特許第6402979号(P6402979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402979
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】排水管用の閉塞プラグ
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/10 20060101AFI20181001BHJP
   E03F 7/02 20060101ALI20181001BHJP
   F16L 55/00 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   E03F5/10 A
   E03F7/02
   F16L55/00 S
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-152498(P2014-152498)
(22)【出願日】2014年7月28日
(65)【公開番号】特開2016-30905(P2016-30905A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000505
【氏名又は名称】アロン化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002778
【氏名又は名称】特許業務法人IPシーガル
(74)【代理人】
【識別番号】100069903
【弁理士】
【氏名又は名称】幸田 全弘
(74)【代理人】
【識別番号】100101166
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100157509
【弁理士】
【氏名又は名称】小塩 恒
(72)【発明者】
【氏名】安藤 秀起
(72)【発明者】
【氏名】岩田 淳嗣
(72)【発明者】
【氏名】山田 晋吾
(72)【発明者】
【氏名】岡本 晃
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 俊希
【審査官】 苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−210060(JP,A)
【文献】 特開平09−287194(JP,A)
【文献】 特開2000−027273(JP,A)
【文献】 特開平10−195970(JP,A)
【文献】 特開平09−242172(JP,A)
【文献】 特開2000−352066(JP,A)
【文献】 米国特許第05826609(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 1/00〜 11/00
F16L 51/00〜 55/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底の筒状体によってプラグ主体が構成され、
前記プラグ主体の開口部近傍の外周部に、前記プラグ主体を排水管または排水マスに取り付けるための取付手段と、前記排水管または排水マスに固定するための固定手段が設けられ
前記固定手段は、プラグ主体の底面近傍及び/又は開口縁近傍の外周部に形成される、固定部材挿通用の透孔もしくは係合突起であること
を特徴とする閉塞プラグ。
【請求項2】
前記取付手段は、
前記プラグ主体の開口部近傍の外周部に、所要の間隔を存して形成される一対の係合孔であること
を特徴とする請求項1に記載の閉塞プラグ。
【請求項3】
前記固定手段は、
前記プラグ主体の底面近傍の外周部に形成される、ボルト挿通用の透孔もしくは係合突起であること
を特徴とする請求項1に記載の閉塞プラグ。
【請求項4】
前記プラグ主体は、
その外周部下方に、ゴムリングを装着するための凹溝が形成されていること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の閉塞プラグ。
【請求項5】
前記プラグ主体は、
公共マスに取り付け、固定するためのもので、
円筒体もしくは截頭円錐体であること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の閉塞プラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、下水道本管に排水や土砂などが流れ込まないようにするための、排水管用の閉塞プラグに関するものである。
より詳しくは、家庭における使用しなくなった排水管から、公共マスを介して下水道本管に雨水や土砂など等が流れ込むことを防ぐために、排水管、特に排水マス(公共マスを含む)に配設される閉塞プラグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、戸建住宅、低層住宅又は小規模集合住宅などにおいて、風呂、流し台、洗面台などから排出される雑排水ないし汚水(以下、「排水等」という)は、塩化ビニル製の樹脂製配管などを介して屋外に設置された公共マスへと導入される。
【0003】
一般に公共マスとは、宅内排水管と、公道に埋設された下水道本管に接続される取付管とを接続する排水マスをいう。
この公共マスの埋設箇所は、原則的には公道下であって、公共下水道管理者がその維持管理を行うようにしているが、自治体によっては、宅地内に埋設し、道路工事や地下埋設物に支障がないようにしている。
【0004】
かかる状況において、建物の取り壊しなどによって敷地を更地にする場合、下水道本管に雨水や土砂、排水等が流れないように公共マスから上流側を閉鎖する必要が生じる。
【0005】
かかる目的のため、例えば、特開2001−303656号公報(特許文献1)においては、上向きに点検筒用接続口、横向きに合流する複数の流入口用接続口、他の横向きに1つの流出口用接続口をそれぞれ設けると共に、これらの流入口用接続口と流出口接続口とはインバート傾斜を有するが、逆流防止用落差を零としたプラスチック製排水マスに用いる閉塞プラグが提案されている。
【0006】
前記特許文献1に記載の閉塞プラグは、前記プラスチック製排水マスの上流側流入口に挿入されるもので、当該閉塞プラグの先端部を、閉塞プラグが挿入された流入口用接続口以外の流入口用接続口へ排水中の汚物等が逆流しないような導水部材を着脱して構成し、当該排水マスのインバートのフラッシュアウト機能を良好にしたことを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−303656号公報(特許請求の範囲,図1〜3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1に開示されている閉塞プラグは、横型複数流入口付で、かつ、1つの流出口付の合流型公共マスに適用されるもので、流入口用受口に挿入されるものである。
したがって、この閉塞プラグは、埋設されている公共マスの横側の流入口から挿入する必要があるため、その取付けが煩雑であった。
さらに、この閉塞プラグは、縦型の合流型公共マスに適したものではない。
【0009】
この発明はかかる現状に鑑み、下水本管へ雨水や土砂、排水等が流れ込むことがないようにすることができる一方、取付けが容易で、横型の排水マスのみならず縦型の排水マスにも装着することができる閉塞プラグを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、この発明にかかる請求項1に記載の発明は、
有底の筒状体によってプラグ主体が構成され、
前記プラグ主体の開口部近傍の外周部に、前記プラグ主体を排水管または排水マスに取り付けるための取付手段と、前記排水管または排水マスに固定するための固定手段が設けられ
前記固定手段は、プラグ主体の底面近傍及び/又は開口縁近傍の外周部に形成される、固定部材挿通用の透孔もしくは係合突起であること
を特徴とする閉塞プラグである。
【0011】
この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の閉塞プラグにおいて、
前記取付手段は、
前記プラグ主体の開口部近傍の外周部に、所要の間隔を存して形成される一対の係合孔であること
を特徴とする閉塞プラグである。
【0012】
この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載の閉塞プラグにおいて、
前記固定手段は、
前記プラグ主体の底面近傍の外周部に形成される、ボルト挿通用の透孔もしくは係合突起であること
を特徴とするものである。
【0013】
この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の閉塞プラグにおいて、
前記プラグ主体は、
その外周部下方に、ゴムリングを装着するための凹溝が形成されていること
を特徴とするものである。
【0014】
この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の閉塞プラグにおいて、
前記プラグ主体は、
公共マスに取り付け、固定するためのもので、
円筒体もしくは截頭円錐体であること
を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明の閉塞プラグは、プラグ主体の開口部近傍の外周部に、取付手段が形成されているので、この取付手段を利用して閉プラグを、縦型もしくは横型のいずれの排水管や、排水マス(公共マスを含む)であっても、所定位置に容易に装着することができるとともに、前記固定手段によって装着部位に固定状態を保持することができる。
【0016】
特に、この発明の閉塞プラグは、公共マスの上部の受口から挿入し、流出口側に装着するこという簡単な操作によって、下水本管へ雨水や土砂、排水等が流れ込むことを確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の閉塞プラグの実施の一例を示した斜視図である。
図2図1に示す閉塞プラグの断面図である。
図3】この発明の閉塞プラグを縦型の公共マスに使用した例を示す断面図である。
図4】この発明の閉塞プラグを横型の公共マスに使用した例を示す断面図である。
図5】この発明の閉塞プラグを公共マスに着脱するための操作部材の斜視図である。
図6】この発明の閉塞プラグの他の形態を示した断面図である。
図7】この発明の閉塞プラグに使用されるゴムリングの一例を示す説明図である。
図8】この発明の閉塞プラグの他の形態を示した斜視図である。
図9】この発明の閉塞プラグに、公共マスに着脱するための他の操作部材を取付けた状態を示す斜視図である。
図10】この発明の閉塞プラグの他の形態を示した斜視図である。
図11】この発明の閉塞プラグの他の形態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明にかかる閉塞プラグの実施の形態を、添付の図面に基づいて具体的に説明する。
なお、この発明の閉塞プラグは、図示の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲内で改良を加えることができるものである。
【0019】
この発明にかかる閉塞プラグ1は、有底の円筒体もしくは有底の截頭円錐体など筒状のプラグ主体1aを主体とするもので、ゴムや塩化ビニル樹脂などの樹脂を素材とするものである。
【0020】
図1および図2に示す前記プラグ主体1aは、有底の円筒体からなるものである。
前記プラグ主体1aの開口部近傍の外周面には、公共マス6への取付手段として一対の係合孔2,2が所定の間隔を存して設けられているとともに、前記係合孔2,2間のほぼ中心に位置する底面側には、公共マス6に固定するための短いボルトからなる固定部材を挿通させるための挿通孔3aが形成されている。
さらに、前記挿通孔3aと所要の間隔を存して同一線上に挿通孔3bが形成され、この挿通孔3bと相対するプラグ主体1aの外周部に挿通孔3cが形成され、長さが前記プラグ主体1aの直径より長いボルトからなる固定部材を挿通できるよう構成されている。
なお、前記挿通孔3b,3bの位置は適宜変更することができる。
【0021】
前記係合孔2,2は、公共マス6への取付手段としての機能を有するもので、具体的には、前記閉塞プラグ1の公共マス6への取り付け、取り外しに際して用いられる後述の操作部材7のフック7c,7cと係合する機能を有するものである。
前記係合孔2の位置や大きさ、形状などは、前記操作部材7のフックの大きさや形状に応じて適宜選択される。
【0022】
前記プラグ主体1aは、底面部近傍の外周部にはリング状の凹溝4が形成され、この凹溝4内にはゴムリング5が装着される。
なお、前記ゴムリング5を装着する凹溝4は、複数設けてもよい。
その際、前記ゴムリング5は、基本的には、全周に亘って径が同一のものが使用されるが、図7に示す、外周部の中央に突条の突出部5aを有するものを使用してもよい。
かかるゴムリング5は、より管体の内周面に密着するので止水性及び挿抜性(公共マスの流出口へ挿入したり、抜いたりする能力)が向上する。
【0023】
さらに、前記プラグ主体1aは、前記したように三つの挿通孔3a,3b,3cが形成されている。
これらの挿通孔3a,3b,3cは、いずれも前記プラグ主体1aを、公共マス6の内周面に係着させるための係止部材8を挿通させるためのものである。
【0024】
前記公共マス6は、図3および図4で明らかなように、上部に受口6aを、側面部に流入管9と連通する複数の流入口6b,6bを有し、かつ底面には流出口6cを有するものである。
なお、前記公共マス6の流出口6cは、横型の場合には、図4に示すように前記流出口6cが底面に沿って横方向に、縦型の場合には、図3に示すように底面に垂設されるようにそれぞれ設けられている。
前記各流出口6cには、流出管10が接続されている。
【0025】
前記係止部材8は、前記プラグ主体1aを公共マス6の流出口6cの基端部に係止させるためのものであって、基本的にはボルトとナットで構成され、各端部が前記挿通孔3aから突出する長さを有し、公共マス6と係合させて端部を突出させたのち、公共マス6の内部からナットを係合させて公共マス6に固定して使用されるものである。
【0026】
その際、図4に示すように、前記挿通孔3aに短いボルトの軸部を挿通し、その端部をプラグ主体1aから突出させるとともに、プラグ主体1a内にも軸部をある程度の長さで突出させた状態でナットによって固定することで係止部材8とし、当該プラグ主体1aを前記操作部材7のフック7c,7cを利用し、公共マス6に閉塞プラグ1を装着させてもよい。
なお、図8に示すように、挿通孔3aに代えて、突起からなる係止部材8をあらかじめ設けて公共マス6と係合・固定するようにしてもよい。
【0027】
かくして得たプラグ主体1aは、前記操作部材7を使用して受口6aから、例えば、図3に示すように縦型の公共マス6内に差込み、その開口部を受口6aに向けた状態で流出口6cの基端部に底面側から挿入すれば、プラグ主体1aは、外周部底部に装着したリング部材が流出口6cの内周面と密着するとともに、プラグ主体1aの上部外周部に突出した係止部材8の端部を、公共マス6を構成する内周面と当接させ、公共マス6内に固定させるものである。
【0028】
なお、この実施例においては、前記プラグ主体1aの外周部に設けるゴムリング5は、底面部近傍にのみ配置しているが、複数のゴムリング5を設けてもよい。
【0029】
図3に示す実施例では、係止部材8として、プラグ主体1aの外径よりも長いボルトを使用したが、各挿通孔3b,3cに短いボルトとナットからなる係止部材を使用することもできる。
この実施例ではボルトを使用しているが、所要の長さを有する軸部材も使用することができ、プラグ主体1aと軸部材の固定は接着でもよいものである。
さらに、各挿通孔3b,3cに係止部材8として、プラグ主体1aの外径よりも長いボルトを挿通させたが、挿通孔に代えて、公共マス6と係合・固定しうる係止部材をあらかじめ設けてもよい。
【0030】
さらにまた、前記操作部材7は、この実施例では軸杆7aの先端部にチャネル状のフック主体7bを取付け、各フック主体7bの先端部を折り曲げてフック7c,7cを形成したものであるが、先端部が前記プラグ主体1aの上部外周部に形成した係合孔2,2と係合可能な構成を有するものであれば、その構造に特段の制限はない。
【0031】
この実施例においては、前記操作部材7を用いて取付ける方法を示したが、受口6aから公共マス6内に差込み、その開口部を公共マス6内に向けた状態で流出口6cの基端部に挿入する方法であれば、これ以外の方法であってもよい。
例えば、図9に示すように、前記プラグ主体1aの上部外周部に突出部11を形成し、この突出部11に操作部材としてのパイプ12の一端を係合させて公共マスに取付ける方法や、図示しないが、前記プラグ主体1aの上部外周部に係合孔を有する突出部を形成するととともに、この係合孔に操作部材としてのチェーンを装着し、このチェーンを用いて公共マスに取付ける方法を選択することもできる。
【0032】
なお、前記プラグ主体1aについては、図10に示すように、その開口縁近傍の外周面に、一対の係合孔2,2を所定の間隔を存して設けるとともに、前記係合孔2,2間に挿通孔3aを形成し、この挿通孔3aと相対するプラグ主体1aの外周部に挿通孔3cを形成するようにしてもよい。
【0033】
この場合、図4に示した横型の公共マスへの取付けに際しては、挿通孔3aに短いボルトの軸部を挿通し、その端部をプラグ主体1aから突出させるとともに、プラグ主体1a内にも、軸部をある程度の長さで突出させた状態でナットによって固定することで係止部材8とし、当該プラグ主体1aを前記操作部材7のフック7c,7cを利用し、公共マス6に装着させる。
さらに、図3に示した縦型の公共マスへの取付けに際しては、各挿通孔3a,3cに係止部材8として、プラグ主体1aの外径よりも長いボルトを挿通させる。
【0034】
さらにまた、前記プラグ主体1aについては、図11に示すように形成してもよい。
この実施例においては、前記プラグ主体1aの開口縁近傍の外周面には、一対の係合孔2,2が所定の間隔を存して設けられるとともに、前記係合孔2,2間のほぼ中心に位置する底面側には、挿通孔3aが形成されている。
さらに、前記係合孔2,2と相対するプラグ主体1aの外周部に挿通孔3c,3cが形成されている。
なお、前記挿通孔3c,3cは少なくとも1つ形成されていればよい。
【0035】
この場合、図4に示した横型の公共マス6への取付けに際しては、挿通孔3aに短いボルトの軸部を挿通し、その端部をプラグ主体1aから突出させるとともに、プラグ主体1a内にも軸部をある程度の長さで突出させた状態でナットによって固定することで係止部材8とし、当該プラグ主体1aを前記操作部材7のフック7c,7cを利用し、公共マス6に装着させる。
なお、図3に示した縦型の公共マスへの取付けに際しては、係合孔2,挿通孔3cに係止部材8として、プラグ主体1aの外径よりも長いボルトを挿通させる。
【実施例】
【0036】
以下、この発明にかかる閉塞プラグの実施の一例を、具体的に説明する。
なお、この発明は図示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲内において種々改良を加えることができるものである。
【0037】
この発明の閉塞プラグ1を、横型の公共マスに取付ける方法について説明する。
この発明にかかる閉塞プラグ1を適用する公共マス6は、図4で明らかなように、側面部に複数の流入口6b,6bを有し、かつ底面に沿って流出口6cが横方向に開口されている。
【0038】
かかる横型の公共マス6に前記閉塞プラグ1を取付けるには、先ず閉塞プラグ1を構成するプラグ主体1aの、外周面上の開口側に設けられている一方の挿通孔3aに、短いボルトからなる係止部材8を挿通し、ナットで締め付けて固定する。
その際、前記プラグ主体1aの外周部にはゴムリング5が装着され、当該ゴムリング5が流出口6cの基端内周面と当接し、前記プラグ主体1aが安定的に保持される。
【0039】
ついで、係合孔2,2に、操作部材7のフック7c,7cを係合させたのち、前記閉塞プラグ1を、図4に示すように、その底部が流出口6c側に向くようにして、公共マス6の受口6aから徐々に下降させ、流出口6cに挿入させて装着する。
【0040】
前記閉塞プラグ1の流出口6cへの装着が終わると、前記操作部材7を外したのち、閉塞プラグ1に装着した前記係止部材8の頭部を、公共マス6の側面と前記流出口6cの連設部であるコーナーと当接させて、公共マス6内に前記閉塞プラグ1を固定する。
【0041】
なお、他方の挿通孔にはボルトからなる係止部材8は存在しないが、前記閉塞プラグ1の下方の外周面が公共マス6の内底面と当接し、かつ閉塞プラグ1の下部外周に装着したゴムリング5が公共マス6の内周面と密着するので、閉塞プラグ1は確実に公共マス6内に固定保持される。
【0042】
したがって、地表面に開口する受口6aから公共マス6内に土砂などが流入しても、流入した土砂等は、流出口6cに設けられた閉塞プラグ1によって阻止されるので、土砂などが下水道本管に流れ込むおそれがない。
【0043】
なお、横型の公共マス6において、この閉塞プラグ1を流出口に6cに装着する場合、当該閉塞プラグ1に形成した操作部材7のフック7c,7cと係合する係合孔2,2は、取り外しに備え、当該部位が公共マス6内に位置させることによって、公共マス6に対する閉塞プラグ1の着脱を容易に行うことができる。
【0044】
つぎに、縦型の公共マス6への閉塞プラグ1の取付けを、図3に基づいて説明する。
まず、前記閉塞プラグ1を構成するプラグ主体1aの、開口部近傍の外周面上に設けられている一対の挿通孔3b,3cに、当該プラグ主体の直径より長いボルトからなる係止部材8を挿通したのち、内側からナットを係合させてプラグ主体1aに固定する。
なお、この実施例において、前記ボルトからなる係止部材8は、内側からナットを係合させることにより固定されているが、外側からナットを係合させてもよい。
【0045】
前記係止部材8は、前記プラグ主体1aの下流側への移動(落下)を阻止する機能を有するものであって、前記プラグ主体1aの外周を架け渡すように設けられるので、着脱に際しては、前記閉塞プラグ1用の操作部材7と係合する機能をも有するものである。
【0046】
ついで、前記係止部材8の中央部に、前記操作部材7のフック7c,7cを係合させたのち、前記閉塞プラグ1を、図3に示すように、その底部が流出口6c側に向くようにして、公共マス6の受口6aから挿入して徐々に下降させ、前記係止部材8の各端部を公共マス6の受口6a下方の段部6dと当接されれば、前記閉塞プラグ1を公共マス6内に確実に保持することができる。
【0047】
したがって、縦型もしくは横型の公共マス6であっても、当該公共マス6の流出口6cはいずれの場合も、その開口基端部がこの発明の閉塞プラグ1によって完全に閉止されるので、公共の下水道本管に土砂などが流入するおそれが全くないものである。
【0048】
一方、前記流出口6cに装着した閉塞プラグ1を取り外す場合には、横型の公共マス6の場合には、プラグ主体1aの開口部近傍に設けた係合孔2,2に操作部材7のフック7c,7cを係合させて公共マス6内側に引き抜き、受口6aから取り出せばよい。
縦型の公共マス6の場合には、前記係止部材8に操作部材7のフック7c,7cを係合させ、上方に引き抜くことによって公共マス6から取外すことができる。
【0049】
前記実施例においては、有底円筒状の閉塞プラグを例として説明したが、閉塞プラグの形状として、図6に示されるような、有底の截頭円錐状を選択することによって、前記流出口に対する着脱をスムーズに行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
この発明は、排水管、特に排水マスないし公共マスに用いられる閉塞プラグに関するもので、この閉塞プラグは、横型の排水マスのみならず縦型の排水マスにも容易に配設することができ、下水本管へ雨水や土砂、排水等が流れ込むことを防ぐことができる。
したがって、排水管に適用できる閉塞プラグとして幅広く利用されるものである。
【符号の説明】
【0051】
1 閉塞プラグ
1a プラグ主体
2 係合孔
3,3a〜3c 挿入孔
4 リング状の凹溝
5 ゴムリング
5a 突出部
6 公共マス
6a 受口
6b 流入口
6c 流出口
6d 段部
7 操作部材
7a 軸杆
7b フック主体
7c フック
8 係止部材
9 流入管
10 流出管
11 突出部
12 パイプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11