(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遮蔽材と、前記遮蔽材を支持する支持部材と、前記遮蔽材を操作するために前記遮蔽材から前記支持部材を介して使用者が操作可能な位置まで延在する操作部材と、を備えたブラインドであって、
前記操作部材は、前記支持部材から導出される第1のコードと、中空の棒状体に挿通される第2のコードと、が連結されて構成されることを特徴とする、ブラインド。
前記第1のコードと前記第2のコードは連結部材を介して着脱自在であり、前記第1のコード、前記第2のコード及び前記連結部材は前記棒状体の内外を移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のブラインド。
前記連結部材は、少なくとも2つに分離可能であり、分離された一つに前記第1のコードが連結され、分離された他の一つに前記第2のコードが連結されることを特徴とする、請求項2に記載のブラインド。
前記第1のコードは、前記遮蔽材が完全に展開された状態にあるとき、前記支持部材からの導出位置近傍において前記第2のコードに連結されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のブラインド。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るブラインドの構成について、
図1〜
図5を参照しながら説明する。なお以下では、ブラインドの一例として横型ブラインドを説明するが、本発明は縦型ブラインド、プリーツスクリーン、ハニカムスクリーン、ロールスクリーンなど、他のブラインドでも実施可能である。
【0018】
図1は、本実施形態のブラインドの全体構成を示す正面図であり、
図2は、ブラインドの操作部付近のヘッドボックスの平面図であり、
図3は、ブラインドの操作部付近のヘッドボックスの正面図であり、
図4は、連結部材を説明するための図であり、
図5は、操作棒内の状態を説明するための図である。ブラインド100は、
図1に示したように、図示していない窓枠や天井等にブラケット110を介して固定されるヘッドボックス120と、ヘッドボックス120から垂下するラダーコード130と、ラダーコード130によって整列状態に支持される複数のスラット140と、複数のスラット140を昇降する昇降コード150と、昇降コード150の昇降を操作する操作コード160と、昇降コード150と操作コード160とを連結する連結部材170と、スラット140を回転させる回転機構であるチルタ180と、チルタ180を駆動する操作棒190と、を備えて構成される。
【0019】
ヘッドボックス120は、本発明を構成する支持部材の一例である。ヘッドボックス120は、前述のように窓枠や天井等にブラケット110を介して固定されている。ヘッドボックス120内には、
図2に示したように、一端にチルタ180が設けられている。さらに、ヘッドボックス120内には、チルタ180によって回転駆動する回転軸181が長手方向ほぼ全長にわたって配設されている。そして、ヘッドボックス120の正面には、チルタ180に駆動力を伝達するチルタ入力軸182が設けられている。
【0020】
ラダーコード130は、
図1に示したように、はしご状に構成されており、複数のスラット140を整列状態に支持する。また、ラダーコード130は、上端が回転軸181によって回転する図示していない回転ドラムに連結されており、回転ドラムに巻き取り及び巻き解きされることにより傾動する。
【0021】
複数のスラット140は、本発明を構成する遮蔽材の一例である。複数のスラット140は、
図1に示したように、ラダーコード130によって整列状態に支持されており、ラダーコード130が傾動することによって回転する。
【0022】
昇降コード150は、本発明を構成する操作部材の第1のコードの一例である。昇降コード150は、これが昇降することによりスラット140を昇降するものであり、昇降コード150は、
図1に示したように、ヘッドボックス120の長手方向に間隔をあけて複数設けられている。それぞれの昇降コード150は、一端が複数のスラット140の最下段に配置されるボトムレール141に連結され、他端が複数のスラット140を挿通してヘッドボックス120内に導入される。ヘッドボックス120内に導入された昇降コード150は、
図2に示したように、ヘッドボックス120の一端に導かれて、
図3に示したように、チルタ入力軸182を挿通して操作棒190内に挿入される。全ての昇降コード150の他端には、
図4に示したように、後述の第1連結部材171に連結されている。昇降コード150は、
図4に示したように、スラット140を最も下降させた状態で、チルタ入力軸182の直ぐ下に第1連結部材171が配置されるような長さに設定されている。
【0023】
操作コード160は、本発明を構成する操作部材の第2のコードの一例である。操作コード160は、昇降コード150に連結されて昇降コード150を操作するものであり、1本のコードが操作棒190内を挿通している。操作コード160の下端には、
図1に示したようにコード止め162が設けられており、コード止め162を持って操作コード160を操作することができる。コード止め162は操作棒190内へ挿入されない大きさに構成されている。操作コード160は、
図4に示したように、これの上端が操作棒190の上端から外部に突出する長さに設定されており、上端に後述の第2連結部材172に連結されている。
【0024】
連結部材170は、本発明を構成する連結部材の一例である。連結部材170は、昇降コード150と操作コード160とを連結するものであり、操作棒190の内部を移動可能な大きさに構成されている。連結部材170は、
図4及び
図5に示したように、昇降コード150の他端に設けられる第1連結部材171と、操作コード160の上端に設けられる第2連結部材172とによって構成されている。第1連結部材171と第2連結部材172とは以下で説明するように着脱自在となっている。
【0025】
第1連結部材171は、昇降コード150と連結される。第1連結部材171は、
図5に示したように、天井部171aに昇降コード150が挿通する複数の挿通孔171bが設けられるとともに、下部が開放された円筒状の部材である。また、第1連結部171には、下端の内周に円筒の中心方向に向かって突出した連結凸部171cが形成されている。この連結突部171cと後述の第2連結部材172の連結凹部172bとを嵌め合わせることにより第1連結部材171と第2連結部材172とが着脱自在に連結される。
【0026】
昇降コード150と第1連結部材171の連結は、次のようにして行われる。すなわち、第1連結部材171の複数の挿通孔171bから第1連結部材171内に複数の昇降コード150を一本ずつ挿入し、各昇降コード150の端部に抜け止め173を取り付ける。これにより、抜け止め173によって、昇降コード150の端部が挿通孔171bから抜け出ることが規制されるため、昇降コード150と第1連結部材171が連結される。なお、本実施形態では、一例として昇降コード150と第1連結部材171との連結に抜け止め173を用いたが、これに限定されず、例えば、第1連結部材171内で昇降コード150の端部に結び目を形成することにより連結してもよい。
【0027】
第2連結部材172は、操作コード160に連結される。第2連結部材172は、
図5に示したように、側部から底部の一部にかけて部分的な開口部172aが形成された円筒状の部材である。また、第2連結部172には、
図4に示したように、下端の外周に沿って連結凹部172bが形成されており、この連結凹部172bと第1連結部材171の連結凸部171cとを嵌め合わせることにより第1連結部材171と第2連結部材172とが着脱自在に連結される。
【0028】
操作コード160と第2連結部材172の連結は、次のようにして行われる。すなわち、操作コード160の端部に結び目161を形成し、第2連結部材172の開口部172aから第2連結部材172内に結び目161を挿入する。これにより、結び目161によって、操作コード160が第2連結部材172の底部から抜け出ることが規制されるため、操作コード160と第2連結部材172が連結される。
【0029】
第1連結部材171と第2連結部材172との連結は、
図5に示したように、第1連結部171の下方から第1連結部171の内部に第2連結部172を挿入して、連結凸部171cを連結凹部172bに嵌め合わせることにより行われる。
【0030】
チルタ180は、スラット140を回転させる回転機構であり、
図2に示したように、ヘッドボックス120の一端に設けられている。また、前述のように、チルタ180には、ヘッドボックス120の長手方向ほぼ全長にわたって配置される回転軸181の一端が連結されている。回転軸181は、図示していない回転ドラムに回転を伝達するものであり、回転ドラムの回転により、回転ドラムに上端が連結されたラダーコード130を巻き取り及び巻き解き、ラダーコード130を傾動させる。
【0031】
ヘッドボックス120の正面には、
図2に示したように、チルタ入力軸182が配置されており、チルタ入力軸182の回転にチルタ180が駆動する。チルタ入力軸182は、
図3に示したように、係合部材183を介して操作棒190に連結されている。係合部材183は、
図4に示したように、リング状に構成されており、外周から90度ごとに4つの係合ピン183aが突出している。係合部材183の対象位置にある2つの係合ピン183aがチルタ入力軸182に連結され、係合部材183の残りの2つの係合ピン183aが操作棒190に連結される。係合ピン183aとチルタ入力軸182及び操作棒190とは着脱自在となっている。チルタ入力軸182の内部は中空であり、チルタ入力軸182の中空内部と係合部材183の中空内部を昇降コード150が挿通する。
【0032】
操作棒190は、本発明を構成する中空の棒状体の一例である。操作棒190は、チルタ入力軸182を回転操作することによってスラット140の回転を操作するものである。操作棒190は、
図5に示したように、内部が中空に構成されており、操作棒190内は、連結部材170が昇降可能な大きさに構成されている。操作棒190の上端は、
図4に示したように、二股に構成されており、二股のそれぞれに係合孔190aが形成されている。各係合孔190aに係合部材183の対象位置にある2つの係合ピン183aが係合することによって、操作棒190が係合部材183に着脱自在に連結される。これにより、操作棒190とチルタ入力軸182が連結される。
【0033】
操作棒190には、上端に第2連結部材172が設けられているとともに、下端にコード止め162が設けられた操作コード160が予め挿通されており、第2連結部材172とコード止め162が操作棒190の上下端から外部に露出している。操作コード160は、操作棒190の長さに対応した長さに構成されており、操作棒190がいかなる長さであっても、第2連結部材172とコード止め162が操作棒190の上下端から外部に露出するようになっている。
【0034】
このように、操作コード160が予め挿通されている操作棒190を用いることにより、操作棒190をチルタ入力軸182に連結する際に、昇降コード150の第1連結部材171に操作コード160の第2連結部172を連結するとともに、操作棒190の係合孔190aに係合部材183の係合ピン183aを係合するだけで、操作棒190をチルタ入力軸182に連結することができる。また、操作190をチルタ入力軸182から取り外す際も、連結とは逆の手順で取り外すことができる。このように、昇降コード150の操作、及びチルタ入力軸182の操作を行う操作コード160や操作棒190を昇降コード150やチルタ入力軸182に容易に着脱することができる。このため、操作コード160が予め挿通されている長さの異なる複数の操作棒190を予め用意しておくことにより、所望の長さの操作コード160及び操作棒190に容易に交換することができる。
【0035】
以上、本実施形態のブラインド100の全体構成について説明した。次に、本実施形態のブラインド100のスラット140の昇降操作について、
図6及び
図7を参照しながら説明する。
【0036】
まず、
図6に示したように、スラット140が最も下降している状態では、連結部材170は、操作棒190内の上方に配置されている。この状態から、スラット140を上昇させる際には、
図7に示したように、コード止め162あるいは操作棒190の下端から導出されている操作コード160の一部を引き下ろして、操作コード160を操作棒190から引き出していく。これにより、連結部材170とともに昇降コード150の他端も操作棒190内で引き下ろされ、スラット140が上昇していく。
【0037】
スラット140を下降させる際には、コード止め162あるいは操作棒190の下端から導出されている操作コード160の一部を少し引き下ろして、操作コード160、連結部材170及び昇降コード150を若干引き下ろす。これにより、ヘッドボックス120内に配設されている図示していないストッパが解除され、操作する手を緩めるとスラット140が自重で下降していく。これにより、昇降コード150がヘッドボックス120内に引き入れられて、連結部材170が上昇し、操作コード160が操作棒190内に引き入れられていく。
【0038】
以上、本実施形態のブラインド100のスラット140の昇降操作について説明した。次に、本実施形態のブラインド100の操作コード160及び操作棒190の交換方法について、
図8〜
図10を参照しつつ説明する。
【0039】
(手順1)まず、操作棒190をブラインド100から取り外すために、
図8に示したように、操作棒190の係合孔190aと係合部材183の係合ピン183aとの係合を解除する。これにより、チルタ入力軸182と操作棒190とが分離する。
(手順2)次に、
図9に示したように、操作棒190を下降させる。これにより、操作棒190内にあった連結部材170が操作棒190から露出する。
(手順3)最後に、
図10に示したように、第1連結部材171と第2連結部材172との連結を解除する。これにより、操作コード160と操作棒190をブラインド100から完全に取り外すことができる。
【0040】
次に、新しい操作コード160と新しい操作棒190をブラインド100に取り付ける作業について説明する。新しい操作棒190に、第2連結部材172とコード止め162が設けられた操作コード160が予め挿通されて一体物となっているものが使用される。このため、上記取り外しの作業の手順1〜3を逆の手順で行うことにより、新しい操作コード160と操作棒190をブラインド100に取り付けることができる。すなわち、新しい操作コード160の第2連結部材172を第1連結部材171に連結し、コード止め162を引っ張って連結部材170を新しい操作棒190内に挿入する。その後、新しい操作棒190の係合孔190aを係合部材183の係合ピン183aに係合することによって新しい操作コード160と新しい操作棒190がブラインド100に取り付けられる。
【0041】
このような作業で交換することにより、例えば、前述の
図1に示したような、下端がボトムレール141よりも上方に位置する長さの操作コード160と操作棒190から、
図11に示したような、下端がボトムレール141よりも下方に位置する長さの操作コード160と操作棒190に簡単に交換することができる。
【0042】
このように長さの異なる操作コード160と操作棒190に簡単に交換できるため、例えば、以下のような問題を解決できる。すなわち、ブラインド100を設置する現場で、ブラインド100を設置する位置が想定していた位置よりも高い場合、操作コード160や操作棒190に手が届かなかったり、仮に手が届いたとしても操作しづらかったりする。しかし、作業現場で、予め操作コード160が挿通した長い操作棒190に交換することにより、上記のような問題を解決することができる。
【0043】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、操作棒190内に昇降コード150とは別に設けられる操作コード160を挿通可能としたことで、操作棒190を交換するにあたって、予め操作棒190内に操作コード160を挿通させた状態で、ヘッドボックス120から導出される昇降コード150と操作棒190に挿通された操作コード160とを連結するだけでよいため、操作棒190の交換作業が容易となる。
【0044】
また、昇降コード150と操作コード160とを、連結部材170を介して着脱自在とすることで、昇降コード150と操作コード160との連結作業が容易となるとともに、連結部材170を操作棒190内に挿通させることができるため、操作棒190をヘッドボックス120に吊り下げるにあたっての操作棒190の交換作業がより効率的となる。
【0045】
また、2つに分離した連結部材170を結合させることで、昇降コード150と操作コード160とを容易に連結することができる。
【0046】
また、昇降コード150と操作コード160が、スラット140の開閉に伴って、操作棒190内を摺動自在に挿通するため、操作棒190下端から垂下する操作コード160を操作することによって、操作棒190内に昇降コード150が引き込まれてスラット140の開閉が可能となる。
【0047】
さらには、昇降コード150は、スラット140が完全に展開された状態にあるとき、チルタ入力軸182からの導出位置近傍において操作コード160に連結される。このため、昇降コード150の長さを極力短くすることができるようになって、操作棒190の交換が容易となる。すなわち、操作棒190内に昇降コード150を挿通させる必要がほとんどない。昇降コード150と操作コード160とを連結した後は、操作コード160を操作棒190の端部から引き出せば、昇降コード150を操作棒190内に引き込むことができる。さらに、操作コード160を引き出し操作しても、操作棒190の端部から昇降コード150が露出しづらくなる。
【0048】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るブラインド200の構成について、
図12を参照しながら説明する。
図12は、第2の実施形態のブラインド200の全体構成を示す正面図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは遮蔽材を昇降させる機構が異なるものであり、第1連結部材170の構造をこの昇降機構に対応させたものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0049】
ヘッドボックス220内には、
図12に示したように、昇降コード250を巻き取り及び巻き解く巻取ドラム300と、ヘッドボックス220の長手方向ほぼ全長にわたって設けられ、巻取ドラム300と一体に回転する巻取ドラム用回転軸310と、巻取ドラム用回転軸310に駆動力の伝達と遮断を切り替えるクラッチ機構320と、クラッチ機構320に駆動力を伝達するリール330と、リール330を回転駆動するリール用コード340と、巻取ドラム用回転軸310に連結されるブレーキ350と、が設けられている。
【0050】
巻取ドラム300は、ヘッドボックス220の長手方向に複数設けられており、各巻取ドラム300には、昇降コード250の上端が連結されている。巻取ドラム300は、回転方向に応じて昇降コード250を巻き取ったり巻き解いたりする。巻取ドラム300が昇降コード250を巻き取ると、昇降コード250の下端が上昇して、スラット240が上昇する。一方、巻取ドラム300が昇降コード250を巻き解くと、昇降コード250の下端が下降して、スラット240が下降する。
【0051】
巻取ドラム用回転軸310は、複数の巻取ドラム300の軸心を挿通しており、巻取ドラム用回転軸310の回転により、複数の巻取ドラム300が回転する。
【0052】
クラッチ機構320は、リール330の回転方向と回転量に応じて、リール330と巻取ドラム用回転軸310の駆動力の伝達及び遮断の切換を行う。
【0053】
リール330は、クラッチ機構320を介して巻取ドラム用回転軸310に駆動力を伝達するものである。リール330は、これに巻き付けられているリール用コード340の下端が引き出されることにより回転する。リール330は、リール用コード340の巻き解き量しか一度に回転しないが、リール330に内蔵された図示していないゼンマイの作用により逆回転してリール用コード340を巻き取る。よって、リール用コード340を引き出してリール330を回転させ、ゼンマイによってリール330にリール用コード340を巻き取る操作を繰り返すことにより、巻取ドラム用回転軸310に駆動力を伝達し続けることができる。このようなゼンマイによるリール330の回転は、リール330に内蔵されている図示していないクラッチによりクラッチ機構320には伝達されないようになっている。
【0054】
リール用コード340の下端が引き出されることによりリール330が回転すると、この回転がクラッチ機構320を介して巻取ドラム用回転軸310に伝達されて、巻取ドラム300が昇降コード250を巻き取る。これにより、スラット240を上昇させることができる。また、リール用コード340を少し引き出してリール330を少し回転させることにより、クラッチ機構320が作動して、巻取ドラム用回転軸310をフリーにすることができる。
【0055】
リール用コード340の下端は連結部材270を構成する第1連結部材271に連結されており、第1連結部材271はチルタ入力軸282よりも下に配置されている。第1連結部材271の構成は、第1連結部材271に設けられる図示していない挿通孔の数がリール用コード340の数に合わせて1つになっている以外は、第1の実施形態のものと同様である。リール用コード340と第1連結部材271の連結は、第1の実施形態と同様である。この第1連結部材271に、操作コード260の図示していない第2連結部材が第1の実施形態と同様に連結される。
【0056】
ブレーキ350は、クラッチ機構320によって巻取ドラム用回転軸310の回転がフリーになった際に、巻取ドラム用回転軸310に作用して巻取ドラム用回転軸310の回転速度を小さくする。ブレーキ350が作用するのは、スラット240が自重によって下降するときであり、これにより、スラット240がゆっくり下降していく。
【0057】
以上、本実施形態のブラインド200の構成について説明した。次に、本実施形態のブラインド200の昇降操作について、
図13及び
図14を参照しながら説明する。
【0058】
まず、スラット240を上昇させる際には、
図13に示したように、コード止め262を図中矢印A1方向に引き下ろして、操作コード260を操作棒290から引き出していく。これにより、連結部材270とともにリール用コード340の下端も操作棒290内で引き下ろされ、リール330が一方向に回転する。このリール330の駆動力がクラッチ機構320に伝達され、巻取ドラム用回転軸310が回転して、巻取ドラム300が昇降コード250を巻き取り、スラット240が図中矢印A2方向に上昇していく。
【0059】
リール330は、前述のように、リール用コード340の巻き解き量しか一度に回転しないが、操作コード260を引き下ろす操作を止めると、
図14に示したように、リール330に内蔵された図示していないゼンマイの作用によりリール330が他方向に回転してリール用コード340を巻き取る。これにより、リール用コード340の下端が上昇してくため、連結部材270とともに操作コード260も図中矢印A3方向に上昇していく。操作コード260の一度の引き降ろし操作では、巻取ドラム300の回転量が小さく、スラット240が限られた高さしか上昇しないが、操作コード260を引き下げる操作を繰り返すことにより、スラット240を所望の高さまで上昇させることができる。
【0060】
スラット240を下降させる際には、操作コード260を少し引き下げて手を放す。これにより、リール330が少しだけ一方向に回転し、この回転によってクラッチ機構320が、リール330と巻取ドラム用回転軸310の動力の伝達を遮断する。これにより、巻取ドラム用回転軸310の回転がフリーになるため、スラット240の自重により巻取ドラム300が昇降コード250を巻き解き、スラット240が下降する。
【0061】
本実施形態の操作コード260及び操作棒290の交換方法については、第1の実施形態と実質的に同じであるため、説明を省略する。
【0062】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、操作棒290内にリール用コード340とは別に設けられる操作コード260を挿通可能としたことで、操作棒290を交換するにあたって、予め操作棒290内に操作コード260を挿通させた状態で、ヘッドボックス220から導出されるリール用コード340と操作棒290に挿通された操作コード260とを連結するだけでよいため、操作棒290の交換作業が容易となる。
【0063】
また、リール用コード340と操作コード260とを、連結部材270を介して着脱自在とすることで、リール用コード340と操作コード260との連結作業が容易となるとともに、連結部材270を操作棒290内に挿通させることができるため、操作棒290をヘッドボックス220に吊り下げるにあたっての操作棒290の交換作業がより効率的となる。
【0064】
また、2つに分離した連結部材270を結合させることで、リール用コード340と操作コード260とを容易に連結することができる。
【0065】
また、リール用コード340と操作コード260が、スラット240の開閉に伴って、操作棒290内を摺動自在に挿通するため、操作棒290下端から垂下する操作コード260を操作することによって、操作棒290内にリール用コード340が引き込まれてスラット240の開閉が可能となる。
【0066】
さらには、リール用コード340は、スラット240が完全に展開された状態にあるとき、チルタ入力軸282からの導出位置近傍において操作コード260に連結される。このため、リール用コード340の長さを極力短くすることができるようになって、操作棒290の交換が容易となる。すなわち、操作棒290内にリール用コード340を挿通させる必要がほとんどない。リール用コード340と操作コード260とを連結した後は、操作コード260を操作棒290の端部から引き出せば、リール用コード340を操作棒290内に引き込むことができる。さらに、操作コード260を引き出し操作しても、操作棒290の端部からリール用コード340が露出しづらくなる。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0068】
例えば、上記実施形態では、昇降コードと操作コードを連結部材によって着脱自在に連結したが、本発明はこれに限定されない。例えば、昇降コードと操作コードを結んで連結してもよく、また、昇降コードと操作コードを溶着によって連結してもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、中空の操作棒の一例として、操作棒をチルタ入力軸に連結するものについて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、どこにも支持されず単に昇降コードや操作コードを挿通しておくためだけの安全対策用の中空の棒状体であってもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、連結部材を2つに分離可能としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、連結部材を3つ以上に分離可能としてもよい。このようにすると、複数の昇降コードを、それぞれ別の連結部材に連結する構成とすることができる。
【0071】
また、上記実施形態では、昇降コードはスラットが完全に展開された状態にあるとき、ヘッドボックスからの導出位置近傍において操作コードに連結される構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、昇降コードは、スラットが完全に展開された状態にあるときにヘッドボックスから導出される長さが長くてもよい。この場合、昇降コードに操作コードを連結したのち、操作棒から操作コードを引き出すことにより、昇降コードを操作棒内に引き入れることができる。
【0072】
また、上記実施形態では、中空の棒状体の一例として、操作コードを予め挿入する中空の棒をスラットの回転を操作する操作棒としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、遮蔽材を操作しないものでもよく、例えば、操作コードに居住者が引っかからないように、昇降コードや操作コードを挿通しておくための安全対策用の中空の棒状体であってもよい。