮蔽シート5を固定した面を滑り込ませることにより、ランプユニット2を挿入することができる。
【0038】
また、ランプユニット2を配置する部分のフレーム3は、導光板1の出射面にオーバーラップしており、このオーバーラップ部分には導光板1の寸法と略等しいかそれ以上の長さ(図の縦方向の長さ)のリブ6が、フレーム3の導光板1側の面に設けられている。このフレーム3に設けたリブ6と導光板1の出射面は、ランプホルダー4の外面に固定した遮蔽シート5の厚みより大きいクリアランスを有した寸法に設定される。遮蔽シート5が固定されるランプホルダー4の外面は、フレーム3に設けたリブ6の先端部、すなわち、導光板1との距離が最も近づく部分よりも、導光板1の出射面から遠い位置関係になる。遮蔽シート5は、容易に変形が可能であれば、その厚みは、上記範囲内で特に限定されない。
【0039】
上記構造のランプユニット2をバックライトの側面よりスライドして挿入すると、ランプユニット2のランプホルダー4に貼り付けた遮蔽シート5は、フレーム3に設けたリブ6によって導光板1の出射面方向へ屈曲し、導光板1の出射面に密着する。その際、遮蔽シート5は、導光板1に比べて柔らかい(硬度の低い)材料を使用して形成しているため、導光板1が削られることはなく、また、導光板1に反りなどの変形が生じた場合であっても、これに応じて変形するため、導光板1の出射面に密着した状態を維持することができる。
【0040】
このように、本実施例の構造では、ランプホルダー4が導光板1に直に接触することがないため、ランプホルダー4のスライドによる導光板1の削り屑の発生を未然に防止することができる。また、フレーム3にリブ6を設けることによって、遮蔽シート5と導光板1を糊着することなく密着性を確保することができ、ランプユニット2をスライドさせて交換することが可能なため、ランプユニット2の交換作業を容易にすることができる。
【0041】
また、導光板1との密着性を確保した遮蔽シート5の先端が光学シート9と重ならないように寸法を設定する(すなわち、光学シート9を導光板1の端部を除く領域に配置し、遮蔽シート5を導光板1の端部で出射面に密着させるようにする)ことにより、導光板1と光源となるLED7の間から不正に発散する光が液晶表示パネル10の表示エリアに直接透過することによって生じる表示品位の低下を抑制することができ、かつ、不正に発散した光がレンズ状の機能を有する光学シート9に直接入射することによって生じる局所的な明暗の発生を防止することが可能となる。
【0042】
また、導光板1との密着性が確保された遮蔽シート5に反射効率の良いシートを用いることによって、導光板1と光源部の間で損失する光を軽減し、導光板1への入光効率を向上させることが可能となる。また、フレーム3に設けたリブ6によって、導光板1と遮蔽シート5とをより確実に密着させることができるため、LEDと導光板の側面の厚み方向の位置ズレに起因する輝度の低下を抑制し、表示品位の低下を防止することができる。
【実施例2】
【0043】
次に、本発明の第2の実施例に係る面状光源装置及び液晶表示装置について、図4を参照して説明する。
【0044】
図4は、本発明の第2の実施例に示す面状光源装置の光源部の構成を示す断面図である。第1の実施例と同様に、液晶表示パネル60は、液晶層を挟持するTFT基板及びCF基板と、一対の基板の両外側に配置された偏光板などで構成される。また、バックライトは、導光板51と、導光板51の反射面側(図の下側)に配置された反射シート61と、導光板51の出射面側(図の上側)に配置された拡散シートやレンズシートなどの光学シート59と、導光板51の側面に配置されたランプユニット52(図の一点鎖線の枠内参照)などで構成される。そして、このバックライトの出射面側にフレーム53が配置され、バックライトの反射面側にリアフレーム63が配置され、フレーム53とリアフレーム63とによってバックライトが保持される。また、液晶表示パネル60の表示面側(図の上側)にフロントフレーム62が配置され、フレーム53とフロントフレーム62とによって液晶表示パネル60が保持される。
【0045】
ランプユニット52は、ランプホルダー54と、光源となるLED57と、LED57を実装し、ランプホルダー54の内面に貼り付け固定されるフレキシブルケーブル58と、遮蔽シート55などで構成される。フレーム53は、実施例1(図3)と同様に、バックライトの側面より側壁に沿ってランプユニット52をスライドさせて挿抜できるガイド機構を有している。
【0046】
上記ランプホルダー54は、本実施例では、そのひとつの外面(図の上部の面)を延長した先が、導光板51の出射面側の端部と交わるように傾斜した傾斜部を有している。この傾斜部の端部は、導光板51の法線方向から見て、導光板51の出射面にはオーバーラップしないように加工される。なお、図では、ランプホルダー54の上部全体を導光板51の出射面の端部と交わる方向に傾斜させているが、少なくとも、遮蔽シート55が貼り付けられる部分が導光板51の出射面の端部と交わるように傾斜していればよい。
【0047】
また、ランプホルダー54の上部の傾斜面には、遮蔽シート55がランプホルダー54から突出するように両面テープや粘着剤等で固定される。この遮蔽シート55は、第1の実施例と同様に、PETやテフロン(登録商標)樹脂などの柔らかい材料(導光板51よりも柔らかい材料)であって、ある程度の遮光性を有しかつ容易に変形が可能な可撓性を有する材料で形成され、ランプホルダー54から突出した遮蔽シート55の先端部分は、導光板51の出射面の端部を覆い、かつ、導光板51上に配置された光学シート59とは重ならない寸法で形成される。
【0048】
上記構成のランプユニット52をバックライトの側面よりスライドして挿入すると、ランプユニット52のランプホルダー54に貼り付けた遮蔽シート55は、ランプホルダー54の傾斜部に沿って導光板51の出射面方向へ延伸され、導光板51の出射面に密着する。その際、遮蔽シート55は、導光板51に比べ柔らかい(硬度の低い)材料を使用して形成しているため、導光板51が削られることはなく、また、導光板51に反りなどの変形が生じた場合であっても、これに応じて変形するため、導光板51の出射面に密着した状態を維持することができる。
【0049】
このように、本実施例の構成でも、ランプホルダー54が導光板51に直に接触することがないため、ランプホルダー54のスライドによる導光板51の削り屑の発生を未然に防止することができる。また、遮蔽シート55と導光板51を糊着することなく密着性を確保することができ、ランプユニット52をスライドさせて交換することが可能なため、ランプユニット52の交換作業を容易にすることができる。
【0050】
また、導光板51との密着性を確保した遮蔽シート55の先端が、光学シート59と重ならないように寸法を設定することにより、導光板51と光源となるLED57の間から不正に発散する光が液晶表示パネル60の表示エリアに直接透過することによって生じる表示品位の低下を抑制することができ、かつ、不正に発散した光がレンズ状の機能を有する光学シート59に直接入射することによって生じる局所的な明暗の発生を防止することが可能となる。
【0051】
また、本実施例では、ランプホルダー54の遮蔽シート55の貼り付け面が導光板51の出射面側の端部と交わるように傾斜しており、第1の実施例のようにフレーム53に凸部又は突起(リブ)を設けなくても、遮蔽シート55を導光板51の出射面に密着させることができるため、第1の実施例よりも構成を簡略化することができる。
【0052】
また、導光板51との密着性が確保された遮蔽シート55に反射効率の良いシートを用いることによって、導光板51と光源部の間で損失する光を軽減し、導光板51への入光効率を向上させることが可能となる。
【実施例3】
【0053】
次に、本発明の実施例3に係る面状光源装置及び液晶表示装置について、図5を参照して説明する。
【0054】
図5は、本発明の第3の実施例に示す面状光源装置の光源部の構成を示す断面図である。第1の実施例と同様に、液晶表示パネル90は、液晶層を挟持するTFT基板及びCF基板と、一対の基板の両外側に配置された偏光板などで構成される。また、バックライトは、導光板81と、導光板81の反射面側(図の下側)に配置された反射シート91と、導光板81の出射面側(図の上側)に配置された光学シート89と、導光板81の側面に配置されたランプユニット82(図の一点鎖線の枠内参照)などで構成される。このバックライトの出射面側にフレーム83が配置され、バックライトの反射面側にリアフレーム93が配置され、フレーム83とリアフレーム93とによってバックライトが保持される。また、液晶表示パネル90の表示面側(図の上側)にフロントフレーム92が配置され、フレーム83とフロントフレーム92とによって液晶表示パネル90が保持される。
【0055】
バックライトを構成する光学シート89は、バックライトの出射面の輝度ムラを抑制する拡散性を有する光学シート(拡散シート)89a、89d、および、発光効率を高めることを目的としたレンズ状の機能を有する光学シート(レンズシート)89b、89cなどで構成される。本実施例では、光学シート89の内の導光板81側の少なくとも1枚の光学シート(図では拡散シート89d)は、ランプユニット82側に延びており、導光板81の端部にも配置されている。
【0056】
ランプユニット82は、ランプホルダー84と、光源となるLED87と、LED87を実装し、ランプホルダー84の内面に貼り付け固定されるフレキシブルケーブル88と、遮蔽シート55などで構成される。フレーム83は、実施例1(図3)と同じく、バックライトの側面よりランプユニット82をスライドさせて挿抜できるガイド機構を有している。
【0057】
また、ランプホルダー84の外面に、遮蔽シート85がランプホルダー84から突出するように両面テープや粘着剤等で固定される。この遮蔽シート85は、PETやテフロン(登録商標)樹脂などのやわらかい材料(導光板81よりも柔らかい材料)であって、ある程度の遮光性を有しかつ容易に変形が可能な可撓性を有する材料で形成され、ランプホルダー84から突出した遮蔽シート85の先端部分は、導光板81の出射面の端部まで延びた光学シート89(拡散シート89d)に重なり、かつ、残りの光学シート89a〜89cとは重ならない寸法で形成される。
【0058】
また、液晶表示パネル90とバックライトとの間に配置されるフレーム83には、導光板81の出射面の端部に対向する位置に、導光板81の出射面側に突出する凸部又は突起(リブ86)が設けられ、遮蔽シート85の突出部の先端部分は、フレーム83のリブ86によって導光板81の出射面の端部まで延びた光学シート89(拡散シート89d)に密着するように押圧される。
【0059】
上記構成のランプユニット82をバックライトの側面よりスライドして挿入すると、ランプユニット82のランプホルダー84に貼り付けた遮蔽シート85は、フレーム83に設けたリブ86によって導光板81の出射面方向へ屈曲し、光学シート89(拡散シート89d)の出射面側に密着する。すなわち、導光板81の出射面の法線方向から見て、遮蔽シート85の端部が光学シート89(拡散シート89d)に重なるように配置される。その際、遮蔽シート85は、導光板81に直に接触しないため、導光板81が削られることはなく、また、導光板81や光学シート89に反りなどの変形が生じた場合であっても、これに応じて変形するため、光学シート89(拡散シート89d)の出射面側に密着した状態を維持することができる。
【0060】
このように、本実施例の構成でも、ランプホルダー84が導光板81に直に接触することがないため、ランプホルダー84のスライドによる導光板81の削り屑の発生を未然に防止することができる。また、フレーム83にリブ86を設けることによって、遮蔽シート85と導光板81を糊着することなく密着性を確保することができ、ランプユニット82をスライドさせて交換することが可能なため、ランプユニット82の交換作業を容易にすることができる。
【0061】
また、導光板81と拡散シート89dの密着性を確保することによって、光源となるLED87から発する光は拡散シート89dを透過する光のみがバックライトの出射面に透過することになるため、液晶パネル90の表示エリアに直接透過することによって生じる表示品位の低下を抑制することができ、かつ、不正に発散した光がレンズ状の機能を有する光学シート89b、89cに直接入射することによって生じる局所的な明暗の発生を防止することが可能となる。
【0062】
また、導光板81との密着性が確保された遮蔽シート85に反射効率の良いシートを用いることによって、導光板81と光源部の間で損失する光を軽減し、導光板81への入光効率を向上させることが可能となる。また、フレーム83に設けたリブ86によって、導光板1と遮蔽シート5とをより確実に密着させることができるため、LEDと導光板の側面の厚み方向の位置ズレに起因する輝度の低下を抑制し、表示品位の低下を防止することができる。本実施例は、実施例2の態様にも適用することができる。
【0063】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、面状光源装置の構成や配置、特に、遮蔽シートの形状、配置、材質などは適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、LED等の発光体からの光を面状の発光に変換して出射する面状光源装置、特に、LCDのバックライトとして利用される面発光装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1、51、81 導光板
2、52、82 ランプユニット
3、53、83 フレーム
3a 側壁
4、54、84 ランプホルダー
5、55、85 遮蔽シート
6、86 リブ
7、57、87 LED
8、58、88 フレキシブルケーブル
9、59、89 光学シート
89a、89d 拡散性を有する光学シート(拡散シート)
89b、89c レンズ状の機能を有する光学シート(レンズシート)
10、60、90 液晶表示パネル
11、61、91 反射シート
12、62、92 フロントフレーム
13、63、93 リアフレーム
14 ガイド機構
101、201 ライトユニット
102、202 導光板
103、203 CCFL
104、204 液晶表示パネル
105、205 反射体
106、206 出射面
107、207 反射壁
108、208 反射壁
109、209 反射壁
210 反射壁
211 遮光シート
212 境界線
213 折り曲げ溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8