特許第6404088号(P6404088)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404088
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】内燃機関用電子制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 29/02 20060101AFI20181001BHJP
   F02D 29/00 20060101ALI20181001BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20181001BHJP
   F02D 17/00 20060101ALI20181001BHJP
   F16H 59/68 20060101ALI20181001BHJP
   F16H 61/02 20060101ALI20181001BHJP
   F16H 61/682 20060101ALI20181001BHJP
   F16H 63/46 20060101ALI20181001BHJP
   F16H 63/50 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   F02D29/02 321B
   F02D29/02 321A
   F02D29/02 321C
   F02D29/00 F
   F02D29/00 G
   F02D45/00 310M
   F02D45/00 310C
   F02D45/00 362K
   F02D17/00 Q
   F16H59/68
   F16H61/02
   F16H61/682
   F16H63/46
   F16H63/50
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-226031(P2014-226031)
(22)【出願日】2014年11月6日
(65)【公開番号】特開2016-89742(P2016-89742A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141901
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 学
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【弁理士】
【氏名又は名称】来山 幹雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153349
【弁理士】
【氏名又は名称】武山 茂
(72)【発明者】
【氏名】石川 伸一
(72)【発明者】
【氏名】卜部 裕信
【審査官】 比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−072427(JP,A)
【文献】 特開2011−179597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D13/00−29/06
F02D41/00−45/00
F16H59/00−63/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、前記内燃機関の動力を変速して車輪側に伝達する手動式変速機と、前記内燃機関と前記手動式変速機との間で前記内燃機関の前記動力を断続する手動式クラッチと、前記手動式クラッチの断続状態に応じてオン/オフ状態が切り替わるクラッチスイッチと、を搭載した車両に適用されると共に、前記クラッチスイッチの前記オン/オフ状態に応じて前記手動式クラッチの断続状態を判別するクラッチ状態判別部と、前記内燃機関の自動停止及び自動始動を制御する制御部と、を備えた内燃機関用電子制御装置において、
前記車両に更に搭載されると共に前記内燃機関のスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサの出力信号を用いて前記スロットルバルブがアイドル開度状態に在るか否か判別するアイドル開度判別部を更に備え、
前記制御部は、前記内燃機関の自動停止後において、前記クラッチ状態判別部が判別した前記手動式クラッチの前記断続状態が、前記自動停止時における非接続状態から接続状態に遷移した後で、再度前記非接続状態に遷移したという自動再始動条件が満足された場合に、前記内燃機関を自動再始動するものであり、
前記自動再始動条件は、前記内燃機関の前記自動停止後において、前記アイドル開度判別部が、前記スロットルバルブが前記自動停止時における前記アイドル開度状態から非アイドル開度状態に遷移した後で、再度前記アイドル開度状態に遷移したと判別したことを更に含んで設定されることを特徴とする内燃機関用電子制御装置。
【請求項2】
前記車両に更に搭載されると共に前記手動式変速機のニュートラル状態に応じてオン/オフ状態が切り替わるニュートラルスイッチの前記オン/オフ状態に応じて前記手動式変速機が前記ニュートラル状態に在るか否か判別するニュートラル状態判別部を更に備え、
前記自動再始動条件は、前記内燃機関の前記自動停止後において、前記ニュートラル状態判別部が、前記手動式変速機が前記ニュートラル状態に在ると判別したことを更に含んで設定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用電子制御装置。
【請求項3】
前記車両に更に搭載されると共に前記内燃機関のクランクシャフトの回転に応じた電気信号を出力するクランクセンサの出力信号を用いて前記内燃機関の回転数を算出する回転数算出部と、
前記車両に更に搭載されると共に前記車両の車輪の回転に応じた電気信号を出力する車速センサの出力信号を用いて車速を算出する車速算出部と、を更に備え、
前記制御部は、前記回転数算出部が算出した前記内燃機関の前記回転数が所定値以下であり、前記スロットルバルブが前記アイドル開度状態にあると前記アイドル開度判別部が判別し、前記車速算出部が算出した前記車速が所定値以下であり、かつ、前記クラッチ状態判別部が判別した前記クラッチの前記断続状態が前記非接続状態であるという自動停止条件が満足された場合に、前記内燃機関を自動停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用電子制御装置。
【請求項4】
前記車両に更に搭載されると共に前記手動式変速機のニュートラル状態に応じてオン/オフ状態が切り替わるニュートラルスイッチの前記オン/オフ状態に応じて前記手動式変速機が前記ニュートラル状態に在るか否か判別するニュートラル状態判別部を更に備え、
前記自動停止条件は、前記ニュートラル状態判別部が、前記手動式変速機が前記ニュートラル状態に在ると判別したことを更に含んで設定されることを特徴とする請求項に記載の内燃機関用電子制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用電子制御装置に関し、特に、車両に搭載された内燃機関の自動停止及び自動始動を制御する内燃機関用電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、排気ガスの排出量の削減や燃料消費量の低減を目的として、車両が停止した場合に内燃機関(エンジン)を自動停止し、エンジンの自動停止後に車両の発進指示があった場合には、エンジンを自動的に再始動させる内燃機関用電子制御装置が実用化されてきている。
【0003】
特許文献1は、燃料噴射制御装置に関し、エンジン自動停止始動システムを搭載した車両において、エンジン自動停止状態からのエンジン始動性を向上させることを目的として、エンジン始動判定部が、エンジンの自動停止中に、スロットルスイッチの状態に基づいて発進操作の有無を検知し、かつシートスイッチの状態に基づいて運転者の着座を確認することによりエンジンを始動する構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−98113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成においては、エンジン始動判定部が、エンジンの自動停止中に、スロットルスイッチの状態に基づいて発進操作の有無を検知し、かつシートスイッチの状態に基づいて運転者の着座を確認することによりエンジンを始動するものではあるが、かかる構成は、あくまでもスクーター等の自動遠心式クラッチ及びゴムベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)型自動変速機を備える自動二輪車に適用されることを前提としたものである。
【0006】
ここで、本発明者の検討によれば、手動式クラッチ及び手動式変速機を備える車両においては、手動式クラッチの断続状態や手動式変速機のニュートラル・インギヤ状態によらずにエンジンが自動停止されるものであって、その後に適切に自動再始動がなされる必要がある。かかる手動式クラッチ及び手動式変速機を備える車両に特許文献1の構成の構成を適用すると、自動再始動時に、手動式クラッチの状態が接続状態であり、かつ、手動式変速機の状態がインギヤ(非ニュートラル)状態である場合に、スタータモータが駆動され、この結果、車両が不要に前進して、運転者に違和感を与えたり、スタータモータの負荷を増大する傾向が考えられて改良の余地がある。
【0007】
また、本発明者の更なる検討によれば、シートスイッチ等の車両の走行やエンジンの制御にとって本質的でない付加的なスイッチを設けることは、部品点数やコストの増加につながるため、極力避けるべきものでもある。
【0008】
つまり、現状では、簡便な構成で、手動式クラッチの断続状態や手動式変速機のニュートラル・インギヤ状態を考慮しながら、エンジンの自動停止後の自動再始動を適切に実行可能な内燃機関用電子制御装置の提供が期待されている状況にある。
【0009】
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、簡便な構成で、手動式クラッチの断続状態や手動式変速機のニュートラル・インギヤ状態を考慮しながら、エンジンの自動停止後の自動再始動を適切に実行可能な内燃機関用電子制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の目的を達成するべく、本発明は、内燃機関と、前記内燃機関の動力を変速して車輪側に伝達する手動式変速機と、前記内燃機関と前記手動式変速機との間で前記内燃機関の前記動力を断続する手動式クラッチと、前記手動式クラッチの断続状態に応じてオン/オフ状態が切り替わるクラッチスイッチと、を搭載した車両に適用されると共に、前記クラッチスイッチの前記オン/オフ状態に応じて前記手動式クラッチの前記断続状態を判別するクラッチ状態判別部と、前記内燃機関の自動停止及び自動始動を制御する制御部と、を備えた内燃機関用電子制御装置において、前記車両に更に搭載されると共に前記内燃機関のスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサの出力信号を用いて前記スロットルバルブがアイドル開度状態に在るか否か判別するアイドル開度判別部を更に備え、前記制御部は、前記内燃機関の自動停止後において、前記クラッチ状態判別部が判別した前記手動式クラッチの前記断続状態が、前記自動停止時における非接続状態から接続状態に遷移した後で、再度前記非接続状態に遷移したという自動再始動条件が満足された場合に、前記内燃機関を自動再始動するものであり、前記自動再始動条件は、前記内燃機関の前記自動停止後において、前記アイドル開度判別部が、前記スロットルバルブが前記自動停止時における前記アイドル開度状態から非アイドル開度状態に遷移した後で、再度前記アイドル開度状態に遷移したと判別したことを更に含んで設定されることを第1の局面とする。
【0011】
本発明は、第1の局面に加えて、前記車両に更に搭載されると共に前記手動式変速機のニュートラル状態に応じてオン/オフ状態が切り替わるニュートラルスイッチの前記オン/オフ状態に応じて前記手動式変速機が前記ニュートラル状態に在るか否か判別するニュートラル状態判別部を更に備え、前記自動再始動条件は、前記内燃機関の前記自動停止後において、前記ニュートラル状態判別部が、前記手動式変速機が前記ニュートラル状態に在ると判別したことを更に含んで設定されることを第2の局面とする。
【0013】
本発明は、第1又は第2の局面に加えて、前記車両に更に搭載されると共に前記内燃機関のクランクシャフトの回転に応じた電気信号を出力するクランクセンサの出力信号を用いて前記内燃機関の回転数を算出する回転数算出部と、前記車両に更に搭載されると共に前記車両の車輪の回転に応じた電気信号を出力する車速センサの出力信号を用いて車速を算出する車速算出部と、を更に備え、前記制御部は、前記回転数算出部が算出した前記内燃機関の前記回転数が所定値以下であり、前記スロットルバルブが前記アイドル開度状態にあると前記アイドル開度判別部が判別し、前記車速算出部が算出した前記車速が所定値以下であり、かつ、前記クラッチ状態判別部が判別した前記クラッチの前記断続状態が前記非接続状態であるという自動停止条件が満足された場合に、前記内燃機関を自動停止することを第の局面とする。
【0014】
本発明は、第の局面に加えて、前記車両に更に搭載されると共に前記手動式変速機のニュートラル状態に応じてオン/オフ状態が切り替わるニュートラルスイッチの前記オン/オフ状態に応じて前記手動式変速機が前記ニュートラル状態に在るか否か判別するニュートラル状態判別部を更に備え、前記自動停止条件は、前記ニュートラル状態判別部が、前記手動式変速機が前記ニュートラル状態に在ると判別したことを更に含んで設定されることを第の局面とする。
【発明の効果】
【0015】
以上の本発明の第1の局面にかかる内燃機関用電子制御装置によれば、制御部が、内燃機関の自動停止後において、クラッチ状態判別部が判別した手動式クラッチの断続状態が、自動停止時における非接続状態から接続状態に遷移した後で、再度非接続状態に遷移したという自動再始動条件が満足された場合に、内燃機関を自動再始動するものであるため、運転者の車両発進意志を示すクラッチ操作を契機として、簡便な構成でエンジンの自動停止後の自動再始動を適切に実行することができる。また、自動再始動条件が、内燃機関の自動停止後において、アイドル開度判別部が、スロットルバルブが自動停止時におけるアイドル開度状態から非アイドル開度状態に遷移した後で、再度アイドル開度状態に遷移したと判別したことを更に含んで設定されるものであるため、運転者の車両発進意志を示すアクセル操作をも契機として、簡便な構成でエンジンの自動停止後の自動再始動を適切に実行することができる。
【0016】
また、本発明の第2の局面にかかる内燃機関用電子制御装置によれば、自動再始動条件が、内燃機関の自動停止後において、ニュートラル状態判別部が、手動式変速機がニュートラル状態に在ると判別したことを更に含んで設定されるものであるため、手動式変速機のニュートラル・インギヤ状態を考慮して、簡便な構成でエンジンの自動停止後の自動再始動を適切に実行することができる。
【0018】
また、本発明の第の局面にかかる内燃機関用電子制御装置によれば、制御部が、回転数算出部が算出した内燃機関の回転数が所定値以下であり、スロットルバルブがアイドル開度状態にあるとアイドル開度判別部が判別し、車速算出部が算出した車速が所定値以下であり、かつ、クラッチ状態判別部が判別したクラッチの断続状態が非接続状態であるという自動停止条件が満足された場合に、内燃機関を自動停止するものであるため、エンジンの自動再始動に円滑に移行し得るエンジンの自動停止を適切に実行することができる。
【0019】
また、本発明の第の局面にかかる内燃機関用電子制御装置によれば、自動停止条件が、ニュートラル状態判別部が手動式変速機がニュートラル状態に在ると判別したことを更に含んで設定されるものであるため、エンジンの自動再始動に円滑に移行し得るエンジンの自動停止をより適切に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施形態における内燃機関用電子制御装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における内燃機関用電子制御装置のアイドルストップ・再スタート制御処理の流れを示すフローチャートである。
図3図3は、図に示す本実施形態における内燃機関用電子制御装置のアイドルストップ・再スタート制御処理に引き続くアイドルストップ・再スタート制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における内燃機関用電子制御装置につき、詳細に説明する。
【0022】
〔内燃機関用電子制御装置の構成〕
まず、図1を参照して、本発明の実施形態における内燃機関用電子制御装置の構成について説明する。
【0023】
図1は、本実施形態における内燃機関用電子制御装置の構成を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態における内燃機関用電子制御装置1は、自動二輪車等の車両に搭載されると共に、ECU(Electronic Control Unit)等の電子制御装置によって構成され、車両が備えるバッテリBからの電力を利用して動作する。本実施形態では、内燃機関用電子制御装置1は、図示しないエンジンの動力を変速して車輪側に伝達する手動式変速機2と、エンジンと手動式変速機2との間でエンジンの動力を断続する手動式クラッチ3と、を備える車両に搭載されている。
【0025】
この内燃機関用電子制御装置1は、波形整形回路11、A/D(Analog−to−Digital)変換器12、入力回路13a〜13c、ROM(Read−Only Memory)14、RAM(Random Access Memory)15、タイマ16、CPU(Central Processing Unit)17、点火回路18、及び駆動回路19a及び19bを備えている。
【0026】
波形整形回路11は、クランク角センサ21の出力信号を検出し、このように検出した出力信号に対して所定の整形処理を施した後にCPU17に入力する。クランク角センサ21は、エンジンのクランクシャフトと共に回転するリラクタ22の外周面に設けられた歯部22aの始端位置及び終端位置に対応した立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを有する電圧信号を出力する。
【0027】
A/D変換器12は、スロットル開度センサ23によって検出されたエンジンのスロットルバルブの開度(スロットル開度)に応じたアナログ形態の電気信号をデジタル形態に変換した後にCPU17に入力する。
【0028】
入力回路13aは、車速センサ24によって検出された車輪の回転に応じた電気信号をCPU17に入力する。
【0029】
入力回路13bは、手動式クラッチ3の断続状態(接続状態及び非接続状態)に応じてオン/オフ状態が切り替わるクラッチスイッチ25の状態を示す信号をCPU17に入力する。
【0030】
入力回路13cは、手動式変速機2の状態(ニュートラル状態及び非ニュートラル状態)に応じてオン/オフ状態が切り替わるニュートラルスイッチ26の状態を示す信号をCPU17に入力する。
【0031】
ROM14は、不揮発性の記憶装置によって構成され、その詳細は後述するアイドルストップ・再スタート制御処理用等の制御プログラムや制御データを格納している。
【0032】
RAM15は、揮発性の記憶装置によって構成され、CPU17のワーキングエリアとして機能する。
【0033】
タイマ16は、CPU17からの制御信号に従って計時処理を実行する。
【0034】
CPU17は、内燃機関用電子制御装置1全体の動作を制御する。本実施形態では、CPU17は、ROM14内に記憶されている制御プログラムを実行することによって、クラッチ状態判別部17a、ニュートラル状態判別部17b、アイドル開度判別部17c、回転数算出部17d、車速算出部17e、及び制御部17fとして機能する。これら各部は、図1中で機能ブロックとして示し、それらの機能についての詳細については、後述する。
【0035】
点火回路18は、CPU17からの制御信号に従って、点火コイル27によるエンジンへの点火動作を制御する。
【0036】
駆動回路19aは、CPU17からの制御信号に従って、エンジンに燃料を噴射するインジェクタ28の動作を制御する。
【0037】
駆動回路19bは、CPU17からの制御信号に従って、エンジンのクランクシャフトを回転駆動するスタータモータ29の動作を制御する。
【0038】
以上のような構成を有する内燃機関用電子制御装置1は、以下に示すアイドルストップ・再スタート制御処理を実行することによって、手動式変速機2や手動式クラッチ3の状態に応じて自動停止後の自動再始動処理を適切に実行する。以下、更に図2及び図3をも参照して、アイドルストップ・再スタート制御処理を実行する際の内燃機関用電子制御装置1の動作について、詳細に説明する。
【0039】
〔アイドルストップ・再スタート制御処理〕
図2は、本実施形態における内燃機関用電子制御装置のアイドルストップ・再スタート制御処理の流れを示すフローチャートである。また、図3は、図に示す本実施形態における内燃機関用電子制御装置のアイドルストップ・再スタート制御処理に引き続くアイドルストップ・再スタート制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
図2に示すフローチャートは、車両のイグニッションスイッチがオンされて内燃機関用電子制御装置1が起動されたタイミングで開始となり、アイドルストップ・再スタート制御処理はステップS1の処理に進む。アイドルストップ・再スタート制御処理は、車両が起動されて内燃機関用電子制御装置1が起動されている間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
【0041】
ステップS1の処理では、制御部17fが、車両の現在の状態がエンジンを自動停止したアイドルストップエンジン停止中の状態であるか否かを判別する。車両の現在の状態がアイドルストップエンジン停止中の状態であるか否かは、車両の状態がアイドルストップエンジン停止中の状態であるか否かを示すフラグの状態の確認することによって判別することができる。判別の結果、車両の現在の状態がアイドルストップエンジン停止中の状態である場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS12の処理に進める。一方、車両の現在の状態がアイドルストップエンジン停止中の状態でない場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS2の処理に進める。
【0042】
ステップS2の処理では、制御部17fが、車両の現在の状態がエンジンの自動停止中の状態であるか否かを判別する。判別の結果、車両の現在の状態がエンジンの自動停止中の状態である場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS3の処理に進める。一方、車両の現在の状態がエンジンの自動停止中の状態でない場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS5の処理に進める。
【0043】
ステップS3の処理では、回転数算出部17dが、波形整形回路11から入力された電気信号に基づいてエンジンの回転数を算出する。そして、制御部17fが、回転数算出部17dによって算出されたエンジンの回転数に基づき、エンジンが停止状態にあるか否かを判別する。判別の結果、エンジンが停止状態にある場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS4の処理に進める。一方、エンジンが停止状態にない場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS11の処理に進める。
【0044】
ステップS4の処理では、制御部17fが、車両の現在の状態がアイドルストップエンジン停止中の状態であると判別し、車両の状態がアイドルストップエンジン停止中の状態であるか否かを示すフラグの状態をオン状態に設定する。これにより、ステップS4の処理は完了し、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理は終了する。
【0045】
ステップS5の処理では、回転数算出部17dが、波形整形回路11から入力された電気信号に基づいてエンジンの回転数を算出する。そして、制御部17fが、回転数算出部17dによって算出されたエンジンの回転数に基づき、エンジンが停止状態にあるか否かを判別する。判別の結果、エンジンが停止状態にある場合には、制御部17fは、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理を終了する。一方、エンジンが停止状態にない場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS6の処理に進める。
【0046】
ステップS6の処理では、車速算出部17eが、入力回路13aから入力された電気信号に基づいて車速を算出する。そして、制御部17fが、車速算出部17eによって算出された車速が所定値(例えば0km/h)以下であるか否かを判別する。判別の結果、車速がかかる所定値以下である場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS7の処理に進める。一方、車速がかかる所定値より大きい場合には、制御部17fは、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理を終了する。
【0047】
ステップS7の処理では、回転数算出部17dが、波形整形回路11から入力された電気信号に基づいてエンジンの回転数を算出する。そして、制御部17fが、回転数算出部17dによって算出されたエンジンの回転数が所定値(例えばアイドル回転数)以下であるか否かを判別する。判別の結果、エンジンの回転数がかかる所定値以下である場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS8の処理に進める。一方、エンジンの回転数がかかる所定値より大きい場合には、制御部17fは、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理を終了する。
【0048】
ステップS8の処理では、アイドル開度判別部17cが、A/D変換器12から入力された電気信号に基づいてスロットル開度が所定値(例えばアイドル開度)以下であるか否かを判別する。そして、制御部17fは、アイドル開度判別部17cによって判別された判別結果に基づき、スロットル開度がかかる所定値以下である場合には、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS9の処理に進める。一方、スロットル開度がかかる所定値より大きい場合には、制御部17fは、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理を終了する。
【0049】
ステップS9の処理では、ニュートラル状態判別部17bが、入力回路13cから入力された電気信号に基づいてニュートラルスイッチ26がオン状態(手動式変速機2がニュートラル状態)であるか否かを判別する。そして、制御部17fは、ニュートラル状態判別部17bによって判別された判別結果に基づき、ニュートラルスイッチ26がオン状態である場合には、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS10の処理に進める。一方、ニュートラルスイッチ26がオフ状態である場合には、制御部17fは、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理を終了する。
【0050】
ステップS10の処理では、クラッチ状態判別部17aが、入力回路13bから入力された電気信号に基づいてクラッチスイッチ25がオン状態(手動式クラッチ3が非接続状態)であるか否かを判別する。そして、制御部17fは、クラッチ状態判別部17aによって判別された判別結果に基づき、クラッチスイッチ25がオン状態である場合には、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS11の処理に進める。一方、クラッチスイッチ25がオフ状態である場合には、制御部17fは、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理を終了する。
【0051】
ステップS11の処理では、制御部17fが、点火回路18及び駆動回路19aを制御することによって点火コイル27を介した点火動作及びインジェクタ28を介した燃料の噴射動作を停止することにより、エンジンを自動停止させる。これにより、ステップS11の処理は完了し、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理は終了する。
【0052】
ステップS12の処理では、制御部17fが、車両の現在の状態がエンジン自動停止後にエンジンを自動再始動させるアイドルストップエンジン自動再始動中の状態であるか否かを判別する。車両の現在の状態がアイドルストップエンジン自動再始動中の状態であるか否かは、車両の状態がアイドルストップエンジン自動再始動中の状態であるか否かを示すフラグの状態の確認することによって判別することができる。判別の結果、車両の現在の状態がアイドルストップエンジン自動再始動中の状態である場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS13の処理に進める。一方、車両の現在の状態がアイドルストップエンジン自動再始動中の状態でない場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS17の処理に進める。
【0053】
ステップS13の処理では、回転数算出部17dが、波形整形回路11から入力された電気信号に基づいてエンジンの回転数を算出する。そして、制御部17fが、回転数算出部17dによって算出されたエンジンの回転数が所定値(例えばアイドル回転数)以上であるか否かを判別する。判別の結果、エンジンの回転数がかかる所定値以上である場合には、制御部17fは、エンジンは再始動済みであると判断し、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS14の処理に進める。一方、エンジンの回転数がかかる所定値未満である場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS23の処理に進める。
【0054】
ステップS14の処理では、制御部17fが、駆動回路19bを制御することによってスタータモータ29の駆動を停止することにより、エンジンの自動再始動処理を終了する。これにより、ステップS14の処理は完了し、アイドルストップ・再スタート制御処理はステップS15の処理に進む。
【0055】
ステップS15の処理では、制御部17fが、車両の状態がアイドルストップエンジン停止中の状態であるか否かを示すフラグをオフ状態に設定する。これにより、ステップS15の処理は完了し、アイドルストップ・再スタート制御処理はステップS16の処理に進む。
【0056】
ステップS16の処理では、制御部17fが、車両の状態がアイドルストップエンジン自動再始動中の状態であるか否かを示すフラグをオフ状態に設定する。これにより、ステップS16の処理は完了し、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理は終了する。
【0057】
ステップS17の処理では、ニュートラル状態判別部17bが、入力回路13cから入力された電気信号に基づいてニュートラルスイッチ26がオン状態(手動式変速機2がニュートラル状態)であるか否かを判別する。そして、制御部17fは、ニュートラル状態判別部17bによって判別された判別結果に基づき、ニュートラルスイッチ26がオン状態である場合には、ニュートラル状態判別部17bはアイドルストップ・再スタート制御処理をステップS18の処理に進める。一方、ニュートラルスイッチ26がオフ状態である場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS25の処理に進める。
【0058】
ステップS18の処理では、クラッチ状態判別部17aが、入力回路13bから入力された電気信号に基づいてクラッチスイッチ25がオン状態(手動式クラッチ3が非接続状態)であるか否かを判別する。そして、制御部17fは、クラッチ状態判別部17aによって判別された判別結果に基づき、クラッチスイッチ25がオン状態である場合には、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS19の処理に進める。一方、クラッチスイッチ25がオフ状態である場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS26の処理に進める。
【0059】
ステップS19の処理では、制御部17fが、エンジンの自動停止後にクラッチスイッチ25がオフ状態(手動式クラッチ3が接続状態)になった履歴があるか否かを示すフラグの状態に基づいてエンジンの自動停止後にクラッチスイッチ25がオフ状態になった履歴があるか否かを判別する。判別の結果、エンジンの自動停止後にクラッチスイッチ25がオフ状態になった履歴がある場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS23の処理に進める。一方、エンジンの自動停止後にクラッチスイッチ25がオフ状態になった履歴がない場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS20の処理に進める。
【0060】
ステップS20の処理では、アイドル開度判別部17cが、A/D変換器12から入力された電気信号に基づいてスロットル開度が所定値(例えばアイドル開度)以下であるか否かを判別する。そして、制御部17fは、アイドル開度判別部17cによって判別された判別結果に基づき、スロットル開度がかかる所定値以下である場合には、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS22の処理に進める。一方、スロットル開度がかかる所定値より大きい場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS21の処理に進める。
【0061】
ステップS21の処理では、制御部17fが、エンジンの自動停止後にスロットル開度が所定値(例えばアイドル開度)より大きくなった履歴があるか否かを示すフラグをオン状態(履歴あり)に設定する。これにより、ステップS21の処理は完了し、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理は終了する。
【0062】
ステップS22の処理では、制御部17fが、エンジンの自動停止後にスロットル開度が所定値(例えばアイドル開度)より大きくなった履歴があるか否かを示すフラグの状態に基づいてエンジンの自動停止後にスロットル開度がかかる所定値より大きくなった履歴があるか否かを判別する。判別の結果、エンジンの自動停止後にスロットル開度がかかる所定値より大きくなった履歴がある場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS23の処理に進める。一方、エンジンの自動停止後にスロットル開度がかかる所定値より大きくなった履歴がない場合には、制御部17fは、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理を終了する。
【0063】
ステップS23の処理では、制御部17fが、エンジンの自動再始動処理を実行する。即ち、制御部17fは、駆動回路19bを制御することによってスタータモータ29を駆動する。また、制御部17fは、点火回路18及び駆動回路19aを制御することによって点火コイル27による点火動作及びインジェクタ28による燃料の噴射動作を許可する。これにより、ステップS23の処理は完了し、アイドルストップ・再スタート制御処理はステップS24の処理に進む。
【0064】
ステップS24の処理では、制御部17fが、車両の状態がアイドルストップエンジン自動再始動中の状態であるか否かを示すフラグをオン状態に設定する。これにより、ステップS24の処理は完了し、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理は終了する。
【0065】
ステップS25の処理では、クラッチ状態判別部17aが、入力回路13bから入力された電気信号に基づいてクラッチスイッチ25がオン状態(手動式クラッチ3が非接続状態)であるか否かを判別する。そして、制御部17fは、クラッチ状態判別部17aによって判別された判別結果に基づき、クラッチスイッチ25がオン状態である場合には、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS27の処理に進める。一方、クラッチスイッチ25がオフ状態である場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS26の処理に進める。
【0066】
ステップS26の処理では、制御部17fが、エンジンの自動停止後にクラッチスイッチ25がオフ状態(手動式クラッチ3が接続状態)になった履歴があるか否かを示すフラグの状態をオン状態(履歴あり)に設定する。これにより、ステップS26の処理は完了し、アイドルストップ・再スタート制御処理はステップS27の処理に進む。
【0067】
ステップS27の処理では、アイドル開度判別部17cが、A/D変換器12から入力された電気信号に基づいてスロットル開度が所定値(例えばアイドル開度)以下であるか否かを判別する。そして、制御部17fは、アイドル開度判別部17cによって判別された判別結果に基づき、スロットル開度がかかる所定値以下である場合には、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS29の処理に進める。一方、スロットル開度がかかる所定値より大きい場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS28の処理に進める。
【0068】
ステップS28の処理では、制御部17fが、エンジンの自動停止後にスロットル開度が所定値(例えばアイドル開度)より大きくなった履歴があるか否かを示すフラグをオン状態(履歴あり)に設定する。これにより、ステップS28の処理は完了し、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理は終了する。
【0069】
ステップS29の処理では、制御部17fが、エンジンの自動停止後にスロットル開度が所定値(例えばアイドル開度)より大きくなった履歴があるか否かを示すフラグの状態に基づいてスロットル開度がかかる所定値より大きくなった履歴があるか否かを判別する。判別の結果、エンジンの自動停止後にスロットル開度がかかる所定値より大きくなった履歴がある場合には、制御部17fは、アイドルストップ・再スタート制御処理をステップS30の処理に進める。一方、エンジンの自動停止後にスロットル開度がかかる所定値より大きくなった履歴がない場合には、制御部17fは、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理を終了する。
【0070】
ステップS30の処理では、制御部17fが、エンジンの自動再始動処理を実行する。即ち、制御部17fは、駆動回路19bを制御することによってスタータモータ29を駆動する。また、制御部17fは、点火回路18及び駆動回路19aを制御することによって点火コイル27による点火動作及びインジェクタ28による燃料の噴射動作を許可する。これにより、ステップS30の処理は完了し、アイドルストップ・再スタート制御処理はステップS31の処理に進む。
【0071】
ステップS31の処理では、制御部17fが、車両の状態がアイドルストップエンジン自動再始動中の状態であるか否かを示すフラグをオン状態に設定する。これにより、ステップS31の処理は完了し、今回の一連のアイドルストップ・再スタート制御処理は終了する。
【0072】
以上の説明から明らかなように、本実施形態における内燃機関用電子制御装置1では、制御部17fが、エンジンの自動停止後において、クラッチ状態判別部17aが判別した手動式クラッチの断続状態が、自動停止時における非接続状態から接続状態に遷移した後で、再度非接続状態に遷移したという自動再始動条件が満足された場合に、エンジンを自動再始動するものであるため、運転者の車両発進意志を示すクラッチ操作を契機として、簡便な構成でエンジンの自動停止後の自動再始動を適切に実行することができる。
【0073】
また、本実施形態における内燃機関用電子制御装置1では、自動再始動条件が、内燃機関の自動停止後において、ニュートラル状態判別部17bが、手動式変速機がニュートラル状態に在ると判別したことを更に含んで設定されるものであるため、手動式変速機のニュートラル・インギヤ状態を考慮して、簡便な構成でエンジンの自動停止後の自動再始動を適切に実行することができる。
【0074】
また、本実施形態における内燃機関用電子制御装置1では、自動再始動条件が、内燃機関の自動停止後において、アイドル開度判別部17cが、スロットルバルブが自動停止時におけるアイドル開度状態から非アイドル開度状態に遷移した後で、再度アイドル開度状態に遷移したと判別したことを更に含んで設定されるものであるため、運転者の車両発進意志を示すアクセル操作を契機として、簡便な構成でエンジンの自動停止後の自動再始動を適切に実行することができる。
【0075】
また、本実施形態における内燃機関用電子制御装置1では、制御部17fが、回転数算出部17dが算出した内燃機関の回転数が所定値以下であり、スロットルバルブがアイドル開度状態にあるとアイドル開度判別部17cが判別し、車速算出部17eが算出した車速が所定値以下であり、かつ、クラッチ状態判別部17aが判別したクラッチの断続状態が非接続状態であるという自動停止条件が満足された場合に、内燃機関を自動停止するものであるため、エンジンの自動再始動に円滑に移行し得るエンジンの自動停止を適切に実行することができる。
【0076】
また、本実施形態における内燃機関用電子制御装置1では、自動停止条件が、ニュートラル状態判別部17bが手動式変速機がニュートラル状態に在ると判別したことを更に含んで設定されるものであるため、エンジンの自動再始動に円滑に移行し得るエンジンの自動停止をより適切に実行することができる。
【0077】
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明は、簡便な構成で、手動式クラッチの断続状態や手動式変速機のニュートラル・インギヤ状態を考慮しながら、エンジンの自動停止後の自動再始動を適切に実行可能な内燃機関用電子制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から車両等の内燃機関用電子制御装置に広く適用され得るものと期待される。
【符号の説明】
【0079】
1…内燃機関用電子制御装置
2…手動式変速機
3…手動式クラッチ
11…波形整形回路
12…A/D変換器
13a〜13c…入力回路
14…ROM
15…RAM
16…タイマ
17…CPU
17a…クラッチ状態判別部
17b…ニュートラル状態判別部
17c…アイドル開度判別部
17d…回転数算出部
17e…車速算出部
17f…制御部
18…点火回路
19a、19b…駆動回路
21…クランク角センサ
22…リラクタ
22a…歯部
23…スロットル開度センサ
24…車速センサ
25…クラッチスイッチ
26…ニュートラルスイッチ
27…点火コイル
28…インジェクタ
29…スタータモータ
B…バッテリ
図1
図2
図3