【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、本発明の第1の態様にかかるエアバック用のガス発生器は、
第1の排出オリフィスを有する加圧ガスの第1のリザーブと、
第2の排出オリフィスを有する第2の加圧ガスリザーブと、
第1及び第2の加圧ガスリザーブを開放するように配置された第1のアクチュエータを備える第1の機構と、
第1及び第2の排出オリフィスを介して排出ガスをエアバッグに向かって拡散させるように配置された拡散チャンバとを備え、
第1の排出オリフィス及び第2の排出オリフィスと直接連通し、拡散チャンバとの少なくとも1つの第1の連通面を備える混合チャンバと、
拡散チャンバとの混合チャンバの第2の連通面を閉鎖する第1の閉鎖位置と第2の連通面が自由である第2の通路位置との間に第2のアクチュエータ及び可動閉鎖部を備え、第2のアクチュエータがその作動時に可動閉鎖部を第1又は第2の位置のうちの一方から他方の位置へと移動させるように配置された第2の機構とをさらに備えることを特徴とする。
【0006】
本願にかかるガス発生器の混合チャンバは、第2の連通面及び第2のアクチュエータを備え、それが作動又は点火されたとき、エアバッグに向かって拡散されるガス量を変更するのを可能とする第2の連通面を開放するように配置されている。ガス流量を変更する機能は、混合チャンバ上に移送され、各ガスリザーブにおける第2のオリフィスを開放する必要性を抑制する。第2の連通面の開放はガスリザーブにおける圧力には依存しないことから、信頼性が向上する。また、双方のガスリザーブからのガスの流量の調整が(第2の機構の)単一のアクチュエータによって可能となっている点も見逃せない。換言すれば、ガスリザーブを開放するための機能は、流量を調整する機能とは無関係である。両機能は、互いに独立しており、別個の要素によって行われることから設計に柔軟性が加わり、例えば、発生器が細長い円筒形状を有する場合には両機構を発生器の軸上に配置することが可能となる。
【0007】
蓋を閉鎖部として、第1の閉鎖位置で第2の連通面を遮断することが考えられる。この場合、第2のアクチュエータは、強制的に蓋を破損することにより、第2の通路位置内へと移動するが、逆には行うことができない。すなわち、蓋は破壊されているため、第2の通路位置から第1の閉鎖位置まで蓋を移動させることができない。
【0008】
有利なことに、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータは、火工品点火器であって電気的な制御が可能である。
【0009】
実施形態によれば、第1の機構は、第1及び第2の加圧ガスリザーブの外側に配置されている。
【0010】
実施形態によれば、第1の連通面は、少なくとも1つの第1の調整オリフィスによって規定され、第2の連通面は、前記少なくとも1つの第1の調整オリフィスとは異なる少なくとも1つの第2の調整オリフィスによって規定される。互いに異なるオリフィスは、互いにシフトされるのが可能であって、第1及び第2の機構の設計自由度を高めることができる。
【0011】
実施形態によれば、第1の連通面は、少なくとも1つの調整オリフィスの第1の位置によって規定され、第2の連通面は、前記少なくとも1つの調整オリフィスの残りによって規定される。本願によれば、同じオリフィスによって第1及び第2の連通面を規定するすることで製造コストを削減できる。
【0012】
実施形態によれば、第1の排出オリフィス及び第2の排出オリフィスは、それぞれ、排出面を有し、第1の連通面の面積は、排出面の面積の合計よりも小さく、後者は第1及び第2の連通面の面積の合計よりも小さい。本願によれば、発生器へのガスの通過のための最小面積は、第2の連通面が閉鎖している場合には第1の連通面であり、第2の連通面が開放している場合には実際の排出オリフィスである。換言すれば、最小の通過部は、第2の連通面が開放している場合には、最大流量を規定する排出オリフィスのままであり、それにより、混合チャンバへの過大な加圧は防止され、ガスは第1及び第2の連通面を通って逃げる。
【0013】
実施形態によれば、第1のオリフィスは、第1の蓋によって閉鎖され、第2のオリフィスは、第2の蓋によって閉鎖されており、第1の機構は、第1の可動支持部を備え、第1の可動支持部は、第1の支持位置から第2の開放位置へと移動可能であり、第1の支持位置では、加圧ガスからの圧力にさられる第1及び第2の蓋を第1の可動支持部で支持し、第2の開放位置では、第1の可動支持部はもはや第1及び第2の蓋を支持することはなく、第1のアクチュエータは、第1の支持位置から第2の開放位置まで第1の可動支持部を移動させるように設けられており、加圧ガスの圧力は、予め規定されていて、第1及び第2の蓋が支持されていないときにこれらの蓋が開放されるようになっている。第1及び第2のガスリザーブにおけるガスの圧力は、第1及び第2の蓋が支持されなくなっているときにこれらの蓋を破壊できるように算出される。ここに、蓋を穿孔するための突出部や可動部は必要でない。したがって、蓋は、必ずしも可動支持部と直接接触する必要はなく、可動支持部と蓋との間に挿入される接合部やタブに蓋を実装するようにしてもよい。
【0014】
実施形態によれば、第2のアクチュエータは、第1の支持位置から第2の開放位置まで第1の可動支持部を移動させるように設けられている。
【0015】
本願によれば、第1のアクチュエータを作動させる必要はない。ガスリザーブを開放させるのは第2のアクチュエータである。これは、第1の可動支持部を移動させて、これと同時に閉鎖部を移動させることによって第2の連通面を解放することによってなされる。単一のコマンドにより、ガスリザーブの開放と第2の連通面の解放の両方が実施されて、最大のガス流量が得られる。
【0016】
実施形態によれば、第1の可動支持部は、混合チャンバ内を摺動して第1の支持位置から第2の開放位置まで移動するように設けられている。混合チャンバは、部品数を規制する案内機能を提供する。
【0017】
実施形態によれば、第1の可動支持部は、自由端と第1の可動支持部に接合された折返端とをそれぞれ有する2つのタブを備え、第1の可動支持部の第1の支持位置において、タブの自由端は混合チャンバを圧迫し、各タブは、加圧ガスの圧力を受ける第1又は第2の蓋によって加えられる力を吸収することによって第1又は第2の蓋を支持し、第1の可動支持部の第2の開放位置において、タブの自由端は、各タブが第1又は第2の蓋によって加えられる力の作用下で折返端に変形するように混合チャンバの圧迫から解放される。
【0018】
本願によれば、混合チャンバは、第1の支持部が第1の支持位置にあるときにタブの支持体となって、タブ設計を簡素化している。
【0019】
実施形態によれば、第1の可動支持部は、混合チャンバの管腔内を摺動する第1の引き出しによって制御され、第1の引き出しは、第1の可動支持部が第2の開放位置にあるときに、混合チャンバの管腔と協働して第1の連通面を規定するように設けられた管腔を含む。混合チャンバの案内管腔は、有利には、ガスについての連通オリフィスとして使用されるためにも利用される。
【0020】
実施形態によれば、第1の可動支持部は、回転移動することによって、第1の支持位置から第2の開放位置まで移動可能である。混合チャンバに対する第1の可動支持部の回転運動は、簡便な運動学である。
【0021】
実施形態によれば、第1の可動支持部は、発生器に接続された変形可能部を備え、変形可能部を変形させることによって第1の支持位置から第2の開放位置まで移動する。換言すれば、本願にかかる第1の可動支持部は、蓋を支持する自由端を有するタブであり、その他端は、発生器の本体に取り付けられている。自由端の動きは、第1の可動支持部を折り返すか又は変形させることによって行うことができるにすぎない。
【0022】
実施形態によれば、可動閉鎖部は、混合チャンバの管腔内に案内される。それは、可動閉鎖部が第2の通路位置にあるときに混合チャンバの管腔と協働して第2の連通面を規定するように配置された管腔を含む。混合チャンバの案内管腔は、有利には、ガスの連通オリフィスとして使用されるためにも利用される。
【0023】
実施形態によれば、可動閉鎖部は、混合チャンバ内を摺動して、第1の閉鎖位置から第2の通路位置まで移動するように設けられている。
【0024】
実施形態によれば、可動閉鎖部は、回転移動して、第1の閉鎖位置から第2の通路位置まで移動可能である。混合チャンバに対する可動閉鎖部の回転運動は、簡便な運動学である。
【0025】
本発明の第2の態様は、少なくとも1つの膨張可能バッグと、本発明の第1の態様にかかる少なくとも1つのガス発生器とを備える安全モジュールである。
【0026】
本発明の最後の態様は、本発明の第1の態様にかかる少なくとも1つのガス発生器を含む自動車の車両である。
【0027】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面において、単なる例として非限定的に提示した本発明の実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことによってさらに明らかになるであろう。