(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6402956
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】揺動器
(51)【国際特許分類】
B44C 5/00 20060101AFI20181001BHJP
【FI】
B44C5/00
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-197331(P2017-197331)
(22)【出願日】2017年10月11日
【審査請求日】2017年11月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516116699
【氏名又は名称】東 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】東 暖乃
【審査官】
奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】
実開平03−008785(JP,U)
【文献】
実開昭64−003699(JP,U)
【文献】
特開2005−143912(JP,A)
【文献】
実開昭57−129700(JP,U)
【文献】
実開昭49−130995(JP,U)
【文献】
実開昭52−007782(JP,U)
【文献】
特開2000−121755(JP,A)
【文献】
特開平10−108981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B44C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投射対象に回転力と磁力を利用して光を映し出す揺動器であって、上部に無数の穴を設けており、支持体と、前記支持体に設けた周回軸と、前記周回軸を中心に周回する磁石付きの周回体と、前記周回体を駆動する駆動源を備え、前記周回体の上方に吊るされて支持されている磁石を備え付けた光源と、前記周回体の下方に回動軸で支持されている磁石付の揺動体が、前記周回体の周回により、前記周回体の磁石と前記光源の磁石が反応して前記光源が動き、前記周回体の磁石と前記揺動体の磁石が反応して前記揺動体も動くと共に、前記揺動体に備えた振り子が連動して動く、本体上部の前記無数の穴から前記光源の光が揺れながら投射対象に映し出されることを特徴とする揺動器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の揺動器は一定に支持されたものを揺動させるものであった。光を投射して揺動するものとして、モータの駆動を使って光源を動かしながら床面等に投射し形成される光点が複雑に移動する愛玩動物用玩具が公開されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−161172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配置・設置が限定されない対象物を揺動できる揺動器は流通していなかった(特許文献1参照)。
【0005】
本発明は、揺動による微小な動きを表示、鑑賞することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の礎となった発明(以下、「基礎発明」という。)は、対象物と回動軸で支持されている揺動体を、磁力により揺動させるための揺動器であって、支持体と、前記支持体に設けた周回軸と、前記周回軸を中心に周回する磁石付きの周回体と、前記周回体を駆動する駆動源を備え、前記対象物と前記揺動体が前記磁石の磁力に反応して、前記周回体が周回すると共に動く、上方の前記対象物、前記周回体及び下方の前記揺動体が縦に並んで取り付けられていることを特徴とする揺動器である。
ここで、対象物は、配置、設置が限定されない対象物であり、支持方法は例えば吊るすなど、それぞれの配置、設置によって異なる。ま
た、周回は、回転、回動を含んだものであ
る。用途として、鑑賞用、業種や特徴を視覚に訴える表示器具などが挙げられる。
【0007】
本発明は、投射対象に回転力と磁力を利用して光を映し出す揺動器であって、上部に無数の穴を設けており、支持体と、前記支持体に設けた周回軸と、前記周回軸を中心に周回する磁石付きの周回体と、前記周回体を駆動する駆動源を備え、前記周回体の上方に吊るされて支持されている磁石を備え付けた光源と、前記周回体の下方に回動軸で支持されている磁石付の揺動体が、前記周回体の周回により、前記周回体の磁石と前記光源の磁石が反応して前記光源が動き、前記周回体の磁石と前記揺動体の磁石が反応して前記揺動体も動くと共に、前記揺動体に備えた振り子が連動して動く、本体上部の前記無数の穴から前記光源の光が揺れながら投射対象に映し出されることを特徴とする揺動器である。
【発明の効果】
【0008】
上述したように
本発明の揺動器は、磁力と周回を併せた簡素な構造で、低コストで作ることができる。また、配置・設置が限定されない対象物を揺動させることができるので、様々な対象物の活用も可能である。
本発明の揺動器は、眼の疲れを癒しながら楽しめる就寝時の導入具として利用でき、更にその他の表示器具としての活用も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
基礎発明の実施例形態を示す揺動器の正面図。
【
図3】
本発明の実施例形態を示す揺動器のA断面図。
【
図4】
本発明の実施例形態を示す揺動器のB断面図。
【
図5】
本発明の実施例形態を示す揺動器のC断面図。
【
図6】
本発明の実施例形態を示す揺動器の斜視図(被覆部含む)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を
図1〜
図6に基づいて説明する。
図1は、支持体13に設けた周回軸1と、周回軸1を中心に周回する磁石9b付きの周回体5と、周回体5を駆動する駆動源4を備え、支持されている対象物2が磁石9bの磁力に反応して、周回体5が周回すると共に動き、周回体5の磁石9bの磁力に反応して動く回動軸8で支持されている揺動体7を備えた
基礎発明の実施例形態を示す正面図である。対象物2は、配置・設置が限定されない対象物であり、支持方法もそれぞれの配置・設置によって異なった支持により存する。駆動源4はモータなどに代用することもできる。
【0011】
図2は、支持体13に、弾性体6の回転により巻き戻るときの回転力を利用して周回体5を駆動する駆動部分を中心に、上方に磁石9aが備え付けられた光源3が取り付けられており、下方に磁石9cを備え付けてある振り子を伴った揺動体7があり、周回体5が周回すると共に磁石9bの磁力に反応して動きが加わり、周回体5上方に備え付けられた光源3から投射された光が本体上部の無数の穴から漏れる様子の
本発明の実施例形態を示す正面図である。この図における弾性体6は、
本発明において周回体5を駆動する駆動源の実施例として挙げている。また、揺動体7と連動して回動する視覚で認識可能な表示として2重の振り子14と装飾部12の実施例を挙げている。更に
本発明において対象物2の実施例として、周回体5上方に備えた光源3を挙げている。
【0012】
図3は、支持体13に、揺動器の駆動部分となる弾性体6の回転により巻き戻るときの回転力を利用して駆動する周回体5と、周回体5が周回すると共に動く光源3、装飾部12の付いた2重の振り子14を伴った揺動体7が、周回軸1を中心に光源3(対象物)、周回体5、揺動体7が縦に並んで取り付けられていることを示すA断面図である。
【0013】
図4は、支持体13に備えられた、揺動器の駆動部分となる弾性体6の回転により巻き戻るときの回転力を利用して駆動する周回体5と、周回体5が周回すると共に動く磁石9aを伴った光源3が周回体1の上方に配置されていることを示すB断面図である。
【0014】
図5は、磁石9cを備え付けてある2重の振り子14を伴った揺動体7が支持体13の下に支持され、装飾部12を付けた2重の振り子14の上部は揺動体7と接着されている。揺動体7に備え付けた磁石9cと回転体5の磁石9bの反応による力が、装飾部12を付けた2重の振り子14へ伝わる、連動して動く2重の振り子14が、回動軸8により揺動体7と共に支持されていることを示すC断面図である。
【0015】
図6は、光源3の光を上方へ投射させる為に、支持体13の側面に被覆板10を設け、周回体5を手で回し送る際の開口部11を開けた状態の様子を示した、
本発明の実施
例形態を示す斜視図である。
【0016】
本発明は、人工的な音を抑えた弾性体6を事例として利用しているが、その目的によっては周回の原動力をモータなどに代用することもできる。揺動対象についても、事例として光源3、揺動体7,2重の振り子14としているが、揺動できる対象であればそれを排除するものではない。本体上部の無数に穴があいている部分は、脱着式または開閉式でも良い。また、2重の振り子14を上部下部に分けず、揺動体7と一体化させたもの、または、揺動体7と一体化、接着させずに、2重振り子そのものの構造として連動するものでも良い。
【0017】
本発明は、駆動源としての弾性体6を備えた周回体5を手で回し送ることで、投射された光の揺動を観
賞できる。光源3にソーラーライトを利用することで、環境に優しく眼にも優しい揺動器になる。癒しを更に向上させる為に、好みのオルゴールなどを併せて設置するなどオプションを追加することで、より一層の和みを提供する器具として利用できる。
【符号の説明】
【0018】
1 周回軸
2 対象物
3 光源
4 駆動源
5 周回体
6 弾性体
7 揺動体
8 回動軸
9a 磁石
9b 磁石
9c 磁石
10 被覆板
11 開口部
12 装飾部
13 支持体
14 2重の振り子
【要約】
【課題】配置・設置が限定されない対象物を揺動できる揺動器は流通していなかった。
【解決手段】本発明は、対象物を磁力により揺動させるための揺動器であって、
支持体と、前記支持体に設けた周回軸と、前記周回軸を中心に周回する磁石付きの周回体と、前記周回体を駆動する駆動源を備え、支持されている前記対象物が前記磁石の磁力に反応して、前記周回体が周回すると共に動くことを特徴とする揺動器であり、磁力と周回を併せて利用したことにより、構造を簡素化し、揺動による微小な動きを表示、観賞することを特徴とするものである。
【選択図】
図4