(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記視軸推定部は、前記検査対象画像の空間座標及び前記被験者の角膜を想定した角膜曲率中心の空間座標から算出した光軸と、前記光軸算出時に特定した前記被験者の視軸とに基づいて光軸補正量を設定し、所望の前記対象画像の視認時における前記被験者の光軸を前記光軸補正量で補正して前記視軸を推定する、
請求項1記載の視機能検査装置。
前記複数の測定点に対応する視点位置を記憶し、9方向眼位検査終了後に前記複数の視点位置を所定の対応関係で接続した画像を9方位眼位検査用チャート画像上に検査結果画像として表示する検査結果表示部を備える、
請求項4記載の視機能検査装置。
前記視軸推定部は、前記対象画像の空間座標及び前記被験者の角膜を想定した角膜曲率中心の空間座標から算出した光軸と、前記光軸算出時に特定した前記被験者の視軸とに基づいて光軸補正量を設定し、所望の前記対象画像の視認時における前記被訓練者の光軸を前記光軸補正量で補正して前記視軸を推定する、
請求項7記載の視機能訓練装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に図面を参照して、好適な実施形態について説明する。
[1]第1実施形態
図1は、実施形態の視機能検査装置の概要構成ブロック図である。
視機能検査装置10は、大別すると被験者の検査を行うための検査ユニット11と、検査を行うための各種操作を行うオペレータが用いるオペレータ用ユニット12と、を備えている。
【0012】
検査ユニット11は、高さ調整可能な検査台13上に載置されている。この検査台13上には、被験者の顎を乗せる高さ調整可能な顎台14が設けられており、被験者の目の位置を検査台13と協働して検査ユニット11に対して最適な位置に調整可能となっている。
オペレータ用ユニット12は、いわゆるパーソナルコンピュータとして構成されている。
【0013】
図2は、視機能検査装置の詳細構成ブロック図である。
検査ユニット11は、視野角、検査距離などを調整可能であるとともに、赤外光(IR)である検査光L1、L2(以下、両者を区別する必要が無い場合には、検査光Lと表記する)を所定位置まで導く左右の眼それぞれに対応する光学系ユニット21R、21Lと、光学系ユニット21を介して検査光Lを検査対象者である被験者の眼球に照射する一対のIR照明装置LD1、LD2と、被験者の眼球を主として撮像する一対の眼球カメラ(撮像カメラ)23R、23Lと、被験者用の各種画像を表示する被験者用ディスプレイ24と、音声データ及び映像(画像)データのインタフェース動作を行うHDMI等のマルチメディアインタフェース(IF)25と、マルチメディアインタフェース25の出力信号の音/映像分離を行う音/映像分離部26と、音響出力を行うスピーカ部27と、制御用信号が入力されるUSB等の制御インタフェース(IF)28と、を備えている。
【0014】
具体的には、オペレータ用ユニット12は、オペレータ用ユニット12を制御するMPU31と、オペレーティングシステム(OS)を含む制御用データを不揮発的に格納したROM32と、MPU31のワーキングエリアとしても用いられ、各種データを一時的に格納するRAM33と、各種データを不揮発的かつ更新可能に格納するフラッシュメモリ34と、音声データ及び映像(画像)データのインタフェース動作を行うHDMI等のマルチメディアインタフェース(IF)35と、制御用の各種インタフェース動作を行う制御インタフェース(IF)36と、インタフェース35を介して接続され、オペレータに対し様々な情報を提示するオペレータ用ディスプレイ37と、各種データのプリントアウトを行うプリンタ38と、ポインティングデバイスとして機能し、各種操作を行うためのマウス39と、各種操作を行うとともに、各種データを入力するためのキーボード40と、USBメモリ、ICカード(例えば、SDカード[登録商標])等の外部記憶媒体を接続し、被験者のデータを読み込んだり、検査結果データの記録を行う外部記録媒体接続部41と、を備えている。
【0015】
次に実施形態の視機能検査装置10における検査の大まかな流れについて説明する。
以下の説明においては、視機能検査装置を9方向眼位検査装置として構成した場合を例として説明する。
【0016】
図3は、視機能検査装置における検査手順の概要説明図である。
視機能検査装置10において検査を行う場合には、おおまかに以下のような手順で行う。
まず、オペレータは、被験者が検査中に楽な姿勢でいられるように被験者に合わせて機材の設置調整を行う(ステップS11)。
【0017】
次に被験者に対する測定前準備を行う(ステップS12)。
続いて、一方の眼(例えば、右目)の視軸を決定する第1視軸キャリブレーションを行う(ステップS13)。
【0018】
次に他方の眼(例えば、左目)の視軸を決定する第2視軸キャリブレーションを行う(ステップS14)。
続いて、一方の眼(例えば、右目)の視機能検査(本実施形態では、9方向眼位検査)である第1視機能検査を行う(ステップS15)。
【0019】
さらに他方の眼(例えば、左目)の視機能検査である第2視機能検査を行う(ステップS16)。
検査結果をオペレータ用ディスプレイあるいはプリントアウトとして提示する(ステップS17)。
【0020】
以下、各処理について詳細に説明する。
{1}設置調整
まず、オペレータは、被験者である患者が検査中に無理のない姿勢を採れるように、顎台14及び検査台13の高さを大まかに調整する(ステップS11)。
【0021】
{2}測定前準備
次にオペレータは、マウス39あるいはキーボード40を操作し、測定前準備指示を行う。
これによりオペレータ用ユニット12のMPU31は、インタフェース35及びマルチメディアインタフェース25を介して、検査ユニット11の被験者用ディスプレイ24に測定前準備画像を表示し、被験者である患者の顔の位置を検査に最適な状態とするための測定前準備を行う(ステップS12)。
【0022】
ここで、測定前準備について詳細に説明する。
図4は、測定前準備の処理フローチャートである。
図5は、測定前準備の説明図である。
オペレータがマウス39を操作して測定前準備への移行の指示を行うと(ステップS21)、検査ユニット11の被験者用ディスプレイ24の表示画面24Dに左目用及び右目用の測定前準備画像(図形、文字を含む)GL、GRを表示する(ステップS22)。
【0023】
具体的には、
図5に示すように、被験者用ディスプレイ24の表示画面24Dの左目用画像表示領域ARLの中央部には左目用測定前準備画像GLが表示され、被験者用ディスプレイの表示画面24Dの右目用画像表示領域ARRの中央部には右目用測定前準備画像GRが表示される。
【0024】
この場合において、左目用画像表示領域ARLは光学系ユニット21Lにより被験者の左目からのみ視認可能とされ、右目用画像表示領域ARRは光学系ユニット21Rにより被験者の右目からのみ視認可能とされている。
そして、オペレータは、被験者が光学系ユニット21L、21Rを介してそれぞれの測定前準備画像GL、GRを注視するように指示をだすとともに、測定前準備の実行をマウス39あるいはキーボード40によりオペレータ用ユニット12に指示をする(ステップS23)。
【0025】
図6は、測定前準備時のオペレータ用ディスプレイの表示例の説明図である。
この結果、オペレータ用ユニット12のMPU31は、オペレータ用ディスプレイ37に被験者用ディスプレイ24の表示内容を表示するとともに、被験者の左目を左目用の眼球カメラ23Lで撮影した画像を左眼球表示領域EBLに表示し、被験者の右目を右目用の眼球カメラ23Rで撮影した画像を右眼球表示領域EBRに表示する。
【0026】
そして、眼球カメラ23Lで撮影した画像及び右目用の眼球カメラ23Rで撮影した画像に基づいて、眼球の位置を検出する(ステップS24)。
これにより、オペレータ用ユニット12のMPU31は、瞳孔中心の上下方向の位置が各カメラ23R、23Lの光軸に対して適正な位置(カメラ23R、23Lの光軸がほぼ瞳孔中心を通っている位置)にあるか否かを判別する(ステップS25)。
【0027】
ステップS25の判別において、瞳孔中心が眼球カメラ23L、23Rの光軸に対応する中心位置よりも下方に位置している場合には(ステップS25;下方)、
図6(A)に示すように、オペレータ用ディスプレイ37の表示画面37Dの左眼球表示領域EBLには、被験者の左目の眼球画像が表示され、右眼球表示領域EBRには、被験者の右目の眼球画像が表示され、さらに左眼球表示領域EBLと右眼球表示領域EBRとの間の量域には、顎台14の高さを高くする方向に調整することを指示する上方向調整指示マークAUが表示される(ステップS26)。
したがって、オペレータは、顎台14の高さを高くする方向に調整することとなる(ステップS27)。
【0028】
なお、顎台14の高さ調整だけでは、調整ができない場合には、検査台13の高さを調整するようにすることも可能である。この場合において、瞳孔中心に対してカメラ23R、23Lの光軸が上に位置しているので、検査台13の高さは低くする方向に調整することとなる。
続いて、オペレータ用ユニット12のMPU31は、再び処理をステップS24に移行し、以下、上述した手順を繰り返す。
【0029】
また、ステップS25の判別において、瞳孔中心が眼球カメラ23L、23Rの光軸に対応する中心位置よりも上方に位置している場合には(ステップS25;上方)、
図6(B)に示すように、顎台14の高さを低くする方向に調整することを指示する下方向調整指示マークADが表示される(ステップS28)。
したがって、オペレータは、顎台14の高さを低くする方向に調整することとなる(ステップS29)。
なお、顎台14の高さ調整だけでは、調整ができない場合には、検査台13の高さを調整するようにすることも可能である。この場合において、瞳孔中心に対してカメラ23R、23Lの光軸が下に位置しているので、検査台13の高さは高くする方向に調整することとなる。
続いて、オペレータ用ユニット12のMPU31は、再び処理をステップS24に移行し、以下、上述した手順を繰り返す。
【0030】
これらに対し、ステップS25の判別において、瞳孔中心が眼球カメラ23L、23Rの光軸に対応する中心位置付近に位置している場合には(ステップS25;適正)、測定前準備が完了したことを示す画像、
図6(C)の場合、「OK」マークMKが表示されるので(ステップS30)、実際の検査手順に移行する。
【0031】
{3}第1視軸キャリブレーション
以下の説明においては、第1視軸キャリブレーションとして、右目の視軸キャリブレーションを行うものとする。
図7は、右目の視軸キャリブレーションの説明図である。
図8は、視軸推定処理の処理フローチャートである。
オペレータがキーボードあるいはマウスを操作することにより、右目の視軸のキャリブレーションを指示すると、オペレータ用ユニット12のMPU31は、マルチメディアインタフェースを介して被験者用ディスプレイの表示画面の右目用画像表示領域に、
図7(A)に示すように、被験者が右目で注視するための注視用画像GTを表示する(ステップS41)。
このとき、オペレータは、被験者に注視用画像GTを注視するように促し、被験者の視軸(視線)の位置の変動を抑制する。
これに伴い、オペレータ用ユニット12のMPU31は、右目の視軸の変動が抑制された状態で右目の光軸算出を行う(ステップS42)。
【0032】
ここで、図面を参照して光軸算出方法について詳細に説明する。
図9は、光軸算出方法の原理説明図である。
図9において、角膜と等しい曲率を有する角膜曲率球CNRCを仮定し、その角膜曲率中心をCtとし、角膜曲率球CNRCの半径をRとし、カメラの光学中心をCmとする。
【0033】
また、第1のLED及び第2のLEDをそれぞれ点光源と見なして、IR照明装置LD1の位置をLED1とし、IR照明装置LD2の位置をLED2とする。
さらにIR照明装置LD1の三次元空間上の反射像位置をP1とし、IR照明装置LD2の三次元空間上の反射像位置をP2とする。
【0034】
このとき、IR照明装置LD1の位置LED1、反射像位置P1及びカメラの光学中心Cmを含む平面をPL1とし、IR照明装置LD2の位置LED2、反射像位置P2及びカメラの光学中心Cmを含む平面をPL2とした場合、平面PL1と平面PL2の交線CLは、角膜曲率中心Ctを通る。
【0035】
そこで、交線CL上においてカメラの光学中心Cmから角膜の曲率中心Ctへ向かう単位ベクトルをv0とし、平面PL1上でカメラの光学中心Cmから反射像位置P1へ向かう単位ベクトルをv1とし、平面PL21上でカメラの光学中心Cmから反射像位置P2へ向かう単位ベクトルをv2とする。
さらに平面PL1上で反射像位置P1から角膜曲率中心Ctに向かうベクトルをf、平面PL2上で反射像位置P2から角膜曲率中心Ctに向かうベクトルをgとする。
【0036】
上記条件から次のことが成立する。
(1) 単位ベクトルv0を定数t0(t0は、正の実数)倍した位置に角膜曲率中心Ctが存在する。そこで、以下の説明においては、定数t0が不明な段階における角膜曲率中心を第1仮定角膜曲率中心Ct1とする。
(2) 単位ベクトルv1を定数t1(t1は、正の実数)倍した位置に反射像位置P1が存在する。
(3) 単位ベクトルv2を定数t2(t2は、正の実数)倍した位置に反射像位置P2が存在する。
(4) 反射像位置P1及び反射像位置P2は、角膜曲率中心Ctから角膜曲率半径Rの位置に存在する。
【0037】
図10は、光軸算出処理の処理フローチャートである。
まず、オペレータ用ユニット12のMPU31は、制御インタフェース36及び制御インタフェース28を介してIR照明装置LD1及びIR照明装置LD2を制御して、検査光Lをそれぞれ照射させ、さらに眼球カメラ23R、23Lを制御して眼球の撮像を行う(ステップS51)。
【0038】
続いてオペレータ用ユニット12のMPU31は、角膜曲率球CNRCの半径Rを所定値とし、反射像位置P1及び反射像位置P2を算出する。
そして、オペレータ用ユニット12のMPU31は、IR照明装置LD1の位置LED1、反射像位置P1及びカメラの光学中心Cmを含む平面PL1を算出するとともに、IR照明装置LD2の位置LED2、反射像位置P2及びカメラの光学中心Cmを含む平面PL2を算出する(ステップS52)。
【0039】
続いてオペレータ用ユニット12のMPU31は、平面PL1(を表す式)及び平面PL2(を表す式)から、二つの平面の交線を算出する(ステップS53)。
さらにオペレータ用ユニット12のMPU31は、上述した反射像位置P1から単位ベクトルv1を算出し、算出した単位ベクトルv1と、反射像位置P1及びIR照明装置LD1の位置LED1からベクトルfを取得する。
【0040】
さらにまたオペレータ用ユニット12のMPU31は、上述した反射像位置P2から単位ベクトルv2を算出し、算出した単位ベクトルv2と、反射像位置P2及びIR照明装置LD2の位置LED2からベクトルgを取得する。
【0041】
次にオペレータ用ユニット12のMPU31は、角膜曲率中心の位置を推定して定数t0を算出する(ステップS54)。
【0042】
まず、オペレータ用ユニット12のMPU31は、反射像位置P1からベクトルfの向きに沿った第1の直線LN1及び反射像位置P2からベクトルgの向きに沿った第2の直線LN2を仮定し、直線LN1と直線LN2の交点(もしくは、2直線の双方から最も近い点[最近傍点])を算出し、これを第2仮定角膜曲率中心Ct2とする。
【0043】
この場合において、第1仮定角膜曲率中心Ct1と、第2仮定角膜曲率中心Ct2は、実際は等しいはずであるので、次式が最小となるように、定数t0を算出すればよい。
|Ct1−Ct2|
【0044】
以下、上記原理に沿って、定数t0を算出する。
まず、オペレータ用ユニット12のMPU31は、二つの平面PL1、PL2の交線に基づいて、単位ベクトルv0を算出する。
【0045】
具体的には、単位ベクトルv0と同じ向きのベクトルv01を仮定すると、次式が成り立つ。
v01={(LED1−Cm)×(PP1−Cm)}
×{(LED2−Cm)×(PP2−Cm)}
【0046】
ここで、PP1は、反射像位置P1のカメラの撮像センサ上の位置であり、PP2は、反射像位置P2のカメラの撮像センサ上の位置である。
そして、単位ベクトルv0は、次式で表せる。
v0=v01/||v01||
ここで、||v01||は、ベクトルv01の大きさ(スカラー)である。
【0047】
次にオペレータ用ユニット12のMPU31は、単位ベクトルv1及び単位ベクトルv2を、カメラの光学中心Cm、位置PP1及び位置PP2から算出する。
v1=(Cm−PP1)/||Cm−PP1||
v2=(Cm−PP2)/||Cm−PP2||
【0048】
そしてカメラの光学中心Cmを基点として単位ベクトルv0を定数t0倍した位置に角膜曲率中心Ctに対応する第1仮定角膜曲率中心Ct1が位置しているはずであるので、次式が成り立つ。
Ct1=t0・v0+Cm
【0049】
また、カメラの光学中心Cmを基点として単位ベクトルv1を定数t1倍した位置に反射像位置P1が位置し、カメラの光学中心Cmを基点として単位ベクトルv2を定数t2倍した位置に反射像位置P2が位置しており、反射像位置P1及び反射像位置P2は、角膜曲率中心Ctから角膜曲率半径Rの位置に位置しているという前提で反射像位置P1及び反射像位置P2を算出する。
【0050】
より詳細には、以下の通りとなる。
P1=t1・v1+Cm
とすると、
R
2=||t0・v0||
2+||t1・v1||
2
−2・t0・t1・v0・v1
であるから、
t1=t0・v0・v1±√{(||v0・v1||
2−1)・t0
2+R
2}
となる。
【0051】
ここで、復号(±)のうち、正号(+)側は、角膜曲率中心Ctを中心とする半径Rの球と、カメラの光学中心Cm及び反射像位置P1を通る直線と、の二つの交点のうちカメラから見て奥側の交点に相当するので、カメラから見て手前側の交点に相当する負号(−)側が求める定数t1である。
【0052】
同様にして、
P2=t2・v2+Cm
とすると、
R
2=||t0・v0||
2+||t2・v2||
2
−2・t0・t2・v0・v2
であるから、
t2=t0・v0・v2±√{(||v0・v2||
2−1)・t0
2+R
2}
となる。
【0053】
この場合においても、復号(±)のうち、正号(+)側は、角膜曲率中心Ctを中心とする半径Rの球と、カメラの光学中心Cm及び反射像位置P2を通る直線と、の二つの交点のうちカメラから見て奥側の交点に相当するので、カメラから見て手前側の交点に相当する負号(−)側が求める定数t2である。
【0054】
続いて、ベクトルf及びベクトルgを求める。
単位ベクトルv1と反射像位置P1及び第1のLED位置LED1との関係、並びに、単位ベクトルv2と反射像位置P2及び第2のLED位置LED2との関係より次の式を得ることができる。
f=v1+(P1−LED1)/||P1−LED1||
g=v2+(P2−LED2)/||P2−LED2||
【0055】
つづいて、オペレータ用ユニット12のMPU31は、反射像位置P1を通り、ベクトルfの向きに沿った第1直線LN1を仮定するとともに、反射像位置P2を通り、ベクトルgの向きに沿った第2直線LN2を仮定し、直線LN1と直線LN2の交点(もしくは、2直線の双方から最も近い点[最近傍点])を算出し、これを第2仮定角膜曲率中心Ct2とする。
【0057】
この場合において、第1仮定角膜曲率中心Ct1及び第2仮定角膜曲率中心Ct2は、それぞれ角膜曲率中心Ctに等しいはずであるから、第1仮定角膜曲率中心Ct1と第2仮定角膜曲率中心Ct2との差を評価値Xとして評価値Xが最小となる定数t0を算出する。
すなわち、次式を満たす定数t0を算出する。
【0059】
定数t0が算出されると、オペレータ用ユニット12のMPU31は、眼球カメラ23Rの撮像画像に基づいて瞳孔の中心点を求める(ステップS55)。
そして、瞳孔の中心点と、定数t0及び単位ベクトルv0により算出される角膜曲率中心Ctと、を結んで右目の光軸として算出する(ステップS56)。
【0060】
次に再び
図7及び
図8を参照して処理を説明する。
上述したように、被験者が右目で注視するための注視用画像GTを表示し(ステップS41)、右目の光軸算出がなされると、オペレータ用ユニット12のMPU31は、ステップS56で算出した光軸と視軸との差を補正量として算出する(ステップS43)。
【0061】
より詳細には、オペレータ用ユニット12のMPU31は、算出した光軸の位置が注視用画像GTを注視している被験者の視軸(視線)と一致するように、すなわち、視軸マーク画像GVAの表示位置(算出した光軸位置に相当)が注視用画像GT(被験者の視軸[視線]位置に相当)と一致するように、算出した光軸位置と被験者の視軸[視線]位置との差を補正量として算出することとなる。
【0062】
この結果、
図7(C)に示すように、オペレータ用ディスプレイ37には、キャリブレーションがなされた後の画像、すなわち、視軸マーク画像GVAの表示位置が注視用画像GTの表示位置に一致した画面が表示されることとなる。
【0063】
この状態においてオペレータは、視軸マーク画像GVAの表示位置が注視用画像GTの表示位置に一致しているか否かを判別し、視軸算出時のパラメータが最適化されておらず視軸マーク画像GVAの表示位置が注視用画像GTの表示位置に一致していない場合には、再び同様のキャリブレーションを行うように指示をする。
【0064】
そして、キャリブレーションが完了すると、これ以降、オペレータ用ユニット12のMPU31は、光軸の算出を随時行うとともに、算出された光軸をステップS43で得られた補正量で補正して、被験者の視軸を随時推定することとなる(ステップS44)。
【0065】
したがって、随時推定した右目の視軸に基づいて、オペレータ用ユニット12のMPU31は、オペレータ用ディスプレイ37に推定した視軸の位置に相当する位置に随時、視軸マーク画像GVAを表示することとなる。
【0066】
この場合において、視軸マーク画像GVAが所定時間、所定範囲内に停留していた場合には、当該停留位置が注視位置であるとして視軸マーク画像GVAの表示位置(算出した光軸位置)が注視用画像GT(被験者の視軸[視線])に一致するようにキャリブレーションがなされるようにしてもよい。
【0067】
{4}第2視軸キャリブレーション
視軸マーク画像GVAの表示位置が注視用画像GTの表示位置に一致しており、右目の視軸のキャリブレーション、すなわち、第1視軸のキャリブレーションが完了した場合には、同様にして、第2視軸キャリブレーションとして、第2視軸としての左目の視軸のキャリブレーションを行う。以下においては、再び
図8を参照して説明を行う。
【0068】
図11は、左目の視軸キャリブレーションの説明図である。
オペレータがキーボードあるいはマウスを操作することにより、左目視軸のキャリブレーションを指示すると、オペレータ用ユニット12のMPU31は、マルチメディアインタフェース35及びマルチメディアインタフェース25及び音/映像分離部26を介して被験者用ディスプレイ24の表示画面の左目用画像表示領域ARLに、
図11(A)に示すように、被験者が左目で注視するための注視用画像GTを表示する(ステップS41)。
【0069】
このとき、オペレータは、被験者に注視用画像GTを注視するように促し、被験者の視軸(視線)の位置の変動を抑制する。
これに伴い、オペレータ用ユニット12のMPU31は、左目の視軸の変動が抑制された状態で左目の光軸算出を行う(ステップS42)。
【0070】
左目の光軸が算出されると、オペレータ用ユニット12のMPU31は、オペレータ用ディスプレイ37の表示画面37Dに推定した光軸の位置を視軸マーク画像GVAの表示位置として表示する。
【0071】
そして
図11(B)に示すように注視用画像GTと視軸マーク画像GVAとが不一致している場合には、オペレータは、マウスを操作し、キャリブレーションの指示を行うと、視軸マーク画像GVAが注視用画像GTに一致するようにキャリブレーションがなされ(ステップS43)、キャリブレーションが完了すると、これ以降、オペレータ用ユニット12のMPU31は、光軸の算出を随時行うとともに、算出された光軸をステップS43で得られた補正量で補正して、被験者の視軸を随時推定することとなる(ステップS44)。
【0072】
この場合においても、視軸マーク画像GVAが所定時間、所定範囲内に停留していた場合には、当該停留位置が注視位置であるとして視軸マーク画像GVAの表示位置(算出した光軸位置)が注視用画像GT(被験者の視軸[視線])に一致するようにキャリブレーションがなされるようにしてもよい。
【0073】
{5}視機能検査
続いて、視機能検査として9方位眼位検査(Hess検査)を行う場合の処理について説明する。
図12は、9方位眼位検査時の処理フローチャートである。
{5.1}第1視機能検査
右目及び左目の視軸キャリブレーションが終了すると、オペレータは、マウスあるいはキーボードを介してまずは右目の9方位眼位検査の開始を指示する(ステップS71)。
【0074】
図13は、オペレータ用ディスプレイにおける右目の9方向眼位検査時の表示画面の一例の説明図(その1)である。
これにより被験者用ディスプレイの左目画像表示領域の9方向眼位検査用チャート(Hessチャート)の中心の測定点MP1に相当する位置に注視用画像GT1を表示し、右目画像表示領域の一面に任意の色を表示する(ステップS72)。
【0075】
このように被験者用ディスプレイ24の表示画面24Dには、9方位眼位検査用チャートが表示されずに注視用画像GT1のみが表示されているので、従来のように9方位眼位検査用チャート上の測定点を注視してもらう場合と比較して被験者は他に注意を引かれることなくテストに集中することができ、より測定精度の向上が図れる。
【0076】
この状態でオペレータは、被験者に注視用画像GT1を注視するように指示を行う。
【0077】
オペレータ用ディスプレイ37の表示画面37の左画像表示領域HCLには、9方位眼位検査用チャート、注視位置特定画像TMP及び左目の注視位置画像MML1が表示され、右画像表示領域には、9方位眼位検査用チャート、注視位置特定画像TMP及び被験者の右目の注視位置画像MMR1が表示されている。
【0078】
さらにオペレータ用ディスプレイ37の表示画面37Dの下部の左眼球表示領域EBL及び右眼球表示領域EBRには、被験者の眼球の撮像画像が表示される。
これらと並行してオペレータ用ユニット12のMPU31は、左目の注視位置画像MML1及び右目の注視位置画像MMR1の中心位置が所定の停留時間、所定の停留範囲内にとどまっているか否かの停留判定を行い、停留していたと判定された場合には、測定点MP1に相当する測定データとして取得し、測定マークとして、注視位置画像MML1、MMR1と同一の画像(あるいは所定の測定マーク画像)を表示することとなる(ステップS73)。
【0079】
測定点MP1に相当する測定データの取得が完了すると、オペレータ用ユニット12のMPU31は、全ての測定点(=MP1[第1回目]〜MP9、MP1[第2回目])の測定が完了したか否かを判別する(ステップS74)。
ステップS74の判別において、現時点では、測定が完了していないので、15°の測定点MP2を次の測定点として設定し、処理を再びステップS72に移行し、同様に測定データを取得する。
【0080】
図14は、オペレータ用ディスプレイにおける右目の9方位眼位検査時の表示画面の一例の説明図(その2)である。
オペレータ用ディスプレイ37の表示画面37の左画像表示領域HCLには、9方位眼位検査用チャート、注視位置特定画像TMP及び左目の注視位置画像MML2が表示され、右画像表示領域には、9方位眼位検査用チャート、注視位置特定画像TMP及び被験者の右目の注視位置画像MMR2が表示されている。
【0081】
さらにオペレータ用ディスプレイ37の表示画面37Dの下部の左眼球表示領域EBL及び右眼球表示領域EBRには、被験者の眼球の撮像画像が表示される。
これらと並行してオペレータ用ユニット12のMPU31は、左目の注視位置画像MML2及び右目の注視位置画像MMR2の中心位置が所定の停留時間、所定の停留範囲内にとどまっているか否かの停留判定を行い、停留していたと判定された場合には、測定点MP2に相当する測定データとして取得し、測定マークMML2を表示することとなる。
【0082】
測定点MP2に相当する測定データの取得が完了すると、オペレータ用ユニット12のMPU31は、15°の測定点MP3〜MP9についても同様に測定データを取得する(ステップS72〜S74)。
そして、オペレータ用ユニット12のMPU31は、測定点MP9の測定データの取得が完了すると、再び測定点MP1に注視用画像GT1を表示して同様に測定データを取得する。
【0083】
そして、ステップS74の判別において、測定が完了したと判別すると(ステップS74;Yes)、オペレータ用ユニット12のMPU31は、測定点MP1(第1回目測定分)→測定点MP2→…測定点MP9→測定点MP1(第2回目測定分)を順次直線で結んだ測定結果図形を表示する(ステップS76)。
【0084】
この場合において、測定点MP1の第1回目測定分と、測定点MP1の第2回目測定分と、が所定の閾値差以上異なっている場合には、要再検査として再度検査を行う。
ここで、オペレータ用ユニット12のMPU31は、オペレータ用ディスプレイの表示画面に軽度の麻痺などにより異常が十分に検出されていないか否かを問い合わせる画面を表示し、異常が十分に検出されていないとされた場合には、さらにオペレータ用ユニット12のMPU31は、30°の測定点についても15°の測定点MP1〜MP9と同様のデータを取得することとなる。
【0085】
{5.2}第2視機能検査
第1視機能検査としての右目の9方位眼位検査が終了すると、第1視機能検査と同様の手順で第2視機能検査としての左目の9方位眼位検査の開始を指示し(ステップS71)、上述したステップS72〜ステップS76の手順と同様にして、第2視機能検査としての左目の9方位眼位検査が終了する
【0086】
{6}検査結果提示
図15は、測定結果図形の表示例の説明図(その1)である。
測定点MP1の第1回目測定分と、測定点MP1の第2回目測定分と、が所定の閾値差以内で収まっている場合には、測定結果は信頼性があるものとして、オペレータ用ユニット12のMPU31は、測定点MP1(第1回目測定分)→測定点MP2→…測定点MP9→測定点MP1(第2回目測定分)を順次直線で結んだ測定結果図形を表示する。
【0087】
より具体的には、
図15の例の場合、オペレータ用ディスプレイ37の表示画面37Dの左側には左目に対応する左目9方位眼位検査結果画面HCLRが表示され、表示画面37Dの右側には右目に対応する右目9方位眼位検査結果画面HCRRが表示される。
【0088】
図15に示す表示例によれば、従来の紙の9方位眼位検査結果と同様の表示がなされており、これをプリンタ38によりプリントアウトすれば、従来と同様のチャートを得ることが可能となる。
【0089】
図16は、測定結果図形の表示例の説明図(その2)である。
図15の場合においては、両眼の9方位眼位検査結果を視覚的に比較するのは容易ではないが、
図16に示すように、両眼の9方位眼位検査結果を一つの両眼9方位眼位検査結果画面HCRAに表示することにより、容易に比較することが可能となる。
【0090】
以上の説明のように、本実施形態によれば、検査者であるオペレータが被験者が実際にどの位置を注視位置として検査がなされているのかを把握することが容易となり、検査者が指示した注視位置を確実に注視させて検査を行うことができ、検査の信頼性を容易に確保できる。
したがって、幼児等の検査を行う場合であっても、被験者がオペレータの指示に従っているのかを確実に把握できる。
【0091】
[1.1]第1実施形態の変形例
以上の説明においては、視軸のキャリブレーションを左右の眼で別個に行っていたが、本変形例は、左右眼同時で視軸キャリブレーションを行う場合のものである。
図17は、左右眼同時の視軸キャリブレーション処理の説明図である。
オペレータがキーボードあるいはマウスを操作することにより、右目視軸の決定処理を指示すると、オペレータ用ユニット12のMPU31は、
図17(A)に示すように、マルチメディアインタフェース35、マルチメディアインタフェース25及び音/映像分離部26を介して被験者用ディスプレイ24の表示画面24Dの右目用画像表示領域ARRに、被験者が右目で注視するための注視用画像GTRを表示し、左目用画像表示領域ARLに、被験者が左目で注視するための注視用画像GTLを表示する。
【0092】
このとき、オペレータは、被験者に注視用画像GTR、GTLを注視するように促す。
これにより、オペレータ用ユニット12のMPU31は、右目及び左目の視軸推定を行う。
【0093】
したがって、推定した右目及び左目の視軸に基づいて、オペレータ用ユニット12のMPU31は、オペレータ用ディスプレイ37に視軸の位置を視軸マーク画像GVAR、GVALとして表示することとなる。
【0094】
そしてオペレータ用ユニット12のMPU31は、
図17(B)に示すように注視用画像GTRと視軸マーク画像GVARとが不一致している場合には、オペレータがマウスを操作し、キャリブレーションの指示を行うと、
図17(C)に示すように、視軸マーク画像GVARが注視用画像GTRに一致するようにキャリブレーションがなされる。
【0095】
同様にオペレータ用ユニット12のMPU31は、
図17(B)に示すように注視用画像GTLと視軸マーク画像GVALとが不一致している場合には、オペレータがマウスを操作し、キャリブレーションの指示を行うと、
図17(C)に示すように、視軸マーク画像GVALが注視用画像GTLに一致するようにキャリブレーションがなされる。
【0096】
以上の説明のように本変形例によれば、両眼について同時に視軸のキャリブレーションを行うことができ、検査時間の短縮に貢献することができる。
【0097】
以上の説明においては、注視用画像と視軸マーク画像とが不一致している場合には、オペレータがマウスを操作し、キャリブレーションの指示を行うことにより、視軸マーク画像が注視用画像に一致するようにキャリブレーションがなされるように構成していたが、視軸マーク画像が所定時間、所定範囲内に停留していた場合には、当該停留位置が注視位置であるとして視軸マーク画像が注視用画像に一致するようにキャリブレーションがなされるようにすることも可能である。
【0098】
図18は、停留判定に伴うキャリブレーションの処理フローチャートである。
まずオペレータあるいはオペレータ用ユニット12のMPU31は、停留判定条件を設定する(ステップS81)。
停留判定条件としては、停留範囲の大きさ、停留時間などが挙げられる。
【0099】
停留判定条件が設定されると、オペレータ用ユニット12のMPU31は、推定した被験者の視軸に基づいて被験者の注視位置を検出する(ステップS82)。
続いてオペレータ用ユニット12のMPU31は、注視位置の停留状態を検出する(ステップS83)。
【0100】
次にオペレータ用ユニット12のMPU31は、注視位置が停留判定条件に設定された停留範囲に所定の停留時間以上停留したか否かを判別する(ステップS84)。
ステップS84の判別において、注視位置が停留判定条件に設定された停留範囲に停留していないか、あるいは、停留範囲に停留したが所定の停留時間未満の停留しかしていない場合には(ステップS84;No)、再び処理をステップS82に移行して、上述した処理を行う。
【0101】
ステップS84の判別において、注視位置が停留判定条件に設定された停留範囲に所定の停留時間以上停留した場合には(ステップS84;Yes)、検出状態に応じた動作、例えば、注視点のデータを取得したり、動作モードを遷移させたり、画面遷移を行ったり、音声ガイドなどを開始するなどの動作を行う(ステップS85)。
したがって、本変形例によれば、オペレータが操作を行わなくても所定の処理を行わせることができ、視機能検査におけるオペレータの負担軽減などをはかることができる。
【0102】
[2]第2実施形態
以上の説明においては、第1実施形態として視機能検査装置を例として説明したが、被験者用ディスプレイへの表示を用いて視機能訓練を行う視機能訓練装置について同様に適用することが可能である。
【0103】
具体的には、同一の物が二つに見える両眼復視の状態となっている患者(被訓練者)において、左右の網膜に移った像を融合して(一つにまとめて)単一視する働きである融像機能を訓練する融像訓練装置、立体視をすることによって眼の能力を向上させる立体視訓練(近見訓練[いわゆる交差法]及び遠見訓練[いわゆる平行法])を行う立体視訓練装置等においても、訓練者において被訓練者が実際にどの位置を注視位置として視機能訓練を行っているかを容易に把握し、より一層の視機能訓練効果が得られるように指導を行うことが可能となる。
【0104】
この場合においては、上記説明における検査者(オペレータ)を訓練者、被験者を被訓練者、被験者用ディスプレイを被訓練者用ディスプレイと読み替えるようにし、検査過程を訓練過程に適宜読み替えるようにすればよい。
【0105】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0106】
例えば、以上の説明においては、視機能検査として、9方位眼位検査の場合を例として説明したが、視力検査(片眼遮蔽検査及び両眼解放検査)、同時視検査、融像検査、立体視検査(近見検査及び遠見検査)、視野検査、選好注視法(Preferential looking method)検査、不等像検査等においても同様に適用が可能である。
【0107】
以上の説明においては、9方向眼位検査用チャートとして、正方形状(方眼紙形状)のチャートを用いていたが、従来よく知られている投影用の湾曲した9方向眼位検査用チャートを用いるようにすることも可能である。
【解決手段】視機能検査装置は、被験者用表示装置24と、オペレータ用表示装置37とを、備えており、対象表示部は、被験者用表示装置に被験者の視認の対象画像を表示し、視軸推定部は、対象画像の視認時における被験者の視軸を推定し、位置表示部は、オペレータ用表示装置に検査対象画像の表示位置及び推定した視軸に対応する視点位置を表示する。