(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
カバー(12)上のハンドル(18)が、キャップ(13)内の開口部(25)と相互作用するように配置され、それによりキャップ(13)は、キャップ(13)が本体(9)に完全に組み立てられていない限り、カバー(12)の回転を防止する、請求項1に記載の薬物送達デバイス(1)。
キャップ(13)は、軸方向の並進運動および/または回転によって本体(9)に取り付けられるように配置される、請求項1または3〜7のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、改善された薬物送達デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1に記載の薬物送達デバイスによって実現される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に与えられる。
【0013】
本発明によれば、薬物を投与する薬物送達デバイスは:
− 本体と、
− 少なくとも1つの電気ユニットおよび電気ユニットに電気的に接触するポートと、
− 薬物送達デバイスに注射針を取り付けるアダプタと、
− 注射針が薬物送達デバイスと流体連通している間、電気ユニットに接触するのを防止するように配置され、電気ユニットが接触可能な間、流体連通を確立するのを防止するように配置された安全機構とを含む。
【0014】
本体は、シリンジまたはカートリッジを収容することができる。
【0015】
ポート、たとえばUSBポートは、データ転送または充電のために別のデバイスとの有線通信を行うことができる。安全機構は、使用者が注射を試みる間に不注意で薬物送達デバイスがケーブルを介して接続されたままにするリスクを回避する。この場合、外部に接続されたデバイスから薬物送達デバイスのケーブル、ポート、および電子機器を通って導電性の金属注射針を介して患者までつながる潜在的な導電経路が存在することがある。ポート上の電流が過負荷状態である場合、またはカートリッジが漏れている場合、薬物送達デバイス内に短絡が生じるため、患者は感電を受けるはずである。感電は、ケーブルがポートに接続されているか否かにかかわらず、患者とポートに接続された外部デバイスとの両方が接地されている場合、または患者が注射中にポートに接触した場合に生じることがある。同様に、ポートは、使用者の血糖値を測定する血糖ストリップとインターフェース接続するように適用することができる。したがって、ポートもまた、電子接点を特徴とする。したがって、同様のリスクが伴う。
【0016】
上記のリスクは、注射針がカートリッジと流体連通している間、ポートへのアクセスを防止するように配置され、ポートがアクセス可能である間、注射針とカートリッジとの間に流体連通を確立するのを防止するように配置された安全機構を設けることによって対処される。
【0017】
他の選択肢は、使用者がポートにアクセスできるとき安全機構によって薬物送達デバイスの用量投入動作(dosing operation)を無効にすることである。これは、薬物送達デバイスの送達機構を無効にする動作を実行することによって、または使用者が薬物送達デバイスを動作させる人間−機械インターフェース上のボタンもしくはソフトボタンにアクセスするのを防止することによって実現することができる。
【0018】
例示的な実施形態では、安全機構は、薬物送達デバイスのポートに取り付けるための汎用コネクタおよび特注コネクタを含むドッキングステーションを含み、ドッキングステーションは、針または針配置(needle arrangement)が取り付けられていないときのみ薬物送達デバイスをドッキングステーション内へ挿入することができるように配置された部分をさらに含む。
【0019】
例示的な実施形態では、ポートは、本体内の凹部内に配置され、安全機構は、本体に対して閉位置にあるとき凹部を隠し、または開位置にあるとき凹部を露出させるように配置されたカバーを含み、キャップが、針および本体の一部の上に組み立てられるように配置され、それにより針は、ポートを有する凹部が覆われていないままの状態でキャップが本体に取り付けられているときアクセス不能になり、キャップは、本体に取り付けられたとき、カバーを開位置へ動かし、かつ/またはカバーをロック解除してカバーが開位置へ動くのを可能にするように配置される。
【0020】
例示的な実施形態では、第1のばねが、カバーを閉位置に向かって付勢するように配置され、したがってキャップを取り外すとポートが自動的にアクセス不能になることを確実にする。
【0021】
例示的な実施形態では、カバーは、閉位置と開位置との間を旋回または摺動するように配置される。
【0022】
例示的な実施形態では、カバーは、閉位置でロックされ、したがって使用者がポートを露出させるのを防止するように配置される。
【0023】
例示的な実施形態では、阻止構成要素(blocking component)が、本体内に摺動可能に配置され、カバーが動かされて閉位置から出るのを防止するように阻止位置(blocking position)に向かって付勢され、キャップは、本体に取り付けられたとき、阻止構成要素を阻止位置から出し、したがってカバーが開位置に向かって動くのを可能にするように配置される。
【0024】
例示的な実施形態では、阻止構成要素は、第3のばねとして成形され、カバーは、略円筒形に成形され、本体に回転可能に嵌合され、ポートにアクセスするための開口部を含み、キャップが本体に嵌合されていないとき、第3のばね上の保持タング(retaining tongue)がカバー上の保持特徴(retaining feature)に係合して、カバーが閉位置から回転するのを防止し、キャップ上の梁が、キャップが本体に取り付けられたとき第3のばねを押して保持特徴との係合を解除させるように配置される。
【0025】
例示的な実施形態では、カバー上のハンドルが、キャップ内の開口部と相互作用するように配置され、それによりキャップは、キャップが本体に組み立てられていない限り、カバーの回転を防止する。
【0026】
例示的な実施形態では、キャップは、軸方向の並進運動および/または回転によって本体に取り付けられるように配置される。
【0027】
例示的な実施形態では、ポートは、本体内の凹部内に配置され、安全機構は、本体に対して可動のポートを含み、キャップが、針および本体の一部の上に組み立てられるように配置され、それにより針は、ポートを有する凹部が覆われていないままの状態でキャップが本体に取り付けられているときアクセス不能になり、キャップは、本体に取り付けられたとき、ポートを動かして開位置で凹部と位置合わせされるように配置され、ポートは、キャップが本体から取り外されたとき凹部から位置ずれするように動く。
【0028】
例示的な実施形態では、キャップを検出するスイッチが本体内に配置され、それによりキャップを本体に組み立てることでスイッチをトリガし、スイッチは保持機構を解放して、ポートをアクセス可能にするようにカバーおよび/またはポートを開位置へ動かし、または動くのを可能にし、キャップを取り外すことでスイッチをトリガし、スイッチは保持機構によってカバーおよび/またはポート(5)を閉位置へ動かす。
【0029】
例示的な実施形態では、コネクタがポートに接続されている間は、キャップの取り外しが防止される。
【0030】
例示的な実施形態では、ポートは、本体内の凹部内に配置され、安全機構は、凹部内へ突出してコネクタがポートに接続するのを防止するように付勢される阻止構成要素を含み、キャップが、針および本体の一部の上に組み立てられるように配置され、それにより針は、ポートを有する凹部が覆われていないままの状態でキャップが本体に取り付けられているときアクセス不能になり、キャップは、取り付けられたとき、阻止構成要素をポートから離れる方へ動かし、したがってコネクタがポートに嵌合されるのを可能にするように配置される。
【0031】
例示的な実施形態では、安全機構は、針および本体の一部の上に組み立てられるように配置されたキャップ内に配置されたポートを含み、それにより針は、キャップが本体に取り付けられているときアクセス不能になり、本体とキャップとの間のインターフェースはコネクタを含み、第2のポートが、キャップが本体に取り付けられたときにポートを本体に接続するように配置される。
【0032】
本発明のさらなる適用可能範囲は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、詳細な説明および特有の例は本発明の好ましい実施形態を示すが、本発明の精神および範囲内の様々な変更および修正がこの詳細な説明から当業者には明らかになるため、例示のみを目的として与えられることを理解されたい。
【0033】
本発明は、以下の詳細な説明および添付の図面からより完全に理解される。これらは、例示のみを目的として与えられ、したがって本発明を限定するものではない:
【発明を実施するための形態】
【0035】
すべて図において、対応する部分は同じ参照記号で示す。
【0036】
図1は、薬物を投与する電気機械的薬物送達デバイス1の第1の例示的な実施形態の概略図である。薬物送達デバイス1は、薬物カートリッジまたはシリンジ(図示せず)を受けるように適用された本体9を含む。カートリッジには、皮下注射針(図示せず)を取り付けることができる。薬物送達デバイス1は、使用者へ情報を通信して使用者が薬物送達デバイス1を動作させることを可能にする人間−機械インターフェースなどの少なくとも1つの電気ユニットEUを含むことができる。さらに、電気ユニットEUは、針を注射部位、たとえば患者の皮膚内へ挿入し、かつ/または針を通ってカートリッジからの薬物を投薬し、かつ/または注射後に針を後退させる電気機械的駆動装置(図示せず)とすることができる。
【0037】
針は、使用者によって取り付けかつ取り外すことができ、したがって針は、薬物の単回の送達に使用することが可能となる。送達後、針は適宜取り外され、廃棄され、新しい針に交換される。
【0038】
薬物送達デバイス1は、データ転送または充電のために別のデバイスとの有線通信を行うことができるポート5(
図2参照)を含む。この特徴には、使用者が注射を試みる間に不注意で薬物送達デバイス1がケーブルを介して接続されたままにするリスクが伴う。薬物送達デバイス1の制御ユニットは、この状況では薬物の送達を防止するための確認を含むソフトウェアを実行することができるが、外部に接続されたデバイスから薬物送達デバイス1のケーブル、ポート5、および電子機器を通って導電性の金属注射針を介して患者までつながる潜在的な導電経路がやはり存在する。したがって、たとえば、ポート5上の電流が過負荷であり、またはカートリッジが漏れている可能性があり、それによって薬物送達デバイス1内に短絡が生じ、患者に感電を送達する可能性がある。これは、ケーブルがポート5に接続されているか否かにかかわらず、患者とポート5に接続された外部デバイスとの両方が接地されている場合、または患者が注射中にポート5に接触した場合に生じることがある。
【0039】
同様に、ポート5は、使用者の血糖値を測定する血糖ストリップとインターフェース接続するように適用することができる。したがって、ポート5もまた、電子接点を特徴とする。したがって、同様のリスクが伴う。
【0040】
上記のリスクは、使用者がポート5にアクセスすることができるとき薬物送達デバイス1の用量投入動作を無効にする安全機構Sを設けることによって対処される。これは、薬物送達デバイス1の送達機構を無効にする動作を実行することによって、または使用者が針に接続するように適用された薬物送達デバイス1のねじ付領域7などのアダプタ7または人間−機械インターフェース上のボタンもしくはソフトボタンにアクセスするのを防止することによって実現される。
【0041】
図1は、ドッキングステーション2内に配置された薬物送達デバイス1の概略側面図である。ドッキングステーション2は、安全機構Sの一部として、コンピュータ、たとえばパーソナルコンピュータまたはラップトップなどの演算デバイスに取り付けられる汎用コネクタ3と、薬物送達デバイス1に取り付けられる注文仕立てまたは特注コネクタ4とを含む。注文仕立てコネクタ4は、容易に入手可能な標準的なリードの代わりに、ドッキングステーション2が薬物送達デバイス1を接続するために使用されることを確実にする。
【0042】
ドッキングステーション2は長手方向部分2.1を含み、長手方向部分2.1上には注文仕立てコネクタ4が、薬物送達デバイス1内に横方向に配置されたポート5(
図2参照)に接続するように横断方向に配置される。ドッキングステーション2の長手方向部分2.1上には横断方向部分2.2が配置され、したがって薬物送達デバイス1は、針または針配置が取り付けられていないときのみドッキングステーション2内へ挿入することができる。そうでない場合、針または針配置は横断方向部分2.2と衝突し、したがってドッキングステーション2内への挿入を防止する。したがって、薬物送達デバイス1は、そのポート5へのアクセスが防止されている間、針を取り付けることができ、または針を取り付けることが防止されている間、そのポート5をコネクタ4に接続することができ、したがって前述のリスクを軽減することができる。
【0043】
図2は、ドッキングステーション2を有する薬物送達デバイス1の概略斜視詳細図である。ポート5は、薬物送達デバイス1の本体9内の比較的小さい開口部8を通ってアクセス可能な比較的深い凹部6内に配置される。したがって、ドッキングステーション2上の注文仕立てコネクタ4は長い。ほとんどアクセス不能なポート5により、使用者が容易に入手可能な標準的なリードに接続しようとして薬物送達デバイス1を不正に変更するのを防止する。
【0044】
図3は、薬物送達デバイス1の第2の例示的な実施形態の概略図である。薬物送達デバイス1は、薬物カートリッジまたはシリンジ(図示せず)を受けるように適用された本体9を含む。カートリッジには、皮下注射針10を取り付けることができる。薬物送達デバイス1は、使用者へ情報を通信して使用者が薬物送達デバイス1を動作させることを可能にする人間−機械インターフェース11を含むことができる。さらに、薬物送達デバイスは、針10を注射部位、たとえば患者の皮膚内へ挿入し、かつ/または針10を通ってカートリッジからの薬物を投薬し、かつ/または注射後に針10を後退させる電気機械的駆動装置(図示せず)を含むことができる。
【0045】
針10は、使用者によって取り付けかつ取り外すことができ、したがって針10は、薬物の単回の送達に使用することが可能となる。送達後、針10は適宜取り外され、廃棄され、新しい針に交換される。
【0046】
薬物送達デバイス1は、データ転送または充電のために別のデバイスとの有線通信を行うことができるポート5(
図5参照)を含む。ポート5は、薬物送達デバイス1の本体9内の凹部6内に配置される。摺動カバー12が、本体9に対して閉位置CPにあるとき凹部6を隠し、または開位置OPにあるとき凹部6を露出させるように配置される。
【0047】
キャップ13が、針10および本体9の一部の上に組み立てられるように配置され、それにより針10は、ポート5を有する凹部6が覆われていないままの状態でキャップ13が本体9に取り付けられているときアクセス不能になる。摺動カバー12は、キャップ13に係合するように配置され、したがって摺動カバー12は、キャップ13によって係合されていないとき閉位置CPにあり、キャップ13が薬物送達デバイス1の本体9に完全に取り付けられているとき開位置OPにある。
【0048】
図3は、キャップ13が本体9から取り外された薬物送達デバイス1を示す。したがってカバー12は閉位置CPにあり、したがってポート5はアクセス不能である。
【0049】
図4は、キャップ13が本体9に取り付けられつつある薬物送達デバイス1を示す。したがってカバー12は、閉位置CPから開位置OPに向かって動かされ、したがってポート5は部分的に露出されているが、まだアクセスすることはできない。
【0050】
図5は、キャップ13が本体9に完全に取り付けられた薬物送達デバイス1を示す。したがってカバー12は開位置OPにあり、したがってポート5はアクセス可能である。
【0051】
図6は、ポート5および摺動カバー12を有する薬物送達デバイス1の詳細の概略斜視図である。キャップ13上のタブ14が、本体9内のスロット15とインターフェース接続し、摺動カバー12に作用して摺動カバー12を本体9内で軸方向に内部へ動かすように適用される。またこの作用により第1のばね16を圧縮させ、これを使用して、キャップ13が取り外された後に摺動カバーを閉位置CPに戻す。
【0052】
代替実施形態では、カバー12は、摺動ではなく旋回させることができ、したがってカバー12は、開位置OPと閉位置CPとの間でその縁部または隅部の1つの周りを回転する。
【0053】
図7は、安全機構の例示的な実施形態の概略詳細図である。
【0054】
この代替実施形態では、カバー12は、キャップ13によって開位置OP内へ摺動することはできないが、単にロック解除することができ、したがって使用者は、カバー12を手動で摺動させて開くことができ、カバー12はキャップ13が取り付けられていない状態でロックされたままであり、したがって使用者がポート5を露出させるのを防止する。この目的で、摺動カバー12は、スロット17を組み込んで、キャップ13上のタブ14がスロット17を自由に通過することを可能にするように修正することができる。カバーハンドル18を配置して、使用者がカバー12を開位置OP内へ動かすことを可能にすることができる。第1のばね16は、摺動カバー12を閉位置CPに向かって付勢したままである。
【0055】
面取り部20を有する阻止構成要素19が、本体9内に摺動可能に配置され、第2のばね21によって阻止位置に向かって外方に付勢される。阻止構成要素19は、カバー12が閉位置CPにあり、阻止構成要素19が阻止位置にあるときに、カバー12上の阻止突起(blocking protrusion)23に係合する阻止凹部(blocking recess)22を含む。
【0056】
キャップ13が薬物送達デバイス1の本体9に嵌合されると、キャップ13(
図6参照)上のタブ14はスロット17を通って摺動し、阻止構成要素19の面取り部20に作用して、面取り部20を押し下げ、すなわち横方向に本体9内へ押し込む。阻止構成要素19が内方へ十分遠くまで動いた後、阻止構成要素19は阻止突起23を解放し、したがって使用者は、カバーハンドル18を動作させて第1のばね16の力に逆らって摺動カバー12を後退させて開位置OPに入れることが可能になる。キャップ13が本体9から取り外されたとき、この手順が逆に行われ、第1のばね16がカバー12を閉位置CPに向かって動かし、第2のばね21が阻止構成要素19を外方位置に向かって動かし、したがって阻止構成要素19がカバー12上の阻止突起23に再び係合する。使用者は、キャップ13が嵌合されていない状態では、阻止構成要素19が摺動カバー12の動きを防止するため、摺動カバー12を開くことができない。
【0057】
図7に示す実施形態では、キャップ13が取り外されている間に、使用者が指または小さい器具を使用して、不注意で、または意図的に、カバー12を後方へ摺動させるのを防止する。
【0058】
やはりキャップ13が嵌合されていない限りカバー12の運動を制限するという効果のある代替実施形態を、
図8に示す。この実施形態は、第3のばね24として成形された阻止構成要素と、本体9内に回転可能に嵌合された略円筒形のカバー12とを含む。キャップ13が本体9に嵌合されていないとき、第3のばね24上の保持タング30がカバー12上の保持特徴26に係合し、カバー12が回転するのを防止する。
【0059】
図9〜12は、この実施形態の動作を示す。見やすいように、キャップ13の一部分は取り除かれている。
図9および
図10に示す初期状態で、カバー12上の保持特徴26は、第3のばね24にインターフェース接続し、使用者がカバー12を動作および回転させるのを防止する。キャップ13が本体9に嵌合されているとき、キャップ13上の梁27が本体9内の開口部28を通って進み、第3のばね24をカバー12から離れる方へ動かして保持特徴26から係合解除させる(
図11参照)。これにより、使用者は、カバー12を動作および回転させて、カバー12内の開口部29を通ってポート5へのアクセスを得ることが可能になる(
図12参照)。
【0060】
カバー12上のハンドル18が、キャップ13内の開口部25と相互作用することができ、それによりキャップ13は、カバー12が本体9に完全に組み立てられるまで、カバー12の回転を防止する。
【0061】
図13は、安全機構の代替実施形態の斜視図である。この実施形態では、キャップ13は、阻止構成要素19を作動させることと、摺動カバー12を開位置OPに向かって後退させることとの両方が可能である。
図13では、
図7の実施形態は、キャップ13上のタブ14が摺動カバー12に接触する前に作動させるのに十分なほど阻止構成要素19上の面取り部20を動かすことに加えて、キャップ13上のタブ14に摺動カバー12を作動させるように修正されている。これは、キャップ13が本体9に嵌合されているときに阻止凹部22に到達する前にキャップ13上のタブ14が面取り部20に係合するように、阻止構成要素19上の面取り部20および阻止凹部22を配置することによって実現される。これとは逆に、
図7では、タブ14は、キャップ13が本体9に嵌合されているとき、面取り部20の前に阻止凹部22に到達する。
【0062】
図14および
図15は、その特徴を本明細書に記載する実施形態のいずれかと組み合わせることができる一実施形態を示す。
【0063】
薬物送達デバイス1は、薬物カートリッジまたはシリンジ(図示せず)を受けるように適用された本体9を含む。カートリッジには、皮下注射針(図示せず)を取り付けることができる。薬物送達デバイス1は、使用者へ情報を通信して使用者が薬物送達デバイス1を動作させることを可能にする人間−機械インターフェース(図示せず)を含むことができる。さらに、薬物送達デバイスは、針を注射部位、たとえば患者の皮膚内へ挿入し、かつ/または針を通ってカートリッジからの薬物を投薬し、かつ/または注射後に針を後退させる電気機械的駆動装置(図示せず)を含むことができる。
【0064】
針は、使用者によって取り付けかつ取り外すことができ、したがって針は、薬物の単回の送達に使用することが可能となる。送達後、針は適宜取り外され、廃棄され、新しい針に交換される。
【0065】
薬物送達デバイス1は、データ転送または充電のために別のデバイスとの有線通信を行うことができるポート5を含む。ポート5は、薬物送達デバイス1の本体9内の凹部6内に配置される。摺動カバー12が、本体9に対して閉位置CPにあるとき凹部6を隠し、または開位置OPにあるとき凹部6を露出させるように配置される。
【0066】
キャップ13が、針および本体9の一部の上に組み立てられるように配置され、それにより針は、ポート5を有する凹部6が覆われていないままの状態でキャップ13が本体9に取り付けられているときアクセス不能になる。摺動カバー12は、キャップ13に係合するように配置され、したがって摺動カバー12は、キャップ13によって係合されていないとき閉位置CPにあり、キャップ13が薬物送達デバイス1の本体9に完全に取り付けられているとき開位置OPにある。
【0067】
摺動カバー12が本体9内に配置される前述の実施形態とは逆に、
図14および
図15の実施形態では、摺動カバー12は、部分的または全体的に本体9の外側に配置される。
【0068】
図14は、キャップ13を組み立てる前の、カバー12が閉位置CPにある薬物送達デバイス1の概略縦断面図である。第1のばね16は、摺動カバー12を閉位置CPに向かって付勢し、したがってカバー12は、キャップ13が本体9から取り外されているとき閉じられる。
図15は、キャップ13が組み立てられた、カバー12が開位置OPにある薬物送達デバイス1の概略縦断面図である。
【0069】
上記で概説した実施形態では、線形に動作するように作動される構成要素を使用する。代替実施形態は、線形運動ではなく回転運動に適合されたキャップ13に同じ原理を適用する。キャップ13が本体9に嵌合されると、カバー12は、本体9の中心軸の周りを回転してポート5を見せる。
【0070】
この機構は、以下の方法のいずれかで運動を実行するように適用することができる:
− キャップ13が本体9上へ回転し、カバー12を本体9内で回転させる。
− キャップ13が本体9上へ軸方向に取り付けられ、次いでその行程の終わりに回転し、カバー12を本体9内で回転させる。
− キャップ13が本体9上へ軸方向に取り付けられ、キャップ13の回転は生じないが、それでもなおカバー12を本体9内で回転させる。
【0071】
図16は、薬物送達デバイス1の別の例示的な実施形態の概略斜視図である。
【0072】
薬物送達デバイス1は、薬物カートリッジまたはシリンジ(図示せず)を受けるように適用された本体9を含む。カートリッジには、皮下注射針(図示せず)を取り付けることができる。薬物送達デバイス1は、使用者へ情報を通信して使用者が薬物送達デバイス1を動作させることを可能にする人間−機械インターフェース11を含むことができる。さらに、薬物送達デバイスは、針を注射部位、たとえば患者の皮膚内へ挿入し、かつ/または針を通ってカートリッジからの薬物を投薬し、かつ/または注射後に針を後退させる電気機械的駆動装置(図示せず)を含むことができる。
【0073】
薬物送達デバイス1は、データ転送または充電のために別のデバイスとの有線通信を行うことができるポート5を含む。ポート5は、薬物送達デバイス1の本体9内に配置される。ポート5は、本体9内に可動式に配置され、したがってポート5は本体9内の凹部6と位置合わせされ、または凹部6から位置ずれし、したがってポート5をアクセス可能またはアクセス不能にすることができる。
【0074】
キャップ13が、針および本体9の一部の上に組み立てられるように配置され、それにより針は、キャップ13が本体9に取り付けられているときアクセス不能になる。
【0075】
キャップ13が本体9に嵌合されたとき、キャップ13は、ポート5の運動を直接作動させ、したがって、キャップ13が取り外されると、ポート5は凹部6から位置ずれしてアクセス不能になり(
図16)、キャップ13が本体9に取り付けられると、ポート5は本体9内の凹部6と位置合わせされ、したがってアクセス可能になる(
図17)。第1のばね16を使用して、キャップ13が嵌合されていないシステムのデフォルト状態でポート5を動かし、したがってポート5が凹部6から位置ずれすることを確実にする。加えて、キャップ13が取り外されてポート5が凹部6から位置ずれしたときに凹部を覆うように、摺動カバー12をポート5に取り付けることができる。
【0076】
図18は、電気機械的安全機構を有する薬物送達デバイス1の例示的な実施形態の概略図である。
【0077】
薬物送達デバイス1は、薬物カートリッジまたはシリンジ(図示せず)を受けるように適用された本体9を含む。カートリッジには、皮下注射針(図示せず)を取り付けることができる。薬物送達デバイス1は、使用者へ情報を通信して使用者が薬物送達デバイス1を動作させることを可能にする人間−機械インターフェース11を含むことができる。さらに、薬物送達デバイス1は、針を注射部位、たとえば患者の皮膚内へ挿入し、かつ/または針を通ってカートリッジからの薬物を投薬し、かつ/または注射後に針を後退させる電気機械的駆動装置(図示せず)を含むことができる。
【0078】
薬物送達デバイス1は、データ転送または充電のために別のデバイスとの有線通信を行うことができるポート5を含む。ポート5は、薬物送達デバイス1の本体9内に配置される。摺動カバー(図示せず)が、本体9に対して閉位置にあるときポート5を隠し、または開位置にあるときポート5を露出させるように配置することができる。同様に、ポート5は、本体9内に可動式に配置することができ、したがってポート5は本体9内の凹部と位置合わせされ、または凹部から位置ずれし、したがってポート5をアクセス可能またはアクセス不能にすることができる。
【0079】
キャップ13が、針および本体9の一部の上に組み立てられるように配置され、それにより針は、キャップ13が本体9に取り付けられているときアクセス不能になる。
【0080】
キャップ13が本体9に取り付けられているか否かを検出するスイッチ31が、本体9内に配置される。キャップ13を本体9に嵌合させることでスイッチ31をトリガし、スイッチ31は、制御回路32を介して保持機構33を解放して、ポート5をアクセス可能にするようにカバー12および/またはポート5を動かす。キャップ13が取り付けられていない場合、スイッチ31は、制御回路32を介して保持機構33をトリガし、カバー12および/またはポート5をポート5がアクセス不能な位置に戻す。
【0081】
保持機構33は、通電されるとカバー12を閉位置CPで保持し、通電されていないときカバー12を解放して開位置OPへ動かすように配置されたソレノイドとして配置することができる。
【0082】
同様に、保持機構33は、カバー12の動きを直接駆動してポート5を開閉するモータまたは他の線形アクチュエータとして配置することができる。
【0083】
別法として、保持機構33は、ポート5の動きを駆動することができる。
【0084】
前述の実施形態は、コネクタがポート5に接続されている間はキャップ13の取り外しを防止し、したがって使用者がキャップ13を取り外す前にコネクタを取り外すことを促進するように修正することができる。これにより、ポート5にアクセスしている間に使用者が針を露出させるのを防止する。
【0085】
図19は、安全機構を有する薬物送達デバイス1の例示的な実施形態の概略図である。
【0086】
薬物送達デバイス1は、薬物カートリッジまたはシリンジ(図示せず)を受けるように適用された本体9を含む。カートリッジには、皮下注射針(図示せず)を取り付けることができる。薬物送達デバイス1は、使用者へ情報を通信して使用者が薬物送達デバイス1を動作させることを可能にする人間−機械インターフェース(図示せず)を含むことができる。さらに、薬物送達デバイス1は、針を注射部位、たとえば患者の皮膚内へ挿入し、かつ/または針を通ってカートリッジからの薬物を投薬し、かつ/または注射後に針を後退させる電気機械的駆動装置(図示せず)を含むことができる。
【0087】
薬物送達デバイス1は、データ転送または充電のために別のデバイスとの有線通信を行うことができるポート5を含む。ポート5は、薬物送達デバイス1の本体9内の凹部6内に配置される。第1のばね16によって付勢される阻止構成要素19が、凹部6内へ突出してコネクタがポート5に接続するのを防止するように配置される。
【0088】
キャップ13が、針および本体9の一部の上に組み立てられるように配置され、それにより針は、キャップ13が本体9に取り付けられているときアクセス不能になる。
【0089】
キャップ13が本体9から取り外されたとき、第1のばね16が阻止構成要素19を動かし、したがって
図19および
図20に示すように、阻止構成要素19は凹部6内へ延び、コネクタがポート5内へ挿入されるのを防止する。
【0090】
キャップ13が取り付けられたとき、タブ14は旋回アーム34の表面に作用し、阻止構成要素19を内方へ押して凹部6をあけ、コネクタがポート5に嵌合されることを可能にする(
図21参照)。
【0091】
図22は、安全機構を有する薬物送達デバイス1の例示的な実施形態の概略図である。
【0092】
薬物送達デバイス1は、薬物カートリッジまたはシリンジ(図示せず)を受けるように適用された本体9を含む。カートリッジには、皮下注射針(図示せず)を取り付けることができる。薬物送達デバイス1は、使用者へ情報を通信して使用者が薬物送達デバイス1を動作させることを可能にする人間−機械インターフェース11を含むことができる。さらに、薬物送達デバイス1は、針を注射部位、たとえば患者の皮膚内へ挿入し、かつ/または針を通ってカートリッジからの薬物を投薬し、かつ/または注射後に針を後退させる電気機械的駆動装置(図示せず)を含むことができる。
【0093】
キャップ13が、針および本体9の一部の上に組み立てられるように配置され、それにより針は、キャップ13が本体9に取り付けられているときアクセス不能になる。薬物送達デバイス1は、データ転送または充電のために別のデバイスとの有線通信を行うことができるポート5を含む。ポート5は、キャップ13内に配置される。特注コネクタ35および特注の第2のポート36を含む本体9とキャップ13との間の特注インターフェースが、キャップ13が本体9に取り付けられているときポート5を本体9内の回路に接続するように配置される。
【0094】
したがってポート5は、キャップ13が本体9に嵌合されているときのみ使用することができる。キャップ13が嵌合されていないとき、ポート5はアクセス可能なままである。しかし、ポート5は、薬物送達デバイス1上の電子機器のいずれにも接続されないで、リスクを軽減する。
【0095】
図23は、この実施形態のキャップ13の斜視概略図である。
【0096】
キャップ13が本体9に嵌合されたとき、特注コネクタ35は、特注の第2のポート36またはコネクタスロット内に挿入され、特注の第2のポート36の開口部は、使用者が偶発的に特注の第2のポート36に接触するリスクをもたらすのを防止するのに十分なほど小さい。
【0097】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0098】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0099】
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0100】
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0101】
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0102】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0103】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0104】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0105】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり;分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0106】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖;システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり;それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0107】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され;これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0108】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり;αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し;重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0109】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン:1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し;哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0110】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0111】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0112】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0113】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
【0114】
本発明の完全な範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載する装置、方法、および/またはシステムの様々な構成要素、ならびに実施形態の修正(追加および/または削除)を加えることができ、本発明は、そのような修正およびそのあらゆる均等物を包含することが、当業者には理解されよう。