特許第6403385号(P6403385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6403385
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】毛髪整形器
(51)【国際特許分類】
   A45D 2/00 20060101AFI20181001BHJP
   A45D 24/22 20060101ALN20181001BHJP
【FI】
   A45D2/00 Z
   !A45D24/22 B
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-3305(P2014-3305)
(22)【出願日】2014年1月10日
(65)【公開番号】特開2014-136158(P2014-136158A)
(43)【公開日】2014年7月28日
【審査請求日】2016年12月1日
(31)【優先権主張番号】20 2013 100 192.9
(32)【優先日】2013年1月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501173793
【氏名又は名称】ダブリュアイケー ファー イースト エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】コック, マーヴィン
【審査官】 柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−232139(JP,A)
【文献】 特開2012−232138(JP,A)
【文献】 特開2007−089711(JP,A)
【文献】 特表2012−519020(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01721539(EP,A1)
【文献】 特開昭52−024757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 2/00
A45D 24/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
櫛状の整形具(3)を有するシャフト(12)を含み、前記整形具は、前記シャフト(12)の円周の一部だけに延在し、かつ、歯(5)を有し、前記歯は、毛髪収容部(10)によって互いに離間されており、前記歯は前記シャフト(12)の長手方向に一列に配置され、かつ前記シャフト(12)から突出しており、前記歯の各々は熱を良好に伝導する材料から製造された整形部(7,7.1)を形成し、または有しており、2つの前記整形部(7,7.1)は毛髪整形間隙(11)によって分離され、各々の前記整形部(7,7.1)で一対の整形部(7,7.1)を形成している整形具(3)を有する毛髪整形器(1)であって、
前記シャフト(12)は、前記整形具(3)によって占められていないその円周において、少なくとも1つの毛髪キャッチ機構(13)を有し、前記毛髪キャッチ機構(13)は、毛髪が毛髪キャッチ機構(13)に捕捉かつ保持され、前記シャフト(12)がその長手方向軸の周りに回転した後、毛髪は一対の前記整形部(7,7.1)の間に位置する前記毛髪整形間隙(11)に導入可能なように、前記歯(5)の列の長手方向に沿って、かつ前記歯(5)の列の反対側に配置されることを特徴とする毛髪整形器(1)。
【請求項2】
毛髪キャッチ機構として、前記シャフト(12)から径方向に突き出た1つまたは複数の毛材列(13)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の毛髪整形器。
【請求項3】
少なくとも1つの前記毛材列(13)が、前記シャフト(12)のうちの前記整形具(3)の向かい側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の毛髪整形器。
【請求項4】
少なくとも1つの毛材列(13)が、前記整形具(3)に対し、隣接して平行またはほぼ平行に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の毛髪整形器。
【請求項5】
前記毛材列(13)の毛材が毛材束として実施されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載の毛髪整形器。
【請求項6】
毛髪収容部(10)を縁どっている一対の整形部の両方の前記整形部(7、7.1)のそれぞれ少なくとも一方が、毛髪整形間隙(11)の形成に関し、前記毛髪整形間隙(11)を開くおよび閉じるためにもう一方の前記整形部(7、7.1)に対して移動可能であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の毛髪整形器。
【請求項7】
一対の整形部の前記整形部(7、7.1)の少なくとも一方が、バネにより負荷を掛けられており、これにより、前記毛髪整形間隙(11)の閉じた位置では、相補的な前記整形部(7、7.1)に対して保持されていることを特徴とする請求項6に記載の毛髪整形器。
【請求項8】
前記毛髪整形間隙(11)の側面を画定している前記整形部(7、7.1)がそれぞれ、共通の部材の一部であり、前記整形部のうち一方の整形部が不動であり、もう一方の整形部が、前記一方の整形部に対して前記シャフト(12)の長手方向に変位可能であることを特徴とする請求項6または7に記載の毛髪整形器。
【請求項9】
前記シャフトが、前記シャフトの周方向に関して互いに角度間隔をあけて配置された2つの整形具を有しており、前記整形具の間にそれぞれ1つの毛髪キャッチ機構が配置されていることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか一項に記載の毛髪整形器。
【請求項10】
毛髪整形間隙(11)を構成する両方の前記整形部(7、7.1)の少なくとも一方が加熱されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の毛髪整形器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフトと、それぞれ1つの毛髪収容部により互いに離隔されて一列に配置されており、シャフトから突き出ており、かつそれぞれ1つの整形部を構成するまたは有する歯を具備して櫛状に形成された整形具とを含む毛髪整形器に関する。
【背景技術】
【0002】
このような毛髪整形器は、とりわけ毛髪をまっすぐに伸ばすために役立ち、よってストレイテナーとも呼ばれる。このような毛髪整形器の整形具は、互いに離隔した歯から構成される櫛歯列を含んでおり、これに関しては隣接して互いに間隔をあけて配置されたそれぞれ2つの歯が1つの毛髪収容部を縁どっている。毛髪整形プロセスのため、毛髪収容部を縁どっているすべての歯が、または各々の毛髪収容部を縁どっている両方の歯の少なくとも一方が、第1の整形部を備えている。第1の整形部はその毛髪収容部を縁どっているさらなる歯に対して移動可能に支持されている。各々の毛髪収容部の第1の整形部には第2の整形部が割り当てられている。毛髪整形プロセスのためにプリロード下で静止して相互に作用する両方の整形部の間には、整形しようとする毛房が挿入される毛髪整形間隙がある。
【0003】
以前から知られている毛髪整形器によれば、移動可能に支持された第1の整形部は、それぞれ個々に、バネにより歯の表面で弾性支持されている。このような毛髪整形器では、毛髪整形間隙への毛房の挿入が、第1の整形部を第2の整形部に向かって押しているバネ要素の力に対抗して行われる。複数の毛髪整形間隙に毛髪または個々の毛房が入ると、まっすぐの移動が実施される。その際、個々の第1の整形部に作用するバネ力が、整形プロセスのために毛髪に作用する力を決定している。さらに、第2の整形部は対向受け部である。毛髪をまっすぐに伸ばすプロセスに必要な熱の提供に関しては、この以前から知られている毛髪整形器は温風器を備えており、この温風器の温風流が整形具内に導かれる。整形具自体は、定置の歯の根元領域の領域内に空気排出口を備えており、これにより空気排出口から排出される温風流が整形すべき毛髪に達する。
【0004】
EP1721539A1からはさらなる属概念の毛髪整形器が知られている。この毛髪整形器は、上述の毛髪整形器とは違い、第1の整形部がブリッジにより相互に結合されており、これらの整形部が整形部ユニットとして全部一緒に、復帰バネの力に対抗して定置の歯に対して移動することができる。この場合、調節要素により、整形部ユニットを毛髪整形間隙が開く位置に持っていくことができる。この毛髪整形器の利点は、それぞれの毛髪整形間隙に挿入すべき毛房を収めるのが容易になっていることである。そのうえこの形態の場合、復帰力を、したがって毛髪整形プロセスのために毛髪に作用する力を調整することができる。この以前から知られている毛髪整形器も、毛髪整形に必要な熱を送るための温風器を備えている。
【0005】
このような毛髪整形器を用いて毛髪を整形するには、整形すべき毛房を片方の手で掴み取り、そしてもう片方の手で保持している毛髪整形器の毛髪整形間隙に挿入する。最初に述べた現況技術では、毛房を挿入するには可動の整形部に作用するバネ力に打ち勝たなければならない。EP1721539A1から知られている毛髪整形器では、相応の作動機構により毛髪整形間隙が前もって開かれる。この毛髪整形器だけで毛髪を掴み取ることは、それも整形すべき毛房が整形具の各毛髪整形間隙に配分されて毛髪整形間隙に挿入され得るように掴み取ることは不可能である。
【0006】
そのほかの毛髪整形器、特にストレイテナーとして構想された毛髪整形器が知られており、これらの毛髪整形器は、上述の毛髪整形器に対し、原理的には片手で操作することができる。その毛髪整形器とは、やっとこ状に互いに連節した2つのアームを有しており、これらのアームが、それぞれもう一方のアームに向いている面に、典型的には加熱される整形プレートを装備しているような毛髪整形器である。ただしこの毛髪整形器は1つの毛髪整形間隙しか備えていない。このような毛髪整形器を取り扱う際には、整形すべき毛房が、毛髪整形間隙全体に分散して配置されるよう注意しなければならない。この分散を行うため、一般的にはもう片方の、毛髪整形器を持っていない手を補助的に使う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】EP1721539A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上で述べた現況技術を出発点とし、本発明の課題は冒頭に挙げた毛髪整形器を、この毛髪整形器で片手での毛髪整形ができるようにさらに発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は本発明により、歯列の長手の延びに対応しており、かつ毛髪キャッチ機構で毛髪を掴み取ってからシャフトをその長手軸を中心として回転させることにより一対の整形部の間にある毛髪整形間隙に毛髪が導入され得るように歯列に対して配置された毛髪キャッチ機構が、シャフトに装備されている冒頭に挙げた属概念の毛髪整形器によって解決される。
【0010】
この毛髪整形器の場合、シャフトが1つまたは複数の毛髪キャッチ機構を装備している。この毛髪キャッチ機構は、整形具を装備しているシャフトの周方向に見て整形具に対し角度間隔をあけて配置されている。少なくとも1つの毛髪キャッチ機構が、整形具の歯列の長手の延びにわたって延びており、毛房を整形する第1のステップにおいて毛房をキャッチするために役立ち、また毛房を残りの毛髪から分けるためにも役立つ。毛髪キャッチ機構により毛房を捕捉することで、毛房が毛髪キャッチ機構によって、したがって毛髪整形器によって保持される。整形すべき毛房のこの保持は、次に毛髪整形器をその長手軸を中心として回転させることにより、捕捉した毛房を整形具の整形部の間にある毛髪整形間隙に挿入するために役立つ。したがって毛髪キャッチ機構は、前述の、整形すべき毛房を毛髪整形間隙に挿入するプロセスに際し、ある種の対向受け部を提供するためにも役立つ。捕捉した毛束の毛髪を挿入するためにシャフトを回転させることにより、毛髪はシャフトの外被面の周りに沿おうとし、この動因により、毛房の毛髪を簡単に毛髪整形具の毛髪整形間隙内へと巻きつけることができる。このような毛髪整形器の場合には、整形部がバネにより負荷を掛けられて相互に作用しているような毛髪整形間隙にも、整形間隙を開くための作動メカニズムにより毛髪整形間隙を予め能動的に開かなくても捕捉した毛房の毛髪を挿入できることが、試験により示された。ただし、整形間隙を予め作動メカニズムにより能動的に、典型的には手動で開いていれば、毛髪キャッチ機構により捕捉された毛房の毛髪を整形具の整形間隙に挿入するのは非常に容易である。
【0011】
このような毛髪キャッチ機構は、例えば、シャフトの外被面に対して作用し、やっとこのようにシャフトに連節している巾木状のフラップとして実施することができる。このような毛髪キャッチ機構は、毛髪整形器の適用に関し毛髪をキャッチするために開くことができ、つまりフラップを開くことができる。これは手動で行われる。このキャッチ機構内のこのような毛房は、フラップに作用する典型的にはバネによって提供されたプリロードによって保持される。
【0012】
もう1つの好ましい例示的実施形態によれば、毛髪キャッチ機構として1つまたは複数の毛材列が用いられる。この毛材列は、シャフトから径方向またはほぼ径方向に突き出ている。毛材列の長手の延びは、整形具の歯の長手の延びに対応している。毛材は整形具に対して角度間隔をあけて配置されている。毛髪のキャッチおよび保持のために設けられた毛材列の、整形具からの角度間隔が60°以上である場合が有用である。これにより、整形具を具備するシャフトを回転させる過程で、少なくとも1つの毛材列によって捕捉された毛房を完全に毛髪整形間隙に導入し得ることが達成される。これに加え、毛材列による、典型的には複数の毛材列による毛髪キャッチ機構という構想の利点は、整形すべき毛房をキャッチし、また残りの毛髪から分けると同時に、この毛房が梳かされることである。この梳かすプロセスにより同時に、捕捉された毛房の毛髪が整形具の長手の延びにおいて分散し、したがって捕捉された毛房が整形具の歯の間にある個々の毛髪整形間隙に分配される。毛髪キャッチ機能のために用いられる毛材列は、整形具に対しシャフトの長手軸を挟んだ向かい側に配置してもよい。このような一形態ではさらに、実施すべき回転移動が少なくとも180°に及ばなければならないことが自明である。複数の毛材列を設けることが有用であり、これらの毛材列もまた互いに角度間隔をあけてシャフトに配置される。毛房を捕捉した後に毛房を整形具の毛髪整形間隙に挿入するのに必要な回転角度値が大きくなりすぎないよう、保持機能のために重要な毛材列と整形具の角度間隔は60°〜120°の間が好ましい。この挙げた角度間隔内にも毛材列を配置することは、完全に可能である。しかしながらこの場合、この毛材列はとりわけ梳かし機能に対して有効であり、整形間隙に毛房を挿入するための保持機能に対してはあまり有効ではない。
【0013】
毛材列から構築されたこのような毛髪キャッチ機構は、毛材が軟らかい毛材束として実施される場合が特に効果的である。
【0014】
特許請求される毛髪整形器のさらなる利点および形態は、添付した図に関連した例示的実施形態の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】櫛状に形成された整形具を具備する毛髪整形器を示す図である。
図2図1の毛髪整形器の整形具の概略的な縦断面図である。
図3】整形すべき毛房をキャッチするための取扱い位置での毛髪整形器1の整形具の領域内の概略的な断面図である。
図4】毛房を整形するための中間ステップにおける毛髪整形器を示す図である。
図5】毛髪整形器の毛髪整形間隙に毛房が挿入されている図4に基づく毛髪整形器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
毛髪整形器1は、グリップ部2に接続された整形具3を備えている。整形具3は電気により加熱される。電流供給のため毛髪整形器1は電気接続ケーブル4を備えている。整形具3は櫛状に構想されており、一列の互いに離隔して配置された定置歯5を有している。歯列のうち整形具3の先端6に隣接して配置された一番外側の歯を除くすべての歯5で、各々の歯5に、可動の第1の整形部7が割り当てられている。これらの整形部7は一緒に整形部ユニットへと統合されている。この整形部ユニットは、歯列の長手方向に移動可能であり、図1に示した位置から、図示した例示的実施形態では押しボタン8として構想された調節要素を作動させることでグリップ部2の方に並進的に変位することができる。歯5は、整形具3のハウジングの一部を構成しているカバー外殻9と共に、プラスチック射出成形部品として実施されている。歯5はアーチ状に構想されており、図2から認識できるように第1の整形部7を縁どっている。それぞれ2つの互いに隣接して配置された歯5が1つの毛髪収容部10を挟んでいる。毛髪収容部10の一部は、図2で認識可能な毛髪整形間隙11であり、この毛髪整形間隙は、各々の第1の整形部7と、この整形部7と協働する第2の整形部7.1との間にあり、この第2の整形部7.1は、隣接する歯5のアーチの中に配置されている。第1の整形部7は整形部ユニットとして、押しボタン8を相応に作動させることにより、復帰バネの力に対抗し、不動に配置された整形部7.1に対して移動することができる。図2では毛髪整形間隙は閉じている。第1の整形部7は、バネのプリロード下で静止して、同様に整形部ユニットへと統合されている整形部7.1に対して作用している。
【0017】
毛髪整形器1の整形具3はシャフト12の表面にある。整形具3のシャフト12は、整形具3の歯5に対して角度間隔をあけて複数の毛材列13を装備している。この毛材列13の個々の毛材は毛材束として実施されている。毛髪整形器のシャフト12と、シャフトから径方向に突き出ている整形具3と、毛材列13とによる毛髪整形器1の形成は、図3に示した横断面から概略的に認識することができる。図3では、シャフト12の表示を簡略化するため、シャフトに内包されており、かつ整形具3の動作に必要な要素を取り除いて示している。この要素とは、なかでも整形部7を構成する整形部部材の移動可能なデバイス、ならびに整形部7または7.1を温めるための、典型的には(複数の)PTC加熱素子として形成される加熱機構、ならびに場合によっては必要なさらなる機構、例えば所望の場合には蒸気生成機構および/またはイオン化機構である。
【0018】
毛材列13は、毛髪整形器1では毛髪キャッチ機構である。この毛髪キャッチ機構を用いて、毛房を整形するために毛房を捕捉し、残りの毛髪から分離し、そして毛髪収容部10内で2つの整形部7、7.1の間にある毛髪整形間隙11に挿入する。これと同時に、毛材列13により捕捉された毛房が梳かされる。
【0019】
図3は、整形すべき毛房14に対する第1の取扱い位置での毛髪整形器1を示している。毛髪整形器1の毛材列13または毛材列の一部を、整形すべき毛房14と接触させ、これにより毛房を1つまたは複数の毛材列13によって掴み取る(図4を参照)。続いて毛髪整形器1をその長手軸(またはこの軸に平行な軸)を中心として回転させる(図5を参照)。この工程の際、毛材列13によって捕捉された毛房14は、毛髪整形器1の回転工程の過程で毛房14がシャフト12の外被面の方に移動しようとするくらいに深く、毛材列13により保持されている。この移動により毛房14は、開かれている毛髪整形間隙11に挿入され、または回転移動を行った結果として毛髪整形間隙内に巻きつく。この点で、毛材列13によって捕捉された毛髪は、回転移動が行われるのに対してそのまま留まっており、したがって梳かす際に典型的な引張負荷に曝される。この引張負荷が、捕捉された毛房を毛髪整形間隙11に挿入させ得るために、必要な対向受け部を構成する。毛房の毛髪を毛髪整形間隙に導入させるのを楽にするため、毛髪整形間隙は、押しボタン8を相応に作動させることによって開かれている。開いた毛髪整形間隙11に毛房14が挿入されると、毛髪整形器1を使っている人は押しボタン8を離すことができ、これにより毛髪整形間隙11が閉じる。その後、2つの整形部7、7.1の間で1つまたは複数のバネ要素によって提供されるプリロードが、整形すべき毛房に作用する。続いて毛髪を整形するために、整形部7、7.1の間に毛房がある毛髪整形器1を毛髪の根元から遠ざかる方向に、図5でブロック矢印により概略的に示唆されているように引っ張る。この過程で、毛髪整形器1によって捕捉された毛髪がまっすぐに伸びる。
【0020】
整形すること、本明細書の場合はまっすぐに伸ばすことは、毛髪整形器1を用いて片手で行うことができる。この毛髪整形器1を、毛髪を梳かすためだけに使用してもよいことは自明である。まさに毛髪を整形する際には梳かす必要がある。ただしその場合、この毛髪整形器1を使用すると、異なる道具間で持ち替える必要がない。
【0021】
毛髪整形器1の上記の説明は、原理的には、毛材列の非対称的な配置が、つまり規定された回転方向において整形具に隣接した配置が、十分であることを明らかにしている。しかしながら毛髪整形器を、両方向で回転移動を行うために利用できるよう、毛髪キャッチ機構は、毛髪整形器1の場合の毛材列13がそうであるように、整形具に対して対称的に配置されるのが好ましい。
【0022】
前述の例示的実施形態では、整形部の、したがって整形すべき毛髪の温めが、整形部部材に接続された少なくとも1つのPTC加熱素子によって行われた。これに代わる一形態では、整形具に送られる温風流による温めが提供され、例えばエアーカーラーによって温められる。
【0023】
前述の例示的実施形態では、毛髪整形器をいわゆるスタンドアローン機器として説明した。同じように本発明は、アタッチメントとして構想されている、例えばエアーカーラーに接続可能な毛髪整形器を用いても実現することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 毛髪整形器
2 グリップ部
3 整形具
4 接続ケーブル
5 歯
6 先端
7、7.1 整形部
8 押しボタン
9 カバー外殻
10 毛髪収容部
11 毛髪整形間隙
12 シャフト
13 毛材列
14 毛房
図1
図2
図3
図4
図5