特許第6404198号(P6404198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404198
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】着座具
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/08 20060101AFI20181001BHJP
   A47C 27/00 20060101ALI20181001BHJP
   A47C 27/10 20060101ALI20181001BHJP
   A61F 5/00 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   A47C27/08 G
   A47C27/00 A
   A47C27/00 L
   A47C27/10
   A61F5/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-188156(P2015-188156)
(22)【出願日】2015年9月25日
(65)【公開番号】特開2017-60626(P2017-60626A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2017年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236665
【氏名又は名称】不二ラテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】臼井 崇晃
(72)【発明者】
【氏名】笹沼 寛正
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭64−000929(JP,U)
【文献】 特開2007−167635(JP,A)
【文献】 特表2014−525303(JP,A)
【文献】 特開昭60−145110(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0366368(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/08
A47C 27/00
A47C 27/10
A61F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を充填することが可能なU字状の着座具であって、前記着座具の外側から内側へ外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部が配置され、前記外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部はそれぞれ1以上のU字状の区画部からなり、各区画部は仕切り部により互いに隔てられ、それぞれ中空構造を有し、前記内縁区画部は架橋部を有し、該架橋部により座面に開口部が形成されており、前記中空構造の区画部に流体を充填することにより、前記外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部の高さが調整される、着座具。
【請求項2】
流体を充填したときに、外縁区画部の高さが最も高くなるように調整されている、請求項1に記載の着座具。
【請求項3】
流体を充填したときの高さが、外縁区画部>内縁区画部>中間区画部の順である、請求項1または2に記載の着座具。
【請求項4】
外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部の幅が、外縁区画部>内縁区画部>中間区画部の順である、請求項1〜3のいずれかに記載の着座具。
【請求項5】
各区画部を隔てる仕切り部に連通部を有し、流体が該連通部を通じて各区画部間を相互に移動可能である、請求項1〜のいずれかに記載の着座具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は安定した着座姿勢に誘導する着座具に関し、特に臀部の筋肉緊張を和らげることにより、臀部・太腿部の疲労および痔の痛みの軽減に寄与する着座具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、骨盤補正、姿勢矯正、疲労軽減、痔症患者の患部の保護等を目的として、ドーナツ型、U字型(またはコの字型)、凹型等の様々な形状の着座具が使用されている。例えば、実用新案登録第3031011号には綿状緩衝材を詰めたドーナツ型の円座クッションが開示されている。しかし、このドーナツ型の円座は、着座具と臀部の接触面積が小さく、また、固体の緩衝材を使用しているため、反発力が強く、臀部の荷重が分散されにくい。このため、着座者は姿勢が不安定になり易く、疲れ易くなるという問題を有する。ドーナツ型の円座には、緩衝材を詰めたもの以外に内部が中空構造の給気式のものも知られている。しかし、このタイプの円座の材質は一般に厚さ2mm程度の厚手の天然ゴムであり、柔軟性に乏しい。また、着座者はドーナツ型の円座の頂部に着座することになるため、体重移動による姿勢の揺れが空気の層により吸収されにくく、やはり疲労し易いという問題を有する。
【0003】
実開平5−74352号にはコの字型のクッション座であって、流動体を充填したときの膨張隆起体の中央部位が着座したときの人の座骨を支持する高位支持部と、コの字型の両端部の低位支持部とを有するクッション座が開示されている。しかし、このクッション座は、着座状態の骨盤を常に前傾状態に、かつ前後左右に揺動可能な状態に保つことを目的としたものであり、着座位置が安定せず、安定した着座姿勢を保持し得るものではない。また、特開2008−126025号には、凹状に形成されたクッションにより骨盤を左右から締め付ける骨盤矯正クッションが開示されている。しかし、この骨盤矯正クッションは骨盤矯正用のものであり、クッションの中材にポリウレタン等の弾性材を用いているため、反発力により臀部・大腿部筋肉の緊張と疲労を招き、臀部筋肉の緊張は特に痔症患者の場合、患部の痛みを招くという問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3031011号公報
【特許文献2】実開平5−74352号公報
【特許文献3】特開2008−126025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、安定した着座姿勢に誘導・保持することにより、臀部の筋肉緊張を和らげることが可能な着座具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的に鑑み鋭意研究した結果、本発明者等は、流体の充填が可能な中空構造でU字状の複数の区画部を外側から内側へ配置し、流体を充填したときの各部位の高さを調整することにより、着座者を安定した着座姿勢に誘導・保持し得ることを見出し、本発明に想到した。
【0007】
すなわち、本発明の着座具は、流体を充填することが可能なU字状の着座具であって、前記着座具の外側から内側へ外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部が配置され、前記外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部はそれぞれ1以上のU字状の区画部からなり、各区画部は仕切り部により互いに隔てられ、それぞれ中空構造を有し、前記中空構造の区画部に流体を充填することにより、前記外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部の高さが調整されることを特徴とする。
【0008】
本発明の着座具は、好ましくは流体を充填したときに、外側に配置された外縁区画部の高さが最も高くなるように調整されている。また、本発明の着座具の好ましい1つの形態において、流体を充填したときの高さは、外縁区画部>内縁区画部>中間区画部の順である。
【0009】
本発明の着座具は、例えば区画部の幅を変えることにより区画部の高さを調整することができる。好ましくは外縁区画部の幅が最も広い。好ましい着座具の1つの形態において、外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部の幅は、外縁区画部>内縁区画部>中間区画部の順である。
【0010】
本発明の着座具の別の形態において、内縁区画部は架橋部を有し、該架橋部により座面に開口部が形成されている。架橋部は流体の充填が可能な中空構造を有する。
【0011】
本発明の着座具は、好ましくは各区画部を隔てる仕切り部に連通部を有し、流体が該連通部を通じて各区画部間を相互に移動可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の着座具は、流体を充填したときに外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部の高さが調整されるため、着座者の着座姿勢を安定した姿勢に誘導・保持することができ、また、複数のU字状の区画部により着座者の臀部および大腿上部を広い面積で支えることができる。これにより臀部の緊張を緩和し、長時間着座していても疲労が少なく、特に痔症患者の場合には患部の痛みを軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は本発明の第1の実施形態による着座具の平面図である。
図2図2は本発明の第2の実施形態による着座具の平面図である。
図3図3は流体を充填した本発明の着座具の斜視図である。
図4図4は流体を充填した本発明の着座具の前側面図である。
図5図5は流体を充填した図3に示す着座具のA−A’断面図である。
図6図6は従来のドーナツ型円座に着座したときの状態を示す概略図である。
図7図7は本発明の着座具に着座したときの状態を示す概略図である。
図8図8は本発明の好ましい実施形態による着座具の横側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書において、用語「U字状」は、湾曲部分と2本の平行な直線部分からなるU字形のみならず、2本の直線部分が外側に開いたハの字形および2本の直線部分が内側に窄まった馬蹄形を含む意味である。用語「区画部」は、着座具内の区画化された部位であって、内部が密着されていない中空構造を有する部位を意味する。区画部は各々が完全に密封された構造のみならず、区画部間の仕切り部に連通部を有する構造であってもよい。用語「区画部の高さ」は、着座具に流体を充填したときに区画部の最も高くなる部分において測定した高さを意味する。用語「区画部の幅」は、区画部の最も広い部分において測定した幅を意味する。また、用語「流体」は、流動性を有し、各区画部内に充填し得るものであればよいことを意味し、特に限定されない。例えば、空気等の気体、水等の液体、粉体等の固体が挙げられる。
【0015】
本発明の着座具はU字状の形状を有し、これにより着座者の臀部および大腿上部を支持することができる。着座具は外側から内側へ外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部が配置されており、外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部はそれぞれ1以上の区画部から構成されている。着座具の外側に配置された外縁区画部は、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個の区画部から構成される。内側に配置された内縁区画部は、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個の区画部から構成される。中間区画部は好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個の区画部から構成される。
【0016】
着座具の寸法は一般的な臀部の径より大きい方が好ましい。着座具の寸法を臀部径より大きくすることにより、安定した着座姿勢に誘導することができる。着座具の適切な寸法は、前後方向において40cm以上、好ましくは40〜70cm、より好ましくは40cm〜60cmもしくは50cm〜70cmであり、さらに好ましくは45cm〜55cmである。また、左右方向において40cm以上、好ましくは40〜70cm、より好ましくは40cm〜60cmもしくは50cm〜70cmであり、さらに好ましくは45cm〜55cmである。
【0017】
各区画部は仕切り部により互いに隔てられ、それぞれの区画部は内部が密着していない中空構造を有し、中空構造の内部に流体を充填することができる。充填される流体量は、各区画部の充填可能な容積に基づき、それにより各区画部の高さが調整される。本発明の着座具は、好ましくは流体を充填したときに外側の外縁区画部の高さが最も高くなるように調整されている。これにより、着座したときに荷重によって外縁区画部が膨張し、膨張した外縁区画部の内側へ向う力によって着座者が支持され、安定した着座姿勢に誘導される。流体を充填したときの外縁区画部の高さは、それ以外の中間区画部または内縁区画部の高さの約1.1〜3倍であり、好ましくは約1.1〜2倍である。
【0018】
流体を充填したときの外縁区画部:中間区画部:内縁区画部の高さの比率は、好ましくは約1:0.3〜0.8:0.4〜0.9であり、より好ましくは約1:0.5〜0.8:0.5〜0.9である。また、流体を充填したときの中間区画部:内縁区画部の高さの比率は、約1:0.7〜1.5である。本発明の着座具の好ましい1つの形態において、流体を充填したときの中間区画部:内縁区画部の高さの比率は、約1:1.05〜1.3であり、外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部の高さは、外縁区画部>内縁区画部>中間区画部の順である。 内縁区画部の高さを中間区画部の高さより高くすることにより、着座者の着座位置が前方にずれるのを防止することができる。
【0019】
本発明の着座具は、各区画部を隔てる仕切り部に連通部が設けられ、流体が該連通部を通じて各区画部間を相互に移動可能であるのが好ましい。仕切り部に連通部を設けることにより、着座具に着座したときに流体が内縁部から外縁部に押し出され、外縁区画部の膨張が大きくなり、着座者を外側から支持する力が増大し、着座者をより安定した状態に支持することができる。
【0020】
本発明の着座具の第1の実施形態を図1に示す。図1に示す着座具1はU字状の3つの区画部を有し、最も外側の外縁区画部11、その内側の中間区画部12、および最も内側の内縁区画部13が着座具の外側から内側へ配列している。各区画部は仕切り部15により互いに隔てられており、各仕切り部15には連通部16が設けられ、外縁区画部11、中間区画部12、および内縁区画部13は連通部16を介して互いに連通している。図1に示す形態では、最も外側の外縁区画部11の幅が最も広く、次いで最も内側の内縁区画部13の幅が広く、中間区画部12の幅が最も狭くなっている。これにより、流体を充填したときに充填量が最も多くなる外縁区画部11の高さが最も高くなり、次いで内縁区画部13の高さが高く、中間区画部12の高さが最も低くなる。また、着座具1には各区画部内に流体を充填するための注入口が設けられている(図示せず)。
【0021】
本発明の着座具の別の好ましい形態は、上記第1の実施形態と同様に外縁区画部、中間区画部、および内縁区画部を有し、さらに内縁区画部がU字状形状の両側を繋ぐ架橋部を有する。また、内縁区画部に架橋部が形成されることにより座面には開口部が形成される。上記構成により、着座具に流体を充填する際に架橋部にも流体が充填され、U字状形状の両側が内側に向かって窄まろうとする力に対し反発力が生じる。これにより、長時間着座していてもU字状形状の両端部が内側に窄まるのを防止することができ、安定した着座姿勢を保持することができる。
【0022】
流体を充填したときの各部位の高さは、第1の実施形態と同様に外縁区画部が最も高くなるのが好ましい。好ましい1つの実施形態においては、外縁区画部>内縁区画部>中間区画部の順である。架橋部の反発力を増強するために、内縁区画部の架橋部の幅を広くし、架橋部の流体量を多くすることも好ましい。これにより、内縁区画部内において架橋部の高さが最も高くなる。また、架橋部の背後に形成される開口部は、痔症患者の患部が着座具と接触しないようにする役割を果たす。開口部の適切な径(長径)は0〜20cmであり、好ましくは5〜10cm、10〜15cm、もしくは15〜20cmである。
【0023】
本発明の着座具の第2の実施形態を図2に示す。図2に示す着座具1はU字状の3つの区画部を有し、最も外側の外縁区画部11、その内側の中間区画部12、および最も内側の内縁区画部13が着座具の外側から内側へ配列している。各区画部は仕切り部15により互いに隔てられており、各仕切り部15には連通部16が設けられ、外縁区画部11、中間区画部12、および内縁区画部13は連通部16を介して互いに連通している。図2に示す形態では、最も外側の外縁区画部11の幅が最も広く、次いで最も内側の内縁区画部13の幅が広く、中間区画部12の幅が最も狭くなっている。これにより、流体を充填したときに充填量が最も多くなる外縁区画部11の高さが最も高くなり、次いで内縁区画部13の高さが高く、中間区画部12の高さが最も低くなる。また、内縁区画部13は架橋部13Cを有しており、架橋部13Cによりその背後に開口部17が形成されている。さらに、着座具1には各区画部内に流体を充填するための注入口が設けられている(図示せず)。
【0024】
流体を充填したときの本発明の着座具の効果を図3〜5を参照しながら説明する。図3に示すように、着座具1は仕切り部15により3つの区画部に分割されており、外側の外縁区画部11の幅が最も広く、次いで内側の内縁区画部13の幅が広く、中間区画部12の幅が最も狭くなっている。これにより、図4および図5に示すように、流体を充填したときの着座具は外縁区画部11の高さが最も高く、次いで内縁区画部13の高さが高く、中間区画部12の高さが最も低くなる。また、仕切り部15はその両端部分に連通部16が設けられており、これにより、着座したときに中間区画部12および内縁区画部13の流体が外縁区画部11に押し出されて、外縁区画部11が一層膨張し、着座者の臀部から大腿上部にかけて外側から内側へより大きな力が働き、着座者の姿勢をより安定させる効果を有する。また、内縁区画部13の架橋部13Cは、着座している間に着座具1の両端部が内側へ窄まろうとする力に反発し、着座具1のU字状の形状を維持する。これにより、着座者の脚部が内側へ窄まるのを防ぐことができる。さらに、図4に示すように、内縁区画部13の架橋部13Cの高さが外縁区画部11に次いで高く、架橋部13Cの背後の最も低い中間区画部12の領域に開口部が形成されることにより、痔症患者の患部を容易に開口部に誘導することができる。また、内縁区画部13の架橋部13Cはストッパーとなって着座者の着座位置がずれるのを防ぐ働きをする。
【0025】
図6および図7を参照しながら本発明の着座具の効果をさらに説明する。図6は従来の一般的な円座に着座したときの状態を示す概略図であり、図7は本発明の着座具に着座したときの状態を示す概略図である。従来の一般的な円座に着座した場合には、臀部が接触するのはドーナツ状の円座の頂部であり、接触面積が小さく、着座者は姿勢が不安定になり疲れ易くなる。これに対し、本発明の着座具に着座した場合には、外縁区画部11により臀部を外側から支持することができるため、着座者を安定した着座姿勢に誘導することができる。また、臀部は外縁区画部11、中間区画部12、および内縁区画部13のすべてに接触し、接触面積が広く、着座者は姿勢が安定し、疲れにくくなる。さらに、中間区画部12および内縁区画部13の複数の区画部は仕切り部15によって折れ曲がり、着座者の臀部および大腿上部の形状に沿って湾曲することが可能である。これにより、着座者との接触面積がより広くなり、より安定した支持が可能となる。
【0026】
本発明の着座具は、外縁区画部の後方(着座者の背面側)が最も高く、前方(U字状形状の両端部)が最も低くなるように傾斜を有していてもよい(図8)。着座具を傾斜構造とし、着座者の姿勢をやや前傾させることにより後傾姿勢となるのを防ぎ、安定した着座姿勢に導くことができる。
【0027】
本発明の着座具は、正確なU字形のみならず、外側に開いたハの字形または内側に窄まった馬蹄形であってもよい。着座具がハの字形である場合、U字形の平行な2本の直線から外側に開く角度は、好ましくは1度以上、3度以上、5度以上、または10度以上であり、好ましくは10度以下、20度以下、または30度以下である。また、着座具が馬蹄形である場合、U字形の平行な2本の直線から内側に窄まる角度は、好ましくは1度以上、3度以上、5度以上、または10度以上であり、好ましくは10度以下、20度以下、または30度以下である。
【0028】
本発明の着座具は既知の方法により、または2以上の既知の方法を組み合わせることにより作製することができる。例えば、U字状形状の2枚のシートを各端部で貼り合わせて袋体とし、さらに2枚のシートを貼り合わせて仕切り部を形成し、仕切り部で各区画部を画定することにより作製することができる。2枚のシートを貼り合わせる方法は特に限定されず、熱および/または圧力を加えることにより溶着させる方法であっても接着剤を用いる方法であってもよい。上記のように作製された2枚のシートは、端部および仕切り部以外は密着しておらず、これにより中空構造を有する区画部を形成することができる。好ましくは区画部同士を完全に隔てずに、仕切り部に連通部を形成する。これにより、連通部を介して流体を移動可能にするとともに、一箇所の注入口から各区画部に流体を充填することができる。本発明の着座具を製造する方法は上記方法に限定されず、例えば、大きさの異なる複数のU字状形状のチューブを作製し、これらを貼り合わせる方法であってもよい。また、着座具の各区画部の高さの調整は、各区画部の幅を変えることにより調整することができるが、本発明の着座具はこの方法に限定されない。例えば、区画部の幅を変えずに、所望の流体量を収容できるだけのシート生地を余らせて調整してもよい。
【0029】
シートの厚さは2mmを超えると次第に柔軟性が乏しくなり、シートが厚すぎると臀部の接触面積が小さくなって、着座者の疲労等の原因となる。また、シートが薄すぎると着座具の強度が低下する。本発明の着座具に用いるシートの厚さは、通常0.01mm〜2.0mmであり、例えば、0.01mm〜0.1mm、0.1mm〜0.5mm、0.5mm〜1.0mm、もしくは1.0mm〜2.0mmである。
【0030】
シートの材質は適度の柔軟性を有するのが好ましい。このため、シートは高分子材料を含むのが好ましい。シートの材料を薄手の高分子材料とすることにより着座具の変形が容易になり、着座したときに着座者の臀部に対応した形状に変形して着座者の体重を効果的に分散することができる。高分子材料としては、天然ゴムを主成分とする材料、塩化ビニルを主成分とするエラストマー、ポリオレフィンを主成分とするエラストマー、ウレタンを主成分とするエラストマー等が挙げられるが、本発明の着座具に用いる高分子材料はこれらに限定されない。
【0031】
本発明の着座具は使用時に流体を充填してもよいし、流体を一度充填した後、そのままの状態で保持してもよい。また、充填する流体量を変えることにより、着座具の高さ、弾力性等を使用者に適合するように調節することも可能である。使用後は流体を排出することができるため、持ち運び、収納等の利便性がよい。本発明の着座具に用いる流体は特に限定されないが、一般には空気または水が好ましい。本発明の着座具は上記以外の他の要素を有していてもよい。例えば、1つ以上の流体供給用逆流防止弁付バルブを備えていてもよい。
【0032】
本発明の着座具は、着座者を安定した着座姿勢に保持することができるため、長時間着座していても着座者の臀部・大腿部の筋肉を緊張させることがない。したがって、臀部の緊張が患部の痛みを招く痔症患者に特に有効である。
【符号の説明】
【0033】
1・・・着座具
11・・・外縁区画部
12・・・中間区画部
13・・・内縁区画部
13C・・・内縁区画部の架橋部
15・・・仕切り部
16・・・連通部
17・・・開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8