特許第6403805号(P6403805)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6403805ページングメッセージカバレージエンハンスメントのための制御チャンネル送信
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6403805
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】ページングメッセージカバレージエンハンスメントのための制御チャンネル送信
(51)【国際特許分類】
   H04W 68/02 20090101AFI20181001BHJP
【FI】
   H04W68/02
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-571252(P2016-571252)
(86)(22)【出願日】2014年6月6日
(65)【公表番号】特表2017-523652(P2017-523652A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】CN2014079371
(87)【国際公開番号】WO2015184642
(87)【国際公開日】20151210
【審査請求日】2016年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ レイ
(72)【発明者】
【氏名】ラタスク ラピーパット
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヤンジ
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/055878(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/043524(WO,A1)
【文献】 特開2013−031199(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0244907(US,A1)
【文献】 特表2015−537422(JP,A)
【文献】 Alcatel-Lucent Shanghai Bell, Alcatel-Lucent, Ericsson, ST-Ericsson,Procedure for Extended Long DRX Determining[online],3GPP TSG-SA WG2#98 S2-132832,2013年 7月19日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_98_Valencia/Docs/S2-132832.zip
【文献】 Huawei, HiSilicon,Paging in Enhanced Coverage Mode[online],3GPP TSG-RAN WG2♯85 R2-140282,2014年 2月14日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_85/Docs/R2-140282.zip
【文献】 LG Electronics,(E)PDCCH transmission for MTC coverage enhancement[online],3GPP TSG-RAN WG1♯76 R1-140306,2014年 2月14日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_76/Docs/R1-140306.zip
【文献】 MediaTek Inc.,On the need of PDCCH for SIB, RAR and Paging[online],3GPP TSG-RAN WG1♯76 R1-140239,2014年 2月14日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_76/Docs/R1-140239.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースステーション又はユーザ装置により、ユーザ装置に対する繰り返しレベルを移動管理エンティティに指示する;
ユーザ装置において又はユーザ装置に対してカバレージエンハンスメントページングパラメータを前記移動管理エンティティから、ここで、前記得られたページングパラメータは、前記繰り返しレベルに基づく;及び
前記ページングパラメータに基づいてページングフレーム又はページング機会をベースステーション又はユーザ装置により計算する;
ことを含む方法。
【請求項2】
前記ユーザ装置の繰り返しレベルは、ユーザ装置がアイドルモードへ移行するときに前記移動管理エンティティへ搬送される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記ページングパラメータは、そのページングパラメータが、(T*10/N)より小さなnBの入手可能な値にセットされるように導出される、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記ページングパラメータは、CE−nBを含む、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのプロセッサ;及び
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリ;
を備えた装置において、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、
ベースステーション又はユーザ装置により、ユーザ装置に対する繰り返しレベルを移動管理エンティティに指示する;
ユーザ装置において又はユーザ装置に対してカバレージエンハンスメントページングパラメータを前記移動管理エンティティから、ここで、前記得られたページングパラメータは、前記繰り返しレベルに基づく;及び
前記ページングパラメータに基づいてページングフレーム又はページング機会をベースステーション又はユーザ装置により計算する;
ように構成された装置。
【請求項6】
前記ユーザ装置の繰り返しレベルは、ユーザ装置がアイドルモードへ移行するときに前記移動管理エンティティへ搬送される、請求項に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、ページングパラメータが、(T*10/N)より小さなnBの入手可能な値にセットされるようにページングパラメータを導出するように構成される、請求項からのいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記ページングパラメータは、CE−nBを含む、請求項からのいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の通信システムは、制御チャンネルリソースを適切に使用することから利益が得られる。例えば、第3世代パートナーシッププロジェクトの長期進化に関連したある通信システムは、ページングメッセージカバレージエンハンスメントのための物理的ダウンリンク制御チャンネル送信の改善から利益が得られる。
【背景技術】
【0002】
参考としてここにそのまま援用する第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)RP−130848は、長期進化(LTE)に新規のマシン形式通信(MTC)動作を許して、既存のLTEネットワークに比してエンハンス型のカバレージも許すことを述べている。そのような新規のMTC動作は、複雑さの低いユーザ装置(UE)、及び各公称カバレージに関して遅延許容MTCアプリケーションを動作する他のUEのための周波数分割デュープレックス(FDD)に対し15dBに対応する相対的LTEカバレージ改善を与えることを目的としている。その繰り返しが、カバレージを改善する方法として指定される。
【0003】
既存のページング手順では、進化型ノードB(eNB)は、ページングメッセージ送信を適当な送信時間間隔(TTI)でスケジュールし、そしてそのスケジュールされた物理的ダウンリンク共有チャンネル(PDSCH)リソースを物理的ダウンリンク制御チャンネル(PDCCH)においてページング無線ネットワーク一時的指示子(P−RNTI)で指示することができねばならない。15dBカバレージ改善を得るために、PDCCHは、多数の繰り返しを必要とする。その結果、同じサブフレーム内の異なるUEに対してPDCCH衝突が生じ得る。
【0004】
図1は、カバレージエンハンス型ユーザ装置に到達するためのPDCCH繰り返しを示す。図1に示すように、PDCCHは、カバレージエンハンス型UE(CE−UE)に到達するために20回再送信される必要がある。この例には、3つのUEが示されており、即ちカバレージエンハンスメントを必要としそしてP−RNTIを伴うPDCCHに対してサブフレーム#4を監視するUE#1;カバレージエンハンスメントもPDCCH繰り返しも必要とせずそしてP−RNTIを伴うPDCCHに対してサブフレーム#5を監視するUE#2;及びカバレージエンハンスメントを必要としそしてP−RNTIを伴うPDCCHに対してサブフレーム#9を監視するUE#3である。
【0005】
UE#1のためのP−RNTIを伴う第1のPDCCHは、フレーム#1においてサブフレーム#4で送信され、そしてグレイで示す後続サブフレームにおいて20回繰り返される。UE#2のためのPDCCHは、フレーム#1のサブフレーム#5で送信される。UE#3のためのP−RNTIを伴う第1のPDCCHは、フレーム#1においてサブフレーム#9で送信され、そしてグレイで示す後続サブフレームにおいて20回繰り返される。
【0006】
この場合、フレーム#1のサブフレーム#5、及びスラッシュ線で埋められた全てのサブフレーム、例えば、UE#1のPDCCH繰り返しとUE#2の元のPDCCH送信との間に衝突が起きるフレーム#1のサブフレーム#5、UE#1のPDCCH繰り返しとUE#3の元のPDCCH送信との間に衝突が起きるフレーム#1のサブフレーム#9、及びUE#1とUE#3との間にPDCCH繰り返しが起きるフレーム#2のサブフレーム#0には、2つのPDCCH指示が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらのサブフレームでは、UEが2つ以上のPDCCHを検出し、そして各PDCCHが首尾良くデコードされた場合には、UEは、PDSCHがそのUEを行先としなくても、各PDSCHを更に受信しなければならない。これは、UEに混乱を生じさせ、UEの能力及び処理努力に費用がかかることになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施形態による方法は、ユーザ装置においてカバレージエンハンスメントページングパラメータを得ることを含む。又、この方法は、そのページングパラメータに基づいてページングフレーム又はページング機会(paging occasion)をユーザ装置により計算することも含む。
【0009】
ある実施形態による方法は、カバレージエンハンスメントモードで使用するためにカバレージエンハンスメントページング無線ネットワーク一時的識別子をユーザ装置において受信することを含む。又、この方法は、カバレージエンハンスメントページング無線ネットワーク一時的識別子に基づいて物理的ダウンリンク制御チャンネルをデコードすることも含む。
【0010】
ある実施形態における方法は、ページングがカバレージエンハンスメントモードにおいてユーザ装置に対するものであるかどうか決定することを含む。又、この方法は、その決定に基づきページングがカバレージエンハンスメントモードにおいてユーザ装置に対するものであることをページングメッセージで指示することを含む。
【0011】
ある実施形態による装置は、少なくとも1つのプロセッサ;及びコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリ;を備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、ユーザ装置においてカバレージエンハンスメントページングパラメータを得るように構成される。又、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、そのページングパラメータに基づいてページングフレーム又はページング機会をユーザ装置により計算するように構成される。
【0012】
ある実施形態における装置は、少なくとも1つのプロセッサ;及びコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリ;を備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、カバレージエンハンスメントモードで使用するためにカバレージエンハンスメントページング無線ネットワーク一時的識別子をユーザ装置において受信するように構成される。又、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、カバレージエンハンスメントページング無線ネットワーク一時的識別子に基づいて物理的ダウンリンク制御チャンネルをデコードするように構成される。
【0013】
ある実施形態における装置は、少なくとも1つのプロセッサ;及びコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリ;を備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、ページングがカバレージエンハンスメントモードにおいてユーザ装置に対するものであるかどうか決定するように構成される。又、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、その決定に基づきページングがカバレージエンハンスメントモードにおいてユーザ装置に対するものであることをページングメッセージで指示するように構成される。
【0014】
ある実施形態によれば、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体は、ハードウェアで実行されたときにプロセスを遂行するインストラクションでエンコードされる。このプロセスは、ユーザ装置においてカバレージエンハンスメントページングパラメータを得ることを含む。又、このプロセスは、そのページングパラメータに基づいてページングフレーム又はページング機会をユーザ装置により計算することを含む。
【0015】
ある実施形態において、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体は、ハードウェアで実行されたときにプロセスを遂行するインストラクションでエンコードされる。このプロセスは、ページングがカバレージエンハンスメントモードにおいてユーザ装置に対するものであるかどうか決定することを含む。又、このプロセスは、その決定に基づきページングがカバレージエンハンスメントモードにおいてユーザ装置に対するものであることをページングメッセージで指示することを含む。
【0016】
ある実施形態によるコンピュータプログラム製品は、プロセスを遂行するためのインストラクションをエンコードする。このプロセスは、ユーザ装置においてカバレージエンハンスメントページングパラメータを得ることを含む。又、このプロセスは、そのページングパラメータに基づいてページングフレーム又はページング機会をユーザ装置により計算することを含む。
【0017】
ある実施形態におけるコンピュータプログラム製品は、プロセスを遂行するためのインストラクションをエンコードする。このプロセスは、ページングがカバレージエンハンスメントモードにおいてユーザ装置に対するものであるかどうか決定することを含む。又、このプロセスは、その決定に基づきページングがカバレージエンハンスメントモードにおいてユーザ装置に対するものであることをページングメッセージで指示することを含む。
【0018】
本発明を適切に理解するために、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】カバレージエンハンス型ユーザ装置に到達するためのPDCCHの繰り返しを示す。
図2】3GPP TS 36.331に基づくPCCH−Configを示す。
図3】ある実施形態によるPDCCH送信の手順を示す。
図4】ある実施形態による1つのセルにおける複数繰り返しレベルの可能性を示す。
図5】ある実施形態による方法を示す。
図6】ある実施形態によるシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
マシンタイプ通信(MTC)の場合、UEのためのエンハンス型カバレージモードは、15から20dBの改善を与えることが計画される。この15から20dBの改善を達成するために、PDCCHにおいてスケジュールされたリソースの多数の繰り返しが遂行され、衝突を招くことがある。ある実施形態では、カバレージエンハンスメントモードにあるUEに対して個別のカバレージエンハンスメントnBが定義され、ここからUEがそれらのページング機会を計算できるようにするメカニズムが提供される。又、ある実施形態では、エンハンス型カバレージモードUEに対するPDCCHをアドレスするために個別のカバレージエンハンスメントP−RNTIも提供される。カバレージエンハンスメントモードにないUEとのPDCCHオーバーラップの場合には、カバレージエンハンスメントモードnBは、PDCCHに衝突が生じないように、例えば、低密度のページング機会を保持するのに使用される。
【0021】
ある実施形態では、カバレージエンハンスメントモードにあるUEに対して個別のCE−nBが定義され、これは、要求された繰り返し数に基づいて決定することができる。更に、ある実施形態では、カバレージエンハンス型UEは、現在仕様に広告されているnBではなく、CE−nBに基づいて、UEのページングフレーム/ページング機会を計算することができる。ある実施形態によれば、MMEは、ページングがCEモードにあるUEに対するものであるかどうかをページングメッセージにおいてeNBに指示することができる。
【0022】
もし入手できれば、UEに対する繰り返しレベルも指示される。この情報は、例えば、固定のUEに対して入手されてもよい。UEの繰り返しレベルは、UEがアイドルモードに移行するときにMMEへ搬送される。ページングメッセージにおけるページングレコードは、同じ繰り返しレベルでCEモードにおいてUEをアドレスする。
【0023】
ある実施形態では、カバレージエンハンスメントモードにあるUEに対して個別のカバレージエンハンスメントページング無線ネットワーク一時的識別子(CE−P−RNTI)が定義される。例えば、各UEの繰り返しレベルをMMEが知っている場合には、繰り返しレベルごとに複数のCE−P−RNTIを定義することができる。
【0024】
eNBは、PDCCHを送信するためにページングメッセージにおける繰り返しレベルに基づいてCE−P−RNTIを動的に導出することができる。UEは、UEの繰り返しレベルに対応するCE−P−RNTIによりPDCCHをデコードすることができる。
【0025】
カバレージエンハンスメントモードにあるUEに対して望ましいページング機会(PO)/ページングフレーム(PF)計算を適用することができる。現在nBとのPDCCH重畳がある場合には、CE−UEに対して個別のカバレージエンハンス型nB(CE−nB)を適用して、カバレージエンハンスメントモードにあるUEに対して低密度のPOを保持し、それにより、例えば、単一サブフレーム内にPDCCH(再)送信の衝突がないように確保することができる。CE−nBの値は、例えば、PDCCHの繰り返し数、例えば、PDCCHを何回送信すべきか、に基づいて決定することができる。例えば、要求された繰り返し数をNとし、ページングサイクルをTとすれば、CE−nBは、図2に示すように、3GPP 36.331で定義されたPCCH−Configに基づき、nB>(T*10/N)の場合に、(T*10/N)より小さい入手可能な値の1つにセットすることができる。
【0026】
例えば、PDCCHの繰り返し数が120である場合には、UEに対するCE−nBをoneSixteenthT又はoneThirtySecondTにセットすることができ、一方、通常のUEの場合には、PO導出に使用されるnBを不変に維持することができる。ある実施形態では、CE−nB<T*10/Nを満足する最も近い値を選択することができる。
【0027】
加えて、CE−nBに基づく次の式:Ns=max(1、CE−nB/T)から、カバレージエンハンスメントにおけるUEに対してNsパラメータを更新することができる。
【0028】
従って、カバレージエンハンスメントモードにあるUEに対してNsの値は常に1である。というのは、PDCCH送信の要求される繰り返し数が10より大きいからである。従って、ページングフレームにおいてページングに利用できるサブフレームは1つだけである。サブフレームは、参考としてここにそのまま援用される3GPP技術仕様書(TS)36.204v12.0.0“User Equipment(UE) procedures in idle mode”に定義されたサブフレームパターンに基づき、FDDの場合はサブフレーム#9であり、そしてTDDの場合はサブフレーム#0である。
【0029】
カバレージエンハンスメントモードにあるUEは、例えば、3GPP TS 36.304の式から導出される元のPOにおける不連続受信(DRX)サイクルごとに依然ウェイクアップして、CE−P−RNTIを伴うPDCCHチャンネルを監視すると共に、CE−P−RNTIで示されたPDCCH繰り返しを、連続サブフレームから、要求された全ての数のPDCCHを受信するか又はPDCCHを首尾良くデコードできるまで、受信し続けることができる。CE−P−RNTIは、PDCCH送信を通常のUEとCEモードのUEとの間で区別するための新たな形式のRNTIである。
【0030】
図3は、ある実施形態によるPDCCH送信の手順を示す。この特定例では、要求される繰り返し数は、CE−nB計算式:CE−nB=T/2に基づき、20となる。この例では、3つのUEがあり、即ちカバレージエンハンスメントを必要とし且つCE−nBを使用してCE−P−RNTIを伴うPDCCHに対してサブフレーム#9を監視するUE#1;カバレージエンハンスメントを必要とせず、PDCCH繰り返しをもたず且つ通常nBを使用してP−RNTIを伴うPDCCHに対してサブフレーム#4を監視するUE#2;及びカバレージエンハンスメントを必要とし且つ(CE−nBを使用して)CE−P−RNTIを伴うPDCCHに対してサブフレーム#9を監視するUE#3である。
【0031】
UE#1に対するCE−P−RNTIを伴う第1のPDCCHは、この例では、フレーム#1のサブフレーム#9において送信され、そしてグレイで示された後続サブフレームにおいてCE−P−RNTIで示されて19回繰り返される。UE#2に対するPDCCHは、この例では、フレーム#2のサブフレーム#4において送信される。UE#3に対するCE−P−RNTIを伴う第1のPDCCHは、この例では、フレーム#3のサブフレーム#9において送信され、そしてPDCCHは、グレイで示された後続サブフレームにおいてCE−P−RNTIで示されて19回繰り返される。
【0032】
この例では、1つのサブフレームに、P−RNTI又はCE−P−RNTIのいずれかで示された単一のPDCCHがあるだけである。例えば、フレーム#2のサブフレーム#4には、UE#1に対するCE−P−RNTIで示されたPDCCH繰り返しと、UE#2に対するP−RNTIを伴うPDCCHがある。この例では、任意のサブフレームにおいてCE−P−RNTIで示されたPDCCH繰り返しに対し繰り返し衝突は生じない。
【0033】
図4は、ある実施形態による1つのセルにおける複数の繰り返しレベルの可能性を示す。図4に示すように、1つのセルに複数の繰り返しレベルがあり、そしてこの場合には、PDCCHの重畳が生じ得る。例えば、UE#1の場合、繰り返し数は20であり、CE−nB=1/2 Tであり、そしてこの例では、UE#2の場合、繰り返し数は10であり、CE−nB=Tである。従って、この例では、フレーム#3におけるPDCCH繰り返しに対して依然重畳がある。
【0034】
そのような結果を回避する1つの解決策は、UEの繰り返しレベルに基づき、CE−P−RNTIに対して異なる値を指定することである。繰り返しレベルは、UEが接続モードからアイドルモードへ移行するときに、UEにより、例えば、MMEへ移行され、次いで、ページングメッセージにおいてMMEからeNBへ指示される。或いは又、繰り返しレベルは、UEが接続モードからアイドルモードへ移行するときに、eNBからMMEへ移行され、次いで、ページングメッセージにおいてMMEからeNBへ指示される。eNBは、ページングのためのPDCCHを送信するためにUEのCE−P−RNTIを導出することができる。
【0035】
図4に示すものと同じ例では、フレーム#3でも、2つのPDCCHがあるとき、UEは、その専用のCE−P−RNTIにより正しいPDCCHを見つけることができる。というのは、それらの繰り返しレベルが異なるからである。従って、この解決策は、各UEが単一サブフレーム内で専用PDCCHを得ることを保証することができる。
【0036】
図5は、ある実施形態による方法を示す。この方法は、510において、カバレージエンハンスメントページングパラメータCE−nBをユーザ装置で得ることを含む。CE−nBは、ユーザ装置がカバレージエンハンスメントモードにあるときだけ使用するように構成される。
【0037】
又、この方法は、520において、CE−nBに基づきページングフレーム又はページング機会をユーザ装置により計算することも含む。
【0038】
更に、この方法は、505において、ユーザ装置に対する繰り返しレベルを、後で使用するために移動管理エンティティに指示することを含む。得られたCE−nBは、UEに記憶された繰り返しレベルに基づくものである。ユーザ装置の繰り返しレベルは、ユーザ装置がアイドルモードへ移行するときに移動管理エンティティへ搬送される。
【0039】
ユーザ装置は、カバレージエンハンスメントモードで使用するためにCE−P−RNTIを導出することができる。この方法は、更に、530において、CE−P−RNTIに基づいて物理的ダウンリンク制御チャンネルをデコードすることを含む。CE−P−RNTIは、複数のCE−P−RNTIのうちの1つであり、記憶された繰り返しレベルに基づいて導出することができる。
【0040】
ブロック505、510及び520は、UEに適用できることに関して上述したが、これらのブロックは、eNBの振舞いも指す。例えば、この方法は、505において、eNBからMMEへ繰り返しレベルを指示することを含む。又、この方法は、560において、MMEから繰り返しレベルを含むページングメッセージを受信することも含む。更に、この方法は、510において、繰り返しレベルに基づきCE−nBを得ることも含む。加えて、この方法は、520において、CE−nBに基づきPF/POを計算することも含む。更に、535において、この方法は、各CE−nBに基づき計算されたPF/POにおいてCE−P−RNTIによりアドレスされたページングメッセージを送信することも含む。CE−P−RNTIは、複数のCE−P−RNTIのうちの1つであり、記憶された繰り返しレベルに基づいて導出される。
【0041】
又、この方法は、540において、例えば、MMEにより、ページングがカバレージエンハンスメントモードにおいてユーザ装置に対するものであるかどうか決定することも含む。又、この方法は、550において、その決定に基づきページングがカバレージエンハンスメントモードにおいてユーザ装置に対するものであることをページングメッセージで指示することも含む。
【0042】
更に、この方法は、560において、ユーザ装置に対する繰り返しレベルの指示を受信する(上述したように、MMEにより、又はeNBによりMMEから)ことも含み、ここで、決定及び/又は取得は、繰り返しレベルに基づく。ユーザ装置の繰り返しレベルは、上述したように、ユーザ装置がアイドルモードへ移行するときに、移動管理エンティティに搬送される。従って、この方法は、570において、MMEからeNBへ繰り返しレベルの指示を送信することも含む。
【0043】
図6は、本発明のある実施形態によるシステムを示す。1つの実施形態では、システムは、例えば、少なくとも1つのUE610、少なくとも1つのeNB620又は他のベースステーション又はアクセスポイント、及び少なくとも1つのMME630のような複数の装置を備えている。あるシステムでは、UE610、eNB620、MME630並びに複数の他のユーザ装置及びMMEが存在する。eNBのような複数のベースステーションを伴うものを含めて、他の構成も考えられる。UE610は、セルラー及びD2D通信の両方のために装備される。
【0044】
これら装置の各々は、614、624及び634で各々示された少なくとも1つのプロセッサを備えている。少なくとも1つのメモリは、各装置において、615、625及び635で各々示すように設けられる。メモリには、コンピュータプログラムインストラクション又はコンピュータコードが含まれる。プロセッサ614、624及び634並びにメモリ615、625及び635、又はそのサブセットは、図3から5の種々のブロックに対応する手段をなすように構成される。図示されていないが、装置は、装置の位置を決定するのに使用されるグローバルポジショニングシステム(GPS)又はマイクロエレクトリカルメカニカルシステム(MEMS)のようなポジショニングハードウェアも備えている。バロメータ、コンパス、等の他のセンサも許され、そして位置、高度、方向、等を決定するために含まれる。
【0045】
図6に示すように、トランシーバ616、626及び636が設けられ、そして各装置は、617、627及び637として各々示す少なくとも1つのアンテナも備えている。この装置は、他入力多出力(MIMO)通信のために構成されたアンテナのアレイ、又は複数の無線アクセス技術のための複数のアンテナのような多数のアンテナを有する。例えば、これらの装置の他の構成も設けられる。例えば、eNB620及びMME630は、ワイヤード通信のために付加的に又は単独で構成されてもよく、そしてそのような場合に、アンテナ627、637は、従来のアンテナを必要としない任意の形態の通信ハードウェアも示す。
【0046】
トランシーバ616、626及び636は、各々、独立したもので、送信器、受信器、又は送受信器、或いは送信及び受信の両方に構成されたユニット又は装置である。
【0047】
プロセッサ614、624及び634は、中央処理ユニット(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)又は同等の装置のような計算又はデータ処理装置によって実施される。プロセッサは、単一のコントローラとして又は複数のコントローラ又はプロセッサとして実施される。
【0048】
メモリ615、625及び635は、独立したもので、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体のような適当な記憶装置である。ハードディスクドライブ(HDD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、又は他の適当なメモリが使用される。メモリは、単一の集積回路においてプロセッサと結合されてもよいし、又は1つ以上のプロセッサとは個別のものでもよい。更に、メモリに記憶されてプロセッサにより処理されるコンピュータプログラムインストラクションは、適当な形態のコンピュータプログラムコード、例えば、適当なプログラミング言語で書かれたコンパイル又はインタープリタ型コンピュータプログラムである。
【0049】
メモリ及びコンピュータプログラムインストラクションは、特定の装置に対するプロセッサで、UE610、eNB620及びMME630のようなハードウェア装置が、前記プロセスのいずれかを遂行するように構成される(例えば、図3から5を参照)。それ故、ある実施形態では、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体は、ハードウェアで実行されるときに、ここに述べるプロセスの1つのようなプロセスを遂行するコンピュータインストラクションでエンコードされる。或いは又、ある実施形態は、完全にハードウェアで遂行されてもよい。
【0050】
更に、図6は、UE、eNB及びMMEを含むシステムを示しているが、本発明の実施形態は、他の構成、及び付加的な要素を含む構成に適用されてもよい。
【0051】
当業者であれば、上述した本発明は、異なる順序のステップで、及び/又はここに開示したものとは異なる構成のハードウェア要素で、実施されてもよいことが容易に理解されよう。それ故、本発明は、それらの実施形態に基づいて説明したが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲内で、幾つかの変更、修正及び代替的構造が明らかとなろう。それ故、本発明の範囲を決定するためには、特許請求の範囲を参照されたい。
【0052】
略語
AS:アクセス層
CN:コアネットワーク
DL:ダウンリンク
MME:移動管理エンティティ
MO:モバイル発信
MTC:マシンタイプ通信
NAS:非アクセス層
RAN:無線アクセスネットワーク
RRC:無線リソースコントロール
UE:ユーザ装置
UL:アップリンク
TAU:トラッキングエリア更新
【符号の説明】
【0053】
610:UE
620:eNB
630:MME
614、624、634:プロセッサ
615、625、635:メモリ
616、626、636:トランシーバ
617、627、637:アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6