(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0013】
図1は、入力システム100の一例を概略的に示す。本実施形態において、入力システム100は、ATM110と、ユーザ端末120とを備える。ユーザ端末120は、通信端末122と、表示端末124とを有する。入力システム100は、秘密情報入力システムの一例であってよい。ATM110は、情報処理装置の一例であってよい。表示端末124は、ウエアラブル端末の一例であってよい。
【0014】
ATM110は、周知の現金自動預け払い機(Automated Teller Machine)であればよく、詳細は特に限定されない。例えば、ユーザ20が、ATM110にカードを挿入すると、ATM110は、ユーザ20に対して暗証番号の入力を要求する。ユーザ20が暗証番号を入力し、認証されれば取引が開始される。
【0015】
本実施形態によれば、ATM110が、ユーザ20に対して暗証番号の入力を要求すると、表示端末124の表示画面に、暗証番号の入力画面が表示される。ユーザ20は、例えば、ジェスチャ入力により、表示された入力画面上で暗証番号を入力する。本実施形態によれば、暗証番号の入力画面を第三者に見られるリスクを低減することができる。特に、表示端末124がウエアラブル端末である場合には、情報漏洩のリスクを更に低減することができる。
【0016】
通信端末122は、ATM110及び表示端末124と情報を送受することができる装置であればよく、詳細については特に限定されない。通信端末122は、パーソナルコンピュータ、携帯端末、無線端末、及びこれらの組み合わせであってよい。携帯端末としては、携帯電話若しくはスマートフォン、ノートブック・コンピュータ若しくはラップトップ・コンピュータ、PDA、タブレット端末、ウェアラブル・コンピュータなどを例示することができる。ウェアラブル・コンピュータとしては、アイウエア型、腕輪型又は指輪型のウェアラブル・コンピュータを例示することができる。
【0017】
表示端末124は、ユーザ20に画像を表示する。表示端末124は、実空間の像に重畳させて、ユーザ20に画像を表示してもよい。本実施形態において、表示端末124は、通信端末122から、ユーザ20に提示すべき画像を受信して、当該画像を表示する。
【0018】
画像を実空間の像に重畳させて表示するとは、(i)光を透過して実空間の像を閲覧者に提供するとともに、閲覧者に対して電子的な画像を表示する透過型ディスプレイにおいて、閲覧者が透過型ディスプレイを通して実空間の像を見た場合に、当該閲覧者により、電子的な画像及び実空間の像が重畳しているように視認される位置に、当該電子的な画像を表示することだけでなく、(ii)実空間の像を撮像して得られた電子的な映像と、電子的な画像とを合成して得られた画像を表示することを示す。電子的な映像は、動画像であってもよく、静止画像であってもよい。
【0019】
表示端末124は、ウェアラブル・コンピュータであることが好ましく、アイウエア型の表示デバイスであることが好ましい。アイウエア型の表示デバイスとしては、ヘッドマウントディスプレイ、メガネ型の表示デバイス、コンタクトレンズ型の表示デバイスなどを例示することができる。表示端末124は、透過型ディスプレイを有してもよい。
【0020】
表示端末124は、ユーザ20を撮像してもよい。撮像された映像を解析することで、ユーザ20のジェスチャを検出することができる。これにより、いわゆるジェスチャ入力(ジェスチャ認識と称される場合がある。)を実現することができる。本実施形態において、表示端末124は、撮像された映像を通信端末122に送信する。
【0021】
ユーザ20のジェスチャとしては、ユーザ20の動作、ユーザ20が装着又は所持しているデバイスの動き、ユーザ20などの視線の動きなどを例示することができる。ユーザ20の動作としては、ユーザ20の指先の動き、ユーザ20の手の形、ユーザ20の腕の形などを例示することができる。なお、ユーザ20のジェスチャの検出方法は、撮像された映像からジェスチャを検出する方法に限定されない。例えば、ユーザ20が、加速度センサ、ジャイロセンサなどを備えたウェアラブル・コンピュータ又は携帯端末を装着又は所持している場合、当該ウェアラブル・コンピュータ又は携帯端末を利用することにより、ユーザ20のジェスチャを検出することができる。
【0022】
入力システム100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。例えば、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、入力システム100の各部として機能する。
【0023】
上記のソフトウエア又はプログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。ソフトウエア又はプログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、ATM110及びユーザ端末120のそれぞれのコンピュータにインストールされてよい。
【0024】
コンピュータを、入力システム100の各部として機能させるプログラムは、入力システム100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、プロセッサ、通信インターフェース等に働きかけて、入力システム100の各部として機能させたり、入力システム100の各部における情報処理方法を実行させたりする。
【0025】
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと、ATM110及びユーザ端末120のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた入力システム100を構築することができる。
【0026】
入力システム100の各部は、一般的な構成の情報処理装置において、入力システム100の各部の動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。入力システム100又はその一部として用いられる情報処理装置は、CPU等のプロセッサ、ROM、RAM、通信インターフェースなどを有するデータ処理装置と、キーボード、タッチパネル、マイクなどの入力装置と、液晶ディスプレイ、透過型ディスプレイ、プロジェクタなどの表示装置と、スピーカなどの出力装置と、メモリ、HDDなどの記憶装置とを備えてよい。上記のデータ処理装置又は記憶装置は、上記のソフトウエア又はプログラムを記憶してよい。
【0027】
本実施形態において、入力システム100を構成する情報処理装置が、ATM110である場合について説明した。しかし、上記の情報処理装置は、本実施形態に限定されない。上記の情報処理装置は、暗証番号、パスワード、入札価格などの秘密情報の入力を必要とする装置であればよく、用途は特に限定されない。他の実施形態において、上記の情報処理装置は、パーソナルコンピュータ、携帯端末などに秘密情報を入力する装置であってよい。
【0028】
図2は、表示端末124を通して視認される映像200の一例を概略的に示す。本実施形態において、表示端末124は、透過型ディスプレイを有する場合を例として、映像200について説明する。
【0029】
映像200は、ATM110及び手22の像を含む。ATM110及び手22の像は、表示端末142を透過してユーザ20に視認される実空間の像である。ATM110は、カード受付部212及び出入金部214を含む。
【0030】
映像200は、表示画面202を含む。表示画面202は、入力画面220を含む。入力画面220には、例えば、数字、文字、記号などを入力するためのボタンの画像が表示される。表示画面202及び入力画面220は、表示端末124に表示される電子的な画像である。これにより、ユーザ20からは、実空間上に仮想的なキーボードが現れたように見える。例えば、ユーザ20が、実空間上で手22を動かして、入力画面220上の数字を押下するような動作をすると、ユーザ20のジェスチャが検出されて、暗証番号が入力される。
【0031】
図3は、ATM110のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、ATM110は、カード受付部212と、出入金部214と、入力要求部310と、要求検出部312と、ユーザ識別部320と、認証部322と、端末識別部324と、トリガ信号送信部330と、秘密情報受信部340と、秘密情報処理部342と、通信制御部360とを備える。秘密情報受信部340は、秘密情報取得部の一例であってよい。
【0032】
ATM110は、通信回線10を介して、格納部30と情報を送受してよい。通信回線10は、無線通信の伝送路であってもよく、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信回線10としては、移動体通信網、無線パケット通信網、インターネット、専用回線及びこれらの組み合わせを例示することができる。
【0033】
格納部30は、情報を記憶できる記憶媒体であればよく、詳細については特に限定されない。格納部30は、仮想サーバ又はクラウドシステム上の記憶領域であってもよい。格納部30は、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報により識別されるユーザの暗証番号とを対応付けて格納してもよい。
【0034】
格納部30は、複数のユーザのそれぞれを識別するユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報により識別されるユーザのユーザ端末を識別する端末識別情報とを対応づけて格納する。ユーザ端末は、ウエアラブル端末であることが好ましい。格納部30は、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報により識別されるユーザの複数のユーザ端末の端末識別情報とを対応付けて格納してよい。
【0035】
カード受付部212は、ユーザ20を認証するためのカード(キャッシュカードと称される場合がある。)を受け付ける。出入金部214は、現金の出入金を実行する。出入金部214は、秘密情報処理部342から、正当な暗証番号が入力されたことを示す情報を受信した場合に、現金の出入金を実行してよい。
【0036】
入力要求部310は、ユーザ20に対して暗証番号の入力を要求する。暗証番号は、秘密情報の一例であってよい。入力要求部310は、例えば、カード受付部212が、ユーザ20のキャッシュカードを受け付けた場合に、ユーザ20に対して暗証番号の入力を要求する。要求検出部312は、暗証番号の入力が要求されたことを検出する。本実施形態において、要求検出部312は、暗証番号の入力が要求されたことを示す情報をトリガ信号送信部330に送信する。
【0037】
ユーザ識別部320は、ユーザ20を識別するユーザ識別情報を取得する。ユーザ識別部320は、例えば、カード受付部212が、ユーザ20のキャッシュカードを受け付けた場合に、キャッシュカードに記憶された情報を参照して、ユーザ識別情報を取得する。本実施形態において、ユーザ識別部320は、取得されたユーザ識別情報を認証部322に送信する。
【0038】
認証部322は、ユーザ識別部320からユーザ識別情報を受信する。本実施形態において、認証部322は、ユーザ識別部320からユーザ識別情報を受信すると、ユーザ端末120に対して、ユーザ端末120の端末識別情報を送信するように要求する。上記の要求に対する応答は、例えば、端末識別部324において受信される。端末識別部324は、ユーザ端末120から、ユーザ端末120の端末識別情報を取得し、認証部322に送信する。
【0039】
認証部322は、端末識別部324からユーザ端末120の端末識別情報を受信すると、ユーザ識別部320から取得したユーザ識別情報をキーとして、格納部30に格納されたユーザ識別情報及び端末識別情報が対応付けられた情報を参照して、ユーザ識別部320から取得したユーザ識別情報に対応付けられた端末識別情報を抽出する。
【0040】
認証部322は、抽出された端末識別情報と、端末識別部324から取得したユーザ端末120の端末識別情報とを比較して、抽出された端末識別情報の中に、ユーザ端末120の端末識別情報が含まれるか否かを判断する。これにより、端末識別部324により取得された端末識別情報が、ユーザ識別部320により取得されたユーザ識別情報に対応付けられているか否かを判断することができる。
【0041】
端末識別部324により取得された端末識別情報が、ユーザ識別部320により取得されたユーザ識別情報に対応付けられている場合、認証部322は、ユーザ端末120を認証する。認証部322は、ユーザ端末120を認証すると、ユーザ端末120を認証したことを示す情報をトリガ信号送信部330に送信する。
【0042】
トリガ信号送信部330は、要求検出部312が要求を検出した場合に、ユーザ端末120にトリガ信号を送信する。本実施形態において、トリガ信号送信部330は、要求検出部312が要求を検出し、認証部322がユーザ端末120を認証した場合に、ユーザ端末120にトリガ信号を送信する。
【0043】
秘密情報受信部340は、ユーザにより入力された秘密情報を取得する。本実施形態において、秘密情報受信部340は、ユーザ端末120から、ユーザ20により入力された暗証番号を受信して、当該暗証番号を取得する。本実施形態において、秘密情報受信部340は、ユーザ端末120がトリガ信号の応答として送信した暗証番号を受信する。
【0044】
秘密情報処理部342は、秘密情報受信部340が受信した暗証番号を表示させることなく、当該暗証番号を処理する。本実施形態において、秘密情報処理部342は、ユーザ識別部320により取得されたユーザ識別情報をキーとして、格納部30に格納されたユーザ識別情報及び暗証番号が対応付けられた情報を参照して、ユーザ識別部320により取得されたユーザ識別情報に対応付けられた端末識別情報を抽出する。秘密情報処理部342は、抽出された暗証番号と、秘密情報受信部340により受信された暗証番号とを照合する。両者が一致した場合、秘密情報処理部342は、出入金部214に対して、正当な暗証番号が入力されたことを示す情報を送信する。
【0045】
通信制御部360は、ATM110と、格納部30及び通信端末122との間の通信を制御する。ATM110は、例えば、有線通信方式又は近距離無線通信方式により、通信端末122との間で情報を送受する。近距離無線通信方式としては、NFC、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、WiMAX(登録商標)などを例示することができる。通信制御部360は、通信インターフェースであってよい。通信制御部360は、複数の通信方式に対応してよい。
【0046】
図4は、ユーザ端末120のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、ユーザ端末120は、端末情報送信部410と、端末情報格納部412と、トリガ信号受信部420と、入力画面生成部430と、表示部440と、入力部450と、秘密情報送信部460と、通信制御部472と、通信制御部474とを備える。入力部450は、撮像部452と、ジェスチャ入力部454とを有する。本実施形態において、表示部440、撮像部452及び通信制御部474が、表示端末124に配される。その他の部材は、通信端末122に配される。
【0047】
端末情報送信部410は、認証部322からの要求に応じて、ユーザ端末120の端末識別情報を、ATM110に送信する。端末情報送信部410は、ユーザ端末120の端末識別情報を、例えば端末識別部324に送信する。
【0048】
端末情報格納部412は、ユーザ端末120の端末識別情報を格納する。端末識別情報としては、ユーザ端末120のMACアドレス、特定のプログラムにより割り当てられた文字列などを例示することができる。
【0049】
トリガ信号受信部420は、トリガ信号送信部330からのトリガ信号を受信する。本実施形態において、トリガ信号受信部420は、トリガ信号を入力画面生成部430に送信する。
【0050】
入力画面生成部430は、トリガ信号受信部420からトリガ信号を受信すると、暗証番号の入力画面を生成する。入力画面生成部430は、生成された入力画面を表示部440に送信する。
【0051】
表示部440は、トリガ信号受信部420がトリガ信号を受信した場合に、ユーザ20に対して入力画面を表示する。本実施形態において、表示部440は、入力画面生成部430から受信した入力画面を表示する。表示部440は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクタなどの表示デバイスであってよい。表示部440は、透過型ディスプレイを有してよい。透過型ディスプレイには、プロジェクタにより映像が投影されてもよい。表示部440は、ユーザ12の目の一部に映像を投影するプロジェクタであってもよい。目の一部は、網膜であってよい。
【0052】
入力部450は、ユーザ20の指示に基づいて暗証番号を入力する。撮像部452は、ユーザ20を撮像する。撮像部452は、ユーザ20のジェスチャを撮像してよい。撮像部452は、ユーザ12の手又は指を撮像するためのカメラと、ユーザ12の目を撮像するためのカメラとを含んでもよい。なお、撮像される映像は、静止画像であってもよく、動画像であってもよい。撮影される映像は動画像であることが好ましい。撮像部452は、撮像した映像をジェスチャ入力部454に送信する。
【0053】
ジェスチャ入力部454は、撮像部452により撮像された映像を解析して、ユーザ20のジェスチャを検出する。ジェスチャ入力部454は、検出されたジェスチャに基づいて、暗証番号を入力する。ジェスチャを検出する方法(ジェスチャ認識と称される場合もある。)は特に限定されず、周知の方法を利用することができる。しかし、本実施形態においては、上記のような用途において、ジェスチャ認識を利用することにより、ユーザ20に全く新しい価値を提供することができる。秘密情報送信部460は、入力部450が入力した暗証番号をATM110の秘密情報受信部340に送信する。
【0054】
通信制御部472及び通信制御部474は、通信端末122及び表示端末124における通信を制御する。通信端末122及び表示端末124は、例えば、有線通信方式又は近距離無線通信方式により情報を送受する。近距離無線通信方式としては、NFC、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、WiMAX(登録商標)などを例示することができる。通信制御部472は、通信端末122及びATM110における通信を制御する。通信制御部472及び通信制御部474は、通信インターフェースであってもよい。通信制御部472及び通信制御部474は、複数の通信方式に対応していてもよい。
【0055】
図5は、ATM510のシステム構成の一例を概略的に示す。
図1に関連して説明した入力システム100において、ユーザ20は、ユーザ端末120の表示端末124に表示された入力画面を参照しながら、ジェスチャ入力により、暗証番号を入力した。また、ATM110は、秘密情報受信部340を備え、ユーザ端末120から、ユーザ20により入力された暗証番号を取得した。
【0056】
本実施形態において、ATM510は、秘密情報受信部340の代わりに入力部550を備える点で、ATM110と相違する。本実施形態によれば、ユーザ20は、ユーザ端末120の表示端末124に表示された入力画面を参照しながら、入力部550に暗証番号を入力する。ATM510は、上記の相違点を除いて、ATM110と同様の構成を有してよい。
【0057】
入力部550は、タッチパネルであってもよく、物理的なキーボードであってもよい。タッチパネルは、液晶ディスプレイなどの表示装置を備えてもよい。入力部550がタッチパネルである場合、入力部550は、タッチパネルの表示装置に、表示端末124に表示された入力画面と同一又は類似する形状のソフトウエアキーボードを表示させてもよい。なお、上記の物理的なキーボード及びソフトウエアキーボードには、文字、数字又は記号が表示されていなくてもよい。また、上記の物理的なキーボード及びソフトウエアキーボードに表示される文字、数字又は記号は、表示端末124に表示された入力画面に表示される文字、数字又は記号とは異なってもよい。これにより、暗証番号の入力操作を第三者に見られたとしても、暗証番号が漏洩するリスクを低減することができる。
【0058】
入力部550は、入力画面生成部430から、入力画面に関する情報を取得してよい。これにより、入力部550が、入力画面生成部430から取得した入力画面に関する情報に基づいて、物理的なキーボード又はソフトウエアキーボードへの入力操作と、当該入力操作により入力される情報とを対応づけることができる。
【0059】
図6は、表示端末124を通して視認される映像600の一例を概略的に示す。映像600は、表示画面602を含む。表示画面602は、入力画面220を含む。上記以外の点については、映像600は、映像200と同様の構成を有してよい。本実施形態によれば、入力画面生成部430は、任意の位置に入力画面220を生成する。
図6に示すように、入力画面220と、入力部550とは重畳しなくてもよい。入力部550がハードウエアのキーボードを含む場合、入力画面生成部430は、入力画面220に表示されるソフトウエアキーボードのボタンの形状及び配列は、入力部550に配されたハードウエアのキーボードの形状及び配列と同一であってよい。ユーザ20は、入力画面220を参照することで、入力部550に暗証番号を入力することができる。
【0060】
図7は、表示端末124を通して視認される映像700の一例を概略的に示す。映像700は、表示画面702を含む。表示画面702は、入力画面220を含む。映像700は、入力部550及び入力部550に表示されたソフトウエアキーボード720の像を含む。入力部550及びソフトウエアキーボード720の像は、表示端末142を透過してユーザ20に視認される実空間の像である。上記以外の点については、映像700は、映像200と同様の構成を有してよい。
【0061】
本実施形態において、ソフトウエアキーボード720と、入力画面220とは、同一のキー配列を有する。また、入力画面220には、数字、文字、記号などが表示されているが、ソフトウエアキーボード720には、数字、文字、記号などが表示されていない。この場合であっても、ユーザ20は、入力画面220を参照することで、入力部550に暗証番号を入力することができる。
【0062】
図8は、表示端末124を通して視認される映像800の一例を概略的に示す。映像800は、表示画面802を含む。表示画面802は、入力画面220を含む。映像700は、入力部550、ソフトウエアキーボード720及びATM510に配されたマーカ804の像を含む。入力部550、ソフトウエアキーボード720及びマーカ804の像は、表示端末142を透過してユーザ20に視認される実空間の像である。本実施形態において、入力画面生成部430は、入力画面220が、ソフトウエアキーボード720上に重畳するように、入力画面220を生成する。上記以外の点については、映像800は、映像700と同様の構成を有してよい。
【0063】
マーカ804は、表示端末124が電子的な画像を実空間の像に重畳させて表示する場合において、当該電子的な画像の表示位置を決定するための基準点として利用される。マーカ804は、少なくとも実空間における形状が、予め定められていることが好ましい。マーカ804は、大きさ及び形状が予め定められていてもよい。マーカ804は、模様、色彩及びこれらの組み合わせが施されていてもよい。本実施形態において、マーカ804が、ATM510に配される場合について説明した。しかし、マーカ804は本実施形態に限定されない。マーカ804は、ATM510に配された表示装置に表示されてもよい。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0065】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。