【文献】
"ニュー・スーパーマリオブラザーズ・2",「週刊ファミ通 2012 8/16」,日本,株式会社エンターブレイン,2012年 8月 2日,第27巻,第33号,p.99-101,(特に、p.101の右下「シャボン」の欄)
【文献】
「【任天堂公式ガイドブック】 ニュー・スーパーマリオブラザーズ・U」,日本,株式会社小学館,2013年 2月12日,初版,p.28-29,ISBN:978-4-09-227164-7(特に、p.29の左上「4 見学するならAボタン!」の欄,右下「7 タッチでもシャボンを割れる」の欄)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補正手段は、前記移動方向設定手段によって設定された移動方向を、前記障害オブジェクトとの重なりが解消される位置のうち、前記保護状態となったキャラクターの現在位置から最も近い位置に向かう方向に基づいて補正する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
前記補正手段は、前記障害物検知手段による検知が行われた場合に、前記移動方向設定手段によって設定された移動方向を、検知された障害オブジェクトが有する境界面の法線方向に基づいて補正する、
請求項4に記載のゲームプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0024】
<装置の構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の概略を示す図である。情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、補助記憶装置14と、ネットワークを介した外部との通信を行うためのネットワークインターフェース15と、が電気的に接続された情報処理装置である。また、情報処理装置1には、入力装置16A、16B、16Cおよび16Dと、出力装置17と、が入出力インターフェース18を介して接続される。なお、情報処理装置1の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の形態に応じて適宜構成要素の省略や置換、追加が行われてよい。
【0025】
情報処理装置1は、プレイヤー9によって使用されるゲーム装置等である。ゲーム装置としては、様々な種類の装置を用いることが可能であり、例えば、据え置きゲーム装置、携帯ゲーム装置、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルな電子機器等が挙げられるが、その種類は限定されない。プレイヤー9は、この情報処理装置1に、ゲーム用プログラムに基づくゲーム処理を実行させることでゲームをプレイすることが出来る。また、本実施形態では、本開示を実施するための構成として単一の情報処理装置を例に挙げて説明しているが、本開示は、ネットワークを介して互いに接続された複数の装置を有するシステムによって実現されてもよい。
【0026】
CPU11は、中央処理装置であり、RAM12およびROM13等に展開された命令及びデータを処理することで、RAM12、補助記憶装置14等の、情報処理装置1に備えられた各構成を制御する。また、RAM12は、主記憶装置であり、CPU11によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。即ち、CPU11、RAM12、およびROM13は、情報処理装置1の制御部10を構成する。
【0027】
補助記憶装置14は、不揮発性の記憶装置であり、主に情報処理装置1の電源を落としても保持したい情報、例えば、RAM12にロードされる情報処理装置1のOS(Operating System)や、後述する処理を実行するための各種プログラムの他、情報処理装置1によって使用される各種データが書き込まれ、読み出される。補助記憶装置14としては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やHDD(Hard Disk Drive)等を用いることが出来る。また、補助記憶装置14として、情報処理装置1に対して着脱可能に装着される可搬媒体が用いられてもよい。可搬媒体の例としては、EEPROM等によるメモリーカード、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)およびBD(Blu−ray(登録商標) Disc)等が挙げられる。可搬媒体による補助記憶装置14と、可搬型ではない補助記憶装置14とは、組み合わせて用いることも可能である。
【0028】
本実施形態では、情報処理装置1は、4人のプレイヤー9A、9B、9Cおよび9Dの夫々が手にして操作可能な、4つの入力装置16A、16B、16Cおよび16Dが接続される。但し、ゲームをプレイできるプレイヤー9の数、および入力装置16の数は限定されない。以下、4人のプレイヤー9や4つの入力装置16、これらに対応する4つのプレイヤーキャラクター41を互いに区別する場合には、AからDの何れかの符号を付して記載し、区別しない場合には、単にプレイヤー9、入力装置16、プレイヤーキャラクター41、と記載する。
【0029】
入力装置16には、ボタン、レバー、キーボード、加速度センサ、角速度センサ、またはタッチパネル等の様々な装置を採用することが出来る。タッチパネルは、ディスプレイに積層されることでタッチパネル式ディスプレイとしてもよい。プレイヤー9は、タッチパネルの表面をタッチペンや指等で触れることで、入力を行うことが出来る。タッチパネルには、例えば、抵抗膜方式のタッチパネルが採用されてもよいし、静電容量方式のタッチパネルが採用されてもよい。その他、タッチパネルには、任意の方式を用いることができる。
【0030】
出力装置17は、画像または音声等をプレイヤー9から認識可能に出力するための装置であり、例えば、画像のための出力装置として液晶や有機EL等を用いた表示装置17が用いられる。本実施形態では、出力装置17として、主に、4人のプレイヤー9A、9B、9Cおよび9Dの全員から視認可能な位置に表示を行う表示装置17について説明する。
【0031】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の機能構成の概略を示す図である。本実施形態に係る情報処理装置1は、CPU11が、RAM12に展開された各種プログラムを解釈および実行することで、ゲーム処理部21、保護部22、アクション設定部(移動方向設定部)23、障害物検知部24、補正部25、保護状態通知部26、解除部27、解除制限部28、表示位置算出部29、調整部30、除外部31、特定部32、特定状況検知部33、判定部34、優先表示キャラクター決定部35、描画部36および出力部37を備える情報処理装置として機能する。本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPU11によって実行される例について説明するが、これらの機能は、その一部または全部が、1または複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。また、情報処理装置1が備える各機能部は、例えば、クラウド上、サーバ3上等に実装されてよい。また、これらの機能部は、単一のソフトウェアではなく、複数のソフトウェアによって実現されていてもよい。
【0032】
ゲーム処理部21は、入力装置16A、16B、16Cおよび16Dを介した、プレイヤー9Aから9Dの操作に基づく入力をゲーム用プログラムの各種パラメータに反映させながらゲーム用プログラムを実行することで、プレイヤー操作に応じて、ゲームの仮想世界における複数のキャラクターのアクション(仮想世界内におけるキャラクターの移動、攻撃動作、防御動作、等)を含むゲーム処理を行う。通常、入力装置16を介したプレイヤー操作は、入力装置16およびそのプレイヤー9に割り当てられたプレイヤーキャラクター41のアクションに影響する。即ち、プレイヤー9Aが入力装置16Aを操作したことによる入力は、プレイヤーキャラクター41Aのアクションに影響し、プレイヤー9Bが入力装置16Bを操作したことによる入力は、プレイヤーキャラクター41Bのアクションに影響する。このことは、入力装置16Cおよび16Dについても同様である。なお、本実施形態では、仮想世界として3次元の仮想空間を採用するゲームについて説明するが、仮想世界には、2次元のマップが採用されてもよい。
【0033】
保護部22は、所定の条件が満たされたことを受けて、少なくとも1のキャラクターを、ゲーム中の危険から保護される保護状態とする。例えば、保護部22は、プレイヤー9による保護操作が検出されたことを受けて、保護操作を行ったプレイヤーのキャラクター41を保護状態とする。
【0034】
アクション設定部(移動方向設定部)23は、ゲームの仮想世界におけるキャラクターのアクション(移動方向を含む)を設定する。ここで、保護状態となっていないキャラクターのアクションは、入力装置16を介して入力されたプレイヤー操作に基づいて設定されるが、保護状態となっているキャラクターの移動方向は、例えば、先頭に位置する他のキャラクターが存在する方向に設定される。但し、保護状態キャラクターの移動方向は、先頭キャラクター以外のキャラクターの方向であってもよい。
【0035】
障害物検知部24は、保護状態となったキャラクターが、仮想世界における移動の障害となるオブジェクトに重なっている場合に、これを検知する。
【0036】
補正部25は、障害物検知部24による検知が行われた場合に、アクション設定部23によって設定された、保護状態キャラクターの移動方向を、検知された障害物(仮想世界におけるオブジェクト)との重なりを解消する方向に補正する。本実施形態では、障害物との重なりを解消する方向として、検知された障害物が有する境界面のうち、保護対象キャラクターから最も近い境界面の法線上を障害物の外に向かう方向と、アクション設定部23によって設定された方向と、を合成した方向が採用される。「保護対象キャラクターから最も近い境界面の法線上を障害物の外に向かう方向」は、即ち、障害オブジェクトとの重なりを最も短い時間で解消可能な方向であり、障害オブジェクトとの重なりが解消される位置のうち保護状態キャラクターの現在位置から最も近い位置に向かう方向である。補正方向としてこのような方向が採用されることで、保護状態キャラクターは、比較的短い移動距離で、また比較的短い時間で、障害物との重なりを解消することが出来る。
【0037】
保護状態通知部26は、キャラクターが保護状態であることをプレイヤー9に把握させる。ここで、保護状態通知部26は、障害物検知部24による検知が行われている間と検知が行われていない間とで、出力する内容が異なる。保護状態通知部26は、キャラクターの表示に関して所定の効果を付すことで、プレイヤー9に保護状態を通知し、障害物検知部24による検知が行われている間には、当該キャラクターを視認し難い効果を付し、障害物検知部24による検知が行われていない間には、当該キャラクターを視認し易い効果を付す。
【0038】
解除部27は、保護状態を解除する。例えば、解除部27は、プレイヤー9による解除操作が検出されたことを受けて、保護状態を解除する。
【0039】
解除制限部28は、障害物検知部24による検知が行われている間、解除部27による保護状態の解除を制限する。
【0040】
表示位置算出部29は、3次元の仮想空間を、表示装置17を用いて表示する際の、キャラクターを含むオブジェクトの表示位置を算出する。
【0041】
調整部30は、表示位置算出部29によって算出された表示位置を参照して、はじめに、複数のキャラクターの全てが表示画像40の所定の領域45に入るように描画関連パラメータを調整する。但し、調整部30は、描画関連パラメータを調整しても複数のキャラクターの全てを所定の領域45に入れることが出来ない場合に、少なくとも優先表示キャラクターが所定の領域45に入るように、描画関連パラメータを調整する。ここで、所定の領域45は、例えば、表示画像40全体における中心を含む位置に設定された、表示画像40全体よりも狭い所定の領域である。なお、所定の領域45の形状は、本実施形態に例示されているような長方形に限定されない。
【0042】
除外部31は、ゲーム処理において所定の状況下にあるキャラクターを、調整部30による調整の対象から除外する。本実施形態では、例えば、プレイヤー操作不能となっているキャラクターが、調整部30による調整の対象から除外される。
【0043】
特定部32は、複数のキャラクターから、仮想世界におけるゲームの進行ルート43に対する複数のキャラクターの位置関係に基づいて、ゲームのゴール42へ最も近い先頭キャラクターを特定し、この先頭キャラクターを、特定キャラクターとして特定する。なお、本実施形態では、先頭キャラクターを特定キャラクターとする例について説明するが、特定キャラクターは、ゲームの内容に応じて予め設定されている条件に従って決定されればよく、先頭キャラクターでなくてもよい。例えば、複数のプレイヤー9が協力するゲームにおいて、リーダーとなるプレイヤー9が決定している場合には、リーダーのプレイヤーキャラクター41を、特定キャラクターとしてもよい。
【0044】
特定状況検知部33は、ゲームの状況が、特定キャラクターを優先表示すべき状況であることを検知する。例えば、特定状況検知部33は、特定キャラクターが、ゲームのゴール42から所定の範囲内にある場合に、特定キャラクターを優先表示すべき状況を検知する。
【0045】
判定部34は、特定キャラクターを除く複数の非特定キャラクターが行っている、特定キャラクターと異なるアクションに、複数の非特定キャラクター間で共通性があるか否かを判定する。このような共通性を判定するため、判定部34は、複数のキャラクターの夫々のアクションに基づく値を用いて、特定キャラクターのアクションに基づく値および特定キャラクターのアクションと類似した非特定キャラクターのアクションに基づく値の積算値を含む第一の評価値と、特定キャラクターのアクションと類似しない非特定キャラクターのアクションに基づく値の積算値を含む第二の評価値と、を比較することで、評価値の大小を判定する。
【0046】
より具体的には、判定部34は、複数のキャラクターの夫々が表示画像40における所定の点から離れる速度を用いて、特定キャラクターの速度に所定の重み付けをした値および特定キャラクターと移動方向が類似する非特定キャラクターの速度の積算値を含む第一の評価値と、特定キャラクターと移動方向が類似しない非特定キャラクターの速度の積算値を含む第二の評価値と、を比較することで、評価値の大小を判定する。
【0047】
優先表示キャラクター決定部35は、判定部34によって、共通性があると判定されなかった場合には特定キャラクターを優先表示キャラクターとして決定し、共通性があると判定された場合には少なくとも何れかの非特定キャラクターを優先表示キャラクターとして決定する。但し、優先表示キャラクター決定部35は、特定状況検知部33によって特定キャラクターを優先表示すべき状況が検知された場合、特定キャラクターを優先表示キャラクターとして決定する。また、優先表示キャラクター決定部35は、何れかの非特定キャラクターを優先表示キャラクターとして決定する場合、複数の非特定キャラクター夫々のアクションに基づく値を比較して、優先表示キャラクターを決定する、
【0048】
描画部36は、設定および調整された描画関連パラメータに従って、ゲームの仮想世界を描画(レンダリング)する。
【0049】
出力部37は、描画部36によって描画された画像を、表示装置17による表示のために、入出力インターフェース18から出力する。
【0050】
<処理の流れ>
次に、本実施形態において実行される処理の流れを説明する。なお、本実施形態に係るフローチャートに示された処理の具体的な内容および処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容および処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0051】
図3は、本実施形態に係る情報処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、情報処理装置1において、ゲーム処理の開始が指示されたことを契機として実行される。情報処理装置1の制御部10は、補助記憶装置14から読み出す、またはネットワークを介してダウンロードする、等の方法でRAM12にプレイヤー9所望のゲーム用プログラムをロードし、これを実行することで、以下に説明する情報処理を行う。なお、本実施形態に係るゲームは、60フレーム/秒で処理されるゲームであり、
図3に示された処理は、ゲーム終了(ステップS005)まで、フレーム毎に繰り返し実行される処理である。
【0052】
ステップS001では、ゲーム処理が実行される。ゲーム処理部21は、入力装置16Aから16Dを介して受け付けられたプレイヤー操作に応じて、ゲーム処理を進行させる。ゲームの進行等の状態は、ゲーム用プログラム中のデータ(フラグやパラメータ等)等を用いて管理される。また、本実施形態に係るゲームは、2次元または3次元の仮想世界において、プレイヤー操作に応じて複数のキャラクターが移動を含むアクションを行いながら、ステージ毎にゴール42を目指すゲームである。但し、ゲームの内容やルール等は例示であり、本実施形態に示した例に限定されない。また、本実施形態に係るゲームは、マルチプレイヤーのゲームであり、複数のキャラクター41Aから41Dの夫々は、何れかのプレイヤー9Aから9Dに割り当てられている。夫々のプレイヤー9Aから9Dは、自身に割り当てられた入力装置16Aから16Dを操作することで、ゲーム中で自身に割り当てられたキャラクターに指示を与える。
【0053】
また、本実施形態に係るゲームでは、所定の保護開始条件を満たした場合に、キャラクターがゲーム中の危険から保護される保護状態となる。本実施形態では、キャラクターが保護状態となった場合、保護状態が解除されるまで、キャラクターはゲーム中の敵からの攻撃、仕掛け、落下等による影響を受けることがない。また、本実施形態では、保護状態キャラクターは、当該キャラクターのプレイヤー9が操作を行わなくても、ゲーム中の先頭キャラクターを自動的に追尾する。先頭キャラクターの決定方法については後述する。ステップS001に係るゲーム処理の詳細は、
図4および
図5を用いて後述する。その後、処理はステップS002へ進む。
【0054】
ステップS002では、描画関連パラメータ設定処理が行われる。制御部10は、複数のキャラクターの位置等の情報に基づいて、ゲームの仮想世界を描画(レンダリング)する際に用いられる各種パラメータを設定する。本実施形態では、ゲームの仮想世界として3次元の仮想空間を採用し、これを2次元画像としてレンダリングして表示するゲームが例示されるため、ここで設定される各種パラメータは、仮想空間に配置されたオブジェクトを撮像するための仮想カメラの、仮想空間における位置や傾き、画角(撮像範囲)等を決定するためのパラメータである。但し、先述の通り、ゲームの仮想世界としては2次元のマップが採用されてもよい。この場合、描画のためのパラメータは、2次元マップにおける表示範囲を決定するためのパラメータとなる。
【0055】
また、本実施形態に係るゲームでは、当該ゲームがマルチプレイヤーのゲームであり、且つ複数のプレイヤー9が1の表示画像40を観ながら行うゲームであるため、描画関連のパラメータは、可能な限り全てのプレイヤーキャラクター41が1の表示画像40に設定された所定の領域45内に描画されるように、設定される。ステップS002に係る描画関連パラメータ設定処理の詳細は、
図8および
図9を用いて後述する。その後、処理はステップS003へ進む。
【0056】
ステップS003およびステップS004では、描画処理および表示処理が行われる。描画部36は、ステップS002で設定された描画関連パラメータに従って、仮想世界の描画(レンダリング)を行い、表示画像40を生成する(ステップS003)。そして、出力部37は、生成された表示画像40を、入出力インターフェース18を介して出力し、表示装置17に表示させる(ステップS004)。プレイヤー9は、表示画像40を受けて、入力装置16を介した新たな指示を入力し、ゲームを進行させる。その後、処理はステップS005へ進む。
【0057】
ステップS005では、ゲームを終了するか否かが判定される。ゲームを終了しない場合(ゲームを続行する場合)、処理はステップS001へ進む。即ち、本フローチャートに示された処理は、フレーム毎に、ゲーム終了まで繰り返し実行される。ゲームを終了する場合、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0058】
図4および
図5は、本実施形態に係るゲーム処理の流れを示すフローチャートである。先述の通り、本フローチャートに示された処理は、
図3に示した情報処理におけるステップS001のゲーム処理を詳細に説明するものである。但し、
図4および
図5に示したゲーム処理は、ゲームに登場するプレイヤーキャラクター41毎に実行される。即ち、例えば4人のプレイヤー9A、9B、9Cおよび9Dでゲームを行っている場合、
図4および
図5に示すゲーム処理は、各フレームにおいて4回実行される。
【0059】
ステップS101では、プレイヤー操作の入力が受け付けられる。情報処理装置1は、各プレイヤー9に割り当てられた入力装置16を介してプレイヤー9による操作入力を受け付け、制御部10は、処理対象のキャラクターに対応する入力装置16を介したプレイヤー操作を、当該キャラクターに対する指示として保持する。その後、処理はステップS102へ進む。
【0060】
ステップS102では、キャラクターが保護状態であるか否かが判定される。制御部10は、処理対象のキャラクターが、ゲーム中の危険から保護される保護状態であるか否かを判定する。具体的には、例えば、キャラクター毎に保護状態であるか否かを示すフラグ等を設定しておき、これを参照することで判定することが出来る。但し、判定方法はこの例示に限定されない。対象キャラクターが保護状態である場合、処理はステップS106へ進む。一方、対象キャラクターが保護状態でない場合、処理はステップS103へ進む。
【0061】
図6は、本実施形態に係るゲームの表示画像40を示す図である。
図6の表示画像40には、仮想世界内を、旗で示されたゴール42に向かって移動する4つのプレイヤーキャラクター41A,41B,41Cおよび41Dが示されている。保護状態のキャラクターには、保護状態通知部26によって、キャラクターが保護状態であることをプレイヤー9に把握させるためのエフェクトが付与される。本実施形態では、保護状態であることを示すエフェクトとして、保護状態のキャラクター41Dを包む球体(泡)44が表示される。この球体44は、透過色を有しており、球体44に包まれているキャラクターがプレイヤー9から確認可能となっている。
【0062】
ステップS103では、所定の保護開始条件を満たしたか否かが判定される。保護部22は、ゲーム処理において用いられている各種パラメータおよびステップS101で受け付けられたプレイヤー操作の内容を参照し、何れかの保護開始条件を満たしているか否かを判定する。本実施形態では、例えば、保護開始条件として、
(1)対象キャラクターが表示画像40の外に出てから一定時間が経過したこと、
(2)敵からの攻撃、仕掛け、落下等によって失われたキャラクターが復活したこと、
(3)対象キャラクターが先頭キャラクターから所定以上の距離離れたこと、および
(4)対象キャラクターが接地している状態(空中にいない状態)で保護開始を指示するプレイヤー操作が入力されたこと、
等が設定される。但し、保護開始条件は、本実施形態における例示に限定されない。保護開始条件を満たしたと判定された場合、処理はステップS104へ進む。一方、保護開始条件を満たしていないと判定された場合、処理はステップS105へ進む。
【0063】
ステップS104では、所定の保護開始条件を満たした対象キャラクターが保護状態に設定される。ステップS103において保護開始条件が満たされたと判定された場合、保護部22は、対象キャラクターを保護状態に設定する。この設定は、例えば、保護状態であることを示すフラグをTRUEに設定する等の方法で行われる。上述の通り、本実施形態において、保護状態キャラクターは、ゲーム中の敵からの攻撃、仕掛け、落下、その他の危険から影響を受けることがない。また、保護状態キャラクターは、ゲーム中の先頭キャラクターを自動的に追尾する。対象キャラクターが保護状態に設定されると、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0064】
ステップS105では、プレイヤー操作に応じたキャラクターのアクションが設定される。アクション設定部23は、ステップS101で受け付けられたプレイヤー操作に応じて、対象キャラクターのアクションを設定する。ここで、キャラクターのアクションには、ゲームの仮想世界におけるキャラクターの移動(ジャンプ等も含む)、攻撃動作、防御動作およびアイテムの使用、等が含まれる。ここで、アクションがキャラクターの移動である場合、ゲーム処理は、プレイヤー操作および対象キャラクターのパラメータ等に基づいてキャラクターの移動方向および移動速度を決定する。なお、移動方向および移動速度は、後述する優先表示キャラクター決定処理(
図11を参照)で、速度ベクトルとして表される。対象キャラクターのアクションが設定されると、処理はステップS115へ進む。
【0065】
ステップS106では、保護状態のキャラクターが、保護状態を解除(通常状態に復帰)可能であるか否かが判定される。解除制限部28は、ステップS102において保護状態であると判定された対象キャラクターが、保護状態を解除可能な状況にあるか否かを判定する。本実施形態では、対象キャラクターの位置が、ゲームの仮想世界においてキャラクターの移動の障害となるオブジェクト(障害物)に重なっていない場合に、保護状態を解除可能であると判定される。これは、障害物に重なった状態で保護状態を解除しても、キャラクターが障害物に埋まってしまって移動できないか、またはすぐにダメージを受けてキャラクターを失ってしまうためである。保護状態を解除不可能(通常状態に復帰不可能)であると判定された場合、処理はステップS107へ進む。一方、保護状態を解除可能(通常状態に復帰可能)であると判定された場合、処理はステップS108へ進む。
【0066】
ステップS107では、対象キャラクターを包む球体44の色が、保護状態の解除が禁止されていることを示す色に設定される。保護状態通知部26は、ステップS106において対象キャラクターの保護状態を解除不可能であると判定されたことを受けて、保護状態を解除できないことをプレイヤー9に通知するため、対象キャラクターを包む球体44の色を、透明度の低い色に設定する。この色には、例えばキャラクターのテーマ色(即ち、キャラクター毎に予め定められた、互いに異なる色)に近い色(例えば、赤い服のキャラクターであれば、赤色)が用いられてよい。球体44の色をキャラクターのテーマ色に近い色にすることで、透明度が下がって球体44の中のキャラクターが見えなくなった場合でも、プレイヤー9は球体44の中のキャラクターが何れのキャラクターであるかを判別することが出来る。その後、処理はステップS112へ進む。
【0067】
ステップS108では、所定の保護解除条件を満たしたか否かが判定される(対象キャラクターが通常状態に復帰する)。情報処理装置1は、ゲーム処理において用いられている各種パラメータおよびステップS101で受け付けられたプレイヤー操作の内容を参照し、何れかの保護解除条件を満たしているか否かを判定する。例えば、本実施形態では、保護解除条件として、
(1)他のキャラクターが保護状態キャラクターに対して保護状態を解除する(球体44を割る)アクションを行ったこと、および
(2)保護解除を指示するプレイヤー操作が入力されたこと、
等が設定される。但し、保護解除条件は、本実施形態における例示に限定されない。保護解除条件が満たされたと判定された場合、処理はステップS109へ進む。一方、保護解除条件を満たしていないと判定された場合、処理はステップS110へ進む。
【0068】
ステップS109では、保護解除条件を満たした対象キャラクターの保護状態が解除される(対象キャラクターが通常状態に復帰する)。保護解除条件が満たされたと判定された場合、解除部27は、対象キャラクターの保護状態を解除する。保護状態の解除は、例えば、保護状態であることを示すフラグをFALSEに設定する等の方法で行われる。対象キャラクターの保護状態が解除されると、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0069】
ステップS110では、対象キャラクターを包む球体44の色が、保護状態の解除が許可であることを示す色に設定される。保護状態通知部26は、ステップS106において対象キャラクターの保護状態を解除可能であると判定されたことを受けて、保護状態を解除できることをプレイヤー9に通知するため、対象キャラクターを包む球体44の色を、透明度の高い色に設定する。その後、処理はステップS112へ進む。
【0070】
ステップS112では、保護状態キャラクターの移動方向が設定される。本実施形態では、保護状態のキャラクターは、プレイヤー操作によらず自動的に移動する。また、通常状態のキャラクターが、仮想世界の障害物に移動を妨げられるのに対して、保護状態キャラクターは、障害物に移動を妨げられることなく、障害物を通り抜けて移動することが出来る。アクション設定部23は、仮想世界における保護状態キャラクターの位置と、先頭キャラクターの位置とに基づいて、保護状態キャラクターの移動方向を、先頭キャラクター方向46に設定する。
図6の例では、保護状態となったキャラクター41Dの移動方向が、先頭キャラクターであるキャラクター41の方向46に設定される。これは、保護状態を先頭キャラクターに解除してもらい(本実施形態では、保護状態を示す球体44を先頭キャラクターに割ってもらい)、先頭キャラクターに近い位置からゲームを再開できるようにするためである。なお、先頭キャラクターの決定方法は、
図12を用いて後述する。その後、処理はステップS113へ進む。
【0071】
ステップS113では、保護状態のキャラクターが、障害物に重なっているか否かが判定される。障害物検知部24は、保護状態にある対象キャラクターの位置が、ゲームの仮想世界においてキャラクターの移動の障害となるオブジェクト(障害物)に重なっているか否かを判定する。保護状態のキャラクターが障害物に重なっていると判定された場合、処理はステップS114へ進む。一方、保護状態のキャラクターが障害物に重なっていないと判定された場合、処理はステップS115へ進む。
【0072】
ステップS114では、保護状態のキャラクターの移動方向が補正される。保護状態のキャラクターが障害物に重なっていると判定された場合、補正部25は、保護状態の対象キャラクターの移動方向を、障害物に重なった状況からより早く脱出可能な方向(
図7を用いて後述する方向48)へ補正する。これは、障害物に重なったまま先頭キャラクター方向に移動しても、保護状態を解除可能な状況になるまでに時間がかかることがあるからである。
【0073】
図7は、本実施形態に係るゲームの表示画像40を示す図である。本実施形態では、補正部25は、保護状態の対象キャラクターの移動方向を、ステップS112で設定された先頭キャラクター方向46と法線方向47とを合成した合成方向48に補正する。ここで、法線方向47とは、対象キャラクターから最も近い境界面(キャラクターの移動が許容されない障害物とキャラクターの移動が許容される空間との境界面)の法線上を障害物の外に向かう方向47である。但し、補正の方向は、前記合成方向48に限定されない。例えば、保護状態キャラクターの移動方向は、単に法線方向47に補正されてもよい。その後、処理はステップS115へ進む。
【0074】
ステップS115では、キャラクターのアクション処理が実行される。ゲーム処理部21は、ステップS105、ステップS112またはステップS114で設定された、対象キャラクターのアクション(移動を含む)に応じて、仮想世界内で、対象キャラクターが移動等のアクションを行う処理を実行する。処理の結果は、本フローチャートに示された処理の終了後に実行されるステップS003の描画処理で描画され、ステップS004で表示される(
図3を参照)。その後、本フローチャートに示された処理は終了し、処理は
図3のステップS002へ進む。
【0075】
図8および
図9は、本実施形態に係る描画関連パラメータ設定処理の流れを示すフローチャートである。先述の通り、本フローチャートに示された処理は、
図3に示した情報処理におけるステップS002の描画関連パラメータ設定処理を詳細に説明するものである。
【0076】
ステップS201では、描画関連パラメータの調整の対象となるプレイヤーキャラクター41が決定される。除外部31は、ゲーム中でキャラクターのロスト(死亡)が確定したキャラクターや、保護状態キャラクター等、所定の状況にあるキャラクターを、描画関連パラメータの調整の対象から除外し、それ以外のキャラクターを、描画関連パラメータの調整の対象とする。その後、処理はステップS202へ進む。
【0077】
ステップS202では、描画関連パラメータの調整の対象となるプレイヤーキャラクター41の表示位置および表示サイズが算出される。表示位置算出部29は、現在設定されている描画関連パラメータに従って仮想世界を描画した場合の、表示画像40における、ステップS201で決定された調整対象キャラクターの表示位置および表示サイズを算出する。本実施形態では、実際の描画は行われず、描画関連パラメータに従った、表示位置および表示サイズが算出される。但し、表示位置および表示サイズを取得するために、実際の描画処理が行われてもよい。また、本実施形態では、調整対象キャラクターを決定した後に表示位置および表示サイズの算出を行うこととしているが、一旦全てのプレイヤーキャラクター41A、41B、41Cおよび41Dについて表示位置および表示サイズを算出した後で、調整対象キャラクターを決定してもよい(即ち、ステップS201とステップS202の処理順序は逆でもよい)。仮想世界が3次元の仮想空間である場合、表示位置算出部29は、2次元の表示画像40における表示位置および表示サイズを算出する。その後、処理はステップS203へ進む。
【0078】
ステップS203では、全ての調整対象キャラクターが所定の領域45内にあるか否かが判定される。調整部30は、ステップS202で算出された表示位置を参照して、全ての調整対象キャラクターが、表示画像40に定義された所定の領域45内にあるか否かを判定する。
【0079】
図10は、本実施形態に係る表示画像40に設定された所定の領域45を示す図である。
図10の表示画像40には、仮想世界内を移動する4つのプレイヤーキャラクター41A、41B、41Cおよび41Dが示されている。ここで、破線で示された枠は、上記説明した所定の領域45を示す枠であり、表示画像40には描画されない(このため、表示もされない)。調整部30は、描画関連パラメータを、キャラクターがこの枠(所定の領域45)内に入るように調整する。本実施形態では、表示画像40全体における中心を含む位置に設定された、表示画像40全体よりも狭い領域が、所定の領域45として設定される。このような領域が設定されることで。キャラクターに加えて、キャラクターの周囲の状況をも適切に表示してプレイヤー9に把握させることが出来る。
【0080】
但し、所定の領域45は本実施形態に示した例に限定されない。例えば、表示画像40全体を所定の領域45としてもよい。また、本実施形態に示した例では、表示画像40の中心と所定の領域45の中心が一致しているが、表示画像40の中心と所定の領域45の中心とは、ずれていてもよい。例えば、ゲームのスクロール方向が定まっているようなゲームであれば、キャラクターの進行方向をより広く見せるために、所定の領域45の中心は、表示画像40の中心よりも後方であってよい。
【0081】
調整部30による判定の結果、全ての調整対象キャラクターが所定の領域45内にあると判定された場合、処理はステップS204へ進む。一方、全ての調整対象キャラクターが所定の領域45内にあると判定されなかった(何れかの調整対象キャラクターが所定の領域45外にあると判定された)場合、処理はステップS207へ進む。
【0082】
ステップS204では、調整対象キャラクターの表示サイズが確認され、表示サイズが閾値よりも小さいか否かが判定される。調整部30は、ステップS202で算出された、調整対象キャラクターの表示サイズを、予め設定された閾値と比較する。ここで、全ての調整対象キャラクターの表示サイズが閾値以上であると判定された場合、本フローチャートに示された描画関連パラメータ設定処理は終了し、処理は
図3のステップS003へ進む。一方、何れかの調整対象キャラクターの表示サイズが閾値よりも小さいと判定された場合、処理はステップS205へ進む。
【0083】
ステップS205では、描画関連パラメータの調整が可能か否か、が判定される。調整部30は、ステップS204において何れかの調整対象キャラクターの表示サイズが閾値よりも小さいと判定されたことを受けて、描画関連パラメータの現在の設定内容を参照し、各種パラメータが、予め設定された設定許容範囲の限界に達しているか否かを判定する。本実施形態では、表示サイズの調整のために仮想カメラの傾きが調整される。このため、調整部30は、仮想カメラの現在の傾きを参照し、現在の傾きによって定まる仮想カメラの注視点が既に調整対象キャラクターを指しているか否か、換言すれば、当該調整対象キャラクターが表示画面の中心に描画される状態となっているか否かを判定する。パラメータが設定許容範囲の限界に達している(即ち、仮想カメラの注視点が既に調整対象キャラクターを指している)場合、パラメータの調整によっては調整対象キャラクターの表示サイズをこれ以上大きくすることが出来ないと判断して、本フローチャートに示された処理は終了する。一方、パラメータが設定許容範囲の限界に達していない(調整可能である)場合、処理はステップS206へ進む。
【0084】
ステップS206では、描画関連パラメータが調整される。調整部30は、ステップS204で何れかの調整対象キャラクターの表示サイズが閾値よりも小さいと判定され、且つステップS205でパラメータ調整可能と判定された場合、描画用の仮想カメラの傾きを、注視点が調整対象キャラクターに近づくように調整する。これは、プレイヤーキャラクター41の表示サイズが小さくなりすぎると、表示画像40中に表示されていたとしてもプレイヤー9がキャラクター41を視認し難くなってしまうためである。仮想カメラの傾きが変更された場合、何れかの調整対象キャラクターが所定の領域45から外れる可能性があるため、処理はステップS202へ戻る。
【0085】
ステップS207では、描画関連パラメータの調整が可能か否か、が判定される。調整部30は、ステップS203において何れかの調整対象キャラクターが所定の領域45外にあると判定されたことを受けて、描画関連パラメータの現在の設定内容を参照し、各種パラメータが、予め設定された設定許容範囲の限界に達しているか否かを判定する。設定許容範囲は、仮想カメラの位置、傾きおよび画角等のパラメータが取り得る範囲を予め設定したものであり、例えば、仮想カメラの位置については、仮想空間内の障害物の内側に入り込まないように定められた設定許容範囲、および、キャラクターから一定以上離れないように定められた設定許容範囲が設定されている。何れかのパラメータが設定許容範囲の限界に達している場合、パラメータの調整によって全ての調整対象キャラクターを所定の領域45内に表示することが出来ないと判断して、処理はステップS209へ進む。一方、設定許容範囲の限界に達しているパラメータが無い場合、処理はステップS208へ進む。
【0086】
ステップS208では、全ての調整対象キャラクターが表示領域に収まるように、描画関連パラメータの調整が行われる。設定許容範囲の限界に達しているパラメータが無い場合、調整部30は、全ての調整対象キャラクターの表示位置が所定の領域45に収まるように、描画関連パラメータの調整を行う。ここで調整される描画関連パラメータには、仮想カメラの、仮想空間における位置や傾き、画角等を決定するためのパラメータ等が含まれ、調整部30は、例えば、所定の領域45から外れたキャラクター方向へ仮想カメラの位置や傾き、画角を変更する調整を行う。その後、処理はステップS202へ進む。これは、パラメータの調整によって、何れかの調整対象キャラクターが所定の領域45から外れる可能性があるためである。即ち、ステップS208の調整処理は、全てのキャラクターが所定の枠内に収まるか、後述する優先キャラクター決定処理に進むまで繰り返し実行される。但し、繰り返しの回数には上限が設けられてもよい。
【0087】
ステップS209では、優先表示キャラクター決定処理が行われる。優先表示キャラクター決定部35は、ステップS207における全ての調整対象キャラクターを所定の領域45内に表示することが出来ないとの判断を受けて、所定の領域45内に優先的に表示するキャラクターを決定する。ステップS209に係る優先表示キャラクター決定処理の詳細は、
図11を用いて後述する。その後、処理はステップS210へ進む。
【0088】
ステップS210では、優先表示キャラクターが所定の領域45に収まるように、描画関連パラメータの調整が行われる。調整部30は、ステップS209の優先表示キャラクター決定処理で決定された優先表示キャラクター表示位置が所定の領域45に収まるように、描画関連パラメータの調整を行う。ここで調整される描画関連パラメータは、ステップS208と同様である。その後、処理はステップS211へ進む。
【0089】
ステップS211では、優先表示キャラクターの表示位置および表示サイズが算出される。表示位置算出部29は、ステップS210で調整された描画関連パラメータに従って仮想世界を描画した場合の、表示画像40における優先表示キャラクターの表示位置および表示サイズを算出する。算出処理の詳細は、ステップS202において説明した処理と概略同様である。その後、処理はステップS212へ進む。
【0090】
ステップS212では、優先表示キャラクターが所定の領域45内にあるか否かが判定される。調整部30は、ステップS211で算出された表示位置を参照して、優先表示キャラクターが、表示画像40に定義された所定の領域45内にあるか否かを判定する。判定の結果、優先表示キャラクターが所定の領域45内にあると判定された場合、処理はステップS213へ進む。一方、優先表示キャラクターが所定の領域45外にあると判定された場合、処理はステップS210へ進む。即ち、ステップS210の調整処理は、優先表示キャラクターが所定の枠内に収まるまで繰り返し実行される。但し、繰り返しの回数には上限が設けられてもよい。
【0091】
ステップS213では、優先表示キャラクターの表示サイズが確認され、表示サイズが閾値よりも小さいか否かが判定される。処理の詳細はステップS204について説明したものと概略同様である。優先表示キャラクターの表示サイズが閾値以上であると判定された場合、本フローチャートに示された描画関連パラメータ設定処理は終了し、処理は
図3のステップS003へ進む。一方、優先表示キャラクターの表示サイズが閾値よりも小さいと判定された場合、処理はステップS214へ進む。
【0092】
ステップS214では、描画関連パラメータの調整が可能か否か、が判定される。処理の詳細はステップS207について説明したものと概略同様である。パラメータが設定許容範囲の限界に達している場合、本フローチャートに示された処理は終了する。一方、パラメータが設定許容範囲の限界に達していない(調整可能である)場合、処理はステップS215へ進む。
【0093】
ステップS215では、描画関連パラメータが調整される。処理の詳細はステップS206について説明したものと概略同様である。仮想カメラの傾きが変更された場合、処理はステップS211へ戻る。
【0094】
このようにして、ステップS210からステップS215の処理が必要に応じて繰り返され、優先表示キャラクターが所定の領域45に収まり且つ優先表示キャラクターの表示サイズが閾値以上となると、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0095】
図11は、本実施形態に係る優先表示キャラクター決定処理の流れを示すフローチャートである。先述の通り、本フローチャートに示された処理は、
図9に示した情報処理におけるステップS209の優先表示キャラクター決定処理を詳細に説明するものである。
【0096】
ステップS301では、特定キャラクターが決定される。特定部32は、プレイヤーキャラクター41の位置に従って、先頭キャラクターを決定し、これを移行の処理における特定キャラクターとする。本実施形態では、キャラクター41Aが特定キャラクターに決定されたものとして、以降の処理を説明する。その後、処理はステップS302へ進む。
【0097】
図12は、本実施形態に係るゲームの表示画像40を示す図である。ゴール42に向かって延びる矢印付太破線は、仮想世界に予め定められたゲームの進行ルート43であり、表示画像40には描画されない(このため、表示もされない)。プレイヤーキャラクター41は、この進行ルート43に沿って進む必要はないが、この進行ルート43は、プレイヤーキャラクター41の進行度合い(ゴール42への近さ)を算出する際に参照される。本実施形態では、先頭キャラクターは、進行ルート43に基づいて決定される。具体的には、特定部32は、夫々のキャラクターから最も近い進行ルート43上の点(キャラクターを中心とする円と進行ルート43との接点)49Aから49Dを算出し、この点49Aから49Dが、進行ルート43において最もゴール42に近いキャラクターを、先頭キャラクター(
図12に示す例では、キャラクター41A)として決定する。但し、先頭キャラクターの決定方法は、本実施形態に例示された方法に限定されない。例えば、ゴール42からの距離が最も近いキャラクターを、先頭キャラクターとして決定してもよい。
【0098】
ステップS302では、ゲームの状況が所定の状況下にあるか否かが判定される。特定状況検知部33は、ゲーム処理のために用いられている各種パラメータや、仮想世界におけるキャラクターの位置等を参照することで、ゲームの状況が何れかの所定の状況下にあることを検知する。所定の状況とは、例えば、
(1)特定キャラクターがゴール42から所定の範囲内にある(ゴール42に近づいている)状況、および
(2)全てのキャラクターが同一方向に進まなければゲームが進行しない状況(例えば、梯子を上に上っているような状況)
等である。ゲームが何れかの所定の状況下にあることが検知された場合、処理はステップS308へ進み、特定キャラクターが優先表示キャラクターに設定される(ステップS308)。一方、ゲームが所定の状況下にあることが検知されなかった場合、処理はステップS303へ進む。
【0099】
ステップS303では、各プレイヤーキャラクター41A、41B、41Cおよび41Dの速度ベクトルが取得される。制御部10は、
図5のステップS105で決定された、ゲームの仮想世界におけるプレイヤーキャラクター41A、41B、41Cおよび41Dの移動方向および移動速度を、表示画像40上におけるプレイヤーキャラクター41A、41B、41Cおよび41Dの移動方向および移動速度に変換する。ここで、表示画像40上の移動方向および移動速度は、表示画像40における所定の点(本実施形態では、表示画像40の中心であり且つ所定の領域45の中心となる点)を原点とし表示画像40の平面上にx軸およびy軸を配置した2次元座標系におけるベクトルで表される。
【0100】
図13は、本実施形態に係る表示画像40における各キャラクターの速度ベクトルを示す図である。
図13の表示画像40には、仮想世界内を移動する4つのプレイヤーキャラクター41A、41B、41Cおよび41Dが示されている。ここで、破線で示された枠は、
図10と同様、所定の領域45を示す枠であり、表示画像40には描画されない。そして、
図13には、所定の領域45の中心を原点とするxy座標軸と、各キャラクターの表示位置および速度ベクトルと、が示されている(これらの座標軸および速度ベクトルも描画/表示されない)。各キャラクターの表示位置には、ステップS202において算出したものを用いることが出来る。ベクトルはx成分およびy成分を有している。
図13に示した例では、
キャラクター41Aは表示位置の座標が正のx座標および正のy座標、速度ベクトルが正のx成分および正のy成分であり、
キャラクター41Bは表示位置の座標が負のx座標および正のy座標、速度ベクトルが正のx成分および正のy成分であり、
キャラクター41Cは表示位置の座標が負のx座標および負のy座標、速度ベクトルが負のx成分および正のy成分であり、
キャラクター41Dは表示位置の座標が負のx座標および負のy座標、速度ベクトルが負のx成分および負のy成分である。
その後、処理はステップS304へ進む。
【0101】
ステップS304では、座標系の原点から離れる成分が抽出される。制御部10は、ステップS303で取得された速度ベクトルの成分のうち、座標系の原点となる表示画像40中の所定の点(本実施形態では、所定の領域45の中心点)から離れる速度を有する成分を抽出する。より具体的には、xおよびyの各軸について、キャラクターの表示位置と正負が一致する速度ベクトルの成分が抽出される。
図13に示した例では、
キャラクター41Aについては、表示位置の座標が正のx座標および正のy座標であるため、速度ベクトルのうち正のx成分および正のy成分が抽出され、
キャラクター41Bについては、表示位置の座標が負のx座標および正のy座標であるため、速度ベクトルのうち正のy成分が抽出され、
キャラクター41Cについては、表示位置の座標が負のx座標および負のy座標であるため、速度ベクトルのうち負のx成分が抽出され、
キャラクター41Dについては、表示位置の座標が負のx座標および負のy座標であるため、速度ベクトルのうち負のx成分および負のy成分が抽出される。
【0102】
換言すれば、ステップS304では、速度ベクトルの成分のうち、本実施形態では、所定の領域45の中心点に近づく速度を有する成分が除外される(
図13において破線で示した成分)。これは、このような成分は、現在描画されている範囲から外れない移動を示す成分であるため、描画関連パラメータの調整(仮想カメラの調整)において無視してよいからである。そして、このような成分を除外することで、描画関連パラメータの調整にあたって重視しなければならない、現在描画されている範囲から外れる方向への移動を示す成分を抽出出来る。その後、処理はステップS305へ進む。
【0103】
ステップS305では、複数のプレイヤーキャラクター41の、特定キャラクターの移動方向への協働の程度を示す第一の評価値が算出される。制御部10は、ステップS304で抽出された速度ベクトルの成分のうち、特定キャラクターの速度ベクトルの各成分に重み付け(本実施形態では、速度ベクトルが1.5倍される)を行う。そして、制御部10は、ステップS304で抽出された他のプレイヤーキャラクター41の速度ベクトルの成分のうち、特定キャラクターと同方向の成分(
図13に示す例では、キャラクター41Bのy成分)を、重み付けされた特定キャラクターの速度ベクトルの各成分に加算する。このようにして得られた値を、判定部34は、第一の評価値とする。
図13に示した例では、第一の評価値は、「x成分=キャラクター41Aのx成分*1.5」、「y成分=キャラクター41Aのy成分*1.5+キャラクター41Bのy成分」で表される速度ベクトルである。その後、処理はステップS306へ進む。
【0104】
ステップS306では、複数のプレイヤーキャラクター41の、特定キャラクターと異なる移動方向への協働の程度を示す第二の評価値が算出される。制御部10は、ステップS304で抽出された他のプレイヤーキャラクター41の速度ベクトルの成分のうち、特定キャラクターと異なる方向の成分(
図13に示す例では、キャラクター41Cのx成分およびキャラクター41Dのx成分およびy成分)を、積算(合計)する。このようにして得られた値を、判定部34は、第二の評価値とする。
図13に示された例では、第二の評価値は、「x成分=キャラクター41Cのx成分+キャラクター41Dのx成分」、「y成分=キャラクター41Dのy成分」で表される速度ベクトルである。その後、処理はステップS307へ進む。
【0105】
ステップS307では、第一の評価値が第二の評価値以上であるか否かが判定される。判定部34は、ステップS305で算出された、特定キャラクターの移動方向への協働の程度を示す第一の評価値と、ステップS306で算出された、特定キャラクターと異なる移動方向への協働の程度を示す第二の評価値と、を比較する。ここで、第一の評価値が第二の評価値以上であると判定された場合、処理はステップS308へ進む。一方、第一の評価値が第二の評価値より小さいと判定された場合、処理はステップS309へ進む。
【0106】
ステップS308では、特定キャラクターが優先表示キャラクターとして決定される。第一の評価値が第二の評価値以上であると判定された場合、優先表示キャラクター決定部35は、特定キャラクターを、優先表示キャラクターとして決定する。
【0107】
このようにすることで、特定キャラクターを除く複数のプレイヤーキャラクター41が特定キャラクターと異なるアクションを行っている場合に、このアクション(本実施形態では、移動)に共通性があるか否かを判定することが出来る。特定キャラクターの速度ベクトル成分には所定の重み付け(本実施形態では、1.5倍)がされているため、他の1つのキャラクターが特定キャラクターと異なる方向へ移動し始めた場合には、特定キャラクターの移動速度が極端に遅い等の場合を除いて特定キャラクターが優先表示キャラクターとなる可能性が高い。しかし、他の複数のキャラクターが特定キャラクターと異なる方向へ移動し始め、且つこの移動方向が近い場合には、他の複数のキャラクターの移動の共通性が第二の評価値の値を大きくするため、特定キャラクター以外のキャラクターが優先表示となる可能性が高まる。但し、他の複数のキャラクター(例えばキャラクター41Cおよび41D)が特定キャラクターと異なる方向へ移動していても、これらのキャラクター間で移動方向が大きく異なれば(キャラクター41Cの移動方向とキャラクター41Dの移動方向が異なれば)、第二の評価値は大きくならない。
【0108】
ステップS309およびステップS310では、特定キャラクターを除く他のキャラクターのうち、最も移動速度の速いキャラクターが、優先表示キャラクターとして決定される。優先表示キャラクター決定部35は、ステップS307において、特定キャラクターを除く複数のプレイヤーキャラクター41が行っている、特定キャラクターと異なるアクションに共通性があると判定されたことを受けて、特定キャラクターを除く複数のプレイヤーキャラクター41の何れかを優先表示キャラクターに決定する。具体的には、優先表示キャラクター決定部35は、特定キャラクターを除く複数のプレイヤーキャラクター41の速度ベクトルを比較し(ステップS309)、最も大きな速度ベクトルを有するキャラクターを、優先表示キャラクターに決定する(ステップS310)。その後、本フローチャートに示された処理は終了し、処理は
図9のステップS210へ進む。
【0109】
上記において説明した実施の形態は、本開示を実施する場合の一例を示すものであって、本開示を上記説明した具体的構成に限定するものではない。本開示の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。