(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404158
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20181001BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20181001BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20181001BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
G09F9/00 348Z
H05B33/14 A
H05B33/02
G09F9/00 346A
G09F9/30 310
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-69491(P2015-69491)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-188975(P2016-188975A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2017年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 孝
(72)【発明者】
【氏名】安藤 直久
【審査官】
小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭60−107622(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2014−0108827(KR,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0217382(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0307396(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0183473(US,A1)
【文献】
特開2011−047977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−46
G02F 1/13−1/1335
1/13363−1/141
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域と、前記第1領域に接して位置し且つ屈曲している屈曲部と、前記屈曲部に接して位置し且つ前記第1領域と重なる部分を含む第2領域と、を備える可撓性の基板と、
前記屈曲部と対向する曲面領域と、前記曲面領域に接して位置し且つ前記第1領域と対向する第1平面領域と、を備え、前記屈曲部の内側に位置するスペーサと、
前記屈曲部と前記曲面領域を固定する接着部材と、
を有し、
前記曲面領域には溝部が位置し、
前記溝部に前記接着部材が位置し、
前記第1領域と前記第2領域との間には、前記スペーサが位置しない領域が有ることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記基板は、前記スペーサが位置しない前記領域において、互いに対向する前記第1領域に位置する第1表面と前記第2領域に位置する第2表面とを有し、
前記スペーサは、前記曲面領域と前記第1平面領域の境界部から、前記第1表面から前記第2表面に向かう方向への、断面視の長さである幅を有し、
前記第1表面と前記第2表面との距離は、前記幅よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記スペーサは、前記第1平面領域に交差する第2平面領域を備え、
前記第2平面領域は、前記基板と接していないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記スペーサは、前記曲面領域の前記第1平面領域とは反対の側で、前記曲面領域に接して位置する第2平面領域を備え、
前記第2平面領域は、前記第2領域の一部と対向することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1平面領域の表面と前記第2平面領域の表面との距離は、前記曲面領域から遠ざかるにつれて小さくなることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記スペーサは、前記曲面領域の曲面に交差する第1の側面と第2の側面とを有し、
前記溝部は、前記第1の側面から前記第2の側面に向かう方向へ延びていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記曲面領域の曲面は第1の方向に曲がり、
前記溝部は、前記第1の方向へ延びていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1領域の一部と前記第2領域の一部とは、接着剤を介して固定されていることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記スペーサと前記接着剤とは離間していることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2領域には、フレキシブルプリント基板が接続していることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1領域の前記第2領域が位置する側には、バックプレートが位置し、
前記バックプレートの少なくとも一部は、前記第1領域と前記第2領域とに挟まれ、
前記バックプレートの前記第1領域とは反対の側には、電子部品が搭載されていることを特徴とする請求項1から請求項10の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記バックプレートは、金属又は樹脂であることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の表示装置では、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)等の自発光素子をトランジスタ等のスイッチング素子を用いて制御し、画像を表示する場合がある。画像を表示する有機ELパネル等の表示パネルは、可撓性基板を用いて構成される場合があり、曲面形状を有する場合がある。
【0003】
下記特許文献1には、第1表示領域と、曲面に位置する第2表示領域と、折り曲げられた非表示領域と、を備える可撓性表示パネルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−15835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置は、表示領域と額縁領域とを有する場合がある。ここで、基板を折り曲げて額縁領域の幅を狭くする場合、額縁領域に設けられた配線の断線を防止する必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、基板を折り曲げて狭額縁化する場合であっても、断線のおそれが低減された表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の表示装置は、可撓性を有し、画像表示機能が設けられた表示エリアの外側において90度以上に屈曲した屈曲部を有する絶縁基板と、前記屈曲部内側に配置され、前記屈曲部が巻き付けられる曲面領域及び前記絶縁基板と対向する平面領域を有するスペーサと、を有し、前記絶縁基板は、前記平面領域と対向するように、前記屈曲部に隣接した平坦部を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る表示パネルの側面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る表示パネルの平面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るスペーサの斜視図である。
【
図5】第1の変形例に係るスペーサの斜視図である。
【
図6】第2の変形例に係るスペーサの斜視図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る表示パネルの側面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係るスペーサの斜視図である。
【
図9】本発明の第3の実施形態に係る表示パネルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置1を示す斜視図である。表示装置1は、フレーム2の内側に固定された表示パネル10から構成されている。
図1では、フレーム2の一部を切り欠いた状態を示し、内部に収められた表示パネル10を図示している。表示パネル10は、後述するように、端部が折り返された状態で固定される。
【0011】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る表示パネル10の側面図である。表示パネル10は、可撓性を有し、絶縁基板であるTFT(Thin Film Transistor)基板20と、TFT基板20の上に設けられ、可撓性を有する対向基板21と、TFT基板20の端部に接続されたフレキシブルプリント基板(Flexible Print Circuit:FPC)22とから構成される。ここで、TFT基板20及び対向基板21は、ポリイミド等で形成されてよい。フレキシブルプリント基板22には、駆動IC(Integrated Circuit)23が搭載される。フレキシブルプリント基板22には、その他の電子回路が搭載されてもよい。
【0012】
対向基板21は、表示エリア(表示部A)の視認側に配置され、TFT基板20は、視認側と反対側に配置される。絶縁基板であるTFT基板20と、対向基板21とは、表示エリア(表示部A)の外側において90度以上に屈曲した屈曲部B1を有する。屈曲部B1が90度以上に屈曲していれば、視認側から見た場合に額縁領域が狭くなる。ここで、屈曲部B1の曲げ角は180度以上であってもよい。本実施形態に係る表示パネル10では、屈曲部B1は、180度の曲げ角を有する。
【0013】
屈曲部B1の内側には、屈曲部B1において配線が断線することを防止するスペーサ12が設けられる。スペーサ12は、屈曲部B1内側に配置され、屈曲部B1が巻き付けられる曲面領域32(
図4において図示)及びTFT基板20と対向する第1平面領域31と第2平面領域33(
図4において図示)を有する。スペーサ12の第1平面領域31に対応して、TFT基板20は、第1平面領域31と対向するように、屈曲部B1に隣接した平坦部D1を有する。
【0014】
本実施形態に係る表示パネル10は、スペーサ12によって絶縁基板であるTFT基板20の曲率半径を制限することにより、TFT基板20に設けられる配線が断線することを防止する。また、スペーサ12が第1平面領域31を有することにより、スペーサ12が回転して位置ずれを起こすことが防止されるとともに、TFT基板20に平坦部D1が設けられ、表示部Aの平坦性が保たれる。
【0015】
絶縁基板であるTFT基板20は、屈曲部B1により表示エリア11(表示部A)の視認側と反対側に折り返された折り返し部C1を有する。折り返し部C1は、外表面上に、電子部品であるフレキシブルプリント基板22が設けられ、フレキシブルプリント基板22の外表面上には電子部品である駆動IC23が搭載される。
【0016】
本実施形態に係る表示パネル10は、屈曲部B1の曲げ角を180度として、折り返し部C1を設けることにより、フレキシブルプリント基板22及び駆動IC23といった電子回路を表示エリア11の視認側と反対側に配置することができる。そのため、額縁領域を広げずに表示装置1の駆動に必要となる電子部品を配置することができる。
【0017】
折り返し部C1は、表示エリア(表示部A)の視認側と反対側の面と、内表面で接着される。本実施形態に係る表示パネル10では、接着剤24を用いて、TFT基板20を接着している。
【0018】
本実施形態に係る表示パネル10は、折り返し部C1を接着剤24により接着することで、屈曲部B1が広がることが防止され、スペーサ12により規定される曲率半径での屈曲が保持される。そのため、表示パネル10をフレーム2に容易に組み込むことができる。
【0019】
表示パネル10のうちフレキシブルプリント基板22と反対側に位置する屈曲部B2、折り返し部C2及び平坦部D2は、フレキシブルプリント基板22側に位置する屈曲部B1、折り返し部C1及び平坦部D1と同様の構成を有する。なお、本実施形態に係る表示パネル10では、4辺に位置する端部のうち2つの端部ついてスペーサ12を設けてTFT基板20及び対向基板21を折り曲げる構成を例示したが、屈曲部は4辺に位置する端部のうち1つの端部に設けてもよいし、3つ以上の端部に設けてもよい。また、表示パネル10が四角形以外の形状である場合であっても、表示エリア11の外側に屈曲部を設けて、屈曲部の内側にスペーサを設けることにより、配線の断線を防止しつつ狭額縁化できる。
【0020】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る表示パネル10の平面図である。
図3では、表示パネル10をフレーム2に組み込む前の状態を表している。表示パネル10は、画像表示機能が設けられた表示エリア11(
図3において破線で囲まれたエリア)を有する。表示エリア11は、RGB各色で発光する画素を含み、それぞれの画素は駆動IC23から発せられる制御信号により発光が制御され、フルカラー表示を行う。本実施形態に係る表示パネル10は、有機EL(Electroluminescence)表示パネルであり、各画素は有機発光ダイオードと制御トランジスタから構成される。表示パネル10は、有機EL表示パネルに限られず、例えば量子ドット表示パネルであってもよい。
【0021】
表示パネル10は、表示エリア11を含む表示部Aと、表示部Aに隣接する平坦部D1及びD2と、平坦部D1に隣接する屈曲部B1及び平坦部D2に隣接する屈曲部B2と、屈曲部B1に隣接する折り返し部C1及び屈曲部B2に隣接する折り返し部C2と、を有する。なお、本実施形態に係る表示パネル10は、TFT基板20及び対向基板21が、長辺方向について表示エリア11よりも大きく形成され、TFT基板20のうち表示エリア11の外側の領域には、フレキシブルプリント基板22が設けられる他、共通電極配線等が設けられる。そのため、
図3に示す状態のまま表示パネル10をフレームに組み込むと、長辺方向について額縁領域が広くなる。そこで、本実施形態に係る表示装置1では、TFT基板20及び対向基板21を折り曲げて、狭額縁化を図っている。
【0022】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るスペーサ12の斜視図である。同図には、仮想的に、第1平面領域31と曲面領域32との境界線と、軸41を示している。スペーサ12の曲面領域32は、軸41に平行な直線を軸41周りに回転させて得られる回転面形状を有する。回転面形状は、円柱の表面形状である。本実施形態に係るスペーサ12では、回転面形状は、軸41に平行な直線を、軸41を基準に半径0.5mmの位置で回転させて得られる形状である。もっとも、曲面領域32の軸41から測った半径は、0.5mm以外の値であってもよい。曲面領域32の曲率半径は、TFT基板20に設けられた配線の曲率半径を規定する。TFT基板20に設けられた配線が断線しない範囲で、曲面領域32の曲率半径を最小のものとすることで、表示パネル10の厚みを抑えることができる。
【0023】
第1平面領域31及び第2平面領域33は、スペーサ12を軸41方向に断面視した場合における曲面領域32によって描かれる円弧40の接線方向であって、曲面領域32から遠ざかる方向に設けられる。円弧40は、軸41を中心とする円弧である。第1平面領域31及び第2平面領域33は、軸41の方向と、円弧40の接線方向とに拡がる平面領域である。
【0024】
スペーサ12は、円弧40の接線方向であって、曲面領域32から遠ざかる方向に突出した突出部30を有する。第1平面領域31及び第2平面領域33は、突出部30の表面である。スペーサ12が突出部30を有することにより、絶縁基板であるTFT基板20が可撓性を有する場合であっても、スペーサ12が屈曲部の内側で回転することが防止されるとともに、絶縁基板が補強される。
【0025】
突出部30は、円弧40の一端から円弧40の接線方向に延びる第1平面領域31と、円弧40の他端から円弧40の接線方向に延びる第2平面領域33とを有する。そして、第1平面領域31は、第2平面領域33に対して90度以下の角度で設けられる。本実施形態に係るスペーサ12において、第1平面領域31は、第2平面領域33に対して直角、すなわち90度の角度で設けられる。このように、第1平面領域31と第2平面領域33とが90度以下の角度で設けられることにより、絶縁基板を支持するのに十分な面積を持った平面領域がスペーサ上に設けられる。
【0026】
図5は、第1の変形例に係るスペーサ12aの斜視図である。本変形例に係るスペーサ12aは、軸41に平行な方向に延びるように設けられた第1溝部50を曲面領域32に有する。本変形例に係る表示装置は、スペーサ12aが第1溝部50を有すること以外の構成について、第1の実施形態に係る表示装置1と同様の構成を有する。なお、
図5に示す例では、第1溝部50は5つ設けられているが、第1溝部50の数はこれに限られず、1本以上であればよい。
【0027】
本変形例に係るスペーサ12aは、第1溝部50に設けられた接着部材を介して屈曲部B1と接着される。これにより、スペーサ12aが屈曲部B1の内側で回転することが防止され、また、スペーサ12aが位置ずれを起こすことが防止される。さらに、折り返し部C1を接着剤24により接着せずとも、折り返し状態が保持される。
【0028】
図6は、第2の変形例に係るスペーサ12bの斜視図である。本変形例に係るスペーサ12bは、スペーサ12bを軸41方向に断面視した場合における曲面領域32によって描かれる円弧に沿って設けられる第2溝部51を有する。本変形例に係る表示装置は、スペーサ12bが第2溝部51を有すること以外の構成について、第1の実施形態に係る表示装置1と同様の構成を有する。なお、
図6に示す例では、第2溝部51は5つ設けられているが、第2溝部51の数はこれに限られず、1本以上であればよい。
【0029】
本変形例に係るスペーサ12bは、第2溝部51に設けられた接着部材を介して屈曲部B1と接着される。これにより、スペーサ12bが屈曲部B1の内側で回転することが防止され、また、スペーサ12aが位置ずれを起こすことが防止される。さらに、折り返し部C1を接着剤24により接着せずとも、折り返し状態が保持される。
【0030】
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る表示パネル10aの側面図である。本実施形態に係るスペーサ12cは、突出部30a(
図8において図示)の大きさが、第1の実施形態に係るスペーサ12の突出部30よりも大きい。それ以外の構成については、第2の実施液体に係る表示装置は、第1の実施形態に係る表示装置1と同様の構成を有する。
【0031】
本実施形態に係る表示パネル10aは、表示部Aの他、第1平坦部D3と、屈曲部B3と、第2平坦部D4と、折り返し部C3とを有する。
図7では、表示パネル10aのうちフレキシブルプリント基板22が設けられる側の端部を図示しているが、本実施形態に係る表示パネル10aは、フレキシブルプリント基板22が設けられる側と反対側の端部についても同様の構成を有する。
【0032】
スペーサ12cの突出部30aは、第1平面領域31a及び第2平面領域33a(
図8において図示)を有する。これらに対応して、本実施形態に係るTFT基板20aは、第1平面領域31aに対向し、屈曲部B3に隣接する第1平坦部D3と、第2平面領域33aに対向し、屈曲部B3に隣接する第2平坦部D4と、を有する。
【0033】
図8は、本発明の第2の実施形態に係るスペーサ12cの斜視図である。同図には、仮想的に、第1平面領域31aと曲面領域32aとの境界線と、軸41aを示している。スペーサ12cの曲面領域32aは、軸41aに平行な直線を軸41a周りに回転させて得られる回転面形状を有する。回転面形状は、円柱の表面形状である。本実施形態に係るスペーサ12cでは、回転面形状は、軸41aに平行な直線を、軸41aを基準に半径0.5mmの位置で回転させて得られる形状である。もっとも、曲面領域32aの軸41aから測った半径は、0.5mm以外の値であってもよい。曲面領域32aの曲率半径は、TFT基板20aに設けられた配線の曲率半径を規定する。TFT基板20aに設けられた配線が断線しない範囲で、曲面領域32の曲率半径を最小のものとすることで、表示パネル10の厚みを抑えることができる。
【0034】
第1平面領域31a及び第2平面領域33aは、スペーサ12cを軸41a方向に断面視した場合における曲面領域32aによって描かれる円弧40aの接線方向であって、曲面領域32aから遠ざかる方向に設けられる。円弧40aは、軸41aを中心とする円弧である。第1平面領域31a及び第2平面領域33aは、軸41aの方向と、円弧40aの接線方向とに拡がる平面領域である。
【0035】
スペーサ12cは、円弧40aの接線方向であって、曲面領域32aから遠ざかる方向に突出した突出部30aを有する。第1平面領域31a及び第2平面領域33aは、突出部30aの表面である。スペーサ12cが突出部30aを有することにより、絶縁基板であるTFT基板20aが可撓性を有する場合であっても、スペーサ12aが屈曲部の内側で回転することが防止されるとともに、絶縁基板が補強される。
【0036】
突出部30aは、円弧40aの一端から円弧40aの接線方向に延びる第1平面領域31aと、円弧40aの他端から円弧40aの接線方向に延びる第2平面領域33aとを有する。そして、第1平面領域31aは、第2平面領域33aに対して90度以下の角度θで設けられる。本実施形態に係るスペーサ12cにおいて、第1平面領域31aは、第2平面領域33aに対してθの角度で設けられる。ここで、θは、0度より大きく、90度より小さい角度である。このように、第1平面領域31aと第2平面領域33aとが鋭角で設けられることにより、絶縁基板を支持するのに十分な面積を持った平面領域がスペーサ上に設けられる。また、スペーサ12cの有する第1平面領域31aによって、TFT基板20aに第1平坦部D3が設けられ、TFT基板20aが可撓性であっても強固に支持されることとなる。
【0037】
なお、本実施形態に係るスペーサ12cの曲面領域32aに、軸41aに平行な方向に延びるように設けられた溝部、又は円弧40aに沿って設けられた溝部を設けてもよい。
【0038】
[第3の実施形態]
図9は、本発明の第3の実施形態に係る表示パネル10bの側面図である。本実施形態に係る表示パネル10bは、表示エリアの視認側と反対側に配置され、少なくとも一端が絶縁基板であるTFT基板20に挟まれるバックプレート25を有する。第3の実施形態に係る表示パネル10bは、バックプレート25を有すること以外、第1の実施形態に係る表示パネル10と同様の構成を有する。
【0039】
バックプレート25の外表面には、表示装置を駆動させるための電子部品が搭載されてよい。バックプレート25の外表面に電子部品を搭載することにより、表示エリアの視認側と反対側の領域を活用することができる。
【0040】
本実施形態に係る表示パネル10bは、バックプレート25を金属やポリカーボネート樹脂等の高剛性材料で形成することにより、TFT基板20及び対向基板21が可撓性を有する場合であっても、表示エリア全面が強固に補強される。また、バックプレート25を、曲面を含む立体形状に成形することにより、表示エリアが曲面となった表示装置を実現することができる。
【0041】
本発明の実施形態として上述した表示装置1を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。例えば、スペーサ12は、フレーム2と一体で形成されていてもよく、表示パネル10をフレーム2と一体で形成されたスペーサ12に巻き付けるように固定することとしてもよい。
【0042】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0043】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものついては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0044】
1 表示装置、2 フレーム、10,10a 表示パネル、11 表示エリア、12,12a,12b,12c スペーサ、20,20a TFT基板、21,21a 対向基板、22 フレキシブルプリント基板、23 駆動IC、24 接着剤、25 バックプレート、30,30a 突出部、31,31a 第1平面領域、32,32a 曲面領域、33,33a 第2平面領域、40,40a 円弧、41,41a 軸、50 第1の溝、51 第2の溝。