特許第6404244号(P6404244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6404244カルシウムで骨空洞形成を充填するための組成物、その組成物の使用、および組み合わせ
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  • 特許6404244-カルシウムで骨空洞形成を充填するための組成物、その組成物の使用、および組み合わせ 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404244
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】カルシウムで骨空洞形成を充填するための組成物、その組成物の使用、および組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61K 33/06 20060101AFI20181001BHJP
   A61K 33/10 20060101ALI20181001BHJP
   A61K 35/64 20150101ALI20181001BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20181001BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20181001BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20181001BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20181001BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   A61K33/06
   A61K33/10
   A61K35/64
   A61P43/00 121
   A61P43/00 105
   A61P19/08
   A61K9/14
   A61K9/20
   A61K9/48
【請求項の数】7
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-336(P2016-336)
(22)【出願日】2016年1月5日
(62)【分割の表示】特願2014-513475(P2014-513475)の分割
【原出願日】2012年1月31日
(65)【公開番号】特開2016-47856(P2016-47856A)
(43)【公開日】2016年4月7日
【審査請求日】2016年1月5日
(31)【優先権主張番号】2011121932
(32)【優先日】2011年5月31日
(33)【優先権主張国】RU
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513301931
【氏名又は名称】オブシェストボ エス オグラノチェノイ オトヴェツトヴェノスチウ “パラファーム”
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(72)【発明者】
【氏名】ストルコフ ヴィロリイ イヴァノヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】トリフォノフ ビャチェスラフ ニコラエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】エリストラトヴァ ユリア アナトレヴナ
(72)【発明者】
【氏名】エリストラトフ コンスタンチン ゲンナデヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】クルス ナターリャ ビャチェスラヴォヴナ
【審査官】 磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】 ロシア国特許出願公開第02412616(RU,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルシウムによって骨粗しょう症と診断されていない患者における骨幹端(小柱網)骨切片における空洞を充填するための組成物であって、カルシウム含有製剤と雄蜂児とを含む、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、前記カルシウム含有製剤が、炭酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、アスパラギン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、アミノキレートカルシウム、フマル酸カルシウム、コハク酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびクエン酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1つである、組成物。
【請求項3】
カルシウムによって骨粗しょう症と診断されていない患者における骨幹端(小柱網)骨切片における空洞を充填するための製剤の製造における、請求項1に記載の組成物の使用。
【請求項4】
請求項3に記載の使用であって、前記カルシウム含有製剤が、炭酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、アスパラギン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、アミノキレートカルシウム、フマル酸カルシウム、コハク酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびクエン酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1つである、使用。
【請求項5】
カルシウムによって骨粗しょう症と診断されていない患者における骨幹端(小柱網)骨切片における空洞を充填するための、カルシウム含有製剤と雄蜂児とを含む、組み合わせ
【請求項6】
請求項5に記載の組み合わせであって、前記雄蜂児が、粉末、錠剤、またはカプセル中に存在する型である、組み合わせ
【請求項7】
請求項5または6に記載の組み合わせであって、前記カルシウム含有製剤が、炭酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、アスパラギン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、アミノキレートカルシウム、フマル酸カルシウム、コハク酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびクエン酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1つである、組み合わせ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬に関し、具体的には、骨幹端(小柱網)骨切片(metaphyseal (trabecular) bone section)における空洞(cavity)の量の増大および大きさの増大として顕在化する、身体の骨格系におけるカルシウム欠乏の影響に対抗するため、ならびにカルシウム欠乏のこのような顕在化を予防するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
身体において、カルシウム欠乏を予防および処置するための既存の方法は、カルシウムによって骨組織を飽和させることを目的とする。そのためには、種々のカルシウム含有製剤、ならびにビタミンDおよびホルモン製剤(テストステロンなど)を用いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの方法は、いくつかの重大な欠点を有する。カルシウムは毒性物質ではなく、その投与の最大許容用量は確立されていないが、相当な量のカルシウムの長期使用は、脳卒中のリスクを増大し得る。カルシウム製剤を用いる場合、カルシウムは骨に加えて他の臓器および系に供給され得る。特に腎臓で結石を石灰化し得、これが次に腎機能の問題をもたらす。
【0004】
同様に、身体内のビタミンDが安全量を超過することのリスクがある。いくつかの場合には、ホルモン製剤の使用は、医学的理由によって、望ましくないかまたは完全に除外される。女性(外見上健康な女性についてさえ)において人工的にテストステロンを増大することは一般には望ましくない。カルシウム含有製剤を、単独か、あるいはビタミン類および/またはホルモン類と組み合わせるかのいずれかで用いることで、上述の全ての副作用および禁忌に加えて、骨組織の石灰化を増大することだけが可能になるという事実を考慮することも重要である。骨幹端(小柱網)骨切片における既存の空洞および新規に形成された空洞は、未変化のまま残るか、またはその量および大きさが増大し続ける場合もある。これらの空洞は、骨強度を低下させ、種々の負荷による傷害のリスクを増大する。
【0005】
出願人は、この分野での研究に日頃から関与しているが、所望の結果をもたらす方法は知らない。
【0006】
身体の骨組織におけるカルシウム含量の増大のための現行の方法は、骨石灰化を増大することは可能にするが、その中の空洞を充填することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明で提唱する解決法は、既存の空洞を低減して、可能なら排除し、新しい空洞が形成されないようにすることを目的とする。身体に対してカルシウムと組み合わせた雄蜂児(drone brood)の供給を提供することによって、所望の結果が、達成される。
【0008】
実験で示したとおり、身体にカルシウムを供給することと組み合わせた定期的な雄蜂児処置によって所望の結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】処置の開始の前のX線検査の結果を示す画像診断の画面である。2つの黒い空洞を骨の頂部および底部に見ることができる。
図2】処置の経過後のX線検査の結果を示す画像診断の画面である。その空洞は充填されており、青色になった。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この研究は、10,000例の患者群について、ノーランド社、骨密度測定装置DTX−100および200でX線吸収法を用いて行った。
【0011】
空洞のカルシウムは、主にカルシウムヒドロキシアパタイトの形態である。
【0012】
一般的な食品によって身体にカルシウムを供給することに加えて、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、アスパラギン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、アミノキレートカルシウム、フマル酸カルシウム、コハク酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびクエン酸カルシウム、これらのいずれか1つまたはそれらの任意の組み合わせを含んでいる、種々のカルシウム含有製剤を用いてもよい。
【0013】
この結果の実験的な確認の間、雄蜂児を患者に対して、粉末型、錠剤型またはカプセル型で、単独の活性剤として、またはカルシウム含有化合物と組み合わせて経口的に与えた。
【0014】
所望の結果が、特定の身体の個々の特性、食物中に必要なカルシウムの量、ならびに空洞の量および大きさ次第で、より急速にまたはより緩徐に達成され得るが、その結果はいずれの場合にも達成される。患者の100%が処置の長期コース(9カ月)によって実際上、有意な結果を達成したことが示された。
図1
図2