(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のガイド部材は、前記媒体の搬送方向における前記媒体の先端部が、前記搬送方向を向く前記第1のガイド部材の先端部を通過した後であって、且つ前記搬送方向における前記媒体の後端部が、前記第1のガイド部材の前記先端部を通過する前に、前記媒体から離れることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《実施の形態1》
<画像形成装置100の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置100の構造を示す断面図である。
図2は、画像形成装置100における制御系を示すブロック図である。
【0010】
画像形成装置100は、現像剤像としてのトナー像を担持する像担持体(現像剤像担持手段)としての中間転写ベルト11を含む転写ベルトユニット10を備える。
【0011】
画像形成装置100は、さらに、トナー像を形成する画像形成部20と、画像形成部20に向けて媒体(記録媒体)としての用紙Pを供給及び搬送する給紙部30と、用紙Pに形成されたトナー像を定着させる定着部40と、トナー像が定着された用紙Pを画像形成装置100の外部へ排出する媒体排出部50とを備える。
【0012】
画像形成装置100は、さらに、トナーを収容する現像剤収容部としてのトナーカートリッジ25K,25C,25M,25Y,25Wと、画像形成装置100内の各構成要素を制御する制御部61と、画像形成装置100内の各構成要素を駆動する駆動力を供給する駆動ユニット62と、画像形成装置100内で搬送される用紙Pを検出する検出部63とを備える。
【0013】
<転写ベルトユニット10の構成>
転写ベルトユニット10は、トナー像を担持する中間転写ベルト11と、用紙Pを、中間転写ベルト11に担持されたトナー像を用紙Pに転写する転写位置(2次転写位置)に向けて案内する搬送路35を形成するガイド部12とを備える。「2次転写位置」とは、中間転写ベルト11に担持されたトナー像を用紙Pに転写する位置であり、より具体的には、後述する2次転写ローラ15とバックアップローラ16との間の位置である。
【0014】
転写ベルトユニット10は、さらに、駆動ユニット62から駆動力を受けて回転することにより、中間転写ベルト11を
図1に示される矢印D1の方向(以下、「ベルト搬送方向」とも称する。)に回転駆動させるドライブローラ13と、中間転写ベルト11を張架させながら中間転写ベルト11の回転駆動に従動して回転するテンションローラ14と、転写位置(2次転写位置)に配置され、中間転写ベルト11の表面に担持されたトナー像を用紙Pに転写する転写部材としての2次転写ローラ15と、中間転写ベルト11を間に挟んで2次転写ローラ15に対向するように配置されたバックアップローラ16と、バックアップローラ16のベルト搬送方向の上流側において中間転写ベルト11を張架させる張架部材としてのサポートローラ17とを有する。
【0015】
転写ベルトユニット10は、さらに、中間転写ベルト11を間に挟んで後述する画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wの各感光体ドラム21に対向するように配置された1次転写部としての複数の1次転写ローラ18を有する。
【0016】
転写ベルトユニット10は、画像形成装置100に対して着脱可能に構成することができる。
【0017】
中間転写ベルト11は、例えば、無端状のベルトである。中間転写ベルト11は、その表面が2次転写位置に向かうほど後述する第2のガイド部材122に近づくように構成されている。
【0018】
2次転写ローラ15は、制御部61により制御されて2次転写バイアスが印加されており、クーロン力を利用して中間転写ベルト11上のトナー像を用紙Pへ2次転写する。
【0019】
サポートローラ17は、用紙Pの搬送方向における2次転写ローラ15及びバックアップローラ16の上流側に備えられ、中間転写ベルト11を張架させる。
【0020】
各1次転写ローラ18は、制御部61により制御されて1次転写バイアスが印加されており、画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wにおいて形成されたトナー像を、クーロン力を利用して中間転写ベルト11上に1次転写する。
【0021】
<画像形成部20の構成>
画像形成部20(トナー像形成部)は、それぞれ異なる色のトナーを用いてトナー像を形成する画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wを有する。画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wは、ベルト搬送方向(中間転写ベルト11の移動方向)に沿って配列されている。例えば、画像形成ユニット20Kはブラック色トナーを用いて画像を形成し、画像形成ユニット20Cはシアン色トナーを用いて画像を形成し、画像形成ユニット20Mはマゼンタ色トナーを用いて画像を形成し、画像形成ユニット20Yはイエロー色トナーを用いて画像を形成し、画像形成ユニット20Wは特色トナー(例えば、クリアトナー又はホワイトトナー)を用いて画像を形成する。ただし、画像形成装置100において、使用するトナーの色、及び画像形成ユニットの数は
図1に示される例に限定されない。
【0022】
画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wは、使用するトナー(トナーの色)が異なり、ユニット内の構造は互いに同じである。
【0023】
画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wは、それぞれ、トナー像を担持するための像担持体としての感光体ドラム21と、感光体ドラム21の表面をマイナスに帯電させる帯電部材としての帯電ローラ22と、帯電された感光体ドラム21の表面に光を照射して静電潜像を形成する露光部材としてのレーザヘッド23と、静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置24とを有する。
【0024】
感光体ドラム21は、例えば、円筒状のOPC(Organic Photo Conductor:有機感光体)ドラムである。
【0025】
レーザヘッド23は、例えば、レーザ光を発光するLED(発光ダイオード)アレイ素子を含む。現像装置24は、例えば、トナーを感光体ドラム21に供給するための現像ローラと、現像ローラにトナーを供給するための供給ローラとを有する。
【0026】
トナーカートリッジ25K,25C,25M,25Y,25Wには、補給用のトナーとして、それぞれ、ブラック色トナー、シアン色トナー、マゼンタ色トナー、イエロー色トナー、特色トナー(例えば、クリアトナー又はホワイトトナー)が備えられている。各トナーカートリッジ25K,25C,25M,25Y,25Wは、画像形成装置100に対してそれぞれ着脱可能である。
【0027】
画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wは、それぞれ、使用する色のトナーが貯蔵されたトナーカートリッジ25K,25C,25M,25Y,25Wと接続されており、現像装置24内のトナーが不足すると、各トナーカートリッジ25K,25C,25M,25Y,25Wからトナーが現像装置24に補給される。
【0028】
<給紙部30の構成>
給紙部30は、内部に用紙Pが積層される媒体トレイ31と、媒体トレイ31から用紙Pを繰り出すピックアップローラ32と、ピックアップローラ32により繰り出された用紙Pを1枚ずつに分離する分離ローラ対としてのフィードローラ33a及びリタードローラ33bと、用紙Pを2次転写位置へ向けて搬送する搬送部としての搬送ローラ対34a,34b,34cと、用紙Pが通過する搬送路35とを有する。
【0029】
給紙部30は、さらに、両面印刷用の反転ローラ対36と、片面にトナー像が定着された用紙Pを再び2次転写位置へ搬送するための搬送ローラ対37a,37b,37c,37d,37eとを有する。
【0030】
ピックアップローラ32は、媒体トレイ31内においてある高さまで上昇した用紙Pを圧接するように備えられ、駆動ユニット62からの駆動力を受けて回転することにより、用紙Pを繰り出す。
【0031】
<定着部40の構成>
定着部40は、熱源となるヒータ41と、表面が弾性体で形成された定着ローラ42(アッパローラ)と、定着ローラ42と共に用紙Pにトナー像を加圧するバックアップローラ43(ロワローラ)とを有する。
【0032】
<媒体排出部50の構成>
媒体排出部50は、定着部40でトナー像が定着された用紙Pを搬送する排出ローラ対51a,51b,51c,51d,51eと、排出ローラ対51eにより排出された用紙Pが唯積されるスタッカ部52とを有する。
【0033】
<制御系の構成>
制御部61は、上位装置から印刷命令を受信した場合、駆動ユニット62を制御し、画像形成装置100内の各構成要素を駆動させる。例えば、制御部61は、ローラ駆動部62aに制御信号を送信し、ローラ駆動部62aに含まれる駆動源(例えば、モータ)及び駆動機構(例えば、ギヤ)により、画像形成装置100内の各ローラを回転させることができる。
【0034】
また、制御部61は、上位装置から印刷命令を受信した場合、転写ベルトユニット10、画像形成部20、及び定着部40を制御して、画像形成処理を実行する。例えば、制御部61は、1次転写ローラ18、2次転写ローラ15、帯電ローラ22、及び現像装置24に印加するバイアスを制御する。また、制御部61は、レーザヘッド23を制御して、印刷命令に含まれる画像データに対応するレーザ光をレーザヘッド23により発光させる。また、制御部61は、定着部40のヒータ41による加熱を制御する。
【0035】
駆動ユニット62は、ローラ駆動手段としてのローラ駆動部62aと、ガイド駆動手段としてのガイド駆動部62bとを含む。ローラ駆動部62aは、モータ等の駆動源及びギヤ等の駆動機構を有し、制御部61から制御信号を受信した場合、感光体ドラム21及び各ローラを回転させることができる。ガイド駆動部62bは、駆動源としてのアクチュエータ71(例えば、リニアアクチュエータ)を有し、第1のガイド部材121を移動させるための駆動力をガイド部12に供給することができる。
【0036】
検出部63は、用紙Pの種類(例えば、厚さ)を検出する第1の媒体検出部としての第1の媒体センサ63a(紙厚センサ)、用紙Pの有無を検出する第2の媒体検出部としての第2の媒体センサ63bと、用紙Pの有無を検出する第3の媒体検出部としての第3の媒体センサ63cとを有する。
【0037】
第1の媒体センサ63aは、搬送ローラ対34cの近傍に備えられており、用紙Pが搬送ローラ対34cを通過する際に、用紙Pの厚さ(紙厚)を検出することができる。ただし、第1の媒体センサ63aは、媒体トレイ31とガイド部12とを接続する搬送路(搬送路35を含む)において、任意の箇所に備えることができる。第1の媒体センサ63aは、用紙Pが搬送ローラ対34cを通過する際に、用紙Pの厚さ(紙厚)を検出すること以外にも、用紙Pが搬送ローラ対34cを通過したことを検出することができる。
【0038】
第2の媒体センサ63bは、用紙Pの搬送方向における2次転写ローラ15の下流側に備えられ、用紙Pの通過を検出することができる。例えば、第2の媒体センサ63bが、用紙Pの搬送方向における用紙Pの後端部を検出することにより、用紙Pが2次転写位置を通過したことを検出することができる。
【0039】
第3の媒体センサ63cは、用紙Pの搬送方向における定着部40の下流側に備えられ、用紙Pの通過を検出することができる。例えば、第3の媒体センサ63cが、用紙Pの搬送方向における用紙Pの後端部を検出することにより、用紙Pが定着部40を通過したことを検出することができる。
【0040】
第1の媒体センサ63a、第2の媒体センサ63b、及び第3の媒体センサ63cは、用紙Pの有無を検出すると、検出結果を制御部61に送信する。第1の媒体センサ63aは、用紙Pの厚さを検出することができるセンサであり、用紙Pの厚さを検出すると、検出結果を制御部61に送信する。
【0041】
<ガイド部12の構成>
図3は、画像形成装置100の2次転写位置近傍における内部構造を概略的に示す側面図である。
図3に示されるように、本明細書において、「短手方向」は、用紙Pの搬送方向と平行な方向を示す。
【0042】
図4は、ガイド部12の長手方向における一端側の構造を示す斜視図である。
図4に示されるように、本明細書において、「長手方向」は、短手方向と直交する方向であり、且つ駆動シャフト124の回転軸と平行な方向である。
図4に示されるガイド部12は、用紙Pの搬送方向における上流側から見た場合の構造であって、且つ長手方向における一端側のみの構造を示している。ガイド部12は、
図4に示されていない他端側の構造も同様の構造とすることができる。ただし、ガイド部12の他端側には、後述するアクチュエータ71、第2のレバー126、及びスプリング127を備えない構造とすることができる。
【0043】
図5(a)は、ガイド部12の内の支持部材123を除いた全体構造を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示されるガイド部12の一端側(領域A1)の構造を示す拡大斜視図である。
【0044】
ガイド部12は、第1のガイド部材121により形成される搬送路35の厚さが、用紙Pの種類(例えば、厚さ)に応じて変わるように構成される。具体的には、ガイド部12は、用紙Pの厚さに応じて、第1のガイド部材121が移動することにより搬送路35の厚さが変更されるように構成される。「第1のガイド部材121により形成される搬送路35の厚さ」(以下、「搬送路35の厚さ」と称する。)は、第1のガイド部材121の搬送路35側の壁面を形成する第1のガイド面121aと、第2のガイド部材122の搬送路35側の壁面を形成する第2のガイド面122aとの間の距離である。
【0045】
ガイド部12の具体的な構成の一例について説明する。
図3に示されるように、ガイド部12は、搬送路35の厚さ方向の一方の壁面を形成する第1のガイド部材121と、第1のガイド部材121が形成する搬送路35の壁面(第1のガイド面121a)に対向し、搬送路35の厚さ方向の他方の壁面(第2のガイド面122a)を形成する第2のガイド部材122と、第1のガイド部材121を移動可能に支持する支持部材123とを有する。
【0046】
図3、
図4、並びに
図5(a)及び(b)に示されるように、ガイド部12は、さらに、支持部材123に回動自在に支持された駆動シャフト124と、駆動シャフト124に支持され、第1のガイド部材121を移動させる第1のレバー125a,125bと、駆動シャフト124の端部において支持され、アクチュエータ71からの駆動力を受けて駆動シャフト124及び第1のレバー125a,125bを回動させる第2のレバー126と、駆動シャフト124の端部に備えられ、駆動シャフト124及び第1のレバー125a,125bを介して第1のガイド部材121を通常のガイド位置に向けて付勢するスプリング127と、支持部材123内に備えられ、駆動シャフト124を回動可能に保持する軸受128と、第2のレバー126の移動量(回転量)を規制するストッパ部129とを有する。
【0047】
「通常のガイド位置」とは、
図3に示されるように、第1のガイド部材121が、移動を開始する前の状態で静止している位置のこという。言い換えると、「通常のガイド位置」とは、第2のレバー126の回転がストッパ部129により規制されていることにより、第1のガイド部材121が静止している位置のことをいう。通常、用紙Pとして普通紙を用いる場合、ガイド部12は、第1のガイド部材121が通常のガイド位置に静止した状態で用紙Pを2次転写位置に案内する。
【0048】
本明細書において、「普通紙」は、坪量[g/m
2]が200g/m
2未満である用紙のことをいい、例えば、株式会社沖データ製エクセレントホワイトA4(坪量80g/m
2)である。実施の形態1に係る画像形成装置100では、普通紙として、通常、坪量が100g/m
2程度の用紙Pが用いられる。
【0049】
図5(b)に示されるように、駆動シャフト124は、軸受128により回動可能に保持されている。
【0050】
図6は、ガイド部12の長手方向における一端側の構造を示す斜視図である。
図6に示されるガイド部12は、用紙Pの搬送方向における上流側から見た場合の構造であって、且つ長手方向における一端側のみの構造を示している。
【0051】
図7は、
図6に示される支持部材123を線分B6−B6で切った場合の断面構造を含む、ガイド部12の構造を示す斜視図である。
図7に示される斜線部分は、支持部材123を線分B6−B6で切った場合の断面を示す。
【0052】
図8(a)は、第1のガイド部材121の正面図であり、(b)は、第1のガイド部材121の平面図である。
【0053】
図6、
図7、及び
図8に示されるように、第1のガイド部材121は、第1のガイド部材121の長手方向にわたって搬送路35の壁面を形成する第1のガイド面121aと、第1のガイド部材121の長手方向における両端側に備えられたスライド部121bと、第1のガイド部材121の長手方向における両端側に備えられた長孔121cと、第1のガイド部材121の長手方向における両端側に備えられた角孔形状の複数の嵌合部121dとを有する。長孔121cは、長手方向と直交する方向に長い形状である。
【0054】
第1のガイド面121aは、第2のガイド部材122(具体的には、第2のガイド面122a)に対向する第1のガイド部材121の壁面を形成することにより、搬送路35を形成する。また、第1のガイド面121aは、搬送ローラ対34cによって搬送されてきた用紙Pを、中間転写ベルト11に接触させずに2次転写位置へ案内する。
【0055】
第2のガイド部材122は、第1のガイド部材121(具体的には、第1のガイド面121a)に対向する第2のガイド部材122の壁面を形成することにより、搬送路35を形成する。また、第2のガイド面122aは、搬送ローラ対34cによって搬送されてきた用紙Pを2次転写位置へ案内する。
【0056】
第1のガイド面121aと第2のガイド面122aとは、用紙Pが通過する搬送路35を形成する。
【0057】
図7に示されるように、支持部材123は、第1のガイド部材121の長孔121cと係合する規制部123aと、第1のガイド部材121を、中間転写ベルト11の表面の内の第2のガイド部材122に対向する部分と平行に移動可能に支持するスライド面123bとを有する。
【0058】
第1のガイド部材121は、長手方向における両端側に備えられたスライド部121bが、支持部材123のスライド面123b上でスライド可能に、支持部材123に支持されている。
【0059】
規制部123aは、第1のガイド部材121の移動量を規制する。具体的には、第1のガイド部材121が長手方向と直交する方向に所定の距離だけスライドすると、長孔121cの内壁が規制部123aに接触することにより、第1のガイド部材121の移動が規制される。
【0060】
第1のレバー125a,125bは、用紙Pを挟むようにして駆動シャフト124の長手方向における両側にそれぞれ備えられる。すなわち、第1のレバー125a,125bは、互いに用紙Pの最大幅よりも広い間隔で駆動シャフト124の長手方向における両側にそれぞれ備えられる。第1のレバー125a,125bは、駆動シャフト124に備えられた状態において回動可能である。具体的には、第1のレバー125a,125bは、第1のレバー125a,125bの各々の端部が駆動シャフト124に固定されているので、駆動シャフト124が回動することにより、駆動シャフト124と共に回動可能である。
【0061】
第1のレバー125a,125bの先端部は、第1のガイド部材121の長手方向における両側に備えられた嵌合部121dとそれぞれ嵌合しているので、第1のレバー125a,125bを回動させることにより、第1のガイド部材121を移動(スライド)させることができる。
【0062】
第2のレバー126は、駆動シャフト124に備えられた状態において回動可能である。具体的には、第2のレバー126は、駆動シャフト124に固定されているので、アクチュエータ71からの駆動力を受けることにより、駆動シャフト124と共に回動可能である。第2のレバー126が、アクチュエータ71からの駆動力を受けて駆動シャフト124と共に回転することにより、第1のレバー125a,125bが駆動シャフト124と共に回転し、第1のガイド部材121が、通常のガイド位置からスライド移動する。
【0063】
スプリング127は、第1のガイド部材121を通常のガイド位置へ戻す方向の付勢力F1(すなわち、駆動シャフト124のトルク)を、駆動シャフト124及び第1のレバー125a,125bを介して第1のガイド部材121に常に与えているが、スプリング127による付勢力F1よりもアクチュエータ71の駆動力F2を大きくすることにより、第1のガイド部材121をスライド移動させることができる。
【0064】
アクチュエータ71の駆動が停止すると、第2のレバー126は、アクチュエータ71から受ける駆動力F2を失う。スプリング127は、常に、駆動シャフト124及び第1のレバー125a,125bを介して第1のガイド部材121を通常のガイド位置に向けて付勢しているので、アクチュエータ71の駆動が停止すると、第1のガイド部材121は通常のガイド位置へ戻る。ストッパ部129は、第1のガイド部材121が通常のガイド位置において静止するように、第2のレバー126に当接する位置に備えられている。すなわち、アクチュエータ71の駆動が停止した場合において、スプリング127の付勢力F1により、第2のレバー126が駆動シャフト124と共に所定の量だけ回転し、第2のレバー126がストッパ部129に当接して第2のレバー126及び駆動シャフト124の回転が停止する。
【0065】
アクチュエータ71は、転写ベルトユニット10の外部に備えられる構成に限られない。例えば、アクチュエータ71が転写ベルトユニット10の内部に備えられるように構成してもよい。
【0066】
図9は、画像形成装置100の2次転写位置近傍における内部構造を概略的に示す断面図である。
2次転写ローラ15の回転軸とバックアップローラ16の回転軸との間の短手方向における距離L1は、例えば、5.9mmである。2次転写ローラ15の回転軸とバックアップローラ16の回転軸との間の短手方向に直交する方向おける距離L2は、例えば、19.8mmである。バックアップローラ16の回転軸とサポートローラ17の回転軸との間の短手方向における距離L3は、例えば、22.9mmである。サポートローラ17の回転軸と、第1のガイド部材121の先端C3との間の短手方向における距離L4は、例えば、2.5mmである。サポートローラ17と中間転写ベルト11との接点C2と、第1のガイド部材121の先端C3との間の短手方向における距離L5は、例えば、2.7mmである。
【0067】
2次転写ローラ15とバックアップローラ16との接点C1、及びサポートローラ17と中間転写ベルト11との接点C2を通る直線Z1と、第1のガイド面121aとがなす角度である第1の角度θ
1は、例えば、11.1°である。中間転写ベルト11の内の、サポートローラ17のベルト搬送方向における上流側にある中間転写ベルト11の表面と、第1のガイド面121aとがなす角度である第2の角度θ
2は、例えば、18.9°である。
【0068】
2次転写ローラ15の直径は、例えば、24mmである。バックアップローラ16の直径は、例えば、18mmである。サポートローラ17の直径は、例えば、8mmである。
【0069】
<画像形成装置100の基本動作>
次に、画像形成装置100の基本動作について説明する。
図10(a)及び(b)は、第1のガイド部材121の移動前後のガイド部12の状態を示す側面図である。
図10(a)に示されるガイド部12は、第1のガイド部材121が通常のガイド位置に静止している状態である。
図10(b)に示されるガイド部12は、アクチュエータ71の駆動により、第1のガイド部材121の移動が完了した状態である。
【0070】
外部のコンピュータなどの上位装置から画像形成装置100の制御部61に印刷命令(画像データを含む)が入力されると、制御部61は、印刷命令に基づいて制御信号をローラ駆動部62aに送信し、画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wにおける各感光体ドラム21、及びドライブローラ13が回転して、画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wの各々において画像形成が開始される。なお、画像データによっては使用する画像形成ユニットが異なる場合があるが、各画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wにおいて、動作は互いに同じであるので、以下、画像形成ユニットの動作については、いずれか1つの画像形成ユニットの動作を例として説明する。
【0071】
印刷命令に基づく画像データが制御部61に送られると、制御部61は、画像データに対応する制御信号をレーザヘッド23に送信する。
【0072】
帯電ローラ22には、所定の帯電バイアスが印加され、帯電ローラ22により、感光体ドラム21の表面が一様に帯電される。
【0073】
レーザヘッド23は、一様帯電された感光体ドラム21の表面に画像データに対応する光を照射して、静電潜像を形成する。
【0074】
現像装置24は、静電潜像が形成された感光体ドラム21の表面に現像剤を供給して、静電潜像に基づくトナー像を形成する。
【0075】
画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wにおいて形成されたトナー像の各々は、各画像形成ユニットに対向して備えられた1次転写ローラ18により、中間転写ベルト11の表面において重ね合わさるように、順次転写される。
【0076】
画像形成ユニット20K,20C,20M,20Y,20Wにおいて画像形成が開始され、所定時間の経過後、ローラ駆動部62aがピックアップローラ32を回転させ、ピックアップローラ32が用紙Pを繰り出し、フィードローラ33a及びリタードローラ33bにより用紙Pが1枚ずつに分離されて、搬送ローラ対34a,34bにより、2次転写位置に向けて用紙Pが搬送される。
【0077】
搬送ローラ対34cの近傍には、第1の媒体センサ63aが備えられている。用紙Pの搬送方向における用紙Pの先端部が第1の媒体センサ63aを通過すると、第1の媒体センサ63aは、用紙Pの先端部が通過したことを検出する。第1の媒体センサ63aは、用紙Pの先端部が通過したことを検出すると、検出結果を制御部61に送信する。
【0078】
また、第1の媒体センサ63aは、用紙Pが第1の媒体センサ63aを通過する際に、用紙Pの厚さを検出する。第1の媒体センサ63aは、用紙Pの厚さを検出すると、検出結果を制御部61に送信する。
【0079】
制御部61は、用紙Pの厚さが、所定の閾値を超えるか否かを判断する。閾値としては、例えば、用紙Pの坪量[g/m
2]とすることができ、例えば、200g/m
2である。第1の媒体センサ63aによる用紙Pの厚さの検出結果が、所定の閾値を超えない場合、制御部61は、用紙Pが第1のガイド部材121を移動させる必要がない媒体(例えば、普通紙)であると判断し、
図10(a)に示されるように、第1のガイド部材121を移動させない。ただし、閾値は、坪量200g/m
2とする場合に限られず、他の値に設定してもよい。
【0080】
図10(a)に示されるように、用紙Pは、搬送ローラ対34cにより、搬送路35を通過して2次転写位置へ搬送される。用紙Pが普通紙である場合、用紙Pを適切に2次転写位置へ進入させるために、搬送路35の厚さは薄いことが望ましい。用紙Pが普通紙であり、第1のガイド部材121を移動させない場合、搬送路35の厚さは、例えば、2mmである。
【0081】
図10(a)に示される例では、用紙Pは、第1のガイド部材121に案内されて用紙Pの後端部が第1のガイド部材121に接触しながら第1のガイド部材121を通過するが、用紙Pの後端の跳ね上がり挙動は発生しない。
【0082】
2次転写ローラ15には転写電圧が印加されており、用紙Pが2次転写位置に到達すると、中間転写ベルト11の表面に担持されたトナー像が用紙Pに転写される。2次転写位置で用紙Pにトナー像が転写されると、用紙Pは定着部40に到達する。
【0083】
トナー像が転写された用紙Pが定着部40に搬送され、定着ローラ42とバックアップローラ43との間を通過する際、熱と圧力が用紙Pに加えられ、トナー像が用紙P上に定着される。
【0084】
トナー像が定着された用紙Pは、排出ローラ対51a,51b,51c,51d,51eによって画像形成装置100の外部に排出される。
<ガイド部12の動作>
次に、ガイド部12の動作(第1のガイド部材121を移動させる場合の動作)を
図10(b)に基づいて説明する。
【0085】
画像形成装置100の印刷動作において、用紙Pが第1の媒体センサ63aを通過する際に、用紙Pの厚さが検出される。第1の媒体センサ63aによる用紙Pの厚さの検出結果が、所定の閾値を超える場合、制御部61は、用紙Pが第1のガイド部材121を移動させることが必要な媒体としての特殊紙(例えば、厚紙)であると判断し、第1のガイド部材121を移動させるための制御信号を、駆動ユニット62(具体的には、ガイド駆動部62b)に送信し、駆動ユニット62(具体的には、ガイド駆動部62b)を制御する。
【0086】
閾値としては、例えば、用紙Pの坪量[g/m
2]とすることができ、例えば、200g/m
2である。ただし、閾値は、坪量200g/m
2とする場合に限られず、他の値に設定してもよい。
【0087】
本明細書において、「厚紙」とは、坪量[g/m
2]が200g/m
2以上である用紙のことをいう。本明細書において、「特殊紙」には、厚紙以外にも、坪量が200g/m
2未満の媒体であって、且つ剛性の高い媒体、並びに坪量が200g/m
2未満の媒体であって、且つ弾性力の大きい媒体も含む。「特殊紙」の一例としては、フィルム媒体、ラベル媒体、及び封筒などである。
【0088】
ガイド駆動部62bは、制御部61から第1のガイド部材121を移動させるための制御信号を受信すると、
図10(b)に示されるように、アクチュエータ71を駆動させて、直線方向の駆動力F2により第2のレバー126を回転させることにより、駆動シャフト124を回転させる。
【0089】
第1のレバー125a,125bは、第1のガイド部材121の長手方向両側に備えられた嵌合部121dとそれぞれ嵌合しているので、第1のレバー125a,125bが駆動シャフト124と共に回転することにより、第1のガイド部材121は、スライド面123bに支持されながら中間転写ベルト11の表面と平行(
図10(b)に示される矢印D2の方向)にスライド移動する。第1のガイド部材121がスライド移動する場合、嵌合部121dに嵌合されている第1のレバー125a,125bの先端部分の移動量(直線距離)は、それぞれ、例えば、9mmである。
【0090】
図10(b)に示されるように、第1のガイド部材121がスライド移動する場合、第1のガイド部材121は、搬送路35の厚さT1が、サポートローラ17と中間転写ベルト11との接点C2と第2のガイド部材122の表面(第2のガイド面122a)との間の距離よりも厚くなるように移動し、用紙Pの搬送方向における後端部が、第1のガイド部材121に接触しない位置まで移動する。第1のガイド部材121の搬送方向を向く先端が、サポートローラ17の下端よりも高い位置まで移動することが望ましく、搬送路35の厚さT1は、例えば、5mmである。
【0091】
第1のガイド部材121を移動させるタイミングは任意に設定することができる。ただし、第1のガイド部材121がスライド移動する場合において、第1のガイド部材121は、用紙Pの搬送方向における用紙Pの先端部が、搬送方向を向く第1のガイド部材121の先端部を通過した後であって、且つ搬送方向における用紙Pの後端部が、第1のガイド部材121の先端部を通過する前に、用紙Pから離れることが望ましい。
【0092】
また、第1の媒体センサ63aによる検出結果が所定の閾値を超えたときに(すなわち、制御部61が第1のガイド部材121を移動させる必要があると判断したときに)、第2の媒体センサ63bが用紙Pの存在を検出したタイミングで第1のガイド部材121を移動させるように、制御部61が駆動ユニット62(具体的には、ガイド駆動部62b)を制御するように構成してもよい。
【0093】
また、第1の媒体センサ63aによる検出結果が所定の閾値を超えたときに、第1の媒体センサ63aが用紙Pの厚さを検出した時点から所定の時間経過後に第1のガイド部材121を移動させるように構成してもよい。
【0094】
また、第1の媒体センサ63aによる検出結果が所定の閾値を超えたときに、用紙Pの先端部が2次転写ローラ15とバックアップローラ16との間に到達した時点で第1のガイド部材121を移動させるように構成してもよい。
【0095】
用紙Pの後端が、2次転写ローラ15を通過したタイミングで、アクチュエータ71の駆動が停止し、第2のレバー126がアクチュエータ71から受ける駆動力が解除され、第1のガイド部材121は、スプリング127の付勢力F1により、通常のガイド位置に戻って静止する。
【0096】
なお、第2の媒体センサ63b又は第3の媒体センサ63cが用紙Pの後端の通過を検出することにより、用紙Pが2次転写位置を通過したことを制御部61が判断することができる。第3の媒体センサ63cが用紙Pの後端の通過を検出することにより、用紙Pが定着部40を通過したことを制御部61が判断することができる。
【0097】
以上に説明した例では、第1のガイド部材121を移動させる必要がある用紙Pが厚紙である場合を例として説明したが、他の特殊紙、例えば、坪量[g/m
2]が200g/m
2未満の媒体であって、且つ剛性の高い媒体についても、実施の形態1で説明した画像形成装置100に適用することができる。この場合、例えば、画像形成装置100の印刷モードを、第1のガイド部材121を所定のタイミングで移動させる印刷モードに予め設定することにより、剛性の高い媒体に印刷する場合であっても、用紙Pの厚さに関わらず、用紙Pの後端の跳ね上がり挙動の発生を防ぐことができる。
【0098】
実施の形態1によれば、ガイド部12は、用紙Pの種類(例えば、厚さ)に応じて、第1のガイド部材121が移動することにより搬送路35の厚さが変更されるように構成されることにより、用紙Pの後端部が第1のガイド部材121を通過する際における跳ね上がり挙動の発生を防ぐことができるので、印刷動作時における接触音の発生又は印刷画像の乱れを低減することができる。
【0099】
第1のガイド部材121がスライド移動する場合において、第1のガイド部材121が、用紙P(厚紙)の搬送方向における用紙Pの先端部が、搬送方向を向く第1のガイド部材121の先端部を通過した後であって、且つ搬送方向における用紙Pの後端部が、第1のガイド部材121の先端部を通過する前に、用紙Pから離れることにより、用紙Pがカールした状態で2次転写位置へ搬送されてきた場合であっても、用紙Pの先端部を、中間転写ベルト11の表面に接触せずに第1のガイド部材121により2次転写位置へ案内させることができ、用紙Pの後端の跳ね上がり挙動の発生を防ぐことができる。
【0100】
第1のガイド部材121がスライド移動する場合において、搬送路35の厚さが、サポートローラ17と中間転写ベルト11との接点C2と、第2のガイド部材122の表面(第2のガイド面122a)との間の距離よりも厚くなるように第1のガイド部材121を移動させることにより、用紙Pの後端の跳ね上がり挙動の発生をさらに効果的に防ぐことができる。
【0101】
用紙Pの搬送方向における2次転写ローラ15の上流側において、サポートローラ17を中間転写ベルト11に当接させて、中間転写ベルト11を張架させることにより、第1の角度θ
1よりも第2の角度θ
2を大きくすることができるので、第1のガイド部材121を中間転写ベルト11の表面と平行に移動させるためのスペースを形成することができる。
【0102】
また、ガイド部12の第1のガイド部材121を移動させる構成とすることにより、2次転写ローラ15を移動させる必要がない。
【0103】
《実施の形態2》
図11は、本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の2次転写位置近傍における内部構造を概略的に示す側面図である。
【0104】
実施の形態2に係る画像形成装置は、実施の形態1で説明したアクチュエータ71及びスプリング127を備えていない点が実施の形態1に係る画像形成装置100と異なり、その他の点は、実施の形態1に係る画像形成装置100と同じである。したがって、実施の形態2に係る画像形成装置における構成要素について、実施の形態1に係る画像形成装置100における各構成要素と同一又は対応する構成要素については、実施の形態1に係る画像形成装置100における各構成要素と同一の符号を用いて説明する。
【0105】
図11に示されるガイド部12aは、第1のガイド部材121が移動する前の状態、すなわち、第1のガイド部材121が通常のガイド位置に静止している状態である。具体的には、第1のガイド部材121は、自重により搬送路35の厚さを狭めるように移動(スライド移動)しようとするが、第2のレバー126がストッパ部129に当接していることにより、第1のガイド部材121は通常のガイド位置に静止している。
【0106】
図12(a)及び(b)は、実施の形態2に係る画像形成装置に含まれる第1のガイド部材121の移動前及び移動中のガイド部12aの状態をそれぞれ示す側面図である。
図12(a)は、用紙Pとして普通紙を用いた場合のガイド部12aの状態を示し、
図12(b)は、用紙Pとして特殊紙を用いた場合のガイド部12aの状態を示す。
【0107】
図12(a)に示されるガイド部12aは、第1のガイド部材121が通常のガイド位置に静止している状態である。
図12(a)に示されるように、画像形成装置の印刷動作において、搬送ローラ対34cにより搬送されてきた用紙Pが第1のガイド部材121と第2のガイド部材122との間に進入する。
【0108】
用紙Pが普通紙である場合、用紙Pが第1のガイド部材121に与える力F3は弱いため、第1のガイド部材121は、移動(スライド移動)することなく、用紙Pを2次転写位置へ案内する。
【0109】
また、用紙Pが普通紙である場合、用紙Pの搬送方向における用紙Pの後端部が第1のガイド部材121に接触しながら搬送路35を通過しても用紙Pの後端の跳ね上がり挙動が発生しない。ただし、用紙Pが普通紙である場合、用紙Pと第1のガイド部材121とが接触せずに、用紙Pが2次転写位置へ進入する場合がある。
【0110】
一方、
図12(b)に示されるように、用紙Pが特殊紙であり、用紙Pの弾性により第1のガイド部材121に与えられる力F4が、第1のガイド部材121の自重による力よりも大きい場合、第1のガイド部材121は、用紙Pが与える力F4を受けることにより、スライド面123bに支持されながら中間転写ベルト11の表面と平行(
図12(b)に示される矢印D2の方向)にスライド移動する。すなわち、第1のガイド部材121を移動させる駆動力は、第1のガイド部材121に接触しながら通過する用紙Pによって与えられる。
【0111】
ガイド部12aの第1のガイド部材121は、第1の媒体センサ63aによる用紙Pの種類(例えば、厚さ)の検出を行うことなく、用紙Pの弾性により第1のガイド部材121に与えられる力F4が、第1のガイド部材121の自重による力よりも大きい場合に、
図12(b)に示されるように、スライド移動する。
【0112】
図12(b)に示されるように、用紙Pが特殊紙である場合、用紙Pは、用紙Pの後端部が第1のガイド部材121を移動させながら第1のガイド部材121を通過する。したがって、ガイド部12aは、第1のガイド部材121が用紙Pにより与えられる力F4を受けながらスライド移動することにより、搬送路35の厚さを変更するとともに用紙Pが与える力F4を吸収する。第1のガイド部材121がスライド移動しながら徐々に用紙Pの力F4を吸収することにより、用紙Pの後端部が第1のガイド部材121を通過する際に用紙Pの後端部が第1のガイド部材121(具体的には、第1のガイド面121a)に接触していても、用紙Pの後端の跳ね上がり挙動を緩和することができる。
【0113】
用紙Pが特殊紙である場合において、用紙Pの後端部が第1のガイド部材121を移動させながら第1のガイド部材121を通過した際の搬送路35の厚さT2は、例えば、5mm以下であることが望ましい。ただし、用紙Pの厚さ、又は弾性力等により、搬送路35の厚さT2は、適切な厚さとなるように構成すればよい。
【0114】
実施の形態2に係る画像形成装置では、ガイド部12aの第1のガイド部材121を移動させるか否かの判断を行うための第1の媒体センサ63a、並びに第1のガイド部材121を移動させるタイミングを決定するための第2の媒体センサ63b及び第3の媒体センサ63cを用いることなく、用紙Pの後端の跳ね上がり挙動の発生を防ぐことができる。ただし、画像形成装置内における用紙Pの位置を把握するために、第1の媒体センサ63a、第2の媒体センサ63b、又は第3の媒体センサ63cを用いてもよい。
【0115】
実施の形態2によれば、ガイド部12aは、用紙Pの種類(例えば、厚紙、弾性力の大きい媒体、及び剛性の高い媒体等)に応じて、第1のガイド部材121が移動することにより搬送路35の厚さが変更されるように構成されることにより、用紙Pの後端部が第1のガイド部材121を通過する際における跳ね上がり挙動の発生を防ぐことができるので、印刷動作時における接触音の発生又は印刷画像の乱れを低減することができる。
【0116】
また、実施の形態2によれば、第1のガイド部材121を移動させる駆動力は、第1のガイド部材121に接触しながら通過する用紙Pによって与えられるので、第1のガイド部材121を移動させるための駆動部を用いることなく、用紙Pの種類に応じて、第1のガイド部材121を移動させることができる。
【0117】
以上に説明した各実施の形態では、ガイド部12,12aが転写ベルトユニット10に備えられる構成を例として説明したが、ガイド部12,12aの構成は、転写ベルトユニット10に備えられる構成に限られない。例えば、ガイド部12,12aを画像形成装置の筐体の内壁に固定するように構成してもよい。
【0118】
以上に説明した各実施の形態で説明した構成は、マルチファンクションプリンタ、ファクシミリ、複合機、又は複写機にも適用可能である。