特許第6403810号(P6403810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6403810
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】加熱可能な積層サイドウィンドウガラス
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/02 20060101AFI20181001BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20181001BHJP
   C03C 27/12 20060101ALI20181001BHJP
   H05B 3/86 20060101ALI20181001BHJP
   H05B 3/20 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   B60S1/02 B
   B32B17/10
   C03C27/12 M
   H05B3/86
   H05B3/20 355A
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-575846(P2016-575846)
(86)(22)【出願日】2015年6月11日
(65)【公表番号】特表2017-530894(P2017-530894A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】EP2015063043
(87)【国際公開番号】WO2016000927
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2017年2月24日
(31)【優先権主張番号】14175181.8
(32)【優先日】2014年7月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512212885
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
【氏名又は名称原語表記】Saint−Gobain Glass France
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マルツェル クライン
(72)【発明者】
【氏名】ベアンハート ロイル
(72)【発明者】
【氏名】ベアント シュテリング
【審査官】 野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02584864(EP,A1)
【文献】 特表2004−528699(JP,A)
【文献】 特開2002−002452(JP,A)
【文献】 特表2013−541807(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/168009(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/025756(WO,A1)
【文献】 特表2011−514647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00− 1/68
B32B 1/00−43/00
C03C 27/00−29/00
H05B 3/20− 3/38
H05B 3/84− 3/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の開放可能なサイドウィンドウのための加熱可能な積層サイドウィンドウガラスであって、
該サイドウィンドウガラスは、上縁(O)、下縁(U)、前縁(V)及び後縁(H)を有し、
少なくとも、外側ガラス(1)と、内側ガラス(2)と、該外側ガラス及び該内側ガラスを相互に接続する熱可塑性の中間層(3)と、該中間層(3)内に埋め込まれた少なくとも1つの熱線(4)とを含み、
該熱線(4)は、第1のバスバー(5)と第2のバスバー(6)との間を延在し、かつ、各バスバー(5,6)に導電接続されており、
前記第1のバスバー(5)及び前記第2のバスバー(6)は、前記前縁(V)又は前記後縁(H)に沿って配置されており、ここで、
前記バスバー(5,6)の配置の基準である縁から前記バスバー(5,6)までの最大間隔は、3cm未満であり、
前記バスバー(5,6)の配置の基準である縁から前記バスバー(5,6)までの最小間隔は、3mm超であ
隣接する熱線(4)間もしくは熱線部分間の間隔は、前記後縁(H)から前記前縁(V)へ向かって少なくとも一部の区間で減少している、
サイドウィンドウガラス。
【請求項2】
前記第1のバスバー(5)は前記前縁(V)に沿って配置されており、前記第2のバスバー(6)は前記後縁(H)に沿って配置されている、
請求項1に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項3】
前記第1のバスバー(5)及び前記第2のバスバー(6)が同じ縁(V,H)に沿って配置されている、
請求項1に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項4】
前記第1のバスバー(5)及び前記第2のバスバー(6)が、前記中間層の反対側の表面に、互いに重なるように配置されている、
請求項3に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項5】
前記バスバー(5,6)の配置の基準である縁から前記バスバー(5,6)までの前記最大間隔は、2.5cm未満ある、
請求項1からまでのいずれか1項に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項6】
前記バスバー(5,6)の配置の基準である縁から前記バスバー(5,6)までの前記最大間隔は、2cm未満である、
請求項5に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項7】
前記バスバー(5,6)の配置の基準である縁から前記バスバー(5,6)までの前記最小間隔は、5mm超である、
請求項1から6までのいずれか1項に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項8】
前記バスバー(5,6)は、導電性フィルムの条片として構成されている、
請求項1から7までのいずれか1項に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項9】
前記導電性フィルムは銅を含む、
請求項8に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項10】
前記バスバー(5,6)は、10μmから500μmまでの厚さ有する、
請求項1からまでのいずれか1項に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項11】
前記バスバー(5,6)は、30μmから200μmまでの厚さを有する、
請求項10に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項12】
前記バスバー(5,6)は、2mmから20mmまでの幅有する、
請求項1から11までのいずれか1項に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項13】
前記バスバー(5,6)は、5mmから10mmまでの幅を有する、
請求項12に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項14】
前記バスバー(5,6)に導電接続されかつ前記下縁(U)に向かって延在する、少なくとも1つの供給線(7)が設けられている、
請求項1から13までのいずれか1項に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項15】
前記バスバー(5,6)の双方に、それぞれ1つずつ供給線(7)が設けられており、
該供給線(7)の、前記バスバー(5,6)から遠い側の端部どうしは、30mm以下の相互間隔有する、
請求項14に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項16】
前記供給線(7)の、前記バスバー(5,6)から遠い側の端部どうしは、20mm以下の相互間隔を有する、
請求項15に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項17】
前記熱線(4)は、銅及び/又はタングステンを含み、
前記熱線(4)の厚さは、10μmから200μmまでである、
請求項1から14までのいずれか1項に記載のサイドウィンドウガラス。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか1項に記載の加熱可能な積層サイドウィンドウガラスを製造する方法であって、少なくとも、
(a)熱可塑性の中間層(3)を適切な形状にカットするステップと、
(b)前記中間層(3)の表面に、2つのバスバー(5,6)を被着し、さらに、前記中間層(3)の表面に、前記バスバー(5,6)の双方に導電接続される熱線(4)を被着するステップと、
(c)前記中間層(3)を外側ガラス(1)と内側ガラス(2)との間に配置するステップと、
(d)ラミネーションにより、前記中間層(3)を介して前記外側ガラス(1)を前記内側ガラス(2)に接合するステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
陸上もしくは空中もしくは水上の交通のための移動手段おける、請求項1から17までのいずれか1項に記載のサイドウィンドウガラスの使用。
【請求項20】
自動車における、請求項1から17までのいずれか1項に記載のサイドウィンドウガラスの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱可能な積層サイドウィンドウガラス及びその製造方法並びにその使用に関する。
【0002】
車両には、典型的に、開放可能なサイドウィンドウが設けられている。こうしたサイドウィンドウには、主として垂直方向にスライド運動してサイドウィンドウを開閉可能なサイドウィンドウガラスが設けられている。
【0003】
サイドウィンドウガラスは、外側ガラスと内側ガラスとこれらを相互に接合する熱可塑性の中間層、典型的にはPVBフィルムとを含む、積層複合安全ガラスとして構成可能である。これは、熱線が設けられた加熱可能な積層サイドウィンドウガラスとしても知られている。熱線は熱可塑性の中間層に埋め込まれている。熱線の電気的接続のために、典型的にはバスバーが設けられる。適切なバスバーは、例えば、外部の電圧源に接続される銅フィルムの条片である。熱線はバスバー間を延在するので、熱線を通って電流を通流させることができ、これにより加熱作用が得られる。
【0004】
加熱可能な積層サイドウィンドウガラスの各バスバーは、つねにボディに隠れるサイドウィンドウガラスの下縁に沿って配置されるのがこれまでの通常の形態である。したがって、加熱可能なウィンドウガラスの電気的接続部はつねに隠れている。こうしたサイドウィンドウガラスは、例えば、独国特許出願公開第10126869号明細書(DE10126869A1)又は国際公開第2005055667号公報(WO2005055667A2)から公知である。これらに開示されている支配的な見解は、バスバーが下縁以外の側縁に沿っていると、サイドウィンドウの開放状態で観察者に可視となってしまうが、このことは美的観点から受け入れられないというものである。
【0005】
従来の、下縁に沿ったバスバーを有する加熱可能な積層サイドウィンドウガラスには、一連の欠点が存在する。互いに反対の極性を有する2つのバスバーが空間的に接近すると、短絡の持続的回避のためにコストのかかる絶縁措置を採ることが前提条件となる。また、ガラスの全面を加熱するために、熱線を下縁から出発させ、ガラス全体にメアンダ状に延在させて下縁に戻るように案内しなければならない。こうしたメアンダ状の配置は美的観点から所望されないことがある。さらに、熱線が局所的に強く湾曲する場合、局所的にオーバーヒートする箇所(いわゆるホットスポット)が生じうる。
【0006】
本発明は、改善された加熱可能な積層サイドウィンドウガラスを提供することである。
【0007】
本発明の課題は、本発明の請求項1の加熱可能な積層サイドウィンドウガラスによって解決される。好ましい実施形態は各従属請求項から得られる。
【0008】
本発明の加熱可能な積層サイドウィンドウガラスは、車両の開放可能なサイドウィンドウのために設けられている。ここで、サイドウィンドウとは、サイドウィンドウガラスをボディドア内へほぼ垂直にスライドさせることにより開閉できるウィンドウであると理解されたい。
【0009】
加熱可能な積層サイドウィンドウガラスは、上縁、下縁、前縁及び後縁を有する。上縁とは、サイドウィンドウガラスの組み込み状態で上方側となる側縁をいう。下縁とは、サイドウィンドウガラスの組み込み状態で下方側すなわち地面に向かう側となる側縁をいう。前縁とは、走行方向で前方側となる側縁をいう。後縁とは、走行方向で後方側となる側縁をいう。
【0010】
加熱可能な積層サイドウィンドウガラスは、少なくとも、外側ガラスと、内側ガラスと、外側ガラス及び内側ガラスを相互に接合する熱可塑性の中間層とを含む。ここで内側ガラスとは、組み込み状態で車両の室内側となるガラスをいう。外側ガラスとは、組み込み状態で車両の外部環境へ向かうガラスをいう。中間層内には少なくとも1つの熱線が埋め込まれている。当該熱線は、第1のバスバーと第2のバスバーとの間を延在し、かつ、各バスバーに導電接続されている。各バスバーは、外部の電圧源に接続されることによりバスバー間の熱線に電流を通流させるように構成されている。サイドウィンドウガラスは、快適にデフロストされるように、又は、湿分による曇りを除去できるように、構成可能である。
【0011】
本発明によれば、第1のバスバー及び第2のバスバーは、サイドウィンドウガラスの前縁又は後縁に沿って配置されている。本発明で各バスバーが側縁に沿って配置されているとは、側縁までの間隔が小さく(上述した側縁までの平均間隔が別の全ての側縁までの間隔より小さく)、延在方向が主として側縁の方向に追従することを意味する。
【0012】
本発明は、ウィンドウガラスの開放状態で観察者に可視とせずにバスバーをサイドウィンドウガラスの前縁及び後縁に沿って配置できるという驚くべき認識を基礎としている。各バスバーから縁までの間隔が過度に大きくならないかぎり、各バスバーは、有利には、車両ドアのボディ部分及び通常車両ウィンドウで使用されるシールリップによってカバーされる。したがって、電気的接続部はウィンドウガラスがいかなる状態にあっても可視とならず、これにより当該サイドウィンドウガラスは車両ウィンドウの美的要求も満足する。
【0013】
有利な一実施形態では、バスバーの配置の基準である側縁からバスバーまでの最大間隔は、3cm未満、好ましくは2.5cm未満、特に好ましくは2cm未満である。本発明における最大間隔は、サイドウィンドウガラスの側縁と、この側縁の反対側のバスバーの縁との間で測定される。当該間隔は充分に小さいので、バスバー及びその電気的接続部は、典型的な車両サイドウィンドウのボディ部分及びシールリップによってカバーされる領域内に位置する。
【0014】
ただし、バスバーは、側縁に過度に近く位置決めされてはならない。なぜなら、ウィンドウガラスの接合が阻害され、側縁を経て空気が接合体内に侵入してしまいかねないためである。有利な一実施形態では、バスバーの配置の基準である縁からバスバーまでの最小間隔は、3mm超、好ましくは5mm超である。これにより良好な結果が得られる。本発明における最小間隔は、サイドウィンドウガラスの側縁と、この側縁に近い側のバスバーの縁との間で測定される。
【0015】
本発明は唯一の熱線で実現可能であるが、本発明のサイドウィンドウは、典型的には、バスバー間を延在する複数の熱線を有する。バスバーによって熱線全体に電流が供給されるが、そのためには外部の給電電圧に通じる2つの接続ケーブルの端子が必要なだけである。
【0016】
好ましい一実施形態では、一方のバスバーはウィンドウガラスの前縁に沿って配置され、他方のバスバーは後縁に沿って配置される。こうして、サイドウィンドウガラスに設けられている不可視の領域が最適に利用される。また、熱線を、強い湾曲部やループなしに前縁から後縁まで案内できるので、美的要求が満足され、加熱エネルギの均等分配が容易となり、局所的なオーバーヒートの危険も低減される。
【0017】
この場合、好ましい一実施形態では、熱線を、強い湾曲部なしに第1のバスバーから第2のバスバーへ延在させることができる。サイドウィンドウの形状が複雑なため、加熱作用を最大限までガラス全体に分配するために、典型的には、熱線の少なくとも一部はバスバー間を完全に直線状には延在しない。このように、例えば、熱線は、典型的には湾曲した上縁の近傍で、上縁に適合する軽度の湾曲部を有する。
【0018】
これに代えて、熱線は、メアンダ状の延在形状を有することもできる。この場合、熱線は、第1のバスバーから出発して第2のバスバーの近傍へ延在する。ここで、熱線は、ターンループ(Uターン部)の形態で、第2のバスバーと電気的に接触することなく、第1のバスバーの近傍へ戻るように延在する。当該熱線はそこで再びターンループの形態で、第1のバスバーには電気的に接続されずに、再び第2のバスバーへ向かって延在する。熱線は、当該位置で第2のバスバーに接続されるか、又は、さらに1回から複数回バスバー間をメアンダ状に往復して延在し、その後で第2のバスバーに接続される。熱線をこのようにメアンダ状にガイドする利点は、バスバーを直接に接続する構成に比べて、熱線の延長部が得られるということにある。こうした延長部により、印加電圧と熱線厚さ及び熱線材料とが所定であれば、バスバーが直接に接続されて加熱エネルギが所望より高くなるはずの場合にも、この加熱エネルギを低減できる。
【0019】
代替的な好ましい一実施形態では、双方のバスバーがサイドウィンドウガラスの同じ側縁すなわち前縁又は後縁に沿って配置される。この場合、熱線は、ループ状又はメアンダ状に、第1のバスバーからウィンドウガラス全体にわたって第2のバスバーまで延在する。特に好ましい一実施形態では、当該ガラスを上方から見た状態で2つのバスバー双方が重なり、特には合同となるように配置される。ここで、短絡を回避するために、2つのバスバーは、好ましくは、熱可塑性の中間層のそれぞれ異なる側の面に配置される。熱線は、この場合、熱可塑性の中間層を通して1回ガイドすればよい。
【0020】
これに代えて、2つのバスバーを同じ側縁に沿って、熱可塑性の中間層の同じ側に配置できる。この場合、各バスバーは、相互に重なって合同となるように又は相互に並ぶように、配置可能である。重なったバスバー間の短絡又は熱線とバスバーとの望ましくない接触は、適切な絶縁措置によって回避できる。こうした絶縁措置として、例えば、電気的絶縁性のフィルム、すなわち、好ましくはポリイミドPI及び/又はポリイソブチレンPIBを含みかつ10μmから200μmの厚さを有するフィルムを被着することが挙げられる。
【0021】
好ましい一実施形態では、バスバーは、導電性フィルムの条片として構成される。当該導電性のフィルムは、好ましくは、アルミニウム、銅、めっき銅、金、銀、亜鉛、タングステン及び/又は錫又はこれらの合金を含み、特に好ましくは銅を含む。
【0022】
各バスバーの厚さは、好ましくは10μmから500μmまでであり、特に好ましくは30μmから200μmまで、例えば50μmから100μmまでである。こうした厚さを有する導電性フィルムから成る各バスバーは、技術的に簡単に実現でき、有利な電流負荷量を有する。
【0023】
各バスバーの長さは、サイドウィンドウガラスの形状、特に各バスバーの配置の基準となる縁の長さと、接触させるべき熱線の数とに依存し、個々のケースで当業者が適切に選択可能である。典型的には条片状に構成されるバスバーの長さとは、通常バスバーが種々の熱線もしくは熱線部分に接触する長さ方向の寸法のことであると理解されたい。
【0024】
各バスバーの幅は、好ましくは2mmから20mmまでであり、特に好ましくは5mmから10mmまでである。これにより加熱エネルギに関して良好な結果が得られ、そのうえ光学的に目立たなくすることができる。
【0025】
各バスバーは、直接に、又は、例えばはんだ材もしくは導電性接着剤を介して、熱線に導電接続することができる。
【0026】
有利な一実施形態では、主として相互に平行に延在する隣接する熱線間もしくは熱線部分間の間隔は、後縁から前縁へ向かう少なくとも一部の区間で減少する。つまり、隣接する熱線もしくは熱線部分は、前縁の領域で後縁の領域におけるよりも小さい相互距離を有するので、前縁の領域での高い熱線密度によって、いっそう高い加熱エネルギが生じる。容易に実現可能なこうした措置により、加熱エネルギを前縁の領域にいわば集中させることができる。特にフロントサイドウィンドウガラスすなわち運転席及び助手席のサイドウィンドウガラスでこうした構成が有利である。なぜなら、前縁の領域で迅速なデフロスト又は曇り除去が達成され、車両のサイドミラーへの視界がより迅速に開放されるからである。
【0027】
好ましくは、隣接する熱線間もしくは熱線部分間の間隔は、後縁から前縁までの延在形状において単調に減少する。減少率は厳密に単調であってよいが、一定間隔の区間が特にウィンドウガラスの後部領域にあってもよい。基本的には、ウィンドウガラスは隣接する熱線間又は熱線部分間の間隔が増大する領域を有することができる。こうした間隔の調整により、ウィンドウガラスに、個々のケースの要求に適合した加熱エネルギ分布を設定することができる。好ましい間隔減少率は、少なくともウィンドウガラスの前部領域での迅速なデフロスト及びサイドミラーへの開放視界を保証するために、当該領域に適用される。
【0028】
隣接する熱線もしくは熱線部分間の間隔は、後縁の領域で好ましくは20mmから42mmまで、前縁の領域で8mmから18mmまでの値である。これにより、加熱エネルギの有利な分布が得られ、前部領域の迅速なデフロストが達成され、車両産業の要求が満足される。各バスバーが前縁及び後縁に沿って配向される場合、当該間隔は直接に各バスバーに接して測定可能である。2つのバスバーが同じ縁に沿って配置されている場合、この縁の領域の間隔は、より大きな縁までの間隔を有するバスバーに直接に接して測定可能である。他の縁の領域の間隔は最も近い位置の縁で測定され、ここで熱線のいずれかのターンループはもちろん考慮すべきでない。縁領域の間隔の上述した概念は、当業者によって相応に考慮される。
【0029】
熱線間もしくは熱線部分間の間隔は、好ましくは、前縁の領域で、後縁の領域の間隔の25%から90%、特に好ましくは30%から50%である。
【0030】
前縁の領域の加熱エネルギは好ましくは450W/mから1100W/mの値であり、後縁の領域の加熱エネルギは好ましくは50W/mから450W/mの値である。これにより、加熱エネルギの有利な分布が得られる。
【0031】
本発明の好ましい実施形態では、外部の給電電圧への接続ケーブルの接続が下縁の領域で行われる。これにより、接続ケーブルを車両ボディに隠すことができる。このために、サイドウィンドウガラスは、好ましくは、バスバーに電気的に接続されかつバスバーから下縁へ延在する少なくとも1つの供給線を有する。好ましくは、各バスバーにこうした供給線が設けられる。供給線は、例えば、下縁(例えばバスバーが下縁に投影される領域)での接続のために、下縁までまっすぐな区間の形態で延在することができる。供給線は積層体内部ですなわち下縁に達する前に終端し、平坦な導体に接続可能となる。これに代えて、積層体外部の外部接続ケーブルとの接続のために、下縁を超えて供給線を延在させてもよい。
【0032】
好ましい一実施形態では、各供給線の、バスバーから遠い側の端部どうしは、30mm以下の相互間隔、好ましくは20mm以下の相互間隔、特に好ましくは12mm以下の相互間隔を有する。このために、供給線は、バスバーがサイドウィンドウガラスの種々の縁に配置される場合、下縁に沿って配置される所定の部分を有することができる。こうして、2つのバスバーに対する外部接続ケーブルの接続位置は相互の空間的近傍に案内されるので、電気的接続にとって有利となりうる。
【0033】
供給線は、好ましくは、導電性フィルムの条片として構成される。当該導電性のフィルムは、好ましくは、アルミニウム、銅、めっき銅、金、銀、亜鉛、タングステン及び/又は錫又はこれらの合金を含み、特に好ましくは銅を含む。各供給線の厚さは、好ましくは10μmから500μmまでであり、特に好ましくは30μmから200μmまで、例えば50μmから100μmまでである。各供給線の幅は、好ましくは2mmから20mmまでであり、特に好ましくは5mmから10mmまでである。有利には、供給線は、バスバーと同じフィルムから形成される。
【0034】
好ましい一実施形態では、熱線は、アルミニウム、銅、めっき銅、金、銀、亜鉛、タングステン及び/又は錫又はこれらの合金を含み、特に好ましくは銅及び/又はタングステンを含む。これらは加熱エネルギにとって有利である。
【0035】
各熱線の厚さは、好ましくは10μmから200μmまでであり、特に好ましくは20μmから100μmまで、例えば30μmから70μmまでである。これにより、良好な加熱作用が達成される。さらに、こうした熱線は、光学的に目立たないよう充分に薄く構成される。
【0036】
バスバーは、熱線の接続領域と中間層を形成する熱可塑性フィルムとの間に配置できる。これに代えて、熱線の接続領域をバスバーと中間層を形成する熱可塑性フィルムとの間に配置してもよい。個々のバスバーに代え、2つのバスバーを用いてその間に熱線の接続領域をサンドイッチ状に配置することもできる。この場合、個々のバスバーは、唯一のバスバーが使用される場合に比べて小さな厚さを有する。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、ウィンドウガラスの加熱エネルギは少なくとも250W/mである。これにより有利な加熱作用が得られる。
【0038】
外側ガラス及び/又は内側ガラスは、好ましくは、ガラス、特にソーダ石灰ガラス又はプラスチック、好ましくは剛性のプラスチック、特にポリカーボネートもしくはポリメチルメタクリレートを含む。
【0039】
ウィンドウガラスの厚さは広範囲に変化させることができ、特に個々のケースの要求に適合可能である。好ましくは、外側ガラス及び内側ガラスの厚さは0.5mmから10mmであり、好ましくは1mmから5mmであり、特に好ましくは1.4mmから3mmである。
【0040】
外側ガラスもしくは内側ガラスもしくは中間層は、無色透明であっても、色透明ガラスもしくは曇りガラスもしくは色ガラスであってもよい。外側ガラス及び内側ガラスは、非バイアスもしくは部分バイアスもしくはバイアスガラスから成っていてよい。
【0041】
中間層は、少なくとも1つの熱可塑性化合物フィルムによって形成される。熱可塑性化合物フィルムは、少なくとも1つの熱可塑性ポリマー、好ましくはエチレンビニルアセテート(EVA)もしくはポリビニルブチラル(PVB)もしくはポリウレタン(PU)又はこれらの混合物もしくはコポリマーもしくは誘導体、特に好ましくはPVBを含む。熱可塑性化合物フィルムの厚さは、好ましくは0.2mmから2mmまで、特に好ましくは0.3mmから1mmまで、例えば0.38mmもしくは0.76mmである。
【0042】
本発明のサイドウィンドウガラスは、熱線によって作用する加熱機能のほか、別の機能を有することもできる。有利な一実施形態では、サイドウィンドウガラスは、赤外領域に対する反射性コーティングを有する。こうしたコーティングは、腐食及び機械的作用からの保護のために、外側ガラス又は内側ガラスの表面、好ましくは中間層に向かう側の表面に被着できる。これに代えて、コーティングを、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)から成る、コーティングを有する熱可塑性フィルムの形態で複合体に挿入することもできる。この場合、コーティングを有するフィルムは、好ましくは、第1の熱可塑性化合物フィルムと第2の熱可塑性化合物フィルムとの間に配置される。赤外反射性コーティングは、典型的には少なくとも1つの導電層を有する。当該コーティングは、付加的に、例えば層抵抗の制御、腐食防止又は反射率の低減のために用いることができる。導電層は、好ましくは、銀、又は、インジウム錫酸化物(indium tin oxide,ITO)などの導電性酸化物(transparent conductive oxide,TCO)を含む。導電層は、好ましくは、10nmから200nmの厚さを有する。高い透光率を保ったまま導電率を改善するために、当該コーティングは、少なくとも1つの誘電層によって相互に分離された複数の導電層を有することができる。導電性コーティングは、例えば2つもしくは3つもしくは4つの導電層を含んでよい。典型的な誘電層は、酸化物又は窒化物、例えばケイ素窒化物、ケイ素酸化物、アルミニウム窒化物、アルミニウム酸化物、亜鉛酸化物もしくはチタン酸化物を含む。コーティングは、好ましくは、サイドウィンドウガラスより小さい面積を有し、好ましくは幅0.5mmから10mmまでの周縁領域にはコーティングが設けられない。これにより、導電性コーティングが中間層内で周囲雰囲気と接触することが防止され、これは腐食を回避する点で有利である。また、ウィンドウガラスは、コーティングなしのさらなる領域、例えばデータ透過窓又は通信窓を含むこともできる。
【0043】
本発明はさらに、本発明の加熱可能な積層サイドウィンドウガラスを製造する方法に関する。当該方法は、少なくとも、
(a)熱可塑性の中間層を適切な形状にカットするステップと、
(b)中間層の表面に、2つのバスバーを被着し、さらに、中間層の表面に、バスバーの双方に導電接続される熱線を被着するステップと、
(c)中間層を外側ガラスと内側ガラスとの間に配置するステップと、
(d)ラミネーションにより、中間層を介して外側ガラスを内側ガラスに接合するステップと、を含む。
【0044】
中間層は、少なくとも1つのフィルムの形態で形成される。
【0045】
バスバーと熱線とは、好ましくは、中間層への被着時又は被着前に、少なくとも一部の領域で加熱される。
【0046】
バスバーの被着は、特には載置によって行うことができるが、接着によって行うこともできる。バスバーの加熱は例えばはんだごてによって行われる。加熱により、熱可塑性の中間層は僅かに溶融し、バスバーに接続される。温度は好ましくは150℃から240℃までである。
【0047】
また、はんだごての使用に代えて、プロッタ及び加熱可能なホイールを用いて、バスバーを中間層に被着することもできる。
【0048】
2つのバスバー間に熱線をサンドウィッチ状に配置する場合、上方のバスバー(すなわち、中間層に対してより大きな間隔を置いて中間層上に配置されるバスバー)は、好ましくは、相対的に高い温度(例えば300℃から360℃)で固定される。
【0049】
熱線の被着は、好ましくはいわゆるプロッタによって行われる。この場合、熱線はロボットアームを用いて移動され、スプールから繰り出される。当該熱線は好ましくは被着時に加熱され、これにより熱可塑性の中間層が溶融して熱線に接続される。特には、熱線は完全に又は部分的に中間層の表面に進入し、これにより熱線が中間層内に埋め込まれる。
【0050】
ラミネーションによる複合ガラスの製造は、当業者にとってそれ自体公知の通常の手法、例えばオートクレーブプロセス、真空ポンププロセス、真空チャックプロセス、カレンダプロセス、真空ラミネータもしくはこれらの組み合わせによって行われる。この場合、外側ガラスと内側ガラスとの接合は、通常、熱及び/又は真空及び/又は圧力の作用のもとで行われる。
【0051】
本発明のサイドウィンドウガラスは、好ましくは、陸上もしくは空中もしくは水上の交通のための移動手段、特に自動車において使用される。
【0052】
以下に本発明を図及び実施形態に即して詳細に説明する。図は概略的に示されており、縮尺通りには描かれていない。なお、図は本発明をいかなる意味においても限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本発明のサイドウィンドウガラスの一実施形態の上面図である。
図2図1のサイドウィンドウガラスをA−A’線に沿って切断した断面図である。
図3図1のサイドウィンドウガラスをB−B’線に沿って切断した断面図である。
図4】サイドウィンドウガラスの第2の実施形態の上面図である。
図5】サイドウィンドウガラスの第2の実施形態をB−B’線に沿って切断した断面図である。
図6】サイドウィンドウガラスの第2の実施形態をB−B’線に沿って切断した断面図である。
図7】サイドウィンドウガラスの第3の実施形態の上面図である。
図8図7のサイドウィンドウガラスをC−C’線に沿って切断した断面図である。
図9】本発明の方法の一実施形態のフローチャートである。
【0054】
図1図2及び図3には、それぞれ、本発明の加熱可能なサイドウィンドウガラスの実施形態の詳細が示されている。サイドウィンドウガラスは、これを下降させることによって開放可能な、乗用車のサイドウィンドウ用として設けられている。サイドウィンドウガラスは、前縁V、後縁H、上縁O及び下縁Uを有する。これらの縁は、走行方向で見た組み込み位置にしたがって区別されている。
【0055】
サイドウィンドウガラスは、外側ガラス1と内側ガラス2とこれら2つのガラスを相互に接合する中間層3とから成る複合ガラスである。外側ガラス1及び内側ガラス2はソーダ石灰ガラスから形成されており、例えばそれぞれ2.1mmの厚さを有する。中間層3はPVBフィルムから形成されており、厚さは0.76mmである。
【0056】
中間層3には18本の熱線4が埋め込まれている。各熱線は例えば銅又はタングステンから形成されており、30μmの厚さを有する。各熱線4は第1のバスバー5と第2のバスバー6とに電気的に接続されている。バスバー5,6は、銅フィルムの条片として形成されており、厚さは例えば100μm、幅は例えば7mmである。バスバー5,6に電圧が印加される場合、熱線4を通って電流が流れ、これにより加熱作用が生じる。電圧は通常の自動車搭載電源電圧である14Vであってもよいし、又は、例えば42Vもしくは48Vの電圧であってもよい。
【0057】
第1のバスバー5はサイドウィンドウガラスの前縁Vに沿って延在し、第2のバスバー6は後縁Hに沿って延在する。バスバーからその配置の基準となる縁までの最大間隔は、例えば2cmである。こうした形式のサイドウィンドウガラスの設計に際してこれまで支配的であった考え方とは異なり、バスバー5,6は、サイドウィンドウの開放状態においても観察者にとって不可視である。これに代えて、バスバー5,6を、典型的なサイドウィンドウのごとく、ボディ部分及びリップシールによってカバーしてもよい。最小間隔は例えば6mmである。当該間隔は、積層体の安定性の障害及び空気の侵入を防止するのに充分である。
【0058】
熱線4は、第1のバスバー5から第2のバスバー6まで強い湾曲部なしに延在している。これにより局所的なオーバーヒートを回避できる。さらに、その形式は光学的要求を満足する。ただし、熱線4は、上縁Oまでの間隔が小さくなるのにしたがって小さくなる唯一の湾曲部を有してもよい。これにより、湾曲した上縁Oを有する複雑なプレート形状にもかかわらず、加熱エネルギの均等分布を達成できる。
【0059】
隣接する熱線4どうしの間隔は、後縁Hから前縁Vへ向かって減少している。これにより、ウィンドウガラスの前部領域でいっそう高い加熱エネルギが得られる。したがって、ウィンドウガラスは迅速にデフロスト又は曇り除去され、これによりサイドミラーへの視界が迅速に開放されるので有利である。
【0060】
サイドウィンドウガラスにはさらに2つの供給線7が設けられる。各供給線7はバスバー5,6に電気的に接続されており、外部給電電圧に通じる接続ケーブルに接続可能な下縁Uへ向かってまっすぐに延在する。
【0061】
加熱導体4の接続領域は、バスバー5,6と中間層3を形成する熱可塑性フィルムとの間に位置する。このことは断面図から見て取れる。
【0062】
図4には、本発明の積層サイドウィンドウガラスの別の実施形態が示されている。ウィンドウガラスは、上述した実施形態と同様に構成されている。唯一の相違点は、熱線4及び供給線7の延在形状である。
【0063】
ここでのサイドウィンドウガラスは、例えば70μmの厚さを有する6本の熱線4のみを有する。各熱線4はメアンダ状の延在形状を有する。各熱線4は、第1のバスバー5から出て、第2のバスバー6へ向かってまっすぐに延在する。第2のバスバー6に達する直前で、熱線4はターンループの形態を取り、第1のバスバー5へ戻る方向でまっすぐ延在する。さらなるターンループの後、熱線4は、第2のバスバー6へ戻る方向に延在し、第2のバスバー6に電気的に接続される。
【0064】
熱線4の形状により、上述した実施形態と同様に、いわば18本の加熱導体がバスバー5,6間に生じる。ただし、これらの加熱導体の3本ずつが、メアンダ状に延在する唯一の熱線4によって形成されている。したがって個々の熱線4は著しく長い。これにより、加熱エネルギは小さくなっている。こうして、厚い熱線4に基づいて生じうる、過度に高い加熱エネルギを回避できる。
【0065】
供給線7は、下縁Uに沿って延在する区間をそれぞれ有する。給電電圧のための外部の接続ケーブルが設けられた供給線7の端部どうしは、相互に案内され、例えば12mmの間隔を有する。こうした小さい相互間隔は接続技術上の利点を有しうる。
【0066】
図5には、熱線4及びバスバー5及び中間層3の代替的な相対配置が示されている。バスバー5は、熱線4の接続領域と中間層3を形成する熱可塑性フィルムとの間に配置されている。図中、ウィンドウガラスは、単にわかりやすくするためにではあるが、熱線4間の領域に空間を有するように図示されている。実際には、バスバー5と中間層3とは、圧力作用によって、大きな空隙が生じないよう、熱線4を囲むように配置される。
【0067】
図6には、熱線4及びバスバー5及び中間層3のさらに代替的な相対配置が示されている。電気的接続部は、この場合、熱線4をサンドウィッチ状に挟んだ、同じ電気的極性の2つのバスバー5によって行われる。当該実施形態では、上述した例えば厚さ50μmのフィルムより薄いフィルムをバスバー5として使用することができる。
【0068】
図7図8には、それぞれ、本発明の加熱可能な積層サイドウィンドウガラスの別の実施形態の詳細が示されている。2つのバスバー5,6は、同じ縁すなわち後縁Hに沿って配置されている。サイドウィンドウガラスは6本の熱線4を有する。各熱線4は、第1のバスバー5から出て、ほぼ水平方向に前縁Vの近傍へと延在し、そこでターンループの形態の延在形状を取り、第2のバスバー6へ戻る方向でほぼ水平に延在する。バスバー5,6は相互に合同となるように配置されている。バスバー5,6を相互に電気的に絶縁するため、これらは、中間層3を形成する熱可塑性フィルムのそれぞれ異なる面に配置される。各熱線4は、中間層3を1回は通過する。つまり、各熱線4は、2つの領域、すなわち、中間層3の表面に設けられる第1の領域と、中間層3の反対側の表面に設けられる第2の領域とから成る。このために、熱線4は、熱可塑性フィルムに形成されるホールを通して挿入可能である。
【0069】
図9には、本発明の加熱可能な積層サイドウィンドウガラスの製造方法の実施形態のフローチャートが示されている。
【0070】
代替的な実施形態では、バスバー5,6は、特にこれらが相互に合同となるように配置される場合、中間層3のそれぞれ異なる表面に配置可能である。この場合、熱線4の敷設は、1回は中断される。つまり、熱線4は、中間層を通して案内され、続いて反対側の表面に敷設されるように配置される。
【符号の説明】
【0071】
(1) 外側ガラス、 (2) 内側ガラス、 (3) 熱可塑性の中間層、 (4) 熱線、 (5) 第1のバスバー、 (6)第2のバスバー、 (7)供給線、 H サイドウィンドウガラスの後縁、 O サイドウィンドウガラスの上縁、 V サイドウィンドウガラスの前縁、 U サイドウィンドウガラスの下縁、 A−A’,B−B’,C−C’ 切断線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9