特許第6404010号(P6404010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6404010ダクト入りシートパッド及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404010
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】ダクト入りシートパッド及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/18 20060101AFI20181001BHJP
   A47C 7/74 20060101ALI20181001BHJP
   B68G 7/052 20060101ALI20181001BHJP
   B60N 2/56 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   A47C7/18
   A47C7/74 C
   B68G7/052 A
   B60N2/56
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-129684(P2014-129684)
(22)【出願日】2014年6月24日
(65)【公開番号】特開2016-7352(P2016-7352A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100101627
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 宜延
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 佳宏
【審査官】 須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−085712(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0068900(US,A1)
【文献】 特開2012−105816(JP,A)
【文献】 特開2006−327192(JP,A)
【文献】 特開2003−320536(JP,A)
【文献】 特開2001−190311(JP,A)
【文献】 特開2011−010727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C7/00−7/74
B60N2/56−2/58
B68G7/052
B29C39/26
B29C44/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側にエア噴出口が設けられた合成樹脂製ダクトと、該ダクトを埋設して一体発泡成形されたシートパッドと、を具備するダクト入りシートパッドであって、
前記ダクトの表面側に突出し、表皮に取着した吊り片を係止させるクリップを形成した係止具が該ダクトに一体的に設けられ、且つ前記シートパッドに、その表面から該係止具へ達する凹所が設けられたことを特徴とするダクト入りシートパッド。
【請求項2】
前記クリップが一体化された前記ダクトの部分が吊り込み用溝の対応位置に配設されてなる請求項1記載のダクト入りシートパッド。
【請求項3】
前記係止具は基板に一対の係止片を離間させて立設し、且つ両係止片の先端部分に外側へ張り出す顎部が設けられ、さらに一対の該係止片の両外板面に接して、その外側に前記凹所の空洞部分が設けられた請求項1又は2に記載のダクト入りシートパッド。
【請求項4】
表面側にエア噴出口が設けられる合成樹脂製のダクトを、発泡型にセットし、その後、発泡原料の注入及び型閉じを経て、該ダクトを埋設してシートパッドを一体発泡成形し、シートパッド表面に発泡成形された複数の空気吹出口に前記各エア噴出口が合致するダクト入りシートパッドの製造方法であって、
前記ダクトの表面側に突出し、表皮に取着した吊り片を係止させるクリップを形成した係止具を該ダクトに一体的に設け、発泡型の型面に設けた被係止具に該係止具を係合固定させてセットし、シートパッドを一体発泡成形するダクト入りシートパッドの製造方法。
【請求項5】
前記クリップが一体化された前記ダクトの部分が吊り込み用溝の対応位置に配設されるよう、ダクトを発泡型にセットする請求項4記載のダクト入りシートパッドの製造方法。
【請求項6】
前記係止具は基板に一対の係止片を離間させて立設し、且つ両係止片の先端部分に外側へ張り出す顎部が設けられる一方、前記被係止具が型面に突出形成される筒体にして、その内壁面に前記顎部を引っ掛ける突起が設けられ、該突起の箇所で、一対の係止片を、その弾性変形で寄せ合うように筒体内へ進入させ、その後、該突起を越えた前記顎部が係止片の弾性復元で前記突起に掛止することにより、係止具を被係止具にセットする請求項4又は5に記載のダクト入りシートパッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用座席シートを構成するダクト入りシートパッド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭載される座席シートの座部や背もたれを構成するシートクッションやシートバックがある。シートクッションやシートバックのシートパッドは、乗員が座った時に表皮を介して接する部分であり、暑い季節になると乗員はその箇所が汗ばむ一方、冬の季節を向かえると冷たく感じることがある。こうしたことから、特開2005-95343号公報等で、配風用ダクトをインサートしてシートパッドが一体発泡成形される発明が提案されている。さらに、シートパッドの発泡成形時に、ダクトのエア導入口やエア噴出口から発泡原料がダクト内へ侵入する問題を解消する改良発明が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−105816号公報
【0004】
特許文献1は、その請求項1に記載のごとく「…型面で、前記エア導入口又はエア噴出口に対応する部位に半球状の突部が設けられ、両分割型の型閉じにより、型内にセットされた前記ダクトに係るエア導入口内又はエア噴出口内へ該突部が入り込んで、そのエア導入口又はエア噴出口を塞ぐ」発明になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、最近の配風用ダクトを構成する導管は、筒外径が表裏方向長さよりも車幅方向となる筒幅方向の長さの方が長く、扁平化する傾向にあるため、四方に延びる導管に反りが発生し、発泡型へのセットで型面から浮き上がってしまう問題が出てきた。エア噴出口が型面から浮き上がると、発泡原料の注入で支障をきたす。型閉じ工程に進み、特許文献1に記載の突部がエア噴出口内へ入り込み塞いでしまえばよいが、導管の先端部が反って型面から浮き上がった状態下では、発泡原料の注入から型閉じまで作業工程中に、エア噴出口から導管内へ発泡原料が侵入してしまう問題が出てきた。
【0006】
一方、本出願人は特許第5437712号でシートパッドの表皮材を吊り込む吊り片が係止される係止具を、吊り込み用溝に設けた車両用シートの発明を提案した。しかし、シートパッドを発泡成形する度に、作業者は斯かる係止具を発泡型に複数個セットしなければならず、セットに時間がかかり、生産性を低下させる問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するもので、発泡型へのダクトのセットで、作業負担を少なくして浮き上がり防止を図り、品質安定,歩留まり向上に貢献させ、さらに吊り込み用溝に設けた係止具のセットを省き、生産性向上をも期待できるダクト入りシートパッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、表面側にエア噴出口が設けられた合成樹脂製ダクトと、該ダクトを埋設して一体発泡成形されたシートパッドと、を具備するダクト入りシートパッドであって、前記ダクトの表面側に突出し、表皮に取着した吊り片を係止させるクリップを形成した係止具が該ダクトに一体的に設けられ、且つ前記シートパッドに、その表面から該係止具へ達する凹所が設けられたことを特徴とするダクト入りシートパッドにある。請求項2の発明たるダクト入りシートパッドは、請求項1で、クリップが一体化された前記ダクトの部分が吊り込み用溝の対応位置に配設されてなることを特徴とする。請求項3の発明たるダクト入りシートパッドは、請求項1又は2で、係止具は基板に一対の係止片を離間させて立設し、且つ両係止片の先端部分に外側へ張り出す顎部が設けられ、さらに一対の該係止片の両外板面に接して、その外側に前記凹所の空洞部分が設けられたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明の要旨は、表面側にエア噴出口が設けられる合成樹脂製のダクトを、発泡型にセットし、その後、発泡原料の注入及び型閉じを経て、該ダクトを埋設してシートパッドを一体発泡成形し、シートパッド表面に発泡成形された複数の空気吹出口に前記各エア噴出口が合致するダクト入りシートパッドの製造方法であって、前記ダクトの表面側に突出し、表皮に取着した吊り片を係止させるクリップを形成した係止具を該ダクトに一体的に設け、発泡型の型面に設けた被係止具に該係止具を係合固定させてセットし、シートパッドを一体発泡成形するダクト入りシートパッドの製造方法にある。請求項5の発明たるダクト入りシートパッドは、請求項4で、クリップが一体化された前記ダクトの部分が吊り込み用溝の対応位置に配設されるよう、ダクトを発泡型にセットすることを特徴とする。請求項6の発明たるダクト入りシートパッドは、請求項4又は5で、係止具は基板に一対の係止片を離間させて立設し、且つ両係止片の先端部分に外側へ張り出す顎部が設けられる一方、前記被係止具が型面に突出形成される筒体にして、その内壁面に前記顎部を引っ掛ける突起が設けられ、該突起の箇所で、一対の係止片を、その弾性変形で寄せ合うように筒体内へ進入させ、その後、該突起を越えた前記顎部が係止片の弾性復元で前記突起に掛止することにより、係止具を被係止具にセットすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のダクト入りシートパッド及びその製造方法は、発泡型へのダクトのセットで簡単にエア噴出口を封止でき、ダクトを埋設一体化するシートパッドの発泡成形工程で、エア噴出口からの発泡原料の侵入が起こらず、品質安定,歩留まり向上等を果たすことができ、さらにダクトに表皮の吊り片が係止される係止具を一体化させて生産性向上につながるなど優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るダクト入りシートパッド及びその製造方法の一形態で、ダクトの表面側から見た斜視図である。
図2】(イ)が図1のII-II線矢視図、(ロ)が係止具の斜視図である。
図3】ダクトを組み込んだダクト入りシートパッドの表面側斜視図である。
図4】ダクトを組み込んだダクト入りシートパッドの裏面側斜視図である。
図5図4のV-V線矢視図である。
図6】ダクトのセット後、型開状態で発泡原料を注入している発泡型の説明断面図である。
図7図6の発泡原料注入後に型閉じした様子を示す説明断面図である。
図8】発泡型にダクトをセットする様子を示す説明断面図で、(イ)がセット直前で、(ロ)がセット完了の説明断面図である。
図9図8の被係止具周りの説明斜視図である。
図10】脱型後のダクト入りシートパッドに係る係止具周りの要部拡大断面図である。
図11図8(ロ)に代わる対比用保持具を用いた説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るダクト入りシートパッド及びその製造方法について詳述する。
本ダクト入りシートパッド及びその製造方法は、シートパッドが乗員の背もたれを構成するバックパッドに適用される。図1図10は本発明のダクト入りシートパッド及びその製造方法の一形態で、図1はダクトの表面側から見た斜視図、図2図1のII-II線矢視図、図3,図4図1のダクトを組み込んだダクト入りシートパッドの表面側斜視図,裏面側斜視図、図5図4のV-V線矢視図、図6はダクトのセット後、型開状態で発泡原料を注入している発泡型の説明断面図、図7図6の発泡原料注入後に型閉じした様子を示す説明断面図、図8は発泡型にダクトをセットする様子を示す説明断面図、図9図8の被係止具周りの斜視図、図10は脱型後のダクト入りシートパッドに係る係止具周りの要部拡大図を示す。尚、図面を判りやすくするため、図5は各エア噴出口を通る断面図にする。
【0012】
(1)ダクト入りシートパッド
ダクト入りシートパッドは、配風用のダクト2と、該ダクトに一体化される係止具5と、この係止具5付きダクト2を埋設して一体発泡成形されたバックパッド1Aと、シートパッド裏面1bに配される裏当て材3と、を具備する係止具付きダクト入りバックパッドとする(図3図5)。
【0013】
ダクト2は、裏面2b側にエア導入口26eが在る基部26から導管21が分岐して延在し、表面2a側にエア噴出口25aが設けられる合成樹脂製管部材である。基部26から導管21が分岐延在し、表面2a側にエア噴出口25aが複数設けられるバックパッド用のダクト2とする。本発明の「表面側」とは乗員が座部に腰掛ける時に表皮8を介して当接する面の側をいい、図5では紙面左方になる。
ダクト入りバックパッド1Aが完成した段階で、表面1a側に形成される複数の空気吹出口10に各エア噴出口25aが導通する一方、バックパッド裏面1bのほぼ中央から、先端口がエア導入口26eになるエア導入部261が露出する。ダクト2は、バックパッド裏面1b寄りに配され、ダクト2の略中央に位置する基部26の裏面側にエア導入部261を形成して、該エア導入部261が相手部材と接続される。
【0014】
ここでのダクト2は、図2ごとくの扁平管で、ブロー成形により導管21と前記基部26とが一体成形されるポリプロピレン樹脂等からなる合成樹脂製管状部材である。ダクトは、図1で、基部26につながる案内部22を経て横筒部23の導管21が車幅方向に延び、その両端から一対の縦筒部24の導管21が紙面上方(バックパッド上方)に延びる。一方、案内部22から一対の縦筒部24の導管21が紙面斜め下方(バックパッド斜め下方)に広がるように延びる。バックパッド上方とは、バックパッド1Aが車両に搭載され、乗員が座って、背もたれが可能な図5の正規状態下でのバックパッド1Aの上方をいう。略中央に配される中空ボックス状の基部26から、平面視略X字状に四方に延びる導管21を備えたブロー成形ダクトになっている。
【0015】
分岐した四つの各導管21の先端部211で、ブロー成形でできた先端口を塞ぐ袋部28はそのままにする。バックパッド1Aの空気吹出口10に合致させて、着座した乗員に快適エアを吹き出す所のエア噴出口25aが、図1のごとく平面視略X字状に四方へ延びた導管先端部211に至る導管21途中に計八個設けられる。図1図8のごとく導管21が、エア導入口26eの在る前記基部26から略同一平面上になるよう四方に分岐延在する。尚、図示を省略するが、特許文献1のごとくエア導入口26eを形成する前記エア導入部261を短筒部とし、ここに特許第5504027号のごとくフランジ27を設けてもよい。
本ダクト2は、そのブロー成形時に、係止具5をインサートして一体化した係止具5付きダクトになっている。図2ごとくの係止具5を抱持して所定形状に賦形されたダクトとする。
【0016】
係止具5は、基板52に一対の係止片53を離間させて立設した合成樹脂製品で、両係止片53に外側へ張り出す顎部55が設けられる。ここでの係止具5は射出成形品とし、ダクトの表面2a側に該係止具5の係止片53が突出するようにして、ダクト2のブロー成形で一体的に設けられる。この係止具5付きダクト2として、バックパッド1Aの発泡成形におけるダクト2のセット工程で、発泡型6の型面に設けた被係止具65に、該係止具5を係合固定させる。発泡成形時にエア噴出口25aからダクト2内への発泡原料gの侵入を防ぐためである(詳細後述)。係止具5を固定保持する被係止具65が発泡型6に設けられるので、シートパッド1には被係止具65がつくる凹所15ができる。シートパッド表面1aから該係止具5へ達する凹所15が形成される。
【0017】
本係止具5は、図2のごとく長手方向に略等断面形状にして、板状の基板52と、その表面52a上に所定の離間距離50をとって起立する一対の板状係止片53とを備える。図2(ロ)で、係止具5を判り易くするため、その長手方向長さLは短めに描くが、実際は図1のごとくもう少し長い。基板52には平板状主部から両サイドで段差をつけたアンカー部521が設けられる。ダクト2のブロー成形で、アンカー部521を巻き込んで、係止具5とダクト2との一体強化が図られる。両係止片53は、その板状本体が基板52から上方に向け互いにやや外方へ離れるよう上方傾斜する。基板表面52aを図5のごとくダクト表面2aと面一にして、係止片53の高さをシートパッド1がつくる厚みtよりも低く設定する。
そして、両係止片53の先端部分531に、内側へ突出する鉤部54を夫々設ける。一対の係止片53に設けられる一対の鉤部54は、相手方係止片53に向け下方傾斜して突き出す。こうして、係止具5は、鉤部54間に、表皮8に取付けた吊り片9を押し込むことにより、その楔部分92を鉤部54が挟着し、引き寄せるクリップを形成する(図10)。
【0018】
さらに、一対の係止片53には、板状本体の先端部分531でそれぞれ外側へ向け張り出す瘤状顎部55が設けられる。シートパッド1の成形で、発泡型6の型面に突出形成させた四角筒体65aの内壁面に設けた突起652に顎部55を引っ掛け、係止具5と一体のダクト2を型面へセット保持させるためである。例えば、シートパッド表面1aには吊り込み用溝14が図3のごとく形成されるが、発泡型6に該吊り込み用溝14を形成する吊り溝用堤64の途中に、図9ごとくの筒体65aからなる被係止具65を組み込む。被係止具65は図3の凹所15をつくる。
シートパッド1の発泡成形における発泡型6へのダクト2のセットで、係止片53の顎部55を被係止具65の突起652に係止させて、係止具5付きダクト2の浮き上がりを防止する。加えて、該係止具5に前記鉤部54を形成して、シートパッド1に覆着される表皮8を吊り込む吊り片9を係止するクリップの役目をも担わせる。
【0019】
シートパッド1は、その発泡成形で、表面1aにエア噴出口25aと合致する空気吹出口10を一定深さで確保し(図5)、係止具5付きダクト2をインサート成形して一体化された発泡体である。空気吹出口10の方がエア噴出口25aの口径よりも大きい。シートパッドの発泡成形では、その裏面1b側にエア導入口26eが覗くようにして、図5のごとくシートパッド1の裏面1b寄りにダクト2が埋設一体化される。ダクト2をシートパッド1の裏面寄りに配設するのは、シートパッド表面1aからダクト2までの距離をできるだけ大きくとって、シートパッド1によるクッション性,快適性を得るためである。
【0020】
本実施形態のシートパッド1は、座席シートの背もたれを構成するバックパッド形状の発泡体で、その厚みtがシートクッションに比べて薄い(図3図5)。そのため、図2,図5のような導管21の筒外径が表裏方向長さよりも車幅方向となる筒幅方向の長さの方が長い扁平管となるダクト2を用いる。バックパッド厚みtが薄くても、所望のクッション性,快適性が得られる。エア導入口26e側に、空調機器から快適エアが管内に送り込まれる管状相手部材を接続することにより、快適エアが基部26内,案内部22内,導管21内の流路uを通り、エア噴出口25aを通過して各空気吹出口10から乗員へと配風されるダクト2入りバックパッド1Aになっている。
【0021】
そして、クリップたる係止具5を一体化したダクトの部分が、吊り込み用溝14の対応位置に配設される。シートパッド表面1a側に、縦溝14aと横溝14bとからなる図3のような吊り込み用溝14が設けられ、且つその経路途中に該吊り込み用溝14の溝幅よりも溝幅を広くした凹所15が設けられる。既述のごとく、両係止片53の先端部分531には外側へ張り出す顎部55が形成される。この顎部55を係止する筒体形状の被係止具65を発泡型6に固着することにより、シートパッド1の発泡成形で、ダクト2の浮き上がりを阻止する。一対の係止片53の両外板面53aに接して、その外側に前記凹所15の空洞部分151が設けられるが、被係止具65の抜け跡が空洞部分151を有する凹所15となる。
複数個の係止具5が取付けられたダクト2の各部分は、吊り込み用溝14の対応位置に配設されており、各凹所15からクリップたる係止具5がシートパッド表面1aに顔を覗かせる。横筒部23に取付けた三つの係止具5は横溝14bの凹所15内に、バックパッド斜め下方に延びる導管21に取付けた二つの係止具5は縦溝14aの凹所15内に位置し、鉤部54のある係止片53で、図3,図10のごとく表皮8に取着した吊り片9を挟着保持できる姿態になっている。
【0022】
裏当て材3はバックパッド裏面1bの大きさに合わせた不織布等からなるシート状布地材である。裏面側に露出するエア導入部261の部位は、くり抜いてくり抜き開口30とする(図4)。バックパッド1Aの発泡成形で、バックパッド裏面1b及びダクト裏面2bに、裏当て材3が被着一体化される(図5)。
次に述べるダクト2入りシートパッドの製造方法のごとく、バックパッド1Aの発泡成形で、その裏面1b側にある型面630に裏当て材3をセットして、ダクト2を覆ってバックパッド裏面1bに、該裏当て材3が被着一体化される。
尚、本実施形態の係止具5はインサート成形でダクト2と一体化したが、ダクト2に別体の該係止具5をビス等によって固定一体化することも勿論できる。図中、符号11はバックパッド主部で、符号12がメイン部,符号13がサイド部、符号122はバックパッド頂部、符号123はバックパッド後部を示す。
【0023】
(2)ダクト入りシートパッドの製造方法
シートパッド1(バックパッド1A)の製造は、これに先立ち、係止具5付きダクト2と裏当て材3を準備する。ダクト2,裏当て材3,係止具5は(1)で述べたものと同じであり、詳細説明を省く。
【0024】
ダクト2入りバックパッド1Aの製造に用いる発泡型6は、図6,図7ごとくの分割型で、下型61と上型62と中型63とを備える。ヒンジ69を支点にして図6から図7のごとく型閉じすると、全体的に凹み度合いが大きな下型61(一の分割型)の型面610と、中型63(他の分割型)の型面630と,上型62との型面620とで、パッド本体11に係止具5付きダクト2,裏当て材3が一体化するバックパッド1AのキャビティCをつくる。
下型61には、型面610の各所を柱状に盛り上げて、空気吹出口10形成用の隆起部611が設けられる。隆起部上面611bにエア噴出口25aを単に当てて、発泡型にダクト2をセットしてもよい。ここでは、各隆起部の上面611bに突部611aを設け、隆起部611へのダクト2のセットで、該突部611aがエア噴出口25a内に入り込んでエア噴出口25aの口を閉ざすようにしている。
【0025】
そして、下型61の型面610でバックパッド1Aの表面1a側を成形し、中型63の型面630でバックパッド1Aの裏面1b側を成形するが、下型61に係止具5を係合固定する被係止具65を設ける。バックパッド表面1a側を形成する一の分割型61たる下型には吊り込み用溝14を形成するための吊り溝用堤64が配設されるが、その経路途中に図9ごとくの被係止具65が組み込まれる。符号641は被係止具65と一体の吊り溝用堤64を下型型面610に固定するボルトを示す。
被係止具65は、下型型面610に突出形成される略四角筒体65aにして、その内壁面の筒開口側に前記顎部55を引っ掛ける突起652が設けられる。被係止具65の筒開口に一対の係止片53を対向進入させると、被係止具65の先端部分531に在る突起652の箇所が顎部55に当たるものの、一対の該係止片53を、その弾性変形で寄せ合うように筒体65a内へ進入させることができる。その後、突起652を越えた顎部55が係止片53の弾性復元で該突起652に掛止することにより、係止具5を被係止具65にセット保持可能にする。こうして、係止具5付きダクト2を下型61にセットした後、型閉じすると、被係止具65の筒体65aを形成する筒壁651の先端周縁が図8(ロ)のごとく係止具5の基板52又はダクト表面2aに当接する。
【0026】
前記発泡型6,係止具5付きダクト2,裏当て材3を用いて、ダクト2入りバックパッド1Aが例えば以下のように製造される。ダクト2のエア導入口26eには予めシールテープ4が貼着,封止される。
【0027】
まず、発泡型6を型開状態とする(図6)。この型開状態下、係止具5付きダクト2を一の分割型たる下型61にセットする。係止具5付きダクト2のセットと相前後して、他の分割型たる中型63に裏当て材3をセットする。
下型61への係止具5付きダクト2のセットで、エア噴出口25a内へ突部611aを入れて隆起部611上にダクト2を載置するが、下型型面610に単にダクト2をセットしても、ダクト2が反っている場合などはエア噴出口25aが塞がらない。しかし、係止具5付きダクト2として、且つ下型型面610に突起652を有する被係止具65を配することで、エア噴出口25aを塞いでセットできる。被係止具65を型面610に突出形成される筒体65aにして、その内壁面に顎部55を引っ掛ける突起652を設ける。該突起652の箇所で、一対の係止片53を、その弾性変形で寄せ合うように筒体65a内へ進入させ、その後、該突起652を越えた顎部55が係止片53の弾性復元で突起652に掛止することにより、係止具5が被係止具65に係止セットされる。そして、このセットで、被係止具65の突起652が顎部55に嵌合して係止具5付きダクトを下型型面610側へ引き寄せ、ダクト2が反っている場合でもこれを矯正し、隆起部上面611bにエア噴出口25a周りのダクト部分を押し付けて該エア噴出口25aの口を塞ぐ。
本ダクト2の導管21は、図2のような横断面形状で、その筒外径が表裏方向長さよりも車幅方向となる筒幅方向の長さの方が長い扁平管にして、図1のように四方に延びる。そのため、四方先端へ延びた導管21が反る傾向にある。図6の下型61へのダクト2のセットで、隆起部611の上面611b(及び/又は突部611a)からエア噴出口25a周りが浮き上がり離れてしまう場合も起こり得る。エア噴出口25aの口を塞ぐための突部611aを設けても、該突部611aは型閉じ工程へ進まないと役立たない。単なるダクト2の載置セットでは、型閉じ前に、エア噴出口25aから該発泡原料gが侵入する不具合が生じる。
【0028】
本製法は、斯かる不具合を係止具5及び被係止具65を設けて解消する。図8(イ)で、係止具5を被係止具65に対向させて係止具5付きダクト2を下型61にセットするが、白抜き矢印のごとくダクト裏面2bを押し付けると、まず顎部55が突起652に衝突する。しかし、さらに押し付けることで、顎部55を支える係止片53が、その合成樹脂の有する可撓性によって内側へ傾倒し、突起652を乗り越える。乗り越えた顎部55を該突起652の下端側に係止させて、係止具5付きダクト2を下型61にセットする(図8のロ)。たとえ反り返って突部611aからエア噴出口25aが浮き上がってしまっているダクト2であっても、該エア噴出口25aを塞ぐことができる。突起652に顎部55が衝突するが、ダクト裏面2bを押し付けることによって、係止片53を構成する合成樹脂の有する可撓性変形で通過させることができる。顎部55が突起652の下端面に係止されて、発泡型6にダクト2を位置決め、セット固定する。四角筒体65aからなる被係止具65の内壁先端部に設けた突起652に、係止具5付きダクト2の顎部55が一旦係止されると、今度はダクト2が突起652に引き寄せられる格好になる。当初は隆起部611,突部611aから浮き上がり離れていたエア噴出口25a周縁の導管部分が、隆起部611,突部611aに密着する。導管21の四方へ管状に延びた導管21上に配した係止具5が、突起652によって係止固定されるので、セット前は弓状に反っていたダクト2であっても、ほぼ同一水平面状に矯正され、エア噴出口25aの口が塞がれる。型閉じ完了前に、発泡原料gの注入でエア噴出口25aから導管21内へ該発泡原料が入り込んでしまう不具合が解消する。この状態下、被係止具65の四角筒体65aの先端周縁は係止具5の基板52又はダクト表面2aに当接し、その後の発泡成形で凹所15を形成する。クリップにもなる係止具5が一体化されたダクトの部分は、吊り込み用溝14の対応位置に配設されている。
【0029】
次に、型開状態を保ったまま、下型61のキャビティCを形成する型面610に、図6のごとく注入ノズルNL等を使用してバックパッド成形用ウレタン発泡原液等の発泡原料gを所定量注入する。
続いて、図7のように上型62、中型63を作動させ型閉じする。上型62と下型61と中型63との型閉じで、係止具5付きダクト2がインサートセットされたバックパッド用キャビティCができる。
【0030】
前記型閉じの後、バックパッド1Aの発泡成形に移る。図7の型閉じ状態を所定時間維持し、係止具5付きダクト2を埋設一体化し、ダクト裏面2bと共に、シートパッド裏面1bに、裏当て材3が被着一体化されるバックパッド1Aを発泡成形する。
ここで、図2のごとく扁平化させた導管21にするほど、ダクト2自体に反りや変形などが生じ易くなる。下型61にダクト2をセットしても、ダクト2が隆起部611から浮き上がる度合いが増す。エア噴出口25aを塞ぎきれないケースが起こり得る。しかるに、本発明は、下型61にセットされるダクト2がエア噴出口25a周りで、単に載置されるだけなら浮いてしまう状況にあっても、係止具5が被係止具65に係合固定されて噴出口25aの口を閉じ、うまくシールする構成になっている。
【0031】
かくして、発泡型6へ係止具5付きダクト2,裏当て材3がインサートされた状態下で、バックパッド1Aが発泡成形される。ダクト主部たる導管21がバックパッド1Aの裏面1b側に配され、バックパッド裏面1bからはエア導入口26eが露出する(図4)。裏当て材3がダクト2の裏面側略全体を覆っている(図11)。
【0032】
バックパッド1Aの発泡成形を終え、脱型すれば、表面1aに発泡成形された複数の空気吹出口10に各エア噴出口25aが合致し、且つ裏面1b側にエア導入口26eが露出する所望の品質安定したダクト入りバックパッド1Aが得られる。被係止部65の抜き取り跡が係止片53に達する凹所15として残る。係止具5を四角筒体65aの被係止具65で囲っているので、一対の係止片53の両外板面53aに接して、その外側に凹所15の空洞部分151ができる。
【0033】
また本係止具5は、鉤部54を設けて、表皮8に取着した吊り片9を挟着保持できるクリップを形成する(図10)。表皮8には複数の表皮片を縫合してバックパッド用カバーを形成する縫製表皮が用いられる。縫合部81の縫い代82に吊り片9が取付けられており、該吊り片9に対応するバックパッド1Aの吊り込み用溝14に凹所15を配し、バックパッド表面側の該凹所15に鉤部54のあるクリップたる係止具5を臨ませている。
係止具5付きダクト2入りバックパッド1Aに表皮8を被せ、吊り片9の楔部分92を一対の係止片53間に差し込む。すると、差し込む力に押されて、一対の係止片53はその可撓性で外方へ傾倒するが、両係止片53内に受け入れた後、鉤部54がフックになって吊り片9を一体保持する。この部分の表皮8とバックパッド1Aが接合一体化し、車両用座席シートの所望の背もたれ用シートバックが出来上がる。
尚、符号639は型合せ面、符号67は支持バー、符号68はアーム、符号68aはフック、符号PNはピンを示す。
【0034】
(3)効果
このように構成したダクト入りシートパッド及びその製造方法によれば、四方に延びるダクト2の導管21が反るようなことがあっても、発泡型6へのセットが容易にして且つ確実になる。ダクト2を埋設一体化するシートパッド1の発泡成形で、エア噴出口25aからの発泡原料gの侵入が起こらず、品質安定,歩留まり向上を果たす。
【0035】
とりわけ、背もたれ用バックパッド1Aに組み込むダクト2の場合、座部側クッションパッド1Bと違って、パッド厚みが小さい。座部側クッションパッド1Bにあっても、パッド厚の薄肉化が予想される。ダクト2はできるだけバックパッド裏面1b寄りに配し、さらに扁平化させることが必要になっている。斯かる場合、ブロー成形でダクト2を造ると、基部26に対し導管が反る傾向にある。導管21の表面側にはエア噴出口25aが設けられている。反りのないダクト2であれば、下型61に空気吹出口10を形成する隆起部611、さらに隆起部上面611bに突部611aを形成する場合は、下型61へのセットが、ダクト2を所定位置に載置するだけで足りる。突部611aでエア噴出口25aを塞ぎ、又はエア噴出口25a周りの導管部分が隆起部上面611bに当接して、ダクトのセットが完了する。しかし、導管21が反った状態になると、エア噴出口25aが突部611a,隆起部上面611bから浮き上がり、このままでは発泡原料gの注入後、型閉じまでの作業工程中に、発泡原料gが該エア噴出口25aから導管21内へ侵入してしまう。
これに対し、本発明は、ダクト2の表面2a側に係止具5を一体的に取付けると共に、下型型面610に被係止具65を設けているので、係止具5の顎部55を被係止具65の突起652に係止させることによって、導管21の反りを解消できる。反った導管21の矯正が可能になる。
【0036】
特に、係止具5の係止片53の先端部分531で顎部55を外側へ張り出す一方、四角筒体65aからなる被係止具65の筒壁651に、顎部55を係止する突起652を設けているので、双方間の係止固定力の微調整が容易になり、作業性向上につながる。突起652の箇所で、一対の係止片53を、その弾性変形で寄せ合うように筒体65a内へ進入させ、その後、突起652を越えた顎部55が係止片53の弾性復元で突起652に掛止することにより、係止具5を被係止具65にセットするが、顎部55或いは突起652の膨らみを変えることで、掛止する力の微調整が簡単にできる。
【0037】
さらに、係止具5を図11のような顎部55無し形状とし、被係止具65に代えて図11ごとくの先端に凸部F1のある保持具Fを用いると、鉤部54と保持具Fとの接触部位に隙間があれば、シートパッド1の発泡成形で、両係止片53内に発泡原料gが入り込んで問題になるケースが出てくる。両係止片53内に発泡原料gの硬化体を持ち込まない客先仕様に対しては不具合となる。図11で、鉤部54と保持具Fの密着度を高めて、両係止片53内に発泡原料gが入り込まないようにすることもできるが、今度は脱型が困難になり作業性の低下を招く。場合によっては配風ダクトから係止具5がもげてしまう虞もある。
これに対し、本発明は、被係止具65たる筒体65aの筒壁651の先端周縁を係止具5の基板52又はダクト表面に当接させて凹所15を形成し、両係止片53内に発泡原料gが入り込まないようにしているので、係止具5と被係止具65との密着度を高めることを要しない。そのため、一対の係止片53の外側へ張り出す顎部55を利用して、被係止具65たる筒体65aの筒内壁に顎部55を掛止する突起652を設けて、被係止具65に係止具5を適度の掛止固定力で保持させることが可能になっている。
【0038】
図6の下型61へのダクト2のセットでは、型面610上方からエア噴出口25aを突部611a,隆起部611上に合わせ、且つ係止具5を被係止具65に合わせるようにして、該ダクト2を下方へ単に押し付けるだけで、口が開いた状態になっていたエア噴出口25a周縁の導管部分を隆起部上面611bに当接させ、簡単にエア噴出口25aを塞いでセットできる。隆起部上面611bに半球状突部611aを設ければ、この突部611aをエア噴出口25a内へ入り込ませてより確実にその口を塞ぐことができる。導管21内に入り込んだ発泡原料gは後加工で取り除くにしても、製品化されたシートパッド1の成形後であり、製品品質を確保しながらの後加工作業に苦労する。取り除くことができなければ製品不良となり、歩留まり低下を招くが、本発明は斯かる不具合を難なく解消する。
【0039】
加えて、係止具5を鉤部54を設けたクリップにして、該クリップが一体化されたダクトの部分を吊り込み用溝14の対応位置に配設するので、エア噴出口25aを塞ぐための係止具5が、表皮8に取着した吊り片9を係止させるクリップの役割をも果たす。特許第5437712号等に記載の係止具5は、シートパッドを発泡成形する度に、作業者は該係止具5を発泡型6に複数個セットしなければならず、労を要したが、本発明は鉤部54を有するクリップを形成した係止具5付きダクトになっており、クリップをいちいち発泡型6にセットする必要がない。作業性向上に貢献する。シートパッド1の発泡成形で、発泡型6に係止具5付きダクト2をセットさえすれば、これがそのまま複数のクリップを発泡型にセットしたことになる。作業性,生産性向上に威力を発揮する。
【0040】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。シートパッド1,吊り込み用溝14,凹所15,ダクト2,係止具5,被係止具65,裏当て材3等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。実施形態はシートパッド1をバックパッド1Aに適用したが、座部用クッションパッド1Bにも勿論適用できる。実施形態では、ダクト裏面2bにエア導入口26eを設けて、シートパッド裏面1bを開口させたが、これに限らない。例えば、導管21の先端部211にエア導入口26eを設けてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 シートパッド
1a 表面(シートパッド表面)
10 空気吹出口
14 凹所
2 ダクト
2a 表面(ダクト表面)
2b 裏面(ダクト裏面)
21 導管
25a エア噴出口
26e エア導入口
5 係止具(クリップ)
52 基板
53 係止片
54 鉤部
55 顎部
6 発泡型
61 下型(一の分割型)
65 被係止具
652 突起
g 発泡原料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11