特許第6402950号(P6402950)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6402950根太受け金物、床構造、及び床構造の施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402950
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】根太受け金物、床構造、及び床構造の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 5/02 20060101AFI20181001BHJP
   E04F 15/00 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   E04B5/02 F
   E04F15/00 P
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-11053(P2017-11053)
(22)【出願日】2017年1月25日
(65)【公開番号】特開2018-119306(P2018-119306A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2017年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亮介
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−102905(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3181105(JP,U)
【文献】 実開昭54−043208(JP,U)
【文献】 実開昭61−008235(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 5/02
E04F 15/00
E04B 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床梁の間に架設される根太の端部を受ける根太受け金物であって、
前記床梁に固定する固定部と、
前記床梁から水平方向に突出して形成され前記根太の端部を受ける受け部と、を備え、
前記受け部は、前記根太の底面が載置される底板と、前記底板の両側縁からそれぞれ立ち上がり前記根太の幅よりも距離を開けて向かい合う一対の側板と、前記側板の上端にそれぞれ形成され互いに接近する方向に膨出する一対の膨出部と、を有し、
前記膨出部は前記根太の端部上面よりも高い位置に形成されており、
当該膨出部は、互いに接近する方向に湾曲するとともに、上部が互いに離れる方向に湾曲して形成されており、一対の前記膨出部の最も接近する位置の間の距離が前記根太の幅よりも短く、その上部の距離が前記根太の幅よりも長いことを特徴とする根太受け金物。
【請求項2】
前記底板上に緩衝材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の根太受け金物。
【請求項3】
間隔を開けて平行に配置される床梁と、
前記床梁の側面に固定される請求項1又は2に記載の根太受け金物と、
下面に根太が固定された床下地パネルと、を備え、
前記根太は、端部上面が下方に切り欠かれた切欠部を有することを特徴とする床構造。
【請求項4】
請求項3に記載の床構造の施工方法であって、
間隔を開けて平行に配置される前記床梁に、前記根太受け金物を固定し、
下面に前記根太が固定された前記床下地パネルを下降させて、前記根太の下端縁を前記膨出部に当接させ、
さらに、前記床下地パネルを下降させて、一対の前記膨出部を互いに広がる方向に弾性変形させつつ、前記根太の側面を前記膨出部にガイドさせて当該根太をそれぞれの前記根太受け金物の幅方向の中央に載置されるように配置して、
床下地パネルを前記床梁に固定することを特徴とする床構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床梁に架設される根太を受ける根太受け金物、当該根太受け金物を用いた床構造、及び、床構造の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、床梁の側面に根太受け金物を釘で固定し、この根太受け金物に根太を支持させて床梁と根太とが面一となるように施工し、この床梁及び根太の上に床下地パネルを設ける床構造が知られている。このような工法においては、根太受け金物と根太との間に緩衝用の接着剤を注入して、根太受け金物と根太とが擦れることによる床鳴りを防止している。
【0003】
そして、上述のような床組み作業の工程を短縮し施工性を向上するために、根太を予め床下地パネルの下面に固定しておき、床梁の側面に固定された根太受け金物に根太を落とし込むことで、根太及び床下地板の施工を同時に行って工程を短縮するものも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−132159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のような工程は、根太の上に床下地パネルが固定された状態で床梁の側面に固定された根太受け金物に根太を落とし込むものであるので、床下地パネルが邪魔になって直接根太及び根太受け金物の位置を確認できない状態での作業となるため、根太及び根太受け金物の位置に若干のズレがあった場合、根太受け金物及び根太が緩衝用の接着剤を介することなく当接し、床鳴りが発生するおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、床下地パネルに根太を予め固定して施工する場合であっても、根太と根太受け金物との接触を防止できる根太受け金物、床構造、及び床構造の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の根太受け金物は、床梁の間に架設される根太の端部を受ける根太受け金物であって、前記床梁に固定する固定部と、前記床梁から水平方向に突出して形成され前記根太の端部を受ける受け部と、を備え、前記受け部は、前記根太の底面が載置される底板と、前記底板の両側縁からそれぞれ立ち上がり前記根太の幅よりも距離を開けて向かい合う一対の側板と、前記側板の上端にそれぞれ形成され互いに接近する方向に膨出する一対の膨出部と、を有し、前記膨出部は前記根太の端部上面よりも高い位置に形成されており、当該膨出部は、互いに接近する方向に湾曲するとともに、上部が互いに離れる方向に湾曲して形成されており、一対の前記膨出部の最も接近する位置の間の距離が前記根太の幅よりも短く、その上部の距離が前記根太の幅よりも長いことを特徴としている。
【0008】
また、本発明の根太受け金物は、前記底板上に緩衝材が設けられることを特徴としている。
【0010】
本発明の床構造は、間隔を開けて平行に配置される床梁と、前記床梁の側面に固定される上記根太受け金物と、下面に根太が固定された床下地パネルと、を備え、前記根太は、端部上面が下方に切り欠かれた切欠部を有することを特徴としている。
【0011】
本発明の床構造の施工方法は、上記床構造の施工方法であって、間隔を開けて平行に配置される前記床梁に、前記根太受け金物を固定し、下面に前記根太が固定された前記床下地パネルを下降させて、前記根太の下端縁を前記膨出部に当接させ、さらに、前記床下地パネルを下降させて、一対の前記膨出部を互いに広がる方向に弾性変形させつつ、前記根太の側面を前記膨出部にガイドさせて当該根太をそれぞれの前記根太受け金物の幅方向の中央に載置されるように配置して、床下地パネルを前記床梁に固定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の根太受け金物によると、根太の端部を上方から根太受け金物の受け部に挿入する際に、根太受け金物の側板の上端に形成された膨出部によって、根太の位置がガイドされるので、根太の端部を根太受け金物の中央に設置することができ、根太受け金物の側板が根太の幅よりも距離を開けて形成されているので、側板と根太との間に隙間を設けることができる。したがって、根太と側板とが擦れて床鳴りが発生することを防止できる。
【0013】
また、本発明の根太受け金物によると、底板上に緩衝材が設けられているので、根太端部の下面と根太受け金物の底板との間には緩衝材が配置されるとともに、前述のように根太の側面と根太受け金物の側板の間には隙間が設けられるので、根太受け金物と根太とは当接することがなく、床鳴りを防止できる。そして、根太側面と根太受け金物の側板との間には隙間が形成されているので、緩衝材は根太受け金物の底板にのみ設ければよく、緩衝材を簡単に配置することができる。なお、ここで緩衝材は、例えば樹脂接着剤のような湿式の材料であってもよく、また、柔軟性を有する固形樹脂などの乾式の材料であってもよい。
【0014】
さらに、本発明の根太受け金物によると、一対の膨出部の間の距離が根太の幅よりも短いので、根太を上方から根太受け金物に挿入する際には、膨出部に根太の端部が当接して、当該膨出部間の距離が広がるように根太受け金物が弾性変形し根太を確実に根太受け金物の幅方向の中央に導くことができる。そして、膨出部は根太の端部上面よりも高い位置に形成されているので、根太の端部の下面が根太受け金物の底面に設けられている緩衝材に当接すると、根太の端部の上面が膨出部よりも低い位置に配置されることになり、根太の端部と膨出部との間に隙間が設けられるので、床鳴りを防止することができる。
【0015】
本発明の床構造によると、根太の端部の上面に下方に切り欠かれた切欠部を有するので、根太全体の高さを低くすること無く、根太の端部の上面を根太受け金物の膨出部よりも低い位置に配置することができ、床構造の強度の低下を防ぎつつ、根太の端部と根太受け金物との接触を防止することができる。
【0016】
本発明の床構造の施工方法は、間隔を開けて平行に配置される床梁に、根太受け金物を固定し、下面に根太が固定された床下地パネルを、根太の両端がそれぞれ根太受け金物に載置されるように配置して、床下地パネルを床梁に固定するので、作業者が床下地パネルによって根太の端部及び根太受け金物を直接見ることができない場合であっても、根太受け金物の膨出部によって根太の端部の位置を根太受け金物の幅方向の中央に確実にガイドすることができ、根太と根太受け金物との接触を防止し、床鳴りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】根太受け金物の全体構成を示す斜視図。
図2】(A)は根太受け金物の全体構成を示す正面図、(B)は側面図。
図3】床下地パネル及び根太の構成を示す斜視図。
図4】(A)は床下地パネル及び根太の構成を示す側面図、(B)は(A)とは寸法の異なる根太を用いた例を示す側面図。
図5】床構造の全体構成を示す断面図。
図6】根太の端部と根太受け金物の寸法を示すI−I線断面図。
図7】根太が下面に固定された床下地パネルを床梁及び根太受け金物に固定する前の状態を示す斜視図。
図8】根太が下面に固定された床下地パネルを床梁及び根太受け金物に固定する前の状態を示す側面図。
図9】根太の端部を根太受け金物に挿入する前の状態を示す図。
図10】根太の端部を根太受け金物に挿入する途中の状態を示す図。
図11】根太の端部を根太受け金物に挿入した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る根太受け金物1、床構造2、及び床構造の施工方法の最良の実施形態について、各図を参照しつつ説明する。本実施形態における床構造2は、例えば住宅の床梁3に根太受け金物1を設けて、当該根太受け金物1に床下地パネル4の下面に固定されている根太5を上方から挿入して、根太受け金物1で根太5を受ける床構造2である。なお、床構造2は、1階の床を支持する床構造であっても、2階以上の床を支持する床構造であっても良い。
【0019】
根太受け金物1は、床梁3の側面に固定する固定部6と、床梁3から水平方向に突出して根太5の端部を受ける受け部7とを備えている。固定部6は図1及び図2(A)に示すように、受け部7の側板10の床梁3と当接する位置から両側にそれぞれ広がるプレートであり、根太受け金物1を床梁3に固定するためのビス孔8が上下方向に並んで3箇所ずつ形成されている。
【0020】
受け部7は、図1及び図2に示すように、根太5の底面が載置される底板9と、底板9の両側縁からそれぞれ立ち上がる一対の側板10と、側板10の上端にそれぞれ形成され互いに接近する方向に膨出する膨出部11とを有している。受け部7は、鋼板を折り曲げ加工して形成されており、床梁3に根太受け金物1を固定したときに、底板9は水平な平板であり、根太5の端部を受けることができる幅に形成されている。そして、側板10は根太5の側面と平行に隙間を開けて配置されるように、根太5の幅αよりも一対の側板10の間の間の距離βが長くなるように配置されている。
【0021】
膨出部11は、図1及び図2(A)に示すように、側板10の上端が互いに接近する方向に湾曲し、さらにその上部が互いに離れる方向に湾曲して形成されている。側板10はその高さ方向の長さが根太5の端部の高さよりも長く、側板10の上端に形成される膨出部11は、根太5の端部の上面5aよりも高い位置に配置される。また、膨出部11は、互いに最も接近する位置の距離γが根太5の幅αよりも短くなるように形成されている。
【0022】
また、受け部7の底板9の上には緩衝材12が固定されている。緩衝材12は、例えば、変成シリコン弾性接着剤のような硬化後に弾性を有する接着剤であってもよく、予め平板状に成形された弾性体であっても良い。緩衝材12は底板9の上にのみ設けられており、側板10及び膨出部11には設けられていない。側板10と根太5との間には確実に間隙が形成されるので、側板10及び根太5が擦れて床鳴りが発生する可能性が無く、緩衝材12を設ける必要がないからである。このように緩衝材12を側板10及び膨出部11に設けないことで、施工手間を軽減することができる。
【0023】
根太受け金物1は、床梁3に予め工場で図示しないビスで固定されて、建築現場に搬入されてもよく、建築現場で床梁3にビスで固定するものであっても良い。床梁3の根太受け金物1を設置する位置は、床梁3に根太5を架設する位置であり、且つ、根太受け金物1に挿入される根太5の中間部の上面と床梁3の上面とが面一になるように設置される。
【0024】
根太5は、図3及び図4に示すように、角材であり、両端に端部上面が下方に切り欠かれた切欠部13が形成されている。切欠部13は、根太5の端部で上面から下方に切り込むとともに、根太5の小口面から水平方向に切り込んで上端の角を直角に切り欠いたものである。すなわち、根太5は下面が面一に形成されるとともに、上面の両端に切欠部13が形成されることで、他の部分の上面よりも端部の上面5aが低くなるように形成されている。
【0025】
図5に示すように、根太5の幅αは根太受け金物1の側板10の間の距離βよりも短く、且つ、根太受け金物1の膨出部11の間の最接近した距離γよりも長い。また、根太5の端部の上面5aは、根太受け金物1の膨出部11よりも低く、根太5の端部を根太受け金物1に挿入した場合に根太5の端部が膨出部11に接触しない形状となっている。根太5の長手方向における切欠部13の長さは、根太5の長手方向における膨出部11の長さよりも長くなっており、膨出部11が根太5の端部に接触することはない。なお、根太5の中間部は端部よりも上面が高く形成されており、根太5の強度を確保しているが、図4(A)(B)に示すように、根太5の中間部の高さは、床構造2に必要な強度及び床梁3の梁せいに応じて適切に選択することができる。
【0026】
床下地パネル4は予め下面に根太5が固定された状態で工場から建築現場に搬入される板材である。床下地パネル4には図3に示すように、2本の根太5が当該床下地パネル4の長さ方向に沿って固定されている。2本の根太5のうち一方の根太5は床下地パネル4の幅方向の中央に固定され、2本の根太5のうち他方の根太5は床下地パネル4の一方の縁に固定される。当該他方の根太5は、幅方向の半分が床下地パネル4の一方の縁に固定され、もう半分が床下地パネル4の縁からはみ出しており、隣接する床下地パネル4の他方の縁が他方の根太5の床下地パネル4からはみ出した部分に載置されるように形成されている。
【0027】
また、床梁3は床荷重を受ける水平角材であり、図示しないが、端部が梁受金物によって柱又は別の梁に固定されている。床梁3は、図5に示すように、間隔を開けて平行に複数配置されており、当該床梁3と、床梁3の側面に固定される根太受け金物1と、下面に根太5が固定された床下地パネル4と、により床構造2が構成されている。
【0028】
以上のような構成を有する床構造の施工方法は、床梁3に根太受け金物1を固定した状態で工場から建築現場に搬入し、当該根太受け金物1が根太5を架設する位置に整合するように、床梁3の端部を他の梁や柱等に接合して複数の床梁3を平行に架設する。なお、本実施形態では根太受け金物1は工場で床梁3に固定されるが、これに限定されるものではなく、建築現場で床梁3に固定されるものであっても良く、例えば複数の床梁3を間隔を開けて平行に配置した後に、根太受け金物1を固定するものであっても良い。
【0029】
そして、床下地パネル4の下面に根太5を固定した状態で当該床下地パネル4が工場から建築現場に搬入する。なお、床下地パネル4の下面に根太5を固定する工程は工場で行われる工程に限定されるものではなく、例えば建築現場に床下地パネル4を搬入した後に当該床下地パネル4の下面に根太5を固定するものであっても良い。
【0030】
図7から図9に示すように、根太5が固定された床下地パネル4を例えばクレーンで吊り上げて、床下地パネル4の下面に固定されている根太5の位置が床梁3に固定されている根太受け金物1の上方に来るように配置する。そして、床下地パネル4を徐々に下降させて、図10に示すように、根太5の端部を根太受け金物1に挿入する。このとき、根太5の幅αよりも根太受け金物1の受け部7に形成されている一対の膨出部11の間の最接近位置の距離γのほうが短いので、床下地パネル4を下降させると、根太5の下端縁が膨出部11に当接する。そして、さらに床下地パネル4を下降させると、一対の膨出部11が互いに広がる方向に弾性変形して、根太5の側面を膨出部11が伝うように根太5が下降する。このとき、根太5の両側面に一対の膨出部11がそれぞれ当接しているので、根太5が根太受け金物1の中央にガイドされる。
【0031】
そして、さらに床下地パネル4を下降させると、根太5の下面が根太受け金物1の受け部7の底板9上に設けられている緩衝材12に当接して、根太5を根太受け金物1で受ける。根太5の端部は切欠部13によって上面5aが膨出部11よりも低く形成されており、根太受け金物1の受け部7の一対の側板10の間の距離βは根太5の幅αよりも距離を開けて配置されているので、根太5の側面は根太受け金物1に当接することが無く、また根太5の下面には緩衝材12を介して根太受け金物1に載置されているので、根太5が根太受け金物1に接触していない。したがって、根太5と根太受け金物1との擦れに起因する床鳴りの発生を防止することができる。
【0032】
このように根太受け金物1に膨出部11を設けて根太5の位置をガイドさせ、且つ、根太5の端部に切欠部13を設けて、根太5の端部と根太受け金物1とが接触することを防止したので、根太5が床下地パネル4の下面に予め固定される床構造の施工方法において、床下地パネル4によって根太5の端部や根太受け金物1が視認できない場合であっても、根太5を根太受け金物1の中央に配置することができ、根太5の端部と根太受け金物1とが接触を確実に防止することができる。
【0033】
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る根太受け金物1、床構造2、及び床構造の施工方法は、例えば住宅の床構造を施工する際に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 根太受け金物
2 床構造
3 床梁
4 床下地パネル
5 根太
6 固定部
7 受け部
9 底板
10 側板
11 膨出部
12 緩衝材
13 切欠部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11