(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404099
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】ドアロック装置
(51)【国際特許分類】
E05B 85/02 20140101AFI20181001BHJP
E05B 77/34 20140101ALI20181001BHJP
E05B 79/20 20140101ALI20181001BHJP
B60R 25/01 20130101ALI20181001BHJP
【FI】
E05B85/02
E05B77/34
E05B79/20
B60R25/01
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-240723(P2014-240723)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-102317(P2016-102317A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一
(72)【発明者】
【氏名】赤木 伸哉
【審査官】
藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−256185(JP,A)
【文献】
特開2013−036242(JP,A)
【文献】
特開2012−180702(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0236305(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内で回動可能に支持された連動レバーと、
該連動レバーの端部を前記ハウジングの外側に露出させるために前記ハウジングに形成された開口部と、
該開口部を閉塞するカバーと、
を備えたドアロック装置において、
前記カバーの上方の前記ハウジングの外面に、前記ハウジングの外面に付着した水を傾斜面に沿って所定の集水部へとガイドするガイド部を設け、
前記カバーの前記集水部の下方に位置する部位の水平方向の高さを、前記集水部の水平方向の高さよりも低く設定するとともに、
前記カバーの前記集水部の下方に位置する部位に、上下方向に延びる凹溝を形成したことを特徴とするドアロック装置。
【請求項2】
前記連動レバーに連結されたワイヤー状のインナケーブルと該インナケーブルが内部に進退可能に挿通する管状のアウタケーブルを備えるケーブルの一部を前記カバー内に収納し、
前記凹溝を、前記インナケーブルと水平方向に重なる位置に形成したことを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。
【請求項3】
前記ハウジングの外面に、前記ガイド部の一部を構成する第1リブと、該第1リブの下方に第1リブと平行に配置された第2リブを形成し、
前記カバーの上端縁に沿って内面側に屈曲するフランジ部を前記第1リブと前記第2リブとの間に嵌め込み、該フランジ部を、前記第2リブに突設された突起によって前記第1リブに押圧したことを特徴とする請求項1又は2に記載のドアロック装置。
【請求項4】
前記ハウジングの前記開口部の近傍に、前記開口部への水の流れを防ぐ防水リブを形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のドアロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗降口を開閉するドアを車体に対してロック又はアンロックするためのドアロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のドアには、車体側に設けられた略U字状のストライカに係脱することによって該ドアを車体に対してロック(閉扉)又はアンロック(開扉)するためのドアロック装置が設けられている。このドアロック装置は、ハウジング内に、ストライカを係止してドアをロックするラッチ機構と、該ラッチ機構によるドアのロックを解除するロック機構を収容して構成されている。
【0003】
而して、ドアロック装置のハウジングには、ロック機構を構成する連動レバーが回動可能に支持されて収容されており、この連動レバーの一端にはケーブル又はロッドが連結され、ケーブル又はロッドの他端は、車室内に設けられたインナハンドルに連結されている。そして、乗員が車室内からインナハンドルを操作すると、ケーブル又はロッドを介して連動レバーが回動してロック機構が動作し、ラッチ機構によるドアのロック状態が解除(アンロック)されてドアを開くことができる。
【0004】
ところで、近年、ドアロック装置には、車両の盗難防止性と防水性を高めるためにラッチ機構、ロック機構、電動アクチュエータ等を密閉されたハウジング内に収容するものがあるが、このような構造を採用するドアロック装置においては、ケーブル等の一端をハウジング内の連動レバーに連結するために、ハウジングに連動レバーの一部(連結部)を露出させるための開口部を設ける必要がある。このようにハウジングに開口部が設けられると、ドアロック装置に高い防水性が確保されないため、連動レバーにケーブル又はロッドの一端を連結した後にハウジングの開口部をカバーで閉鎖することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−129813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のようにドアロック装置のハウジングに開口する開口部をカバーで閉鎖する場合、コストと機能との兼ね合いから、カバーと開口部との間の隙間をパッキン等によって完全にシールする構成は採用されておらず、ハウジングの開口部の周辺に設けられた取付枠にカバーを嵌合させて係合爪等によって固定する簡易な構成が採用されている。
【0007】
しかしながら、上記従来の簡易的な防水構造では、ハウジングの取付枠とカバーとの間に隙間が発生し、この隙間から内部に水が浸入する可能性がある。そして、浸入した水がケーブルや連動レバーに付着し、その付着した水が氷結すると、ドアロック装置の作動不良が発生する可能性がある。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、カバー内への水の浸入を防いで安定した作動安定性を確保することができるドアロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
ハウジング内で回動可能に支持された連動レバーと、
該連動レバーの端部を前記ハウジングの外側に露出させるために前記ハウジングに形成された開口部と、
該開口部を閉塞するカバーと、
を備えたドアロック装置において、
前記カバーの上方の前記ハウジングの外面に、前記ハウジングの外面に付着した水を傾斜面に沿って所定の集水部へとガイドするガイド部を設け、
前記カバーの前記集水部の下方に位置する部位の水平方向の高さを、前記集水部の水平方向の高さよりも低く設定
するとともに、
前記カバーの前記集水部の下方に位置する部位に、上下方向に延びる凹溝を形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項
2に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、前記連動レバーに連結されたワイヤー状のインナケーブルと該インナケーブルが内部に進退可能に挿通する管状のアウタケーブルを備えるケーブルの一部を前記カバー内に収納し、
前記凹溝を、前記インナケーブルと水平方向に重なる位置に形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項
3に記載の発明は、請求項1
又は2に記載の発明において、前記ハウジングの外面に、前記ガイド部の一部を構成する第1リブと、該第1リブの下方に第1リブと平行に配置された第2リブを形成し、
前記カバーの上端縁に沿って内面側に屈曲するフランジ部を前記第1リブと前記第2リブとの間に嵌め込み、該フランジ部を、前記第2リブに突設された突起によって前記第1リブに押圧したことを特徴とする。
【0013】
請求項
4に記載の発明は、請求項1〜
3の何れかに記載の発明において、前記ハウジングの前記開口部の近傍に、前記開口部への水の流れを防ぐ防水リブを形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、ハウジングの外面に付着した水は、カバーの上方のハウジングの外面に設けられたガイド部の傾斜面に沿って所定の集水部へと流れて集められる。ここで、カバーの集水部の下方に位置する部位の水平方向の高さは、集水部の水平方向の高さよりも低く設定されているため、集水部が庇として機能し、集水部からこぼれ落ちる水がカバーの上面に付着することを防ぐことができ、カバー内への水の浸入が確実に防がれる。この結果、ドアロック装置に高い防水性が確保されるとともに、安定した作動安定性が確保される。
【0015】
又、カバーの集水部の下方に位置する部位に、上下方向に延びる凹溝を形成したため、カバーの集水部の下方に位置する部位の水平方向の高さを集水部の水平方向の高さよりも低く設定することができるとともに、集水部からこぼれ落ちる水が凹溝に沿って流れる。このため、水がカバーの上面に沿って横方向に拡散することがなく、カバー内への水の浸入を確実に防いでドアロック装置に高い防水性を確保することができる。
【0016】
請求項
2に記載の発明によれば、集水部をアウタケーブルよりも小径のインナケーブルの上方に配置したため、凹溝をインナケーブルと水平方向に重なる位置に設けることができる。このため、凹溝を設けるスペースを確保することができ、カバー全体の水平方向の厚さを薄くしてドアロック装置の小型化を図ることができる。
【0017】
請求項
3に記載の発明によれば、ハウジングの外面に、ガイド部の一部を構成する第1リブと、該第1リブの下方に第1リブと平行に配置された第2リブを形成し、カバーの上端縁に沿って内面側に屈曲するフランジ部を前記第1リブと前記第2リブとの間に嵌め込み、該フランジ部を、前記第2リブに突設された突起によって前記第1リブに押圧するようにしたため、カバーのフランジ部と第1リブとの間の隙間が小さく抑えられ、隙間からカバー内への水の浸入が防がれる。そして、カバーと第1リブとの隙間から水が浸入した場合であっても、水のカバー内への浸入が第2リブによって防がれるため、ドアロック装置に高い防水性が確保される。
【0018】
請求項
4に記載の発明によれば、カバー内に水が浸入した場合であっても、ハウジングの開口部の近傍に形成された防水リブによって開口部への水の流れが防がれるため、開口部からハウジング内への水の浸入が防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係るドアロック装置の分解斜視図である。
【
図2】本発明に係るドアロック装置のカバー装着前の状態を示す正面図である。
【
図3】本発明に係るドアロック装置のカバー装着後の状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明に係るドアロック装置の分解斜視図、
図2は同ドアロック装置のカバー装着前の状態を示す正面図、
図3は同ドアロック装置のカバー装着後の状態を示す正面図、
図4は
図3のA−A線断面図、
図5は
図3のB−B線断面図である。
【0022】
本発明に係るドアロック装置1は、ハウジング2内に、車体側に設けられた不図示のストライカを係止して車両の不図示のドアをロックするラッチ機構3と、該ラッチ機構3によるドアのロックを解除するロック機構を収容して構成されており、ロック機構は、ハウジング2内に回動可能に収容された連動レバー4を備えている。
【0023】
上記ハウジング2は、
図4に示すように、アッパケース2Aとロアケース2Bを接合一体化して構成されており、アッパケース2Aの外面の中間高さ位置には、
図1及び
図2に示すように、図の右方に向かって斜め下方に傾斜する平行な上下の第1リブ5及び第2リブ6が一体に形成されるとともに、第1リブ5の長手方向中間部から図の右方に向かって斜め上方に傾斜するガイドリブ7が一体に形成されている。又、アッパケース2Aの外面の前記第1リブ5と前記第2リブ6の下方には、円弧状に屈曲する第3リブ8が一体に形成されている。
【0024】
ところで、
図1及び
図2に示すように、アッパケース2Aの外面に形成された前記第1リブ5の下面の右端部には、下方に向かって突出する係合爪5aが一体に形成されている。又、第2リブ6の上面の左右には、上方に向かって突出する突起6aが一体に突設されている。
【0025】
ここで、アッパケース2Aの外面に形成された前記第1リブ5の一部5bと前記ガイドリブ7は、正面視V字状のガイド部を構成しており、このガイド部を構成する第1リブ5の一部5bとガイドリブ7とが交わる部分には、アッパケース2Aの外面に付着した水が集められる集水部9が形成されている。尚、ガイド部を形成する第1リブ5の一部5bとガイドリブ7の各上面は、アッパケース2Aの外面に付着した水を流すための傾斜面を構成している。
【0026】
又、
図1及び
図2に示すように、アッパケース2Aの下部には、前記連動レバー4の一部を露出させるための切欠き状の開口部2aが形成されており、アッパケース2Aの外面の前記開口部2aの近傍には、前記第2リブ6から斜め下方に延びる防水リブ10が一体に形成されている。尚、アッパケース2Aの上部の左側部には、ロック機構に設けられた不図示の電動アクチュエータに給電する電源コードを接続するためのコネクタ11が設けられている。又、前記ラッチ機構3は、ハウジング2の右側部に上下のネジ12,13(
図2及び
図3参照)によって取り付けられている。
【0027】
ところで、
図1及び
図2に示すように、アッパケース2Aの下端部の左右には、ブラケット14と円形のボス15が一体に形成されており、これらのブラケット14とボス15の各中心部にはネジ孔14a,15aがそれぞれ形成されている。
【0028】
前記連動レバー4は、
図1に示すように、その中央部に設けられた円筒状の軸部4Aを中心として回動可能であって、その軸部4Aがアッパケース2Aに形成された前記ボス部15の内側に回動可能に支持されている。そして、この連動レバー4の軸部4Aの近傍には連結部4Bが形成されており、この連結部4Bには、ケーブル16の小径のワイヤー状のインナケーブル16aの一端が連結されており、インナケーブル16aの他端は,車室内に設けられた不図示のインナハンドルに連結されている。ここで、ケーブル16は、インナケーブル16aと、該インナケーブル16aが進退可能に挿通する管状のアウタケーブル16bとで構成されており、アウタケーブル16bは、
図2に示すように、アッパケース2Aの外面に形成された切欠円状のケーブル固定部2bに挿通固定されている。
【0029】
而して、ケーブル16のインナケーブル16aの一端は、これに結着された円柱状の係止駒17を連動レバー4の連結部4Bに形成された切欠円状の係止孔4aに挿入して係止することによって連動レバー4の連結部4Bに連結されており、連動レバー4の連結部4Bにインナケーブル16aの一端を連結するために、連動レバー4の連結部4Bを含む一部が
図2に示すようにアッパケース2Aの開口部2aに露出している。
【0030】
上述のように、アッパケース2Aに、連動レバー4の一部を露出させるための開口部2aが開口している場合には、アッパケース2Aの外面に付着した水が開口部2aからハウジング2の内部に浸入する可能性があるため、ケーブル16のインナケーブル16aの一端を連動レバー4の連結部4Bに連結した後、アッパケース2Aの開口部
2aは、
図3に示すようにカバー18によって閉塞される。
【0031】
ここで、カバー18は、
図1に示すように、アッパケース2Aの外面に形成された第1リブ5と第3リブ8の外周を連ねた形状に成形されており、その周縁には、内面側に直角に屈曲するフランジ部18Aが形成されている(
図4参照)。そして、カバー18の上側のフランジ部18Aの所定箇所(アッパケース2Aの第1リブ5の下面に突設された前記係合爪5aに対応する箇所)には、
図1に示すように、矩形の係合孔18aが形成されている。又、
図1に示すように、カバー18の下部の左右(アッパケース2Aに形成された前記ブラケット14と前記ボス15に対応する箇所)には、凹状の取付座18B,18Cがそれぞれ形成されており、各取付座18B,18Cには円孔状のネジ挿通孔18b,18cがそれぞれ形成されている。
【0032】
更に、カバー18の外面の所定部位(
図3に示すカバー18の取付状態においてアッパケース2Aの集水部9の下方に位置する部位)には、上下方向に延びる凹溝18dが形成されている(
図1及び
図3参照)。
【0033】
而して、カバー18は、その上下のフランジ部18Aを
図4に示すようにアッパケース2Aの第2リブ6と第3リブ8の外面に嵌合させると、上側のフランジ部18Aに形成された係合孔18a(
図1参照)にアッパケース2Aの第1リブ5の下面に突設された前記係合爪5aが係合するため、アッパケース2Aの外面に保持される。このようにカバー18がアッパケース2Aの外面に保持された状態では、該カバー18の下部の左右に形成された取付座18B,18Cのネジ挿通孔18b,18c(
図1参照)とアッパケース2Aの下部の左右に形成されたブラケット14とボス15のネジ孔14a,15aとが合致するため、ネジ挿通孔18b,18cに挿通するネジ19,20をネジ孔14a,15aにねじ込めば、カバー18がアッパケース2Aの外面に取り付けられ、アッパケース2Aに形成された開口部2aがカバー18によって閉塞されるとともに、ケーブル16の一部がカバー18内に収納される。
【0034】
ところで、本実施の形態では、
図4及び
図5に示すように、カバー18の上側のフランジ部18Aは、アッパケース2Aの第1リブ5と第2リブ6の間に嵌め込まれるが、このとき、第2リブ6の上面の左右に突設された前記突起6aによってフランジ部18Aが
図5に示すように第1リブ5の下面に押圧されるため、第1リブ5とフランジ部18Aの間の隙間が小さく抑えられる。
【0035】
又、本実施の形態では、
図4に示すように、カバー18の集水部9の下方に位置する凹溝18dの水平方向の高さは、アッパケース2Aに形成された第1リブ5(集水部9)の水平方向の高さよりも低く設定されており、両者間には図示のδの段差が形成されている。そして、本実施の形態では、
図4に示すように、カバー18の凹溝18dは、ケーブル16のインナケーブル16aと水平方向に重なる位置に形成されている。
【0036】
以上において、本発明に係るドアロック装置1においては、アッパケース2Aの外面に付着した水は、カバー18の上方のアッパケース2Aの外面に設けられたガイド部、具体的には第1リブ5の一部5bとガイドリブ7の傾斜面に沿って
図3に矢印a,bにて示すように集水部9へと流れて集められる。ここで、カバー18の集水部9の下方に位置する凹溝18dの水平方向の高さは、
図4に示すように、集水部9を構成する第1リブ5の水平方向の高さよりも低く設定されているため、第1リブ5が庇として機能し、集水部9からこぼれ落ちる水が
図3に矢印cにて示すようにカバー18の凹溝18dに沿って流れる。従って、集水部9からこぼれ落ちた水がカバー18の上側のフランジ部18Aに直接付着することを防ぐことができるとともに、水がカバー18の上側のフランジ部18Aの上面に沿って横方向に拡散することがなく、カバー18内への水の浸入が確実に防がれる。この結果、ドアロック装置1に高い防水性が確保されるとともに、安定した作動安定性が確保される。
【0037】
又、本発明に係るドアロック装置1においては、集水部9をアウタケーブル16bよりも小径のインナケーブル16aの上方に配置したため、カバー18の凹溝18dをインナケーブル16aと水平方向に重なる位置に設けることができる。このため、カバー18に凹溝18dを設けるスペースを確保することができ、カバー18全体の水平方向の厚さを薄くしてドアロック装置1の小型化を図ることができる。
【0038】
更に、本実施の形態では、アッパケース2Aの外面に、ガイド部の一部を構成する第1リブ5と、該第1リブ5の下方に第1リブ5と平行に配置された第2リブ6を形成し、カバー18の上端縁に沿って内面側に屈曲するフランジ部18Aを第1リブ5と第2リブ6との間に嵌め込み、該フランジ部18Aを、第2リブ6に突設された突起6aによって第1リブ5に押圧するようにしたため、カバー18のフランジ部18Aと第1リブ5との間の隙間が小さく抑えられ、隙間からカバー18内への水の浸入が防がれる。そして、カバー18と第1リブ5との隙間から水が浸入した場合であっても、水のカバー18内への浸入が第2リブ6によって防がれるため、ドアロック装置1に高い防水性が確保される。
【0039】
又、本実施の形態では、カバー18内に水が浸入した場合であっても、アッパケース2Aの開口部2aの近傍に形成された防水リブ10によって開口部2aへの水の流れが防がれるため、開口部2aからハウジング2内への水の浸入が防がれるという効果が得られる。
【0040】
尚、
本実施の形態においては、カバー18の集水部9の下方に位置する部分に凹溝18dを設けることによって、カバー18の集水部9の下方に位置する部分の水平方向の高さを、集水部9の水平方向の高さよりも低く設定するように構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、カバー18全体の水平方向の厚みを薄くすることによって、カバー18の集水部9の下方に位置する部分の水平方向の高さを、集水部9の水平方向の高さよりも低くするように構成しても良い。
【符号の説明】
【0041】
1 ドアロック装置
2 ハウジング
2A ハウジングのアッパケース
2B ハウジングのロアケース
2a ハウジングの開口部
3 ラッチ機構
4 連動レバー
4A 連動レバーの軸部
4B 連動レバーの連結部
5 第1リブ
5a 第1リブの係合爪
5b 第1リブの一部(ガイド部)
6 第2リブ
6a 第2リブの突起
7 ガイドリブ
8 第3リブ
9 集水部
10 防水リブ
16 ケーブル
16a ケーブルのインナケーブル
16b ケーブルのアウタケーブル
18 カバー
18A カバーのフランジ部
18a カバーの係合孔
18d カバーの凹溝
19,20 ネジ