(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
【0027】
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機であり、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられる額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
【0028】
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられる。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0029】
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン121(
図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(
図3を参照)が内蔵されている。スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(
図3を参照)が設けられる。スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(
図3を参照)が内蔵されている。
【0030】
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられる。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、または、電磁的に、検出できればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(
図3を参照)が設けられる。
【0031】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示(変動表示ともいう)に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。左,中,右の演出図柄の3つの図柄表示エリアのそれぞれでは、たとえば、「0」〜「9」の数字図柄のような、所定の順番で配列された複数の演出図柄が可変表示(変動表示)される。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよく、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
【0032】
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。リーチ状態やその様子をリーチ態様という。リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0033】
また、本実施の形態では、演出表示装置9の左下に、ナビゲーションキャラクタの画像(ナビキャラ画像)と、該ナビゲーションキャラクタのレベルを示す画像(レベル画像)を表示する領域(不図示)が設けられている。ナビキャラ画像は、後述するプレゼント演出の実行を示唆するプレゼント示唆演出や、大当りに対する信頼度が高いことを示唆する高信頼度示唆演出や、遊技内容を解説する解説演出等に用いられる。なお、高信頼度示唆演出および解説演出を「ナビキャラ演出」総称することがある。レベル画像は、遊技の進行に伴って切替わっていく。具体的には、20回の変動を実行する毎に一段階上の数値のレベル画像に切替わる。例えば、まず、遊技者が、遊技を開始する旨を示す遊技開始操作を行なう。そして、遊技機は、遊技者から遊技開始操作を受付けたことに基づいて、レベルと変動回数をリセットし(具体的には、レベルを計測するレベルカウンタに1をセットするとともに、変動回数を計測する変動回数カウンタに0をセットする)、変動回数の計測を開始する。このとき、レベルカウンタの値に応じて、レベル1を示すレベル画像が表示される。そして、変動表示を20回行なう毎に1つずつ高いレベルを示すレベル画像に切替えて表示する。これにより興趣の向上を図っている。なお、本実施の形態では所定のキャラクタの画像は1種類設けるものとするが、複数種類設けられているものでもよく、レベルに基づいた種別のキャラクタ画像を表示してもよい。
【0034】
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されることはないため、常に視認することができる。
【0035】
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
【0036】
第4図柄の変動表示(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。大当りの種類(15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。
【0037】
遊技盤6における中央部の右側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示する。第1特別図柄表示器8aの右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示する。小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。なお、特別図柄表示器を1つのみ備えるてもよい。
【0038】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0039】
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられる。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
【0040】
第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aにより検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
【0041】
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられるが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くしてもよい。
【0042】
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられる。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0043】
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数である第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられる。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やし、第2特別図柄表示器8bで可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0044】
演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられる。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくできる。なお、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)。
【0045】
合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の色調として、「ピンク」、「緑」、「なし」が設けられている。始動入賞が発生した際に、いずれの色調にて保留表示を行なうかを大当りとなることに対する信頼度に基づいて決定し、決定した色調にて保留表示を行なう。なお、保留表示の示す大当りの信頼度は、「ピンク」が最も高く、次に「緑」が高く、「なし」が最も低い。また、合算保留記憶表示部18cにおいて、未だ変動が行われていない保留記憶に対する保留表示が行なわれるとともに、該保留記憶に対する変動表示を開始してから終了するまでの間、該保留記憶に対する保留表示を、合算保留記憶表示部18cとは異なる所定の領域(不図示)において継続して表示し続ける。すなわち、該所定の領域において、実行中の変動表示が大当りとなることに対する信頼度を示す画像が表示されることとなる。以下、該所定領域における保留表示を「アクティブ保留表示」という。「アクティブ保留表示」における保留表示の画像を「アクティブ保留画像」ということがある。
【0046】
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
【0047】
図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられる。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)でソレノイド21により開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の左側方には、普通図柄表示器10が設けられる。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
【0048】
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することにより可変表示が行われ、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)の場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられる。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やし、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。ただし、後述する高確率/低ベース状態を除く。)では、普通図柄表示器10での停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
【0049】
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられる。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられる。
【0050】
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられる。発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、遊技領域7を下る。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9で演出図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
【0051】
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が開始されるとともに、演出表示装置9で演出図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
【0052】
所定の種別の大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
【0053】
特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
【0054】
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。
図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータであり、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
【0055】
RAM55は、一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、高確率フラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
【0056】
マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されたプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0057】
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
【0058】
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
【0059】
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介し、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載される。
【0060】
演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100が、中継基板77を介し遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御を行う。演出制御基板80に搭載された演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けらた大入賞口LED20Aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介しスピーカ27からの音出力の制御を行う。
【0061】
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。
【0062】
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
【0063】
演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
【0064】
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0065】
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
【0066】
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。
【0067】
演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することで、スティックコントローラ122を振動動作させる。
【0068】
演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて枠LED28や大入賞口LED20A等の発光体に電流を供給する。
【0069】
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0070】
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、メイン処理を開始する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560がメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
【0071】
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
【0072】
リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、一部の場合を除いて、リーチ演出が実行される。リーチ状態とならずに大当り図柄が停止表示する変動パターンとして「リーチなし大当り」(「突発大当り」ともいう)が設けられる。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
【0073】
図4は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、
図4に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。
【0074】
タイマ割込処理において、CPU56は次のような処理を行なう。まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次に、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、その状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
【0075】
次に、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
【0076】
遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
【0077】
さらに、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0078】
次に、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
【0079】
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0080】
出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられるのであるが、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。また、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。
【0081】
さらに、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
【0082】
以上の制御により、遊技制御処理は4ms毎に起動される。遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。
【0083】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」または「非リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0084】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0085】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
【0086】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
【0087】
小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。擬似連の演出では、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに、演出図柄を仮停止してから変動表示を再開させる再変動表示を所定回繰返し実行することにより、大当り遊技状態となるか否かを示唆することが可能である。擬似連の演出において仮停止される仮停止図柄の組合せは、擬似連チャンス目と呼ばれる。擬似連チャンス目としては、通常的な変動表示に用いられる演出図柄の配列に含まれる通常の演出図柄を仮停止させてもよく、通常的な変動表示に用いられる演出図柄の配列に含まれず、擬似連時にのみ出現する擬似連専用図柄を仮停止させてもよい。
【0088】
図5は、予め用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。
図5に示すように、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2、スーパーPB3−5の変動パターンが用意されている。
図5に示すように、リーチしない場合に使用される擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。また、スーパーPB3−5を用いる場合には、スーパーリーチBを行なった後(変動開始から25.5秒経過後)に特別演出に発展し、はずれとなる。
【0089】
また、
図5に示すように、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−5、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−5、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、スーパーPB3−6、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。
図5において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。
図5に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−5を用いる場合には、再変動が4回行われる。突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。非リーチPA1−5を用いる場合には、リーチ演出を行なわずに大当りとなる。以下、リーチ演出を行なわない大当りを「突発大当り」ということがある。スーパーPB3−6を用いる場合には、スーパーリーチBを行なった後(具体的には、変動開始から25.5秒経過後)に特別演出に発展し、大当りとなる。
【0090】
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
【0091】
変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
【0092】
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。
【0093】
後述するように、15R確変大当り、8R確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、特別演出を含むスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、突発大当りのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA3−4とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、特別演出を含むスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
【0094】
図4に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
【0095】
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、
図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、
図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。
図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
【0096】
確変状態には、大当り抽選において大当りと決定される確率を高めた高確率状態に移行されるとともに、高ベース状態にも移行された状態である場合と、高確率状態にのみ移行され高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)状態である場合との2つのケースがあるが、いずれのケースの場合であっても、確変状態である場合には確変時大当り判定テーブルが用いられ、それ以外の場合に通常時大当り判定テーブルが用いられる。15R確変大当りまたは8R確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される。そして、大当り終了後、変動表示を70回終了するまで確変状態および高ベース状態が継続する。また、突然確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高ベース状態には移行されずに高確率状態に移行される。そして、大当り終了後、変動表示を70回終了するまで確変状態が継続する。従って、突然確変大当りの大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの間、高確率状態のみに移行され、高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)確変状態となる場合がある。
【0097】
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、
図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、
図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、
図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
【0098】
所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするが、大当り判定用乱数値が
図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。大当り判定用乱数値が
図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。
図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。
【0099】
図7(B),(C)に示すように、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、小当りと決定される割合が高い。
【0100】
図7(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。
図7(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。
図7(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
【0101】
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「8R確変大当り」、「突然確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図7(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割当てられる(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対し、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割当てられる(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合は、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較し、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。
【0102】
図7(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、大当り遊技において実行されるラウンド数は、例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられてもよい。
【0103】
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するS166〜S170参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態および高確率状態が終了する(S168,S144,S170,S140参照)。
【0104】
「8R確変大当り」とは、8ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するS166〜S170参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態および高確率状態が終了する(S168,S144,S170,S140参照)。
【0105】
また、「突然確変大当り」とは、「15R確変大当り」や「8R確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(高ベース状態には移行されずに高確率状態のみに移行される。)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高確率状態が終了する。
【0106】
「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。これにより、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識不能とし、遊技の興趣を向上させている。
【0107】
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
【0108】
図8(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0109】
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1、ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2、非リーチCA3−4の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0110】
例えば、大当り種別が「8R確変大当り」である場合に用いられる
図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「15R確変大当り」である場合に用いられる
図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1、ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、非リーチCA3−4の変動パターン種別に対する判定値の割当てが異なっている。
【0111】
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割当てられている。よって、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
【0112】
図8(A),(B)に示すように、「15R確変大当り」または「8R確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜221であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB、特別演出)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
【0113】
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4、スーパーPB3−6の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、8R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割当てられることになる。
【0114】
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割当てられている。
【0115】
図8(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図8(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される。
【0116】
図9(A)〜(D)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dを示す説明図である。
図9(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられる。
図9(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる。また、
図9(C)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/高ベース状態(15R確変大当りや8R確変大当りによる大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられる。また、
図9(D)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/低ベース状態(突然確変大当りによる大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられる。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される。
【0117】
図9(C),(D)に示すように、確変状態である場合であっても、突然確変大当りによる大当り終了後の変動表示が行われる場合には、15R確変大当りや8R確変大当りによる大当り終了後の変動表示が行われる場合までと比較して、スーパーリーチを伴う変動パターンが選択される割合が高い。これにより、突然確変大当りによる大当り終了後の高確率状態では高い確率でスーパーリーチの変動表示を行うことにより、高確率状態であることに対する遊技者の期待感を高めている。
【0118】
また、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示から最終回の変動表示にわたってスーパーリーチとなる割合を高めることにより、確変状態の終了直前の大当りに対する遊技者の期待感を高めることとしてもよい。この場合、例えば、大当り終了時に後述する高確率回数カウンタや高ベース回数カウンタに75回をセットするようにし(例えば、高確率回数カウンタおよび高ベース回数カウンタの両方に75をセットして、75回の変動表示を終了するまで高確率/高ベース状態が継続するようにしてもよく、高確率回数カウンタに75をセットし、高ベース回数カウンタに70をセットして、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までは高確率/低ベース状態に制御してもよい。なお、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までは高確率/低ベース状態に制御する場合には、この実施の形態で示したものと同様の制御に従い、高確率フラグや高ベースフラグを確認することによって、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択してもよい(S95,S96,S100,S101参照)。)、変動表示の開始時に、高確率回数カウンタや高ベース回数カウンタの値が残り所定数(例えば5)以内となっているか否か(確変状態の残り回数が所定回数以内となっているか否か)を確認し、所定数(例えば5)以内となっていれば、
図9(D)に示すスーパーリーチの割合を高めたはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを選択するようにし、カウンタの値がまだ所定数(例えば5)より多ければ、
図9(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを選択してもよい。
【0119】
「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターン等、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
【0120】
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0121】
図9(A),(B)に示すように、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB、特別演出)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
【0122】
また、
図9(A)、(B)に示すように、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出等の特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(
図9(A),(B)に示す例では1〜79)が割当てられる。「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出等の特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
【0123】
図10(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果等に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、非リーチCA3−4のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
【0124】
図10(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連や特別演出を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、突発大当りのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA3−4とに種別分けされている場合が示されている。また、
図10(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。
【0125】
図11は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
【0126】
図12および
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図12および
図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
【0127】
8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
【0128】
8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了し表示結果を導出表示する。
【0129】
9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
【0130】
A001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。
【0131】
A1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。大入賞口開放中指定コマンドはラウンド毎にそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンド毎に異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。
【0132】
A301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。A302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
【0133】
B000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。B001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース状態背景指定コマンド)である。B002(H)は、遊技状態が高確率/低ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/低ベース状態背景指定コマンド)である。
【0134】
C000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。C100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
【0135】
C2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。C2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。C300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。
【0136】
C4XX(H)およびC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。C4XX(H)は、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。C6XX(H)は、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
【0137】
入賞時演出処理(
図20参照)において、CPU56は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに基づいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
【0138】
図14は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図14に示すように、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
【0139】
入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄1指定コマンドを送信する。「15R確変大当り」となると判定された場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄2指定コマンドを送信する。「8R確変大当り」となると判定された場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄3指定コマンドを送信する。「突然確変大当り」となると判定された場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄5指定コマンドを送信する。また、「小当り」となると判定された場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄6指定コマンドを送信する。
【0140】
図15および
図16は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。後述する入賞時演出処理のS232,S233において、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したかとに応じて、
図15および
図16ような対応関係でEXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
【0141】
遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
【0142】
いずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、
図9(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜12,21〜29についても同様であり、
図8(A)〜(D)や
図9(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
【0143】
本実施の形態では、決定された変動カテゴリコマンドに基づいて連続予告演出が実行される。「連続予告演出」とは、予告対象となる変動表示が開始されるよりも前から複数の変動にわたって実行される予告演出のことである。連続予告演出として、プレゼント演出を行なう。プレゼント演出は、プレゼントボックス画像を表示するとともに、予告対象である変動表示中にプレゼントボックスを開封してプレゼントの中身の画像(以下、「プレゼント画像」)を表示する演出である。本実施の形態において、プレゼント画像としては、予告対象である変動が大当りであることに対する信頼度を示唆する「キャラクタA」および「キャラクタB」と、アクティブ保留表示の表示形態としての色調を変化させる「変化」とがある。大当りであることに対する信頼度は、キャラクタAの方がキャラクタBよりも高い。また、プレゼント演出において「変化」が表示された場合には、アクティブ保留画像の色を、大当りに対する信頼度の最も高い「ピンク」に変化する。プレゼント演出において「変化」が表示された場合であっても、「変化」が表示されるより前からアクティブ保留画像の色がピンク色である場合には、変化しない。
【0144】
また、本実施の形態におけるプレゼント演出は、予告対象の変動よりも前の変動開始時から開始される。詳細は後述するが、プレゼント演出の開始タイミングは、予告対象の保留記憶がなされて次の変動が開始されるタイミングである。また、プレゼント演出において、保留記憶の数に基づいた個数(1〜3個)のプレゼントを表示可能であり、所定の変動開始時にプレゼントボックス画像を一つずつ表示していく構成である。また、プレゼントボックス画像からプレゼント画像への表示切替は、予告対象の変動中に設けられた有効期間中にプッシュボタン120への操作を受付けることに基づいて行なわれる。プッシュボタン120への操作を受付ける有効期間は、予告対象の保留記憶の変動パターン毎に設けられる。また、プッシュボタン120への操作を受付ける有効期間は、プレゼント画像毎に一つずつ設けられる。プレゼント演出の実行が決定した際に、プレゼント演出を実行する旨を示唆する画像を表示する(プレゼント示唆演出を実行する)ことにより、遊技者に期待感を与えることができる。
【0145】
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、
図12および
図13に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
【0146】
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
【0147】
演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。
【0148】
演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号の立上がりを検出して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0149】
図12および
図13に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
【0150】
図17は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしたときに所定の処理をする始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
【0151】
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
【0152】
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
【0153】
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。実行される特別図柄の変動表示について、大当りフラグ、小当りフラグ、および、大当り種別バッファに設定されたデータ等の各種データを確認することにより、当りであるか否か、小当りであるか否か、および、大当りであるときの大当りの種別等の表示結果を判定し、判定した変動表示結果に対応する表示結果指定コマンドを大当り演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
【0154】
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンを実行し、当該変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
【0155】
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合には、大当り開始1指定コマンド等の大当りの種別に対応した大当り開始指定コマンドの送信、通常状態指定コマンドの送信、大当り表示時間タイマの設定、および、開放回数カウンタへの大当りの種別に対応した開放回数のセットをし、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドの送信、小当り表示時間タイマの設定、および、開放回数カウンタへの小当りの開放回数のセットをし、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、高確率フラグがセット状態のときに高確率回数カウンタ(高確率状態での特別図柄の変動回数を計数するカウンタ)を−1減算更新し、高確率回数カウンタが0になると高確率フラグをリセット状態にする。また、高ベースフラグがセット状態のときに高ベース回数カウンタ(高ベース状態での特別図柄の変動回数を計数するカウンタ)を−1減算更新し、高ベース回数カウンタが0になると高ベースフラグをリセット状態にする。そして、小当りフラグがセットされていない場合には、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドの送信、小当り表示時間タイマの設定、および、開放回数カウンタへの小当りの開放回数のセットをし、内内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。特別図柄プロセスフラグの値が4となったことに基づいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、S22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
【0156】
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。
【0157】
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
【0158】
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。具体的には、大当りフラグをリセットして、大当りの種別に応じた大当り終了指定コマンドを送信した後、大当り終了表示結果を所定期間実行する。そして、突然確変大当りであったときは、高確率フラグのセット、および、高確率回数カウンタのセット(70回の変動回数)をする。一方、15R確変大当りまたは8R確変大当りであったときは、このような高確率フラグおよび高確率回数カウンタのセットに加え、時短フラグのセット、および、高ベース回数カウンタのセット(70回の変動回数)をする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。また、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0159】
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
【0160】
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10)に更新する。
【0161】
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100にさせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0162】
図18は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、次のような処理をする。まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
【0163】
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
【0164】
第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
【0165】
図19(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。
図19(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。
図19(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図19(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。保留特定領域は、RAM55に形成されている。
【0166】
次に、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、第1保留記憶バッファ(
図19(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
【0167】
図19(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。
図19(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
【0168】
次に、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1219)。また、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1221)。
【0169】
S1218,S1219の処理を実行することによって、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
【0170】
また、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
【0171】
次に、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、処理を終了する。
【0172】
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
【0173】
次に、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(
図19(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。S1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
【0174】
次に、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1229)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1230)。また、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1232)。
【0175】
S1229,S1230の処理により、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。S1229〜S1232の処理により、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
【0176】
図20は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56が次のような処理をする。まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りの信頼度を予告する連続予告演出を実行する。
【0177】
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。高確率フラグがセットされていれば、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
【0178】
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図7(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、
図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、
図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
【0179】
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S224)。
【0180】
次に、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S225)。S225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否か)を判定する。始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
【0181】
そして、S225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(S226)。予め閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、
図15および
図16に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
【0182】
例えば、遊技状態が高確率/高ベース状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。
【0183】
遊技状態が高確率/低ベース状態であると判定した場合には閾値79を設定する。この場合、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0B(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。
【0184】
遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(
図15参照)。
【0185】
上記の閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定する。また、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定してもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
【0186】
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、「小当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S227)。
【0187】
次に、小当り用の閾値を設定する(S228)。閾値251を設定するものとし、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(
図16参照)。
【0188】
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合は、S1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、
図7(D)の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、
図7(E)の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
【0189】
次に、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。「15R確変大当り」となると判定した場合には、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する。「8R確変大当り」となると判定した場合には、「8R確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する。「突然確変大当り」となると判定した場合には、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する。
【0190】
そして、S229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(S231)。例えば、「8R確変大当り」と判定した場合には、閾値74、149および241を設定する。この場合、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(
図16)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(
図16)。また、閾値241以下である場合(すなわち、150〜241である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(
図16)。また、閾値241以下でない場合(すなわち、242〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「19(H)」を設定すると判定する(
図16)。
【0191】
「15R確変大当り」と判定した場合には、閾値38、79および221を設定する。この場合、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(
図16)。閾値79以下である場合(39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(
図16)。閾値221以下である場合(80〜221である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(
図16)。閾値221以下でない場合(222〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「1A(H)」を設定すると判定する(
図16)。
【0192】
「突然確変大当り」と判定した場合は、閾値100を設定する。S232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(
図16)。また、閾値100以下でない場合(101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(
図16)。
【0193】
次に、S226,S228,S231で設定した閾値と、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値範囲となるかを判定する(S232)。
【0194】
そして、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(S233)。具体的には、S232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、
図15および
図16に示すような「00(H)」〜「0B(H)」、「10(H)」〜「1A(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
【0195】
なお、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わなくてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信してもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことに基づいて、後述する連続予告演出を実行してもよい。
【0196】
図21および
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、次のような処理をする。合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(S51A)、処理を終了する。S51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
【0197】
合算保留記憶数が0でなければ、保留特定領域(
図19(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
【0198】
S52〜S54の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
【0199】
次に、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
【0200】
そして、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
【0201】
特別図柄ポインタが「第1」を示す場合に、RAM55の第1保留記憶バッファで第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファで第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。保留特定領域で合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
【0202】
各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応する保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致する。そして、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
【0203】
現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S60)。高確率状態であることを示す高確率フラグと、高ベース状態であることを示す高ベースフラグとがともにセットされている場合には、高確率高ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。高確率フラグのみがセットされ、高ベースフラグがセットされていない場合には、高確率低ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。高確率フラグも高ベースフラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
【0204】
演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S28)において演出制御コマンドを送信する。特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
【0205】
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
【0206】
次に、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する。この場合、始動口スイッチ通過処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値や小当り判定値(
図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
【0207】
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなる。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における
図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における
図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられる。遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
【0208】
現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り終了後所定回数(この実施の形態では70回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
【0209】
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、小当り判定テーブル(
図7(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、
図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、
図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、S75に移行する。
【0210】
S71では、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、
図7(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、
図7(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
【0211】
次に、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。この場合、始動口スイッチ通過処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、大当り種別を決定する。この場合、
図7(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
【0212】
また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合は大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「8R確変大当り」の場合は大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合は大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
【0213】
次に、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的に、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合は、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合は、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合は「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「8R確変大当り」に決定した場合は「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合は「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合は、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
【0214】
図23は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理においてCPU56は次のような処理をする。変動パターン設定処理において、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(
図8(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(S92)。そして、S102に移行する。
【0215】
大当りフラグがセットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(
図8(D)参照)を選択する(S94)。そして、S102に移行する。
【0216】
小当りフラグもセットされていない場合には、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(S95)。高ベースフラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、高ベース状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」または「8R確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では70回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
【0217】
高ベースフラグがセットされていなければ(S95のN)、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S96)。高確率フラグもセットされていなければ(S96のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S97)。合算保留記憶数が3未満であれば(S97のN)、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(
図9(A)参照)を選択する(S98)。そして、S102に移行する。
【0218】
合算保留記憶数が3以上である場合(S97のY)には、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(
図9(B)参照)を選択し(S99)、S102に移行する。
【0219】
高確率フラグがセットされている場合(S96のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/低ベース状態であれば、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(
図9(D)参照)を選択し(S100)、S102に移行する。
【0220】
高ベースフラグがセットされている場合(S95のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/高ベース状態であれば(低確率/高ベース状態に制御されることはないので、高ベースフラグがセットされていれば高確率/高ベース状態である)、変動パターン種別を決定するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(
図9(C)参照)を選択し(S101)、S102に移行する。
【0221】
S95〜S101の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、
図9(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。遊技状態が高確率/高ベース状態である場合には、
図9(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、S105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(
図11参照)。従って、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
【0222】
次に、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S92、S94、S98、S99、S100またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
【0223】
次に、S102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(
図10参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(
図11参照)のうちのいずれかを選択する(S103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。
【0224】
次に、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S106)。具体的には、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信する制御を行う(S107)。
【0225】
次に、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
【0226】
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(S1121)。
【0227】
次に、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1122)。次に、変動時間タイマを1減算し(S1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(S1127)。次に、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
【0228】
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図25は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理をする。電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0229】
演出制御処理においては、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次に、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
【0230】
次に、第4図柄プロセス処理を行う(S706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。次に、大当り図柄決定用乱数等の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
【0231】
図26は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。
【0232】
演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(
図12、
図13)であるのか解析する。演出制御INT信号に基づく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
【0233】
図27および
図28は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は以下の処理をする。受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納される。
【0234】
コマンド解析処理において、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
【0235】
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、受信した変動パターンコマンドをRAMに形成された変動パターンコマンド格納領域に格納し(S615)、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成された表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
【0236】
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S619)、確定コマンド受信フラグをセットする(S620)。受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(S621)、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S622)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))であれば(S623)、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。
【0237】
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(S651)、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(S652)。
【0238】
図29は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。
図29に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。
図18の始動口スイッチ通過処理のS1218〜S1221,S1229〜S1232で示したように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドがセットで送信される。そのため、
図29に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
【0239】
コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、
図29に示すように、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる(
図29では、格納領域1〜5までコマンドが格納されている例が示されている)。
【0240】
図29に示す例では、前回の変動表示において7個までの保留記憶が発生して最新のコマンドが格納されている格納領域に合算保留記憶数7を指定する合算保留記憶数指定コマンド(C207(H))が格納され、その後、保留記憶が1つ消化されて2番目の保留記憶に基づく変動表示が開始されている状況での始動入賞時コマンド格納領域の格納状態が示されている。
【0241】
また、
図29に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごと(合算保留記憶数減算指定コマンドを受信するごと)に、後述するS663で1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、
図29に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされ、格納領域5に格納されている各コマンドが格納領域4にシフトされる。各コマンドが削除されるタイミングは、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する演出図柄変動開始処理中であってもよい。
【0242】
図29に示すように、各格納領域1〜8には、3つのプレゼントデータQを格納できるよう記憶領域が確保されている。プレゼントデータQは、各保留記憶をプレゼント演出の予告対象としたときに実行可能な演出内容(表示するプレゼント画像)のパターンを示すデータであり、0〜3のいずれかの値である。プレゼントデータQとして、「1」が格納されている場合はプレゼント画像として「キャラクタA」が表示され、「2」が格納されている場合はプレゼント画像として「キャラクタB」が表示され、「3」が格納されている場合はプレゼント画像として「変化」が表示される。プレゼントデータQとして「0」が格納されている場合は、プレゼント演出を実行しないことを示している。プレゼントデータQに対応した全ての記憶領域に「0」が格納されている格納領域は、該格納領域に対応する保留記憶を予告対象としたプレゼント演出を実行しないことを示している。プレゼントデータQとして「0」と、「0」以外の値とが格納されている場合(
図29の格納領域5のように「1」、「2」、「0」が記憶されている場合)は、最大回数未満(本実施の形態では最大回数が3回であるため、1〜2回)のプレゼント演出を実行することを示している(
図29の格納領域5に示す例では、該格納領域5に対応した保留記憶を予告対象として、2個のプレゼントボックス画像が表示されるとともに、「キャラクタA」および「キャラクタB」がプレゼント画像として表示される。)。
【0243】
始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。始動入賞時の入賞時演出処理(
図20参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
【0244】
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(S653)、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S654A)。そして、変動カテゴリコマンドを受信したことを示す変動カテゴリコマンド受信フラグをセットする(S654B)。
【0245】
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S655)、合算保留記憶表示部18cの保留表示を1つ増加し、合算保留記憶数表示を更新する(S656A)。次に、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成された始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納された格納領域に格納する(S656B)。
【0246】
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S657)、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ増加させ、合算保留記憶数表示を更新する合算保留記憶数表示を更新する(S658A)。そして、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(S658B)。
【0247】
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(S659)、その合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成された始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S660)。
【0248】
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(S661)、合算保留記憶表示部18cの1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(S662)。合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が点灯表示された場合に、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には、1つ目の保留表示をアクティブ保留表示の表示領域にシフトし、2つ目に表示されていた保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトし、4つ目に表示されていた保留表示を3つ目の表示領域にシフトし、5つ目に表示されていた保留表示を4つ目の表示領域にシフトする。
【0249】
また、始動入賞時コマンド格納領域における格納領域1のデータを削除し、残りのデータをシフトして格納する(S663)。受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S684)。そして、S611に移行する。
【0250】
図30は、
図25に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理をする。連続予告演出における演出内容を決定する連続予告演出決定処理を実行する(S800A)。そして、プッシュボタン120に対する遊技者からの操作を受付ける操作受付処理をする(S800B)。
【0251】
次に、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。また、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかにより、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断してもよい。
【0252】
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
【0253】
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
【0254】
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
【0255】
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
【0256】
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
【0257】
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
【0258】
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
【0259】
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9で、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
【0260】
図31は、連続予告演出決定処理を示すフローチャートである。連続予告演出決定処理で、演出制御用CPU101は、以下のような処理をする。まず、新たな始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定し(S3501)、受信していない場合は処理を終了する。新たな始動入賞時コマンドを受信した場合、保留表示の色調を決定する保留表示色決定抽選を行なう(S3502)。このとき、
図32に示す保留表示色決定用テーブルを用いて、保留表示の色調を決定する。
【0261】
図32は、保留表示色決定用テーブルを示す説明図である。保留表示色決定用テーブルは、入賞時判定結果毎に保留表示の色調(保留表示色)の決定割合を示す。入賞時判定結果が大当りである場合、50/100の割合で「ピンク」が、30/100の割合で「緑」が、20/100の割合で「なし」が、選択される。入賞時判定結果が小当りである場合、20/100の割合で「ピンク」が、50/100の割合で「緑」が、30/100の割合で「なし」が、選択される。入賞時判定結果がはずれである場合、5/100の割合で「ピンク」が、15/100の割合で「緑」が、80/100の割合で「なし」が、選択される。入賞時判定結果は、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドのいずれに基づき判定されてもよい。
【0262】
S3502の後、決定した保留表示色にて保留画像を表示する(S3503)。そして、受信した変動カテゴリコマンドが特定の変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S3504)。特定の変動カテゴリコマンドとは、変動種別がスーパーCA2−7を示す変動カテゴリコマンド(変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ10コマンド、変動カテゴリ12コマンド)と、変動種別がスーパーCA3−3を示す変動カテゴリコマンド(変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンド)とである。ここでは、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるか否かを判定している。特定の変動カテゴリでない場合、処理を終了する。
【0263】
S3504において、特定の変動カテゴリである場合、受信した始動入賞時コマンドに対応する保留記憶を予告対象としたプレゼント演出を実行するか否かを決定するためのプレゼント演出実行抽選を行なう(S3505)。ここでは、
図33に示すプレゼント演出実行抽選テーブルを用いてプレゼント演出実行抽選を行なう。
【0264】
図33は、プレゼント演出実行抽選テーブルを示す説明図である。
図33に示すプレゼント演出実行抽選テーブルは、入賞時判定結果毎におけるプレゼント演出の実行の有無の決定割合が含まれる。S3505では、レベルカウンタの値に基づくプレゼント演出実行抽選テーブルが選択され、プレゼント演出実行抽選がされる。
【0265】
図33(A)に示すプレゼント演出実行抽選テーブルは、レベルカウンタの値が20以下である場合に用いられるプレゼント演出実行抽選テーブルである。
図33(A)に示すプレゼント演出実行抽選テーブルにおいては、入賞時判定結果が大当りであれば40/100の割合でプレゼント演出の実行が決定され、入賞時判定結果がはずれであれば10/100の割合でプレゼント演出の実行が決定される。
【0266】
図33(B)に示すプレゼント演出実行抽選テーブルは、レベルカウンタの値が21以上である場合に用いられるプレゼント演出実行抽選テーブルである。
図33(B)に示すプレゼント演出実行抽選テーブルにおいては、入賞時判定結果が大当りであれば50/100の割合でプレゼント演出の実行が決定され、入賞時判定結果がはずれであれば30/100の割合でプレゼント演出の実行が決定される。
【0267】
このように、レベルカウンタの値が21以上である場合の方が、レベルカウンタの値が21以上である場合よりもプレゼント演出の実行割合が高くなる。これにより、変動回数が多くなる程プレゼント演出の発生頻度が高まることで、長時間遊技を行っている遊技者に退屈感を与えることを防止することができ、興趣の向上を図ることができる。なお、入賞時判定結果が小当りである場合については、S3504において特定の変動カテゴリを受信したと判定しないことから、プレゼント演出実行抽選テーブルに含まれていないが、小当りを予告対象としてプレゼント演出を実行可能なものとし、プレゼント演出実行抽選テーブルに含まれてもよい。本実施の形態では、突然確変大当りを予告対象としたプレゼント演出を実行しないが、これに限らず、突然確変大当りや小当りの場合であっても、上述した特定の変動カテゴリ(変動種別がスーパーCA2−7またはがスーパーCA3−3を示す変動カテゴリコマンド)を選択可能なものとしてもよいし、または、受信した変動カテゴリコマンドが、変動カテゴリ27〜29コマンド(小当りまたは突然確変大当りに対応する変動カテゴリコマンド。
図16を参照。)のいずれかであっても、S3504において特定の変動カテゴリであると判定してもよい。入賞時判定結果は、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドのいずれに基づいて判定されてもよい。
【0268】
S3505の後、プレゼント演出実行抽選の抽選結果として実行することが決定されたか否かを判定し(S3506)、実行しない場合は処理を終了する。実行する場合、プレゼント演出を開始する旨を示唆するプレゼント示唆演出を実行する(S3507)。ナビゲーションキャラクタのセリフとして、「プレゼントをあげるよ」といった画像を表示することにより、プレゼント示唆演出を実行する。なお、本実施の形態では、プレゼント示唆演出を実行した場合には必ずプレゼント演出を実行するが、プレゼント演出を実行しない場合であっても所定の割合でプレゼント示唆演出を実行してもよい。これにより、プレゼント示唆演出が発生した場合に、プレゼント演出が実行されることに対する期待感と、実行されないことに対する不安感とを遊技者に与えることができ、興趣の向上を図ることができる。本実施の形態においては1種類の演出態様のプレゼント示唆演出が設けられることとしたが、複数種類の演出態様のプレゼント示唆演出が設けられてもよい。その場合、プレゼント演出を実行する場合と実行しない場合とで、異なる割合にてプレゼント演出の演出態様を選択してもよい。これにより、プレゼント示唆演出の演出態様によってプレゼント演出の実行割合を示唆することができ、興趣の向上を図ることができる。その後、プレゼント演出の実行中であることを示すプレゼント演出フラグをセットし(S3508)、合算保留記憶数を実行回数Kにセットする(S3509)。実行回数Kは、実行中のプレゼント演出における残余変動回数を示している。
【0269】
次に、表示個数Pに0をセットする(S3510A)。表示個数Pは、表示中のプレゼントボックス画像の数を示している。このときはプレゼント演出においてプレゼントボックス画像を表示していない。そして、合算保留記憶数が3以上であるか否かを判定し(S3510B)、3以上であれば、最大プレゼント数Pmaxに3をセットし(S3511)、S3515へ移行する。最大プレゼント数Pmaxは、実行するプレゼント演出において表示するプレゼント画像の数を示している。合算保留記憶数が2であれば(S3512)、最大プレゼント数Pmaxに2をセットし(S3511)、S3515へ移行する。合算保留記憶数が2でなければ、すなわち、合算保留記憶数が1であれば、最大プレゼント数Pmaxに1をセットし(S3514)、S3515へ移行する。S3515では、表示するプレゼント画像を決定するプレゼント決定抽選処理を行なう(S3515)。ここでは、
図34に示すプレゼント決定用テーブルを用いてプレゼント決定抽選処理を行なう。
【0270】
図34は、プレゼント決定用テーブルを示す説明図である。
図34に示すプレゼント決定用テーブルは、入賞時判定結果毎における、プレゼント画像の選択割合を示している。入賞時判定結果が大当りであれば、プレゼント画像として「変化」が60/100の割合で、「キャラクタA」が20/100の割合で、「キャラクタB」が20/100の割合で、選択される。また、例えば、入賞時判定結果がはずれであれば、プレゼント画像として「変化」が20/100の割合で、「キャラクタA」が30/100の割合で、「キャラクタB」が50/100の割合で、選択される。これにより、プレゼント画像における大当りに対する信頼度は、「変化」が最も高く、次に「キャラクタA」が高く、「キャラクタB」が最も低い。S3515においては、最大プレゼント数Pmaxの回数、プレゼント決定用テーブルを用いた抽選を行なうことで、各プレゼントボックス画像に対応したプレゼント画像を決定する。入賞時判定結果が小当りである場合については、S3504において特定の変動カテゴリを受信したと判定しないことから、プレゼント演出実行抽選テーブルに含まれていない。また、入賞時判定結果は、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドのいずれに基づいて判定されるものであってもよい。なお、プレゼント画像が「変化」である場合には、アクティブ保留画像の表示態様をピンク色に変化させるものであるため、既にアクティブ保留画像の表示態様がピンク色である場合には「変化」が選択されないような構成としてもよい。また、プレゼント画像として「変化」が複数回表示された場合、1回目に「変化」が表示された際にアクティブ保留画像の表示態様はピンク色に変化されるため、2回目以降に「変化」が表示されても演出効果を発揮することができない。そのため、複数のプレゼント画像を表示するプレゼント演出においては、プレゼント演出として「変化」を複数回選択しなくてもよい。
【0271】
その後、S3515で選択されたプレゼント画像に関する情報を記憶し(S3516)、連続予告演出決定処理を終了する。S3516では、具体的には、始動入賞時コマンド格納領域のプレゼントデータQの記憶領域に、選択したプレゼント画像に対応したプレゼントデータQの値を格納することにより、プレゼント画像に関する情報を記憶する。具体的に、プレゼント画像として「キャラクタA」が選択された場合「1」を格納し、「キャラクタB」が選択された場合「2」を格納し、「変化」が選択された場合「3」を格納する。この際、
図29に示した始動入賞時コマンド格納領域でのプレゼントデータQの記憶領域に、左側から順に格納する。
【0272】
なお、本実施の形態では、上述したように、保留表示を入賞時判定結果に基づいた色に変化させる保留表示変化演出と、プレゼント演出とを一の保留記憶に対して同時に実行可能としたが、いずれか一方のみを実行可能なものとしてもよい。例えば、始動入賞時に、保留表示変化演出を実行せずにプレゼント演出を実行するか、プレゼント演出を実行せずに保留表示変化演出を実行するか、またはプレゼント演出および保留表示変化演出を実行しないかを選択し、選択結果に基づいた演出を実行してもよい。具体的には、保留表示色決定用テーブル(
図32)と、プレゼント演出実行抽選テーブル(
図33)との代わりに、保留表示変化演出における演出態様(変化する色調)の選択肢と、プレゼント演出の実行の有無の選択肢と、プレゼント演出および保留表示変化演出を実行しないことを示す選択肢とが含まれるテーブルが設けられ、該テーブルを用いて、いずれの演出(プレゼント演出または保留表示変化演出)を実行するか、いずれの演出も実行しないか、また、いずれかの演出を実行する場合での演出態様等を一括して選択可能としてもよい。また、プレゼント演出における演出態様(プレゼント画像)も一括して選択可能としてもよい。
【0273】
本実施の形態では、プレゼントボックス画像を表示した場合に必ずプレゼント画像に切替えて表示するが、プレゼントボックス画像を表示してもプレゼント画像を表示しないパターンを有してもよく、プレゼント画像を表示しない旨を示す選択肢が含まれるプレゼント決定用テーブルを用いてS3515を行なってもよい。
【0274】
また、プレゼントボックス画像に対するプレゼント画像を決定する際、
図34に示したプレゼント決定用テーブルを用いて一つずつ決定することとしたが、一括して全プレゼント画像を決定することとしてもよい。例えば、プレゼント画像の組合せを示す複数のデータが最大プレゼント数Pmax毎に設けられており、該複数のデータから一のデータを選択することにより、一括して全プレゼント画像を決定することとしてもよい。また、プレゼントボックス画像を表示してもプレゼント画像を表示しないパターンを有する遊技機においては、プレゼント画像の組合せを示す複数のデータ中に、プレゼント画像の組合せの要素と、プレゼント画像を表示しない旨を示す要素とを含むものとしてもよい。
【0275】
また、表示するプレゼント画像の数(最大プレゼント数Pmax)が合算保留記憶数に基づいて決定される(S3510B〜S3514)とともに、プレゼントボックス画像の表示タイミングが、プレゼント演出の予告対象の保留表示が発生した次の変動からの毎変動開始時であるものとしたが、これに限るものではない。例えば、プレゼント演出の実行を決定した際に、プレゼントボックス画像の表示を実行するか否かを決定する抽選を各保留記憶に対して実行することにより、実現してもよい。その場合、プレゼントボックス画像を表示することを決定する場合のプレゼント画像も選択肢として設けられていることにより、プレゼントボックス画像の表示を実行するか否か、および実行する場合にはいずれのプレゼント画像を表示するかを決定する抽選を各保留記憶に対して実行することにより、実現してもよい。
【0276】
いずれの保留記憶の変動開始時にプレゼントボックス画像を表示するかを、全保留記憶に対して一括して決定することにより、表示するプレゼントボックス画像の数を決定してもよい。例えば、各保留記憶に対してプレゼントボックス画像を表示するか否かが対応付けられた複数のデータが合算保留記憶数毎に設けられており、該複数のデータから一のデータを選択することにより実現してもよい。また、該複数のデータ内の要素として、各保留記憶に対してプレゼントボックス画像を表示するか否か、およびプレゼントボックス画像を表示する場合には表示するプレゼント画像が対応付けられてもよく、プレゼントボックス画像を表示するか否か、および表示する場合におけるプレゼント画像を一括して決定することで実現してもよい。
【0277】
図35は、操作受付処理を示すフローチャートである。操作受付処理において、有効期間フラグがセットされているか否かを判定する(S3901)。有効期間フラグは、プッシュボタン120への操作を受付け可能な有効期間であることを示すフラグである。有効期間フラグがセットされていない場合、S3910へ移行する。セットされている場合、プッシュボタン120に対する操作を受付けたか否かを判定し(S3902)、操作を受付けていない場合、有効期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S3903)。有効期間タイマは、有効期間開始時にセットされるタイマであり、本実施の形態では4秒を計測するタイマである。有効期間タイマがタイムアウトしていない場合、S3910へ移行する。S3902において操作を受付けた場合、またはS3903において有効期間タイマがタイムアウトした場合、有効期間フラグをリセットし(S3904)、プレゼント演出フラグがセットされているか否かを判定する(S3905)。プレゼント演出フラグがセットされている場合、すなわち、プレゼント演出中である場合、該当するプレゼントボックス画像をプレゼント画像に切替表示する(S3906)。このとき、具体的には、始動入賞時コマンド格納領域における格納領域1に格納されているプレゼントデータQのうち、最も左側に格納されている0以外の値に応じたプレゼント画像に切替えて表示する。最も左側に格納されている0以外の値とは、例えば、左側から「1」、「2」、「0」と格納されている場合は「1」であり、左側から「0」、「2」、「3」と格納されている場合は「2」である。そして、始動入賞時コマンド格納領域における格納領域1に格納されているプレゼントデータQのうち、最も左側に格納されている0以外の値を「0」にする。具体的に、例えば、始動入賞時コマンド格納領域における格納領域1に格納されているプレゼントデータQは、左側から「1」、「2」、「0」と格納されている場合は「0」、「2」、「0」となり(すなわち、次の有効期間においてはプレゼントデータQ=2に対応したプレゼント画像を表示することとなり)、また、左側から「0」、「2」、「3」と格納されている場合は「0」、「0」、「3」となる(すなわち、次の有効期間においてはプレゼントデータQ=3に対応したプレゼント画像を表示することとなる)。このように、始動入賞時に決定したプレゼント画像が表示可能である。
【0278】
S3906の後、S3096Aにて表示したプレゼント画像が「変化」であるか否かを判定し(S3907)、「変化」でない場合はS3910へ移行する。「変化」である場合、アクティブ保留表示の表示形態(色調)をピンク色に切替える(S3908)。なお、本実施の形態では、プレゼント画像として「変化」が表示された場合に、アクティブ保留表示を大当りに対する信頼度の最も高い表示形態に変化させることとしたが、異なる表示態様に変化させるものであればこれに限るものではない。例えば、アクティブ保留画像を、ピンク色以外の色調に変化させるものであってもよいし、また、他の形状に変化させるものであってもよい。また、保留表示の表示形態(例えば、色調)が大当りに対する信頼度に基づいて複数段階設けられており、保留表示を開始してから表示形態を段階毎に変化させていく機能を有する遊技機においては、「変化」を表示することを契機に、大当りに対する信頼度が高い段階の表示形態に変化してもよい。具体的に、表示形態として5段階設けられている場合、まず、始動入賞時にいずれの段階まで表示形態を変化可能とするかを決定する。その際、決定された段階の表示形態までの変化パターン(例4段階目までの変化が決定された際、1段階目から表示を開始して、変動開始毎に1段階ずつ変化させる変化パターン)が決定されるものとしてもよい。そして、変化パターンに応じて保留表示を変化させていくとともに、アクティブ保留表示しているときにプレゼント画像として「変化」を表示したときに、1段階上の表示形態に変化させるようなものであってもよい。また、プレゼント画像を表示する前に、既に最高段階の表示形態へ変化している場合には、プレゼント画像として「変化」を選択しないような構成としてもよい。
【0279】
また、S3905において、プレゼントデータがセットされていない場合とは、ボタン演出の実行中である。ボタン演出は、特別演出が実行される変動にて実行される演出である。特別演出が実行される変動とは、具体的に、変動パターンがスーパーPB3−5およびスーパーPB3−6の変動である。該変動においては、所定のタイミングでスーパーリーチBを行なうとともに、スーパーリーチBから特別演出へ発展し、変動開始から50秒が経過した時点からボタン演出が開始される。ボタン演出は、有効期間中にプッシュボタン120への操作を受付けた場合、または受付けないまま有効期間が終了した場合に、所定の画像を表示する演出である。そこで、S3905において、プレゼントデータがセットされていない場合(すなわち、ボタン演出の実行中である場合)、ボタン演出における所定の画像(例えば、敵キャラクタとのバトルの勝敗を報知する画像や、大当りであるか否かを示唆する画像)に切替表示を行ない(S3909)、S3910へ移行する。
【0280】
S3910においては、遊技開始操作を受付けたか否かを判定する(S3910)。遊技開始操作とは、遊技を開始する旨を示す所定の操作であり、プッシュボタン120や他の操作部材に対して行われる所定の操作である。遊技開始操作を受付けていない場合、操作受付処理を終了する。受付けた場合、変動回数カウンタに0をセットし(S3911)、レベルカウンタに1をセットし(S3912)、レベル1に対応したレベル画像に切替えて表示し(S3913)、操作受付処理を終了する。このように、遊技者が操作を開始するとともに、レベル1から遊技を行なわせる構成となっている。なお、遊技開始操作を受付けた場合にはレベル1から開始する構成とするが、例えば、遊技開始操作時に所定のパスワードが入力された場合、1以外のレベルから遊技を開始するものであってもよい。具体的には、例えば、遊技者が前回遊技した際のレベルの値を引き継いで、遊技を行なわせてもよい。
【0281】
図36は、
図25に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。なお、前述したように、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(S44参照)のであるが、
図36に示すように、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことに基づいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
【0282】
図37は、
図30に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理をする。まず、変動パターンコマンドに基づいて擬似連の変動パターンが選択されたときの擬似連の演出に関する設定等の処理をする擬似連演出処理を実行する(S8000)。変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読出す(S8001)。次に、S8002で読出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、S8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組合せや、通常では表示されない特殊な画像(数字以外の画像であってもよい。)を含む図柄の組合せ等。「擬似連図柄」ともいう。)も決定する。また、S8002において、「図柄変動時の変動形態の変化」の演出態様の連続演出を実行すると決定されている場合には、演出図柄の停止図柄として、いわゆるチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組合せ)を決定する。決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、S8002において、受信した変動パターンコマンドに基づいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみに基づいて演出図柄の停止図柄を決定してもよい。
【0283】
演出表示装置9に表示結果として導出表示される3図柄の組合せよりなる「停止図柄」は、次のように決定される。受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」または「8R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
【0284】
受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンドまたは表示結果6指定コマンドである場合)、停止図柄として「135」等の演出図柄の組合せを決定する。「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
【0285】
演出制御用CPU101は、停止図柄を決定する乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられた停止図柄決定テーブルを用い、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択して停止図柄を決定する。演出図柄について、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組合せ)を大当り図柄という。はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
【0286】
次に、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(連続予告演出以外の予告演出。例えば、本実施の形態における高信頼度示唆演出および解説演出。ステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、可動物予告演出、演出羽根役物予告演出等であってもよい。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(S8003A)。そして、連続予告演出を設定するための連続予告演出設定処理を実行する(S8003B)。
【0287】
次に、変動パターンや連続予告演出以外の予告演出を実行する場合にはその連続予告演出以外の予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S8005)。
【0288】
プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
【0289】
プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。演出制御用CPU101は、連続予告演出以外の予告演出を実行することに決定され、連続予告演出以外の予告演出を実行する場合には、S8004において連続予告演出以外の予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
【0290】
リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成してもよい。
【0291】
演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27)の制御を実行する(S8006)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御をさせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。スピーカ27から音声を出力させるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。なお、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示がされるように制御するが、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択してもよい。
【0292】
次に、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S8007)。その後、変動回数カウンタを1加算し(S8009)、変動回数カウンタの値が20に達したか否かを判定する(S8010)。20に達していない場合はS8008へ移行する。20に達した場合、レベルカウンタの値を1加算し(S8011)、レベルカウンタの値に応じたレベル画像に切替えて表示する(S8012)。そして、変動回数カウンタをリセットする(S8013)。これにより、20回の変動毎にレベルが上がる演出を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S8008)。なお、S8009〜S8013を行なうことにより、変動回数に基づいたレベル画像を表示する演出を実行可能としているが、これらの処理の実行タイミングは演出図柄の変動開始時に限らない。例えば、演出図柄の変動終了時にS8009〜S8013と同様の処理を実行してもよい。また、本実施の形態では変動回数に基づいてレベルが上がる構成としたが、特定の演出が発生したことを契機にレベルを上げてもよい。また、レベルを上げるためのポイントが設定されており(蓄積されたポイントが所定数に達することで、新たな段階のレベル画像を表示するようなもの)、所定条件の成立に基づいて(特定の演出の発生や、所定回数の変動等)該ポイントとして所定値が付与されてもよい。また、レベルが上がるための条件や、レベルを上げるためのポイントを付与する条件は、複数の要素を組合せるものであってもよく、100ポイント蓄積されることを契機としてレベルが1上がる構成であり、変動回数1回毎に1ポイントが、特定の演出が発生する毎に10ポイントが付与されるようなものであってもよい。また、本実施の形態では、レベルが上がるための条件を一定としたが、レベルが上がるほど、レベルが上がるための条件の成立する難易度が段階的に高くなるような構成としてもよい。具体的には、レベル1におけるレベルが上がるための条件を20回の変動の実行とし、レベル2におけるレベルが上がるための条件を30回の変動の実行とし、レベル3におけるレベルが上がるための条件を40回の変動の実行としてもよい。
【0293】
図38は、予告演出設定処理を示すフローチャートである。予告演出設定処理において、まず、プレゼント演出フラグがセットされているか否かを判定し(S4401)、セットされている場合、すなわちプレゼント演出の実行中である場合には、S4405へ移行する。セットされていない場合、すなわちプレゼント演出の実行中でない場合には、ナビキャラ演出の実行の有無を決定するナビキャラ演出実行抽選を行なう(S4402)。このとき、
図39に示すナビキャラ演出実行抽選テーブルを用いてナビキャラ演出実行抽選を行なう。
【0294】
図39は、ナビキャラ演出実行抽選テーブルを示す説明図である。
図39に示すナビキャラ演出実行抽選テーブルは、表示結果(大当り/小当り/はずれ)毎のナビキャラ演出態様の選択割合を示している。表示結果が大当りである場合、40/100の割合で高信頼度示唆演出を実行することが、10/100の割合で解説演出を実行することが、50/100の割合でナビキャラ演出を実行しないことが、それぞれ選択される。また、表示結果が小当りである場合、20/100の割合で高信頼度示唆演出を実行することが、20/100の割合で解説演出を実行することが、60/100の割合でナビキャラ演出を実行しないことが、それぞれ選択される。表示結果がはずれである場合、10/100の割合で高信頼度示唆演出を実行することが、30/100の割合で解説演出を実行することが、60/100の割合でナビキャラ演出を実行しないことが、選択される。なお、解説演出においては、解説内容の異なる複数種類の演出態様を設けてもよい。また、その場合、表示結果毎に解説演出の演出態様の選択割合を異ならせることにより、状況に対して適当な内容の解説を行なうことができるとともに、表示結果を示唆することができ、興趣を向上させることができる。表示結果が大当りである場合にははずれである場合よりも、大当り発生後の遊技内容(確変状態や時短状態における演出)を解説する演出態様を選択する割合が高く、表示結果がはずれである場合には大当りである場合よりも通常状態の演出を解説する演出態様を選択する割合が高くしてもよい。
【0295】
S4402の後、S4402においてナビキャラ演出を実行することが決定されたか否かを判定し(S4403)、実行しないことが決定された場合はS4405へ移行する。実行することが決定された場合、実行が決定されたナビキャラ演出に応じたナビキャラ演出画像を表示する(S4404)。例えば、高信頼度示唆演出の実行が決定された場合であれば、ナビゲーションキャラクタのセリフとして「激アツ!」といった画像を表示したり、解説演出の実行が決定された場合であれば、ナビゲーションキャラクタのセリフとして「スーパーリーチBからさらに特別演出へ発展すると激アツだ!」といった画像を表示したりする。S4401〜S4404を行なうことにより、プレゼント演出中にナビキャラ演出が発生することを回避することができる。したがって、プレゼント演出とナビキャラ演出との実行期間が重複することによる興趣の低下を防止することができる。
【0296】
その後、変動パターンコマンド格納領域にボタン演出に応じた変動パターンが格納されているか否かを判定する(S4405)。ボタン演出に応じた変動パターンとは、特別演出を実行する変動パターンであり、スーパーPB3−5およびスーパーPB3−6である。変動パターンコマンド格納領域にボタン演出に応じた変動パターンが格納されている場合、ボタン演出フラグをセットし(S4406)、予告演出設定処理を終了する。ボタン演出フラグは、ボタン演出を実行する変動であることを示すフラグである。
【0297】
図40は、連続予告演出設定処理を示すフローチャートである。連続予告演出設定処理において、まず、プレゼント演出フラグがセットされているか否かを判定し(S4001)、セットされていない場合、すなわち、プレゼント演出の実行中でない場合、連続予告演出設定処理を終了する。セットされている場合、すなわち、プレゼント演出の実行中である場合、表示個数Pと最大プレゼント数Pmaxが同値であるか否かを判定し(S4002)、同値である場合はS4005へ移行する。表示個数Pと最大プレゼント数Pmaxが同値である場合とは、既に全てのプレゼントボックス画像を表示していることである。表示個数Pと最大プレゼント数Pmaxが同値でない場合、すなわち、未だ表示されていないプレゼントボックス画像がある場合は、プレゼントボックス画像を表示し(S4003)、表示個数Pに1を加算する(S4004)。
【0298】
その後、実行回数Kから1を減算し(S4005)、実行回数Kが0であるか否かを判定し(S4006)、実行回数が0でない場合、すなわち、プレゼント演出における最終変動でない場合、連続予告演出設定処理を終了する。実行回数が0である場合、すなわち、プレゼント演出における最終変動である場合、開封フラグをセットする(S4007)。開封フラグは、プレゼント演出における最終変動であることを示すフラグである。その後、最大プレゼント数Pmaxの値と変動パターンとに応じて、開封タイマT1〜T3をセットする(S4008)。開封タイマT1〜T3は、プレゼントボックス画像をプレゼント画像へ切替えるタイミングまでの時間を計測するタイマであり、具体的には、変動開始時点から、表示中のプレゼントボックス画像をプレゼント画像へ切替えるまでの所要時間を計測するタイマである。すなわち、開封タイマがタイムアウトしたタイミングで表示中のプレゼントボックス画像をプレゼント画像へ切替えることとなる。ここでは、
図41に示す開封タイミング設定テーブルを用いて、開封タイマT1〜T3をセットする。
【0299】
図41は、開封タイミング設定テーブルを示す説明図である。
図41に示す開封タイミング設定テーブルは、変動パターン毎に予め設定された開封タイマ値を示している。なお、
図41に示す開封タイミング設定テーブルには変動パターン毎の演出内容と変動時間に関する情報が含まれるが、変動パターンと開封タイマ値が関連付けられていれば、これに限られない。
図41に示す開封タイミング設定テーブルにおいて、スーパーPA3−1/PA3−3の変動パターンに対して、開封タイマT1として20秒が、開封タイマT2として25秒が、開封タイマT3として30秒が、それぞれ関連付けられている。また、スーパーPA3−2/PA3−4の変動パターンに対して、開封タイマT1として22秒が、開封タイマT2として27秒が、開封タイマT3として32秒が、それぞれ関連付けられている。また、スーパーPA3−5の変動パターンに対して、開封タイマT1として33秒が、開封タイマT2として38秒が、開封タイマT3として43秒が、それぞれ関連付けられている。また、スーパーPB3−1/PB3−3の変動パターンに対して、開封タイマT1として5秒が、開封タイマT2として10秒が、開封タイマT3として15秒が、それぞれ関連付けられている。また、スーパーPB3−2/PB3−4およびスーパーPB3−5/PB3−6の変動パターンに対して、開封タイマT1として7秒が、開封タイマT2として12秒が、開封タイマT3として17秒が、関連付けられている。このように、変動パターン毎に異なる開封タイマ値が設けられており、S4008では、最大プレゼント数Pmaxに応じた開封タイマの値がセットされる。最大プレゼント数Pmaxが「1」であれば開封タイマT1のみが、最大プレゼント数Pmaxが「2」であれば開封タイマT1,T2が、最大プレゼント数Pmaxが「3」であれば開封タイマT1〜T3が、それぞれセットされることとなる。変動パターンがスーパーPB3−1/PB3−3である場合、最大プレゼント数Pmaxが「2」であれば開封タイマT1として5秒が、開封タイマT2として10秒がセットされるのみであり、開封タイマT3にはいずれの値もセットされない。
【0300】
また、
図41に示す開封タイミング設定テーブルにおいて、各変動パターンに対して演出内容および変動時間が関連付けられている。擬似連を含まない変動では、リーチの種別にかかわらず、変動開始から5秒後にリーチ演出が発生する構成となっている。そのため、擬似連を含まない変動において、上述したような開封タイミングが設定されることにより、全ての開封タイミングはリーチ中となる。また、擬似連を実行した後にリーチ演出に発展する変動においては、リーチの種別にかかわらず、変動開始から20秒後にリーチ演出に発展する構成となっている。そのため、擬似連を実行した後にリーチ演出に発展する変動においても、上述したような開封タイミングが設定されることにより、全ての開封タイミングはリーチ中となる。
【0301】
スーパーリーチBを含む変動パターンは、特別演出に発展する変動であるか否かにかかわらず、共通の開封タイミングが設定してある。これにより、スーパーリーチBを実行しているときに示す挙動は、変動パターンがスーパーPB3−2/PB3−4であっても、スーパーPB3−5/PB3−6であっても同様である。したがって、特別演出へ発展するか否かを遊技者に認識させにくくすることができ、スーパーリーチBの実行中に特別演出の発展に対する期待感を与えることができる。
【0302】
また、変動パターンがスーパーPB3−5/PB3−6である場合、変動開始から25.5秒後に特別演出へ発展する。そのため、開封タイマ値をセットすることにより、特別演出が発生するよりも前に開封タイミングが設定されることとなり、プレゼント演出と特別演出との実行期間の重複を回避することができる。したがって、プレゼント演出が特別演出の妨げとなることを防止することができる。
【0303】
また、ボタン演出が含まれる特別演出が発生するよりも前に開封タイミングが設定されることにより、プレゼント演出とボタン演出とのプッシュボタン120に対する操作の有効期間が重複しない。なお、本実施の形態では、
図41に示した開封タイミング設定テーブルには、変動パターン毎にプレゼント演出の開封タイミングに関する情報が含まれるが、さらに、ボタン演出の発生タイミングに関する情報も含まれてもよい。例えば、スーパーPB3−5/PB3−6に対して、ボタン演出の発生タイミングT4として50秒が記憶されてもよい。なお、ボタン演出の発生タイミングとしては、プレゼント演出の開封タイミングに基づく有効期間タイミングとは重複しないタイミングが記憶されているものであることが望ましい。
【0304】
S4008の後、セットされた開封タイマT1〜T3をスタートさせ(S4009)、連続予告演出設定処理を終了する。なお、
図40に示した処理の実行タイミングは、演出図柄の変動開始時に限らず、例えば、変動終了時に実行してもよい。例えば、変動終了時に、表示個数Pに基づいてプレゼント画像を表示してもよいし、プレゼント演出の残余実行回数の計測(例えば、実行回数Kを1減算するとともに実行回数Kが0になるか否かを判定)してもよい。
【0305】
図42は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は以下の処理をする。まず、連続予告演出中処理を行う(S8100A)。次に、ボタン演出フラグがセットされているか否かを判定し(S8100B)、セットされていない場合はS8101へ移行する。ボタン演出フラグがセットされている場合、すなわち、ボタン演出を実行する変動である場合、変動開始から50秒が経過したか否かを判定し(S8100C)、経過していない場合はS8101へ移行する。変動開始から50秒が経過した場合、有効期間フラグをセットするとともに(S8100D)、有効期間タイマをセットし(S8100E)、S8101へ移行する。これにより、ボタン演出におけるプッシュボタン120への操作を受付ける有効期間が設定される。
【0306】
次に、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S8101)、変動時間タイマの値を1減算する(S8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されたプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S8104)。また、その次に設定された表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づき演出装置に対する制御状態を変更する(S8105)。そして変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S8111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S8112)。
【0307】
図43は、連続予告演出中処理を示すフローチャートである。連続予告演出中処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理をする。まず、開封フラグがセットされているか否かを判定し(S4200)、セットされていなければ、連続予告演出中処理を終了する。開封フラグがセットされていれば、すなわち、プレゼント演出の予告対象の変動であれば、開封タイマの値を1減算し(S4201)、開封タイマT1,T2,T3のいずれかがタイムアウトしたか否かを判定し、いずれかの開封タイマがタイムアウトしていれば有効期間フラグをセットする(S4202〜S4205)。そして、有効期間タイマをセットし(S4206)、連続予告演出処理を終了する。これにより、変動パターン毎に設定された所定のタイミングに有効期間を開始する構成としている。
【0308】
図44は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理をする。まず、開封フラグがセットされているか否かを判定し(S8300A)、セットされていない場合はS8301へ移行する。開封フラグがセットされていれば、すなわち、プレゼント演出の予告対象となる変動が終了した場合には、開封フラグをリセットするとともに(S8300B)、プレゼント演出フラグをリセットし(S8300C)、S8301へ移行する。
【0309】
そして、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S8305に移行する。演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S8305に移行する。
【0310】
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(S8302)。S8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(S8303のN)、S8310に移行する。
【0311】
S8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(S8303のY)、停止図柄表示フラグをセットし(S8304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、停止図柄表示フラグをリセットし(S8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8307)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、そのフラグをリセットする。
【0312】
そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによりプロセスタイマをスタートさせ(S8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)を制御する(S8309)。次に、演出制御プロセスフラグ値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S8310)。
【0313】
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(S8303のN)、所定のフラグをリセットする(S8311)。例えば、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットしてもよい(
図36のS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットしてもよい)。ただし、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理等においてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S8312)。
【0314】
次に、本実施の形態の演出表示装置9における表示例について説明する。
図45〜
図47は、プレゼント演出実行時の表示例を示す説明図である。各表示例は、タイミング毎の表示装置9における表示例について示している。
【0315】
図45および
図46は、プレゼント画像として「キャラクタA」および「キャラクタB」が選択された際の表示例について示している。まず、レベル画像510として「Lv8」が表示されている変動中のタイミング(a1)にて、始動入賞が発生し、新たに保留表示511が表示される。このとき、内部的には、保留表示511の保留記憶を予告対象としたプレゼント演出の実行が決定される。このときの合算保留記憶数は2である(ステージ512の上部に表示されている保留表示がアクティブ保留表示であり、合算保留記憶数としてはカウントしない)ことから、最大プレゼント数Pmaxおよび実行回数Kの値として「2」がセットされる。また、表示個数Pに0がセットされる。また、このとき、プレゼントデータQが抽選によって決定され、始動入賞時コマンド格納領域には、プレゼントデータQとして「1」および「2」が左側の記憶領域からセットされる。
【0316】
そして、タイミング(a2)では、示唆画像513が表示される。これにより、タイミング(a1)でプレゼント演出の実行が決定されたことに基づいたプレゼント示唆演出が実行される。タイミング(a3)では変動が停止し、タイミング(a4)では新たな変動が開始される。このとき、各保留表示がずらされて表示され、一つ目のプレゼントボックス画像514が表示される。このとき、内部的には、実行回数Kが1減算されて「1」となり、表示個数Pが1加算されて「1」となる。
【0317】
タイミング(a5)ではさらに変動が停止し、タイミング(a6)では新たな変動が開始される。このとき、各保留表示がずらされて表示されるとともに、二つ目のプレゼントボックス画像515が表示される。このとき、Kが1減算されて「0」となる。表示個数Pが1加算されて「2」となり、最大プレゼント数Pmaxの値と同値であることより、全てのプレゼントボックス画像の表示が終了したこととなる。そして、プレゼント演出の予告対象の保留記憶に対する保留表示511がステージ512上にずらされ、プレゼント演出の予告対象の変動が開始される。
【0318】
タイミング(a7)では、リーチ演出が開始されるとともに、プレゼント演出における有効期間が変動パターンに基づいて開始され、プッシュボタン120への操作を遊技者に促す操作報知画像516が表示される。なお、ここでは、操作報知画像516のみを表示するが、有効期間の長さを遊技者に示唆する有効期間示唆画像を伴って表示してもよい。例えば、残りの有効期間を示すメータが時間経過とともに減っていくような画像を有効期間示唆画像として表示してもよい。
【0319】
タイミング(a8)では、有効期間中にプッシュボタン120の操作を受付けたこと(または、有効期間が終了したこと)に基づき、一つ目のプレゼントボックス画像514から「キャラクタA」のプレゼント画像517に切替えて表示される。タイミング(a9)では、さらに変動パターンに基づいて有効期間が開始され、プッシュボタン120への操作を遊技者に促す操作報知画像516が表示される。
【0320】
タイミング(a10)では、有効期間中にプッシュボタン120への操作を受付けたこと(または、有効期間が終了したこと)に基づいて、二つ目のプレゼントボックス画像515から「キャラクタB」のプレゼント画像518に切替えて表示される。そして、タイミング(a10)の後、変動が停止される。
【0321】
次に、
図47は、プレゼント画像として「変化」が選択された際の表示例について示している。まず、プレゼント演出の予告対象の保留記憶に対する変動中であり、一つのプレゼントボックス画像532が表示されているタイミング(b1)で、変動パターンに基づいて有効期間が開始され、プッシュボタン120への操作を遊技者に促す操作報知画像533が表示される。このとき、アクティブ保留表示531の色調は「なし」である。
【0322】
タイミング(b2)で、有効期間中にプッシュボタン120への操作を受付けたこと(または、有効期間が終了したこと)ことに基づいて、プレゼントボックス画像532から「変化」のプレゼント画像534に切替えて表示される。そして、タイミング(b3)で、アクティブ保留表示531の色調が「なし」から「ピンク」に変化して表示される。そして、タイミング(b3)の後、変動が停止される。
【0323】
図48は、プレゼント演出実行時のタイミングチャートである。
図48に示すタイミングチャートは、プレゼント演出の予告対象である保留記憶に対応した変動が開始された時点からの経過時間に応じた、特別図柄の変動の開始/停止と、プッシュボタン120への操作を受付ける有効期間の開始/停止とを示している。本実施の形態では、リーチ演出の種別にかかわらず変動開始から5秒経過時点でリーチ演出が発生する構成としている。また、各有効期間は開始から4秒で終了する構成としている。
図48に示すタイミングチャートは、プレゼント演出において3つのプレゼントボックス画像を表示している場合における各タイミングを示している。
【0324】
図48(1)には、変動パターンがスーパーPB3−1またはスーパーPB3−3である場合の特別図柄の変動および有効期間におけるタイミングを示している。図示するように、変動開始から5秒経過時点でスーパーリーチAが開始されるとともに、プレゼント演出の有効期間が開始され、変動開始から9秒経過時点で終了する。また、変動開始から10秒経過時点からプレゼント演出の有効期間が開始され、変動開始から14秒経過時点で終了する。そして、変動開始から15秒経過時点からプレゼント演出の有効期間が開始され、変動開始から19秒経過時点で終了し、変動開始から22.75秒経過時点で変動が終了する。
【0325】
図48(2)には、変動パターンがスーパーPB3−5またはスーパーPB3−6である場合の特別図柄の変動および有効期間におけるタイミングを示している。図示するように、変動開始から5秒経過時点でスーパーリーチBが開始される。そして、変動開始から7秒経過時点からプレゼント演出の有効期間が開始され、変動開始から11秒経過時点で終了する。また、変動開始から12秒経過時点からプレゼント演出の有効期間が開始され、変動開始から16秒経過時点で終了する。そして、変動開始から17秒経過時点からプレゼント演出の有効期間が開始され、変動開始から21秒経過時点で終了する。その後、変動開始から25.5秒経過時点でスーパーリーチBから特別演出に発展する。そして、変動開始から50秒経過時点から54秒経過時点までボタン演出の有効期間が設定され、変動開始から60秒経過時点で変動が終了する。
【0326】
このように、プレゼント演出の予告対象となる変動の変動パターンによって、プレゼントボックス画像からプレゼント画像に変化させるタイミングが異なる。また、複数のプレゼントボックス画像を表示可能とし、それぞれのプレゼントボックス画像毎に、プレゼント画像に変化させるタイミングが異なる。また、特別演出が発生する前に、全てのプレゼントボックス画像をプレゼント画像に変化させる。また、特別演出中に発生するボタン演出の有効期間と、プレゼント演出における有効期間とが重複しない。
【0327】
次に、前述した擬似連の変動表示の演出の一例として、特殊識別情報を仮停止図柄として仮停止し、その特殊識別情報に再変動表示の回数を特定可能な特定情報を付与可能である例を説明する。
【0328】
前述したような擬似連の演出においては、擬似連チャンス目を構成する仮停止図柄として、通常的な変動表示に用いられる通常の演出図柄(たとえば、数字図柄)以外の特殊識別情報として擬似連図柄が仮停止する場合がある。擬似連図柄は、前述したような数字図柄により構成される通常の演出図柄とは異なる円形等の特定形状の擬似連専用図柄よりなる。この実施の形態では、擬似連図柄(擬似連専用図柄)は、形状に基づいて、通常の演出図柄とは区別される。そして、擬似連図柄には、たとえば、「NEXT 1回」というような、擬似連の再変動回数を特定可能な文字および数字等の特定情報として、擬似連回数情報が付与可能である。
【0329】
図49は、擬似連回数情報94b(または94d)が付与された擬似連図柄94a(または94c)が用いられる擬似連の演出例を示す演出表示装置9の表示画面図である。
図49では、(a)〜(g)において、再変動が4回実行される擬似連の演出の一例が示されている。
図49では、(h)〜(i)において、擬似連図柄のその他の例が示されている。
【0330】
特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、
図49(a)に示すように、演出表示装置9における「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93のぞれぞれで「0」〜「9」の9つの数字図柄よりなる演出図柄の変動表示が開始される。
図49(b),(c)に示すように、「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93は、基本的に、「左」,「右」,「中」図柄表示エリア91,93,92の順番により演出図柄が停止される。
【0331】
擬似連となる変動表示を実行するときに、
図49(b)に示すように、「左」図柄表示エリア91および「右」図柄表示エリア93において演出図柄がリーチ状態を形成しない態様(非リーチ状態)で、一旦仮停止した後、「中」図柄表示エリア92において、
図49(c)の擬似連図柄94aのような、予め定められた擬似連図柄が仮停止することにより、擬似連の演出が行なわれる変動表示であることが示唆(報知)される。
図49(c)のように、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア91,92,93において、擬似連図柄を含む擬似連仮停止図柄の組合せ(擬似連チャンス目)が仮停止した後には、擬似連の再変動表示が実行され得る。
【0332】
図49(c)に示すように、擬似連図柄94aは、通常の変動表示に用いられる数字図柄(0〜9)とは異なる円形(〇形)の擬似連専用図柄である。擬似連図柄94aは、擬似連演出においてのみ用いられる図柄であり、通常の変動表示には用いられず、擬似連演出の仮停止時において、停止される数字図柄と差替えられる態様で出現する態様で表示される。
【0333】
図49(c)〜(e),(f)に示すように、擬似連図柄94aには、「NEXT 1回」〜「NEXT 3回」,「MAX」というような擬似連の再変動回数を特定可能な擬似連回数情報94bが付与可能である。「NEXT」は再変動を示す文字であり、「1回〜3回」および「MAX」は何回目の仮停止および再変動であるかを示す数字および文字である。
【0334】
具体的に、擬似連の演出において、1回目の仮停止時には
図49(c)のように「NEXT 1回」という擬似連回数情報94bにより、1回目の仮停止であり1回目の再変動が実行されることが示唆される。擬似連の演出において、2回目の仮停止時には
図49(d)のように「NEXT 2回」という擬似連回数情報94bにより、2回目の仮停止であり2回目の再変動が実行されることが示唆される。擬似連の演出において、3回目の仮停止時には
図49(e)のように「NEXT 3回」という擬似連回数情報94bにより、3回目の仮停止であり3回目の再変動が実行されることが示唆される。最大擬似連回数である4回目の仮停止時には
図49(f)のように「MAX」という擬似連回数情報94bにより、最終(最大)となる4回目の仮停止であり最終(最大)となる4回目の再変動が実行されることが示唆される。
【0335】
たとえば、再変動が4回実行される擬似連の演出では、4回目の再変動が実行されるときに、
図49(g)のように、「左」図柄表示エリア91および「右」図柄表示エリア93において演出図柄がリーチ状態(同一図柄)となった後、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア91,92,93において全図柄の表示結果が導出表示される。再変動が1回実行される擬似連の演出では1回目の再変動が実行されるときにリーチ状態となる。再変動が2回実行される擬似連の演出では2回目の再変動が実行されるときにリーチ状態となる。再変動が3回実行される擬似連の演出では3回目の再変動が実行されるときにリーチ状態となる。再変動が4回実行される擬似連の演出では4回目の再変動が実行されるときにリーチ状態となる。
【0336】
図49(h),(i)に示すように、擬似連図柄としては、擬似連図柄94aとは異なる三角形の形状の擬似連図柄94cも用いられる。擬似連図柄94cにも前述したような擬似連回数情報94bが付与される。三角形(▽形)の擬似連図柄94cは、円形の擬似連図柄94aと比べて、表示されたときに大当りとなる期待度が高い擬似連図柄として用いられる。
【0337】
図49(h)に示すように、
図49(c)の擬似連図柄94aと異なる擬似連図柄94cを用いる場合でも、擬似連回数情報としては、
図49(c)の擬似連図柄94aと共通の擬似連回数情報94bが用いられる場合がある。
【0338】
図49(i)に示すように、擬似連回数情報としては、擬似連回数情報94bとは異なる文字により構成される擬似連回数情報94dも用いられる。擬似連回数情報94dには、「連 1回」〜「連 3回」,「MAX」というよう擬似連の再変動回数を特定可能な情報が示される。「連」は前述の「NEXT」の代わりに用いられる再変動を示す文字であり、「1回〜3回」および「MAX」は前述した擬似連回数情報94bで用いられる情報と同じことを示す数字および文字である。「連」を含む擬似連回数情報94dは、「NEXT」を含む擬似連回数情報94bと比べて、表示されたときに大当りとなる期待度が擬似連回数情報として用いられる。
【0339】
図49(c)〜(i)に示すように、擬似連の演出において、仮停止する擬似連図柄に、再変動の回数を特定可能な擬似連回数情報が付与可能であることにより、仮停止時に再変動の回数が認識可能となるので、擬似連の演出の興趣を高めることができる。
【0340】
図49(c)に示すような擬似連図柄94aは第1擬似連図柄と呼ばれ、
図49(h),(i)に示すような擬似連図柄94cは第2擬似連図柄と呼ばれる。
図49(a),(h)に示すような擬似連回数情報94bは第1擬似連回数情報と呼ばれ、
図49(i)に示すような擬似連回数情報94dは第2擬似連回数情報と呼ばれる。
【0341】
また、
図49(c)に示すような第1擬似連図柄94aおよび第1擬似連回数情報94bを用いる擬似連演出は、第1擬似連演出と呼ばれる。
図49(h)に示すような第2擬似連図柄94cおよび第1擬似連回数情報94bを用いる擬似連演出は、第2擬似連演出と呼ばれる。
図49(i)に示すような第2擬似連図柄94cおよび第2擬似連回数情報94dを用いる擬似連演出は、第3擬似連演出と呼ばれる。
【0342】
図50は、擬似連の演出において、擬似連図柄および擬似連回数情報の表示に関する演出パターンを示す図である。
図50においては、(A)に擬似連図柄の仮停止タイミングが示され、(B)に擬似連回数情報の表示パターンが示される。
【0343】
図50(A)には、再変動を4回実行する擬似連の変動表示における仮停止タイミングが時間tに経過にしたがって示され、「NEXT」を含む擬似連回数情報94bが擬似連図柄に付与される例が示されている。
図50(A)に示すように、擬似連の変動パターンでの初回の変動表示(擬似連1回目の変動)が実行された後、時刻t1において1回目の仮停止がされ、仮停止された擬似連図柄に「NEXT 1回」の擬似連回数情報が付与される。次に、1回目の再変動(擬似連2回目の変動)が実行された後、時刻t2において2回目の仮停止がされ、仮停止された擬似連図柄に「NEXT 2回」の擬似連回数情報が付与される。次に、2回目の再変動(擬似連3回目の変動)が実行された後、時刻t3において3回目の仮停止がされ、仮停止された擬似連図柄に「NEXT 3回」の擬似連回数情報が付与される。次に、3回目の再変動(擬似連4回目の変動)が実行された後、時刻t4において4回目の仮停止がされ、仮停止された擬似連図柄に「NEXT MAX」の擬似連回数情報が付与される。その後、t5でリーチ演出が開始される。
【0344】
図50(B)には、擬似連回数(初回変動および再変動を含む合計変動回数)と、擬似連回数情報表示パターンとの関係が示されている。擬似連回数が1回(仮停止1回)のときには仮停止時に「NEXT 1回」という擬似連回数情報が付与される。擬似連回数が2回(仮停止2回)のときには、1回目の仮停止時に「NEXT 1回」、2回目の仮停止時に「NEXT 2回」という表示パターンで擬似連回数情報が付与される。擬似連回数が3回(仮停止3回)のときには、1回目の仮停止時に「NEXT 1回」、2回目の仮停止時に「NEXT 2回」、3回目の仮停止時に「NEXT 3回」という表示パターンで擬似連回数情報が付与される。擬似連回数が4回(仮停止4回)のときには、1回目の仮停止時に「NEXT 1回」、2回目の仮停止時に「NEXT 2回」、3回目の仮停止時に「NEXT 3回」、4回目の仮停止時に「MAX」という表示パターンで擬似連回数情報が付与される。これにより、仮停止する擬似連図柄が再変動表示の途中段階であるか最終段階であるかにより付与する擬似連回数情報が異なるので、擬似連回数情報の種類により、擬似連の演出が最終段階であることを報知することができる。このような擬似連回数と、擬似連回数情報表示パターンとの関係を示すデータは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されており、擬似連の演出を実行するときに、擬似連回数情報表示パターンを決定するときに用いられる。
【0345】
図51は、擬似連演出における擬似連図柄および擬似連回数情報を選択決定する擬似連演出決定テーブルを示す図である。
図51において、(A)には大当り決定時に用いる大当り用擬似連演出決定テーブルが示され、(A)にははずれ決定時に用いるはずれ用擬似連演出決定テーブルが示されている。このような擬似連演出決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されており、擬似連演出の演出内容を決定するときに用いられる。
【0346】
図51の大当り用擬似連演出決定テーブルおよびはずれ用擬似連演出決定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての演出種類決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の値が、
図49(c)に示す第1擬似連演出、
図49(h)に示す第2擬似連演出、および、
図49(i)に示す第3擬似連演出のそれぞれに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
【0347】
図51に示すように、第1擬似連演出は、前述した第1擬似連図柄94a(〇形の図柄)および第1擬似連回数情報94b(NEXT,MAX)を用いる演出である。第2擬似連演出は、前述した第2擬似連図柄94c(▽形の図柄)および第1擬似連回数情報94b(NEXT,MAX)を用いる演出である。第3擬似連演出は、前述した第2擬似連図柄94c(▽形の図柄)および第2擬似連回数情報94d(連,MAX)を用いる演出である。
【0348】
変動表示結果が大当り表示結果となるときに用いられる
図51(a)の大当り用擬似連演出決定テーブルは、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに用いられる
図51(b)のはずれ用擬似連演出決定テーブルと比べて、第2擬似連図柄94c(▽形の図柄)が表示される第2擬似連演出および第3擬似連演出が選択される割合が高く設定されている。したがって、第2擬似連演出または第3擬似連演出が選択されて第2擬似連図柄94cが表示されるときには、第1擬似連演出が選択されて第1擬似連図柄94aが表示されるときと比べて、大当りとなる期待度が高くなる。これにより、擬似連演出において、第2擬似連図柄94cが表示されたときには、第1擬似連図柄94aが表示されたときと比べて、遊技者の大当りに対する期待感を向上させることができる。
【0349】
さらに、変動表示結果が大当り表示結果となるときに用いられる
図51(a)の大当り用擬似連演出決定テーブルは、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに用いられる
図51(b)のはずれ用擬似連演出決定テーブルと比べて、第2擬似連回数情報94d(連,MAX)が表示される第3擬似連演出が選択される割合が高く設定されている。したがって、第3擬似連演出が選択されて第2擬似連回数情報94dが表示されるときには、第1擬似連演出または第2擬似連演出が選択されて第1擬似連回数情報94bが表示されるときと比べて、大当りとなる期待度が高くなる。これにより、擬似連演出において、第2擬似連回数情報94dが表示されたときには、第1擬似連回数情報94bが表示されたときと比べて、遊技者の大当りに対する期待感を向上させることができる。
【0350】
また、変動表示結果が大当り表示結果となるときに用いられる
図51(a)の大当り用擬似連演出決定テーブルは、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに用いられる
図51(b)のはずれ用擬似連演出決定テーブルと比べて、同じ第2擬似連図柄94c(▽形の図柄)が表示される大当りとなる期待度が高い第2擬似連演出および第3擬似連演出の中から第2擬似連回数情報94d(連,MAX)が表示される第3擬似連演出が選択される割合が高く設定されている。したがって、同じ第2擬似連図柄94cが表示されるときであっても、第3擬似連演出が選択されて第2擬似連回数情報94dが表示されるときには、第2擬似連演出が選択されて第1擬似連回数情報94bが表示されるときと比べて、大当りとなる期待度が高くなる。これにより、擬似連演出において、同じ第2擬似連図柄94cが表示されたときであっても、第2擬似連回数情報94dが表示されたときには、第1擬似連回数情報94bが表示されたときと比べて、遊技者の大当りに対する期待感をより一層向上させることができる。
【0351】
次に、第1擬似連演出、第2擬似連演出、および、第3擬似連演出を実行するときにおける
図41の擬似連演出処理の処理内容を説明する。
図52は、擬似連図柄を用いた擬似連演出をするときの擬似連演出処理を示すフローチャートである。
図52においては、擬似連演出処理の一例として、
図49〜
図51で説明したような擬似連図柄を用いた擬似連演出をするときに用いる擬似連演出処理を示すフローチャートである。
【0352】
図52の擬似連演出処理においては、今回の変動表示は、擬似連演出が実行される変動パターンであるか否かを変動パターンコマンド格納領域に格納されたコマンドに基づいて判定する(S901)。S901で擬似連演出が実行される変動パターンでないときは、処理を終了する。一方、S901で擬似連演出が実行される変動パターンであるときは、今回の変動表示が大当り表示結果となる変動表示であるか否かを表示結果指定コマンド格納領域に格納されたコマンドに基づいて判定する(S902)。
【0353】
S902で今回の変動表示が大当り表示結果となる変動表示であるときは、演出種類決定用の乱数SR2を抽出し、
図51(a)の大当り用擬似連演出決定テーブルを用い、SR2に基づいて、第1擬似連演出、第2擬似連演出、および、第3擬似連演出のうちから、擬似連演出を選択決定することにより、今回の変動表示の擬似連演出に用いる擬似連図柄および擬似連回数情報(
図50(b)のような擬似連回数情報表示パターンも含む)を選択する等、擬似連演出の内容を選択し、処理を終了する。一方、S902で今回の変動表示が大当り表示結果とならない変動表示であるときは、演出種類決定用の乱数SR2を抽出し、
図51(b)のはずれ用擬似連演出決定テーブルを用い、SR2に基づいて、第1擬似連演出、第2擬似連演出、および、第3擬似連演出のうちから、擬似連演出を選択決定することにより、今回の変動表示の擬似連演出に用いる擬似連図柄および擬似連回数情報(
図50(b)のような擬似連回数情報表示パターンも含む)を選択する等、擬似連演出の内容を選択し、処理を終了する。
【0354】
このように、擬似連演出処理により擬似連演出の内容が決定されたときは、その決定に基づいて、たとえば、
図41の演出図柄変動開始処理のS8004におけるプロセステーブルを選択するときにおける変動パターンの情報として用いられる。これにより、変動表示において、擬似連演出処理により決定された擬似連演出が実行可能となる。
【0355】
なお、特殊識別情報としての擬似連図柄は、通常の変動表示で用いられる演出図柄と形状が異なるものを一例として説明したが、これに限らず、形状、大きさ、色彩、模様、および、輝度等の図柄を構成する要素のうち少なくともいずれか1つが通常の変動表示で用いられる演出図柄と異なるようなものであれば、どのような種類の図柄を用いてもよい。
【0356】
また、再変動表示の回数を特定可能な特定情報としての擬似連回数情報は、「NEXT 1回」というような、文字と数字との組合せによる組合せ情報であってもよく、数字のみの情報であってもよい。また、再変動表示の回数を特定可能な特定情報としては、所定の画像(たとえば、アイコン画像等)の表示数により回数を特定可能(たとえば、アイコン画像が1個表示されると1回、アイコン画像が2個表示されると2回等)であってもよく、擬似連図柄に付随して表示するキャラクタの種類により回数を特定可能(たとえば、第1キャラクタが表示されると1回、第2キャラクタが表示されると2回等)であってもよく、擬似連図柄に表示する所定の画像(たとえば、NEXTという文字等)の色により回数を特定可能(たとえば、白色であると1回、赤色であると2回等)であってもよい等、回数を特定可能な情報であればどのような情報を用いてもよい。
【0357】
また、擬似連図柄としては、擬似連回数情報が付与されたもののみを用いる例を示したが、これに限らず、擬似連回数情報が付与されていない図柄も含めて用いてもよい。その場合には、同じ擬似連図柄であっても擬似連回数情報が付与されている図柄の方が擬似連回数情報が付与されていない図柄よりも大当りの期待度が高くなるように選択割合を設定してもよい。また、擬似連図柄としては、擬似連回数情報が予め付与された状態で表示が開始されるものを示したが、これに限らず、擬似連回数情報が付与されていない状態で表示が開始された後、所定時間の経過等の所定の付与条件が成立したときに擬似連回数情報が付与される演出がされるようにしてもよい。このように、特定情報としての擬似連回数情報は、特殊識別情報としての擬似連図柄において付与可能となるものであればよい。
【0358】
以上に説明したように、この実施の形態によれば、複数回の変動に亘って特定画像(プレゼントボックス画像)を表示するとともに、変動パターンに応じたタイミングにて特定画像から特殊画像(プレゼント画像)へ変化させる構成とした。これにより、特定画像を用いた演出の演出効果を向上させることができる。また、
図49に示すように、擬似連の演出において、仮停止する擬似連図柄に、再変動の回数を特定可能な擬似連回数情報が付与可能であることにより、仮停止時に再変動の回数が認識可能となるので、擬似連の演出の興趣を高めることができる。
【0359】
図49(c)の第1擬似連図柄94aと、
図49(h)の第2擬似連図柄94cとで、共通の第1擬似連回数情報94bが付与されるように、異なる種類の擬似連図柄を仮停止させたときでも、共通の擬似連回数情報が表示されるので、仮停止させた擬似連図柄の種類が異なっても再変動表示の回数が認識しやすくすることができる。
【0360】
図51に示すように、大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、第1,第2擬似連回数情報のうち、第2擬似連回数情報(連,MAX)を表示する割合が高い。このように、大当りに対する期待度を擬似連回数情報の種類により示唆することができ、擬似連の演出の興趣をより一層高めることができる。
【0361】
図49(c),(d),(e),(f)に示すように、擬似連図柄が仮停止するときに擬似連回数情報が付与されるので、擬似連回数情報を付与することが擬似連の継続を示唆することににもなり、演出を多様化させることができる。
【0362】
図50(B)に示すように1回目〜3回目の仮停止時には「NEXT1回〜3回」が擬似連回数情報として付与され、4回目の仮停止時には「MAX」が擬似連回数情報として付与される。これにより、仮停止する擬似連図柄が再変動表示の途中段階であるか最終段階であるかにより付与する擬似連回数情報が異なるので、擬似連回数情報の種類により、擬似連の演出が最終段階であることを報知することができる。
【0363】
また、以上に説明したように、入賞時判定結果に基づいた表示態様にて保留表示を行なうとともに、実行中の変動に対応した保留表示をアクティブ保留画像として表示し、プレゼントボックス画像がプレゼント画像として「変化」に切替えられることに基づいてアクティブ保留表示の表示態様を変化させる。これにより、特定画像を表示する演出(プレゼント演出)の演出効果を向上させることができる。
【0364】
また、以上に説明したように、本実施の形態において、プレゼント演出中にはナビキャラ演出を実行しない構成とした。これにより、ナビキャラ演出に妨げられることなくプレゼント演出を実行することができるため、演出効果を低減させることなくプレゼント演出を実行することができ、プレゼント演出(特定画像を表示する演出)の演出効果を向上させることができる。なお、特定画像を表示する演出と重複して実行することを制限する演出としては、ナビキャラ演出に限るものではなく、セリフ予告演出や、キャラクタ予告演出等いずれの演出の実行を制限してもよい。また、プレゼント演出中にはナビキャラ演出を実行するか否かを決定する抽選自体を行なわないようにすることで実現するものであってもよいし、また、プレゼント演出の実行中であるか否かにかかわらずナビキャラ演出を実行するか否かを決定する抽選を行なうとともに、プレゼント演出中であればナビキャラ演出を実行しない(実行の決定をキャンセルする)ことにより実現するものであってもよい。
【0365】
また、以上に説明したように、プッシュボタン120への操作を受付ける操作演出(ボタン演出)と、プッシュボタン120への操作を受付けることに基づいて特定画像(プレゼントボックス画像)を特殊画像(プレゼント画像)に変化させる演出(プレゼント演出)を実行可能であるとともに、ボタン演出におけるプッシュボタン120への操作の有効期間(以下、「第1有効期間」という)と、特定画像を特殊画像に変化させる演出におけるプッシュボタン120への操作の有効期間(以下、「第2有効期間」という)とが重複することを制限する構成とした。これにより、特定画像を用いた演出の演出効果を向上させることができる。ここで、「第1有効期間と第2有効期間とが重複することを制限する」とは、第1有効期間に操作を受付けたこととする制御(すなわち、本実施の形態におけるボタン演出における操作の受付)と、第2有効期間に操作を受付けたこととする制御(すなわち、本実施の形態におけるプレゼント演出における操作の受付)とを、プッシュボタン120への一の操作に基づいて同時に行なうことを除外するということである。
【0366】
なお、第1有効期間と第2有効期間とが異なるタイミングにしか発生しないよう予め設計しておくことにより、第1有効期間と第2有効期間とが重複することの制限を実現することとしたが、これに限られない。第1有効期間と第2有効期間とのうち少なくとも一部の期間が重複可能な構成でも、第1有効期間に操作を受付けたこととする制御と、第2有効期間に操作を受付ける制御とを、プッシュボタン120への一の操作に基づいて同時に行なうことを除外するものであればよい。
【0367】
具体的には、例えば、特定画像を特殊画像に変化させる演出と操作演出とに優先順位を設定しておき、第1有効期間と第2有効期間とが重複した期間(以下、「重複期間」という)にプッシュボタン120への操作を受付けた場合に、優先順位の高い演出に対する制御を実行するとともに、優先順位の低い演出に対する制御を実行しないものであってもよい。例えば、プレゼント演出の方がボタン演出よりも高い優先順位が設定されている場合、重複期間にプッシュボタン120への操作を受付けることによりプレゼントボックス画像をプレゼント画像に変化させるとともに、ボタン演出においてプッシュボタン120への操作を受付けたときの制御は行なわないこととすればよい。逆に、プレゼント演出の方がボタン演出よりも低い優先順位が設定されている場合、重複期間にプッシュボタン120への操作を受付けてボタン演出における画像の切替制御を行なうとともに、プレゼント演出においてプッシュボタン120への操作を受付けたときの制御は行なわないこととすればよい。その場合、固定の優先順位が設定されても、変更可能な優先順位が設定されても(例えば、遊技履歴や遊技状態に基づいて優先順位が変更されるもの)よい。
【0368】
また、特定画像を特殊画像に変化させる演出および操作演出のうち一方の演出が実行中である場合、または実行が予定されている場合に、他方の演出を実行しないように構成するものであってもよい。例えば、ボタン演出の実行の有無を決定する際に、プレゼント演出の実行中であるか否かを判定し、プレゼント演出の実行中でない場合にのみボタン演出を実行可能なものとしてもよい。本実施の形態のように特別演出にボタン演出が含まれる場合には、特別演出は実行するがボタン演出を実行しないようなこととすればよい。また、逆に、プレゼント演出の実行の有無を決定する際に、ボタン演出を実行予定であるか否かを判定し、ボタン演出を実行予定でない場合にのみプレゼント演出を実行可能なものとしてもよい。なお、本実施の形態におけるプレゼント演出の実行の有無は始動入賞時に決定するため、該始動入賞時にボタン演出を実行するか否かを予め決定するとともに、該決定結果がボタン演出を実行しないものであるときのみプレゼント演出の実行可能なものとすればよい。また、ボタン演出を実行可能な変動パターン(または変動カテゴリ)であるか否かを始動入賞時に判定するとともに、ボタン演出を実行可能(すなわち、ボタン演出を実行する可能性がある)である場合にはプレゼント演出を実行しないこととして、第1有効期間と第2有効期間とが重複することを制限してもよい。
【0369】
また、特定画像を特殊画像に変化させる演出および操作演出の実行の有無をそれぞれ決定するとともに、特定画像を特殊画像に変化させる演出および操作演出のうち両方の実行が決定されている場合にはいずれか一方の演出の実行を中止することにより、第1有効期間と第2有効期間とが重複することを制限してもよい。例えば、始動入賞時にプレゼント演出の実行の有無を決定するとともに、変動開始時にボタン演出の実行の有無を抽選によって決定し、いずれか一方の演出における有効期間の開始時に、他の演出の実行中または実行することが決定されているか否かを判定し、他の演出の実行中または実行することが決定されている場合には、該一方の演出を実行しない(例えば、該一方の演出の有効期間を設定しないことにより、演出の実行をキャンセルする)こととしてもよい。
【0370】
また、プレゼント演出の実行とボタン演出の実行とを決定した後に、第1有効期間と第2有効期間とに重複期間が生じるか否かを判定し、重複期間が生じる場合には第1有効期間および第2有効期間のうち少なくともいずれか一方をずらすことにより重複期間が生じないようにして実現してもよい。例えば、特定画像を特殊画像に変化させる演出および操作演出を実行する変動開始時に、重複期間が生じる場合には、第1有効期間を早めたり、第2有効期間を遅らせたりすることにより、第1有効期間と第2有効期間とが重複することを制限してもよい。また、その場合、いずれの有効期間をずらすかは予め定められた優先順位に基づいて決定してもよく、例えば、特定画像を特殊画像に変化させる演出の方が操作演出よりも高い優先順位が設定されている場合、第1有効期間をずらすことにより重複期間を解消し、第1有効期間と第2有効期間とが重複することを制限してもよい。
【0371】
また、入賞時判定結果に基づいて複数回の変動に亘って特定画像(プレゼントボックス画像)を表示するとともに、変動パターンに応じたタイミングにて特定画像から特殊画像(プレゼント画像)へ変化させる構成とした。これにより、特定画像を用いた演出の演出効果を向上させることができる。
【0372】
また、複数の特定画像(プレゼントボックス画像)を表示するとともに、それぞれ異なるタイミング(T1〜T3)にて特定画像から特殊画像(プレゼント画像)へ変化させる構成とした。これにより、特定画像を用いた演出の演出効果を向上させることができる。
【0373】
また、特別演出の実行を開始するよりも前のタイミングにおいて、特定画像から特殊画像(プレゼント画像)へ変化させる構成とした。これにより、特別演出を妨げることなく特定画像を用いた演出を行なうことができる。したがって、特別演出による演出効果を低減させることなく、特定演出を用いた演出の演出効果を向上させることができる。なお、特別演出については、スーパーリーチから発展する演出に限るものではなく、いずれのタイミングから開始される演出であってもよい。
【0374】
また、入賞時判定結果が大当りである場合の方が、入賞時判定結果がはずれである場合よりも高い割合でプレゼント演出を実行する(すなわち、特定画像を表示する)とともに、入賞時判定結果が大当りであるうちの一部(突発大当りに対応した変動カテゴリ)である場合についてはプレゼント演出を実行しない(すなわち、特定画像の表示を制限する)構成とした。これにより、突発大当りを予告対象としたプレゼント演出の実行が制限されることとなるため、突発大当りが発生することを遊技者に予想させず、効果的に突発大当りを実行することができる。また、大当りのうちの一部を予告対象とした特定画像の表示を制限するものであれば、大当りのうちの一部を予告対象とした特定画像を表示しないものに限るものではない。例えば、大当りのうちの一部を予告対象とした場合には特定画像を表示する割合を低くする(具体的には、例えば、突発大当りを予告対象としたプレゼント演出の実行割合の方が、突発大当りでない大当りを予告対象としたプレゼント演出の実行割合よりも、低くなるよう構成とする)ことにより、大当りのうちの一部を予告対象とした特定画像の表示を制限してもよいし、また、大当りのうちの一部を予告対象とした場合には特定画像の表示内容を通常の表示内容と異ならせることにより、特定画像の表示を制限してもよい。また、大当りのうちの一部を予告対象として特定画像を表示する演出(プレゼント演出)の実行を制限するものであればよいが、該大当りのうちの一部は、本実施の形態における突発大当りのように、発生することで遊技者に驚きを与えられるような演出効果を有する大当りであることが望ましい。
【0375】
また、本実施の形態では、入賞時判定結果に基づいて、特定画像を表示するとともに特定画像から特殊画像へ変化させる演出を実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、変動を開始する際、該変動にて大当りとなるか否かに基づいて、該変動を予告対象として特定画像を表示するとともに特定画像から特殊画像へ変化させる演出を実行してもよい。その場合、例えば、当該変動中の所定のタイミングにて特定画像を表示するとともに、変動パターンに応じたタイミングにて特定画像を特殊画像に変化させることとすればよい。
【0376】
また、本実施の形態では、特定画像としてプレゼントボックス画像を一つずつ表示していくこととしたが、これに限らず、一括して複数の特定画像の表示を開始してもよい。その場合、各特定画像をそれぞれ異なるタイミングにて特殊画像に変化させてもよいし、複数の特定画像を一括して特殊画像に変化させてもよい。なお、複数の特定画像を一括して特殊画像に変化させる場合、全ての特定画像を一括して特殊画像に変化させなくてもよい。
【0377】
また、本実施の形態において、プレゼント演出において表示されるプレゼントボックス画像の数は、合算保留記憶数に基づいて決定されるものとするが、例えば、プレゼント演出の予告対象とした保留記憶の変動で大当りとなるか否かに基づいて決定されるものであってもよい。言い換えれば、プレゼントボックス画像の数によって、プレゼント演出の予告対象とした保留記憶の変動における大当りに対する信頼度を示唆してもよい。例えば、プレゼント演出における予告対象が大当りである場合の方がはずれである場合よりも、高い割合でプレゼントボックス画像の数として多い数を決定することとすればよい。また、一度に複数のプレゼントボックス画像の表示を開始可能な構成とするとともに、一度に表示を開始するプレゼントボックス画像の数によって、プレゼント演出の予告対象とした保留記憶の変動における大当りに対する信頼度を示唆してもよい。例えば、2個目の保留記憶を予告対象として4個のプレゼントボックス画像を表示するプレゼント演出を実行することが決定された場合について説明する。この場合、プレゼントボックス画像の表示パターンとして、1個目の保留記憶に対する変動を開始するタイミング(以下、「第1タイミング」という)にて4個のプレゼントボックス画像の表示を開始するとともに2個目の保留記憶に対する変動を開始するタイミング(以下、「第2タイミング」という)にてプレゼントボックス画像の表示を開始しない第1パターンと、第1タイミングにて3個のプレゼントボックス画像の表示を開始するとともに第2タイミングにて1個のプレゼントボックス画像の表示を開始する第2パターンと、第1タイミングおよび第2タイミングにて2個ずつのプレゼントボックス画像の表示を開始する第3パターンと、第1タイミングにて1個のプレゼントボックス画像の表示を開始するとともに第2タイミングにて3個のプレゼントボックス画像の表示を開始する第4パターンと、第1タイミングにてプレゼントボックス画像の表示を開始しないとともに第2タイミングにて4個のプレゼントボックス画像の表示を開始する第5パターンとがある。そして、2個目の保留記憶の入賞時判定結果が大当りであるか否かによって異なる割合で第1〜第5パターンのうちのいずれかのパターンを選択して、プレゼント演出を実行することとすれば、一度に表示を開始するプレゼントボックス画像の数によって、プレゼント演出の予告対象とした保留記憶の変動における大当りに対する信頼度を示唆することができる。これにより、興趣を向上させることができる。
【0378】
なお、本実施の形態においては、特別図柄の複数回の変動表示に亘って特定画像を表示する演出を実行することとしたが、これに限らず、1回の特別図柄の変動における複数回の演出図柄の変動(例えば、擬似連)に亘って特定画像を表示する演出を実行してもよい。
【0379】
また、本実施の形態において、15R/8R確変大当りまたははずれの変動を予告対象としてのみプレゼント演出を実行可能な構成としたが、突然確変大当りや小当りの変動を予告対象としてプレゼント演出を実行してもよい。
【0380】
また、本実施の形態において、ボタン演出は特別演出中にのみ発生し得る演出としたが、いずれの変動演出中に行なわれてもよい。例えば、いずれの変動パターンであるかにかかわらず、所定の割合でボタン演出を実行可能なものとしてもよい。
【0381】
また、本実施の形態においては、プレゼント画像の種類として、予告対象の変動が大当りとなることに対する信頼度を示す「キャラクタA」、「キャラクタB」と、アクティブ保留表示の表示形態(色調)を変化させることを示す「変化」とを設けることとしたが、これに限るものではない。例えば、予告対象の変動における演出内容を予告する画像であってもよいし、発生する大当りの種別を示唆する画像であってもよいし、高確率状態であるか否かを遊技者に認識させにくくしたような遊技機であれば、高確率状態であることに対する信頼度を示す画像であってもよい。なお、予告対象の変動における演出内容を予告する画像を特殊画像として表示する場合、仮に予告対象の演出が発生した後に特殊画像を表示してしまうと、特殊画像を表示することによる演出効果を低減させてしまうこととなる。そのため、予告対象の変動における演出内容を予告する画像を特殊画像として表示する場合は、予告対象の演出が発生するより前のタイミングで特定画像から特殊画像に変化させることが望ましい。例えば、特殊画像としてスペシャルリーチAが発生する旨を予告する画像が決定された場合、スペシャルリーチAが発生する前のタイミング(本実施の形態においては、変動開始から5秒経過以前)にて特定画像から特殊画像に切替える(すなわち、スペシャルリーチAが発生する前のタイミングに開封タイマを設定する)こととすればよい。また、例えば、特殊画像として擬似連が継続する旨を示す「続」の画像が決定された場合、擬似連が継続した後のタイミング(例えば、スーパーリーチ中のタイミング)にて「続」の画像が表示された場合には矛盾が生じてしまうため、擬似連が継続する前のタイミングにて特定画像から特殊画像に切替えることとすればよい。なお、特定画像から特殊画像へ変化させる全てのタイミングが、本実施の形態のようにリーチ中に設けられている遊技機であっても、演出内容を予告する特殊画像である場合は、特定画像から特殊画像へ変化させるタイミングを変動パターンに応じたタイミングよりも早めることで、特殊画像の演出効果の低減を防止してもよい。
【0382】
また、特殊画像として所定のアイテムの画像を表示するとともに、該所定のアイテムの画像を表示した旨を記憶しておき、次に所定の演出が発生したときに該所定のアイテムを用いた演出を行なってもよい。例えば、特殊画像としてピストルの画像を表示するとともに、該ピストルの画像を表示した旨を記憶しておき、所定のリーチ演出中に該ピストルの画像で敵キャラクタを攻撃するような演出を行なってもよい。その場合、ピストルの画像を表示した旨を記憶していない状態で所定のリーチが発生した場合にはピストルの画像で敵キャラクタを攻撃するような演出は行なわないものである。
【0383】
また、履歴蓄積演出モードを搭載した遊技機であれば、該履歴蓄積演出モードに関する画像をプレゼント画像として設けてもよい。履歴蓄積演出モードとは、外部のサーバによって遊技履歴が蓄積される履歴蓄積サービス(以下、「履歴蓄積」という)に関する演出を実行可能な演出モードである。履歴蓄積は、遊技履歴がサーバに蓄積されるとともに、遊技者が通信端末(例えば、携帯電話)をインターネット通信等により該サーバに接続することにより、遊技履歴の閲覧や特典の獲得が可能となるサービスである。遊技履歴としては、変動回数、大当り回数、小当り回数、大当り種別、小当り種別、リーチ回数、擬似連回数、遊技時間、総獲得出玉、ミッション達成回数等がある。また、サーバは複数の遊技履歴を蓄積するようなものであってもよい。
【0384】
例えば、遊技の進展に伴ってポイントを付与(すなわち、遊技履歴として蓄積)していくとともに、付与したポイントの合計値に基づいて遊技者に特典を付与する(例えば、特定の画像を携帯電話からダウンロード可能とする)履歴蓄積演出モードが搭載されている遊技機であれば、プレゼント画像として「100ポイント」と示した画像を表示するとともに、100ポイント付与(すなわち、遊技履歴として蓄積)してもよい。その場合、入賞時判定結果に基づかないものであってもよい。
【0385】
ここで、履歴蓄積を行う際の手順について説明する。まず、遊技者は、遊技開始以前に予めサーバに通信端末を接続することにより、認証IDおよびパスワードを取得する。そして、遊技者は、任意のタイミングにて認証IDとパスワードとを遊技機に入力するとともに遊技を開始する。遊技機は、開始された遊技の遊技履歴を計測し、一時的に蓄積する。そして、遊技を終了する旨が遊技者によって遊技機に入力されることを契機に、通信端末をサーバに接続させるためのアドレス情報と遊技履歴の情報とが遊技機によって出力される。例えば、アドレス情報と遊技履歴の情報とは、二次元コードにて表示されることで遊技機から出力されることとすればよい。遊技者は、該二次元コードを通信端末のカメラ機能等を用いて取得し、取得したアドレス情報を用いて通信端末をサーバに接続させる。そして、サーバは、通信端末から取得した遊技履歴を蓄積し、特典の付与や遊技履歴の閲覧等のサービスの提供が可能となる。なお、遊技機が出力するアドレス情報および遊技履歴情報は、上述したように二次元コードとして表示してもよいし、文字情報として表示されるものや音声情報として出力されるものであってもよいし、Eメールや赤外線通信等により通信端末に送信されるようなものでもよい。
【0386】
なお、履歴蓄積を行う際、遊技者が予めサーバから認証IDとパスワードとを取得して遊技機に入力することにより遊技履歴の蓄積を開始するものに限るものではない。例えば、遊技者がパスワードのみを取得して遊技機に入力することにより遊技履歴の蓄積を開始するものや、遊技者は認証IDおよびパスワードのいずれも取得せず、履歴蓄積を開始する旨を示す操作を行うことにより遊技履歴の蓄積を開始するようなものであってもよい。また、履歴蓄積において、サーバによって遊技履歴が蓄積されるものではなく、遊技機において遊技履歴を蓄積するもの(すなわち、サーバを用いずに遊技機のみで履歴蓄積が完結するもの)であってもよい。その場合、例えば、遊技機は、遊技者からの操作によって遊技履歴の蓄積を開始し、遊技者からの指示によって該遊技履歴を表示することにより、遊技者が閲覧可能となるものであってもよい。
【0387】
なお、本実施の形態においては、複数のプレゼントボックスを表示した場合、左に表示したプレゼントボックス画像から順にプレゼント画像に変化させる(開封する)こととしたが、所定の順序にて変化させるものであればこれに限るものではない。例えば、本実施の形態のように、表示している位置に基づいた順序でプレゼントボックス画像からプレゼント画像に変化させるものであってもよいし、変化後のプレゼント画像に基づいた順序でプレゼントボックス画像からプレゼント画像に変化させるものであってもよい。例えば、大当りに対する信頼度の低いプレゼント画像に対応したプレゼントボックス画像から順に変化させるものとしてもよい。具体的には、本実施の形態においては大当りに対する信頼度は「変化」が最も高く、次に「キャラクタA」が高く、「キャラクタB」が最も低い構成であることより、「キャラクタB」に対応したプレゼントボックス画像、「キャラクタA」に対応したプレゼントボックス画像、「変化」に対応したプレゼントボックス画像の順序で変化させるものであってもよい。これにより、後のタイミングにプレゼント画像に切替えるプレゼントボックス画像であるほど遊技者に与える期待感が高くなるようにすることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0388】
また、表示している位置に基づいた順序でプレゼントボックス画像からプレゼント画像に変化させるものであり、且つ、変化後のプレゼント画像に基づいた順序でプレゼントボックス画像からプレゼント画像に変化させるものであってもよい。具体的に、例えば、プレゼントボックス画像を表示する位置が左側であるほど大当りに対する信頼度の低いプレゼント画像が対応付けられ易いよう構成するとともに、左に表示したプレゼントボックス画像からプレゼント画像に変化させてもよい。プレゼントボックス画像を表示する位置が左側であるほど大当りに対する信頼度の低いプレゼント画像が対応付けられ易いよう構成することは、例えば、左に表示するプレゼント画像(以下、「左画像」)と、中に表示するプレゼント画像(以下、「中画像」)と、右に表示するプレゼント画像(以下、「右画像」)との組合せを一括で選択するよう構成とし、左画像の方が中画像よりも大当りの信頼度の低いプレゼント画像が設定され、中画像の方が右画像よりも大当りの信頼度の低いプレゼント画像が設定されることにより実現可能である。また、左画像と中画像と右画像とをそれぞれの抽選によって決定する構成とし、大当りに対する信頼度の低いプレゼント画像の選択割合が、左画像の方が中画像よりも高くなるよう設定されるとともに、中画像の方が右画像よりも高くなるよう設定されることにより実現可能である。また、左画像と中画像と右画像とをそれぞれ決定する構成とし、まず左画像を決定した後に、左画像として選択されたプレゼント画像以上の大当りに対する信頼度を有するプレゼント画像から中画像を決定するとともに、中画像として選択されたプレゼント画像以上の大当りに対する信頼度を有するプレゼント画像から右画像を決定することにより実現可能である。
【0389】
また、本実施の形態では、プレゼント演出やボタン演出における操作対象をプッシュボタン120としたが、レバーや、タッチパネルや、赤外線のタッチセンサ等のような他の操作部材であってもよい。
【0390】
また、本実施の形態では、プッシュボタン120への一度の押下を受付けた場合にプレゼント演出やボタン演出において操作を受付けたと判定するものとしたが、プッシュボタン120に対する特定の操作が行われたことを契機にプレゼント演出やボタン演出において操作を受付けたと判定するものとしてもよい。例えば、所定時間以上の継続した押下や、所定時間中の特定回数の押下や、複数の操作部材に対する同時操作等を契機にプレゼント演出やボタン演出において操作を受付けたと判定してもよい。また、本実施の形態では、遊技者からの操作を受付けた場合に所定の割合にて抽選を行ない、該抽選結果に基づいて、プレゼント演出やボタン演出において操作を受付けたと判定するものとしてもよい。
【0391】
また、本実施の形態では、演出表示装置9によってプッシュボタン120への操作を遊技者に促す演出を行うことしたが、例えば、「ボタンを押せ!」といった情報を演出表示装置9やスピーカ27から出力する演出を行ってもよい。また、プッシュボタン120に内蔵された発光体を発光させることにより、プッシュボタン120への操作を受付け可能である旨を遊技者に示唆してもよい。なお、プッシュボタン120への操作を遊技者に促す演出を行わないものであってもよい。
【0392】
また、本実施の形態では、プレゼント演出またはボタン演出における有効期間において、プッシュボタン120への操作を受付けずに有効期間が終了した場合にも、有効期間中にプッシュボタン120への操作を受付けた場合と同様の挙動を示す構成としたが、これに限るものではない。例えば、有効期間中にプッシュボタン120への操作を受付けた場合に所定の画像を表示する一方、プッシュボタン120への操作を受付けずに有効期間が終了した場合は該所定の画像を表示しなくてもよい。これにより、遊技者に積極的な操作を促すことができ、興趣の向上を図ることができる。
【0393】
また、本実施の形態では、プレゼントボックス画像からプレゼント画像に切替えるタイミングは、リーチ演出中としたが、リーチ演出発生前であってもよい。
【0394】
また、本実施の形態では、プレゼントボックス画像からプレゼント画像に切替えるタイミングが、特別演出の実行開始よりも前になるよう予め定められていることとしたが、これに限らない。例えば、特別演出に発展するタイミングにて、表示中の全てのプレゼントボックス画像をプレゼント画像に切替えて表示してもよい。
【0395】
なお、本実施の形態では、実行中の可変表示に対応したアクティブ保留画像として、未だ可変表示が開始されていない通常の保留記憶に対する保留表示と同様の画像を表示することとしたが、特別画像として、保留表示とは異なる画像を表示してもよい。例えば、通常の保留表示として本実施の形態と同様に丸型の画像を表示する(
図45〜
図47を参照)一方、実行中の可変表示に対応したアクティブ保留画像として巻物の画像を表示し、特定画像(プレゼントボックス画像)が特殊画像(プレゼント画像)に変化することを契機として、アクティブ保留画像の表示形態として巻物を燃やす画像に変化させてもよい。
【0396】
なお、本実施の形態では、プレゼント演出を実行する際には必ずプレゼント示唆演出を実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、所定の割合にてプレゼント示唆演出を実行するものであってもよいし、一切プレゼント示唆演出を実行しないものであってもよい。また、プレゼント演出の実行の有無にかかわらず所定の割合でプレゼント示唆演出を実行するものとしてもよい。
【0397】
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 上述した実施の形態および変形例について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果に基づいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことに基づいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組合せた遊技機において、複数の期間に応じた特定演出を実行してもよい。
【0398】
(2) 上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知してもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信してもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行ってもよい2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信してもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
【0399】
(3) 上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられるが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けてもよい。
【0400】
(4) 上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけに限らず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
【0401】
(5) また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、
図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信してもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
【0402】
(6) また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
【0403】
(7) また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
【0404】
(8)
図50(B)に示すような擬似連回数を特定する擬似連回数情報は、回数情報ではなく色情報であってもよい。たとえば、擬似連図柄に表示される色が、青色<緑色<赤色<金色の順で擬似連の回数が増加していることを示してもよい。この場合に、色とともに擬似連回数情報を付与してもよい。
【0405】
(9)
図50(B)に示すような擬似連回数を特定する擬似連回数情報は、回数情報ではなく付与されるキャラクタの違いによる情報であってもよい。たとえば、擬似連図柄に付与されるキャラクタが、キャラクタA<キャラクタB<キャラクタC<キャラクタDの順で擬似連の回数が増加していることを示してもよい。この場合に、キャラクタとともに擬似連図柄回数情報を付与してもよい。
【0406】
(10)
図49に示すような擬似連回数情報は、演出制御のステージ(演出表示モード)が複数段階で移行する場合において、演出のステージに基づいて変化するものでもよい。たとえば、ステージAでは、擬似連回数情報が「NEXT1回」と表示され、ステージBでは、擬似連回数情報が「連1回」と表示されるようにしてもよい。また、擬似連回数情報とともに擬似連図柄を変更してもよい。
【0407】
(11) 擬似連回数情報は、
図50(A)に示すような擬似連の仮停止時に付与されるのではなく、変動の開始時から付与されていてもよい。このようにすれば、擬似連の変動開始時から擬似連の回数情報を知ることができる。
【0408】
(12) 擬似連の変動表示中に擬似連回数情報が付与されるタイミングの違いにより、大当り表示結果となる期待度が異なるようにしてもよい。
【0409】
(13) 擬似連4回の変動パターンをはずれの変動パターンに設けてもよい。この場合にも、擬似連回数情報を付与するようにしてもよい。
【0410】
(14) 擬似連回数情報は、予め擬似連の最終段階までが示されている情報であってもよい。たとえば、擬似連回数情報を☆マークと★マークで示す場合、★☆☆☆<★★☆☆<★★★☆<★★★★の順で擬似連の回数が増加していることを示してもよい。なお、擬似連の回数は大当り表示結果となる期待度も示しているので、★の数が増加することにより、擬似連の回数とともに大当りに対する期待度を示すこともできる。
【0411】
(15) 擬似連図柄に付す擬似連回数情報は、次に実行される再変動回数を示すのではなく、擬似連の変動パターン全体中における変動回数(初回変動、および、再変動を含む合計の変動回数)を示すものでもよい。たとえば、最初の仮停止の際に表示される「NEXT1回」という表示が、擬似連の変動パターン全体中における1回目の変動であり、次に1回目の再変動(擬似連の変動パターン全体中における2回目の変動)が実行されることを特定するものでもよい。
【0412】
(16) 擬似連の途中で擬似連回数情報が付与されるものでもよい。たとえば、擬似連の仮停止が3回実行される場合に、擬似連の1回目の仮停止では、回数情報を付与せず、2回目の仮停止以降で回数情報を付与してもよい。このような場合には、擬似連の回数情報が付与されることにより、擬似連の継続が確定するようにしてもよい。
【0413】
(17) 擬似連図柄の形状が擬似連中の変動回数とともに変化することで、擬似連回数情報を示すようにしてもよい。このような擬似連図柄の変化とともに擬似連回数情報を付与するようにしてもよい。
【0414】
(18) 擬似連図柄に付与する情報として、キャラクタや記号を付与する場合に、擬似連の仮停止ごとにキャラクタや記号を回転させることで、擬似連の回数を示すようにしてもよい。たとえば、擬似連1回目で擬似連図柄にキャラクタや記号を付与し、擬似連2回目で付与されたキャラクタや記号を90度回転させ、さらに擬似連3回目で付与されたキャラクタや記号を180度回転させるようにしてもよい。
【0415】
(19)
図50に示すように大当りか否かに基づいて擬似連図柄および擬似連回数情報を決めるのではなく、擬似連回数に基づいて、擬似連図柄および擬似連回数情報を決定するようにしてもよい。たとえば、擬似連回数が3回の変動パターンでは、擬似連回数が1回の変動パターンよりも、第3擬似連演出(▽+連)が選択されやすいようにしてもよい。
【0416】
(20) 前述した実施の形態では、特別可変入賞球装置における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
【0417】
(21) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0418】
(22) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末などの「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
【0419】
(23) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。