【実施例】
【0009】
図1は実施例における画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図1において、画像形成システム1は、ホストPC(Personal Computer)100と、印刷装置120とが有線または無線の通信回線を介して通信可能に接続されて構成されている。画像形成システム1は、ホストPC100から印刷データを送信して印刷装置120で印刷を行うものである。
【0010】
ホスト端末としてのホストPC100は、CPU(Central Processing Unit)等の制御部およびメモリ等の記憶部を備え、記憶部に格納された基本制御プログラム(ソフトウェア)であるオペレーティングシステム(以下、「OS」という。)に基づいて制御部により全体の動作が制御される。また、ホストPC100は、各種情報を表示する表示部およびユーザの入力操作を受付ける操作部を有している。さらに、ホストPC100は、印刷装置120との間で情報の送信および受信を行う送信部および受信部を備えた通信制御部117を有している。
【0011】
ホストPC100は、アプリケーション101と、プリンタドライバ102と、独自機能設定ツール110とを有している。アプリケーション101、プリンタドライバ102、および独自機能設定ツール110は、ホストPC100の制御部により実行されるソフトウェアである。
アプリケーション101は、例えば文書作成ソフトウェアや表計算ソフトウェア等のアプリケーションソフトウェアである。このアプリケーション101は、ユーザの指示により印刷データの作成を行う。
【0012】
プリンタドライバ102は、データ受信部103と、標準印刷機能設定部104と、標準印刷機能情報付加部105とを有している。
データ受信部103は、アプリケーション101で作成された印刷データを受信し、保持するものである。
標準印刷機能設定部104は、ユーザによる印刷設定の変更の操作を受付けたときに動作するものである。標準印刷機能設定部104は、ユーザの操作を受付けて印刷設定の変更等を行う。
【0013】
標準印刷設定情報付加部(第1印刷設定情報付加部)としての標準印刷機能情報付加部105は、標準印刷機能設定部104で設定された標準印刷設定情報(第1印刷設定情報)としての印刷設定をデータ化し、データ受信部103で保持されている印刷データに付加するものである。
プリンタドライバ102は、通信制御部117を介して標準印刷設定情報が付加された印刷データを印刷装置120に送信する。
【0014】
独自機能設定ツール110は、アプリケーション101およびプリンタドライバ102とは別にホストPC100上で動作するソフトウェアである。この独自機能設定ツール110は、プリンタドライバ102では設定することができない、印刷装置120が独自に有する機能の設定を行うものである。
【0015】
独自機能設定ツール110は、詳細印刷設定付加判定部111と、印刷機能設定部112と、印刷設定情報データベース113と、印刷設定プリセット保存データベース114と、印刷機能情報作成部115と、印刷設定コマンド情報データベース116とを有している。
詳細印刷設定付加判定部111は、詳細な印刷設定を詳細印刷設定情報(第2印刷設定情報)として付加するか否かを判定するものである。
【0016】
印刷機能設定部112は、詳細印刷設定付加判定部111で詳細な印刷設定を付加すると判定されると、印刷機能情報を印刷設定情報データベース113から取得する。印刷機能設定部112は、取得した印刷機能情報に基づいて機能一覧を表示し、ユーザに印刷設定の選択を行わせる。
また、印刷機能設定部112は、印刷設定プリセット保存データベース114にプリセット情報が存在する場合、そのプリセット名を表示する。さらに、印刷機能設定部112は、印刷設定をプリセット情報として保存する場合、印刷設定プリセット保存データベース114に印刷設定をプリセット情報として保存する。
【0017】
印刷機能保持部としての印刷設定情報データベース113は、印刷機能情報を保存するデータベースである。この印刷機能情報は、印刷装置120が有する印刷機能に関する設定情報であり、設定項目名、設定値、デフォルト設定値、設定優先度(オーダー)、設定コマンドが含まれている。
印刷設定プリセット保存データベース114は、プリセット情報をユーザ毎に保持するデータベースである。プリセット情報とは、印刷機能情報作成部115等により予め設定された設定情報の組み合わせであり、例えば文書を印刷する場合の設定情報の組み合わせ、写真を印刷する場合の設定情報の組み合わせ等である。
【0018】
詳細印刷設定情報作成部(第2印刷設定情報作成部)としての印刷機能情報作成部115は、印刷装置120から受信した要求に基づいて印刷機能設定部112で設定された機能に該当する印刷設定コマンド情報を印刷設定コマンド情報データベース116から取得して編集し、作成した詳細印刷設定情報を印刷設定情報として印刷装置120へ通信制御部117を介して送信するものである。
印刷設定コマンド情報データベース116は、機能毎に印刷設定コマンド情報を保存するデータベースである。
【0019】
印刷装置120は、例えばプリンタであり、データ受信部121と、詳細印刷設定付加判定部122と、印刷部123と、詳細印刷設定情報取得部124と、詳細印刷設定付加処理実施判定データベース125とを有している。また、印刷装置120は、ユーザの操作を受付ける操作部と操作画面を表示する表示部を備えたオペレーションパネルを有している。さらに、印刷装置120は、CPU等の制御部およびメモリ等の記憶部を備え、記憶部に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御部により全体の動作が制御される。さらに、印刷装置120は、ホストPC100との間で情報の送信および受信を行う送信部および受信部を備えた通信制御部126を有している。
【0020】
データ受信部121は、ホストPC100から送信された印刷データを、通信制御部126を介して受信し、保持するものである。
判定部としての詳細印刷設定付加判定部122は、詳細印刷設定付加処理実施判定データベース125の印刷設定付加要否情報(詳細印刷設定情報付加要否情報)に基づいて詳細設定情報の要否を判定し、またデータ受信部121に保持された印刷データを保留するものである。
【0021】
詳細印刷設定情報取得部124は、詳細印刷設定付加判定部122の判定結果に基づいてホストPC100の独自機能設定ツール110に詳細印刷設定情報を要求するリクエストを、通信制御部126を介して送信するものである。また、ホストPC100の独自機能設定ツール110から詳細印刷設定情報を、通信制御部126を介して受信する。
詳細印刷設定付加判定部122は、データ受信部121に印刷データを保留し、詳細印刷設定情報取得部124から詳細印刷設定情報が送られてくると、その詳細印刷設定情報を受け取り、印刷データに付加する。詳細印刷設定付加判定部122は、詳細印刷設定情報を付加した印刷データを印刷部123に送る。
【0022】
印刷部123は、詳細印刷設定付加判定部122から送られた印刷データに基づいて印刷を行い、印刷結果130を出力するものである。印刷部123は、印刷データに付加された標準印刷設定情報および詳細印刷設定情報に基づいて印刷設定を行い、その印刷設定に基づいて印刷データを印刷する。
詳細印刷設定付加処理実施判定データベース125は、詳細印刷設定情報をホストPC100に要求するか否かの情報である印刷設定付加要否情報(詳細印刷設定情報付加要否情報)を保存するデータベースである。
【0023】
上述した構成の作用について説明する。
まず、ホストPCが行う印刷データ生成処理を
図2の実施例における印刷データ生成処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1を参照しながら説明する。この印刷データ生成処理は、ホストPC100のOSが準備している標準的な印刷装置の機能の設定を行い、印刷データを生成する処理である。なお、OSに付随したホストPC100のプリンタドライバ102では、印刷装置120が独自に有している多彩な印刷機能を選択または設定することができない。
【0024】
S101:ホストPC100のプリンタドライバ102は、データ受信部103でアプリケーション101から印刷データを受信する。データ受信部103は、受信した印刷データを保持する。
S102:プリンタドライバ102の標準印刷機能設定部104は、標準的な印刷機能を設定する操作を標準印刷設定画面で受付ける。
【0025】
標準印刷機能設定部104は、OSに付随した標準的な印刷装置120の機能をサポートしたプリンタドライバの機能であり、OSの仕様で定められた一般的な印刷機能のみの設定を受付ける。標準印刷設定画面は、例えば
図6に示す標準印刷設定画面60であり、用紙サイズ(Paper Size)、給紙トレイ指定(Feed from)、部数指定(Copies)、両面印刷指定(Two−Sided)等の一般的な印刷機能の設定が可能になっている。
標準印刷機能設定部104は、部数指定が設定されると処理をS103へ移行し、両面印刷指定が設定されると処理をS104へ移行し、印刷(
図6に示す標準印刷設定画面60の「Print」61)が指定されると処理をS105へ移行する。
【0026】
S103:標準印刷機能情報付加部105は、設定された部数指定を表す部数指定コマンドを印刷設定情報に付加し、処理をS102へ移行する。
S104:標準印刷機能情報付加部105は、設定された両面印刷指定を表す両面印刷コマンドを印刷設定情報に付加し、処理をS102へ移行する。
S105:プリンタドライバ102は、データ受信部103で保持されている印刷データに設定された印刷設定情報を付加し、印刷設定情報を付加した印刷データを印刷装置120に送信し、本処理を終了する。
【0027】
次に、印刷装置が行う印刷処理を
図3の実施例における印刷処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1を参照しながら説明する。
S201:印刷装置120のデータ受信部121は、ホストPC100から送信された印刷データを受信し、一旦、保留する。
S202:詳細印刷設定付加判定部122は、詳細印刷設定付加処理実施判定データベース125に保存されている印刷設定付加要否情報、すなわち詳細な印刷設定情報をホストPC100に要求するか否かの情報を取得する。
【0028】
S203:詳細印刷設定付加判定部122は、取得した印刷設定付加要否情報に基づいて印刷設定情報付加判定を行い、詳細な印刷設定を付加しない設定の場合、処理をS208へ移行し、詳細な印刷設定を付加する設定の場合、処理をS204へ移行する。
S204:取得した印刷設定付加要否情報が詳細な印刷設定を付加する設定の場合、詳細印刷設定情報取得部124は、ホストPC100に対して詳細な印刷設定情報を送信するように印刷設定リクエストコマンドを送信する。
【0029】
なお、詳細印刷設定付加処理実施判定データベース125に保存されている印刷設定付加要否情報は、印刷装置120に搭載されているコントロールパネル(オペレーションパネル)のメニュー機能で詳細な印刷設定を「付加する」または「付加しない」の設定ができるようになっている。また、この設定は、独自機能設定ツール110からも設定できるようになっている。
ここで、印刷設定リクエストコマンドを受信したホストPC100が行う印刷設定付加判定処理を
図4の実施例における印刷設定付加判定処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1を参照しながら説明する。
【0030】
S301:ホストPC100の独自機能設定ツール110は、印刷設定リクエストコマンドを受け、詳細印刷設定付加判定部111が詳細な印刷設定を行うか否かをホストPC100上で選択できる設定実行選択画面としての選択ダイアログを表示部に表示させる。この設定実行選択画面は、例えば
図11に示す選択ダイアログ50であり、「詳細設定を行う」51、「詳細設定を行わずに印刷する」52、「印刷をキャンセルする」53の選択肢を有している。
【0031】
S302:詳細印刷設定付加判定部111は、設定付加判定を行い、選択ダイアログで「詳細設定を行う」(付加する)が選択されると詳細設定を付加するため処理をS303へ移行し、「印刷をキャンセルする」(印刷キャンセル)が選択されると印刷を取り消すため処理をS304へ移行し、「詳細設定を行わず印刷する」(付加しない)が選択されると詳細設定を付加せず印刷を行うため処理をS305へ移行する。
詳細印刷設定付加判定部111は、上記の選択肢の選択操作を受付けるが、選択ダイアログを表示してから所定の時間が経過しても選択されなかった場合(選択なし)はタイムアウト処理を行うため処理をS306へ移行する。
【0032】
S303:「詳細設定を行う」(付加する)が選択された場合、詳細印刷設定付加判定部111は、選択ダイアログを閉じ、印刷機能設定部112が独自機能設定ダイアログ(例えば、
図7に示す独自機能設定ダイアログ70)を表示部に表示させて印刷設定選択処理を行い、本処理を終了する。なお、印刷設定選択処理の詳細は後述する。
【0033】
本実施例では、設定実行選択画面で「詳細設定を行う」(付加する)が選択された場合、印刷設定選択処理を行うようにしたが、設定実行選択画面を表示することなく、印刷設定リクエストコマンドを受けた独自機能設定ツール110は、直接、独自機能設定ダイアログ(例えば、
図7に示す独自機能設定ダイアログ70)を表示部に表示させて印刷設定選択処理を行うようにしても良い。
【0034】
S304:「印刷をキャンセルする」(印刷キャンセル)が選択された場合、詳細印刷設定付加判定部111は、選択ダイアログを閉じ、印刷装置120の詳細印刷設定情報取得部124に印刷を行わないメッセージを通知し、本処理を終了する。なお、印刷を行わない通知を受けた印刷装置120の処理は後述する。
S305:「詳細設定を行わず印刷する」(付加しない)が選択された場合、詳細印刷設定付加判定部111は、選択ダイアログを閉じ、印刷装置120の詳細印刷設定情報取得部124に印刷設定を付加しないメッセージを通知し、本処理を終了する。なお、印刷設定を付加しない通知を受けた印刷装置120の処理は後述する。
【0035】
S306:詳細印刷設定付加判定部111は、選択ダイアログを表示してからの経過時間がタイムアウト時間(例えば、30秒)を経過したか否かを判定し、経過していないと判定すると処理をS302へ移行し、経過したと判定するとタイムアウト処理を起動する。このタイムアウト処理では、処理をS305へ移行して「詳細設定を行わず印刷する」(付加しない)が選択された場合と同様の処理を行う。
詳細印刷設定付加判定部111は、タイムアウト処理を終了すると本処理を終了する。
【0036】
次に、ホストPC100の独自機能設定ツール110が行う印刷設定選択処理を
図5の実施例における印刷設定選択処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1を参照しながら説明する。なお、この印刷設定選択処理は上述したS303において行われる処理である。
独自機能設定ツール110では、OSに付随した標準的な機能をサポートしたプリンタドライバ102において選択・設定ができない印刷装置120独自の機能の選択・設定ができるようになっている。印刷装置120独自の機能の例として、例えば「特色カラー指定機能」、「自動トレイ切替機能」、「極細線補正機能」等が挙げられる。
【0037】
S401:独自機能設定ツール110の印刷機能設定部112は、印刷設定情報データベース113から設定可能な印刷機能情報を取得する。
印刷機能情報には、設定項目名、設定値、デフォルト設定値、設定優先度(オーダー)、設定コマンドが含まれている。印刷機能情報は、例えば
図8に示すように、PostScript(登録商標)言語で記載され、901は設定項目名、902は設定優先度(オーダー)、903はデフォルト設定値、904は設定コマンドA、904は設定コマンドBを表している。なお、これらの情報は、使用する環境や言語に合わせてXML言語等で記載することもできる。
【0038】
次に、印刷機能設定部112は、設定可能な機能について記憶部の設定値保存エリアに初期値を記憶させる。
ここで、初期値とは、印刷機能情報のデフォルト設定値(
図8に示す903)の情報を集めたものである。具体的には、設定項目名と設定値(デフォルト設定値)を記憶する。
【0039】
S402:印刷機能設定部112は、印刷設定プリセット保存データベース114にプリセット情報が登録されている場合、そのプリセット情報を取得する。印刷機能設定部112は、取得したプリセット情報を独自機能設定ダイアログにプリセット名(
図7に示す「Presets」71に表示されるプリセット名)として登録する。
【0040】
S403:印刷機能設定部112は、印刷設定情報データベース113から取得した印刷機能情報および取得したプリセット情報に基づいて印刷設定ダイアログを表示部に表示する。この印刷設定ダイアログは、例えば
図7に示す印刷設定ダイアログ70であり、ユーザがプリセット名「abc」を指定した状態を示している。
S404〜S406:ユーザは所望の印刷結果となるように印刷設定ダイアログで印刷機能設定を変更するものとする。印刷機能設定部112は、印刷設定ダイアログでユーザによる印刷機能設定を変更する操作を受付ける。
【0041】
印刷機能設定部112は、印刷機能設定(独自機能A(例えば、
図7に示す独自機能72)または独自機能B(例えば、
図7に示す独自機能73))を変更する操作を受付けると、変更された設定情報を元に記憶部の設定値保存エリアを変更する。(S405、S406)
また、印刷機能設定部112は、印刷を指示する操作(
図7に示す「Print」74の押下)を受付けると処理をS407へ移行する。
【0042】
S407:印刷機能設定部112は、変更された設定情報をプリセット情報として保存する操作を受付けたか否かを判定し、受付けたと判定すると処理をS408へ移行し、受付けていないと判定すると処理をS409へ移行する。なお、変更された設定情報をプリセット情報として保存することを指示する操作は、
図7に示す「Presets」71で指示することができるようになっている。
S408:印刷機能設定部112は、変更された設定情報をプリセット情報として保存する操作を受付けるとその設定情報に名前を付けて印刷設定プリセット保存データベース114にプリセット情報として保存する。
【0043】
S409:印刷機能情報作成部115は、記憶部の設定値保存エリアに保存されている設定情報に基づいて印刷装置120に送信する設定コマンド情報を作成する。
そのため、印刷機能情報作成部115は、まず、記憶部の設定値保存エリアに保存されている設定情報を抽出する。この設定情報には、設定項目名と設定値が含まれている。
次に、印刷機能情報作成部115は、印刷設定コマンド情報データベース116から設定情報に含まれている設定項目名と設定値を元に印刷設定コマンドを取得し、記憶部の出力コマンド保存エリアに保存する。このとき、
図9に示すように、設定優先度(オーダー)情報91も取得し、記憶部の出力コマンド保存エリアに保存する。
【0044】
S410:印刷機能情報作成部115は、設定情報に対応するすべての印刷設定コマンドを記憶部の出力コマンド保存エリアに保存すると、保存されている設定優先度(オーダー)情報に基づいて印刷設定コマンドを出力順にソートする。
印刷設定コマンドを出力順にソートする理由は、印刷データによる印刷は設定された印刷設定コマンドの順序によって印刷結果が変わることがあるためである。例えば、PostScriptの記載方法であれば、設定優先度(オーダー)情報が小さい(優先度が高い)順に印刷設定コマンドを出力するように設定する。
【0045】
印刷機能情報作成部115は、印刷設定コマンドを出力順にソートすると、
図10に示すように、出力コマンド保存エリアに保存されている設定優先度(オーダー)情報を削除する。
S411:印刷機能情報作成部115は、作成した印刷設定コマンドを印刷設定情報として印刷装置120に送信し、本処理を終了する。
【0046】
図3の印刷装置120が行う処理の説明に戻る。
S205:印刷装置120の詳細印刷設定情報取得部124は、ホストPC100からの通知を判定する。詳細印刷設定情報取得部124は、印刷設定を付加しない旨の通知を受けたと判定すると処理をS208へ処理を移行し、印刷設定を付加する旨の通知を受けたと判定すると処理をS206へ処理を移行し、印刷を行わない旨の通知を受けたと判定すると処理をS209へ処理を移行する。
【0047】
詳細印刷設定情報取得部124が印刷設定を付加しない旨の通知を受けると、詳細印刷設定付加判定部122は、詳細な印刷設定の付加を行うことなく、印刷データの保留を解除し、印刷データを印刷部123へ送信する。
S206:詳細印刷設定情報取得部124は、印刷設定を付加する旨の通知を受けると、ホストPC100から印刷設定情報を受信する。
S207:詳細印刷設定付加判定部122は、詳細印刷設定情報取得部124が受信した印刷設定情報に基づいてデータ受信部121で保持されている印刷データに印刷設定コマンドを所定の位置に挿入し、マージする。詳細印刷設定付加判定部122は、印刷データの保留を解除し、印刷データを印刷部123へ送信する。
【0048】
S208:印刷部123は、印刷装置120の印刷設定と送信された印刷データの設定に従い、印刷処理を行い、本処理を終了する。
S209:詳細印刷設定情報取得部124が印刷を行わない旨の通知を受けると、詳細印刷設定付加判定部122は、データ受信部121に保留している印刷データを破棄し、印刷を行うことなく本処理を終了する。
【0049】
本実施例では、ホストPC100の標準印刷機能情報付加部105が標準印刷設定情報を印刷データに付加して印刷装置120へ送信し、印刷装置120から印刷設定リクエストを受信すると、印刷機能情報作成部115が印刷機能データベース113の保持された印刷機能の詳細印刷設定情報を作成して印刷装置120へ送信する。既に印刷データを受信している印刷装置120は、詳細印刷設定情報を受信すると、印刷部123が印刷データに付加された標準印刷設定情報および詳細印刷設定情報に基づいて印刷設定を行い、その印刷設定に基づいて印刷データを印刷する。
【0050】
このようにしたことにより、プリンタドライバ102がOSに付随された標準的なプリンタドライバであっても、ホストPC100から印刷する印刷データのみに有効となる印刷装置120特有の印刷機能の印刷設定を容易に行うことができるようになる。
なお、本実施例では、詳細な印刷設定情報をホストPC100に要求するか否かの情報である印刷設定付加要否情報を詳細印刷設定付加処理実施判定データベース125に保存するようにしたが、ホストPC100のプリンタドライバ102が生成する印刷データに印刷設定付加要否情報を独自機能設定ツール110等により含めるようにしても良い。この場合、印刷装置120の詳細印刷設定付加判定部122は、印刷データに含まれた印刷設定付加要否情報に基づいて
図3のS203における印刷設定情報付加判定を行うものとする。
【0051】
また、印刷装置120のデータ受信部121に複数の印刷データが蓄積されると、印刷設定リクエストコマンドのホストPC100への送信が遅れてしまうことがある。印刷設定リクエストコマンドの送信が遅れると、ホストPC100に表示される独自機能設定ダイアログと印刷データとの対応が分からなくなってしまうことがある。
そのため、印刷設定リクエストコマンドに印刷データが印刷するファイル名や印刷データのサムネイル画像を含ませ、ホストPC100の独自機能設定ツール110によりファイル名やサムネイル画像を表示させるようにしても良い。
【0052】
または、ホストPC100の独自機能設定ツール110がプリンタドライバ102から生成、出力される印刷データを監視し、プリンタドライバ102から印刷データが出力されると、設定実行選択画面としての選択ダイアログを表示部に表示させ、ユーザの選択入力を保持する。その後、印刷装置120から印刷設定リクエストコマンドを受信すると、その印刷設定リクエストコマンドに応じて保持したユーザの選択入力に従って処理を行うようにしても良い。このとき、印刷設定リクエストコマンドには、プリンタドライバ102から出力された印刷データを識別するための識別情報が含まれ、また保持したユーザの選択入力の情報にも当該識別情報を含むようにしてユーザの選択入力と印刷設定リクエストコマンドとを対応付けるものとする。
【0053】
以上説明したように、本実施例では、ホストPCが標準印刷設定情報を印刷データに付加して印刷装置へ送信し、印刷装置から印刷設定リクエストを受信すると、ホストPCが印刷機能の詳細印刷設定情報を作成して印刷装置へ送信し、印刷装置が印刷データに付加された標準印刷設定情報および詳細印刷設定情報に基づいて印刷設定を行うようにしたことにより、印刷装置特有の印刷機能設定を容易に行うことができるという効果が得られる。
なお、本実施例では、印刷装置をプリンタとして説明したが、それに限られることなく、印刷機能を備えたものであれば、複合機(MFP)等としても良い。
【0054】
また、本実施例では、OSを搭載した装置をホストPCとして説明したが、それに限られるものでなく、OSを搭載したスマートフォンや携帯電話等の携帯情報端末としても良い。今後、リリースされる各種OSにおいて、印刷時に使用可能なプリンタドライバがOSに搭載されている標準的な機能設定のみを有する場合であっても印刷装置が独自に有する多彩な機能設定を反映させた印刷設定が可能になる。