(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6403986
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】自動車のフロントガラス拭きシステムを構築するためのアセンブリおよびこのアセンブリを含む接続デバイス
(51)【国際特許分類】
B60S 1/46 20060101AFI20181001BHJP
B60S 1/40 20060101ALI20181001BHJP
B60S 1/38 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
B60S1/46 A
B60S1/40 B
B60S1/38 E
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-98718(P2014-98718)
(22)【出願日】2014年5月12日
(65)【公開番号】特開2014-223906(P2014-223906A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2017年3月30日
(31)【優先権主張番号】1354269
(32)【優先日】2013年5月13日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド、カイユ
(72)【発明者】
【氏名】ドニ、テボー
【審査官】
森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−503566(JP,A)
【文献】
特表2009−534242(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02460700(EP,A1)
【文献】
特表2006−525903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00−1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパー(9)を動かすように構成されたワイパーアーム(7)の端部取付具(5)を含む、自動車のフロントガラス拭きシステム(3)を構築するためのアセンブリ(1)であって、
前記アセンブリは、液圧および/または電気コネクタを有するインタフェース(11)をさらに含み、
前記端部取付具(5)は、前記ワイパーアーム(7)と前記ワイパー(9)との間の回転を許容するアダプタ(13)を受けるように構成され、
前記端部取付具(5)は、前記インタフェース(11)を内部に収容し、前記端部取付具(5)は、第1のポジションにおいて、前記端部取付具(5)から少なくとも1つの折り返しタブ(43、43’)を介して、前記インタフェース(11)が前記端部取付具(5)に対して配向された態様で前記インタフェース(11)と係合するように構成され、前記ワイパーアーム(7)への前記ワイパー(9)の接続解除および/または接続を可能にし、
前記インタフェース(11)は、前記係合が外れた、前記拭きシステム(3)の第2のポジションから前記第1のポジションへ、前記端部取付具(5)に対して回転可動である、アセンブリ(1)。
【請求項2】
ワイパー(9)を動かすように構成されたワイパーアーム(7)の端部取付具(5)を含む、自動車のフロントガラス拭きシステム(3)を構築するためのアセンブリ(1)であって、
前記アセンブリは、液圧および/または電気コネクタを有するインタフェース(11)をさらに含み、
前記端部取付具(5)は、前記ワイパーアーム(7)と前記ワイパー(9)との間の回転を許容するアダプタ(13)を受けるように構成され、
前記端部取付具(5)は、前記インタフェース(11)を内部に収容し、前記端部取付具(5)は、第1のポジションにおいて、前記端部取付具(5)から少なくとも1つの折り返しタブ(43、43’)を介して、前記インタフェース(11)が前記端部取付具(5)に対して配向された態様で前記インタフェース(11)と係合するように構成され、前記ワイパーアーム(7)への前記ワイパー(9)の接続解除および/または接続を可能にし、
前記端部取付具(5)は、前記端部取付具(5)との前記インタフェース(11)の前記係合時に前記インタフェース(11)のピン(47)の係合を許容するオリフィス(45)が設けられた少なくとも1つのタブ(43)を備える、アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記インタフェース(11)と前記端部取付具(5)との係合は、第1の点に対応する、請求項1または2に記載のアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記端部取付具(5)は、本体(41)を備え、前記本体(41)は、アセンブリによって、前記係合時に前記インタフェース(11)を前記本体に取り付けるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記本体(41)は、並進運動によって前記アダプタ(13)を受けるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記タブ(43)は、前記端部取付具(5)内に配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記端部取付具(5)は、前記端部取付具(5)との前記インタフェース(11)の前記係合時に、前記インタフェースの少なくとも一部(47’)を受けるように形作られた少なくとも1つのタブ(43’)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の前記アセンブリ(1)を含む車両のフロントガラス拭きシステム(3)の接続デバイス(12)であって、
前記ワイパーを前記ワイパーアーム(7)に取り付けるために前記ワイパー(9)に固定されるように構成された機械コネクタ(15)と、
前記ワイパー(9)と前記アーム(7)との間の回転を許容するように前記機械コネクタ(15)に連接されるように構成された前記アダプタ(13)と、
を含み、
前記アダプタ(13)は、前記端部取付具(5)に挿入されるように構成される、接続デバイス(12)。
【請求項9】
前記機械コネクタ(15)は、前記インタフェース(11)への前記ワイパー(9)の液圧および/または電気接続を許容するように構成される、請求項8に記載の接続デバイス(12)。
【請求項10】
前記アダプタ(13)は、前記端部取付具(5)の開口部(25)において協働するロックボタン(23)を備える、請求項8または9に記載の接続デバイス(12)。
【請求項11】
前記機械コネクタ(15)は、前記インタフェース(11)を支持するように構成される、請求項8から10のいずれか一項に記載の接続デバイス(12)。
【請求項12】
ワイパー(9)と、
ワイパーアーム(7)と、
前記ワイパー(9)を前記ワイパーアーム(7)に取り付けるための、請求項8から11のいずれか一項に記載の接続デバイス(12)と、
を含む、車両のフロントガラス拭きシステム(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、車両機器の分野に関し、特に、自動車のウインドウを払き取るための機器の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、通常、フロントガラスを洗浄して運転者の周囲環境視野の妨げを防止するためのフロントガラス拭きシステムが装備されている。作業ポジションにおいて、これらのフロントガラスワイパーは、従来、前後の角運動を行うワイパーアームによって駆動され、弾性材料で作られたワイパーブレードを保持する細長いワイパーを含む。これらのブレードは、フロントガラスに擦りつけられ、運転者の視野から水を排除する。ワイパーは、複数の別個の場所でワイパーブレードを保持する従来の形態の連接式の支持バーか、またはワイパーブレードを全長にわたって保持する半剛性アセンブリであるより最新式の、いわゆる、「フラットブレード」形態のいずれかで製造される。いずれの解決策でも、ワイパーは、機械コネクタおよびアダプタからなるアセンブリによってワイパーアームに取り付けられる。機械コネクタは、支持バーに圧着されるか、またはフラットワイパーに直接圧着される部品であり、アダプタは、コネクタをワイパーアームに固定するための中間部品である。これらの2つの部品は、フロントガラスに対して垂直方向にワイパーアームを貫通する平面において、これらの2つの部品が相対的に回転できるようにする横断シャフトによって互いに接続される。
【0003】
また、ボンネットの下方に設置されたタンクからフロントガラス洗浄液を供給し、洗浄液をより良好に分配するために、フロントガラス付近またはフロントガラスワイパー自体に設置されたノズルを介してフロントガラスの方向に洗浄液を吹き付けるための装置が車両に設けられることが知られている。ノズルがワイパーに設置される場合、フロントガラス洗浄液はパイプを介して供給され、パイプは、ワイパーアームに固定され、機械コネクタのレベルで接続インタフェースを介してワイパーに接続される。接続インタフェースは、適切な終端部によって機械コネクタに固定され、機械コネクタに必要なシールをなす。
【0004】
一般に、洗浄液パイプおよび接続インタフェースはワイパーアームに接続されるが、接続インタフェースはワイパーに接続されているため、ワイパーの交換時には接続インタフェースを機械コネクタに接続する必要がある。この操作は、いわゆる、サービスポジションにて行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
接続インタフェースは、機械コネクタに据え付ける際、正確に位置合わせさせる必要があり、不正確に組み付けられると、フロントガラス洗浄液の漏れおよび/または2つのコネクタの接合レベルでの電気絶縁欠陥の危険をもたらしうる。
【0006】
さらに、重要なのは、ワイパーアームに対するワイパーの連結または装着を解除する間、接続インタフェースは、ワイパーアームに取り付けられたままであることである。これにより、ワイパーをワイパーアームから分離する動きの間、接続インタフェースは、機械コネクタによって同行されない。
【0007】
しかしながら、ワイパーをアームに装着した後、接続インタフェースは、特に、拭きシステムが再度作業ポジションにあるとき、機械コネクタに対するアダプタの回転運動の必要な自由度を制限することができない。
【0008】
このため、ワイパーアームに取り付けられた部品にある開口に接続インタフェースをクリッピングすることによって接続インタフェースがサービスポジションに保持されている既知のフロントガラスワイパーが知られている。しかしながら、これには製造やアームへの組み立てが比較的複雑な中間部品が必要になる。
【0009】
本発明の目的は、これらの欠点のいくつかまたはすべてを解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明は、ワイパーを動かすように構成されたワイパーアームの端部取付具を含む自動車フロントガラス拭きシステムを構築するためのアセンブリであって、接続インタフェースをさらに含み、特に、前記ワイパーへの液体の供給および/または前記液体の加熱を行うための液圧および/または電気コネクタをさらに含み、前記端部取付具は、前記アームと前記ワイパーとの間の回転を許容するアダプタを受けるように構成され、前記接続インタフェースを内部に受けるアセンブリに関する。
【0011】
本発明によれば、前記端部取付具は、いわゆる、サービスポジションに、端部取付具からの同じ材料の少なくとも1つの折り返しタブを介して、端部取付具に対して配向させて前記接続インタフェースを係合するように構成され、アームへのワイパーの接続解除および/または接続を可能にする。
【0012】
このように、接続インタフェースは、前記ワイパーをアームに接続解除および接続するために、アームの適所に割出しされて中間部品なしでサービスポジションに配向させて不動にされる。前記サービスポジション以外では、前記アセンブリは、前記接続インタフェースが端部取付具に対して自由になるように構成される。前記端部取付具は、アームに対するワイパーの動きによって、例えば、アームに対するワイパーの回転によって係合が得られるように構成される。
【0013】
このように、係合は所定の位置、好適には、アームに対してワイパーをゼロまたはほぼゼロ、場合によっては、マイナスのほぼ垂直の角度に相当する位置において得られ、これにより、前記係合が作業ポジションと干渉しないため、アームに対するワイパーの回転を制限しないようにすることができる。
【0014】
前記係合位置は、好適には、ユーザによって知覚され、特に、サービスポジションを決定するハードロック点の存在によって知覚される。
【0015】
本発明によれば、以下の特性は、別々に、または組み合わせて用いることができる。
−前記端部取付具は、本体を備え、前記本体は、前記本体の材料由来の形状を有するアセンブリによって、前記係合時に前記接続インタフェースを前記本体に確実に取り付けるように構成される。
−端部取付具および前記接続インタフェースは、前記係合により、例えば、クリッピングによって確実に組み合わせることができる相補的な形状をもたせて設けられる。
−前記端部取付具は、端部取付具の内側に向いた少なくとも1つの折り返しタブを有し、少なくとも1つの折り返しタブは、端部取付具と同じ材料のものである。
−前記本体は、特に、端部取付具の長手方向拡張部の軸での並進運動によって前記アダプタを受けるように構成される。
−前記本体は、可逆的に、例えば、引き込み式のロックボタンによって、前記アダプタが前記端部取付具に固定されるように構成される。
−前記端部取付具は、前記接続インタフェースと前記端部取付具とが係合時に接続インタフェースのピンと係合するようにされたオリフィスが設けられた少なくとも1つのタブを備える。
−前記タブには、接続インタフェースと端部取付具とが係合すると、接続インタフェースのボイドまたはオリフィスと係合するピンが設けられる。
−前記タブは、端部取付具内に配置されるため、視認できない。
−前記タブは、端部取付具の上部、すなわち、ワイパーとは反対になるようにされた端部取付具の一部に形成され、これは、中間部品には好ましい。
−前記タブは、引き込み式のロックボタンを受けるオリフィスを形成する前記本体の壁を切断することによって得られる。
−前記ピンは、前記係合に対応する切り込みまたは変形を含む。
−前記タブは、端部取付具の側面部に形成される。
−前記タブは、端部取付具の本体の壁の切断および折り返しによって得られる。
−前記アセンブリは、2つのタブを備え、端部取付具の側面部に各々形成され、端部取付具の中間長手平面に対して互いに対称的である場合がある。
−前記接続インタフェースは、接続インタフェースと端部取付具との前記係合により、1つまたは複数の前記タブと協働するような形状の少なくとも1つのスナッグを備える。
−前記接続インタフェースは、例えば、液圧および/または電気コネクタを備える。
【0016】
また、本発明は、上述したような前記アセンブリを含む車両フロントガラス拭きシステムの接続デバイスであって、前記機械コネクタをワイパーアームに取り付けるために前記ワイパーに機械コネクタが固定されるように構成され、前記アダプタは、ワイパーとアームとの間の回転を許容するように前記機械コネクタに連接されるように構成され、前記アダプタは、前記端部取付具に挿入されるように構成される接続デバイスに関する。
【0017】
前記端部取付具、前記アダプタおよび/または前記機械コネクタは、一方を他方に挿入する際、前記端部取付具において機械コネクタおよび/またはアダプタを誘導するように、特に、並進させて誘導するように相互に構成される。前記機械コネクタは、ワイパーが前記接続インタフェースに液圧および/または電気接続が可能なようにさらに構成される。
【0018】
本発明により、ワイパーの交換時、サービスポジションにおいて前記接続インタフェースおよび前記機械コネクタを位置合わせすることができる。作業ポジションにおいて、機械コネクタが液圧コネクタおよび/または電気コネクタを支持することができるようにされる。
【0019】
ワイパーアームへの機械コネクタの接続のロックは、端部取付具にこの目的のために設けられた開口において協働するアダプタのロックボタンを介して、アダプタによって確保される。
【0020】
本発明はまた、ワイパーと、ワイパーアームと、ワイパーをワイパーアームに接続し、ワイパーおよびワイパーアームを、液圧により、および/または電気的に接続するための上述したような接続デバイスとを含む車両フロントガラス拭きシステムに関する。
【0021】
本発明は、以下によりさらに深く理解され、添付の図面を参照しながら説明的および非制限的な目的の実施例によって与えられた本発明の複数の実施形態を以下に詳細に説明的に記載する過程で、本発明の他の目的、詳細、特徴および利点がより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の1つの実施形態による接続デバイスを含む自動車の拭きシステムの全体斜視図である。
【
図3】作業ポジションにある本発明の第1の実施形態による車両フロントガラス拭きシステムの接続デバイスの長手断面略図である。
【
図4】サービスポジションにあるこの接続デバイスの長手断面斜視図である。
【
図6】接続デバイスの機械コネクタの接続解除を示す
図5に類似した図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態による接続デバイスの端部取付具の斜視図である。
【
図8】サービスポジションにある第2の実施形態による接続デバイスの長手断面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面は、本発明を詳細に開示したものであり、当然ながら、必要に応じて、本発明をより良好に規定する役割を果たすこともあることに留意されたい。
【0024】
本明細書の以下の記載において、長手および横断という用語は、フロントガラスワイパーが装着されるワイパーアームの向きを指す。長手方向は、ワイパーアームが延伸するワイパーアームの主軸に相当し、横断の向きは、同時発生の直線分、すなわち、長手方向と交わり、特に、ワイパーアームの長手軸に対して垂直な線分に相当する。長手方向に関して、前方という用語は、ワイパーアームの近位端から遠位端に向かう方向を示し、後方という用語は、その反対方向を示す。さらに、上側および下側と呼ばれる方向は、ワイパーアームの回転平面に対して垂直の向きに相当し、下側という用語は、フロントガラスの平面を含む。
【0025】
最後に、同一の参照番号は、同一または類似した要素を示すために使用される。
【0026】
図1および
図2に示すように、本発明は、ワイパー9およびワイパーアーム7を含む拭きシステム3に関する。ワイパー9は、自体公知の上述したようなフラットワイパーである。前記システムは、ワイパー9をアーム7に接続するためのデバイス12をさらに含む。
【0027】
前記接続デバイス12の実施形態の要素をさらに詳細に記載するために、以下、
図8が参照されうる。接続デバイスは、アダプタ13と、機械コネクタ15とを備え、同図に示すアダプタ13および機械コネクタ15は、これらの図の該当する本発明の第2の実施形態に対してのみ適したものではなく、第1の実施形態にも、より一般には、図示していない他の実施形態にも適したものである。
【0028】
前記アダプタ13は、ワイパー9とワイパーアーム7と間の回転を許容する。実際に、ワイパーは、ワイパーが拭き対象のウインドウの湾曲に沿うことができるように、ワイパーアームに対して、より詳細には、前記アーム7の端部取付具5に対して少なくとも1回転自由度を有する必要がある。前記アダプタ13は、機械コネクタ15に連接され、機械コネクタ15は、この目的のために横断側面にピン17を含み、前記ピンは、前記アダプタの横断側面にあるオリフィス19と協働する。機械コネクタ15は、例えば、アダプタのヨーク21に挿入される。
【0029】
アダプタ13は、端部取付具5に固定目的で設けられた凹部25と協働する引き込み式のロックボタン23によってアダプタが可逆的に固定される位置である端部取付具5に隣接した使用位置にくるように、端部取付具5が延伸する長手軸dに沿った並進運動によって端部取付具5に挿入されるように構成される。この位置において、前記端部取付具5はアダプタ13を覆う。引き込み式ボタン23および/または凹部25は、ここでは、前記アダプタ13および前記端部取付具5のそれぞれの上側部分にあり、前記ボタン23は、アダプタの可撓性ラグ27の後方端部に位置する。さまざまなロックの変形例が可能である。
【0030】
ここで、端部取付具5の形状は、逆「U」字状であり、この「U」字の開口部はフロントガラスと対面する。アダプタ13のヨーク形状21は、例えば、端部取付具に収容されるように、端部取付具5の内部容積と相補的である。ワイパー9がワイパーアーム7に配置されると、アダプタは、開口部29を介して開口部の遠位端で前記端部取付具に挿入され、横断側面のリム31(
図7)によって端部取付具に並進誘導される。
【0031】
ワイパー9に固定された機械コネクタ15、または、好ましくは、アダプタ13は、端部取付具5の前方部分を閉鎖するキャップと呼ばれる外壁33を有してもよい。
【0032】
以上のことから、本発明によれば、本発明はまた、拭きシステム3を構築するためのアセンブリ1に関する。前記アセンブリは、アーム7の端部取付具5と、この端部取付具5に収容された接続インタフェース11とを含む。ここで、前記接続インタフェース11は、以下、液圧および/または電気コネクタとも呼ぶ、互いに固定される場合がある液圧コネクタ37および/または電気コネクタ39を含む。前記接続インタフェース11は、ワイパー9に液体を供給するために、および/または、液体および/またはワイパーを加熱するために使用される。
【0033】
内面と呼ばれるキャップ33と反対の面は、前記液圧および/または電気コネクタ11に面する。
【0034】
ここで、機械コネクタ15は、フロントガラス洗浄液をワイパーに分配するための内部通路53に続く液圧コネクタ37の対応する差込み部51に機械コネクタを接続するためのオリフィス40と、電気コネクタ39の端子44を接続するためのオリフィス42とを含む。特に、液圧コネクタの1つまたは2つの差込み部51および/またはワイパーの1つまたは2つの内部チャネル53のそれぞれに対応する1つまたは2つの接続オリフィス40が存在しうる。
【0035】
前記端部取付具5は、アーム7へのコネクタ11の接続解除および/または接続が可能な位置、すなわち、サービスポジションにおいて、端部取付具5に対して配向された態様で前記液圧および/または電気コネクタ11と係合するように構成される。
【0036】
より詳細には、前記端部取付具5は、本体41の異なる部品とコネクタ11とのアセンブリによって、および/または、液圧および/または電気コネクタ11との本体41の材料由来の形状を有するアセンブリによって、前記係合時に前記液圧および/または電気コネクタ11を端部取付具にしっかりと取り付けるように構成された本体41を備える。
【0037】
端部取付具5および前記液圧および/または電気コネクタ11は、前記係合時に、例えば、クリッピング、ピンチング等によって固定して組み立てられるような相補的な形状で設けられてもよい。異なる実施形態の方法に共通して、アーム7の端部取付具5は、液圧および/または電気コネクタ、すなわち、接続インタフェース11を保持するように配置された端部取付具5から折り畳まれた少なくとも1つの折り返しタブ43、43’を有する。
【0038】
図3から
図6に示す第1の実施形態によれば、端部取付具5は、液圧および/または電気コネクタのピン47の係合、ひいては、端部取付具5との液圧および/または電気コネクタの前記係合を可能にするためのオリフィス45が設けられた折り返しタブ43を備える。さらに詳しく言えば、ピン47は、液圧コネクタ37上に形成され、および/または、電気コネクタ39を液圧コネクタに固定して取り付けるように電気コネクタ39に装着される。
【0039】
前記タブ43は、端部取付具5内に配置されるため、視認できない。タブは、端部取付具の上部、特に、その中央部に形成される。タブは、前記ボイド25を形成する端部取付具の本体41の壁を切断し折り畳むことで得ることもできる。
【0040】
ここで、
図7および
図8に示す第2の実施形態による端部取付具5は、液圧および/または電気コネクタと端部取付具との前記係合時に、例えば、クリッピングによって、前記液圧および/または電気コネクタの少なくとも1つのスナッグ47’と係合するような形状の少なくとも1つのタブ43’を備える。
【0041】
前記タブ43’は、例えば、端部取付具5の内部の方へ折り畳まれ、したがって、視認できない状態で、特に、端部取付具5の側面部に形成される。
【0042】
ここで、前記タブは、本体41の壁、特に、端部取付具5の側縁を切断し折り畳むことで得られる。
【0043】
図示した前記アセンブリ1は、好適には、2つのタブ43’を備え、各タブは、端部取付具5の側面部に、端部取付具の中央長手面Pに対して互いに対称的に形成される。タブ43’は、液圧および/または電気コネクタのスナッグ47’と係合すると互いに協働し、好ましくは、各タブは、タブの上部にある互いに対向するボイド49に2つのスナッグ47’を受け入れる。前記タブ43’は、前記クリッピングに有利な斜面を有しうる。
【0044】
前記タブ43、43’は、機械コネクタに対してアダプタの回転軸から一定距離の位置に設けられる。
【0045】
前記係合は、好適には、端部取付具の長手拡張部dの軸方向に対して平行な液圧および/または電気コネクタの位置において得られ、すなわち、端部取付具5および液圧および/または電気コネクタの差込み部51またはプラグ44が端部取付具の長手拡張部dの前記方向に配置されるときに得られる。
【0046】
前記端部取付具5は、端部取付具5および前記液圧および/または電気コネクタの前記係合を分離することができるようにさらに構成される。言い換えれば、液圧および/または電気コネクタの係合位置は、拭きシステム3の作業ポジションを回復させるために、この目的のためにワイパーに圧力をかけて、アーム7に対してワイパー9を回転することによって離れうる。
【0047】
このように、前記係合は、わずかな力をかけて前記アーム7に対してワイパー9を移動させることによって、および/または、同様に、拭きシステムを作業ポジションに切り換えるために分離することで得られる。
【0048】
上述した実施形態において、作業ポジションにおいて、端部取付具に液圧および/または電気コネクタの支持部品がないことに留意されたい。対照的に、液圧および/または電気コネクタは、前記機械コネクタ15によって、特に、液圧および/または電気コネクタのフッキングによって支えられている。
【0049】
以下、接続デバイスの動作について記載する。
【0050】
ワイパーを交換するためには、例えば、
図3に示すように、アーム7に対してワイパー9を回転することによって、端部取付具5に対して液圧および/または電気コネクタ11を係合すればよい。これは、コネクタおよび端部取付具の係合位置、すなわち、アームに対してワイパーをゼロまたはマイナスのほぼ垂直の角度の前記位置にくるまで、係合が外れた状態のサービスポジションにおいて行われる。係合させるために、
図5の矢印による回転方向において、ワイパーに圧力がかけられる必要がある。次に、コネクタのピン47は、第1の実施形態(
図4)のタブ43のオリフィス45に係合され、コネクタのスナッグ47’は、第2の実施形態(
図8)のタブ43’のボイド49に係合される。この時点では係合が確保された状態にあり、アダプタのロックボタン23は、
図6に示すように押圧することができ、アダプタ13、ひいては、機械コネクタおよび機械コネクタに固定されたワイパー9は、端部取付具5から並進運動させて抜き取られる。
【0051】
ワイパー9を別のものと取り替えるためには、前の動きとは逆の動作で接続が行われ、ボタン23のロックは、アダプタ13を端部取付具、ひいては、ワイパーをアームに挿入する最終段階で、係合の位置において実行される。この時点で、ワイパー9は、液圧および/または電気コネクタおよび端部取付具の係合を解除し、拭きシステムを使用可能にするために、アーム7に対して回転されうる。
【0052】
以上のことから、本発明は、ワイパー、特に、いわゆる、「フラットブレード」の形態で製造されたワイパーを含む自動車のウインドウを拭くための装置において、ワイパーを別のワイパーで簡単に置き換える可能性を提供する。