(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
いくつかの実施形態を詳細に説明する前に、実施形態及び表現はそれらの応用又は利用の際に、添付図面及び説明に例示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施形態及び表現は、他の実施形態、表現、変形、及び改変として実施するかあるいはそれらに取り入れることが可能であり、また、様々な方法で実行又は実施することが可能である。更に、特に断らない限り、本明細書において用いる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な実施形態を説明する目的で選択されたものであって、本発明を限定する目的ではない。
【0013】
以下に説明される実施形態、表現、実施例などのうちの任意の1つ以上は、他の以下に説明される実施形態、表現、実施例などのうちの任意の1つ以上と連合され得ることが更に理解される。このような改変及び変形は、特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0014】
第1の実施形態が、
図1〜5に示される。第1の実施形態は、超音波外科用器具の超音波コア100であり、長手方向に細長い、概ね平面的な導波管110を含む。導波管材料は、好ましくは単結晶又は多結晶材、主としてシリコンであるが、ゲルマニウム、ダイヤモンド、又はサファイアもまた使用してよい。代替の構築物では、概ね平面的な導波管110は、代わりにガラス、セラミック、チタン、ステンレススチール、又はアルミニウムから製造され得る。典型的に単層のみを有するように図示されるが、導波管は、複数の平面的な層を含む積層構造であり得ることが理解されるであろう。例えば、シリコン導波管110について、隣接した層の反対側の側面は、既知のシリコン融合プロセスにより結合されて所望の厚みを有する導波管を形成し得る。更なる例のために、チタン導波管110について、隣接した層の縁部は、既知のレーザ溶接技術により結合されて所望の厚みを有する導波管を形成し得る。積層化シリコン−ガラス−シリコン導波管などの複合構造は、陽極接合などの関連プロセスにより結合され得る。この説明及び付属の特許請求の範囲の理解を助けるうえで、「端(終端)」という用語は、長手方向の境界又はそのような境界を表す表面のことを指すものとして理解され、「縁部」という用語は、導波管の平面内の方向における横の境界又はそのような境界を表す表面のことを指すものとして理解され、「側面」という用語は、導波管の平面に垂直な方向における横の境界又はそのような境界を表す表面のことを指すものとして理解される。
【0015】
超音波コア100は、トランスデューサ要素120も含む。トランスデューサ要素は、好ましくはチタン酸バリウムなどの無鉛圧電材料、又はニッケル若しくは「GALFENOL」(ETREMA Products,Inc.(Ames,Iowa)により販売されるガリウム/鉄合金)などの磁歪材料から形成され、これによりこの超音波外科用器具が、使い捨て装置として使用するうえで充分に安価となり、かつ鉛を含有する有害廃棄物としてではなく、通常の医療廃棄物として処分するのに適したものとなる。セラミックPZT材料及び電歪材料、並びに単結晶材料を含む他のトランスデューサ材料を使用することもできる。
図4及び5で示されるように、トランスデューサ要素120は、「ランジュバン積層体」として構成された複数の別個のトランスデューサ部分要素を含み得る。しかしながら、トランスデューサ要素120は、代わりに他の図で示されるもののような一体型トランスデューサ要素であってよいことが理解される。
【0016】
図1及び2で詳細に示されるように、平面的な導波管110は、導波管110の第1の側面114から導波管の第2の反対側面116に延びる開口部112を画定する。開口部112は、含まれる材料によって、導波管110のレーザ切断により又は水噴射切断などの代替法により、形成され得る。
図3及び4で詳細に示されるように、トランスデューサ要素120は、開口部112の大きさ及び形状と実質的に一致するような大きさ及び形状にされ(終端の間の長さ及び縁部の間の長さについてであって、側面の間の深度又は厚みは必ずしもそうである必要はない)、トランスデューサ要素120と開口部112の向かい合う壁との間に配置される接着層118により開口部112内に固定され得る。振動縦モードを使用する装置での使用に好適な、第1の実施形態の第1の表現では、接着層118は、開口部112の向かい合う終端の壁112aに配置され得る。振動横モードを使用する装置での使用に好適な、第1の実施形態の第2の表現では、接着層118は、開口部112の向かい合う縁部の壁112bに配置され得る。好ましくは、接着層118は、開口部112の全辺縁部の周りに配置され、これによりその中にトランスデューサ要素120を完全に固定する。開口部112の全辺縁部の周りの配置は、振動の縦、横、及びねじれモードの、平面的な導波管110への伝達を有利に支持するであろう。
【0017】
図5で詳細に示される、第1の実施形態の変形では、接着層118は、複数の堅いビーズ119を含み得る。堅いビーズ119は、開口部112の終端の壁112a、縁部の壁112b、及び/又は辺縁部と、トランスデューサ要素120の終端、縁部、及び/又は辺縁部との間に実質的により堅い構造をはさむことにより、接着層118の外見上の弾性率を増大させるように働く。次に、接着層118の接着剤は、開口部112及びトランスデューサ要素120の対応する部分の間で堅いビーズ119の位置を実質的に固定するためのマトリックスとして働く。この実施形態の第1の表現では、堅いビーズ119は、非導電性ガラスビーズであってよい。この実施形態の第2の表現では、堅いビーズ119は、金属層でコーティングされたガラスビーズ、金属ビーズなどの導電性ビーズであってよい。第2の表現では、電力が、堅いビーズ119を介して、平面的な導波管110とトランスデューサ要素との間で移行されてよく、ビーズは、接着層118の特定の構成(例えば、2個の電極として構成可能であるように開口部112の向かい合う壁にのみ、又は単電極として構成可能であるように開口部112の全辺縁部の周りに配置される)によって、熱電極及び/又は接地電極として働く。この実施形態のいずれかの表現では、接着層118の接着剤は、導電性であり、堅いビーズ119は別として、又は堅いビーズ119の補完として、熱電極及び/又は接地電極として働き得る。好ましくは、堅いビーズ119は、開口部112の壁とトランスデューサ要素120との間で単層を形成する大きさにされる。好ましくは、堅いビーズ119は、接着層118の10体積%〜65体積%を構成する。
【0018】
運動が「細長−伝播」型作用を通してトランスデューサ要素と導波管との間で伝達される、導波管の側面に接着されたトランスデューサ要素を有する平面的な導波管とは対照的に、第1の実施形態の構造は、運動が「押−引」型作用でそれらの間で伝達されることを許容する、導波管110内に埋め込まれたトランスデューサ要素120を提供する。伝達特徴におけるこの変化は、結合層を挟んで主要な力をせん断力から圧縮力へ変化させること、及び改善された結合材料の使用を許容することにより、構造間の連結及び連結効率を向上させる。また、導波管の向かい合う側面に接着されたトランスデューサ要素を有する平面的な導波管とは対照的に、第1の実施形態の構造は、(所望されない振動モードを避けるために)反対側のトランスデューサ要素を正確に整列させる必要を除去する。
【0019】
第2の実施形態が、
図6〜10に示される。第2の実施形態は、超音波外科用器具の超音波コア200であり、これは同様の長手方向に細長い、概ね平面的な導波管210と、同様のトランスデューサ要素220と、を含む。
図6及び7で詳細に示されるように、平面的な導波管210は、導波管210の第1の側面214から導波管の内側平面「M」に向かって延びる少なくとも1つの開口部212を画定する。しかしながら、第1の実施形態とは対照的に、この開口部は、開放終端開口部112とは反対に、一方が塞がった又は閉鎖終端開口部212である。以下に説明される例示的な装置などの多くの装置では、また、平面的な導波管210は、導波管の第2の反対側面216から内側平面「M」に向かって延びる反対側の開口部212、及び/又は導波管の長軸「L」に沿って位置付けられる追加の開口部212を画定する。各開口部212は、導波管210の機械加工又は化学的エッチングにより形成され得る。加えて又はあるいは、より実質的なトランスデューサ要素の厚みが必要とされる場合、導波管210は、複数の平面的な層を含む積層構造であってよい。主要な層(単数)又は層(複数)は、導波管210のトランスダクション部分及び共振子部分を構成してよく、任意選択で、短縮された補助層(単数)又は層(複数)は、開口部212の側面を画定し得る。次に、各開口部212は、1つ以上の層の切断、機械加工、及び/又は化学的エッチングにより、個々に又は組み合わせで、形成され得る。上記に示されるように、様々な層は、シリコン融合プロセス、陽極接合プロセス、レーザ溶接プロセス、及び導波管材料(単数又は複数)での使用に適切な他の既知の技術により結合され得る。
【0020】
図8で詳細に示されるように、各トランスデューサ要素220は、その対応する開口部212の大きさ及び形状と実質的に一致するような大きさ及び形状にされ、トランスデューサ要素220と開口部212の向かい合う壁との間に配置される接着層218(具体的に示されていない)によりその開口部212内に固定され得る。また、トランスデューサ要素220は、接着層218により、又は接着層218の導入前に開口部212内にトランスデューサ要素を一時的に位置付けて固定するよう働く代替の結合材料により、開口部212の閉鎖終端に固定され得る。第2の実施形態の表現では、接着層218は、開口部212の終端212a及び/又は開口部212の縁部214b(示されていない)に配置され得る。好ましくは、接着層218は、開口部212の全辺縁部の周りに配置され、これによりその中にトランスデューサ要素220を完全に固定する。開口部212の全辺縁部の周りの配置は、平面的な導波管210への振動の縦、横、及びねじれモード伝達を有利に支持するであろう。第2の実施形態の変形では、接着層218は、第1の実施形態で説明されるビーズのような複数の堅いビーズ219(明快にするために示されていない)、及び/又は第1の実施形態で説明される構成要素のような導電性構成要素を含み得る。
【0021】
導波管の向かい合う側面に接着されたトランスデューサ要素を有する平面的な導波管とは対照的に、第2の実施形態の構造は、導波管210それ自体の中に少なくとも部分的に埋め込まれたトランスデューサ要素220を提供する。各開口部212は、対応するトランスデューサ要素220を、内側平面を挟んで配置される反対側のトランスデューサ要素、及び/又は別の所定の(典型的に、長手方向の)位置に配置される直列トランスデューサ要素について、正に位置するよう働き、例えばシリコンウェーハ又はチタンシートからの導波管の製造中に導波管210について正確に位置付けられ得る。この構造特徴の変化は、所望されない振動モードを避けるために、内側平面「M」を挟んで反対側のトランスデューサ要素を正確に整列させる困難さを減少させる。この構造特徴の変化は、所望されない振動モード及び/又は直列要素間の弱め合い干渉を避けるために、所定の位置において、例えば所望の振動モードのノードにおいて、直列トランスデューサ要素を正確に位置付ける困難さも減少させる。
【0022】
図8で示される、第2の実施形態の第1の実施例では、導波管210は、材料からなる複数の平面的な層210a、210bなどを含む積層構造である。2つの隣り合う主要な層210b及び210cは、長手方向のチャネル又は他の内部空隙を画定し、これは、例えば内部内腔211として働き得る。2つの短縮された補助層210a及び210dそれぞれは、一方が塞がった開口部212を画定し、この開口部は、内側平面「M」を挟んで相対向して配置される。1対の反対側のトランスデューサ要素220は、開口部212内に配置され、上記に説明されるように接着層218により固定される。その結果、第1の実施例は、解剖された患者組織の焼灼を防ぐために内部内腔211を通って注入される潅注流体により冷却され得る、超音波外科用メスとしての使用に好適な構造を提供する。
【0023】
図9で示される、第2の実施形態の第2の実施例では、導波管210は、材料からなる複数の平面的な層210a、210bなどを含む積層構造である。3つの隣り合う主要な層210b、210c、及び210dは、長手方向のチャネル又は他の内部空隙を画定し、これは、例えば内部内腔211として働き得る。第1の実施例とは対照的に、主要な層が、内部内腔211を画定する部分的貫通性空隙を含むようにエッチング又は別の機械加工され得る場合、中心の主要な層210cのみが、チャネル又は空隙空間を提供するように切断、機械加工、又はそれ以外で形作られ、隣り合う主要な層210b及び210dが内部内腔211の側面として働くようにされなければならない。2つの短縮された補助層210a及び210eそれぞれは、少なくとも部分的に、装置の長軸に沿って直列に配置される複数の一方が塞がった開口部212を画定し、この複数物は、内側平面「M」を挟んで相対向して配置される。隣り合う主要な層210b及び210dは、更に部分的に、対応する開口部212を画定してよく、これにより様々な層の積層化中に、短縮された補助層210a及び210eを位置させるための参照点を提供する。反対側のトランスデューサ要素220は、開口部212内に配置され、任意選択で上記に説明されるように接着層により固定される。第2の実施例は、冷却される超音波外科用メスとしての使用に好適な構造を提供するが、また、直列の多数のより小さなトランスデューサ要素の正確な位置付けを可能にすることにより、導波管及びエンドエフェクタの変位の振幅を効果的に増大させる。当業者は、第1の実施形態の実施例が同様に、装置の長軸に沿って直列に配置される複数の開放終端開口部112を使用し、改善された超音波外科用メス及び同様の器具を提供し得ることを理解するであろう。
【0024】
図10で示されるように、第1及び第2の実施形態の装置の組み立て方法では、トランスデューサ要素(単数又は複数)120、220は、トランスデューサ要素に逆動力供給してトランスデューサ要素の長さを開口部の対応する長さより短い長さまで縮ませた後に、開口部(単数又は複数)112、212の大きさ及び形状と実質的に一致するような大きさ及び形状にされ得る。工程10では、第1の長さ113を有する開口部112を画定する、長手方向に細長い、概ね平面的な導波管110と、第1の長さ113より長いが、駆動電流を適用すると第1の長さ113より短い第3の長さ122まで可逆的に縮ませることができる第2の長さ121を有する、トランスデューサ要素120と、を得る。工程20では、トランスデューサ要素120に駆動電流を適用し、開口部112内にトランスデューサ要素120を挿入する。任意選択の工程30では、トランスデューサ要素120と開口部112の向かい合う壁との間に接着層118を配置してよい。上記に説明されるように、このような接着層118は、接着層118の外見上の弾性率を増大させるように及び/又はトランスデューサ要素120と開口部112の向かい合う壁との間の一定の接着層の厚みを確実にするように働き得る、複数の堅いビーズ119を含んでよい。工程40では、トランスデューサ要素120から駆動電流を除去し、これによりトランスデューサ要素120は開口部112内に拡張する。完了に際して、トランスデューサ要素120は、開口部112の向かい合う壁内に圧縮固定され、これらの壁により事前に束縛される。この事前の束縛は、導波管及びエンドエフェクタの変位の振幅を増大させるように働く。
【0025】
第3の実施形態が、
図11〜14に示される。第3の実施形態は、長手方向に細長い、概ね平面的な導波管310と、導波管310に固定されたトランスデューサ要素320と、鉗子機構330と、を含む、超音波外科用器具の超音波コア300である。導波管310は、
図11で示されるように、開口部312を含んでよく、トランスデューサ要素320は、開口部312の大きさ及び形状と実質的に一致するような大きさ及び形状にされ、開口部312の向かい合う壁に固定される。しかしながら、あるいはトランスデューサ要素320は、結合材料324により、
図12で示されるように、導波管310の近位端に固定されてよい。
【0026】
鉗子機構330は、導波管310の近位端から近接して配置される基部332と、基部332から遠位に突出し、導波管310を収容するチャネル336を挟んで互いに相対向するように構成される1対の拘束アーム334a、334bと、基部332から1対の拘束アーム334a、334bの間に遠位に突出する鉗子アーム338と、を含み得る。当業者は、鉗子機構は、
図11及び12で示されるように超音波外科用器具のハンドピースの内部構成要素、又は
図13及び14で示されるようにトランスデューサ要素320を囲むハンドピース筐体350の一体型又は統合部品であり得ることを理解するであろう。基部332及び鉗子アーム338は、互いに機械的に係合され、鉗子アーム338の遠位端がチャネル336内に調節可能かつ固定して位置付けられることを許容し得る。例えば、基部332は、開口部333を含んでよく、鉗子アーム338は、基部332に対する鉗子アーム338のラチェット様前進を可能にする鋸歯状のうねの付いた区間339を含んでよい。更なる実施例のために、基部322は、ねじ付き開口部333’(具体的に示されていない)を含んでよく、鉗子アーム338は、基部332に対する鉗子アーム338のねじ様前進を可能にするねじ付き区間339’(具体的に示されていない)を含んでよい。他の実施例では、基部332は、開口部、チャネル、又は溝を含んでよく、鉗子アームは、この開口部、チャネル、又は溝に粘着、はんだ付け、又は溶接されてよく、一方で鉗子アーム338は、トランスデューサ要素120を事前に束縛するように固定される。
【0027】
拘束アーム334a、334bそれぞれは、取付け部335を含み、これは、トランスデューサ要素320から遠位に位置付けられるノード340において導波管310を係合する。
図11及び12で示される、第3の実施形態の第1の表現では、各取付け部は、留め金335aを含み、導波管310は、ノード340に近接して配置されて取付け部留め金を係合する補完的な留め金342aを含む。
図13で示される、第3の実施形態の第2の表現では、各取付け部は、スロット335bを含み、導波管は、ノード340に近接して導波管310の縁部から外側に延びて、取付け部スロットを係合する、突起部342bを含む。
図14で示される、第3の実施形態の第3の表現では、各取付け部は、チャネル336に突出するピン又はねじ335cを含み、導波管は、ノード340に近接して導波管310の縁部から内側に延びて、取付け部ピン又はねじを係合する、ソケット342cを含む。
【0028】
第4の実施形態が、
図15及び16に示される。第4の実施形態は、超音波外科用器具の超音波ハンドピース400であり、これは、長手方向に細長い、概ね平面的な導波管410と、導波管410に固定されたトランスデューサ要素420と、少なくともトランスデューサ要素420を囲む筐体450と、トランスデューサ要素420に近接して筐体450に固定され、トランスデューサノード444においてトランスデューサ要素を係合する、鉗子機構460と、を含む。鉗子機構460は主に、筐体450内に平面的な導波管410及びトランスデューサ要素420を、これらの構造に横断圧縮力を適用することにより固定し得るが、また、溝、開口部、又は他の位置決め構造を、タング又はポストなどの補完的な構造と係合し得る。補完的な構造は、少なくとも部分的に弾性であってよく(例えば、弾性先端部又はクッションを含み)、これによりトランスデューサ要素420から筐体450への振動を絶縁する。鉗子機構460及びトランスデューサ要素420は、トランスデューサ要素420に駆動電流を適用するための補完的な電気接点466、426を含む。鉗子機構の電気接点466は、ハンドピースケーブル467を介して離れた超音波発生装置に電気接続されてよく、トランスデューサ要素の電気接点426は、トランスデューサ要素420の上及び中に配置される複数の電極428(明快にするために示されていない)に電気接続されてよい。
【0029】
図15で示される、第4の実施形態の第1の実施例では、トランスデューサ要素420は、導波管410の第1の側面414に固定され、反対側のトランスデューサ要素は、導波管の第2の反対側面416に固定されない。鉗子機構460は、トランスデューサノード444においてトランスデューサ要素420を係合する第1の鉗子アーム462と、トランスデューサノード444において導波管410、具体的には導波管の第2の反対側面416を係合する第2の鉗子アーム464とを含み得る。次に、鉗子機構の電気接点466は、第1の鉗子アーム462上に配置される。Oリング又は同様の概ね環状の弾性部品などの継手468は、トランスデューサ要素420から遠位に位置付けられたノード440において導波管410を係合し、導波管410の剛性を増大させ、汚染物質が筐体450に入ることを防ぎ得る。
【0030】
図16で示される、第4の実施形態の第2の実施例では、第1のトランスデューサ要素420aは、導波管410の第1の側面414に固定され、第2の反対側のトランスデューサ要素420bは、導波管の第2の反対側面416に固定される。鉗子機構460は、トランスデューサノード444において第1のトランスデューサ要素420aを係合する第1の鉗子アーム462と、トランスデューサノード444において第2のトランスデューサ要素420bを係合する第2の鉗子アーム464と、を含み得る。次に、鉗子機構の電気接点466は、第1の鉗子アーム462及び第2の鉗子アーム464の両方上に配置されてよく、補完的な電気接点426は、対応するトランスデューサ要素に配置される。ここでも、Oリング又は同様の概ね環状の弾性部品などの継手468は、トランスデューサ要素420a及び420bから遠位に位置付けられたノード440において導波管410を係合し、導波管410の剛性を増大させ、汚染物質が筐体450に入ることを防ぎ得る。
【0031】
第5の実施形態が、
図17及び18に示される。第5の実施形態は、超音波コア500であり、これは、概ね平面的なトランスダクション部分510’を有する長手方向に細長い、概ね平面的なシリコン導波管510を含み、少なくとも1個のトランスダクション要素520は、概ね平面的なトランスダクション部分510’に固定され、楔形音響ホーン部分510”は、傾斜した側面570を含む。第5の実施形態は、傾斜した側面570が、シリコン材料の{1,1,1}結晶面に沿って配向されることを特徴とする。また、傾斜した側面の縁部572a及び572bは、導波管の中心長軸「L」に向かって収束してよく、これにより3次元変化音響ホーンを提供する。
図17及び18で示される、第5の実施形態の第1の実施例では、傾斜した側面の縁部572a及び572bは、音響ホーン部分510”内の中心長軸「L」に向かって直線的に収束し得る。部分的に
図19Cで示される、第5の実施形態の第2の実施例では、傾斜した側面の縁部572a及び572bは、音響ホーン部分510”内の中心長軸「L」に向かって曲線的に収束し得る。
【0032】
第5の実施形態の変形では、音響ホーン部分510”は、一体型外科用メス部分を含み得る。
【0033】
以下の説明は、第5の実施形態の超音波コアの導波管の製造方法に焦点を合わせるが、概ね平面的なトランスダクション部分510’が、第1〜第4の実施形態の任意の1つ及びこれらの組み合わせの形態を取り得ること、及び第5の実施形態の導波管510が、1対の相対向する主要な層であって、それらのそれぞれが楔形音響ホーン部分510”を含み、対応する層の傾斜した側面570が導波管510の反対側面上に配置されるように隣り合わされた層を有する、積層構造であり得ることが、明示的に企図される。この説明及び付属の特許請求の範囲の理解を助けるうえで、「順序付けられた」という用語は、1組の工程であって、互いに、示される順序で行われるが、いくつかの他の工程(単数)若しくは工程(複数)が、列挙された工程の前、中、若しくは後に行われる可能性、又は工程(複数)のいくつかの他の工程(単数)が、列挙された工程の間で行われる可能性を排除又は除外しないと解釈される、1組の工程を指すと理解される。むしろ、各列挙された工程の実行は、次工程の実行の必要条件として働く。
【0034】
図19A〜19Dで示されるように、超音波外科用器具のシリコン導波管の製造方法では、シリコンウェーハを、いくつかの順序付けられた工程で連続的にコーティング、エッチング、及びダイシングし、これによりシリコン材料の{1,1,1}結晶面に沿って配向される傾斜した側面570を有する少なくとも1個の導波管510を製造する。工程1010では、シリコンウェーハであって、ウェーハの面に対して0でない鋭角で配置される{1,1,1}結晶面を有するように切断されたシリコンウェーハを得る。好ましくは、{1,1,1}結晶面は、この面について1度〜10度の角度αで配置される。工程1020では、シリコンウェーハ上で熱酸化物コーティング1022を発達させ、工程1030では、シリコンウェーハの1つの面にフォトレジストコーティング1032を適用し、工程1040では、適用されたフォトレジストコーティング1032を、導波管510の傾斜した側面570を表す第1のパターンを有するフォトマスクを通して示される光に露出する。工程1050では、フォトレジストコーティング1032の光誘導破壊により露出された熱酸化物コーティング1022に、緩衝フッ化水素酸エッチング(BHFエッチング)又はプラズマエッチングなどの酸化物エッチングを行い、次に残留のフォトレジストコーティング1032を除去する。
【0035】
工程1060では、熱酸化物コーティング1022の酸化物エッチングにより露出されたシリコンに、水酸化カリウム又は水酸化テトラメチルアンモニウムなどのエッチング液を用いて、水酸化物エッチングを行う。材料の{1,1,1}結晶面に沿って配向され、熱酸化物により保護された縁部を有するシリコンは、エッチングプロセスに対して比較的抵抗性があるであろうが、一方、{1,0,0}平面などの他の結晶面に沿って配向され、エッチング液に露出された縁部を有するシリコンは、エッチングプロセスに比較的供しやすいであろう。例えば、KOHエッチングプロセスでは、{1,1,1}及び{1,0,0}平面の材料についてのエッチング速度の相対的割合は、約1:100であり、{1,1,1}結晶面に沿って配向される「長い」脚部又は側面、及びシリコン材料がより速く除去される「短い」脚部又は側面を有するシリコン材料のV様ノッチを創作する。水酸化物エッチングは、露出されたシリコンが所定の最大深度まで除去されるまで行われ、シリコン材料の{1,1,1}結晶面に沿って配向される傾斜した面を創作する。好ましくは、所定の最大深度は、シリコンウェーハの深度よりわずかに小さく、これにより音響ホーン及びそこから遠位に突出する一体型超音波外科用メスを形成する。あるいは、所定の最大深度は、シリコンウェーハの深度より実質的に小さい、0でない深度であり、これにより超音波エンドエフェクタの取り付けのためのスタッドを提供する音響ホーンを形成する。後者の場合、工程1065では、シリコンウェーハをダイシングし、傾斜した側面570を含む楔形音響ホーン部分510”を有する導波管510又は導波層を産出し得る。水酸化物エッチング、及び可能性としてダイシング操作により露出されたシリコンは、熱酸化物コーティングに変換されてよく、これにより音響ホーン部分の強度を改善することが理解されるであろう。後に、超音波エンドエフェクタは、形成された音響ホーンの遠位端に接着され、又は既知のシリコン融合プロセス、陽極接合プロセスなどにより、形成された音響ホーンの遠位端に融合され、従来の超音波トランスデューサ組立体の機械加工前端部音響ホーンのような、両方の横寸法において先細になる音響ホーンを有する超音波外科用器具を産出し得る。
【0036】
前者の場合、一体型超音波外科用メスを製造したい場合、更なるプロセッシング工程が行われる。工程1070では、シリコンウェーハ上で熱酸化物コーティング1022を除去し、次に再発達させ、工程1080では、フォトレジストコーティング1082をシリコンウェーハの反対面に適用する。工程1090では、適用されたフォトレジストコーティングを、導波管510の傾斜した側面570の縁部572a及び572b並びに遠位端574を表す第2のパターンを有するフォトマスクを通して示される光に露出する。工程1100では、プラズマエッチングなどの酸化物エッチングを、フォトレジストコーティングの光誘導破壊により露出された熱酸化物コーティングに行う。工程1110では、DRIEエッチングを行い、シリコンウェーハを通して傾斜した側面570の縁部572a及び572b並びに遠位端574をエッチングする。次に、工程1120では、任意選択で、シリコンウェーハ上で熱酸化物コーティングを除去し、次に再発達させ、これにより外科用メス部分の強度及び生体適合性を改善し、工程1130では、ウェーハをダイシングし、楔形音響ホーン部分510”及び外科用メス部分であって、両方とも傾斜した側面570を含む部分を有する導波管510又は導波層を産出する。
【0037】
傾斜した側面を有する楔形音響ホーンは、製造者が、従来の超音波トランスデューサ組立体の機械加工前端部音響ホーンのような、両方の横寸法において先細になる音響ホーンを生産すること、及び傾斜した側面に沿った導波管材料の狭細のために向上した超音波利得を送達することを、可能にする。第5の実施形態の構築物のような構築物では、導波管の楔形遠位部分が音響ホーン部分及び一体型外科用メス部分を含む場合、両方の部分が、傾斜した側面を含んでよい。その結果、傾斜した側面は、外科用メスに向上した超音波利得を提供するように、及び非常に鋭利な最遠位の縁部を提供するように、並びに音響ホーン部分から外科用メス部分への滑らかな遷移を提供するように働く。導波管の製造方法は、シリコンエッチングプロセスが異方性であり得るという事実を利用し、結晶平面の構造は、様々な速度でエッチングされ、これにより{1,0,0}及び{1,1,0}結晶面を挟んでシリコンを優先的に除去し、一方で、{1,1,1}結晶面と整列した表面を本質的に形成する。したがって、本質的に一体式の本質的に一体式のトランスデューサ支持導波管は、高価な及び完全な3次元機械加工設備及び技術を必要とすることなく、遠位端まで優れた音響利得を提供するように製造されることができ、このような導波管を使用する超音波ハンドピースは、所望の量のエンドエフェクタ変位のためのより小さな超音波コアを伴って製造され得る。
【0038】
本発明の態様について、いくつかの実施形態を記載することによって説明してきたが、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人らが意図するところではない。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく多くの変形、変更、及び代用が想到されるであろう。更に、本発明に関連する各要素の構造は、その要素によって行われる機能を与えるための手段として述べることもできる。したがって本発明は、付属の特許請求の範囲の趣旨及び範囲によってのみ限定されるものとする。
【0039】
〔実施の態様〕
(1) 超音波外科用器具の超音波コアであって、
長手方向に細長い、概ね平面的な導波管であって、前記導波管の第1の側面から前記導波管の内側平面に向かって延びる開口部を有する、導波管と、
前記開口部の向かい合う壁に固定されたトランスデューサ要素であって、前記開口部の大きさ及び形状と実質的に一致するような大きさ及び形状にされる、トランスデューサ要素と、
を備える、超音波コア。
(2) 前記トランスデューサ要素が、前記トランスデューサ要素と前記開口部の前記向かい合う壁との間に配置される接着層により、前記開口部の前記向かい合う壁に固定される、実施態様1に記載の超音波コア。
(3) 前記接着層が、前記開口部の終端に配置される、実施態様2に記載の超音波コア。
(4) 前記接着層が、前記開口部の全辺縁部の周りに配置される、実施態様3に記載の超音波コア。
(5) 前記接着層が、複数の堅いビーズを含む、実施態様2に記載の超音波コア。
【0040】
(6) 前記堅いビーズが、ガラスビーズである、実施態様5に記載の超音波コア。
(7) 前記開口部が、前記導波管の前記第1の側面から前記導波管の第2の反対側面に延びる、実施態様1に記載の超音波コア。
(8) 前記開口部が、閉鎖終端を有する、一方が塞がった開口部(blind aperture)である、実施態様1に記載の超音波コア。
(9) 前記トランスデューサ要素が、接着層により前記開口部の前記閉鎖終端に固定される、実施態様8に記載の超音波コア。
(10) 前記導波管が、複数の平面的な層を含む積層構造である、実施態様1に記載の超音波コア。
【0041】
(11) 長手方向に細長い、概ね平面的な導波管を含む超音波コアの組み立て方法であって、
第1の長さを有する開口部を画定する、長手方向に細長い、概ね平面的な導波管、及び前記第1の長さより長いが、駆動電流を適用すると前記第1の長さより短い第3の長さまで可逆的に縮ませることができる第2の長さを有する、トランスデューサ要素を得る工程と、
前記トランスデューサ要素に前記駆動電流を適用し、前記開口部内に前記トランスデューサ要素を挿入する工程と、
前記トランスデューサ要素が前記開口部内に拡張するように、前記トランスデューサ要素から前記駆動電流を除去する工程と、
を含み、これにより、前記トランスデューサ要素が、前記開口部の向かい合う壁内に圧縮固定され、かつ前記壁により事前に束縛される、方法。
(12) 前記トランスデューサ要素から前記駆動電流を除去する前に、前記トランスデューサ要素と前記開口部の向かい合う壁との間に接着層を配置する工程を更に含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記接着層が、前記開口部の終端に配置される、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記接着層が、前記開口部の全辺縁部の周りに配置される、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記接着層が、複数の堅いビーズを含む、実施態様12に記載の方法。
【0042】
(16) 前記堅いビーズが、ガラスビーズである、実施態様15に記載の方法。
(17) 超音波外科用器具の超音波コアであって、
長手方向に細長い、概ね平面的な導波管と、
前記導波管に固定されたトランスデューサ要素と、
前記導波管の近位端から近位に配置される基部、前記基部から遠位に突出し、前記導波管を収容するチャネルを挟んで互いに相対向するように構成される1対の拘束アーム、及び前記基部から前記1対の拘束アームの間に遠位に突出する鉗子アームを含む、鉗子機構と、
を備え、前記基部及び前記鉗子アームが、互いに機械的に係合され、これにより、前記鉗子アームの遠位端が前記チャネル内に固定して位置付けられることを許容し、
前記各拘束アームが、前記トランスデューサ要素から遠位に位置付けられるノードにおいて前記導波管を係合する取付け部を含む、超音波コア。
(18) 前記1対のアームが、前記トランスデューサ要素を囲むハンドピース筐体の一体型の部材である、実施態様17に記載の超音波コア。
(19) 前記基部が、開口部を含み、前記鉗子アームが、前記開口部との係合のための鋸歯状のうねの付いた区間を含む、実施態様17に記載の超音波コア。
(20) 前記各取付け部が、留め金を含み、前記導波管が、前記ノードに近接して配置されて前記取付け部留め金を係合する補完的な留め金を含む、実施態様17に記載の超音波コア。
【0043】
(21) 前記各取付け部が、スロットを含み、前記導波管が、前記ノードに近接して前記導波管の縁部から外側に延びて前記取付け部スロットを係合する突起部を含む、実施態様17に記載の超音波コア。
(22) 前記各取付け部が、前記チャネルの中に突出するピン又はねじを含み、前記導波管が、前記ノードに近接して前記導波管の縁部から内側に延びて、前記取付け部ピン又はねじを係合するソケットを含む、実施態様17に記載の超音波コア。
(23) 超音波外科用器具の超音波ハンドピースであって、
長手方向に細長い、概ね平面的な導波管と、
前記導波管に固定されたトランスデューサ要素と、
少なくとも前記トランスデューサ要素を囲む筐体と、
前記トランスデューサ要素に近接して前記筐体に固定され、トランスデューサノードにおいて前記トランスデューサ要素を係合する鉗子機構と、を備え、前記鉗子機構及び前記トランスデューサ要素が、前記トランスデューサ要素に駆動電流を適用するための補完的な電気接点を含む、超音波ハンドピース。
(24) 前記トランスデューサ要素が、前記導波管の第1の側面に固定され、前記鉗子機構が、前記トランスデューサノードにおいて前記トランスデューサ要素を係合する第1の鉗子アームと、前記トランスデューサノードにおいて前記導波管の第2の反対側面を係合する第2の鉗子アームと、を含む、実施態様23に記載の超音波ハンドピース。
(25) 前記トランスデューサ要素が、前記導波管の第1の側面に固定された第1のトランスデューサ要素であり、
前記導波管の第2の反対側面に固定された第2の反対側のトランスデューサ要素を更に備え、
前記鉗子機構が、前記トランスデューサノードにおいて前記第1のトランスデューサ要素を係合する第1の鉗子アームと、前記トランスデューサノードにおいて前記第2のトランスデューサ要素を係合する第2の鉗子アームと、を含む、実施態様23に記載の超音波ハンドピース。
【0044】
(26) 超音波コアであって、
概ね平面的なトランスダクション部分を有する、長手方向に細長い、概ね平面的なシリコン導波管を備え、少なくとも1個のトランスデューサ要素が、前記概ね平面的なトランスダクション部分に固定され、楔形音響ホーン部分が、傾斜した側面を含み、
前記傾斜した側面が、シリコン材料の{1,1,1}結晶面に沿って配向されることを特徴とする、超音波コア。
(27) 前記傾斜した側面の縁部が、少なくとも前記楔形音響ホーン部分内で前記導波管の中心長軸に向かって収束する、実施態様26に記載の超音波コア。
(28) 前記縁部が、前記導波管の前記中心長軸に向かって直線的に収束する、実施態様27に記載の超音波コア。
(29) 前記縁部が、前記導波管の前記中心長軸に向かって曲線的に収束する、実施態様27に記載の超音波コア。
(30) 前記楔形音響ホーン部分が、一体型外科用メス部分を含み、前記楔形音響ホーン部分及び前記外科用メス部分の両方が、前記傾斜した側面を含む、実施態様26に記載の超音波コア。
【0045】
(31) シリコン材料の{1,1,1}結晶面に沿って配向される傾斜した側面を有する超音波外科用器具のシリコン導波管の製造方法であって、前記方法が、以下の順序付けられた工程:
シリコンウェーハを得る工程であって、前記シリコンウェーハが、前記ウェーハの面に対して0でない鋭角で配置される{1,1,1}結晶面を有するように切断される、工程と、
前記シリコンウェーハ上で熱酸化物コーティングを発達させる工程と、
前記シリコンウェーハの1つの面にフォトレジストコーティングを適用する工程と、
前記適用されたフォトレジストを、前記導波管の前記傾斜した側面を表す第1のパターンを有するフォトマスクを通して示される光に露出する工程と、
前記フォトレジストコーティングの光誘導破壊により露出された前記熱酸化物コーティング上で酸化物エッチングを行う工程と、
前記シリコンが、所定の最大深度まで除去されるまで、前記熱酸化物コーティングの前記酸化物エッチングにより露出された前記シリコン上で水酸化物エッチングを行う工程と、
前記シリコンウェーハをダイシングし、前記傾斜した側面を含む少なくとも楔形音響ホーン部分を有する、長手方向に細長い、概ね平面的な導波管を産出する工程と、
を含み、これにより、前記傾斜した側面が、前記シリコン材料の{1,1,1}結晶面に沿って配向される、方法。
(32) 前記水酸化物エッチングを行う工程後かつ前記シリコンウェーハをダイシングする工程前に行われる、以下の順序付けられた工程:
前記シリコンウェーハ上で前記熱酸化物コーティングを除去し、次に再発達させる工程と、
前記シリコンウェーハの反対面にフォトレジストコーティングを適用する工程と、
前記適用されたフォトレジストを、前記導波管の前記傾斜した側面の縁部及び遠位端を表す第2のパターンを有するフォトマスクを通して示される光に露出する工程と、
前記フォトレジストコーティングの光誘導破壊により露出された前記熱酸化物コーティング上で酸化物エッチングを行う工程と、
前記熱酸化物コーティングの前記酸化物エッチングにより露出された前記シリコン上でDRIEエッチングを行い、前記シリコンウェーハを通して前記傾斜した側面の前記縁部及び前記遠位端をエッチングする、工程と、を更に含む、実施態様31に記載の製造方法。
(33) 前記楔形音響ホーン部分が、そこから遠位に突出する一体型外科用メス部分を有し、前記楔形音響ホーン部分及び前記外科用メス部分の両方が、前記傾斜した側面を含む、実施態様32に記載の製造方法。
(34) 前記所定の最大深度が、前記シリコンウェーハの深度よりわずかに小さい、実施態様32に記載の製造方法。