(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本実施形態にかかる遊技機の正面図である(発射装置等公知の部材は省略)。
【
図2】第一実施形態にかかる遊技機の第一演出例を説明するための第一図である。
【
図3】第一実施形態にかかる遊技機の第一演出例を説明するための第二図である。
【
図4】第一実施形態にかかる遊技機の第一演出例を説明するための第三図である。
【
図5】第一実施形態にかかる遊技機の第一演出例を説明するための第四図である。
【
図6】第一実施形態にかかる遊技機の第二演出例を説明するための第一図である。
【
図7】第一実施形態にかかる遊技機の第二演出例を説明するための第二図である。
【
図8】第一実施形態にかかる遊技機の第二演出例を説明するための第三図である。
【
図9】第一実施形態にかかる遊技機の第二演出例を説明するための第四図である。
【
図10】第二実施形態にかかる遊技機の第一演出例を説明するための第一図である。
【
図11】第二実施形態にかかる遊技機の第一演出例を説明するための第二図である。
【
図12】第二実施形態にかかる遊技機の第一演出例を説明するための第三図である。
【
図13】第二実施形態にかかる遊技機の第一演出例を説明するための第四図である。
【
図14】第二実施形態にかかる遊技機の第一演出例を説明するための第五図である。
【
図15】第二実施形態にかかる遊技機の第一演出例を説明するための第六図である。
【
図16】第二実施形態にかかる遊技機の第二演出例を説明するための第一図である。
【
図17】第二実施形態にかかる遊技機の第二演出例を説明するための第二図である。
【
図18】第二実施形態にかかる遊技機の第二演出例を説明するための第三図である。
【
図19】第二実施形態にかかる遊技機の第二演出例を説明するための第四図である。
【
図20】第二実施形態にかかる遊技機の第二演出例を説明するための第五図である。
【
図21】第二実施形態にかかる遊技機の第二演出例を説明するための第六図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態にかかる遊技機1について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明における平面方向とは遊技盤90の平面方向に沿う(平行な)方向を、前後方向とは遊技盤90の平面方向に直交する方向(遊技者側を前、その反対側を後とする)を、左右・上下方向とは、遊技盤90を正面から見たときにおける方向をいうものとする。
【0030】
まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0031】
遊技領域902には、主表示装置10(本発明における表示手段の一つである)、第一始動入賞口904、第二始動入賞口905、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。主表示装置10は、例えば液晶表示装置が用いられる。かかる主表示装置10の表示画面は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能である。
【0032】
遊技盤90は、その後方に設けられるベース部材(図示せず)に支持されている。ベース部材には、主表示装置10が固定されている。また、ベース部材には、副表示装置20(第一副表示装置21および第二副表示装置22。それぞれが本発明における表示手段の一つである)が所定の範囲を移動可能となるように支持されている。副表示装置20としては液晶表示装置が用いられる。主表示装置10および各副表示装置20は、種々の図形(画像)を表示可能な表示部(主表示装置10の表示部10m、第一副表示装置21の表示部21m、第二副表示装置22の表示部21m)を有する。なお、以下では、各表示装置の前面全てが当該表示部であるものとして説明する(図示する)。つまり、単に「(主または副)表示装置に重なる」というときは、当該表示装置の表示部に重なっているものとする。
【0033】
また、各副表示装置20には、各副表示装置20に対する位置を相対的に変化させることができる変化部材30(第一変化部材31および第二変化部材32)が支持されている。本実施形態における変化部材30は、それを通じて視認されるものが、実際の大きさよりも大きくなるレンズである。したがって、遊技者には、変化部材30の後方に位置するものが実際よりも大きく見える。これら主表示装置10、副表示装置20、および変化部材30の構成やそれを用いた演出の詳細については後述する。なお、以下の説明における「変化部材30が重なる」とは、各表示装置の前方で変化部材30が重なることをいい、後方で重なるものは含まないものとする。
【0034】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0035】
このような遊技機1では、図示されない発射装置を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、904、905や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。その他、大当たりの抽選方法や以下で説明する演出以外の演出等は、公知の遊技機と同様のものが適用できるため、説明は省略する。
【0036】
(第一実施形態)
以下、これら主表示装置10、副表示装置20、および変化部材30の構成やそれを用いた演出の詳細について説明する。まず、第一実施形態について説明する。副表示装置20は、主表示装置10の前方に設けられる。本実施形態では二つの副表示装置20(第一副表示装置21および第二副表示装置22)が設けられる。両副表示装置20は、幅方向に並ぶように(幅方向左に第一副表示装置21が、幅方向右側に第二副表示装置22が位置する)、かつそれぞれが幅方向にスライド自在に設けられている。
【0037】
両副表示装置20が互いに最も離れた状態にあるとき、両者の間から主表示装置10の一部が露出する。両副表示装置20が互いに最も近づいた状態(近接した状態)にあるとき、両者の間からは主表示装置10を視認することはできない。つまり、両副表示装置20が近づけば近づくほど、主表示装置10における両副表示装置20の間から露出する領域(視認可能な領域)が小さくなっていく。
【0038】
このように各副表示装置20を移動させることができるものであれば、各副表示装置20を移動させる移動手段の構成はどのようなものであってもよい。各副表示装置20がベース部材に設けられたレールに支持され、ベース部材に設けられた駆動源の駆動力によって当該レールに誘導されながら幅方向にスライドする構成が例示できる。
【0039】
変化部材30は、各副表示装置20の大きさよりも小さい矩形状のレンズである。本実施形態では、各副表示装置20の後側に支持されている。したがって、各副表示装置20が移動すると、各変化部材30は各副表示装置20に対する相対的な位置を維持したまま、各副表示装置20とともに移動する。各変化部材30は、各副表示装置20に完全に覆われた原位置と、各副表示装置20の幅方向内側縁から突出するように進出した進出位置との間を移動(スライド)可能である。このように各変化部材30を移動させることができるものであれば、各変化部材30を移動させる移動手段の構成はどのようなものであってもよい。各変化部材30が各副表示装置20に設けられたレールに支持され、各副表示装置20に設けられた駆動源の駆動力によって当該レールに誘導されながら各副表示装置20に対し変位する構成が例示できる。
【0040】
各副表示装置20に対する各変化部材30の進出量が大きくなればなるほど、各副表示装置20に覆われる領域が小さくなる。つまり、露出する領域が大きくなる。両副表示装置20が互いに離れた状態にあるとき(近接した状態にないとき)、両副表示装置20の間から主表示装置10が露出する。かかる状態で変化部材30を進出させると、主表示装置10の一部と変化部材30が重なる。つまり、主表示装置10における当該重なった領域に表示される種々の図形(画像)が、実際に表示されている大きさよりも大きく見える。
【0041】
演出実行手段は、表示制御手段および駆動制御手段を含む。駆動制御手段および表示制御手段は、一つの基板に構築されていてもよいし、別々の基板に構築されていてもよい。駆動制御手段は、各副表示装置20および各変化部材30の位置を制御する。つまり、各副表示装置20および各変化部材30を移動させる(所定の位置で停止させる)ことができる手段である。駆動制御手段は、上述したような各副表示装置20および各変化部材30の移動手段の駆動源(モータ等)を制御することで、各副表示装置20および各変化部材30を移動させる。本実施形態における駆動制御手段は、第一副表示装置21、第二副表示装置22、第一変化部材31、第二変化部材32のそれぞれを独立して動作させることができる。
【0042】
表示制御手段は、主表示装置10および各副表示装置20に表示される画像を制御する手段である。本実施形態における表示制御手段は、主表示装置10、第一副表示装置21、第二副表示装置22のそれぞれに表示される画像を制御することができる。
【0043】
かかる演出実行手段によって制御される、主表示装置10、副表示装置20、および変化部材30を用いた演出(以下変化演出と称する)について説明する。なお、以下で説明する変化演出は、いわゆるリーチ演出の一部として適用されるものであり、第一副表示装置21には、リーチ状態であることが表示される。ただし、変化演出は、リーチ演出以外の演出に適用することもできる。以下の説明では、主表示装置10および両副表示装置20の表示の態様や、両副表示装置20および両変化部材30の移動についてのみ説明するが、「表示」については演出実行手段の一部である上記表示制御手段が、「移動」については演出実行手段の別の一部である上記駆動制御手段が制御しているものとする。また、以下で説明する演出例はあくまで一例であり、各図に示した態様とする順序等は適宜変更可能である。
【0044】
本実施形態の第一演出例について説明する。本演出開始時には、両副表示装置20は互いに最も離れた状態にある。したがって、両副表示装置20の間の領域を通じて、主表示装置10が大きく露出した状態にある。かかる状態で、主表示装置10に所定の図形(本例では幅方向に沿って「BATTLE」の文字)が表示される。このとき、各変化部材30は各副表示装置20に覆われた原位置に位置するため、遊技者からは、当該「BATTLE」の文字が主表示装置10に表示されるそのままの大きさで視認される(
図2参照)。
【0045】
かかる状態から、各副表示装置20の位置を変化させずに、各副表示装置20に対する各変化部材30の位置を変化させる。つまり、各変化部材30を幅方向内側に向かって移動させる。そうすると、両副表示装置20の間から露出する主表示装置10に変化部材30が重なる。変化部材30が重なる領域は、変化部材30の移動量が大きくなればなるほど大きくなっていく。本例では、「BATTLE」の文字の幅方向外側から変化部材30が重なっていく。したがって、遊技者からは、最初は「B」と「E」、次に「A」と「L」、最後に「T」と「T」というように、(主表示装置10の表示を変化させなくても)徐々に文字が大きくなっていくかのように見える。かかる状態から、各変化部材30を幅方向外側に向かって移動させると、最初は「T」と「T」、次に「A」と「L」、最後に「B」と「E」というように、(主表示装置10の表示を変化させなくても)徐々に文字が小さくなっていくかのように見える。このように、各変化部材30を往復動させることにより、主表示装置10に表示される図形が視覚的に変化することとなる(
図3参照)。
【0046】
例えば両変化部材30が進出位置に位置した状態(
図4参照)で、各副表示装置20を幅方向内側に向かって移動させる。そうすると、各副表示装置20によって主表示装置10および両変化部材30が徐々に覆われていく。つまり、主表示装置10における両副表示装置20の間から露出する領域が、徐々に小さくなっていく。したがって、主表示装置10に表示されていた「BATTLE」の文字は、幅方向外側の文字から順に各副表示装置20に覆われていく。本例では、各副表示装置20に覆われることによって見えなくなる主表示装置10に表示された文字を補うように、各副表示装置20に文字(文字の一部)を表示する。本例では、この副表示装置20に表示される文字の大きさは、変化部材30を通じて視認される文字の大きさに合わせたものとする。つまり、副表示装置20に表示される文字の大きさは、実際に主表示装置10に表示されている文字の大きさよりも(変化部材30によって拡大される分)大きくなる。それゆえ、遊技者には、主表示装置10と副表示装置20が組み合わされて「BATTLE」の文字が表示されているかのように見える。
【0047】
各副表示装置20がその幅方向内側の縁を互いに近接させる位置まで移動すると、両副表示装置20が組み合わされて「BATTLE」の文字が表示されている状態となる(
図5参照)。変化部材30は副表示装置20に覆われているため、遊技者には、両副表示装置20に表示されている図形がそのままの態様で視認される。したがって、当該状態となった後、両副表示装置20に表示されている図形の大きさや形状を変化させてもよい。
【0048】
また、本演出は、変化部材30の位置により信頼度を示唆するものとしてもよい。なお、信頼度とは、「大当たり」等、所定の遊技状態や所定の演出に移行する確率を示すものである。例えば、「BATTLE」の文字が表示された後、キャラクタが対決するバトル演出が展開され、ある特定のキャラクタが勝利した場合に「大当たり」となる遊技である場合、
図2に示した態様で「BATTLE」の文字が表示されたときよりも、
図3に示した態様で「BATTLE」の文字が表示されたときの方が当該特定のキャラクタが勝利する確率が高く、
図3に示した態様で「BATTLE」の文字が表示されたときよりも、
図4に示した態様で「BATTLE」の文字が表示されたときの方が当該特定のキャラクタが勝利する確率が高くなるように設定することができる。つまり、「BATTLE」の文字における変化部材30によって変化した部分が大きければ大きいほど、当該特定のキャラクタが勝利する確率が高くなるように設定することができる。このように、変化部材30が重なる領域の大きさにより、信頼度を示唆する構成とすることも可能である。
【0049】
第二演出例について説明する。第二演出例は、主表示装置10および副表示装置20に、図形が流れるように表示される態様の演出である。本演出開始時には、両副表示装置20は互いに最も離れた状態にある。したがって、両副表示装置20の間の領域を通じて、主表示装置10が大きく露出した状態にある。かかる状態で、主表示装置10およびその幅方向外側に近接して位置する両副表示装置20に跨って(各表示装置の表示部10m、21m、22mが組み合わされた表示領域に)所定の図形が流れるように(本例では幅方向に沿って「BATTLE」の文字が右から左に流れるように)が表示される(
図6参照)。
【0050】
かかる状態から、各副表示装置20の位置を変化させずに、各副表示装置20に対する各変化部材30の位置を変化させる。つまり、各変化部材30を幅方向内側に向かって移動させる。そうすると、両副表示装置20の間から露出する主表示装置10に変化部材30が重なる。したがって、主表示装置10における変化部材30が重なる領域に表示される文字(文字の一部)は、(主表示装置10の表示を変化させなくても)遊技者には大きくなっているかのように見える。幅方向内側に向かって移動した各変化部材30を幅方向外側に向かって移動させれば、文字が大きくなっているかのように見える領域は、徐々に小さくなる。このように、各変化部材30を往復動させることにより、主表示装置10と両副表示装置20に流れるように表示されている図形の一部が視覚的に変化することとなる(
図7参照)。
【0051】
例えば両変化部材30が進出位置に位置した状態(
図8参照)で、各副表示装置20を幅方向内側に向かって移動させる。そうすると、各副表示装置20によって主表示装置10および両変化部材30が徐々に覆われていく。つまり、主表示装置10における両副表示装置20の間から露出する領域が、徐々に小さくなっていく。したがって、「BATTLE」の文字が流れるように表示されている表示領域全体でみると、主表示装置10が占める割合が徐々に低下していく。本例では、各副表示装置20に覆われることによって見えなくなる主表示装置10に表示された文字を補うように、各副表示装置20に文字(文字の一部)を表示する。本例では、この副表示装置20に表示される文字の大きさを、変化部材30を通じて視認される文字の大きさよりも小さいものとする。このようにすれば、各副表示装置20が移動するに従い、変化部材30によって大きく見える部分が、徐々に小さくなっていくかのような態様となる。
【0052】
各副表示装置20がその幅方向内側の縁を互いに近接させる位置まで移動すると、両副表示装置20が組み合わされて「BATTLE」の文字が流れるように表示されている状態となる(
図9参照)。変化部材30は副表示装置20に覆われているため、遊技者には、両副表示装置20に表示されている図形がそのままの態様で視認される。したがって、当該状態となった後、両副表示装置20に表示されている図形の大きさや形状を変化させてもよい。
【0053】
(第二実施形態)
第二実施形態について第一実施形態と異なる点を中心に説明する。上記第一実施形態における各変化部材30は、副表示装置20に支持されており、副表示装置20に対する相対的な位置を変化させることができるものであることを説明したが、本実施形態における変化部材30は、独立して移動させることができるものである。つまり、副表示装置20を移動させても、変化部材30は移動しない。また、かかる変化部材30は、主表示装置10だけでなく、副表示装置20よりも前方に位置する。したがって、変化部材30は、主表示装置10に重なれば当該主表示装置10に表示される種々の図形を視覚的に変化させ、副表示装置20に重なれば当該副表示装置20に表示される種々の図形を視覚的に変化させる。主表示装置10と副表示装置20の両方に跨るように重なり、各表示装置の一部に表示される図形を視覚的に変化させることも可能である。
【0054】
このように各変化部材30を移動させることができるものであれば、各変化部材30の移動手段はどのようなものであってもよい。各変化部材30がベース部材に設けられたレールに支持され、ベース部材に設けられた駆動源の駆動力によって当該レールに誘導されながら幅方向にスライドする構成が例示できる。
【0055】
本実施形態の第一演出例について説明する。本演出開始時には、両副表示装置20は互いに最も離れた状態にある。したがって、両副表示装置20の間の領域を通じて、主表示装置10が大きく露出した状態にある。また、各変位部材は各副表示装置20よりも幅方向外側に位置した状態にある。かかる状態で、主表示装置10と副表示装置20に所定の図形が表示される。本例では、第一副表示装置21に「BA」の文字が、主表示装置10に「TT」の文字が、第二副表示装置22に「LE」の文字が表示され、全体として「BATTLE」の文字が表示される。このとき、各表示装置は変位部材に重なっていないため、遊技者からは、当該「BATTLE」の文字が各表示装置に表示されるそのままの大きさで視認される(
図10参照)。
【0056】
かかる状態から、各表示装置の位置を変化させずに、各変化部材30の位置を変化させる。つまり、各変化部材30を幅方向内側に向かって移動させる。そうすると、各副表示装置20に各変化部材30が重なった状態となる(
図11参照)。したがって、遊技者からは、最初は第一副表示装置21に表示される「BA」の文字と、第二副表示装置22に表示される「LE」の文字が、主表示装置10に表示される「TT」の文字よりも大きくなっているかのように見える。また、図示しないが、さらに両変化部材30を幅方向内側に向かって移動させ、両変化部材30が主表示装置10に重なった状態となれば、主表示装置10に表示される「TT」の文字が、第一副表示装置21に表示される「BA」の文字や、第二副表示装置22に表示される「LE」の文字よりも大きくなっているかのように見える態様となる。このように、「BATTLE」の文字の一部分が、他の部分よりも大きくなっているかのように見える態様とすることができる。
【0057】
「BATTLE」の文字は、主表示装置10のみに表示された状態にすることができる。この場合、主表示装置10に表示される「BATTLE」の文字全体を変化部材30で覆うことにより、「BATTLE」の文字全体が(実際に主表示装置10に表示されている大きさよりも)大きくなっているかのように見える(
図12参照)。また、少なくとも一方の副表示装置20を幅方向内側に移動させることにより、「BATTLE」の文字が、主表示装置10と少なくとも一方の副表示装置20に跨って表示された状態にすることができる。この場合であっても、主表示装置10と少なくとも一方の副表示装置20に跨って表示される「BATTLE」の文字全体を変化部材30で覆うことにより、「BATTLE」の文字全体が(実際に主表示装置10に表示されている大きさよりも)大きくなっているかのように見える(
図13参照)。また、両副表示装置20を、その幅方向内側の縁が互いに近接する位置まで移動させることにより、「BATTLE」の文字が、両副表示装置20に跨って表示された状態にすることができる。この場合であっても、両副表示装置20に跨って表示される「BATTLE」の文字全体を変化部材30で覆うことにより、「BATTLE」の文字全体が(実際に両副表示装置20に表示されている大きさよりも)大きくなっているかのように見える(
図14参照)。
【0058】
なお、複数の表示装置に跨って「BATTLE」の文字が表示されている場合に、変化部材30を幅方向外側に移動させ、当該文字に重ならない状態とすれば、当該複数の表示装置が表示するそのままの大きさで「BATTLE」の文字が視認される態様となる(
図15参照)。
【0059】
第二演出例について説明する。第二演出例は、主表示装置10および副表示装置20に、図形が流れるように表示される態様の演出である。本演出開始時には、両副表示装置20は互いに最も離れた状態にある。したがって、両副表示装置20の間の領域を通じて、主表示装置10が大きく露出した状態にある。かかる状態で、主表示装置10およびその幅方向外側に近接して位置する両副表示装置20に跨って(各表示装置の表示部10m、21m、22mが組み合わされた表示領域に)所定の図形が流れるように(本例では幅方向に沿って「BATTLE」の文字が右から左に流れるように)が表示される。このとき、各表示装置は変位部材に重なっていないため、遊技者からは、当該「BATTLE」の文字が各表示装置に表示されるそのままの大きさで視認される(
図16参照)。
【0060】
かかる状態から、各表示装置の位置を変化させずに、各変化部材30の位置を変化させる。つまり、各変化部材30を幅方向内側に向かって移動させる。そうすると、各副表示装置20に各変化部材30が重なった状態となる(
図17参照)。したがって、遊技者からは、流れるように表示されている文字のうち、各副表示装置20に表示されている部分が、その他の部分(主表示装置10に表示されている部分)よりも大きくなっているかのように見える。また、さらに両変化部材30を幅方向内側に向かって移動させ、両変化部材30が主表示装置10に重なった状態(
図18参照)となれば、流れるように表示されている文字のうち、主表示装置10に表示されている部分が、その他の部分(各副表示装置20に表示されている部分)よりも大きくなっているかのように見える。
【0061】
また、少なくとも一方の副表示装置20を幅方向内側に移動させると、各変化部材30は主表示装置10の一部と少なくとも一方の副表示装置20の一部に重なることができる(
図19参照)。かかる状態とすれば、表示装置の一部と少なくとも一方の表示装置20の一部に表示される部分が、その他の部分よりも大きくなっているかのように見える。また、両副表示装置20を、その幅方向内側の縁が互いに近接する位置まで移動させることにより、流れるように表示されている文字の全部が、両副表示装置20に跨って表示された状態にすることができる。この場合であっても、両副表示装置20の少なくとも一部を変化部材30で覆うことにより、流れるように表示されている文字の少なくとも一部が、(実際に両副表示装置20に表示されている大きさよりも)大きくなっているかのように見える(
図20参照)。
【0062】
なお、複数の表示装置に跨って流れるように文字が表示されている場合に、変化部材30を幅方向外側に移動させ、当該文字に重ならない状態とすれば、当該複数の表示装置が表示するそのままの大きさで当該文字が視認される態様となる(
図21参照)。
【0063】
上記第一実施形態および第二実施形態における各演出例において、表示制御手段(演出実行手段)が、変化部材30が重なった領域に表示される図形の形状(実際の形状)を、重なっていない領域に表示される図形の形状(実際の形状)と異ならせてもよい。例えば、
図3に示した態様において、主表示装置10に実際に表示される「BA」の文字と「LE」の文字を「TT」の文字よりも大きくすれば、当該実際の大きさの差が、視覚的には変化部材30によってさらに大きくなるため、演出のインパクトを高めることが可能となる。このように、図形の視覚的な変化を大きくするため、表示装置自体の調整を行ってもよい。
【0064】
以上説明したように、上記各実施形態では、各表示装置の表示部10m、21m、22mに重なる変化部材30によって、当該表示部10m、21m、22mに表示される図形の少なくとも一部が視覚的に変化するから、演出の趣向性を向上させることが可能である。その変化の態様としては、上記各実施形態のように、変化部材30が重ならない領域に表示される図形(変化しない図形)よりも、変化部材30に重なる領域に表示される図形が大きく見える構成が例示できる。具体的には、表示部10m、21m、22mに変化部材30が重なることによって視覚的に変化する図形が、実際に表示部10m、21m、22mに表示されている図形よりも大きいという構成である。なお、これとは逆に、変化部材30が重なる領域に表示される図形が、変化部材30が重ならない領域に表示される図形よりも小さく見える構成としてもよい。また、変化部材30としてカラーフィルタを用い、変化部材30が重なる領域に表示される図形が、変化部材30が重ならない領域に表示される図形(表示部10m、21m、22mに実際に表示されている図形)と色が異なって見える構成としてもよい。つまり、変化部材30を通じて視認される図形が、実際に表示されている図形と類似したものであればよい。例えば、図形が「文字」であれば、変化部材30を通じて視認される文字と実際に表示されている文字が、同じ文字として認識されうるものが当該類似関係に該当するものとする。
【0065】
また、上記各実施形態では、表示部10m、21m、22mに変化部材30が重なることで視覚的に変化した文字と、変化部材30が重ならない領域に表示される文字とを組み合わせて「BATTLE」といった単語を構築する構成としている。つまり、表示部10m、21m、22mに変化部材30が重なることで視覚的に変化した図形と、変化部材30が重ならない領域に表示される図形とを関連させて演出を実行するものであるため、演出の趣向性をさらに向上させることが可能である。
【0066】
また、上記実施形態では、副表示装置20および変化部材30が移動可能である。このように、表示装置の一部または変化部材30の少なくとも一方を移動させることができる構成であれば、図形が視覚的に変化する領域の位置を変化させることができるから、演出の趣向性をさらに向上させることが可能となる。特に、上記各実施形態では、副表示装置20または変化部材30の少なくともいずれか一方が移動している際にも、変化部材30が重なり視覚的に変化する図形と変化部材30が重ならない領域に表示された図形とが一連の形態(上記実施形態のような単語や、何らかの絵が例示できる)となるように構成されているから、表示手段に表示される図形を面白みのあるものとすることが可能である。
【0067】
また、上記各実施形態のように、変化部材30が重なる領域と重ならない領域の一方から他方に向かって図形が流れる演出とすれば、両領域の境界で図形の態様が変化するため、演出の趣向性をさらに向上させることが可能である。
【0068】
また、上記各実施形態のように、複数の表示装置を備える場合、変化部材30が重なる表示装置と変化部材30が重ならない表示装置を組み合わせた演出を実行することで、さらに演出の趣向性を向上させることが可能となる。
【0069】
また、上記第一実施形態のように、副表示装置20を、原位置に位置する変化部材30を覆う部材として機能させることが可能である。つまり、上記第一実施形態は、副表示装置20を、演出に寄与していない変化部材30を目立たないように覆う部材としても機能させることができる点で優れるものである。
【0070】
また、例えば
図7に示した態様のように、変化部材30が重なるある表示装置の所定の領域と、変化部材30が重ならない別の表示装置の所定の領域が近接しており、一方の領域から他方の領域に向かって図形が流れる演出を実行すれば、両領域の境界で図形の態様が変化するため、演出の趣向性をさらに向上させることが可能である。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0072】
上記各実施形態では、固定された表示装置である主表示装置10が一つ設けられていることを説明したが、このような固定された表示装置が複数設けられていてもよい。また、移動可能な表示装置である副表示装置20が二つ設けられていることを説明したが、このような移動可能な表示装置が一つまたは三つ以上設けられていてもよい。また、変化部材30が二つ設けられていることを説明したが、一つまたは三つ以上設けられていてもよい。
【0073】
なお、上記実施形態では、二つの変化部材30が先に近づくように移動して先端側で合体し、その後二つの副表示装置20が近づくように移動して合体するような構成であることを説明したが、先に二つの副表示装置20が近づくように移動して合体し、その後二つの変化部材30が近づいて合体し、さらにその後二つの副表示装置20が互いに離れる方向に移動することによって、変化部材30を通じて主表示装置10に表示されている図形が視認される演出が実行されることがあってもよい。この際、二つの副表示装置20のそれぞれに変化部材30が支持されているため、変化部材30が合体している状態でもその方向に移動手段を駆動させることが好ましい。すなわち、副表示装置20の移動する方向での移動手段の速度や重さ、トルクなどの大きさは、副表示装置20の移動方向とは反対方向へ移動している変化部材30の移動手段の速度や重さ、トルクなどの大きさを考慮して変化部材30の移動を調整する必要がある。そのようにすれば、例えば、変化部材30が合体している状態で副表示装置20が互いに離れる方向に移動する場合に、それに支持されている変化部材30が副表示装置20の移動に伴って同方向に移動し、変化部材30の合体状態が解除されて、変化部材30同士の間に隙間が生じてしまうおそれを低減することが可能である
。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
手段1:種々の図形が表示可能な表示部を有する表示手段と、前記表示部に重なることで、当該表示部に表示される像を視覚的に変化させる変化部材と、前記表示部に表示される図形の少なくとも一部に前記変化部材が重なることで、視覚的に変化した図形を用いて演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
手段2:手段1に記載の遊技機において、前記表示部に前記変化部材が重なることで視覚的に変化した図形の態様は、前記表示部における前記変化部材が重なる領域に実際に表示されている図形の態様に類似することを特徴とする遊技機。
手段3:手段2に記載の遊技機において、前記前記表示部に前記変化部材が重なることにより、その重なった領域に表示される図形の大きさが視覚的に変化することを特徴とする遊技機。
手段4:手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機において、前記演出実行手段は、前記表示部に前記変化部材が重なることで視覚的に変化した図形と、前記表示部における前記変化部材が重ならない領域に表示される図形とを関連させて演出を実行することを特徴とする遊技機。
手段5:手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機において、前記表示手段または前記変化部材の少なくとも一方を移動させる移動手段を備え、前記移動手段により前記表示手段または前記変化部材の少なくとも一方を移動させることにより、前記表示部における前記変化部材が重なる領域の大きさが変化することを特徴とする遊技機。
手段6:手段5に記載の遊技機において、前記表示部に前記変化部材が重なる領域の大きさにより、演出の信頼度を示唆することを特徴とする遊技機。
手段7:手段5または手段6に記載の遊技機において、前記演出実行手段は、前記移動手段によって前記表示手段または前記変化部材の少なくともいずれか一方が移動している際に、前記表示部に前記変化部材が重なることで視覚的に変化した図形と、前記表示部における前記変化部材が重なっている領域に近接する前記変化部材が重ならない領域に表示された図形と、が一連の形態となるように表示することを特徴とする遊技機。
手段8:手段1から手段7のいずれかに記載の遊技機において、前記表示部に前記変化部材が重なることで図形が視覚的に変化する領域と、前記表示部における前記変化部材が重ならない領域が近接するように設けられており、前記演出実行手段は、一方の領域から他方の領域に向かって図形が流れ、両領域の境界で図形の態様が変化する演出を実行することを特徴とする遊技機。
手段9:手段1から手段8のいずれかに記載の遊技機において、前記表示手段が複数設けられ、前記演出実行手段は、前記複数の表示手段のうちの少なくとも一つの前記表示部に前記変化部材を重ねることで当該表示部に表示される図形を視覚的に変化させ、この視覚的に変化する図形と前記変化部材が重ならない前記表示手段の表示部に表示される図形とを関連させて演出を実行することを特徴とする遊技機。
手段10:手段9に記載の遊技機において、前記変化部材は原位置と進出位置との間を変位自在に設けられ、原位置に位置する前記変化部材は、前記複数の表示手段のうちのいずれかに覆われていることを特徴とする遊技機。
手段11:手段9または手段10に記載の遊技機において、前記複数の表示手段のうちの少なくとも一つの前記表示部に前記変化部材が重なることで図形が視覚的に変化する領域と、別の表示手段の前記表示部における前記変化部材が重ならない領域が近接するように設けられており、前記演出実行手段は、一方の領域から他方の領域に向かって図形が流れ、両領域の境界で図形の態様が変化する演出を実行することを特徴とする遊技機。
手段12:手段1から手段11のいずれかに記載の遊技機において、前記演出実行手段は、前記表示部における前記変化部材が重なった領域に表示される図形の形状を所定の形状にするために、当該領域に表示される図形の形状を調整することを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機では、変化部材によって表示部に表示される図形の少なくとも一部が視覚的に変化するから、演出の趣向性を向上させることが可能である。その変化の態様としては、手段2の遊技機のように、表示部における変化部材が重なる領域に実際に表示されている図形に類似する態様が例示できる。ここでいう類似には、手段3の遊技機のように、図形の大きさが変化する態様のものが含まれる。
手段4の遊技機のように、表示部に変化部材が重なることで視覚的に変化した図形と、変化部材が重ならない領域に表示される図形とを関連させて演出を実行することで、演出の趣向性をさらに向上させることが可能となる。
手段5の遊技機のように、表示手段または変化部材の少なくとも一方が移動可能であれば、図形が視覚的に変化する領域の位置を変化させることができるから、演出の趣向性をさらに向上させることが可能となる。
手段6の遊技機のように、表示部に対し変化部材が重なる領域の大きさにより、信頼度を示唆する構成とすることも可能である。
手段7の遊技機のように、表示手段または変化部材の少なくともいずれか一方が移動している際に、変化部材が重なり視覚的に変化する図形と変化部材が重ならない領域に表示された図形とが一連の形態となるようにすることで、表示手段に表示される図形を面白みのあるものとすることが可能である。
手段8の遊技機のように、変化部材が重なる領域と重ならない領域の一方から他方に向かって図形が流れる演出を実行すれば、両領域の境界で図形の態様が変化するため、演出の趣向性をさらに向上させることが可能である。
手段9の遊技機のように、複数の表示手段を備える場合、変化部材が重なる表示手段と変化部材が重ならない表示手段を組み合わせた演出を実行することで、さらに演出の趣向性を向上させることが可能となる。
手段10の遊技機のように、複数の表示手段のいずれかを、原位置に位置する変化部材を覆う部材として機能させることが可能である。つまり、演出に寄与していない変化部材を目立たないように覆う部材として、いずれかの表示手段を利用するとよい。
手段11の遊技機のように、複数の表示手段を備える場合であっても、変化部材が重なるある表示手段の所定の領域と、変化部材が重ならない別の表示手段の所定の領域が設定され、一方の領域から他方の領域に向かって図形が流れる演出を実行すれば、両領域の境界で図形の態様が変化するため、演出の趣向性をさらに向上させることが可能である。
手段12の遊技機のように、表示部における変化部材が重なった領域に表示される図形の形状を所定の形状とする、例えば、演出効果を高めるために変化部材が重なった領域に表示される図形の視覚的な変化を大きくするため、表示手段自体の調整を行ってもよい。