特許第6403498号(P6403498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6403498自動車のアクセルペダル踏込み量規制構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6403498
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】自動車のアクセルペダル踏込み量規制構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 26/02 20060101AFI20181001BHJP
   G05G 5/04 20060101ALI20181001BHJP
   G05G 1/30 20080401ALI20181001BHJP
   F02D 11/02 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   B60K26/02
   G05G5/04 B
   G05G1/30 E
   F02D11/02 S
   F02D11/02 J
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-175214(P2014-175214)
(22)【出願日】2014年8月29日
(65)【公開番号】特開2015-199482(P2015-199482A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2017年8月21日
(31)【優先権主張番号】特願2014-72997(P2014-72997)
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087619
【弁理士】
【氏名又は名称】下市 努
(72)【発明者】
【氏名】川尻 泰路
(72)【発明者】
【氏名】芦田 喜孝
(72)【発明者】
【氏名】轉保 隆史
【審査官】 米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−144575(JP,U)
【文献】 特開2007−131180(JP,A)
【文献】 特開2006−188161(JP,A)
【文献】 特開2012−46008(JP,A)
【文献】 特開2004−227457(JP,A)
【文献】 特開平1−282035(JP,A)
【文献】 特開昭59−23734(JP,A)
【文献】 実開平4−101118(JP,U)
【文献】 特開2004−199199(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0069155(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 26/02
F02D 11/02
G05G 1/30
G05G 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体構成部材に揺動可能に支持されたペダルアームの後端部にペダル踏面を固定してなるアクセルペダルと、該アクセルペダルの踏込み量を規制するストッパとを備えた自動車のアクセルペダル踏込み量規制構造において、
前記ストッパは、上壁部と該上壁部の両縁部に続けて下方に折り曲げられた一対の脚部とを有する山形状を有し、前記ペダルアームの下方に位置するように、かつ前記両脚部が車幅方向左,右に離れて位置するように配置固定されており、
さらに前記上壁部及び両脚部の前側周縁部には、車両前方に開放された開口が形成され、後側周縁部には、前記前側周縁部より剛性が高くなるよう後壁が一体形成されており、
前記上壁部の車両前後方向後部に座面が上方に膨出するように形成され、
該座面に前記ペダルアームの下縁が当接することでアクセルペダルの踏込み量が規制される
ことを特徴とする自動車のアクセルペダル踏込み量規制構造。
【請求項2】
車体構成部材に揺動可能に支持されたペダルアームの後端部にペダル踏面を固定してなるアクセルペダルと、該アクセルペダルの踏込み量を規制するストッパとを備えた自動車のアクセルペダル踏込み量規制構造において、
前記ストッパは、上壁部と該上壁部の両縁部に続いて下方に折り曲げられた一対の脚部とを有する山形状を有し、前記ペダルアームの下方に位置するように、かつ前記両脚部が車幅方向左,右に離れて位置するように配置固定されており、
さらに前記上壁部及び両脚部の前側周縁部には、車両前方に開放された開口が形成され、後側周縁部には、前記前側周縁部より剛性が高くなるよう後壁が一体形成されており、
前記上壁部の、前記ペダルアームの揺動軌跡を挟んだ一側部分は他側部分に対して傾斜するよう形成され、該一側部分の、アクセルペダルの踏み込み方向となす角度は傾斜しない場合の角度より小さくなっており、
該一側部分と他側部分との境界付近に前記ペダルアームの下縁が当接することでアクセルペダルの踏込み量が規制される
ことを特徴とする自動車のアクセルペダル踏込み量規制構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のアクセルペダルの踏込み量を規制するための構造に関し、詳細には車両衝突時に運転者の脚部に作用する荷重を軽減可能とする構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアクセルペダル踏込み量規制構造として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この従来構造では、アクセルペダルのペダルアームをダッシュボードに上下揺動可能に支持し、フロアの、前記ペダルアームの後端部に固定されたペダル踏面の下方部位に、車両側面視で山形をなす板金製のストッパを配置固定し、該ストッパの上面に前記ペダル踏面の裏面を当接させるように構成されている。この従来構造では、車両が衝突した場合は、乗員の脚部からアクセルペダルの踏面を介してストッパに作用する荷重が所定値以上になると該ストッパが座屈変形することで該荷重を吸収し、その結果運転者の脚部に作用する衝突時の荷重を軽減できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−199199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来構造では、アクセルベダルのペダル踏面の下方にストッパを配設しているので、例えばキャブオーバータイプの小型車のように運転者の足元スペースを十分に確保困難な自動車においては、ストッパが邪魔になって乗降性が悪化すると共に運転時の足元スペースがさらに窮屈になることが懸念される。
【0005】
一方、乗降性を確保できるように、前記従来構造において、ストッパをアクセルベダルのペダルアームの下方に配置した場合、ペダルアームがストッパの平面部に線当たり状態で当接することとなり、車両衝突時におけるストッパの座屈変形が困難となり、その結果、運転者の脚部に大きな荷重が作用するおそれがある。
【0006】
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、キャブオーバータイプの小型車においても乗降時の邪魔になったり、運転時の足元スペースが窮屈になったりすることがなく、また車両衝突時には容易に座屈変形することで運転者の脚部に作用する荷重を軽減できる自動車のアクセルベダル踏込み量規制構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、車体構成部材に揺動可能に支持されたペダルアームの後端部にペダル踏面を固定してなるアクセルペダルと、該アクセルペダルの踏込み量を規制するストッパとを備えた自動車のアクセルペダル踏込み量規制構造において、
前記ストッパは、上壁部と該上壁部の両縁部に続けて下方に折り曲げられた一対の脚部とを有する山形状を有し、前記ペダルアームの下方に位置するように、かつ前記両脚部が車幅方向左,右に離れて位置するように配置固定されており、
さらに前記上壁部及び両脚部の前側周縁部には、車両前方に開放された開口が形成され、後側周縁部には、前記前側周縁部より剛性が高くなるよう後壁が一体形成されており、
前記上壁部の車両前後方向後部に座面が上方に膨出するように形成され、
該座面に前記ペダルアームの下縁が当接することでアクセルペダルの踏込み量が規制されることを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、車体構成部材に揺動可能に支持されたペダルアームの後端部にペダル踏面を固定してなるアクセルペダルと、該アクセルペダルの踏込み量を規制するストッパとを備えた自動車のアクセルペダル踏込み量規制構造において、
前記ストッパは、上壁部と該上壁部の両縁部に続いて下方に折り曲げられた一対の脚部とを有する山形状を有し、前記ペダルアームの下方に位置するように、かつ前記両脚部が車幅方向左,右に離れて位置するように配置固定されており、
さらに前記上壁部及び両脚部の前側周縁部には、車両前方に開放された開口が形成され、後側周縁部には、前記前側周縁部より剛性が高くなるよう後壁が一体形成されており、
前記上壁部の、前記ペダルアームの揺動軌跡を挟んだ一側部分は他側部分に対して傾斜するよう形成され、該一側部分の、アクセルペダルの踏み込み方向となす角度は傾斜しない場合の角度より小さくなっており、
該一側部分と他側部分との境界付近に前記ペダルアームの下縁が当接することでアクセルペダルの踏込み量が規制されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る自動車のアクセルペダル踏込み量規制構造によれば、
ストッパをペダルアームの下方に位置するように配置したので、ペダル踏面の下方に空間が形成されており、運転者の乗降時には前記空間を通るように足を移動させることによりストッパが邪魔になることはなく、ストッパを設けていながら乗降性が悪化するのを回避できる。
【0010】
また、請求項1の発明では、ストッパを上壁部と左,右脚部からなる山形状に形成すると共に、左,右脚部が車幅方向に離れて位置するように、つまりストッパの解放部が車両前後方向を向くように配置し、さらに上壁部の後部に座面を形成し、これにペダルアームを当接させるようにした。そのため、車両衝突時にペダルアームから前記座面に大きな荷重が作用すると、前記両脚部の前側解放部が口開きするように座屈変形し、前記荷重を吸収でき、運転者の脚部に作用する荷重を軽減できる。
【0011】
また、請求項2の発明では、ストッパを前記請求項1の発明と同様に、該ストッパの解放部が車両前後方向を向くように配置し、さらに前記上壁部の、前記ペダルアームの揺動軌跡を挟んだ一側部分を他側部分に対して、該アクセルペダルの踏み込み方向となす角度が小さくなるように傾斜させた。そのため、車両衝突時にペダルアームが上壁部に当接した際に該ペダルアームが横滑りするのを、前記一側部分が傾斜していることにより防止でき、これにより前記衝突時の荷重を前記上壁部に確実に作用させることができ、その結果、前記両脚部の前側解放部が口開きするように座屈変形することで前記荷重を吸収でき、かつ運転者の脚部に作用する荷重を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1に係るアクセルペダル踏込み量規制構造を備えたキャブオーバータイプの小型トラクの側面図である。
図2】前記構造の側面図である。
図3】前記構造のストッパの平面図である。
図4】前記ストッパの断面正面図(図3のIV-IV線断面図)である。
図5】前記ストッパの前方から見た背面図(図3のV矢視図)である。
図6】本発明の実施例2に係るアクセルセルペダル踏込み量規制構造の前方に見た正面図である。
図7】前記アクセルペダル踏込み量規制構造の車両左側から見た側面図である。
図8】前記構造のストッパの正面図である。
図9】前記構造のストッパの断面図(図8のIX-IX線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0014】
図1ないし図5は本発明の実施例1に係る自動車のアクセルペダル踏込み量規制構造を説明するための図である。
【0015】
図において、1はキャブオーバータイプの小型トラックであり、該トラック1は、ラダータイプのフレーム2の前部上に搭載されたキャビン(車室)3と、該フレーム3の後部上に搭載された荷台4と、前記キャビン3の下方に位置するように前記フレーム2に搭載されたパワートレイン5とを有する。なお、6aは前輪、6bは後輪である。
【0016】
前記キャビン3は、フロアパネル3a,バックパネル3b,サイドパネル3c,3c,フロントパネル3d及びルーフパネル3eにより構成されている。前記左,右のサイドパネル3cには、左,右のドア開口3fが形成され、該ドア開口3fはドア3gで開閉される。
【0017】
また前記フロアパネル3aの後部にはシート載置部3hが高所に位置する段をなすように形成され、該シート載置部3h上にシート3iが搭載されている。
【0018】
さらにまた前記フロアパネル3aの前端部にはダッシュボード3jが上方に立ち上がるように形成されている。該ダッシュボード3jの下端部には、前記フロアパネル3aの前端部に続いて斜め上方に傾斜する傾斜壁3kが形成されている。
【0019】
前記ダッシュボード3jの運転席側部分に電子スロットルタイプのアクセルペダル装置7が配設されている。このアクセルペダル装置7は、前記ダッシュボード3jに取付けられたアクセルペダルモジュール8と、運転者が足で踏み込むアクセルペダル9とを備えている。前記アクセルペダルモジュール8は、アクセルペダル9の踏込み量を内蔵する開度検出センサにより検出し、該検出した踏込み量をエンジンの燃料供給コントロール系に出力し、これによりエンジン回転速度がアクセルベダル踏込み量に応じた回転速度に制御される。
【0020】
前記アクセルペダル9は、棒状部材からなり、前記アクセルペダルモジュール8により上下揺動可能に支持されペダルアーム9aと、該ペダルアーム9aの後端部に固定された平板状のペダル踏面9bとで構成されている。
【0021】
そして本実施例のアクセルペダル装置7は、アクセルペダル9の最大踏込み量を所定値に規制するストッパ10を備えている。このストッパ10は、前記ペダルアーム9aの前後方向中途部下方に配置され、前記ダッシュボード3jの下端部に形成された前記傾斜部3k上にスタッドボルト11及びナット11aにより締め付け固定されている。
【0022】
前記ストッパ10は、板金製のもので、平板状の上壁部10aと、該上壁部10aの左,右縁部に続けて下方に折り曲げられた左,右の脚部10b,10cと、該各脚部10b,10cの下端部に続けて車幅方向外方に折り曲げ形成された左,右のフランジ部10d,10eを有する車両前後方向視山形状をなしている。なお、10d′,10e′は、前記傾斜部3k上に固着されたスタッドボルト11の頭部11bの高さに応じて上方に膨出するように形成されたボルト座である。
【0023】
ここで前記上壁部10a及び左,右の脚部10b,10cの前側の周縁部は、図5に示すように車両前方に解放される開口aを形成しているのに対し、後の周縁部には、図3に示すように後壁10fが一体形成されている。この後壁10fにはスリット状の切欠き10gが形成され、該切欠き10gの左,右の縁部10g′,10g′は車両前方に折り曲げられている。
【0024】
そして前記上壁部10aの車両前後方向後部寄りの部位に座面10hが上方に台形状に膨出するように形成されている。この座面10h上に前記ペダルアーム9aの中途部の下縁が当接することでアクセルベダル9の踏込み量が規制される。
【0025】
本実施例に係る自動車のアクセルペダル踏込み量規制構造によれば、アクセルペダル9の下方にストッパ10を設けたので、該アクセルペダル9のペダルアーム9aがストッパ10の座面10hに当接することによりアクセルペダル9の最大踏込み量を所定値に規制でき、アクセルペダルモジュール8の開度検出センサの過剰踏込みによる損傷を回避できる。
【0026】
また、前記ストッパ10をペダルアーム9aの中途部下方に位置するように配置したので、ペダル踏面9bの下方に空間Sが形成され(図2参照)、運転者が、乗降時につま先が前記空間Sを通るように脚部を移動させることにより、ストッパ10が邪魔になるのを回避でき、ストッパ10を追加的に設けていながらストッパ10を設けていない場合と同等の乗降性を確保できると共に、運転時の足元スペースを確保できる。特に車両側方から見たときアクセルペダル9が、ペダル踏面9bがドア開口3fにラップするような位置関係をなすように配設される場合に有益である。
【0027】
また、本実施例では、ストッパ10を、上壁部10aと左,右脚部10b、10cからなる山形状に形成すると共に、該左,右脚部10b,10cが車幅方向に離れて位置するように、つまりストッパ10の前側の開口aが車両前方を向くように配置し、さらに上壁部10aの後部に座面10hを膨出形成し、これにペダルアーム9aを当接させるようにした。
【0028】
車両衝突時に大きな衝撃力F1が作用すると、前記アクセルペダル9のペダル踏面9bに載置している運転者の足に大きな荷重が作用することとなるが、本実施例では前記ペダルアーム9aから前記ストッパ10の座面10hに大きな荷重が作用すると、ストッパ10は、前記両脚部10b,10cの前側の開口a側が口開きするように座屈変形し、前記荷重を吸収でき、その結果、運転者の脚部に作用する荷重F2を軽減できる。なお、図2において、荷重F2は、ペダル踏面9bを押圧するように記載されているが、同じ荷重が反作用として運転者の脚部に作用することとなる。
【0029】
また、本実施例では、前記上壁部10a及び左,右の脚部10b,10cの前側の周縁部は車両前方に解放される開口aとなっているのに対し、後側の周縁部には後壁10fが一体形成されているので、前記ストッパ10に作用する荷重に対する後側部分の剛性が前側部分の剛性より高くなっており、この点からも前記荷重に対してストッパ10前側部分が口開きし易くなっており、前記荷重をより確実に吸収でき、脚部に作用する荷重を削減できる。
【実施例2】
【0030】
図6図9は本発明の実施例2に係るアクセルペダル踏み込み量規制構造を説明するための図であり、図中、図1図5と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0031】
本実施例2は、車両衝突時にアクセルペダルに作用する大きな踏み込み力をストッパの上壁部に確実に伝達できるようにした例である。
【0032】
図において、27はアクセルペダル装置であり、該装置27のアクセルペダル29は、丸棒からなるペダルアーム30と、該ペダルアーム30の後端部に固定されたペダル踏面31とを有する。前記ペダルアーム30は前記ダッシュボード3jに取付けられたアクセルペダルモジュール28に揺動可能に支持された支持部30aと、該支持部30aに続いて車幅方向斜め内側に延びる当接部30bとを有し、該当接部30bにはチューブ30cが装着されている。
【0033】
そして前記当接部30bの下方にストッパ20が配設されている。このストッパ20は、ダッシュボード3j側が高くなるように傾斜する傾斜壁3k上に、後述する境界部Cの右縁が前方に位置するよう斜めに配設され、該傾斜壁3kにボルト締め固定されている。
【0034】
前記ストッパ20は、板金製のもので、上壁部20aと、左,右の脚部20b,20cと、左,右のフランジ部20d,20eとを有する車両前後方向視山形状をなしている。また、該ストッパ20の車両前後方向前側部分は車両前方に解放されているのに対し、後側には、スリット状の切欠き20gを有する後壁20fが一体形成され、該切欠き20gの左,右の縁部20g′,20g′は車両前方に折り曲げられている。このようにストッパ20は、前記実施例1のストッパ10と基本的に同様の構造を有する。
【0035】
ここで、図9に示すように、前記ペダルアーム30の当接部30bの揺動軌跡Aは、前記ペダル踏面31に対する踏込み方向Bと交差するようになっている。そして前記上壁部20aは、前記ペダルアーム30の当接部30bの揺動軌跡Aを挟んだ一側部分20hと他側部分20iとで構成されている。前記一側部分20hは他側部分20iに対して斜め上方に傾斜している。換言すれば、前記一側部分20hは、該アクセルペダル29の踏み込み方向Bとなす角度θが傾斜しない場合の一側部分20h′のなす角度θ′より小さくなるように傾斜しており、さらに換言すれば前記一側部分20hは前記踏込み方向Bに対して略垂直となっている。このようにして前記一側部分20hと他側部分20iとの境界部分は、前記ペダルアーム30の当接部30bに略沿うように延びる谷形状の屈曲部Cとなっており、該屈曲部Cに前記支持部30bの下縁が当接することで該アクセルベダル29の踏込み量が規制される。
【0036】
このように本実施例2では、 ストッパ20の上壁部20aの、前記ペダルアーム30の揺動軌跡Aを挟んだ他側部分20iに対して一側部分30hを、該アクセルペダル29の踏み込み方向Bとなす角度θが小さくなるように、換言すれば一側部分20hと他側部分20iが谷形状をなし、かつ該一側部分20hが踏込み方向Bに対して略垂直となるように傾斜させた。そのため、車両衝突時にペダルアーム30の当接部30bが上壁部20aに当接した際に該当接部30bが横滑りするのを、前記一側部分20hと他側部分20iが谷形状をなしていることにより防止できる。これにより前記衝突時の荷重を前記上壁部20aに確実に作用させることができ、その結果、前記両脚部20b,20cの前側解放部が口開きするように座屈変形することで前記荷重を吸収でき、かつ運転者の脚部に作用する荷重を軽減できる。
【0037】
なお、前記実施例1,2では、本発明をキャブオーバータイプのトラックに適用した場合を説明したが、本発明は、キャビン前方にエンジンルームを有する通常の自動車にも勿論適用可能である。
【符号の説明】
【0038】
3j ダッシュボード(車体構成部材)
9 アクセルペダル
9a ペダルアーム
9b ペダル踏面
10 ストッパ
10a 上壁部
10b,10c 一対の脚部
10h 座面
20 ストッパ
20a 上壁部
20h 一側部分
20i 他側部分
29 アクセルペダル
29a ペダルアーム
29b ペダル踏み面
A ペダルアームの揺動軌跡
B アクセルペダルの踏み込み方向
C 境界部
θ 傾斜した一側部分と踏込み方向とがなす角度
θ′ 傾斜しない場合の角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9