特許第6403322号(P6403322)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6403322
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】載置面間高さ調整機構及び搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/52 20060101AFI20181001BHJP
   B65G 47/31 20060101ALI20181001BHJP
   B65G 47/80 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   B65G47/52 D
   B65G47/31 L
   B65G47/80 C
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-208793(P2014-208793)
(22)【出願日】2014年10月10日
(65)【公開番号】特開2016-78947(P2016-78947A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】390004879
【氏名又は名称】三菱マテリアルテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】檜山 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤井 大智
(72)【発明者】
【氏名】松山 充
【審査官】 小金井 匠
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−104424(JP,A)
【文献】 特開2012−197151(JP,A)
【文献】 特開2000−344323(JP,A)
【文献】 特開平11−246043(JP,A)
【文献】 特開2009−083968(JP,A)
【文献】 実開平03−121070(JP,U)
【文献】 特開2003−267547(JP,A)
【文献】 特開2009−298223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/31、47/52
B65G 47/56−47/62
B65G 47/66、47/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの面に沿って相対移動し、いずれか一方がカーブコンベアの載置面とされ、他方がターンテーブルの載置面とされる第1載置面と第2載置面との間で対象物が移載される移載領域において、前記一つの面と直交する方向における前記第1載置面と前記第2載置面との相対位置を調整する載置面間高さ調整機構であって、
前記第1載置面と対応する第1部材に形成された第1係合部と、前記第2載置面と対応する第2部材に形成された第2係合部とを、備え、
前記第1係合部に形成された第1係合面と第2係合部に形成された前記第2係合面とは、前記移載領域において所定間隔を維持して対向配置されていることを特徴とする載置面間高さ調整機構。
【請求項2】
一つの面に沿って相対移動し、それぞれが互いに並行して移動する二つのコンベアの載置面とされる第1載置面と第2載置面との間で対象物が移載される移載領域において、前記一つの面と直交する方向における前記第1載置面と前記第2載置面との相対位置を調整する載置面間高さ調整機構であって、
前記第1載置面と対応する第1部材に形成された第1係合部と、前記第2載置面と対応する第2部材に形成された第2係合部とを、備え、
前記第1係合部に形成された第1係合面と第2係合部に形成された前記第2係合面とは、前記移載領域において所定間隔を維持して対向配置されていることを特徴とする載置面間高さ調整機構。
【請求項3】
一つの面に沿って相対移動し、それぞれが互いに並行し異なる速度で移動するように構成された速度差コンベアの載置面とされる第1載置面と第2載置面との間で対象物が移載される移載領域において、前記一つの面と直交する方向における前記第1載置面と前記第2載置面との相対位置を調整する載置面間高さ調整機構であって、
前記第1載置面と対応する第1部材に形成された第1係合部と、前記第2載置面と対応する第2部材に形成された第2係合部とを、備え、
前記第1係合部に形成された第1係合面と第2係合部に形成された前記第2係合面とは、前記移載領域において所定間隔を維持して対向配置されていることを特徴とする載置面間高さ調整機構。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の載置面間高さ調整機構であって、
前記第1係合面は、
前記第1部材から伸び前記第1係合部をなす第1舌部に形成された第1摺動面とされ、
前記第2係合面は、
前記第2部材から伸び前記第2係合部をなす第2舌部に形成された第2摺動面とされ、
前記第1摺動面と前記第2摺動面は、前記移載領域において摺接するように構成されていることを特徴とする載置面間高さ調整機構。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の載置面間高さ調整機構であって、
前記第1係合部は、
前記第1部材から伸び先端側がチャネル状に開口するとともに前記チャネルの内方が一対の対向面からなる第1係合面とされたチャネル状係合部とされ、
前記第2係合部は、
前記第2部材から伸びて前記移載領域において前記チャネル状係合部に挿入可能とされ、かつ前記第1係合面と対向する第2係合面を有することを特徴とする載置面間高さ調整機構。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の載置面間高さ調整機構を備えることを特徴とする搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移載領域において第1載置面と第2載置面の間で対象物を安定して移載することが可能な載置面間高さ調整機構及び搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、例えば、筒状に形成された缶体に内容物が充填された実缶(対象物)は、充填工程では直立して整列されているものの洗浄工程等において処理する際に、一旦整列状態が解除されることが一般的である。
【0003】
そして、実缶を直立状態で再び整列させようとする場合には、短時間に大量に搬送することが必要であるため、生産ラインの搬送コンベア上で多列化させてアキューム状態で直立させて滞留させることでバッファを確保しつつ整列させて次工程(例えば、検査装置)へと搬送するようになっている。
【0004】
このように、直立されてアキューム状態とされた実缶を整列させる場合、アキューム状態にある実缶に対してプレッシャーを作用させ、プレッシャーによって実缶を他の実缶同士間に移動、挿入して整列させることが一般的であった。
【0005】
しかしながら、実缶にプレッシャーを付加して整列させると、実缶が外力を受けることにより変形する可能性があり、プレッシャーを付加することによる整列の高速度化には限界がある。
【0006】
そこで、搬送手段の幅方向の一方側から他方側に向かって搬送速度が順次増加するように構成された速度差搬送手段を用いて、実缶を搬送方向に沿わせて搬送しながら幅方向における一方側から他方側に移動させることによって、実缶同士の間隔を広くしながら整列させる速度差コンベアを用いた技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、上記速度差コンベアに限られず、実缶をはじめとする種々の対象物を整列させる場合、対象物を低速コンベアから高速コンベアに向かって順次移載させながら搬送方向における間隔を広くする必要がある。
【0008】
そのため、対象物を異なる搬送手段の載置面間で安定して移載させることが必要であり、移載領域において一つの載置面と他の載置面の高さを所定の位置関係に維持して対象物を安定して移載させるために、それぞれ搬送手段の下側に高さ方向位置を調整するためのガイドバー等の高さ調整部材を設置することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−083968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、それぞれのコンベアの下側に設けた高さ調整部材は、それぞれのコンベアの搬送速度や荷重等、種々の摩耗要因が異なるために、摩耗度合いが異なってそれぞれの搬送手段の載置面相互の高さ方向位置を充分に維持して対象物を安定して移載させることは容易ではない。
そこで、移載領域において、第1載置面と第2載置面の間で実缶等の筒状体をはじめとする種々の対象物を安定して移載することが可能な搬送装置に対して強い技術的要請がある。
【0011】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、移載領域において、一つの面に沿って相対移動する第1載置面と第2載置面との間で、対象物を安定して移載することが可能な載置面間高さ調整機構及び搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、載置面間高さ調整機構であって、一つの面に沿って相対移動し、いずれか一方がカーブコンベアの載置面とされ、他方がターンテーブルの載置面とされる第1載置面と第2載置面との間で対象物が移載される移載領域において、前記一つの面と直交する方向における前記第1載置面と前記第2載置面との相対位置を調整する載置面間高さ調整機構であって、前記第1載置面と対応する第1部材に形成された第1係合部と、前記第2載置面と対応する第2部材に形成された第2係合部とを、備え、前記第1係合部に形成された第1係合面と第2係合部に形成された前記第2係合面とは、前記移載領域において所定間隔を維持して対向配置されていることを特徴とする。
【0013】
この発明に係る載置面間高さ調整機構によれば、一つの面に沿って相対移動し、いずれか一方がカーブコンベアの載置面とされ、他方がターンテーブルの載置面とされる第1載置面と対応して形成された第1係合部と、第2載置面と対応して形成された第2係合部とを備え、第1係合部に形成された第1係合面と第2係合部に形成された第2係合面とが移載領域において互いの間隔を所定寸法に維持して対向配置されるように構成されている。
その結果、移載領域における第1載置面と第2載置面の高さ等(一つの面と直交する方向の相対位置)を所定寸法に維持し、移載領域において、第1載置面と第2載置面の間で対象物を安定して移載することができる。
【0014】
この明細書において、一つの面に沿って相対移動するとは、対象物が移載される移載領域において、第1載置面と第2載置面が同一の面又は一つの面と平行して移動することを意味しており、水平に形成された面に沿って相対移動する場合のほか、対象物が載置可能な傾斜面に沿って相対移動する場合を含む。
【0015】
また、移載領域における第1載置面と第2載置面が所定間隔を維持するとは、間隔がゼロで摺接している場合のほか、予め設定した所定の間隔をあけて対向する場合を含むものとし、例えば、摩耗を抑制するためにローラ等が設けられていてもよいことはいうまでもない。
【0016】
この明細書において、相対移動する第1載置面及び第2載置面は、第1載置面と第2載置面のいずれか一方のみが移動して他方が移動をともなわずに停止したワーク供給テーブルなどとされてもよいし、第1載置面及び第2載置面がともに移動するように構成されていてもよい。
【0017】
請求項2に記載の発明は、載置面間高さ調整機構であって、一つの面に沿って相対移動し、それぞれが互いに並行して移動する二つのコンベアの載置面とされる第1載置面と第2載置面との間で対象物が移載される移載領域において、前記一つの面と直交する方向における前記第1載置面と前記第2載置面との相対位置を調整する載置面間高さ調整機構であって、前記第1載置面と対応する第1部材に形成された第1係合部と、前記第2載置面と対応する第2部材に形成された第2係合部とを、備え、前記第1係合部に形成された第1係合面と第2係合部に形成された前記第2係合面とは、前記移載領域において所定間隔を維持して対向配置されていることを特徴とする。
【0018】
この発明に係る載置面間高さ調整機構によれば、一つの面に沿って相対移動し、それぞれが互いに並行して移動する二つのコンベアの載置面とされる第1載置面と第2載置面との間で対象物が移載される移載領域において、第1載置面と対応して形成された第1係合部と、第2載置面と対応して形成された第2係合部とを備え、第1係合部に形成された第1係合面と第2係合部に形成された第2係合面とが移載領域において互いの間隔を所定寸法に維持して対向配置されるように構成されている。
その結果、移載領域における第1載置面と第2載置面の高さ等(一つの面と直交する方向の相対位置)を所定寸法に維持し、移載領域において、第1載置面と第2載置面の間で対象物を安定して移載することができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、載置面間高さ調整機構であって、一つの面に沿って相対移動し、それぞれが互いに並行し異なる速度で移動するように構成された速度差コンベアの載置面とされる第1載置面と第2載置面との間で対象物が移載される移載領域において、前記一つの面と直交する方向における前記第1載置面と前記第2載置面との相対位置を調整する載置面間高さ調整機構であって、前記第1載置面と対応する第1部材に形成された第1係合部と、前記第2載置面と対応する第2部材に形成された第2係合部とを、備え、前記第1係合部に形成された第1係合面と第2係合部に形成された前記第2係合面とは、前記移載領域において所定間隔を維持して対向配置されていることを特徴とする。
【0021】
この発明に係る載置面間高さ調整機構によれば、一つの面に沿って相対移動し、それぞれが互いに並行し異なる速度で移動するように構成された速度差コンベアの載置面とされる第1載置面と第2載置面との間で対象物が移載される移載領域において、第1載置面と対応して形成された第1係合部と、第2載置面と対応して形成された第2係合部とを備え、第1係合部に形成された第1係合面と第2係合部に形成された第2係合面とが移載領域において互いの間隔を所定寸法に維持して対向配置されるように構成されている。
その結果、移載領域における第1載置面と第2載置面の高さ等(一つの面と直交する方向の相対位置)を所定寸法に維持し、移載領域において、第1載置面と第2載置面の間で対象物を安定して移載することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の載置面間高さ調整機構であって、前記第1係合面は、前記第1部材から伸び前記第1係合部をなす第1舌部に形成された第1摺動面とされ、前記第2係合面は、前記第2部材から伸び前記第2係合部をなす第2舌部に形成された第2摺動面とされ、前記第1摺動面と前記第2摺動面は、前記移載領域において摺接するように構成されていることを特徴とする。
【0023】
この発明に係る載置面間高さ調整機構によれば、第1係合面は、第1部材から伸び第1係合部をなす第1舌部に形成された第1摺動面とされ、第2係合面は、第2部材から伸び第2係合部をなす第2舌部に形成された第2摺動面とされて、第1摺動面と第2摺動面は、移載領域において摺接するように構成されているので、一つの面と直交する方向における第1載置面及び第2載置面の相対的位置関係を確実に維持することができる。
【0024】
この明細書において、第1舌部及び第2舌部が、第1部材及び第2部材から伸びるとは、第1載置面及び第2載置面の外方に至る領域まで伸びることを意味するものではなく、移載領域において、第1摺動面と第2摺動面が互いに摺動可能な状態を確保できることを意味する。
【0025】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の載置面間高さ調整機構であって、前記第1係合部は、前記第1部材から伸び先端側がチャネル状に開口するとともに前記チャネルの内方が一対の対向面からなる第1係合面とされたチャネル状係合部とされ、前記第2係合部は、前記第2部材から伸びて前記移載領域において前記チャネル状係合部に挿入可能とされ、かつ前記第1係合面と対向する第2係合面を有することを特徴とする。
【0026】
この発明に係る載置面間高さ調整機構によれば、第1係合部は、第1部材から伸び先端側がチャネル状に開口するチャネル状係合部とされ、第2係合部は、第2部材から伸びて移載領域においてチャネル状係合部の内方に挿入可能とされている。そして、チャネルの壁部内方に形成される一対の対向面からなる第1係合面と、第2係合部において互いに反対側に位置される両面に形成される第2係合面とが、それぞれ対向するように構成されている。
その結果、移載領域における第1載置面と第2載置面の高さ等(一つの面と直交する方向の相対位置)を所定寸法範囲に確実に維持されるので、移載領域において、第1載置面と第2載置面との間で対象物を安定して移載することができる。
【0027】
請求項6に記載の発明は、搬送装置であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の載置面間高さ調整機構を備えることを特徴とする。
【0028】
この発明に係る搬送装置によれば、移載領域において対象物を安定して移載することができる。
また、この明細書において搬送装置とは、載置面間高さ調整機構がひとつの搬送装置内に構成される場合は勿論のこと、載置面間高さ調整機構が別々の搬送装置が有する搬送手段同士の間に構成される場合を含む。
【発明の効果】
【0029】
この発明に係る載置面間高さ調整機構によれば、移載領域において、第1載置面と第2載置面との一つの面と直交する方向における相対位置を所定寸法に維持することができる。
また、この発明に係る搬送装置によれば、移載領域において、第1載置面と第2載置面の間で対象物を安定して移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構を適用した搬送装置の概略構成を説明する平面図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構を適用した搬送装置を説明する図であり、図1におけるII矢視した正面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構を適用した搬送装置の構成の詳細を説明する平面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構を適用した搬送装置を説明する図であり、図3におけるIV矢視した図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構の概略構成を説明する図であり、カーブコンベアとターンテーブルの間に設けられた搬送装置を図3におけるV矢視した図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構の要部詳細を説明する図であり、カーブコンベアとターンテーブルの間に設けられた搬送装置を図3におけるV矢視した詳細図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る載置面間高さ調整機構の要部詳細を説明する図であり、ターンテーブルと排出コンベアの間に設けられた載置面間高さ調整機構を図3におけるIV矢視した詳細図である。
図8】本発明の第3の実施形態に係る載置面間高さ調整機構の要部詳細を説明する図であり、速度差コンベアを構成するコンベア間に設けられた載置面間高さ調整機構を図3におけるIV矢視した詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<第1の実施形態>
以下、図1図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る搬送装置の概略構成を説明する。図1図4は、第1の実施形態に係る載置面高さ調整機構を適用した搬送装置の構成を説明する図である。図1図5において、符号1は搬送装置を、符号Wは円筒形状の容器に内容物が充填された実缶(対象物)を、符号50は第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構を示している。
【0032】
搬送装置1は、例えば、搬入コンベア10と、実缶Wに遠心力を付与して整列させる整列機構20と、排出コンベア40とを備え、水平面(一つの面)に沿って実缶Wを搬送するように構成されている。
【0033】
また、搬送装置1は、搬入コンベア10によって供給領域10Aに供給された実缶Wを、整列機構20によって単列に整列させながら搬送するとともに、排出コンベア40に向かって排出し、排出コンベア40に排出された実缶Wを次工程(例えば、検査装置等)に搬送するようになっている。
【0034】
搬入コンベア10は、架台11と、幅広コンベア12と、速度差コンベア14とを備えていて、幅広コンベア12及び速度差コンベア14は、架台11上に配置されていている。
また、幅広コンベア12及び速度差コンベア14は、先端側(搬送方向前方側)がターンテーブル30の側部近傍まで並行して伸びて形成されている。また、幅広コンベア12、速度差コンベア14の載置面は、搬入コンベア10の基端側(搬送方向後方側)から供給領域10Aに向かって移動する。そして、実缶Wを搬入コンベア10の基端側(搬送方向後方側)から供給領域10Aに搬送する。
【0035】
幅広コンベア12は、図1図4に示すように、例えば、幅広コンベア駆動軸13に設けられた5つのスプロケット13a、13b、13c、13d、13eに掛けられた幅広コンベア12を構成する複数のコンベアを備え、これらコンベアは一体的に並列に進行するように構成されている。
【0036】
これら幅広コンベア12を構成するコンベアは、搬送チェーンと、搬送チェーンに設けられた複数の支持部材を備えており、その支持部材の上側(搬送チェーンの外周側)には搬送面(載置面)が形成されていて、載置面には直立した実缶Wをアキューム状態で載置して搬送可能とされている。
【0037】
速度差コンベア14は、図1図4に示すように、例えば、速度差コンベア駆動軸15Sに設けられた3つのスプロケット15a、15b、15cに掛けられた3つのコンベア14a、14b、14cを備えている。
【0038】
そして、速度差コンベア14を構成するそれぞれのコンベア14a、14b、14cは、搬送チェーンと、搬送チェーンに沿って設けられた複数の支持部材を備えており、その支持部材の上側(搬送チェーンの外周側)には搬送面(載置面)が形成されていて、載置面に直立した実缶Wを載置して搬送可能とされている。
【0039】
また、3つのコンベア14a、14b、14cは、図3に示すように、いずれも幅広コンベア12よりも高速で移動するように設定されるとともに、コンベア14a、14b、14cの順に、順次搬送速度が高速となるように設定されている。また、コンベア14cは整列機構20のカーブコンベア22を構成する第1カーブコンベア22aと隣接配置されている。
【0040】
搬入コンベア10において、幅広コンベア12と速度差コンベア14との間、及び3つのコンベア14a、14b、14cの間には、実缶Wが移載される移載領域が形成されている。
【0041】
整列機構20は、この実施形態において、例えば、架台21と、カーブコンベア22と、ターンテーブル30と、実缶受け曲線ガイド35とを備えており、カーブコンベア22及びターンテーブル30は、架台21上に設置されている。
【0042】
カーブコンベア22は、図1図3に示すように、例えば、速度差コンベア14に配置される第1カーブコンベア22aと、第1カーブコンベア22aと隣接して配置される第2カーブコンベア22bとを備えている。
【0043】
また、カーブコンベア22は、カーブコンベア駆動軸23S、23Tと、カーブコンベア駆動軸23S、23Tに設けられた2対のスプロケット対23a、23bを備えており、第1カーブコンベア22a、第2カーブコンベア22bは、それぞれスプロケット対23a、23bに掛けられて、カーブコンベア駆動軸23S、23T及びカーブコンベア駆動軸23S、23Tと対応する図示しない駆動軸の間を周回しながら往復するように構成されている。
【0044】
第1カーブコンベア22a、第2カーブコンベア22bは、それぞれ搬送チェーンに沿って設けられた複数の支持部材を備えており、その支持部材の上側(搬送チェーンの外周側)には搬送面(載置面)が形成されていて、載置面に直立した実缶Wを載置して搬送可能とされている。
【0045】
また、この実施形態では、第1カーブコンベア22aと、第2カーブコンベア22bとは、異なる速度で移動するように設定されていて、例えば、第2カーブコンベア22bが第1カーブコンベア22aよりも高速で移動するようになっている。
【0046】
また、第2カーブコンベア22bは、ターンテーブル30のターンテーブル本体32と、ターンテーブル本体32の接線方向に接触するように配置されている。
また、カーブコンベア22は、ターンテーブル本体32と接触してから、ターンテーブル本体32と係合しながら、ターンテーブル30の周囲を約90°の区間にわたって周回してターンテーブル本体32からその接線方向に向かって離間するように構成されている。
【0047】
なお、速度差コンベア14を構成するコンベア14cと第1カーブコンベア22aとの間、第1カーブコンベア22aと第2カーブコンベア22bとの間には、それぞれ実缶Wが移載される移載領域が形成されている。
また、カーブコンベア22がターンテーブル本体32に沿って移動する区間において、第2カーブコンベア22bとターンテーブル本体32との間には移載領域が形成されている。
【0048】
ターンテーブル30は、例えば、略円板状に形成され外周側上面が搬送面(載置面)とされたターンテーブル本体32と、ターンテーブル本体32に連結されてターンテーブル本体32を回転軸O1周りに回転させる駆動部34とを備えている。この実施形態では、駆動部34は、例えば、モータと減速ギアにより構成されている。また、ターンテーブル本体32の周速度は、第2カーブコンベア22bの搬送速度よりも高速となるように設定されている。
【0049】
そして、ターンテーブル30は、ターンテーブル本体32を回転軸O1周りに回転することによって、カーブコンベア22を介して搬入コンベア10から移載された直立した状態にある実缶Wを、ターンテーブル本体32が付与する遠心力によって実缶受け曲線ガイド35に向かって移動することにより実缶Wを単列に整列させるように構成されている。
【0050】
また、ターンテーブル30は、架台21にターンテーブル本体32の周縁部と対応して周方向に配置された複数の周縁部支持ローラ36を有している。そして、周縁部支持ローラ36が、ターンテーブル本体32の周縁部下側を支持することによって、ターンテーブル本体32が回転軸O1の周りを安定して回転することができるように構成されている。
【0051】
実缶受け曲線ガイド35は、ターンテーブル本体32及びカーブコンベア22に対して間隙をあけてわずかに上方に位置して形成され、ターンテーブル本体32及びカーブコンベア22が実缶受け曲線ガイド35の下方をくぐるように構成されている。
また、実缶受け曲線ガイド35は、平面視してターンテーブル本体32とカーブコンベア22が接触する周方向位置の外周側において、カーブコンベア22の右側(ターンテーブル本体32の回転軸O1を中心にして外周側、遠心力ベクトルの先端側)と略同位置となるように形成されている。
【0052】
そして、実缶受け曲線ガイド35は、カーブコンベア22がターンテーブル本体32に沿って移動して離間するまでの区間において、カーブコンベア22の搬送方向に沿ってターンテーブル本体32の内周側に漸次変位するように形成されている。
【0053】
また、実缶受け曲線ガイド35は、カーブコンベア22がターンテーブル本体32に沿って移動する区間の途中で、ターンテーブル本体32の外周縁と同じ径方向位置まで漸次曲率半径を小さくしながら変位して、ターンテーブル本体32に沿う区間の終端部でターンテーブル本体32の外周縁よりも内周側となるように漸次変位するように形成され、その後排出コンベア40の右側に沿うように形成されている。
【0054】
なお、実缶受け曲線ガイド35は、供給領域10Aにおいて、幅広コンベア12及び速度差コンベア14の上方に間隔をあけて設置され搬送方向に沿って伸びるサイドガイド18と接続されており、搬入コンベア10を挟んでサイドガイド18の反対側には、サイドガイド18とほぼ平行に形成されたサイドガイド19が設けられている。
【0055】
排出コンベア40は、図1に示すように、ターンテーブル30に隣接配置される第1排出コンベア40aと、第1排出コンベア40aと隣接して配置される第2排出コンベア40bとを備え、ターンテーブル30のターンテーブル本体32上において単列に整列された、直立状態にある実缶Wを搬送面に載置して後工程に搬送するように構成されている。なお、ターンテーブル本体32と排出コンベア40の間には移載領域が形成されている。
【0056】
また、第1排出コンベア40は、例えば、排出コンベア駆動軸41Sと、排出コンベア駆動軸41Sと対応する排出コンベア駆動軸42S及び排出コンベア駆動軸43Sと、これら排出コンベア駆動軸41S、42S、43Sに設けられた2対のスプロケット対44a、44bとを備えており、スプロケット対44a、44bに掛けられて、排出コンベア駆動軸41Sと、排出コンベア駆動軸42S及び排出コンベア駆動軸43S間を、周回、往復するように構成されている。
【0057】
次に、図5図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構について説明する。図5は、第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構の概略構成を説明する図であり、図6は要部詳細を説明する図である。図5図6において、符号50は載置面間高さ調整機構を示しており、符号50Aは移載領域を示している。
【0058】
第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構50は、カーブコンベア22とターンテーブル30との間に形成されている。
また、載置面間高さ調整機構50は、移載領域50Aにおいて、カーブコンベア22を構成する第2カーブコンベア22bの搬送面(第1載置面)52とターンテーブル30の搬送面(第2載置面)56との高さ方向の相対的位置が、所定の寸法に維持されるように構成されている。
【0059】
カーブコンベア22を構成する第2カーブコンベア22bは、図5に示すように、搬送チェーンに取り付けられた複数のトッププレート(第1部材)51を備えている。
また、トッププレート51のターンテーブル本体32側の端部は第1係合部53を構成しており、第1係合部53の下面には第1摺動面(第1係合面)54が形成されている。
【0060】
ターンテーブル30は、図5図6に示すように、ターンテーブル本体32の外周縁に外周舌部(第2係合部)57が形成されている。
外周舌部57は、ターンテーブル30の搬送面56に対して、概ね第1係合部53の厚さだけ下方に形成されており、ターンテーブル本体(第2部材)32の外周縁から外周に向かって伸びるとともに、外周縁の周囲を周回するように形成されていて、外周舌部57の上面には第2摺動面(第2係合面)58が形成されている。
【0061】
また、第2カーブコンベア22bとターンテーブル30とは、移載領域50Aにおいて、第2カーブコンベア22bの搬送面52とターンテーブル30の搬送面(第2載置面)56とが、平面視して実缶Wが載り移ることが可能な距離となるように設定されている。
【0062】
また、第2カーブコンベア22bの第1係合部53に形成された第1摺動面54と、ターンテーブル本体32の外周舌部57の上面に形成された第2摺動面58とは、移載領域50Aにおいて互いに摺接するように構成されている。
【0063】
そして、第1摺動面54と第2摺動面58とが摺接することによって、第2カーブコンベア22bの搬送面52とターンテーブル30の搬送面(第2載置面)56との高さ方向における相対的位置(相対的な高さ方向位置)が維持されるように構成されていて、例えば、搬送面(第1載置面)52と搬送面(第2載置面)56とが同じ高さ(面一)に維持されるようになっている。
【0064】
そして、第2カーブコンベア22bとターンテーブル30とは、第2カーブコンベア22bとターンテーブル30が隣接配置されてから、ターンテーブル30の周囲を約90°の区間を周回してからしだいに第1摺動面54と第2摺動面58との摺接が解除されるとともに離間するようになっている。
【0065】
かかる構成により、カーブコンベア22の搬送面(第1載置面)52とターンテーブル30の搬送面56とが、互いの高さ方向の相対的位置を正確に維持するとともに、カーブコンベア22からターンテーブル30に、実缶Wを安定して移載することができるようになっている。
【0066】
次に、搬送装置1における実缶Wの動作について説明する。
まず、直立されアキューム状態の実缶Wが幅広コンベア12により搬送方向前方側に搬送されるにしたがって、サイドガイド18に沿って速度差コンベア14に移動される。
【0067】
そして、実缶Wは、速度差コンベア14において、サイドガイド18によってコンベア14aからコンベア14cに順次移動される。このとき、コンベア14bはコンベア14aよりも高速とされ、コンベア14cはコンベア14bよりも高速とされているので、コンベア14aからコンベア14cに移動するにしたがって、実缶W同士の搬送方向における間隔が拡大し、供給領域10Aまで搬送された実缶W2同士には適度に間隔が形成される。
【0068】
また、供給領域10Aからカーブコンベア22に載り移った実缶Wは、カーブコンベア22及びターンテーブル30において、ターンテーブル30の外周側に向かう遠心力を受けて実缶受け曲線ガイド35側に移動されて順次単列に整列される。
実缶受け曲線ガイド35で整列された実缶Wは、ターンテーブル本体32から排出コンベア40に移載されて次工程に搬送される。
【0069】
第1の実施形態に係る搬送装置1によれば、第1載置面52が形成された第2カーブコンベア22bのトッププレート51の第1係合部53と、第2載置面56が形成されたターンテーブル本体32の外周舌部57とを備え、第1係合部53に形成された第1摺動面54と外周舌部57に形成された第2摺動面58とが移載領域50Aにおいて互いの間隔をゼロに維持して摺接しながら対向する。
【0070】
その結果、移載領域50Aにおいて、第2カーブコンベア22bの搬送面(第1載置面)53からターンテーブル本体32の搬送面(第2載置面)56に向かって、矢印50F方向に実缶Wを安定して移載することができる。
【0071】
<第2の実施形態>
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、この発明の第2の実施形態に係る載置面間高さ調整機構の要部詳細を説明する図であり、符号60は載置面間高さ調整機構を示しており、符号60Aは載置領域を示している。
【0072】
第2の実施形態に係る載置面間高さ調整機構60が、第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構50と異なるのは、第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構50がカーブコンベア22とターンテーブル30との間に形成されていたのに代えて、載置面間高さ調整機構60は、例えば、ターンテーブル30と排出コンベア40との間に形成され、実缶Wが、移載領域60Aにおいてターンテーブル30から排出コンベア40に移載される点である。第1の実施形態と同様の個所については、第1の実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0073】
第2の実施形態において、ターンテーブル30は、図7に示すように、ターンテーブル本体32の上面が搬送面(第1載置面)62とされていて、ターンテーブル本体32の外周縁には外周縁係合部(第1係合部)63が形成されている。
【0074】
外周縁係合部63は、ターンテーブル本体(第1部材)32から外周に向かって伸び、外周側(排出コンベア40側)が開口するチャネル状に形成されるとともにターンテーブル本体32の周囲を周回するように形成されていて、外周縁係合部63のチャネル内は互いに対向するように形成された第1係合面64とされている。
【0075】
また、第1排出コンベア40a及び第2排出コンベア40bは、それぞれスプロケット対44a、44bに掛けられる搬送チェーンに設けられた複数のトッププレート(第2部材)65を備えており、トッププレート65の上側(搬送チェーンの外周側)には、搬送面(第2載置面)66が形成されていて、搬送面66に直立した実缶Wを載置して搬送可能とされている。
【0076】
また、第1排出コンベア40aのトッププレート65には、搬送面66から概ね外周縁係合部63の上側壁部の厚さ分に相当する段差をあけて下側の位置に、ターンテーブル30側に伸びて外周縁係合部63のチャネルの開口部の間隔より薄い厚さとされた第2係合部67が形成されていて、第2係合部67の上下面には第2係合面68が形成されている。
なお、第1係合面64と第2係合面68とは、一方の面が摺動してもよいし、第2係合面68の上下両面に第1係合面との間隔が形成されて、いずれの面も摺動しない設定とされてもよい。
【0077】
そして、ターンテーブル30と排出コンベア40とは、平面視して所定位置において隣接し、排出コンベア40がターンテーブル本体32の周囲を所定区間にわたり周回してから、搬送方向前方側移動するにつれて第1係合面64と第2摺動面68の係合が解除されるとともに互いに離間するようになっている。
【0078】
移載領域60Aは、ターンテーブル30と排出コンベア40とが隣接してから離間するまでの区間に形成されていて、実缶Wが、ターンテーブル30の搬送面(第1載置面)62から排出コンベア40の搬送面(第2載置面)66に載り移り可能に構成されている。
【0079】
また、ターンテーブル本体32の第1係合面64と、排出コンベア40の第2係合面68とが、移載領域60Aにおいて互いに係合することによって、ターンテーブル本体32の搬送面(第1載置面)62と排出コンベア40の搬送面(第2載置面)66の高さ方向の相対的位置が所定範囲内に維持される。
その結果、搬送面(第1載置面)62と搬送面(第2載置面)66とを搬送面と直交する方向において所定範囲内に維持することができる。
【0080】
第2の実施形態に係る載置面間高さ調整機構60によれば、ターンテーブル30の搬送面(第1載置面)62と排出コンベア40の搬送面66とを、互いの高さ方向の相対的位置において所定範囲内に維持するので、ターンテーブル30から排出コンベア40に向かって、矢印60F方向に実缶Wを安定して移載することができる。
【0081】
<第3の実施形態>
次に、図8を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
図8は、この発明の第3の実施形態に係る載置面間高さ調整機構の要部詳細を説明する図であり、符号70は載置面間高さ調整機構を示しており、符号70Aは移載領域を示している。
【0082】
第3の実施形態に係る載置面間高さ調整機構70が第1の実施形態に係る載置面間高さ調整機構50と異なるのは、載置面間高さ調整機構70が、速度差コンベア14を構成しているコンベア14a(14b)と、コンベア14a(14b)に隣接配置されたコンベア14b(14c)との間に形成されている点である。第1の実施形態と同様の個所については、第1の実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0083】
コンベア14a(14b)は、図8に示すように、トッププレート(第1部材)71には第1載置面72が形成され、トッププレート71のコンベア14b(14c)側は第1係合部73を構成している。そして、第1係合部73の下面には、第1摺動面(第1係合面)74が形成されている。
【0084】
コンベア14b(14c)は、図8に示すように、トッププレート(第2部材)75の第2載置面76に対して、例えば、第1係合部73の厚さと同じ寸法だけ下側に形成された舌部(第2係合部)77がコンベア14a(14b)側に伸びていて、舌部77の上面には、第2摺動面(第2係合面)78が形成されている。
【0085】
また、コンベア14a(14b)とコンベア14b(14c)とは、移載領域70Aにおいて、第1載置面72と第2載置面76とが、平面視して実缶Wが移載可能な距離に設定されている。
【0086】
そして、コンベア14a(14b)の第1摺動面74とコンベア14b(14c)の第2摺動面78とは、移載領域70Aにおいて互いに摺接する。
また、コンベア14a(14b)と、コンベア14b(14c)は、速度差コンベア駆動軸15Sに到達したところで下方に沈み込み、第1摺動面74と第2摺動面78の摺接が解除されるようになっている。
【0087】
第3の実施形態に係る載置面間高さ調整機構70によれば、コンベア14a(14b)の第1摺動面74とコンベア14b(14c)の第2摺動面78とは、移載領域70Aにおいて、互いに摺接することによってコンベア14a(14b)の第1載置面72と、コンベア14b(14c)の第2載置面76の高さ方向における相対的位置が維持される。
その結果、第1載置面72と第2載置面76とが、例えば、同じ高さ(面一)に位置されて、第1載置面72から第2載置面76に向かって、矢印70F方向に実缶Wを安定して移載することができる。
【0088】
以上、本発明の第1〜3の実施形態に係る載置面間高さ調整機構50、60、70について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0089】
例えば、上記実施の形態においては、載置面間高さ調整機構50、60、70が、それぞれ第2カーブコンベア22bの第1載置面52とターンターブル30の第2載置面56との間、ターンテーブル30の第1載置面62と第1排出コンベア40aの第2載置面66との間、速度差コンベア14を構成するコンベア14a、14bの第1載置面72とコンベア14b、14cの第2載置面76との間に形成される場合について説明したが、例えば、幅広コンベア12と速度差コンベア14を構成しているコンベア14aとの間や、速度差コンベア14を構成しているコンベア14cとカーブコンベア22を構成する第1カーブコンベア22aとの間等、独立して移動し対象物の移載が行われる種々の搬送手段の間に、これら載置面間高さ調整機構を配置してもよいことは追うまでもない。
【0090】
また、上記実施の形態においては、載置面間高さ調整機構50、70に関して、第1係合部53、73の下面に、摺動面54、74が形成される場合について説明したが、第1係合部、第2係合部をトッププレート側部の一部として形成するか舌部とするか、又は第1係合部、第2係合部の上下面のいずれに第1、第2摺動面(第1係合面、第2係合面)を形成するかは任意に設定することができる。
【0091】
また、第1係合部、第2係合部を第2実施形態に示すようなチャネル状係合部とするかどうかは任意に設定することができる。すなわち、第1係合部及び第2係合部の形態や組み合わせ、係合面を摺動面とするかどうかは任意に設定することができる。
【0092】
また、上記第1、第2の実施形態においては、第1係合面、第2係合面が互いに摺動する場合について説明したが、例えば、第1係合面と第2係合面の間に摩擦を低減するためのボールやローラ、又は磁気浮上用部材を介在させて、第1係合面と第2係合面を対向させることもできる。
【0093】
また、上記実施の形態においては、対象物が内容物を充填した実缶Wである場合について説明したが、実缶Wに代えて、筒状に形成された空缶や缶以外の筒状体に適用してもよい。
また、例えば、内容物が充填されたPETボトルや空PETボトル等、種々の筒状体に適用することが可能であり、高さ方向における一部の外形が異なった形態を有するものや多角形の筒状体に適用してもよい。また、直方体等、筒状体以外の対象物に適用可能なことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0094】
この発明に係る載置面間高さ調整機構及び搬送装置によれば、移載領域において、一つの面に沿って相対移動する第1載置面と第2載置面との間で対象物を安定して移載することができるので産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0095】
O1 回転軸
W 実缶(対象物)
1 搬送装置
10 搬入コンベア
10A 供給領域
12 幅広コンベア
14 速度差コンベア
14a、14b、14c コンベア(速度差コンベア)
20 整列機構
22 カーブコンベア
22a 第1カーブコンベア
22b 第2カーブコンベア
30 ターンテーブル
32 ターンテーブル本体(第1部材、第2部材)
34 駆動部
36 周縁部支持ローラ
40 排出コンベア
40a 第1排出コンベア
40b 第2排出コンベア
50、60、70 載置面間高さ調整機構
50A、60A、70A 載置領域
51 トッププレート(第1部材)
52 搬送面(第1載置面)
53 第1係合部
54 第1摺動面(第1係合面)
56 搬送面(第2載置面)
57 外周舌部
58 第2摺動面(第2係合面)
62 搬送面(第1載置面)
63 外周縁係合部(第1係合部)
64 第1摺動面(第1係合面)
66 搬送面(第2載置面)
67 第2係合部
68 第2係合面
71 トッププレート(第1部材)
72 第1載置面
73 第1係合部
74 第1摺動面(第1係合面)
75 トッププレート(第2部材)
76 第2載置面
77 舌部(第1係合部)
78 第2摺動面(第2係合面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8