(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
【0025】
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機であり、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられる額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
【0026】
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられる。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0027】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられる。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータにより制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくできる。
【0028】
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられる。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現される。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示する。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられる。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現される。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示する。
【0029】
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するようしてもよい。
【0030】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
【0031】
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
【0032】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0033】
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられる。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aにより検出される。
【0034】
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aにより検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16により開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることにより、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。
【0035】
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられる。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることにより実現される。
【0036】
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられる。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることにより実現される。
【0037】
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられる。合算保留記憶表示部18cで、第1保留記憶と第2保留記憶とに対応する保留表示が第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示される。
【0038】
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。左,中,右の演出図柄の3つの図柄表示エリアのそれぞれでは、たとえば、「0」〜「9」の数字図柄のような、所定の順番で配列された複数の演出図柄が可変表示(変動表示)される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
【0039】
また、
図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別可変入賞球装置20aが設けられる。第1特別可変入賞球装置20aは開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21aにより開閉板が開放状態に制御されることにより、入賞領域となる第1大入賞口が開放状態になる。第1大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。
【0040】
また、
図1に示すように、第1特別可変入賞球装置20aの下方には、第2特別可変入賞球装置20bが設けられる。第2特別可変入賞球装置20bは開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21bにより開閉板が開放状態に制御され、入賞領域となる第2大入賞口が開放状態になる。第2大入賞口に入賞した遊技球は第2カウントスイッチ23bで検出される。以下、第1特別可変入賞球装置20aと第2特別可変入賞球装置20bとを特別可変入賞球装置と総称することがあり、第1大入賞口と第2大入賞口とを大入賞口と総称することがある。
【0041】
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、第1大入賞口と第2大入賞口とが交互に開放状態になるように制御される。例えば、特定遊技状態において大入賞口を15回(15ラウンド)開放するときには、第1ラウンドとして、第1大入賞口が開放状態に制御され、入賞数が所定個に達すると(または所定の開放時間(例えば29秒)が経過すると)第1大入賞口が閉状態に制御されるとともに、第2ラウンドとして、第2大入賞口が開放状態に制御される。
【0042】
例えば、大入賞口(第1大入賞口)が1つだけ設けられ、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてその大入賞口が所定回数開放状態に制御される構成であれば、大入賞口に向かう遊技球は、大入賞口に達したときにラウンドが終了して大入賞口が閉状態に制御されると、そのままアウト口26に取り込まれる。これに対して、
図1に示すように、2つの大入賞口が上下に位置するように設けられ、特定遊技状態(大当り遊技状態)において交互に開放状態に制御される構成であれば、第1大入賞口に向かう遊技球は、第1大入賞口に達したときに第1ラウンドが終了して第1大入賞口が閉状態に制御されても、直下に設けられた第2大入賞口が第2ラウンドとして開放状態に制御されるため、第2大入賞口に入賞する可能性がある。このように構成することで、特定遊技状態(大当り遊技状態)のラウンド間に大入賞口に入賞せずアウト口26に取り込まれる遊技球の数を少なくできる。
【0043】
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられる。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(「○」および「×」)を可変表示する。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することにより可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられる。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aにより遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
【0044】
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することにより、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
【0045】
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられる。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられる。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられる。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられる演出用の発光体の一例である。上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
【0046】
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられる。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
【0047】
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9で演出図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
【0048】
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。
図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
【0049】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0050】
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(0)と上限値(65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0051】
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
【0052】
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
【0053】
また、RAM55は、一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によりバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
【0054】
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23aおよび第2カウントスイッチ23bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、第1大入賞口を形成する第1特別可変入賞球装置20aを開閉するソレノイド21aおよび第2大入賞口を形成する第2特別可変入賞球装置20bを開閉するソレノイド21bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
【0055】
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
【0056】
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、
図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
【0057】
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載する。RAMは外付けであってもよい。演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介し演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づき、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御をさせる。
【0058】
演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMは、その一部が電源基板において作成されるバックアップ電源によりバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMの一部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態を示すデータ(後述する、確変状態フラグや時短状態フラグ)は、バックアップRAMに保存される。この実施の形態では、後述する時短状態移行後の変動回数を計数するための時短後回数カウンタの値は、バックアップRAMには保存されない。
【0059】
演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPにより生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
【0060】
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
【0061】
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80で、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
【0062】
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。
【0063】
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
【0064】
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられる各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられる装飾LED25に駆動信号を供給する。LED以外の発光体が設けられる場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
【0065】
音声出力基板70で、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルをボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納される。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0066】
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、メイン処理を開始する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560がメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
【0067】
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
【0068】
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
【0069】
図4は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、
図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。
【0070】
タイマ割込処理において、CPU56は次のような処理を行なう。まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、電源基板に搭載された電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次に、入力ドライバ回路58を介し、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23aおよび第2カウントスイッチ23bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
【0071】
次に、第1大入賞口および第2大入賞口の異常を検出し、大入賞口異常を報知するための大入賞口異常報知処理を実行する(S21a)。
【0072】
S21aでは、第1大入賞口が開放状態であることを示す第1大入賞口開放フラグがセットされていない状態で第1カウントスイッチ23aによって遊技球が検出されているとき、または第2大入賞口が開放状態であることを示す第2大入賞口開放フラグがセットされていない状態で第2カウントスイッチ23bによって遊技球が検出されているときに、大入賞口異常が発生したと判断する。そして、大入賞口異常を報知する場合には、例えば、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする。S21aでセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことに基づいて、情報出力処理(S30)が実行されることによって、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。また、例えば、大入賞口異常を報知させるための大入賞口異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行ってもよい。この場合には、大入賞口異常報知指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、大入賞口異常が発生した旨を示す画面を演出表示装置9に表示する制御を行うことで大入賞口異常を報知する。
【0073】
次に、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10は、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
【0074】
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成する各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
【0075】
次に、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口(第1大入賞口および第2大入賞口)を所定の順序で制御する特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0076】
次に、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0077】
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
【0078】
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23aおよび第2カウントスイッチ23bの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23aおよび第2カウントスイッチ23bのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0079】
出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられるが、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
【0080】
また、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。出力バッファに設定された表示制御データに応じ、S22において駆動信号を出力することにより、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bで第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
【0081】
次に、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒毎に表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22で駆動信号を出力することにより、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
【0082】
以上の制御によって、遊技制御処理は2ms毎に起動される。遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。
【0083】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0084】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0085】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
【0086】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
【0087】
小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行することはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(ことにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。これにより、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0088】
図5は、予め用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。
図5に示すように、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴わない場合に対応した変動パターンとして、短縮非リーチはずれ及び非リーチはずれが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴う場合に対応した変動パターンとして、ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ及び擬似連3スーパーはずれが用意されている。
図5に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマルはずれを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパーはずれを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパーはずれを用いる場合には、再変動が3回行われる。再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。擬似連の演出では、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに、演出図柄を仮停止してから変動表示を再開させる再変動表示を所定回繰返し実行することにより、大当り遊技状態となるか否かを示唆することが可能である。擬似連の演出において仮停止される仮停止図柄の組合せは、擬似連チャンス目と呼ばれる。擬似連チャンス目としては、通常的な変動表示に用いられる演出図柄の配列に含まれる通常の演出図柄を仮停止させてもよく、通常的な変動表示に用いられる演出図柄の配列に含まれず、擬似連時にのみ出現する擬似連専用図柄を仮停止させてもよい。また、
図5に示す変動パターンのうち、短縮非リーチはずれは、非リーチはずれに対応して設けられた、非リーチはずれよりも変動時間が短い短縮用の変動パターンである。
【0089】
また、
図5に示すように、特別図柄の可変表示結果が通常大当りまたは確変大当りになる場合に対応した変動パターンとして、ノーマル当り、擬似連1当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当り、擬似連3スーパー当り及び擬似連4スーパー当りが用意されている。また、
図7に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマル当りを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパー当りを用いる場合には、再変動が2回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパー当りを用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連4スーパー当りを用いる場合には、再変動が4回行われる。
【0090】
また、
図5に示すように、特別図柄の可変表示結果が突然確変大当りまたは小当りになる場合に対応した変動パターンとして、特殊当りが用意されている。
【0091】
なお、
図5に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(擬似連(3回)ありのスーパーリーチの場合には変動時間が40秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチの場合には変動時間が25秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間を短くしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせてもよい。
【0092】
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)(3)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、変動パターン判定テーブルに含まれるいずれかの変動パターンに決定する。
【0093】
図4に示されたS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
【0094】
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)で用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態で用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、
図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、
図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定される。
図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
【0095】
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されたテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、
図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、
図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、
図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
【0096】
所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が
図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が
図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。
図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、
図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0097】
図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
【0098】
図7(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、
図7(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、
図7(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
【0099】
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図7(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して3個の判定値が割当てられている(40分の3の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振分けを行わない(第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。テーブルに設定される判定値は、個数が異なるとともに重複して割当てられない。
【0100】
図7(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。「確変大当り」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。S170,S171)。確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(S134)。
【0101】
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するS167)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するS142〜S145)。時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するS134)。
【0102】
「突然確変大当り」は、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。その2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171)。確変状態に移行後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(S134)。
【0103】
前述したように、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するS147〜S151)。これにより、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
【0104】
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であり、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した大当り種別判定値が設定されている。ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
【0105】
図8は、ROM54に記憶されている変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態等に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。抽出したランダム3の(1〜997)の値が変動パターンごとに割当てられたデータ(判定値)と一致した場合に、変動パターンを、一致した変動パターンの判定値に対応するパターンに決定する。
図8に示す例では、変動パターンごとに割当てられる判定値の割合が示されている。例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がされている場合(
図8の「はずれ」フィールド)においては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの50%が、変動パターン「非リーチはずれ」に設定されている。つまり、
図8に示す例では、変動パターン判定テーブルに設定された各値は、可変表示結果が「はずれ」、「はずれ(時短時)」、「通常大当り/確変大当り」または「突然確変大当り/小当り時」である場合に、対応付けられた変動パターンに決定される割合を示している。
【0106】
図8に示すように、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がされている場合(
図8の「はずれ」フィールド)には、複数種類の変動パターンのうち、「非リーチはずれ」と判定される割合が最も高く、「擬似連3スーパーはずれ」と判定される割合が最も低い。また、時短状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がされている場合(
図8の「はずれ(時短時)」フィールド)では、「はずれ」フィールドとは異なり「非リーチはずれ」と判定されることがなく、「短縮非リーチはずれ」と判定される割合が高くなるように判定値が割当てられる。このように設定することにより、時短状態では変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。
【0107】
また、可変表示結果を「通常大当り」または「確変大当り」にする旨の判定がされている場合(
図8の「通常大当り/確変大当り」フィールド)においては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち、「擬似連3スーパー当り」と判定される割合が最も高く、「擬似連1ノーマル当り」と判定される割合が最も低くなるように判定値が割当てられている。すなわち、「通常大当り/確変大当り」フィールドにおいては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち擬似連回数が多い方の変動パターンが選択されやすい。したがって、擬似連演出は、擬似連回数が多い方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。また、
図8に示す例では、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当り及び擬似連1ノーマル当り)は、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当り及び擬似連3スーパー当り)よりも、可変表示結果が「はずれ」のに選択されやすい。逆に、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当り及び擬似連3スーパー当り)は、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当り及び擬似連1ノーマル当り)よりも、可変表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」のときに選択されやすい。したがって、ノーマルリーチを伴う変動パターンよりもスーパーリーチを伴う変動パターンの方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。
【0108】
また、
図8に示す例では、可変表示結果を「突然確変大当り」または「小当り」にする旨の判定がされている場合(
図8の「突然確変大当り/小当り」フィールド)においては、変動パターンは「特殊当り」と判定される。
【0109】
図9および
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図9および
図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、
図5に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
【0110】
8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否かおよび大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じ演出図柄の表示結果を決定するので、8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
【0111】
8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
【0112】
8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
【0113】
9000(H)は、遊技機に対し電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。9200(H)は、遊技機に対し電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対し電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
【0114】
95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。後述する入賞時演出処理(
図15)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
【0115】
図11は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図11に示すように、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したとかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。例えば、第1始動入賞口13への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口13への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「14(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「21(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「34(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
【0116】
9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。A001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
【0117】
A1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。A301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。A302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定するコマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。A303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定するコマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
【0118】
B000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定するコマンド(通常状態指定コマンド)である。B001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定するコマンド(時短状態指定コマンド)である。B002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定するコマンド(確変状態指定コマンド)である。C0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。C0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。C1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
【0119】
演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100(これにより演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、
図9および
図10に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
【0120】
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
【0121】
演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。
【0122】
演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期し出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立上がったことを検出し、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0123】
図9および
図10では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンド種類を増大させない。
【0124】
図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理においてCPU56は次のような処理を行なう。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口(第1大入賞口および第2大入賞口)を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしたときに所定の処理をする始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
【0125】
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
【0126】
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。変動パターン判定用の乱数(ランダム3)を抽出し、
図8に示された変動パターン判定テーブルを用い、大当り種別や遊技状態等に応じて、抽出した変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
【0127】
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。実行される特別図柄の変動表示について、大当りフラグ、小当りフラグ、および、大当り種別バッファに設定されたデータ等の各種データを確認することにより、当りであるか否か、小当りであるか否か、および、大当りであるときの大当りの種別等の表示結果を判定し、判定した変動表示結果に対応する表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
【0128】
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンを実行し、当該変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
【0129】
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合は、大当り開始1指定コマンド等の大当りの種別に対応した大当り開始指定コマンドの送信、通常状態指定コマンドの送信、大当り表示時間タイマの設定、および、開放回数カウンタへの大当りの種別に対応した開放回数のセットをし、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、確変フラグがリセット状態でかつ時短フラグがセット状態のときに時短回数カウンタ(時短状態での特別図柄の変動回数を計数するカウンタ)を−1減算更新し、時短回数カウンタが0になると時短フラグをリセット状態にして通常状態指定コマンドを送信する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドの送信、小当り表示時間タイマの設定、および、開放回数カウンタへの小当りの開放回数のセットをし、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合は、そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9で演出図柄が停止されるように制御する。
【0130】
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(大入賞口(第1大入賞口または第2大入賞口)に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21aまたはソレノイド21bを駆動して第1大入賞口または第2大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
【0131】
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
【0132】
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。具体的には、大当りフラグをリセットして、大当りの種別に応じた大当り終了指定コマンドを送信した後、大当り終了表示結果を所定期間実行する。そして、通常大当りであったときは、時短フラグのセット、時短回数カウンタのセット(100回の変動回数)、および、時短状態指定コマンドの送信をした後、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。また、確変大当りまたは突然確変大当りであったときは、確変フラグのセット、時短フラグのセット、および、確変状態指定コマンドの送信をした後、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0133】
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口(第1大入賞口または第2大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(大入賞口(第1大入賞口または第2大入賞口)に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21aまたはソレノイド21bを駆動して第1大入賞口または第2大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
【0134】
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
【0135】
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0136】
図13は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。CPU56は、以下のような処理をする。始動口スイッチ通過処理において、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(これにより第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
【0137】
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
【0138】
第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
【0139】
図14(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。
図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。
図14(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。保留特定領域は、RAM55に形成されている。
【0140】
次に、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(
図14(B))における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
【0141】
図14(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。
図14(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
【0142】
次に、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、第1保留記憶数カウンタの値に基づいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、その後、入賞時演出処理の判定結果に基づいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218)。S1218の処理を実行することによって、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず第1保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
【0143】
なお、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行してもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、
図14(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく入賞時演出処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口14に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避できる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時演出処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止できる。大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値で確認される。その場合、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7のいずれかであるときに大当り遊技中であると判定する。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では入賞時演出処理を常に行い、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限してもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で、高ベース状態や大当り遊技中であるときに、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく入賞時演出処理(先読み演出)の実行を制限する構成である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことに基づく先読み演出のみを実行可能とし、低ベース状態では第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく先読み演出のみを実行可能とする(低ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことに基づく入賞時判定結果指定コマンドを受信しても先読み演出を実行すると決定しない)ようにしてもよい。
【0144】
次に、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(これにより第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
【0145】
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
【0146】
次に、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(
図20(B))における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。S1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
【0147】
次に、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、第2保留記憶数カウンタの値に基づいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、その後、入賞時演出処理の判定結果に基づいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1229)。
【0148】
S1229の処理を実行することによって、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず第2保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
【0149】
図15は、S1217,S1218の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予めいずれの変動パターンとなるか否かを確認する。これにより、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
【0150】
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61)とは、必ずしも一致するとは限らない。
【0151】
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図7(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(
図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1217)を実行する場合)には、
図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(
図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1228)を実行する場合)には、
図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
【0152】
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S224)。S224において、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否か(これにより時短フラグがセットされているか否か)を判定する。始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS224で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61)とは、必ずしも一致するとは限らない。
【0153】
そして、S224の判定結果に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する(S225)。具体的には、遊技状態が確変状態もしくは時短状態であると判定した場合には、
図8に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する。また、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、
図8に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する。
【0154】
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、
図8に示す変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S226)。
【0155】
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、S1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S227)。第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(
図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1217)を実行する場合)には、
図7(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(
図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1228)を実行する場合)には、
図7(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
【0156】
そして、S227で判定した大当り種別に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する。(S228)。具体的には、「通常大当り」または「確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択する。また、「突然確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。
【0157】
次に、S225,S226,S228で設定した変動パターン判定テーブルのフィールドと、S1216,S1227で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)とを用いて、変動パターンを判定する(S229)。
【0158】
そして、判定した変動パターンを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。具体的には、S229でいずれの変動パターンになると判定したかに応じて、
図11に示すような「00(H)」〜「33(H)」のいずれかの値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
【0159】
第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(
図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1217A)を実行する場合)には、S229で「非リーチはずれ」の変動パターンになると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」(
図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1217A)を実行する場合には「22(H)」)を設定する処理を行う。S229で「擬似連3スーパー当り」の変動パターン種別になると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「12(H)」(
図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1217A)を実行する場合には「32(H)」)を設定する処理を行う。
【0160】
なお、保留記憶数が異なっていても同じ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが判定されるが、保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合には、保留記憶数にかかわらず、例えば、ノーマルリーチやスーパーリーチ等を伴う変動パターンになるか否かを変動パターン判定用乱数(または変動パターン種別判定用乱数)から判定し、判定結果に基づいて入賞時判定結果指定コマンドを送信してもよいし、特定の変動パターン(特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターン等)になると判定されたときに、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信してもよい。また、例えば、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であるか否かを判定し、判定結果を示すコマンドを、入賞時判定結果指定コマンドとして、または入賞時判定結果指定コマンドとは別に送信してもよい。
【0161】
図16および
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
【0162】
合算保留記憶数が0でなければ、保留特定領域(
図14(A))に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
【0163】
S52〜S54の処理が実行されることにより、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、第1特別図柄と第2特別図柄との一方の変動表示を優先して実行してもよい。例えば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合には、S52において第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認し、1以上であればS54に移行し、0であればS53に移行するようにする。
【0164】
次に、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的に、特別図柄ポインタが「第1」を示す場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
【0165】
そして、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的に、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合は、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファでの各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合は、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファでの各保存領域の内容をシフトする。
【0166】
特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
【0167】
各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応する保存領域に格納されている各乱数値の抽出順番は、常に第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。各合算保留記憶数に対応する保存領域に格納されている各値の抽出順番は、常に合算保留記憶数=1〜8の順番と一致する。
【0168】
S56において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算すると、減算された保留記憶数カウンタのカウント値に基づいて第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示を変更する制御も行う。
【0169】
そして、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
【0170】
また、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S59)。特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、第1保留記憶数指定コマンドを送信する。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、第2保留記憶数指定コマンドを送信する。
【0171】
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理がされる。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化できる。
【0172】
次に、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する。第1始動口スイッチ通過処理のS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値や小当り判定値(
図7)と大当り判定用乱数とを比較し、一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
【0173】
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなる。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における
図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における
図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられる。遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
【0174】
現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否か行われる。確変フラグは、確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
【0175】
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、小当り判定テーブル(
図7(B),(C))を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、
図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、
図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
【0176】
ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。S71では、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的に、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、
図7(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、
図7(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
【0177】
次に、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。この場合、第1始動口スイッチ通過処理のS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、
図7(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
【0178】
また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
【0179】
次に、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
【0180】
図18は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
【0181】
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S403)。ラウンド数を大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。次に、第1大入賞口が開放状態であることを示す第1大入賞口開放フラグまたは第2大入賞口が開放状態であることを示す第2大入賞口開放フラグがセットされているか否かを確認し(S404)、いずれもセットされていなければ、第1大入賞口開放フラグをセットする(S406a)。いずれかがセットされており、そのうちの第1大入賞口開放フラグがセットされていなければ(S405のN)、すなわち第2大入賞口開放フラグがセットされていれば、第2大入賞口開放フラグをリセットし、第1大入賞口開放フラグをセットする(S408)。次に、ソレノイド21aを駆動して第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置20a)を開放する制御を行う(S407)。一方、S405で第1大入賞口開放フラグがセットされていれば(第2大入賞口開放フラグがセットされていなければ)、第1大入賞口開放フラグをリセットし、第2大入賞口開放フラグをセットする(S408)。次に、ソレノイド21bを駆動して第2大入賞口(第2特別可変入賞球装置20b)を開放する制御を行う(S409)。
【0182】
第1大入賞口と第2大入賞口とが交互に開放され、いずれの大入賞口が開放されているかは、第1大入賞口開放フラグと第2大入賞口開放フラグとの状態によって把握される。S405で第1大入賞口開放フラグがセットされていると判定された状態とは、前回のラウンドで第1大入賞口が開放された状態であるため、次のラウンドとして、第1大入賞口開放フラグがリセットされ、第2大入賞口開放フラグがセットされるとともに、第2大入賞口を開放する制御が行われる。また、S404で第1大入賞口開放フラグと第2大入賞口開放フラグとのいずれもセットされていないと判定された状態とは、いずれの大入賞口もまだ開放されていない大当り遊技が開始された状態であるため、第1ラウンドとして、第1大入賞口開放フラグがセットされるとともに、第1大入賞口を開放する制御が行われる。
【0183】
その後、開放回数カウンタの値を−1する(S410)。また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(S411)。例えば、15ラウンド大当りの場合には最大時間は29秒であり、突然確変大当りまたは小当りの場合には最大時間は0.5秒である。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S412)。
【0184】
図19、
図20は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
【0185】
そして、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。S421とS432の判定順は逆でもよい。
【0186】
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、第1大入賞口開放フラグがセットされているか否かを確認し(S435a)、セットされていれば、ソレノイド21aを駆動して第1大入賞口を閉鎖する制御を行い(S435b)、セットされていなければ(第2大入賞口開放フラグがセットされている場合)、ソレノイド21bを駆動して第2大入賞口を閉鎖する制御を行う(S435c)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
【0187】
次に、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(S440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。S440で設定されるインターバル期間は、例えば5秒である。突然確変大当りや小当りのときは15R大当りより短い期間としてもよい。また、S440では、インターバル期間を、15R大当りの場合には極めて短期間(例えば1秒)に設定し、突然確変大当りや小当りのときは、それより長い期間に設定してもよい。これにより、15R大当りの場合には、第1大入賞口が閉状態に制御されてから第2大入賞口が開放状態に制御されるまでの期間を短くすることができ、第1大入賞口が閉状態に制御されるタイミングで第1大入賞口に達した遊技球が、アウト口26に取り込まれれず第2大入賞口に入賞する可能性を高めることができる。なお、開放状態に制御する対象を第2大入賞口から第1大入賞口に切替えるときのインターバル期間を、第1大入賞口から第2大入賞口に切替えるときのインターバル期間よりも短くしてもよい。これにより、遊技球がいずれの大入賞口にも入賞しない事態の発生割合を抑えることができる。
【0188】
開放回数カウンタの値が0である場合には、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S442)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新する(S443)。
【0189】
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図21は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(これにより演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0190】
演出制御処理において、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次に、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
【0191】
次に、大当り図柄決定用乱数等の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
【0192】
図22は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。
【0193】
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(
図9および
図10)であるのか解析する。
【0194】
図23〜
図24はコマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納され、コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0195】
コマンド解析処理において、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
【0196】
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S621)、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S623)。
【0197】
受信したコマンドが表示結果指定コマンドであれば(S625)、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されてた表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S626)。受信したコマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S627)、確定コマンド受信フラグをセットする(S628)。受信したコマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S651)、第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数とし第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S654)、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数として第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。
【0198】
次に、受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであれば(S664)、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた領域に保存し(S665)、先読み演出決定処理を行う(S671)。始動入賞時に大当りの有無や変動パターンを判定し、判定結果をそれぞれ別のコマンドで送信する場合には、S664において、始動入賞時の判定処理に基づいて送信される全てのコマンドを受信しているか否かを確認することによって、コマンドの送受信処理が正常に行われているか否かを判断できる。
【0199】
演出制御用マイクロコンピュータ100において、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のS1218においては、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、S1228においては、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。S665の処理で、例えば、入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた保存領域にセットする。入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(
図11)。また、入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理(S1800の処理が実行されるタイミング等)において、先にセットされたものから順に削除される。遊技制御用マイクロコンピュータ560で第1保留記憶数、第2保留記憶数および合算保留記憶数を管理し、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された第1保留記憶数または第2保留記憶数を指定するコマンドに基づいて、第1保留記憶数、第2保留記憶数および合算保留記憶数が認識され、認識されたそれらの保留記憶数の値が演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される処理に用いられている。
【0200】
図25は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。
図25に示すように、入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた8個の保存領域が確保されている。また、入賞時判定結果に基づいて、入賞時判定結果によって特定される変動表示が大当りとなる可能性があることを、特定される変動表示に対応する保留表示を通常態様以外の表示態様に変化させて表示することにより予告する先読み演出が実行される。そのため、
図25に示す例では、入賞時判定結果(入賞時判定結果によって特定される変動表示および特定される変動表示に対応する保留表示)に対応付け可能な先読み演出に関連するデータとして、現在の保留表示の表示態様を示す保留表示態様と、先読み演出により最終的にどの表示態様に変化させて表示するかを示す最終表示態様と、実行される先読み演出のパターンを示す先読み演出パターンと、先読み演出が実行される場合の保留表示が変化するタイミング(本例では保留表示が何回シフトしたタイミングで変化するか)を示すシフト回数カウンタと、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する示唆演出の態様を示す示唆演出態様(
図25の例では保留表示が変化するタイミングで実行される示唆演出態様)とが示されてる。
【0201】
入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理(S1800の処理が実行されるタイミング等)で、先にセットされたものから順に削除され、対応する保留表示も同時にシフトして表示される。例えば、
図25(A)に示す状態で、後述する演出図柄変動開始処理(S1800の処理が実行されるタイミング等)が1回行われると、入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、
図25(B)に示す状態に移行する。さらに演出図柄変動開始処理(S1800の処理が実行されるタイミング等)が2回行われると、入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、
図25(C)に示す状態に移行する。
【0202】
なお、
図25に示す例では、入賞時判定結果が第1始動入賞と第2始動入賞とのいずれに基づくものであるかが特定されているため、後述するS67111の処理において、第1始動入賞に基づく保留表示と第2始動入賞に基づく保留表示とを異なる表示態様で表示する(第1始動入賞に基づく保留表示を赤色で表示し、第2始動入賞に基づく保留表示を青色で表示する)ようにしてもよい。
【0203】
また、第1特別図柄と第2特別図柄との一方の変動表示を優先して実行する場合には、いずれの入賞時判定結果であるかを区別するために、第1始動入賞口13への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとを設けてもよい。この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(たとえば4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2入賞時判定結果記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(たとえば4)に対応した保存領域が確保されている。また、この場合は、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファには、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータが記憶される。入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファ)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMに形成される。
【0204】
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S683)。そして、S611に移行する。
【0205】
次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の変動(リーチ演出を含む等)となることを予告する予告演出のことである。先読み演出として、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(後述する特殊態様または第1特別態様もしくは第2特別態様)に変化して表示される演出が行われる。
【0206】
図26は、先読み演出決定処理を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。合算保留記憶数が1より大きいか否かを確認する(S67101)。演出制御用マイクロコンピュータ100で、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。合算保留記憶数が1より大きくなければ、合算保留記憶表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67111)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合には、6つ目の保留表示を通常態様で表示するように制御する。先読み演出として保留表示の表示態様を変化させるタイミングが保留表示をシフトさせるタイミングに限られているため、シフトする機会がない合算保留記憶数が1の場合には先読み演出が実行されないが、先読み演出として始動入賞時にも表示態様を変化させる(または最初から通常態様以外の表示態様で表示させる)ことを許容する場合は、合算保留記憶数が1の場合にも先読み演出が実行され得るため、S67101の処理が省略される。また、合算保留記憶数が1のときにも先読み演出の実行を許容する場合でも、例えば、後述する第2先読み演出パターン(保留表示の表示態様が2回変化する)に基づいて先読み演出が実行されることは制限してもよい。
【0207】
合算保留記憶数が1より大きければ、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する最新の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果)を抽出する(S67102)。
【0208】
次に、抽出した入賞時判定結果に基づいて、先読み演出を実行するか否かを決定する(S67104)。保留表示が通常態様以外の表示態様に変化中であること(合算保留記憶表示部18cにおいて通常態様以外の表示態様で保留表示が表示されていること)を示す保留表示変化中フラグの状態に応じて、
図27に示す先読み演出実行決定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを決定する。
【0209】
図27は、先読み演出実行決定テーブルを示す説明図である。先読み演出実行決定テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に対応する判定値が割当てられているが、
図27に示す例では、説明を簡略化するために、割当てられた判定値の割合が示されている。例えば、先読み演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割当てられている決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に決定する。したがって、
図27に示す例では、各入賞時判定結果における「先読み演出を実行する」と「先読み演出を実行しない」とに対応する数値は、決定事項として「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」が選択される割合(%)を示している。
【0210】
図27に示す先読み演出実行決定テーブルの他に、
図28(A)に示す最終表示態様決定テーブル、
図28(B),(C)に示す先読み演出パターン決定テーブル、
図29〜
図32に示す先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルおよび
図33に示す示唆演出態様決定テーブルについても、実際には判定値が割当てられているが、説明を簡略化するために割当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するS67106、S67107、S67108、S67110においても、S67104と同様に、最終表示態様、先読み演出パターン、変化タイミング(シフト回数)または示唆演出の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割当てられている事項に決定する。
【0211】
S67104では、保留表示変化中フラグの状態に応じて、
図27(A)に示す先読み演出実行決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)または
図27(B)に示す先読み演出実行決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)を選択する。そして、抽出した最新の入賞時判定結果に基づいて、選択した先読み演出実行決定テーブルにおいて入賞時判定結果ごとに定められた割合で、先読み演出を実行するか否かを決定する。入賞時判定結果で「短縮非リーチはずれ」であることが示されているときには、保留表示変化中フラグの状態にかかわらず、100%の割合で先読み演出を実行しないと決定する。入賞時判定結果で「擬似連3スーパー当り」であることが示されており、保留表示変化中フラグがセットされていないときには、97%の割合で先読み演出を実行すると決定し、保留表示変化中フラグがセットされているときには、50%の割合で先読み演出を実行すると決定する。
【0212】
図27に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1(21)指定〜入賞時判定結果7(27)指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8(28)指定〜入賞時判定結果13(33)指定に相当)の方が、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。また、
図27に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、同じ表示結果でも、期待度が高いリーチ演出が行われる方が(例えばノーマルリーチよりもスーパーリーチが行われる方が)、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることにより、先読み演出が実行されたときには、先読み演出が実行されないときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われる割合を高くできる。したがって、先読み演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
【0213】
また、
図27に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、保留表示変化中フラグがセットされているとき(合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているとき)には、保留表示変化中フラグがセットされていないとき(合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれの保留表示も通常態様以外の表示態様で表示されていないとき)に比べて、先読み演出が実行される割合が低くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、既に合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、新たに先読み演出が実行されることが少なくなるため、例えば保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する示唆演出が実行されたときに、通常態様で表示されている保留表示よりも、通常態様以外の表示態様で表示されている保留表示の表示態様がさらに変化する割合を高くできる(つまり、先に開始されている第2先読み演出パターンに基づく先読み演出(詳細は後述する)によって特殊態様から特別態様に変化して表示される割合を高くできる)。詳細については後述するが、保留表示の表示態様として、通常態様の他に、特殊態様、第1特別態様および第2特別態様が設けられ、それぞれ大当りとなる期待度が異なる(厳密には、最終表示態様が特殊態様であれば大当りとなる期待度は0であるが、特殊態様の保留表示は第1特別態様または第2特別態様に変化する可能性があるため、保留表示が特殊態様で表示されることにも大当りとなる期待度があるといえる)。そのため、遊技者にとっては、より大当りとなる期待度が高い表示態様に変化することが望ましい。そのため、既に合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、その保留表示がさらに大当りとなる期待度が高い表示態様に変化しやすいため、先読み演出(示唆演出)が実行されるときの保留表示の表示態様にも関心を持たせることができ、先読み演出の興趣を高めることができる。
【0214】
なお、
図27に示す例では、入賞時判定結果で「非リーチはずれ」である場合にも1%の割合で先読み演出を実行すると決定されるが、「非リーチ」(「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」)の場合には、先読み演出を実行すると決定されないようにしてもよい。また、
図27に示す例では、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。
【0215】
次に、先読み演出を実行すると決定した場合には(S67105のY)、S67106に移行する。一方、先読み演出を実行しないと決定した場合には(S67105のN)、合算保留記憶表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67111)。
【0216】
次に、先読み演出において、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示を、最終的にどの表示態様で表示するかを決定する(S67106)。保留表示の表示態様として、通常態様(本例では「○」で表示される(
図36))の他に、特殊態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)、第1特別態様(本例では「○」内に「△」が含まれる)および第2特別態様(本例では「○」内に「○」が含まれる)が設けられる。ただし、後述するように、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されるまでに、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されることがある。
【0217】
図28(A)は、最終表示態様決定テーブルを示す説明図である。S67106において、
図28(A)に示す最終表示態様決定テーブルを用いて、最終的にどの表示態様で表示するか(以下、最終表示態様ともいう)を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果に基づいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1(21)指定〜入賞時判定結果7(27)指定に相当)には、最終表示態様を60%の割合で特殊態様に決定し、30%の割合で第1特別態様に決定し、10%の割合で第2特別態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8(28)指定〜入賞時判定結果12(32)指定に相当)には、最終表示態様を20%の割合で第1特別態様に決定し、80%の割合で第2特別態様に決定する。
【0218】
図28(A)に示す最終表示態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1(21)指定〜入賞時判定結果7(27)指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8(28)指定〜入賞時判定結果12(32)指定に相当)の方が、第2特別態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示が第2特別態様で表示されたときには、第1特別態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くできる。したがって、第1特別態様よりも第2特別態様で表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されたときに、保留表示がどの表示態様で表示されるかについて着目させることができる。また、最終表示態様が特殊態様であるときには、必ず変動表示の表示結果が「はずれ」であるため、特殊態様で表示された保留表示は、特別態様に変化しやすいが(後述する第2先読み演出パターンに基づく先読み演出による)、変化しなければ対応する変動表示の表示結果が必ず「はずれ」となる。したがって、保留表示が特殊態様で表示されたときに、その保留表示の表示態様が変化するか否かに関心を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。
【0219】
図28(A)に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されているが、「通常大当り」と「確変大当り」とで異なる判定値(割合)が設定されていてもよいし、表示結果が「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」であっても、少ない割合であれば最終表示態様が特殊態様に決定されるように判定値(割合)が設定されていてもよい。
図27の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。これにより、保留表示が第2特別態様で表示されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くできる。また、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに最終表示態様を決定する場合に、最終表示態様が特殊態様と決定されるのは、入賞時判定結果で示される変動パターンが入賞時判定結果2(22)「非リーチはずれ」の場合のみとしてもよい。これにより、特殊態様で表示された保留表示は、特別態様に変化しやすいが(後述する第2先読み演出パターンに基づく先読み演出による)、変化しなければ、対応する変動表示がリーチ状態にもならずにはずれとなる。そのため、特殊態様で表示された保留表示の表示態様が変化するか否かによって、変動表示の内容および表示結果に大きいな差をつけることができ、遊技興趣を高めることができる。
【0220】
また、最終表示態様として第1特別態様と第2特別態様との2種類の表示態様が設けられるが、これに限らず、3種類以上の表示態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
【0221】
次に、先読み演出の演出パターン(以下、先読み演出パターンともいう)を決定する(S67107)。先読み演出パターンとして、第1先読み演出パターン、第2先読み演出パターンおよび第3先読み演出パターンが設けられる。第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで通常態様で表示され、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで、通常態様から特殊態様に変化して表示される。また、第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで通常態様で表示され、任意の第1シフトタイミングで通常態様から特殊態様に変化して表示され、第1シフトタイミング後の予告対象の変動表示が開始されるまでの任意の第2シフトタイミングで特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。また、第3先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで通常態様で表示され、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。
【0222】
保留表示のシフトタイミングとは、新たな変動表示が開始されるタイミングであって、後述する演出図柄変動開始処理において、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新するタイミング(これによりS1800が実行されるタイミング)である。合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミング(新たな変動表示が開始されるタイミング)で1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされ、4つ目に表示されていた保留表示が3つ目の表示領域にシフトされ、5つ目に表示されていた保留表示が4つ目の表示領域にシフトされる。
【0223】
図28(B),(C)は、先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。S67107において、合算保留記憶数に基づいて、先読み演出パターン決定テーブルを選択し、選択した先読み演出パターン決定テーブルを用いて、先読み演出パターンを決定する。これにより合算保留記憶数が2の場合には、
図28(B)に示す先読み演出パターン決定テーブル(合算保留記憶数=2)を選択し、合算保留記憶数が2より大きいの場合には、
図28(C)に示す先読み演出パターン決定テーブル(合算保留記憶数>2)を選択する。第2先読み演出パターンは、表示態様が2段階(通常態様から特殊態様、特殊態様から特別態様)変化するため、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示に少なくとも2回以上のシフトタイミングがなければ、全ての変化が終わる前に保留表示が消去されてしまい、実行することができない。したがって、合算保留記憶数が2の場合(最新の入賞時判定結果に対応する保留表示に2回以上のシフトタイミングがない場合)には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定された
図28(B)に示す先読み演出パターン決定テーブル(合算保留記憶数=2)が用いられる。そして、選択した先読み演出パターン決定テーブルを用いて、S67106で決定した最終表示態様ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターン、第2先読み演出パターンおよび第3先読み演出パターンのいずれかに決定する。
【0224】
S67106で決定した最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様であり、合算保留記憶数が2である場合には、先読み演出パターンを、100%の割合で第3先読み演出パターンに決定する。S67106で決定した最終表示態様が第1特別態様であり、合算保留記憶数が2より大きい場合には、先読み演出パターンを、80%の割合で第2先読み演出パターンに決定し、20%の割合で第3先読み演出パターンに決定する。S67106で決定した最終表示態様が第2特別態様であり、合算保留記憶数が2より大きい場合には、先読み演出パターンを、60%の割合で第2先読み演出パターンに決定し、40%の割合で第3先読み演出パターンに決定する。また、例えば、S67106で決定した最終表示態様が特殊態様である場合には、合算保留記憶数に関わらず、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンに決定する。なお、保留表示の表示態様が変化するタイミングは、シフトタイミングのみであるが、これに限らず、例えば、変動中のリーチ発生前や、1つ目の演出図柄が停止する前、2つ目の演出図柄が停止する前、リーチ中、変動停止時等の任意のタイミングでも変化可能としてもよい。この場合、何回目のシフトタイミングで変化させるかを決定するだけでなく、どのタイミングで変化させるかを決定すればよい。任意のタイミングで保留表示の表示態様を変化可能とする場合には、合算保留記憶数が2つの場合であっても、第2先読み演出パターン(保留表示の表示態様が2回変化する)に基づき先読み演出を実行させることを許容してもよい。
【0225】
図28(B),(C)に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、最終表示態様が第1特別態様である場合に比べて、第2特別態様である場合の方が、第3先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第3先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(始動入賞時に保留表示が通常態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(保留表示が通常態様から特殊態様に変化して表示され、さらに特殊態様から特別態様に変化して表示されるとき)に比べて、大当りとなる期待度が第1特別態様よりも高い第2特別態様に最終的に変化して表示される割合が高くなる。したがって、先読み演出パターンごとに大当りとなる期待度を異ならせることができ、先読み演出がどの先読み演出パターンで実行されるかについて着目させることができる。なお、第3先読み演出パターンで先読み演出が行われたときには、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたときに比べて、大当りとなる期待度が高い第2特別態様に最終的に変化して表示される割合が高くなるように設定されているが、これに限らず、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたときには、第3先読み演出パターンで先読み演出が行われたときに比べて、大当りとなる期待度が高い第2特別態様に最終的に変化して表示される割合が高くなるようにしてもよい。すなわち、第2先読み演出パターンが第3先読み演出パターンよりも大当りとなる期待度が高くなるようにしてもよい。
【0226】
また、
図28(C)に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、通常態様の保留表示が特別態様に変化する第3先読み演出パターンよりも、特殊態様の保留表示が特別態様に変化する第2先読み演出パターン方が、先読み演出パターンとして決定される割合が高いことである。このように設定されることによって、通常態様の保留表示よりも特殊態様の保留表示の方が、特別態様に変化して表示される割合が高くなる。したがって、特殊態様の保留表示を通常態様の保留表示よりも特別態様に変化させやすくすることができ、保留表示が特殊態様で表示されたときの期待感を高めることができる。
【0227】
なお、説明を簡略化するために、第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から特殊態様に変化して表示されるタイミングと、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から特殊態様に変化して表示される第1タイミングおよび特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される第2タイミングと、第3先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングとを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、これに限らず、他のタイミングであってもよい。例えば、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される変動表示中(1つの変動表示または複数の変動表示にまたがった期間)の任意のタイミングで表示態様を変化させるようにしてもよい。この場合には、例えば、合算保留記憶数が1の場合にも、先読み演出を実行可能とし、さらに合算保留記憶数にかかわらず第2先読み演出パターンを決定可能とし、始動入賞時に保留表示を通常態様で表示し、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに通常態様から特殊態様に変化して表示させ、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示させるようにしてもよい。
【0228】
また、第1先読み演出パターン〜第3先読み演出パターンの3つのパターンについて説明するが、これに限らず、例えば、通常態様から第1特別態様に変化し、さらに第2特別態様に変化するパターンや、通常態様から特殊態様、特殊態様から第1特別態様に変化し、さらに第2特別態様に変化するパターンを用いてもよい。つまり、大当りとなる期待度が異なる複数段階の保留表示の表示態様が設けられ、保留表示の表示態様が段階的に変化して表示される先読み演出には、変化の回数に上限が設けられていない。
【0229】
先読み演出パターンを決定すると、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)を、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタにセットする(S67108)。予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様が変化するタイミングは、任意の保留表示のシフトタイミングである。したがって、変化タイミング(シフト回数)を決定することによって、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して何回目のシフトが行われるタイミングで表示態様を変化させるかが決定される。例えば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われるタイミングで、その保留表示の表示態様を変化させる。
【0230】
図29〜
図32は、変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。S67108において、S67106で決定した最終表示態様と、S67107で決定した先読み演出パターンと、保留表示変化中フラグの状態とに基づいて変化タイミング決定テーブルを選択し、選択した変化タイミング決定テーブルと合算保留記憶数とに基づいて、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定する。具体的に、S67106で決定した最終表示態様が特殊態様で、S67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンであって、保留表示変化中フラグがセットされていないときには、
図29(A)に示す第1先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)を選択し、保留表示変化中フラグがセットされているときには、
図29(B)に示す第1先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)を選択する。そして、選択した第1先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルで合算保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を1〜7のいずれかに決定する。
【0231】
S67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンであって、保留表示変化中フラグがセットされておらず、S67106で決定した最終表示態様が第1特別態様であるときには、
図30(A)に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)(通常態様から特殊態様への第1変化タイミングおよび特殊態様から第1特別態様への第2変化タイミング)を選択し、S67106で決定した最終表示態様が第2特別態様であるときには、
図30(B)に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)(通常態様から特殊態様への第1変化タイミングおよび特殊態様から第2特別態様への第2変化タイミング)を選択する。S67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンであって、保留表示変化中フラグがセットされている場合には、S67106で決定した最終表示態様にかかわらず、
図31(A)に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)(通常態様から特殊態様への第1変化タイミングおよび特殊態様から第1特別態様または第2特別態様への第2変化タイミング)を選択する。そして、選択した第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルにおいて合算保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の第1変化タイミング(シフト回数)を1〜6のいずれかに決定し、第2変化タイミング(シフト回数)を2〜7のいずれかに決定する。
【0232】
上述したように、
図30〜
図31に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルには、乱数に対応する判定値の割合が示されており、実際には、例えば、1〜1000の乱数を用いる場合には、乱数に対応する1〜1000の判定値が割当てられている。したがって、例えば、判定値の割合が0.5であれば(
図30(A)の第1シフトタイミング:6、第1シフトタイミング:7)、判定値1〜5が割当てられている。また、
図30〜
図31に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルを用いて、第1変化タイミングと第2変化タイミングとが同時に決定されているが、それぞれ別に決定してもよい。
【0233】
また、S67107で決定した先読み演出パターンが第3先読み演出パターンであって、保留表示変化中フラグがセットされておらず、S67106で決定した最終表示態様が第1特別態様であるときには、
図32(A)に示す第3先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)(通常態様から第1特別態様への変化タイミング)を選択し、S67106で決定した最終表示態様が第2特別態様であるときには、
図32(B)に示す第3先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)(通常態様から第2特別態様への変化タイミング)を選択する。また、S67107で決定した先読み演出パターンが第3先読み演出パターンであって、保留表示変化中フラグがセットされている場合には、S67106で決定した最終表示態様にかかわらず、
図32(C)に示す第3先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)(通常態様から第1特別態様または第2特別態様への第2変化タイミング)を選択する。そして、選択した第3先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルにおいて合算保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を1〜7のいずれかに決定する。
【0234】
例えば、
図29(A)に示す第1先読み演出変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)を用いるときに、合算保留記憶数が3である場合には、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、
図29(B)に示す第1先読み演出変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)を用いるときに、合算保留記憶数が3である場合には、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。
【0235】
また、例えば、
図30(A)に示す第2先読み演出変化タイミング決定テーブル(保留表示中フラグ非セット時)(通常態様から特殊態様への第1変化タイミングおよび特殊態様から第1特別態様への第2変化タイミング)を用いるときに、合算保留記憶数が4である場合には、30%の割合で第1変化タイミング(シフト回数)を1、第2変化タイミング(シフト回数)を2と決定し、50%の割合で第1変化タイミング(シフト回数)を1、第2変化タイミング(シフト回数)を3と決定し、20%の割合で第1変化タイミング(シフト回数)を2、第2変化タイミング(シフト回数)を3と決定する。
【0236】
また、例えば、
図30(B)に示す第2先読み演出変化タイミング決定テーブル(保留表示中フラグ非セット時)(通常態様から特殊態様への第1変化タイミングおよび特殊態様から第2特別態様への第2変化タイミング)を用いるときに、合算保留記憶数が4である場合には、50%の割合で第1変化タイミング(シフト回数)を1、第2変化タイミング(シフト回数)を2と決定し、30%の割合で第1変化タイミング(シフト回数)を1、第2変化タイミング(シフト回数)を3と決定し、20%の割合で第1変化タイミング(シフト回数)を2、第2変化タイミング(シフト回数)を3と決定する。
【0237】
また、例えば、
図31(A)に示す第2先読み演出変化タイミング決定テーブル(保留表示中フラグセット時)(通常態様から特殊態様への第1変化タイミングおよび特殊態様から第1特別態様または第2特別態様への第2変化タイミング)を用いるときに、合算保留記憶数が4である場合には、20%の割合で第1変化タイミング(シフト回数)を1、第2変化タイミング(シフト回数)を2と決定し、30%の割合で第1変化タイミング(シフト回数)を1、第2変化タイミング(シフト回数)を3と決定し、50%の割合で第1変化タイミング(シフト回数)を2、第2変化タイミング(シフト回数)を3と決定する。
【0238】
また、例えば、
図32(A)に示す第3先読み演出変化タイミング決定テーブル(保留表示中フラグ非セット時)(通常態様から第1特別態様への変化タイミング)を用いるときに、合算保留記憶数が3である場合には、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、例えば、
図32(B)に示す第3先読み演出変化タイミング決定テーブル(保留表示中フラグ非セット時)(通常態様から第2特別態様への変化タイミング)を用いるときに、合算保留記憶数が3である場合には、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、例えば、
図32(C)に示す第3先読み演出変化タイミング決定テーブル(保留表示中フラグセット時)(通常態様から第1特別態様または第2特別態様への変化タイミング)を用いるときに、合算保留記憶数が3である場合には、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。
【0239】
図29〜
図32に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、保留表示変化中フラグがセットされているとき(合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているとき)には、保留表示変化中フラグがセットされていないとき(合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されていないとき)に比べて、変化タイミングが遅くなる(変化タイミングに達するまでのシフト回数が多くなる)割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、新たに実行される先読み演出は、変化タイミングが遅めに決定されやすく(変化タイミングに達するまでのシフト回数が多くなりやすく)、既に通常態様以外の表示態様で表示されている保留表示が消去された後に変化する割合が高くなる。つまり、合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様(例えば特殊表示)で表示されているときには、通常態様で表示されている保留表示よりも、通常態様以外の表示態様(例えば特殊表示)で表示されている保留表示の表示態様がさらに変化する割合を高くできる。そのため、合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、その保留表示がさらに大当りとなる期待度が高い表示態様に変化しやすいため、先読み演出(示唆演出)が実行されるときの保留表示の表示態様にも関心を持たせることができ、先読み演出の興趣を高めることができる。
【0240】
また、
図29〜
図32に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、最終表示態様が第1特別態様であるときには、第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様であるときよりも、変化タイミングが遅くなる(変化タイミングに達するまでのシフト回数が多くなる)割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示の表示態様が早いタイミングで(少ないシフト回数)で変化した方が、大当りとなる期待度が高い第2特別態様に変化する割合を高くできる。したがって、保留表示が変化するタイミング(何番目の保留表示が変化するか)に関心を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。なお、
図29〜
図32に示す例に限らず、最終表示態様が第1特別態様であるときには、第2特別態様であるときよりも、変化タイミングが早くなる(変化タイミングに達するまでのシフト回数が少なくなる)割合が高くなるように判定値が設定されていてもよい。この場合には、保留表示の表示態様が遅いタイミングで(多くのシフト回数)で変化した方が、大当りとなる期待度が高い第2特別態様に変化しやすくできる。また、保留表示変化中フラグがセットされていれば、最終表示態様にかかわらず、同じ先読み演出変化タイミング決定テーブル(本例では
図31(A)の第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)または
図32(C)の第3先読み演出変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時))が用いられるが、保留表示変化中フラグがセットされているときにも、最終表示態様に応じて、それぞれ異なる変化タイミングに決定されるように判定値が割当てられた先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるようにしてもよい。
【0241】
なお、説明を簡略化するために、保留表示の表示態様を変化させるタイミングを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、始動入賞時点から予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミングで表示態様を変化可能とする場合には、例えば、変化させるタイミング(始動入賞時や特定のシフトタイミング、特定の変動表示中等)を特定可能な複数種類の変化タイミングパターンを設け、入賞時判定結果に応じていずれかを選択してもよい。
【0242】
また、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに入賞しても、入賞順に変動表示が行われ、高ベース(第2始動入賞口14に入賞しやすい)状態であっても、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれかに入賞したことに基づいて先読み演出が実行され得る。そのため、先読み演出決定処理の先読み演出パターンを決定する処理(S67107)や、変化タイミングを決定する処理(S67108)では、
図28〜
図32に示すように、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが合算された合算保留記憶数に基づいて、先読み演出パターンと変化タイミングとが決定されている。しかし、上述したように、遊技状態に応じて、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれかの始動入賞に基づく先読み演出の実行が制限される場合、例えば、第2始動入賞口14に入賞したことに基づく変動表示を優先的に行い、高ベース状態では、第1始動入賞口13に入賞したことに基づく先読み演出の実行が制限され、低ベース状態では第2始動入賞口14に入賞したことに基づく先読み演出の実行が制限される場合には、先読み演出パターンを決定する処理(S67107)や、変化タイミングを決定する処理(S67108)において、合算保留記憶数ではなく、先読み演出の実行対象となる保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)に基づいて、先読み演出パターンと変化タイミングとを決定してもよい。
【0243】
変化タイミング(シフト回数)を決定すると、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S67110)。保留表示の表示態様が変化する可能性があることを示唆する示唆演出がシフトタイミングで実行可能である。また、示唆演出は、第1演出態様(本例では楕円の枠内に「チャンス!」の文字が表示される)または第2演出態様(本例では長方形の枠内に「チャンス!」の文字が表示される)で実行される。S67110では、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出の演出態様が、第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定される。
【0244】
示唆演出の演出態様に応じて、異なる割合で保留表示が特殊態様、第1特別態様または第2特別態様に変化する。具体的には、示唆演出が第2演出態様で実行される場合には、示唆演出が第1演出態様で実行される場合に比べて、保留表示の表示態様が変化する割合が高い。詳細については後述するが、示唆演出は、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングでも実行される。そのため、これらを区別するために、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出を示唆演出(成功パターン)ともいい、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングで実行される示唆演出を示唆演出(失敗パターン)ともいう。示唆演出(成功パターン)と示唆演出(失敗パターン)とのいずれについても、第1演出態様または第2演出態様で実行される。
【0245】
図33は、示唆演出態様決定テーブルを示す説明図である。S67110において、
図33(A)に示す示唆演出態様決定テーブルを用いて、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する。具体的には、20%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、80%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。
【0246】
図33に示す示唆演出態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、変化タイミングにおいては、第1演出態様よりも第2演出態様に決定される割合が高く、非変化タイミングにおいては、第2演出態様よりも第1演出態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様が変化する可能性を異なる割合で示唆できる。したがって、示唆演出に多様性を持たせることができるとともに、いずれの演出態様の示唆演出が実行されるかに着目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。なお、
図33に示す例に限らず、例えば、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されているいずれかのシフト回数カウンタの値が0以上である場合、すなわち、保留表示の表示態様が変化する予定がある場合に用いられる示唆演出態様決定テーブルをさらに設け、非変化タイミングに示唆演出(失敗パターン)を実行する割合が高くなるように判定値を設定してもよい。これにより、示唆演出(失敗パターン)であっても、実行される頻度によって期待を持たせることができる。
【0247】
なお、示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様が変化する可能性を異なる割合で示唆するが、示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様がいずれの表示態様に変化するかを異なる割合で示唆してもよい。例えば、示唆演出が第1演出態様A(楕円の枠内の「チャンス!」の文字が赤色で表示される)で実行される場合には、第1演出態様B(楕円の枠内の「チャンス!」の文字が白色で表示される)で実行される場合に比べて、大当り期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなるようにしてもよい。
【0248】
示唆演出において、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている保留表示のうちのいずれかの保留表示を特定し、特定した保留表示の表示態様が変化する可能性があることを示唆する演出を行うようにしてもよい。この場合は、いずれの保留表示を特定するか(特定された保留表示の状態)に応じて、異なる判定値(割合)が設定された示唆演出態様決定テーブルを用いて、演出態様を決定してもよい。
【0249】
また、保留表示の表示態様が変化するシフトタイミングで、示唆演出が必ず実行されるが、示唆演出が実行されないことがあってもよい。この場合には、示唆演出によって示唆されることなく、保留表示の表示態様を突然変化させることができるため、意外感を高めることができる。
【0250】
また、示唆演出の演出態様として第1演出態様と第2演出態様との2種類の演出態様が設けられるが、これに限らず、3種類以上の演出態様を設け、それぞれ表示態様が変化する期待度が異なる(変化タイミングであるか否かに応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
【0251】
示唆演出の演出態様を決定すると、合算保留記憶表示部18cにおいて、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御する(S67111)。S67111では、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御するとともに、保留表示態様(本例では通常態様)を示すデータと、S67106で決定した最終表示態様を示すデータと、S67107で決定した先読み演出パターンを示すデータと、S67108でセットしたシフト回数カウンタと、S67110で決定した示唆演出の演出態様を示すデータとを、入賞時判定結果と対応付けて入賞時判定結果記憶バッファ(
図25)に格納する。これらのデータを記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、先読み演出決定処理で決定された最終表示態様や、先読み演出パターン、変化タイミング、示唆演出態様を特定できる。
【0252】
以上のように、入賞時判定結果指定コマンドを受信すると、先読み演出決定処理において、先読み演出を実行するか否かと実行する場合の内容とが決定され、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御する処理が行われる。先読み演出における保留表示の変化タイミングが始動入賞時に決定されることはないが、始動入賞時に決定されることを許容する場合には、S67111において、新たな保留表示を通常態様以外の表示態様(特殊態様や特別態様)で表示するように制御する。
【0253】
なお、いずれかの保留表示が特殊態様(または特別態様)で表示されている場合や、先行して先読み演出が実行されることが決定されている場合にも、新たに先読み演出を実行することが許容されているが、これに限らず、先読み演出を重ねて実行することを一定の割合で制限する(いずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には重ねて実行することを制限したり、3つ以上の先読み演出を重ねて実行することを制限したりする)ようにしてもよい。このような制限をすることで、どの保留表示に注目すればよいか遊技者にとって分かりやすくできる。
【0254】
また、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行する場合には、(1)第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うこと、(2)第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うこと、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行うことの3種類の構成が考えられる。
【0255】
第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加えた場合には、第1保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。ただし、上記(1)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行しても、第2始動入賞口14への入賞が発生すると、第2特別図柄の変動表示が割り込んで(入賞順ではなく優先して)実行されるため、例えば、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、シフトタイミングであっても、後述する演出図柄変動開始処理のS1802でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。また、上記(3)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、後述する演出図柄変動開始処理のS1802でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。
【0256】
第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(2)の構成を加えた場合には、第2保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。この場合は、上記(1)の構成とは異なり、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。また、上記(3)の構成で、第2特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。
【0257】
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合には、高ベース中には、第1特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行わないようにしてもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合には、大当り遊技中の第1始動入賞口13への入賞に基づく先読み演出をしなくてもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1始動入賞口13への入賞が発生しても、S1217の入賞時演出処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ100において受信した入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現できる。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に上記(3)の構成を加える場合に、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口13への入賞に基づく先読み演出を行わないが、第2始動入賞口14への入賞に基づく先読み演出は行うようにしてもよい。この構成は、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1始動入賞口13への入賞が発生しても、S1217の入賞時演出処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ100において受信した第1始動入賞口13への入賞に基づく入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現できる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で、高ベース状態や大当り遊技中であるときに、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく入賞時演出処理(先読み演出)の実行を制限する構成である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことに基づく先読み演出のみを実行可能とし、低ベース状態では第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく先読み演出のみを実行可能とする(低ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことに基づく入賞時判定結果指定コマンドを受信しても先読み演出を実行すると決定しない)ようにしてもよい。
【0258】
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第2始動入賞口14への入賞に基づく保留記憶が存在している状態で、第1始動入賞口13への入賞が発生したときには、その第1始動入賞口13への入賞に基づく保留記憶を対象とした先読み演出を実行しないようにしてもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第1始動入賞口13への入賞に基づく保留記憶を対象とした先読み演出の実行を決定している状態で、第2始動入賞口14への入賞が発生したときには、既に決定していた先読み演出の実行をキャンセルしてもよい。
【0259】
なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(1))、または第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(2))を加えるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口13への入賞に基づく先読み演出を行わないようにしてもよい。
【0260】
図34は、
図21に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理で、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理で実行される。
【0261】
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
【0262】
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
【0263】
演出図柄変動中処理(S802):プロセスタイマ(プロセスの実行時間を計時するタイマ)に基づいて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間タイマ(変動時間を計時するタイマ)に基づいて変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了するか、または、図柄確定指定コマンドを受信したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
【0264】
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、大当りまたは小当りとすることが決定されているときには、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に対応した値に更新し、はずれすることが決定されているときは、変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
【0265】
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、大当り開始指定コマンドを受信したことに応じて、大当りの種別に対応した大当りの発生を報知するための画面(大当り遊技の開始を報知する画面を含む)を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
【0266】
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
【0267】
大当り終了演出処理(S806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。具体的には、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する演出を所定期間実行した後、先読み演出制限フラグをリセットする。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
【0268】
図35は、
図34に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。まず、変動パターンコマンドに基づいて擬似連の変動パターンが選択されたときの擬似連の演出に関する設定等の処理をする擬似連演出処理を実行する(S1800a)。入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果(最も古い判定結果)と対応付けられた各種データとを削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトするとともに、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(S1800)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミングで1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされ、4つ目に表示されていた保留表示が3つ目の表示領域にシフトされ、5つ目に表示されていた保留表示が4つ目の表示領域にシフトされる。第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行する場合には、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(これにより第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第1入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(これにより第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第2入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。
【0269】
次に、入賞時判定結果記憶バッファ(
図25)において、いずれかの入賞時判定結果に対応付けられた変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(S1801)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる先読み演出を実行することが決定されていることを示している。したがって、S1801では、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。
【0270】
いずれのシフト回数カウンタの値も0より大きくない場合(S1801のN)、すなわち、シフト回数カウンタの値が0または設定されておらず、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されていない場合には、処理をS1803aに移行する。
【0271】
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(S1801のY)、すなわち、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、全てのシフト回数カウンタの値を1減算する(S1802)。次に、減算後のシフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S1803)。S1802でシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のうちのいずれかの表示態様を変化させる先読み演出を実行するタイミングであることを示している。したがって、S1803では、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
【0272】
S1803において、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングではない場合は、処理をS1803aに移行する。一方、シフト回数カウンタの値が0である場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合は、処理をS1808に移行する。S1808では、値が0になったシフト回数カウンタは、何も設定されていない状態(例えばNull)にセットされる。このような処理がされることで、既に変化タイミングに至ったもの(シフト回数カウンタの値が0まで減算されたもの)を再度S1803で変化対象とするのを回避できる。
【0273】
始動入賞時に保留表示の表示態様を変化させることを許容する場合には、例えば以下のように処理が行われることで、変化タイミングでの保留表示の表示態様の変化が実現される。先読み演出パターンを第2先読み演出パターンとし、第1変化タイミングを始動入賞時、第2変化タイミングを1回目のシフトタイミングとするときには、先読み演出決定処理のS67108で、第1シフト回数カウンタの値を0と設定し、第2シフト回数カウンタの値を1と設定する。そして、先読み演出決定処理のS67111で、第1シフト回数カウンタの値が0であることに基づいて、新たな保留表示を特殊態様で表示する制御を行うとともに、第1シフト回数カウンタを何も設定されていない状態(例えばNull)にセットする。このように処理が行われることによって、その後に行われる演出図柄変動開始処理では、S1801、S1802で第2シフト回数カウンタの値のみを1減算して0とし、S1803で、第2シフト回数カウンタの値が0となったことに基づいて、特殊態様から特別態様に変化させる第2変化タイミングであると判定できる。
【0274】
S1803aでは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のうちに、特殊態様または特別態様で表示されている保留表示があるか否かを確認する(S1803a)。例えば、入賞時判定結果記憶バッファ(
図25)の保留表示態様を参照することによって確認できる。入賞時判定結果記憶バッファ(
図25)に記憶される保留表示態様を示すデータは、例えば、先読み演出決定処理において登録され、後述するS1808で更新される。S1803aで特殊態様または特別態様で表示されている保留表示がないと判定した場合には、いずれかの保留表示が特殊態様または特別態様で表示されていることを示す保留表示変化中フラグがセットされていれば、リセットする(S1803b)。このように、いずれかの保留表示が特殊態様または特別態様で表示されているか否かに応じて、保留表示変化中フラグの状態を更新することによって、既にいずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、その通常態様以外の表示態様で表示された保留表示が、他の通常態様で表示された保留表示に比べて変化しやすくできる(先読み演出決定処理、
図27、
図29〜
図32)。
【0275】
次に、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読出す(S1804)。次に、S1804で読出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1805)。すなわち、演出制御用CPU101によってS1805の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
【0276】
演出表示装置9に表示結果として導出表示される3図柄の組合せよりなる「停止図柄」は、次のように決定される。受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示す表示結果2指定コマンドである場合は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示す表示結果3指定コマンドである場合は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドがはずれ図柄を示す表示結果1指定コマンドである場合は、上記以外の演出図柄の組合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りを示す表示結果4指定コマンド、および、小当りを示す表示結果5指定コマンドである場合は、停止図柄として「135」等の演出図柄の組合せを決定する。
【0277】
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
【0278】
演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
【0279】
次に、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出の演出態様を決定する(S1806)。S1806の処理は、先読み演出によって保留表示の表示態様が変化するタイミングで実行されるものではない。したがって、S1806では、保留表示の表示態様が変化することを示唆するものの、結果的には表示態様が変化しないときに実行される示唆演出(失敗パターン)の演出態様を決定する。
【0280】
S1806では、保留表示変化中フラグがセットされていないとき、すなわち合算保留記憶表示部18cにおいていずれの保留表示も特殊態様または特別態様で表示されていないときには、
図33(B)に示す非変化タイミング時示唆演出態様決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)の割合で、示唆演出(失敗パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。保留表示変化中フラグがセットされているとき、すなわち合算保留記憶表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様または特別態様で表示されているときには、
図33(C)に示す非変化タイミング時示唆演出態様決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)の割合で、示唆演出(失敗パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。非変化タイミング時示唆演出態様決定テーブル決定テーブルには、決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に対応する判定値が割当てられているが、
図33(B),(C)に示す例では、説明を簡略化するために、割当てられた判定値の割合が示されている。例えば、示唆演出(失敗パターン)の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割当てられている決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に決定する。
【0281】
例えば、保留表示変化中フラグがセットされていないとき、すなわち合算保留記憶表示部18cにおいていずれの保留表示も特殊態様または特別態様で表示されていないときには、80%の割合で示唆演出(失敗パターン)を実行しないと決定され、15%の割合で示唆演出を第1演出態様で実行すると決定され、5%の割合で示唆演出を第2演出態様で実行すると決定される。また、保留表示変化中フラグがセットされているとき、すなわち合算保留記憶表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様または特別態様で表示されているときには、0%の割合で示唆演出(失敗パターン)を実行しないと決定され、80%の割合で示唆演出を第1演出態様で実行すると決定され、20%の割合で示唆演出を第2演出態様で実行すると決定される。
【0282】
図33(B),(C)に示すように、保留表示変化中フラグがセットされている場合、すなわち合算保留記憶表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様または特別態様で表示されている場合には、そうでない場合に比べて高い割合で示唆演出が実行される。したがって、保留表示が特殊態様で表示されているときの期待感を高めることができ、遊技興趣を高めることができる。なお、保留表示の表示態様が変化するタイミングでも示唆演出が実行されるため、保留表示が特殊態様で表示されているときには、常に示唆演出が実行されるが、保留表示が特殊態様で表示されているときであっても、示唆演出が実行されないことがあってもよい。ただし、この場合にも、保留表示が特殊態様で表示されていないときに比べて高い割合で示唆演出が実行されることが望ましい。
【0283】
また、保留表示変化中フラグがセットされている場合、すなわち合算保留記憶表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様または特別態様で表示されている場合には、その保留表示の最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様のいずれであるかに応じて、異なる割合で示唆演出の演出態様を第1演出態様Aまたは第1演出態様Bに決定してもよい。例えば、最終表示態様が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に決定されている場合には、示唆演出の演出態様が第1演出態様Bよりも第1演出態様Aに決定される割合を高くしてもよい。
【0284】
次に、決定した示唆演出(失敗パターン)の演出態様と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(S1807)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S1812)。
【0285】
S1807で選択されるプロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、合算保留記憶表示部18cにおける先読み演出の態様を示すデータ、示唆演出の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(先読み演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された先読み演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
【0286】
リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成してもよい。
【0287】
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(S1827)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0288】
なお、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択してもよい。
【0289】
次に、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S1814)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S1815)。
【0290】
S1803でいずれかのシフト回数カウンタの値が0であると判断した場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、保留表示変化中フラグがセットされていれば、セットする(S1808)。また、S1808では、入賞時判定結果記憶バッファにおいて、値が0になったシフト回数カウンタを何も設定されていない状態(例えばNull)にセットするとともに、対応する保留表示態様を示すデータを更新する。例えば、第1シフト回数カウンタの値が0になった場合には、第2シフト回数カウンタの値が0であれば(第2先読み演出パターンでなければ)、対応する保留表示態様を通常態様から最終表示態様に示された表示態様に更新し、第2シフト回数カウンタの値が0でなければ(第2先読み演出パターンであれば)、対応する保留表示態様を通常態様から特殊態様に更新する。また、第2シフト回数カウンタの値が0になった場合には(第2先読み演出パターンの第2変化タイミングであれば)、対応する保留表示態様を特殊態様から最終表示態様に示された表示態様に更新する。このような処理を実行することによって、先読み演出決定処理では、現在表示されている保留表示の表示態様に基づいて先読み演出の実行の有無や内容を決定できる。
【0291】
次に、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読出す(S1809)。次に、S1809で読出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1810)。
【0292】
次に、先読み演出パターン、最終表示態様および示唆演出態様と、変動パターンとに応じた表示態様変化時用のプロセステーブルを選択する(S1811)。そして、S1812に移行する。
【0293】
表示態様変化時用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動開始時に、示唆演出(成功パターン)を実行し、特定の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。実行する示唆演出(成功パターン)や先読み演出の態様に応じて複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルが設けられる。また、先読み演出決定処理において決定され、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている示唆演出(成功パターン)の演出態様(本例では、第1演出態様または第2演出態様)と、先読み演出パターン(本例では、第1先読み演出パターン〜第3先読み演出パターンのいずれか)と、最終表示態様(本例では、第1表示態様または第2表示態様)とに基づいて、どのような態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、どの保留表示をどのような表示態様に変化させる先読み演出を実行するかを特定できる。したがって、示唆演出(成功パターン)の演出態様、先読み演出パターンおよび最終表示態様と、変動パターンとに応じて、複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルのうちのいずれかを選択し、選択した表示態様変化時用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、先読み演出決定処理で決定された演出態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、予告対象の変動表示に対応する保留表示を決定された表示態様に変化させる先読み演出を実行できる。
【0294】
なお、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことに基づいて先読み演出を行うか否かを含む決定処理を、先読み演出決定処理において実行するが、それらの処理を演出図柄変動中処理において実行してもよい。例えば、演出図柄変動中処理において、入賞時判定結果記憶バッファを監視する処理を含めることで先読み演出を行うか否かを含む決定処理を実行するこができる。
【0295】
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄の変動(可変表示)を終了させるが、受信した変動パターンコマンドに基づく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
【0296】
また、大当り表示用のプロセス処理とは別に小当り表示用のプロセス処理を設け、小当りである場合は、例えば、所定期間(大入賞口が0.1秒間2回開放するのに十分な時間。例えば0.5秒間)、突然確変大当り時と同様の態様の演出を行うようにしてもよい。
【0297】
また、小当りや突然確変大当りである場合に、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドの受信に基づいて演出を実行するのではなく、例えば、小当り/突然確変大当り用の変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を所定期間実行してもよい。この場合、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を行うためのプロセスデータをプロセス時間ごとに切替え、切替えたプロセスデータに従って演出を行う。
【0298】
次に、先読み演出の具体例について説明する。
図36は、先読み演出の具体例を示す説明図である。
図36(A)に示されるように、演出表示装置9において、合算保留記憶表示部18cに3つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに、はずれ図柄の導出表示が行われると、新たな変動表示が開始される。次に、保留表示のシフトが行われるタイミングが変化タイミングであれば、予め決定されていた第2演出態様(本例では長方形の枠内に「チャンス!」の文字が表示される)の示唆演出が実行される(
図36(B))。そして、予め決定されていた先読み演出パターンが第3先読み演出パターンであって、最終表示態様が第1特別態様であるときには、2つ目の保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「△」が含まれる)に変化して表示され(
図36(C1))、最終表示態様が第2特別態様であるときには、2つ目の保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「○」が含まれる)に変化して表示される(
図36(C2))。
【0299】
また、予め決定されていた先読み演出パターンが第1先読み演出パターンまたは第2先読み演出パターンである場合には、2つ目の保留表示が特殊態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される(
図36(C3))。次に、はずれ図柄の導出表示が行われると(
図36(D))、新たな変動表示が開始される。そして、保留表示のシフトが行われるタイミングが変化タイミングであって、予め決定されていた示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であれば、第2演出態様(本例では長方形の枠内に「チャンス!」の文字が表示される)の示唆演出が実行される(
図36(E1))。そして、予め決定されていた先読み演出パターンが第2先読み演出パターンであって、最終表示態様が第1特別態様であるときには、1つ目の保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「△」が含まれる)に変化して表示され(
図36(F1))、最終表示態様が第2特別態様であるときには、1つ目の保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「○」が含まれる)に変化して表示される(
図36(F2))。新たな変動表示が開始され、保留表示のシフトが行われるタイミングが非変化タイミングであって、決定された示唆演出(失敗パターン)の演出態様が第1演出態様であれば、第1演出態様(本例では楕円の枠内に「チャンス!」の文字が表示される)の示唆演出が実行されるが(
図36(E2))、保留表示の表示態様は変化しない(
図36(F3))。
【0300】
図37は、演出図柄変動開始処理の変形例を示すフローチャートである。また、
図38は、示唆演出態様決定テーブルの変形例を示す説明図である。
図37,
図38に示す変形例では、演出図柄変動開始処理のS1806において非変化タイミング時の示唆演出(失敗パターン)の演出態様が決定されると、決定された演出態様が、期待度が高い第2演出態様であって、かつ保留変化中フラグがセットされているか否かを確認する(S1806a)。そして、第2演出態様であって、かつ保留変化中フラグがセットされている場合には、示唆演出の実行を制限する示唆演出制限フラグをセットする(S1806b)。
【0301】
また、演出図柄変動開始処理のS1806では、保留表示変化中フラグがセットされている場合には、示唆演出制限フラグの状態に応じて、
図38(C1)に示す非変化タイミング時示唆演出態様決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)(示唆演出制限フラグ非セット時)、または
図38(C2)に示す非変化タイミング時示唆演出態様決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)(示唆演出制限フラグセット時)を用いて、示唆演出(失敗パターン)の演出態様を決定する。
図38(C1),(C2)に示されているように、示唆演出制限フラグセット時には、第2演出態様よりも期待度が低い第1演出態様の示唆演出が実行されることが制限されていている。これにより、保留表示が特殊態様または特別態様で表示されているときに、期待度が高い第2演出態様の示唆演出(失敗パターン)が実行された後には、期待度が劣る第1演出態様の示唆演出(失敗パターン)が実行されることを制限することができ、期待感を持たせられなくなることを防止できる。示唆演出制限フラグセットは、保留表示変化中フラグをリセットするタイミングで同時にリセットされるため(S1803c)、表示中の特殊態様または特別態様の保留表示が消去され、新たに保留表示が特殊態様または特別態様で表示されたときには、第1演出態様の示唆演出(失敗パターン)を実行できるようになる。なお、
図38に示す例では、変化タイミングでは示唆演出制限フラグの状態にかかわらず、同じ割合で判定値が設定された示唆演出態様決定テーブルを用いるが、これに限らず、変化タイミングであっても、示唆演出制限フラグの状態に応じて、異なる割合で判定値が設定された示唆演出態様決定テーブル(示唆演出制限フラグが設定されている場合に用いられる示唆演出態様決定テーブルは、第1演出態様に決定されず、演出なしまたは第2演出態様と決定されるように判定値が設定される)を用いるようにしてもよい。
【0302】
次に、前述した擬似連の変動表示の演出の一例として、特殊識別情報を仮停止図柄として仮停止し、その特殊識別情報に再変動表示の回数を特定可能な特定情報を付与可能である例を説明する。
【0303】
前述したような擬似連の演出においては、擬似連チャンス目を構成する仮停止図柄として、通常的な変動表示に用いられる通常の演出図柄(たとえば、数字図柄)以外の特殊識別情報として擬似連図柄が仮停止する場合がある。擬似連図柄は、前述したような数字図柄により構成される通常の演出図柄とは異なる円形等の特定形状の擬似連専用図柄よりなる。この実施の形態では、擬似連図柄(擬似連専用図柄)は、形状に基づいて、通常の演出図柄とは区別される。そして、擬似連図柄には、たとえば、「NEXT 1回」というような、擬似連の再変動回数を特定可能な文字および数字等の特定情報として、擬似連回数情報が付与可能である。
【0304】
図39は、擬似連回数情報94b(または94d)が付与された擬似連図柄94a(または94c)が用いられる擬似連の演出例を示す演出表示装置9の表示画面図である。
図39では、(a)〜(g)において、再変動が4回実行される擬似連の演出の一例が示されている。
図39では、(h)〜(i)において、擬似連図柄のその他の例が示されている。
【0305】
特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、
図39(a)に示すように、演出表示装置9における「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93のぞれぞれで「0」〜「9」の9つの数字図柄よりなる演出図柄の変動表示が開始される。
図39(b),(c)に示すように、「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93は、基本的に、「左」,「右」,「中」図柄表示エリア91,93,92の順番により演出図柄が停止される。
【0306】
擬似連となる変動表示を実行するときに、
図39(b)に示すように、「左」図柄表示エリア91および「右」図柄表示エリア93において演出図柄がリーチ状態を形成しない態様(非リーチ状態)で、一旦仮停止した後、「中」図柄表示エリア92において、
図39(c)の擬似連図柄94aのような、予め定められた擬似連図柄が仮停止することにより、擬似連の演出が行なわれる変動表示であることが示唆(報知)される。
図39(c)のように、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア91,92,93において、擬似連図柄を含む擬似連仮停止図柄の組合せ(擬似連チャンス目)が仮停止した後には、擬似連の再変動表示が実行され得る。
【0307】
図39(c)に示すように、擬似連図柄94aは、通常の変動表示に用いられる数字図柄(0〜9)とは異なる円形(〇形)の擬似連専用図柄である。擬似連図柄94aは、擬似連演出においてのみ用いられる図柄であり、通常の変動表示には用いられず、擬似連演出の仮停止時において、停止される数字図柄と差替えられる態様で出現する態様で表示される。
【0308】
図39(c)〜(e),(f)に示すように、擬似連図柄94aには、「NEXT 1回」〜「NEXT 3回」,「MAX」というような擬似連の再変動回数を特定可能な擬似連回数情報94bが付与可能である。「NEXT」は再変動を示す文字であり、「1回〜3回」および「MAX」は何回目の仮停止および再変動であるかを示す数字および文字である。
【0309】
具体的に、擬似連の演出において、1回目の仮停止時には
図39(c)のように「NEXT 1回」という擬似連回数情報94bにより、1回目の仮停止であり1回目の再変動が実行されることが示唆される。擬似連の演出において、2回目の仮停止時には
図39(d)のように「NEXT 2回」という擬似連回数情報94bにより、2回目の仮停止であり2回目の再変動が実行されることが示唆される。擬似連の演出において、3回目の仮停止時には
図39(e)のように「NEXT 3回」という擬似連回数情報94bにより、3回目の仮停止であり3回目の再変動が実行されることが示唆される。最大擬似連回数である4回目の仮停止時には
図39(f)のように「MAX」という擬似連回数情報94bにより、最終(最大)となる4回目の仮停止であり最終(最大)となる4回目の再変動が実行されることが示唆される。
【0310】
たとえば、再変動が4回実行される擬似連の演出では、4回目の再変動が実行されるときに、
図39(g)のように、「左」図柄表示エリア91および「右」図柄表示エリア93において演出図柄がリーチ状態(同一図柄)となった後、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア91,92,93において全図柄の表示結果が導出表示される。再変動が1回実行される擬似連の演出では1回目の再変動が実行されるときにリーチ状態となる。再変動が2回実行される擬似連の演出では2回目の再変動が実行されるときにリーチ状態となる。再変動が3回実行される擬似連の演出では3回目の再変動が実行されるときにリーチ状態となる。再変動が4回実行される擬似連の演出では4回目の再変動が実行されるときにリーチ状態となる。
【0311】
図39(h),(i)に示すように、擬似連図柄としては、擬似連図柄94aとは異なる三角形の形状の擬似連図柄94cも用いられる。擬似連図柄94cにも前述したような擬似連回数情報94bが付与される。三角形(▽形)の擬似連図柄94cは、円形の擬似連図柄94aと比べて、表示されたときに大当りとなる期待度が高い擬似連図柄として用いられる。
【0312】
図39(h)に示すように、
図39(c)の擬似連図柄94aと異なる擬似連図柄94cを用いる場合でも、擬似連回数情報としては、
図39(c)の擬似連図柄94aと共通の擬似連回数情報94bが用いられる場合がある。
【0313】
図39(i)に示すように、擬似連回数情報としては、擬似連回数情報94bとは異なる文字により構成される擬似連回数情報94dも用いられる。擬似連回数情報94dには、「連 1回」〜「連 3回」,「MAX」というよう擬似連の再変動回数を特定可能な情報が示される。「連」は前述の「NEXT」の代わりに用いられる再変動を示す文字であり、「1回〜3回」および「MAX」は前述した擬似連回数情報94bで用いられる情報と同じことを示す数字および文字である。「連」を含む擬似連回数情報94dは、「NEXT」を含む擬似連回数情報94bと比べて、表示されたときに大当りとなる期待度が擬似連回数情報として用いられる。
【0314】
図39(c)〜(i)に示すように、擬似連の演出において、仮停止する擬似連図柄に、再変動の回数を特定可能な擬似連回数情報が付与可能であることにより、仮停止時に再変動の回数が認識可能となるので、擬似連の演出の興趣を高めることができる。
【0315】
図39(c)に示すような擬似連図柄94aは第1擬似連図柄と呼ばれ、
図39(h),(i)に示すような擬似連図柄94cは第2擬似連図柄と呼ばれる。
図39(a),(h)に示すような擬似連回数情報94bは第1擬似連回数情報と呼ばれ、
図39(i)に示すような擬似連回数情報94dは第2擬似連回数情報と呼ばれる。
【0316】
また、
図39(c)に示すような第1擬似連図柄94aおよび第1擬似連回数情報94bを用いる擬似連演出は、第1擬似連演出と呼ばれる。
図39(h)に示すような第2擬似連図柄94cおよび第1擬似連回数情報94bを用いる擬似連演出は、第2擬似連演出と呼ばれる。
図39(i)に示すような第2擬似連図柄94cおよび第2擬似連回数情報94dを用いる擬似連演出は、第3擬似連演出と呼ばれる。
【0317】
図40は、擬似連の演出において、擬似連図柄および擬似連回数情報の表示に関する演出パターンを示す図である。
図40においては、(A)に擬似連図柄の仮停止タイミングが示され、(B)に擬似連回数情報の表示パターンが示される。
【0318】
図40(A)には、再変動を4回実行する擬似連の変動表示における仮停止タイミングが時間tに経過にしたがって示され、「NEXT」を含む擬似連回数情報94bが擬似連図柄に付与される例が示されている。
図40(A)に示すように、擬似連の変動パターンでの初回の変動表示(擬似連1回目の変動)が実行された後、時刻t1において1回目の仮停止がされ、仮停止された擬似連図柄に「NEXT 1回」の擬似連回数情報が付与される。次に、1回目の再変動(擬似連2回目の変動)が実行された後、時刻t2において2回目の仮停止がされ、仮停止された擬似連図柄に「NEXT 2回」の擬似連回数情報が付与される。次に、2回目の再変動(擬似連3回目の変動)が実行された後、時刻t3において3回目の仮停止がされ、仮停止された擬似連図柄に「NEXT 3回」の擬似連回数情報が付与される。次に、3回目の再変動(擬似連4回目の変動)が実行された後、時刻t4において4回目の仮停止がされ、仮停止された擬似連図柄に「NEXT MAX」の擬似連回数情報が付与される。その後、t5でリーチ演出が開始される。
【0319】
図40(B)には、擬似連回数(初回変動および再変動を含む合計変動回数)と、擬似連回数情報表示パターンとの関係が示されている。擬似連回数が1回(仮停止1回)のときには仮停止時に「NEXT 1回」という擬似連回数情報が付与される。擬似連回数が2回(仮停止2回)のときには、1回目の仮停止時に「NEXT 1回」、2回目の仮停止時に「NEXT 2回」という表示パターンで擬似連回数情報が付与される。擬似連回数が3回(仮停止3回)のときには、1回目の仮停止時に「NEXT 1回」、2回目の仮停止時に「NEXT 2回」、3回目の仮停止時に「NEXT 3回」という表示パターンで擬似連回数情報が付与される。擬似連回数が4回(仮停止4回)のときには、1回目の仮停止時に「NEXT 1回」、2回目の仮停止時に「NEXT 2回」、3回目の仮停止時に「NEXT 3回」、4回目の仮停止時に「MAX」という表示パターンで擬似連回数情報が付与される。これにより、仮停止する擬似連図柄が再変動表示の途中段階であるか最終段階であるかにより付与する擬似連回数情報が異なるので、擬似連回数情報の種類により、擬似連の演出が最終段階であることを報知することができる。このような擬似連回数と、擬似連回数情報表示パターンとの関係を示すデータは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されており、擬似連の演出を実行するときに、擬似連回数情報表示パターンを決定するときに用いられる。
【0320】
図41は、擬似連演出における擬似連図柄および擬似連回数情報を選択決定する擬似連演出決定テーブルを示す図である。
図41において、(A)には大当り決定時に用いる大当り用擬似連演出決定テーブルが示され、(A)にははずれ決定時に用いるはずれ用擬似連演出決定テーブルが示されている。このような擬似連演出決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されており、擬似連演出の演出内容を決定するときに用いられる。
【0321】
図41の大当り用擬似連演出決定テーブルおよびはずれ用擬似連演出決定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての演出種類決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の値が、
図39(c)に示す第1擬似連演出、
図39(h)に示す第2擬似連演出、および、
図39(i)に示す第3擬似連演出のそれぞれに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
【0322】
図41に示すように、第1擬似連演出は、前述した第1擬似連図柄94a(〇形の図柄)および第1擬似連回数情報94b(NEXT,MAX)を用いる演出である。第2擬似連演出は、前述した第2擬似連図柄94c(▽形の図柄)および第1擬似連回数情報94b(NEXT,MAX)を用いる演出である。第3擬似連演出は、前述した第2擬似連図柄94c(▽形の図柄)および第2擬似連回数情報94d(連,MAX)を用いる演出である。
【0323】
変動表示結果が大当り表示結果となるときに用いられる
図41(a)の大当り用擬似連演出決定テーブルは、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに用いられる
図41(b)のはずれ用擬似連演出決定テーブルと比べて、第2擬似連図柄94c(▽形の図柄)が表示される第2擬似連演出および第3擬似連演出が選択される割合が高く設定されている。したがって、第2擬似連演出または第3擬似連演出が選択されて第2擬似連図柄94cが表示されるときには、第1擬似連演出が選択されて第1擬似連図柄94aが表示されるときと比べて、大当りとなる期待度が高くなる。これにより、擬似連演出において、第2擬似連図柄94cが表示されたときには、第1擬似連図柄94aが表示されたときと比べて、遊技者の大当りに対する期待感を向上させることができる。
【0324】
さらに、変動表示結果が大当り表示結果となるときに用いられる
図41(a)の大当り用擬似連演出決定テーブルは、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに用いられる
図41(b)のはずれ用擬似連演出決定テーブルと比べて、第2擬似連回数情報94d(連,MAX)が表示される第3擬似連演出が選択される割合が高く設定されている。したがって、第3擬似連演出が選択されて第2擬似連回数情報94dが表示されるときには、第1擬似連演出または第2擬似連演出が選択されて第1擬似連回数情報94bが表示されるときと比べて、大当りとなる期待度が高くなる。これにより、擬似連演出において、第2擬似連回数情報94dが表示されたときには、第1擬似連回数情報94bが表示されたときと比べて、遊技者の大当りに対する期待感を向上させることができる。
【0325】
また、変動表示結果が大当り表示結果となるときに用いられる
図41(a)の大当り用擬似連演出決定テーブルは、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに用いられる
図41(b)のはずれ用擬似連演出決定テーブルと比べて、同じ第2擬似連図柄94c(▽形の図柄)が表示される大当りとなる期待度が高い第2擬似連演出および第3擬似連演出の中から第2擬似連回数情報94d(連,MAX)が表示される第3擬似連演出が選択される割合が高く設定されている。したがって、同じ第2擬似連図柄94cが表示されるときであっても、第3擬似連演出が選択されて第2擬似連回数情報94dが表示されるときには、第2擬似連演出が選択されて第1擬似連回数情報94bが表示されるときと比べて、大当りとなる期待度が高くなる。これにより、擬似連演出において、同じ第2擬似連図柄94cが表示されたときであっても、第2擬似連回数情報94dが表示されたときには、第1擬似連回数情報94bが表示されたときと比べて、遊技者の大当りに対する期待感をより一層向上させることができる。
【0326】
次に、第1擬似連演出、第2擬似連演出、および、第3擬似連演出を実行するときにおける
図35の擬似連演出処理の処理内容を説明する。
図42は、擬似連図柄を用いた擬似連演出をするときの擬似連演出処理を示すフローチャートである。
図42においては、擬似連演出処理の一例として、
図39〜
図41で説明したような擬似連図柄を用いた擬似連演出をするときに用いる擬似連演出処理を示すフローチャートである。
【0327】
図42の擬似連演出処理においては、今回の変動表示は、擬似連演出が実行される変動パターンであるか否かを変動パターンコマンド格納領域に格納されたコマンドに基づいて判定する(S901)。S901で擬似連演出が実行される変動パターンでないときは、処理を終了する。一方、S901で擬似連演出が実行される変動パターンであるときは、今回の変動表示が大当り表示結果となる変動表示であるか否かを表示結果指定コマンド格納領域に格納されたコマンドに基づいて判定する(S902)。
【0328】
S902で今回の変動表示が大当り表示結果となる変動表示であるときは、演出種類決定用の乱数SR2を抽出し、
図41(a)の大当り用擬似連演出決定テーブルを用い、SR2に基づいて、第1擬似連演出、第2擬似連演出、および、第3擬似連演出のうちから、擬似連演出を選択決定することにより、今回の変動表示の擬似連演出に用いる擬似連図柄および擬似連回数情報(
図40(b)のような擬似連回数情報表示パターンも含む)を選択する等、擬似連演出の内容を選択し、処理を終了する。一方、S902で今回の変動表示が大当り表示結果とならない変動表示であるときは、演出種類決定用の乱数SR2を抽出し、
図41(b)のはずれ用擬似連演出決定テーブルを用い、SR2に基づいて、第1擬似連演出、第2擬似連演出、および、第3擬似連演出のうちから、擬似連演出を選択決定することにより、今回の変動表示の擬似連演出に用いる擬似連図柄および擬似連回数情報(
図40(b)のような擬似連回数情報表示パターンも含む)を選択する等、擬似連演出の内容を選択し、処理を終了する。
【0329】
このように、擬似連演出処理により擬似連演出の内容が決定されたときは、その決定に基づいて、たとえば、
図35の演出図柄変動開始処理のS1807またはS1811におけるプロセステーブルを選択するときにおける変動パターンの情報として用いられる。これにより、変動表示において、擬似連演出処理により決定された擬似連演出が実行可能となる。
【0330】
なお、特殊識別情報としての擬似連図柄は、通常の変動表示で用いられる演出図柄と形状が異なるものを一例として説明したが、これに限らず、形状、大きさ、色彩、模様、および、輝度等の図柄を構成する要素のうち少なくともいずれか1つが通常の変動表示で用いられる演出図柄と異なるようなものであれば、どのような種類の図柄を用いてもよい。
【0331】
また、再変動表示の回数を特定可能な特定情報としての擬似連回数情報は、「NEXT 1回」というような、文字と数字との組合せによる組合せ情報であってもよく、数字のみの情報であってもよい。また、再変動表示の回数を特定可能な特定情報としては、所定の画像(たとえば、アイコン画像等)の表示数により回数を特定可能(たとえば、アイコン画像が1個表示されると1回、アイコン画像が2個表示されると2回等)であってもよく、擬似連図柄に付随して表示するキャラクタの種類により回数を特定可能(たとえば、第1キャラクタが表示されると1回、第2キャラクタが表示されると2回等)であってもよく、擬似連図柄に表示する所定の画像(たとえば、NEXTという文字等)の色により回数を特定可能(たとえば、白色であると1回、赤色であると2回等)であってもよい等、回数を特定可能な情報であればどのような情報を用いてもよい。
【0332】
また、擬似連図柄としては、擬似連回数情報が付与されたもののみを用いる例を示したが、これに限らず、擬似連回数情報が付与されていない図柄も含めて用いてもよい。その場合には、同じ擬似連図柄であっても擬似連回数情報が付与されている図柄の方が擬似連回数情報が付与されていない図柄よりも大当りの期待度が高くなるように選択割合を設定してもよい。また、擬似連図柄としては、擬似連回数情報が予め付与された状態で表示が開始されるものを示したが、これに限らず、擬似連回数情報が付与されていない状態で表示が開始された後、所定時間の経過等の所定の付与条件が成立したときに擬似連回数情報が付与される演出がされるようにしてもよい。このように、特定情報としての擬似連回数情報は、特殊識別情報としての擬似連図柄において付与可能となるものであればよい。
【0333】
以上に説明したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞時演出処理等を実行することによって実現される、始動入賞時に変動表示の表示結果および変動パターンを判定する特定判定手段を備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理等を実行することによって実現される、特定判定手段による判定結果に基づいて保留記憶に対応する保留表示(合算保留記憶表示部18cにおける保留表示)を通常態様以外の表示態様(本例では特殊態様、第1特別態様または第2特別態様)に変化させて表示することで、保留記憶に基づく変動表示が大当りとなる可能性があることを予告する先読み演出を実行する予告演出実行手段と、保留表示の表示態様が変化すること(変化する可能性があること)を示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段とを備えている。そして、予告演出実行手段は、表示されている保留表示のうちに通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示があるか否かに応じて、異なる割合で表示されている保留表示のうちのいずれかを通常態様とは異なる表示態様に変化させて表示する。例えば通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合には、その保留表示は、他の保留表示に比べて表示態様が変化しやすい。これは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のいずれかが特殊態様または特別態様で表示されていることを示す保留変化中フラグがセットされているか否かに応じて、新たな先読み演出を実行するか否かを異なる割合で決定すること(セットされているときには新たに実行する割合を低下させる)、新たに実行する先読み演出の変化タイミングを異なる割合で決定すること(セットされているときには変化タイミングを遅らせる(特殊態様または特別態様で表示されている保留表示が消去された後に変化する割合を高める))ことによって実現される。これにより、先読み演出が実行されるときの保留表示の表示態様にも関心を持たせることができ、先読み演出の興趣を高めることができる。また、
図39に示すように、擬似連の演出において、仮停止する擬似連図柄に、再変動の回数を特定可能な擬似連回数情報が付与可能であることにより、仮停止時に再変動の回数が認識可能となるので、擬似連の演出の興趣を高めることができる。
【0334】
図39(c)の第1擬似連図柄94aと、
図39(h)の第2擬似連図柄94cとで、共通の第1擬似連回数情報94bが付与されるように、異なる種類の擬似連図柄を仮停止させたときでも、共通の擬似連回数情報が表示されるので、仮停止させた擬似連図柄の種類が異なっても再変動表示の回数が認識しやすくすることができる。
【0335】
図41に示すように、大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、第1,第2擬似連回数情報のうち、第2擬似連回数情報(連,MAX)を表示する割合が高い。このように、大当りに対する期待度を擬似連回数情報の種類により示唆することができ、擬似連の演出の興趣をより一層高めることができる。
【0336】
図39(c),(d),(e),(f)に示すように、擬似連図柄が仮停止するときに擬似連回数情報が付与されるので、擬似連回数情報を付与することが擬似連の継続を示唆することににもなり、演出を多様化させることができる。
【0337】
図40(B)に示すように1回目〜3回目の仮停止時には「NEXT1回〜3回」が擬似連回数情報として付与され、4回目の仮停止時には「MAX」が擬似連回数情報として付与される。これにより、仮停止する擬似連図柄が再変動表示の途中段階であるか最終段階であるかにより付与する擬似連回数情報が異なるので、擬似連回数情報の種類により、擬似連の演出が最終段階であることを報知することができる。
【0338】
なお、始動入賞時に実行される先読み演出決定処理において、保留変化中フラグがセットされている場合(いずれかの保留表示が通常態様とは異なる表示態様で表示されているとき)には、新たな先読み演出を実行する割合を異ならせることや、新たに実行する先読み演出の変化タイミングを遅らせることで、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合に、その保留表示が他の保留表示に比べて表示態様が変化しやすくなることが実現されるが、実現方法はこれに限られない。例えば、始動入賞時に実行される先読み演出決定処理において、最新の入賞時判定結果に対して、先読み演出を実行可能とするか否かと実行する場合の最終表示態様(変化の上限とし、変化させなくてもよい)と先読み演出パターンとを決定し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、いずれかの保留表示の表示態様を変化させるか(およびいずれの表示態様に変化させるか)を決定し、決定結果に基づいて、表示態様を変化させる構成とする(つまり、変化タイミングは先読み演出決定処理において入賞時判定結果ごとに定められない構成とする)。そして、この構成において、演出図柄変動開始処理で、特殊態様の保留表示があるか否かを確認し、特殊態様の保留表示がある場合には、高い割合で通常態様の保留表示よりも特殊態様の保留表示を、表示態様を変化させる対象として決定する。これにより、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合に、その保留表示が他の保留表示に比べて表示態様が変化しやすくなるようにできる。また、例えば、先読み演出決定処理を省略し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、全ての入賞時判定結果に基づいて、対応するいずれの保留表示の表示態様を変化させるかを決定する(各入賞時判定結果に基づいて先読み演出を実行するか否かと変化後に表示態様とを決定する)ようにしてもよい。そして、この構成において、演出図柄変動開始処理で、特殊態様の保留表示があるか否かを確認し、特殊態様の保留表示がある場合には、高い割合で通常態様の保留表示よりも特殊態様の保留表示を、表示態様を変化させる対象として決定することで、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合に、その保留表示が他の保留表示に比べて表示態様が変化しやすくなる。
【0339】
また、予告演出実行手段は、保留記憶に対応する保留表示を通常態様とは異なる表示態様である複数種類の特別態様(第1特別態様または第2特別態様。なお、特殊態様を含めるようにしてもよい(詳細は後述する))のいずれかに変化させて表示することにより、該保留記憶に基づく可変表示の表示結果が特定表示結果となる可能性があることを異なる期待度で予告する予告演出を実行可能であり(第2特別態様に変化して表示される場合には、第1特別態様に変化して表示される場合に比べて、大当りとなる割合が高いため期待度が高くなる)。また、予告演出実行手段は、通常態様で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するときと(第3先読み演出パターンに基づいて先読み演出を実行するとき)、通常態様とは異なる表示態様(特殊態様。なお、第1特別態様を含めるようにしてもよい(詳細は後述する))で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するとき(第2先読み演出パターンに基づいて先読み演出を実行するとき)とで、異なる割合で複数種類の特別態様のいずれかに変化させて表示する(第3先読み演出パターンに基づいて先読み演出が実行されるときの方が、第2先読み演出パターンに基づいて先読み演出が実行されるときに比べて、期待度が高い第2特別態様に変化して表示される割合が高い)。ことにより、変動表示の表示結果が特定表示結果(大当り)となる可能性を異なる期待度で予告できるため、先読み演出の興趣を高めることができる。
【0340】
なお、上述のように、始動入賞時に実行される先読み演出決定処理において、最新の入賞時判定結果に対して、先読み演出を実行可能とするか否かと実行する場合の最終表示態様(例えば変化の上限とし、変化させなくてもよい)と先読み演出パターンとを決定し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、いずれかの保留表示の表示態様を変化させるか(およびいずれの表示態様に変化させるか)を決定し、決定結果に基づいて、表示態様を変化させる構成(つまり、変化タイミングが先読み演出決定処理において入賞時判定結果ごとに定められない構成)とした場合にも、入賞時判定結果に基づいて最終表示態様と先読み演出パターンとを決定することによって、異なる期待度で予告演出を実行できるとともに、通常態様から変化するときと特殊態様から変化するときとで異なる割合で第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示できる。また、例えば、先読み演出決定処理を省略し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、全ての入賞時判定結果に基づいて、対応するいずれの保留表示の表示態様を変化させるかを決定する(各入賞時判定結果に基づいて先読み演出を実行するか否かと変化後に表示態様とを決定する)構成とした場合にも、入賞時判定結果に基づいて変化後の表示態様を決定することによって、異なる期待度で予告演出を実行できる。また、入賞時判定結果と保留表示の表示態様とに基づいて変化後に表示態様を決定することによって、通常態様から変化するときと特殊態様から変化するときとで異なる割合で第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示できる。
【0341】
なお、複数種類の保留表示の表示態様のうち、特殊態様は、特別態様に変化する可能性があるため、特別態様とは別のカテゴリであるように説明したが、最も大当り期待度が低い特別態様と位置付けて、特別態様と同じカテゴリとしてもよい。つまり、特殊態様と特別態様とを分けて説明し、特殊態様から特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化して表示される先読み演出パターンを第2先読み演出パターンとしたが、先読み演出では、大当り期待度が低い表示態様から大当り期待度が高い表示態様に変化して表示されればよく、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化してもよいし、第1特別態様からより大当り期待度が高い第2特別態様に変化してもよい。
【0342】
また、保留表示が特殊態様に変化しても、その後特殊態様から特別態様に変化しないことがある(第1先読み演出パターンに基づく先読み演出による)が、例えば、特殊態様に変化すると、必ずその後特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化してもよい。これにより、表示態様が特殊態様に変化したときの期待度を高めることができる。
【0343】
また、予告演出実行手段は、表示されている保留表示のうちのいずれの保留表示の表示態様を変化させて表示するかによって可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り)となる可能性があることを異なる期待度で予告する先読み演出を実行可能である。例えば、変化タイミングが早い場合には、大当り期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高く、変化タイミングが遅い場合には、大当り期待度が低い第1特別態様に変化する割合が高くなるように変化タイミングを決定することで実現される。また、保留表示の表示態様の変化は最大2回までしか行われないが、表示態様の種類を増やすことで、段階的に変化可能な回数も増やすようにしてもよい。この場合には、変化タイミングが早い場合には、その後さらに期待度が高い表示態様に変化する機会(シフトタイミングの回数)が多くなるため、期待度を高めることができる。これにより、可変表示の表示結果が特定表示結果となる可能性を異なる期待度で予告できるため、先読み演出の興趣を高めることができる。
【0344】
上述のように、始動入賞時に実行される先読み演出決定処理において、最新の入賞時判定結果に対して、先読み演出を実行可能とするか否かと実行する場合の最終表示態様(例えば変化の上限とし、変化させなくてもよい)と先読み演出パターンとを決定し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、いずれかの保留表示の表示態様を変化させるか(およびいずれの表示態様に変化させるか)を決定し、決定結果に基づいて、表示態様を変化させる構成(つまり、変化タイミングが先読み演出決定処理において入賞時判定結果ごとに定められない構成)とした場合にも、例えば、大当りとなることが示されている入賞時判定結果に対応する保留表示は、早い段階(シフト回数が少ない段階)で変化させる割合を高くすることによりいずれの保留表示の表示態様が変化するかによって異なる期待度で予告する先読み演出を実行可能である。同様に、先読み演出決定処理を省略し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、全ての入賞時判定結果に基づいて、対応するいずれの保留表示の表示態様を変化させるかを決定する(各入賞時判定結果に基づいて先読み演出を実行するか否かと変化後に表示態様とを決定する)場合にも、大当りとなることが示されている入賞時判定結果に対応する保留表示は、早い段階(シフト回数が少ない段階)で変化させる割合を高くすることで、いずれの保留表示の表示態様が変化するかにより異なる期待度で予告する先読み演出を実行可能である。
【0345】
また、保留表示の表示態様は、通常態様と該通常態様とは異なる複数段階の表示態様(特殊態様、第1特別態様および第2特別態様)とを含み、予告演出実行手段は、表示されている保留表示のうちに通常態様とは異なる表示態様(特殊態様や第1特別態様)で表示されている保留表示がある場合には、高い割合で通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示を現段階よりも高い段階の表示態様(第1特別態様や第2特別態様)に変化させて表示する。これは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のいずれかが特殊態様または特別態様で表示されていることを示す保留変化中フラグがセットされているか否かに応じて、新たな先読み演出を実行するか否かを異なる割合で決定すること(セットされているときには新たに実行する割合を低下させる)、新たに実行する先読み演出の変化タイミングを異なる割合で決定すること(セットされているときには変化タイミングを遅らせる(特殊態様または特別態様で表示されている保留表示が消去された後に変化する割合を高める))の他に、特殊態様から特別態様に変化して表示される第2先読み演出パターンの方が、通常態様から特別態様に変化して表示される第3先読み演出パターンよりも決定される割合が高いことにより実現される。これにより、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合には、その保留表示が現段階よりも高い段階の表示態様に変化する割合が高いため、先読み演出の興趣を高めることができる。
【0346】
上述のように、始動入賞時に実行される先読み演出決定処理において、最新の入賞時判定結果に対して、先読み演出を実行可能とするか否かと実行する場合の最終表示態様(例えば変化の上限とし、変化させなくてもよい)と先読み演出パターンとを決定し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、いずれかの保留表示の表示態様を変化させるか(およびいずれの表示態様に変化させるか)を決定し、決定結果に基づいて、表示態様を変化させる構成(つまり、変化タイミングが先読み演出決定処理において入賞時判定結果ごとに定められない構成)とした場合にも、演出図柄変動開始処理で、特殊態様の保留表示があるか否かを確認し、特殊態様の保留表示がある場合には、高い割合で通常態様の保留表示よりも特殊態様の保留表示を、表示態様を変化させる対象として決定すること、先読み演出決定処理で、第2先読み演出パターンが、第3先読み演出パターンよりも決定される割合が高くなるようにすることによって、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合には、その保留表示が現段階よりも高い段階の表示態様に変化する割合が高くなるようにできる。また、例えば、先読み演出決定処理を省略し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、全ての入賞時判定結果に基づいて、対応するいずれの保留表示の表示態様を変化させるかを決定する(各入賞時判定結果に基づいて先読み演出を実行するか否かと変化後に表示態様とを決定する)構成とした場合にも、演出図柄変動開始処理で、特殊態様の保留表示があるか否かを確認し、特殊態様の保留表示がある場合には、高い割合で通常態様の保留表示よりも特殊態様の保留表示を、表示態様を変化させる対象として決定することによって、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合には、その保留表示が現段階よりも高い段階の表示態様に変化する割合が高くなるようにできる。
【0347】
また、予告演出実行手段は、保留表示を通常態様とは異なる表示態様である複数種類の特別態様のいずれかに変化させて表示する予告演出を実行可能である。また、保留表示の表示態様は、通常態様に比べて特別態様に変化しやすい特殊態様を含む。そして、予告演出実行手段は、通常態様で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するときと、特殊態様で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するときとで、異なる割合で複数種類の特別態様のいずれかに変化させて表示する。通常態様で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するときは、特殊態様で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するときよりも、大当り期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高い。これにより、可変表示の表示結果が特定表示結果となる可能性を異なる期待度で予告することができ、予告演出の興趣を高めることができる。
【0348】
上述のように、始動入賞時に実行される先読み演出決定処理において、最新の入賞時判定結果に対して、先読み演出を実行可能とするか否かと実行する場合の最終表示態様(例えば変化の上限とし、変化させなくてもよい)と先読み演出パターンとを決定し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、いずれかの保留表示の表示態様を変化させるか(およびいずれの表示態様に変化させるか)を決定し、決定結果に基づいて、表示態様を変化させる構成(つまり、変化タイミングが先読み演出決定処理において入賞時判定結果ごとに定められない構成)とした場合にも、入賞時判定結果に基づいて最終表示態様と先読み演出パターンとを決定することによって、通常態様で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するときと、特殊態様で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するときとで、異なる割合で第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示できる。また、例えば、先読み演出決定処理を省略し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、全ての入賞時判定結果に基づいて、対応するいずれの保留表示の表示態様を変化させるかを決定する(各入賞時判定結果に基づいて先読み演出を実行するか否かと変化後に表示態様とを決定する)構成とした場合にも、入賞時判定結果と保留表示の表示態様とに基づいて変化後に表示態様を決定することによって、通常態様で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するときと、特殊態様で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するときとで、異なる割合で第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示できる。
【0349】
また、示唆演出実行手段は、保留表示の表示態様が変化する可能性を異なる期待度で示唆する複数種類の示唆演出(第1演出態様または第2演出態様の示唆演出)を実行可能であり、示唆演出実行手段によって所定の期待度の示唆演出(第2演出態様の示唆演出)が実行されたが、保留表示の表示態様が変化しなかったときに所定の期待度よりも低い期待度の示唆演出(第2演出態様よりも変化する期待度が低い第1演出態様の示唆演出)が実行されることを制限する示唆演出制限手段を備える。例えば、第2演出態様の示唆演出が実行されたが、保留表示の表示態様が変化しなかったときに示唆演出制限フラグをセットし、示唆演出制限フラグがセットされている間は第2演出態様よりも変化する期待度が低い第1演出態様の示唆演出を実行することが制限される。また、示唆演出制限フラグは、通常態様以外の表示態様で表示された保留表示が消去されると、リセットされる。これにより、期待感を持たせられなくなることを防止できる。
【0350】
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 上述のように、始動入賞時に実行される先読み演出決定処理において、最新の入賞時判定結果に対して、先読み演出を実行可能とするか否かと実行する場合の最終表示態様(例えば変化の上限とし、変化させなくてもよい)と先読み演出パターンとを決定し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、いずれかの保留表示の表示態様を変化させるか(およびいずれの表示態様に変化させるか)を決定し、決定結果に基づいて、表示態様を変化させる構成(つまり、変化タイミングが先読み演出決定処理において入賞時判定結果ごとに定められない構成)とした場合にも、いずれかの保留表示の表示態様を変化させるか(およびいずれの表示態様に変化させるか)を決定するとともに、示唆演出の演出態様を決定することによって保留表示の表示態様が変化する可能性を異なる期待度で示唆する複数種類の示唆演出を実行できる。また、例えば、先読み演出決定処理を省略し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、全ての入賞時判定結果に基づいて、対応するいずれの保留表示の表示態様を変化させるかを決定する(各入賞時判定結果に基づいて先読み演出を実行するか否かと変化後に表示態様とを決定する)構成とした場合にも、対応するいずれの保留表示の表示態様を変化させるかを決定するとともに、示唆演出の演出態様を決定することによって保留表示の表示態様が変化する可能性を異なる期待度で示唆する複数種類の示唆演出を実行できる。
【0351】
(2) また、先読み演出が重ねて実行されることが許容され、複数の保留表示の表示態様が同時に変化することも許容されるが、同時に変化することを制限してもよい。例えば、新たな先読み演出の変化タイミングを決定したときに、先に決定された先読み演出の変化タイミングを示すデータを、入賞時判定結果記憶バッファを参照し、変化タイミングが同じときに、新たな先読み演出の変化タイミングを再決定してもよい。これにより、複数の保留表示の表示態様が同時に変化することで、1つ1つの演出に着目させることができる。
【0352】
(3) また、示唆演出として、演出表示装置9において所定の表示制御が行われているが、これとともに(またはこれに代えて)、スピーカから音声を出力する演出や、ランプを点灯させる演出等を行うようにしてもよい。
【0353】
(4) なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけに限らず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
【0354】
(5) また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(
図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信してもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
【0355】
(6) また、上記の実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しなければならないデータ量を削減できる。
【0356】
(7) また、上記の実施の形態で示した構成は、パチンコ遊技機に限らず、様々な形態の遊技機に適用できる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用してもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(50個)の遊技玉が封入領域内(パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイント等を加算する処理が行われる。
【0357】
(8) また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
【0358】
(9)
図40(B)に示すような擬似連回数を特定する擬似連回数情報は、回数情報ではなく色情報であってもよい。たとえば、擬似連図柄に表示される色が、青色<緑色<赤色<金色の順で擬似連の回数が増加していることを示してもよい。この場合に、色とともに擬似連回数情報を付与してもよい。
【0359】
(10)
図40(B)に示すような擬似連回数を特定する擬似連回数情報は、回数情報ではなく付与されるキャラクタの違いによる情報であってもよい。たとえば、擬似連図柄に付与されるキャラクタが、キャラクタA<キャラクタB<キャラクタC<キャラクタDの順で擬似連の回数が増加していることを示してもよい。この場合に、キャラクタとともに擬似連図柄回数情報を付与してもよい。
【0360】
(11)
図39に示すような擬似連回数情報は、演出制御のステージ(演出表示モード)が複数段階で移行する場合において、演出のステージに基づいて変化するものでもよい。たとえば、ステージAでは、擬似連回数情報が「NEXT1回」と表示され、ステージBでは、擬似連回数情報が「連1回」と表示されるようにしてもよい。また、擬似連回数情報とともに擬似連図柄を変更してもよい。
【0361】
(12) 擬似連回数情報は、
図40(A)に示すような擬似連の仮停止時に付与されるのではなく、変動の開始時から付与されていてもよい。このようにすれば、擬似連の変動開始時から擬似連の回数情報を知ることができる。
【0362】
(13) 擬似連の変動表示中に擬似連回数情報が付与されるタイミングの違いにより、大当り表示結果となる期待度が異なるようにしてもよい。
【0363】
(14) 擬似連4回の変動パターンをはずれの変動パターンに設けてもよい。この場合にも、擬似連回数情報を付与するようにしてもよい。
【0364】
(15) 擬似連回数情報は、予め擬似連の最終段階までが示されている情報であってもよい。たとえば、擬似連回数情報を☆マークと★マークで示す場合、★☆☆☆<★★☆☆<★★★☆<★★★★の順で擬似連の回数が増加していることを示してもよい。なお、擬似連の回数は大当り表示結果となる期待度も示しているので、★の数が増加することにより、擬似連の回数とともに大当りに対する期待度を示すこともできる。
【0365】
(16) 擬似連図柄に付す擬似連回数情報は、次に実行される再変動回数を示すのではなく、擬似連の変動パターン全体中における変動回数(初回変動、および、再変動を含む合計の変動回数)を示すものでもよい。たとえば、最初の仮停止の際に表示される「NEXT1回」という表示が、擬似連の変動パターン全体中における1回目の変動であり、次に1回目の再変動(擬似連の変動パターン全体中における2回目の変動)が実行されることを特定するものでもよい。
【0366】
(17) 擬似連の途中で擬似連回数情報が付与されるものでもよい。たとえば、擬似連の仮停止が3回実行される場合に、擬似連の1回目の仮停止では、回数情報を付与せず、2回目の仮停止以降で回数情報を付与してもよい。このような場合には、擬似連の回数情報が付与されることにより、擬似連の継続が確定するようにしてもよい。
【0367】
(18) 擬似連図柄の形状が擬似連中の変動回数とともに変化することで、擬似連回数情報を示すようにしてもよい。このような擬似連図柄の変化とともに擬似連回数情報を付与するようにしてもよい。
【0368】
(19) 擬似連図柄に付与する情報として、キャラクタや記号を付与する場合に、擬似連の仮停止ごとにキャラクタや記号を回転させることで、擬似連の回数を示すようにしてもよい。たとえば、擬似連1回目で擬似連図柄にキャラクタや記号を付与し、擬似連2回目で付与されたキャラクタや記号を90度回転させ、さらに擬似連3回目で付与されたキャラクタや記号を180度回転させるようにしてもよい。
【0369】
(20)
図40に示すように大当りか否かに基づいて擬似連図柄および擬似連回数情報を決めるのではなく、擬似連回数に基づいて、擬似連図柄および擬似連回数情報を決定するようにしてもよい。たとえば、擬似連回数が3回の変動パターンでは、擬似連回数が1回の変動パターンよりも、第3擬似連演出(▽+連)が選択されやすいようにしてもよい。
【0370】
(21) 前述した実施の形態では、特別可変入賞球装置における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
【0371】
(22) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0372】
(23) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末などの「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
【0373】
(24) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。