(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
中心から順に、少なくとも内部導体、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体、及びケーブル遮へい層が同心状に形成されてなる電力用同軸ケーブルの先端部を段剥ぎして、少なくとも前記内部導体、前記内部絶縁体、及び前記外部導体を露出させ、前記外部導体に電気的に接続される外部導体接続部品、前記内部導体と前記外部導体間の電界を制御するための第1の電界緩和部品、および、前記外部導体と前記ケーブル遮へい層間の電界を制御するための第2の電界緩和部品を取り付けてケーブル端末部を形成し、
前記ケーブル端末部を、前記内部導体に電気的に接続される内部導体接続部及び前記外部導体接続部品に電気的に接続される埋込電極の外周面を包囲するように形成され、且つ、硬質の絶縁材料からなる絶縁部の同軸ケーブル端末受容部に装着して組み立てる電力用同軸ケーブルの端末接続部の組立方法において、
前記外部導体接続部品は、固定ボルトを介して前記外部導体を規定トルクで押圧した状態で挟持して固定する第1の固定部材と第2の固定部材とを有し、
前記外部導体の内側の根元に曲げ癖治具を挿入し、前記外部導体が前記根元部分で放射方向に拡がる曲げ癖を付け、前記曲げ癖治具を前記電力用同軸ケーブルから外す工程と、
締め付け治具により、前記締め付け治具の締め付けボルトを介して前記外部導体を挟むように配置した前記第1の固定部材と前記第2の固定部材に、前記規定トルクと同等のトルクを掛けて、前記外部導体を前記第1の固定部材と前記第2の固定部材で固定される固定形状にする工程と、
前記締め付け治具を前記電力用同軸ケーブルから取り外し、前記固定ボルトにより、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材の間に前記外部導体を挟持して固定する工程とを有する、
電力用同軸ケーブルの端末接続部の組立方法。
【背景技術】
【0002】
従来、電力用同軸ケーブルの端末接続部としては、例えば、特許文献1に示す接続構造が知られている。
【0003】
電力用同軸ケーブルは、中心から順に、少なくとも内部導体、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体、ケーブル遮へい層、及びケーブルシースが同心状に形成された構成を有する。
【0004】
この電力用同軸ケーブルの端末に、内部導体、外部導体のそれぞれに電力を送るように端末接続部(終端接続部、中間接続部等)が設けられる。
【0005】
特許文献1の端末接続部は、電力用同軸ケーブルの先端部を所定長で段剥ぎして各層を露出させ、ストレスコーンや圧縮装置等の接続部品を取り付けて製作したケーブルの端末部を、絶縁ユニットの同軸ケーブル端末受容部に装着することで構成される。なお、段剥ぎの際の所定長は、段剥ぎ部分に取り付けられる接続部品等に対応して設定される。
【0006】
絶縁ユニットは、導体引出棒、埋込電極、絶縁部、及び遮へい層等を備える。絶縁部は、中空状の成形体であり、同軸ケーブル端末受容部を有する。導体引出棒は、一端部(後端部)で同軸ケーブル端末受容部に連設され、他端部(先端部)が絶縁部を貫通して外部に露出するように絶縁部に設けられている。導体引出棒は、装着される電力用同軸ケーブルの内部導体に接続される。埋設電極は、絶縁部に埋設されており、接続部品として電力用同軸ケーブルの外部導体の外周面に取り付けられる外部導体接続部品を介して、電力用同軸ケーブルの外部導体に接続される。また、段剥ぎされて露出する内部絶縁体の外周面には、内部導体と外部導体間の電界を制御するためのストレスコーンを含む電界緩和部品が装着されている。ストレスコーンの後端側には、ストレスコーンを後端側から押圧する圧縮装置の押し金具が配置されている。
【0007】
外部導体接続部品は、外面が後端側に向かって縮径する中空円錐台状であり、且つ、導電性の外部導体固定金具と、外部導体固定金具における中空円錐台状の外周面に沿った内周面を有する外部導体固定リングで構成される。
【0008】
端末接続部を組み立てる際に、外部導体は、外部導体固定金具の後端側の中空円錐台状部分におけるテーパ状の外面上に配置され、外部導体固定金具と、外部導体の外周側に配置した外部導体固定リングとで挟まれる。外部導体は、外部導体固定リングと外部導体固定金具とを、外部導体を囲むように配置される複数個のボルトで締め付けることにより外部導体固定リングと外部導体固定金具に固定されている。
外部導体は、このように装着された外部導体接続部品(外部導体固定リング及び外部導体固定金具)を介して埋込電極に電気的に接続される。
【0009】
この端末接続部において外部導体を外部導体接続部品に固定する際には、電力用同軸ケーブルの先端部を所定長で段剥ぎして各層を露出させた後、露出する外部導体を、外部導体接続部品に固定する前に、中空円錐台状の外部導体固定金具の外面に対応する形状(固定形状ともいう)となるように加工している。固定形状は、外部導体を、外部導体固定リングと外部導体固定金具とで挟持して固定される際の形状であり、外部導体固定リングと外部導体固定金具で外部導体を固定する際に固定作業を行いやすい形状である。
【0010】
従来の外部導体に対する固定形状への加工を
図1及び
図2を参照して説明する。
図1に示す電力用同軸ケーブル2では、まず、先端側から順に、内部導体21a、内部絶縁体21c、内部絶縁用外部半導電層21d、外部導体22a、外部絶縁体22c、外部絶縁用外部半導電層22d、ケーブル遮へい層23が露出するように段剥ぎされる。なお、電力用同軸ケーブル2の最外層はケーブルシース25を有するため、段剥ぎにより露出したケーブル遮へい層23の後端側は、ケーブルシース25により被覆されている。
次いで、この電力用同軸ケーブル2の先端部2aにおいて、外部導体22aを放射状に開く。
【0011】
次いで、
図2に示すように、電力用同軸ケーブル2の先端部2a上に配置した外部導体固定金具331Aを、電力用同軸ケーブル2の先端側から後端側に移動させて、外部導体固定金具331Aの後端側の中空円錐台状部を、開いた外部導体22aの根元近傍に至るように、挿入する。次いで、外部導体固定金具331Aの形状に沿うように、外部導体固定金具331A上で外部導体22aをハンマー等の打撃具Hで強く叩いて、外部導体22aの形状を変化させる。これにより、外部導体22aは、外部導体固定金具331Aの中空円錐台状部の傾斜する外面に沿うように変形され、固定形状に整形される。次いで、電力用同軸ケーブル2の後端側に予め配置した外部導体固定リング(図示略)を先端側に移動させて外部導体22a上に配置し、外部導体固定リングと、外部導体固定金具331Aとを複数個のボルトで締結して、外部導体22aを外部導体接続部品、すなわち、外部導体固定リングと、外部導体固定金具331Aとで挟み込むように固定する。これにより外部導体22aは外部導体接続部品に接続される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本実施の形態に係る電力用同軸ケーブルの端末接続部の組立方法により組み立てられる電力用同軸ケーブルの端末接続部について説明する。
【0019】
<電力用同軸ケーブルの端末接続部の全体構成>
図3は、実施の形態に係る電力用同軸ケーブルの端末接続部の組立方法を適用して組み立てられる電力用同軸ケーブルの端末接続部を示す断面図である。以下の説明において、
図3中、上方を先端側、下方を後端側と称する。
【0020】
図3に示す電力用同軸ケーブルの端末接続部1は、例えば電力用同軸ケーブル20をガス絶縁開閉装置や変圧器等の電力用機器に接続するためのガス中終端接続部である。
【0021】
図3に示すように、電力用同軸ケーブルの端末接続部1は、絶縁ユニット10に、電力用同軸ケーブル20及び電力用単心ケーブル40が装着されて構成される。
【0022】
ここで、本願における電力用単心ケーブルとは、電力用同軸ケーブルと区別するためのものであって、いわゆるトリプレックスケーブル(例えばCVTケーブル)も含まれる。
【0023】
電力用同軸ケーブル20は、中心から順に、内部導体21a、内部絶縁用内部半導電層(図示略)、内部絶縁体21c、内部絶縁用外部半導電層21d、外部導体22a、外部絶縁用内部半導電層(図示略)、外部絶縁体22c、外部絶縁用外部半導電層22d、ケーブル遮へい層23、押さえテープ(図示略)、及びケーブルシース25(ここではビニルシース)が同心状に形成された構成を有する。
【0024】
電力用同軸ケーブル20は、内部絶縁体21c及び外部絶縁体22cが架橋ポリエチレンで構成された、いわゆる高圧同軸ケーブルである。
【0025】
内部導体21aには第1の電圧(例えば66kV)による電流が流れ、外部導体22aには第2の電圧(例えば11kV)による電流が流れて、電力が送電される。内部導体21aに印加される第1の電圧は、外部導体22aに印加される第2の電圧よりも高い電圧である。また、ケーブル遮へい層23は接地電位とされる。
【0026】
電力用単心ケーブル40は、中心から順に、ケーブル導体41、内部半導電層(図示略)、絶縁層42、外部半導電層43、ケーブル遮へい層44、押さえテープ(図示略)、ケーブルシース45(ここではビニルシース)等を含んで構成される。電力用単心ケーブル40は、絶縁層42が架橋ポリエチレンで構成された、例えば11kV用のCVケーブルである。電力用単心ケーブル40の一端は絶縁ユニット10に接続され、他端は、例えばガス絶縁開閉装置や変圧器等の電力用機器又は気中終端接続部(11kV側)に接続される。
【0027】
電力用同軸ケーブル20及び電力用単心ケーブル40の先端部を所定長で段剥ぎして各層を露出させ、ストレスコーンや圧縮装置等の接続部品を取り付けることにより、ケーブルの端末部が作製される。
【0028】
絶縁ユニット10は、導体引出棒(内部導体接続部)11、埋込電極12、絶縁部13、及び遮へい層14等を備える。
【0029】
また、絶縁ユニット10は、後述するブッシング頭部13cの下端部に取付フランジ15を有し、この取付フランジ15を電力用機器の設置板70にOリング等のシール材(図示略)を介してボルト締めすることにより、電力用機器の内部にブッシング頭部13cが配置された状態で気密に固定される。
【0030】
絶縁部13は、エポキシ樹脂等の硬質の絶縁材料で構成された中空状の成形体である。絶縁部13は、電力用同軸ケーブル20の端末部を装着するための同軸ケーブル端末受容部13a、電力用単心ケーブル40の端末を装着するための単心ケーブル端末受容部13b、及び電力用機器内に配置されることとなるブッシング頭部13cを有する。
【0031】
図3では、単心ケーブル端末受容部13bは同軸ケーブル端末受容部13aが形成されている部分から分岐した部分に形成される。また、ブッシング頭部13cは、同軸ケーブル端末受容部13aが形成されている部分の先端側に形成され、円筒部と円錐台部が連設された形状を有する。
【0032】
導体引出棒11は、銅合金等の通電に適した金属材料で構成される。導体引出棒11の後端部には、電力用同軸ケーブル20の内部導体21aを電気的に接続するための導体挿入部11aが形成される。
【0033】
導体挿入部11aと絶縁部13の同軸ケーブル端末受容部13aが連設されるとともに、先端部11bが絶縁部13を貫通して外部に露出するように、導体引出棒11は絶縁部13に埋設される。導体引出棒11の先端部11bは、電力用機器内の導体部(図示略)に接続される。
【0034】
埋込電極12は、銅合金等の通電に適した金属材料で構成される。同軸ケーブル端末受容部13aと単心ケーブル端末受容部13bを連結するように、埋込電極12は絶縁部13に埋設される。
【0035】
導体引出棒11、埋込電極12、及び絶縁部13は、エポキシ樹脂のモールド成形により一体的に形成される。
【0036】
絶縁ユニット10の遮へい層14は、絶縁部13の外表面に形成された導電層である。遮へい層14が接地されることにより、絶縁ユニット10の外表面は接地電位に保持される。これにより、絶縁部13内の電界ストレスが緩和されるとともに、電界の外部漏洩が防止される。
【0037】
遮へい層14は、例えば絶縁部13の外表面に導電塗料を塗布することにより形成される。導電塗料を塗布して遮へい層14を形成する場合、簡単に遮へい層14を形成できるので、絶縁部13の形状の設計自由度が増す。
【0038】
絶縁ユニット10の遮へい層14と、電力用同軸ケーブル20のケーブル遮へい層23又は電力用単心ケーブル40のケーブル遮へい層44は、縁切り部を設けることにより縁切りされる。この縁切り部を設けることにより、電力用機器の開閉サージや雷サージからケーブル遮へい層23、44を保護することができる。
【0039】
縁切り部はエポキシ樹脂製の絶縁筒によって形成してもよいが、
図3に示すように、絶縁部13の端部13d、13eに遮へい層14を形成しない(ここでは導電塗料を塗布しない)ことにより、絶縁部13の一方の端部13dが電力用同軸ケーブル20のケーブル遮へい層23(ここでは押し金具フランジ342)と遮へい層14を縁切りする縁切り部となる。また、絶縁部13の他方の端部13eが、電力用単心ケーブル40のケーブル遮へい層44(ここでは圧縮装置52と接触しているケーブル保護金具53)と遮へい層14を縁切りする縁切り部となる。
【0040】
これにより、縁切りのための絶縁筒が不要となるため部品点数が低減され、組立て時の作業性が向上し、絶縁筒が不要な分、端末接続部として長手方向にコンパクトに形成でき、ケーブル処理長も短くて済むので、より好ましい。
【0041】
段剥ぎ処理が施され、所定の接続部品が取り付けられた電力用同軸ケーブル20の端末部は、同軸ケーブル端末受容部13aにスリップオン式で装着される。これにより、絶縁ユニット10に電力用同軸ケーブル20を容易に接続することができ、施工時間を短縮することができる。
【0042】
具体的には、電力用同軸ケーブル20の段剥ぎされた先端部において、内部導体21aには、例えば銅、アルミニウム、銅合金又はアルミニウム合金等からなる通電に適した導電性の導体接続スリーブ31が圧縮により取り付けられる。この導体接続スリーブ31の外周には、電力用同軸ケーブル20の端末部を絶縁ユニット10に対して挿抜可能とするための導体接触子(例えばマルチラムバンド)が配置され、導体引出棒11の導体挿入部11aに対して、挿抜可能に装着される(スリップオン方式)。
【0043】
このように、絶縁ユニット10に対して電力用同軸ケーブル20をスリップオン方式で装着する場合、ケーブル処理長が短くてすみ、ケーブルの着脱も容易となるので、施工時間を大幅に短縮できる。
【0044】
電力用同軸ケーブル20の内部絶縁体21cの外周面には、内部導体21aと外部導体22a間の電界を制御するための第1の電界緩和部品32が取り付けられる。ここでは、第1の電界緩和部品32は、第1のストレスコーン321、及び第1の圧縮装置CU1で構成される。第1の圧縮装置CU1は、第1のストレスコーン321を後端側から押圧し、ここでは、押し金具322、スプリング323、及び押し金具パイプ324で構成される。
【0045】
内部絶縁体21cから内部絶縁用外部半導電層21dにわたる部位の外周面には、第1のストレスコーン321が装着される。第1のストレスコーン321は、絶縁性ゴム材料(例えばエチレンプロピレンゴム(EPゴム)又はシリコーンゴム等)で構成される先端側の絶縁体部と、半導電性ゴム材料(例えば半導電性のエチレンプロピレンゴム(EPゴム)又はシリコーンゴム等)で構成される後端側の半導電体部を有する。絶縁体部と半導電体部は、モールド成形により一体的に形成される。第1のストレスコーン321の先端部(絶縁体部)は、絶縁部13の同軸ケーブル端末受容部13aに対応する形状(ここではテーパ形状)を有する。半導電体部の先端は、電界を緩和するために先端が断面円弧状のベルマウス形状を有する。
【0046】
第1のストレスコーン321の後端側には、押し金具322が配置される。押し金具322の先端部は、第1のストレスコーン321の後端側の外周面(半導電体部の外周面)に対応して、先端側に向けて内径が拡径するラッパ状に形成される。
【0047】
押し金具322の後端部にはコイル状のスプリング323を収容する凹部が円周上に複数設けられ、当該凹部にそれぞれスプリング323が配置され、スプリング323の後端側には押し金具パイプ324が配置される。押し金具パイプ324の先端部近傍には、径方向内側に突出する仕切片324aが形成され、この仕切片324aによりスプリング323の後端部が支持される。
【0048】
押し金具パイプ324の後端部は、埋込電極12の後端部まで延出される。押し金具パイプ324の後端部のフランジ面を、埋込電極12の後端面(段部)に当接させ、複数個のボルトV1で固定することにより、第1のストレスコーン321が絶縁部13(同軸ケーブル端末受容部13a)の内周面に押圧された状態で固定される。押し金具パイプ324は埋込電極12と電気的に接続されることになる。また、第1のストレスコーン321の内径は、ケーブル外径(内部絶縁体21cの外径)よりも小さく形成される。
【0049】
電力用同軸ケーブル20の外部導体22aの外周面には、外部導体接続部品33が取り付けられる。外部導体接続部品33は、例えば銅、アルミニウム、銅合金又はアルミニウム合金等からなる通電に適した導電性の外部導体固定金具331と外部導体固定リング332で構成される。
【0050】
図4は、
図3においてXで示す部分の拡大図である。
図3及び
図4に示す外部導体固定金具331は、後端側に向かって縮径する中空円錐台状に形成される。外部導体固定金具331は、押し金具パイプ324の仕切片324aより後端側の内周に配置され、外部導体固定金具331の外周面に配置された多面接触方式の導体接触子37(ここではマルチラムバンド、
図4参照、
図3では図示略)を介して押し金具パイプ324に電気的に接続される。本実施の形態では、外部導体固定金具331は、後端側に向かって縮径する中空円錐台部3311と、中空円錐台部3311の先端側に、中空円錐台部3311の外周から突出する円環状のフランジ部3313とを有する。フランジ部3313には、複数個のボルト(固定ボルト)V2が螺合するボルト孔が、周方向でそれぞれ軸方向と平行に形成されている。導体接触子37は、多数のリボン状の板ばね集合体であり、フランジ部3313の外周面に形成された円環溝に嵌め込まれて、円周上に配置される。導体接触子37は、フランジ部3313の外周面から径方向に突出し、弾性変形により径方向に出没可能な接点を周方向に複数備える。また、フランジ部3313は、先端側の外周縁に、面取部3315を有する。外部導体固定金具331は、面取部3315により、先端側の角部、つまり、フランジ部3313の外周面とフランジ部3313の先端側の面(外部導体固定金具331の先端面)とが交わる角が無い。面取部3315は、
図3及び
図4の実施の形態のようにR面取りでもよいし、C面取りでもよい。
【0051】
外部導体22aが外部導体固定金具331の後端側のテーパ状の外面(具体的には、中空円錐台部3311の外面)に沿って配置され、その外側から外部導体固定リング332を嵌め合わせて外部導体固定金具331に複数個のボルトV2で固定することにより、外部導体固定リング332が外部導体固定金具331に固定される。外部導体22aは、外部導体固定金具331(第1の固定部材)と外部導体固定リング332(第2の固定部材)により押圧された状態で狭持され、固定される。外部導体22aは、外部導体固定金具331、押し金具パイプ324を介して埋込電極12と電気的に接続されることになる。
【0052】
外部導体22aと埋込電極12を電気的に接続するに際し、半田付けや溶接を行わないので、解体時に外部導体22aと外部導体接続部品33とを容易に分離することができる。また、外部導体接続部品33を再利用することもできる。
【0053】
電力用同軸ケーブル20の外部絶縁体22cの外周面には、外部導体22aとケーブル遮へい層23間の電界を制御するための第2の電界緩和部品34が取り付けられる。ここでは、第2の電界緩和部品34は、第2のストレスコーン341、及び第2の圧縮装置CU2で構成される。第2の圧縮装置CU2は、第2のストレスコーン341を後端側から押圧し、ここでは、押し金具フランジ342で構成される。
【0054】
外部絶縁体22cから外部絶縁用外部半導電層22dにわたる部位の外周面には、第2のストレスコーン341が装着される。第2のストレスコーン341と第1の圧縮装置CU1(ここでは押し金具パイプ324)の後端部との間にはストッパー35が介装される。第2のストレスコーン341は、形状が異なるが、第1のストレスコーン321とほぼ同様の構成を有する。すなわち、第2のストレスコーン341は、先端側の絶縁体部と後端側の半導電体部を有し、第2のストレスコーン341の先端部(絶縁体部)外周は、絶縁部13の後端部に対応する形状(ここではテーパ形状)を有する。第2のストレスコーン341の半導電体部の先端は、電界を緩和するために先端が断面円弧状のベルマウス形状を有する。
【0055】
第2のストレスコーン341の後端側には、押し金具フランジ342が配置される。押し金具フランジ342の先端面を絶縁部13の後端面に当接させてボルトV3で固定することにより、第2のストレスコーン341が絶縁部13の内周面に押圧された状態で固定される。また、第2のストレスコーン341の内径は、ケーブル外径(外部絶縁体22cの外径)よりも小さく、第2のストレスコーン341と電力用同軸ケーブル20は径差により確実に密着する。
【0056】
押し金具フランジ342には、電力用同軸ケーブル20のケーブル遮へい層23が接続される。ケーブル遮へい層23は、押し金具フランジ342を介して接地電位に接続される。
【0057】
押し金具フランジ342の後端側には保護金具61が装着され、保護金具61の後端部から電力用同軸ケーブル20のケーブルシース25にかけて防食層62が形成される。
【0058】
また、段剥ぎ処理が施された電力用単心ケーブル40の端末部は、単心ケーブル端末受容部13bに装着される。具体的には、電力用単心ケーブル40の先端部には、ストレスコーン51、圧縮装置52(ここではシャフトを有するタイプ)等を含む接続部品50が取り付けられる。接続部品50が取り付けられた電力用単心ケーブル40の端末部を単心ケーブル端末受容部13bに接続する(
図3では挿入する)ことにより、ケーブル導体41と埋込電極12が電気的に接続される。また、電力用単心ケーブル40のケーブル遮へい層44は、例えば圧縮装置52とケーブル保護金具53を介して接地電位に接続される。
【0059】
なお、電力用単心ケーブル40の端末部の構成は既知の接続方式を用いればよく、本実施の形態で説明したものに限定されない。
【0060】
このように、実施の形態に係る電力用同軸ケーブルの端末接続部1は、電力用同軸ケーブル20の内部導体21aに電気的に接続される導体引出棒11と、電力用同軸ケーブル20の外部導体22aに電気的に接続される埋込電極12と、導体引出棒11及び埋込電極12の外周面を包囲するように導体引出棒11及び埋込電極12と一体的に形成され、電力用同軸ケーブル20のケーブル端末部を装着するための同軸ケーブル端末受容部13aを有する硬質の絶縁材料からなる絶縁部13と、絶縁部13の外表面に形成される遮へい層14と、を備える。導体引出棒11と、埋込電極12と、同軸ケーブル端末受容部13aを有する絶縁部13と、遮へい層14とにより絶縁ユニット10は構成される。そして、外部導体接続部品33と、外部導体接続部品33の先端側に装着され、内部導体21aと外部導体22a間の電界を制御するための第1の電界緩和部品32と、外導導体接続部品33の後端側に装着され、外部導体22aとケーブル遮へい層23間の電界を制御するための第2の電界緩和部品34が取り付けられてなるケーブル端末部が、同軸ケーブル端末受容部13aに装着されている(いわゆるインナーコーンタイプ)。
【0061】
また、電力用同軸ケーブルの端末接続部1においては、絶縁ユニット10内の密閉空間において、電力用同軸ケーブル20の内部導体21aと導体引出棒11(内部導体接続部)が電気的に接続され、また、電力用同軸ケーブル20の外部導体22aと電力用単心ケーブル40のケーブル導体41とが埋込電極12を介して電気的に接続される。電力用同軸ケーブル20の内部導体21aと導体引出棒11とが接続される部分は第1の高圧部となり、電力用同軸ケーブル20の外部導体22aと電力用単心ケーブル40のケーブル導体41とが接続される部分は第2の高圧部となる。これらの第1の高圧部及び第2の高圧部はすべて絶縁ユニット10の絶縁部13で覆われ、外部と絶縁された状態となる。第1の高圧部には第1の電圧が印加され、第2の高圧部には第2の電圧が印加される。実施の形態では、第1の高圧部には66kV、第2の高圧部には11kVの電圧が印加される。電力用同軸ケーブルの端末接続部1は、高圧部・充電部が遮へい層14で覆われて、露出しない完全密閉構造となっているため、接触による人災(感電)や火災を効果的に防止でき、安全性に優れる。
【0062】
また、電力用同軸ケーブルの端末接続部1においては、インナーコーンタイプの中でもスリップオン方式とすることで、電力用同軸ケーブルの端末を抜き差し可能となるため、容易に抜き差しが可能となる。
【0063】
<電力用同軸ケーブルの端末接続部1の組立方法>
図5、
図6および
図7は、本発明に係る電力用同軸ケーブルの端末接続部の組立方法において、電力用同軸ケーブルの外部導体と外部導体固定金具との接続工程を説明する図であり、
図8は、
図7に示す締めつけ治具の分解図である。
【0064】
まず、中心から順に内部導体21a、内部絶縁用内部半導電層(図示略)、内部絶縁体21c、内部絶縁用外部半導電層21d、外部導体22a、外部絶縁用内部半導電層(図示略)、外部絶縁体22c、外部絶縁用外部半導電層22d、ケーブル遮へい層23、押さえテープ(図示略)、およびケーブルシース25が同心状に形成された構成を備える電力用同軸ケーブル20の先端部20aを先端側から所定長で段剥ぎする。これにより、電力用同軸ケーブル20の先端部20aでは、先端側から内部導体21a、内部絶縁体21c、内部絶縁用外部半導電層21d、外部導体22a、外部絶縁体22c、外部絶縁用外部半導電層22d、ケーブル遮へい層23が外部に露出する。外部導体22aを露出(口出し)する際は、所定の長さ露出するように切断する。次いで、導体接続スリーブ31を、電力用同軸ケーブル20の段剥ぎされた先端部の内部導体21aに被せて奥まで挿入して、ポンチ等を用いて内部導体21aの中心に楔36を打ち込む。内部導体21aが導体接続スリーブ31の奥まで挿入されていることを確認後、導体接続スリーブ31は、ここでは、図示しない専用の六角ダイスを用いて導体接続スリーブ31の長手方向中央部の凹状の溝部より後端側で圧縮されることにより、内部導体21aに圧縮接続される。圧縮作業の際は、内部導体21aに装着される導体接続スリーブ31は、絶縁体との間の隙間が拡がらないように注意する。楔36を打ち込むことにより、圧縮後の導体接続スリーブ31を内部導体21aからより抜けにくくすることができる。なお、この導体接続スリーブ31の凹状部の溝部より先端側の外周には、例えばマルチラムバンド等の導体接触子(図示略)が取り付けられる。
【0065】
次いで、保護金具61の先端面に形成される溝に図示しないOリング(図示略)を装着した状態の保護金具61(
図3参照)を電力用同軸ケーブル20の先端から電力用同軸ケーブル20に通して、電力用同軸ケーブル20上で先端部20aよりも後端側、すなわちケーブルシース25上に位置させる。その後、ケーブル遮へい層23の接地処理を行う。具体的には、ケーブル遮へい層23に複数本(ここでは4本)の編組線を軟銅線ではんだ付けし、ケーブル遮へい層23と接続された複数本の編組線を形成する。その後、第2の電界緩和部品34を電力用同軸ケーブル20の先端側から電力用同軸ケーブル20の後端側に位置させる。具体的には、第2の圧縮装置CU2(ここでは筒状の押し金具フランジ342)、第2のストレスコーン341を順に、電力用同軸ケーブル20の先端に通して電力用同軸ケーブル20の後端側に位置させる。第2のストレスコーン341は、当該第2のストレスコーン341の内周面と、外部絶縁体22cの表面とにシリコーンオイル等の潤滑剤を塗布した後、電力用同軸ケーブル20の先端部20a上でケーブル遮へい層23の手前まで一旦挿入する。
次いで、ストッパー35、外部導体固定リング332の順に、電力用同軸ケーブル20を先端から挿入する。
【0066】
電力用同軸ケーブル20に挿入した各部品を樹脂(ここではポリエチレン)製シート等で養生した後、外部導体固定リング332と外部導体固定金具331とで外部導体22aを固定するために、外部導体22aを変形させる。
【0067】
外部導体固定リング332と外部導体固定金具331とで外部導体22aを固定する際には、まず、先端部20aにおいて、複数の線材である外部導体22aの根元、つまり先端部20aで露出する外部導体22aの後端側の部分を、軟銅線等の線材で外面側からバインド(図示略)して固定する。次いで、外部導体22aの根元に曲げ癖を付ける工程(根元曲げ癖工程)を行う。この工程を
図5に示す。根元曲げ癖工程では、まず、線材でバインドした根元から露出する外部導体22aを放射状に開く、つまり、外部導体22aの先端側を基端側よりも電力用同軸ケーブルの軸から離間する方向に変形させる。本実施の形態では、外部導体22aは、内部絶縁用外部半導電層21d上に螺旋状に巻回されているので、巻き方向のまま外部導体22aを外側へ開く。
【0068】
次いで、曲げ癖治具71を、内部絶縁用外部半導電層21d上で、外部導体22aの内側の根元まで挿入する。その後、曲げ癖治具71を押さえて樹脂製のハンマーHで外部導体22aの外面を軽く叩き、曲げ癖を付ける。
曲げ癖治具71は樹脂製であり、例えばポリアセタール(POMとも呼ばれる)またはMCナイロン(クオドラントポリペンコジャパン株式会社の登録商標)で形成される。曲げ癖治具71は外面の1箇所に切れ目が入った環状の形状であり、曲げ癖治具71を若干径方向に拡げることができる構造となっている。
【0069】
これにより、外部導体22aは、根元部分で放射方向に拡がる曲げ癖が付き、放射方向に湾曲した根元から先端側に向かって延在する形状にする。外部導体22aに曲げ癖が付けば、曲げ癖治具71を電力用同軸ケーブル20から外す。
【0070】
根元曲げ癖工程に次いで、
図6に示すように、外部導体固定金具331を、電力用同軸ケーブル20に挿入し、外部導体固定金具331を軸方向に直線状に外部導体22aの内側の根元に挿入し、外部導体固定金具直出し治具81を外部導体固定金具331の内側に挿入する工程を行う。
【0071】
この工程では、予め用意した外部導体固定金具直出し治具(以下、「直出し治具」とも称する)81を用いる。
【0072】
直出し治具81は、外部導体固定金具331が取り付けられる内部絶縁用外部半導電層21dの部位を軸方向に直線状にして延在させるために、内部絶縁用外部半導電層21dの周囲に配置される。直出し治具81は、内部絶縁用外部半導電層21d上に配置可能な筒状に形成される。直出し治具81は、一部を外部導体固定金具331の先端側の内周側に配置して、外部導体固定金具331を電力用同軸ケーブル20の先端部20aにおいて電力用同軸ケーブル20と同心円状に位置して取り付ける際に用いられる。
直出し治具81では、一端部(電力用同軸ケーブル20の後端側の部分)に、他端部(電力用同軸ケーブル20の先端側)の直出本体部811よりも外径が大きい大径部812が設けられている。直出し治具81はポリアセタール(POMとも呼ばれる)またはMCナイロン(クオドラントポリペンコジャパン株式会社の登録商標)などの樹脂製であり、本実施の形態では一体的に筒状に形成されており、直出本体部811と大径部812は連設されている。直出し治具81は、長手方向に沿う平面で縦分割された2つ割り構造で形成してもよい。この場合は、2つ割り構造のため、電力用同軸ケーブル20の外径に合わせることが容易であり、直出し本体部811の外周にテープを巻いて固定することで筒状の直出し治具81を形成する。
【0073】
この一端側の大径部812側の外径は、直出し治具81を、大径部812側を電力用同軸ケーブル20の後端側に向けて、電力用同軸ケーブル20に位置させた際に、外部導体固定金具331の内部の段差部3312(
図3も参照)に係合する径である。また、直出し治具81の内径は、外部導体固定金具331の段差部3312より後端側(ケーブルシース25側)の内径よりも小径である。
【0074】
根元曲げ癖工程で曲げ癖が付いた外部導体22aを備える電力用同軸ケーブル20に外部導体固定金具331を挿入して、外部導体固定金具331を軸方向に直線状に外部導体22aの内側の根元に挿入した後、
図6に示すように、直出し治具81を、電力用同軸ケーブル20に、電力用同軸ケーブル20の先端側から挿入する。大径部812の内面と内部絶縁用外部半導電層21dとの隙間が、外部導体固定金具331の後端側の内面と内部絶縁用外部半導電層21dとの隙間より小さいことから、電力用同軸ケーブル20に挿入した状態では、
図2のような状態での外部導体固定金具331単独のガタ付きに比べて
図6に示す直出し治具81はガタ付きがほとんどない。この直出し治具81を外部導体固定金具331内に挿入し、大径部812を、外部導体固定金具331内の段差部3312に係合させる。これにより、外部導体固定金具331もガタ付きがなくなる。
【0075】
この状態で、外部導体22aを外部導体固定金具331上で樹脂製のハンマー等の打撃具で軽く叩いて、外側に開いた状態の外部導体22aを外部導体固定金具331上に沿うように寝かせる。具体的には、外部導体22aを、外部導体固定金具331の中空円錐台部3311の外面に沿うように寝かせる程度に外部導体22aの形状の癖をつければよい。本実施の形態では、根元曲げ癖工程により外部導体22aに曲げ癖を付けた後に、外部導体固定金具331を外部導体22aの内側の根元に挿入するので、外部導体22aに曲げ癖を付けたことにより後工程の外部導体固定リング332を外部導体固定金具331の傾斜面上に配置される外部導体22a上に配置する工程が容易になったため、従来のように、外部導体固定金具の形状に沿って外部導体22aの形状が変形するように、外部導体固定金具上で外部導体22aをハンマー等の打撃具で強く叩く必要がなく、外側に開いた状態の外部導体22aを外部導体固定金具331上に沿うように寝かせる程度に軽く叩けばよい。このため、従来のように金属同士の接触により、銅粉等の金属粉を心配するおそれがなく、また、外部導体固定金具331が、電力用同軸ケーブル20(本実施の形態では内部絶縁用外部半導電層21d)に衝突して凹み等損傷することを心配するおそれがなくなる。仮に外部導体22aを軽く叩いた際の衝撃が外部導体固定金具331に伝わったとしても、外部導体固定金具331は、直出し治具81に接触しているため、外部導体固定金具331が、内部絶縁用外部半導電層21dが損傷を受ける程度の衝撃で内部絶縁用外部半導電層21dに接触することがない。
【0076】
次いで、予め電力用同軸ケーブル20に挿入しておいた外部導体固定リング332を移動させ、外部導体固定金具331の傾斜面上に配置される外部導体22a上に位置させる。このとき、外部導体固定リング332のボルト孔と、外部導体固定金具331のボルト孔との位置を、軸方向で重なる位置に位置するように、対応させる。
【0077】
また、外部導体固定金具331は、電力用同軸ケーブル20の先端から所定長D離れた位置まで挿入する。この所定長Dは、第1の電界緩和部品32を介して同軸ケーブル端末受容部13aに収容される際に必要な長さである(
図3も参照)。
【0078】
次いで、
図7に示すように、締め付け治具90を用いて、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332とで外部導体22aを挟む。
【0079】
ここで、締め付け治具90について説明する。
図8は、
図7に示す締め付け治具の分解図である。
【0080】
締め付け治具90は、外部導体固定リング332と外部導体固定金具331とで、電力用同軸ケーブル20の長手方向で両側から、外部導体22aを挟み込み、規定トルクで締め付けて固定する(
図7参照)。
【0081】
締め付け治具90は、電力用同軸ケーブル20の先端部20aにて露出する外部導体22aを外周側から覆うように配置される第1フランジ部92及び第2フランジ部94と、第1フランジ部92及び第2フランジ部94に掛け渡されるトルク付与部96とを、有する。
【0082】
第1フランジ部92は、外部導体固定リング332を、電力用同軸ケーブル20の後端側から先端側に押圧する。第1フランジ部92は、本実施の形態では、第1フランジ部92は、金属製の円盤状で形成され、外部導体22aの外径よりも大きい内径の開口部922と、外部導体固定リング332の後端面に当接して、外部導体固定リング332を先端側に押圧する押圧面924と、トルク付与部取付部926とを有する。なお、開口部922は切り欠き部929に連通している。
【0083】
第1フランジ部92は、電力用同軸ケーブル20の先端部20a(
図7参照)において、後述する第2フランジ部94をセット後に、外部導体固定リング332の後端側の位置に、切り欠き部を通して開口部922に電力用同軸ケーブル20が位置するように配置される。
【0084】
第1フランジ部92は、中央に開口部922が形成された本体部928を有し、本体部928は開口部922と連通する切り欠き部929を有する。本体部928の外部導体固定リング332側の面(先端面)が押圧面924を構成し、本体部928にトルク付与部取付部926としてのボルト孔が形成されている。
【0085】
本体部928は、開口部922、押圧面924、トルク付与部取付部926、切り欠き部929を有する構成であれば、どのように形成されてもよいが、本実施の形態では、板状であり、切り欠き部929付きの円盤状に形成されている。
【0086】
開口部922は、第1フランジ部92を後述する第2フランジ部94にトルク付与部96で固定した際に、外部導体固定金具321の中空円錐台部3311上で、外部導体22aに接触しないように、外部導体固定リング332の内径よりも大きい径であり、切り欠き部に連通している(
図7、
図8参照)。
【0087】
トルク付与部取付部926としてのボルト孔は、本体部928において、開口部922の外側に複数形成される。ボルト孔は、第1フランジ部92の中心に対して対称の位置に配置されることが望ましい。本実施の形態では、ボルト孔926は、開口部922より外側の本体部928に、3つ形成されており、ボルト孔926同士の中心を結んだ形状が三角形(好ましくは正三角形)となる位置に形成されている。
【0088】
第2フランジ部94は、外部導体固定金具331を、電力用同軸ケーブル20の先端から後端側に押圧する(
図7参照)。第2フランジ部94は、本実施の形態では、第2フランジ部94は、金属製の円盤状で形成され、内部絶縁用外部半導電層21dの外径よりも大きい内径の開口部942と、外部導体固定金具331の先端面に当接して、外部導体固定金具331を後端側に押圧する押圧面944と、トルク付与部取付部946とを有する。
【0089】
第2フランジ部94は、電力用同軸ケーブル20を開口部942に通して、外部導体固定金具331よりも電力用同軸ケーブル20の先端側に配置される。
【0090】
第2フランジ部94は、中央に開口部942が形成された本体部948を有し、本体部948の外部導体固定金具331側の面(後端側の面)が押圧面944を構成し、本体部928にトルク付与部取付部946としてのボルト孔が形成されている。
【0091】
本体部948は、開口部942、押圧面944、トルク付与部取付部946を有する構成であれば、どのように形成されてもよいが、本実施の形態では、板状であり、円盤状に形成されている。
【0092】
押圧面944は、
図7に示すように外部導体固定金具331の先端面(フランジ部3313の先端面)に係止する。開口部942には、電力用同軸ケーブル20の先端部20aにおいて段剥ぎされた外部絶縁用外部半導電層21dが配置される。開口部942は、外部絶縁用外部半導電層21d上の直出し治具81の外径よりも大きく、外部導体固定金具331の外径よりも小さい。
【0093】
本実施の形態では、開口部942は、開口部922よりも内径が小さい。
【0094】
トルク付与部取付部946としてのボルト孔は、本体部948において、開口部942を囲むように複数形成される。ボルト孔は、第2フランジ部94の中心に対して対称の位置に配置されることが望ましい。本実施の形態では、ボルト孔946は、開口部942より外側の本体部948に、3つ形成されており、ボルト孔926同士の中心を結んだ形状が三角形(好ましくは正三角形)となる位置に形成されている。
【0095】
トルク付与部96は、第1フランジ部92および第2フランジ部94で挟まれる外部導体固定リング332と外部導体固定金具331に互い接近する方向にトルクを掛けることによって、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332とで外部導体22aを挟んで固定する。
【0096】
トルク付与部96は、本実施の形態では、ボルト(締め付けボルト)962およびナット961により構成される。ボルト962の軸部は、対向配置される第1フランジ部92及び第2フランジ部94の双方に挿入し、ボルト962の頭部を第2フランジ部94に係止させ、第1フランジ部92を挿通するボルトの軸部端部からナット961が螺合される。なお、ボルト962の向きを変えて、ボルト962の頭部を第1フランジ部92に係止させ、ナット961を、第2フランジ部94を挿通するボルト962の軸部に螺合してもよい。
【0097】
ボルト962及びナット961を締結して、トルクを掛けることにより、第1フランジ部92及び第2フランジ部94を互いに接近する方向に移動して、外部導体固定リング332と外部導体固定金具331とで外部導体22aを挟み、固定する。なお、本実施の形態では、第1フランジ部92及び第2フランジ部94のボルト孔は、ボルト962の軸部を挿通する挿通孔であるが、ボルト孔の内周面に、ボルト962の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を形成して、ナットを使用することなく、ボルト962を螺合して締結する構成としてもよい。
【0098】
このように構成される締め付け治具90を、外部導体接続部品33に取り付ける。具体的には、第2フランジ部94を電力用同軸ケーブル20の先端側から通して、先端部20aの外部絶縁用外部半導電層21d上で外部導体固定金具331に当接させる。
【0099】
次いで、第2フランジ部94のトルク付与部取付部946であるボルト孔にトルク付与部96であるボルト962を挿通した状態で、第1フランジ部92を、外部導体固定リング332の後端側の位置に、切り欠き部を通して開口部922に電力用同軸ケーブル20が位置するように配置して、ボルト962を第1フランジ部92のトルク付与部取付部926であるボルト孔に挿通し、ナット961をボルト962に螺合する。ここでは、締め付け治具90の幅、つまり第1フランジ部92と第2フランジ部94との間の長さが、所定値となるようにセットする。この所定値とは、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332との挟持により外部導体22aが仮固定されるときの、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332との長さに対応する長さの値である。このように締め付け治具90は、外部導体22aを仮固定した状態でセットされる。
【0100】
そして、トルク付与部96のボルト962(本実施の形態では3つ)を所定のトルクで締め込むことにより、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332との間の外部導体22aに規定トルクを付与する。具体的には、ナット961が回転しないようにナット961をモンキーレンチ等で把持しながら、トルクレンチ等を用いて、ボルト962を所定のトルクで締め付ける。ここでは、3個のボルト962が配置されているので、片締めしないように、それぞれ同等のトルクで締め込むことで、均等にトルクを付与する。ここで、ボルト962を所定のトルクで締め付けた後の、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332との間の外部導体22aにかかる全体の規定トルクが、後述する、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332とをボルトV2で締め付ける際の、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332との間の外部導体22aにかかる全体の規定トルクと、同じ軸力のトルクとなるように、ボルト962を締め込む際の所定のトルクが設定される。
【0101】
次いで、締め付け治具90を電力用同軸ケーブル20の先端部20aから取り外し、外部導体固定用のボルトV2を、外部導体固定リング332に電力用同軸ケーブルの後端側から挿通して、外部導体固定金具331に螺合して締め込む(
図3参照)。このとき、中心に対して均等に配置されるボルトV2は、片締めしないように、ボルトV2を均等に所定のトルクで締め付ける。ここで、ボルトV2を締め付ける際の所定のトルクは、当該所定のトルクで締め付ける際の、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332との間の外部導体22aにかかる全体の規定トルクが、締め付け治具90による外部導体22aにかかる全体の規定トルクと、同じ軸力のトルクとなるように、設定される。ボルト962を締め込む際の所定のトルクと、ボルトV2を締め込む際の所定のトルクは必ずしも一致せず、これらの所定のトルクは、ボルト962、ボルトV2の大きさや本数によって適宜選択される。これにより、外部導体固定リング332と外部導体固定金具331とで挟持される外部導体22aは、均等に押圧され、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332との間に固定される。なお、このとき、外部導体固定金具332が、電力用同軸ケーブル20の先端から所定長D離れた位置に位置することを確認する。
【0102】
このように外部導体22aを固定した後、直出し治具81を取り外し、外部導体22aを纏めて仮止めしていた線材(ここでは軟銅線)(図示省略)を外す。
【0103】
次いで、電力用同軸ケーブル20を、電力用同軸ケーブル20の先端側から第1の電界緩和部品32に挿入する。その際、各部と、各部を配置する所定位置(
図3でそれぞれ示される位置)は溶剤等で清拭しておく。
【0104】
具体的には、電界緩和部品32の圧縮装置CU1(押し金具パイプ324、スプリング323、及び押し金具322)を電力用同軸ケーブル20に挿入し、次いで、第1のストレスコーン321を電力用同軸ケーブル20に挿入する。
【0105】
第1のストレスコーン321を内部絶縁体21cから内部絶縁用外部半導電層21dにわたる部位の外周面に配置する。
【0106】
そしてストッパー39を電力用同軸ケーブル20に挿入後、アダプター38を導体接続スリーブ31の外周に装着する。導体接続スリーブ31の凹溝より先端側の外周には、アダプター38を装着前に予めマルチラムバンド等の導体接触子を装着する。アダプター38は、導体引出棒11の導体挿入部11aと導体接続スリーブ31外周との隙間を埋めて電気的にするための部品である。
このように各部が取り付けられた電力用同軸ケーブル20の先端部を、ケーブルの許容曲げ半径を考慮しつつ絶縁ユニット10の絶縁部13における同軸ケーブル端末受容部13aに挿入する。
【0107】
電力用同軸ケーブル20の挿入工程では、電力用同軸ケーブル20を挿入する直前に、同軸ケーブル端末受容部13aの内面および第1のストレスコーン321の表面のそれぞれにシリコーンオイルが均一に塗布される。
【0108】
次いで、押し金具パイプ324を取り付けて、圧縮装置CU1により、第1のストレスコーン321を同軸ケーブル端末受容部13aに押し付けて固定する。
【0109】
次いで、絶縁部13の端部13dの内面と、第2のストレスコーン341の表面を溶剤で清拭し、第2の電界緩和部品34の各部をそれぞれ所定に取り付ける(
図3参照)。第2の電界緩和部品34の取り付けは、押し金具フランジ342を、ボルトV3で、絶縁部13の端部13dの端面に止着することにより、押し金具フランジ342で第2のストレスコーン341をストッパー35側に押圧して、第2のストレスコーン32を絶縁部13の端部13dの内面に密着させる。このように第2の電界緩和部品34を、所定位置(
図3で示す位置)に位置させて絶縁ユニット10に取り付ける。
【0110】
次いで、ケーブルシース25上に保護金具61との隙間を埋めるための座巻き処理、押し金具フランジ342へのケーブル遮へい層23の接続、保護金具61を第2の電界緩和部品34の後端面、すなわち本実施の形態では押し金具フランジ342の後端面に取り付け、クリートを用いた電力用同軸ケーブル20の固定等の工程を順に行い、電力用同軸ケーブルの端部接続部を組み立てる。
【0111】
なお、電力用単心ケーブル40の接続方法は、既知の接続方法であり説明は省略する。
【0112】
本実施の形態によれば、外部導体22aを、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332とで挟み込むことで固定する際に、締め付け治具90で、外部導体22aを挟む外部導体固定金具331と外部導体固定リング332とを押圧する。具体的には、電力用同軸ケーブル20の先端部において段剥ぎされて露出する外部導体22aの先端側を拡がるように変形させた後、電力用同軸ケーブル20の先端部の外周上の外部導体固定金具331と外部導体固定リング332との間に外部導体22aを位置させる。次いで、締め付け治具90の第1フランジ部92および第2フランジ部94で、外部導体固定リング332および外部導体固定金具331を挟み、第1フランジ部92および第2フランジ部94に架け渡されるトルク付与部96であるボルト962を所定のトルクで締め付ける。このとき、第1フランジ部92は、外部導体固定リング332における外部導体固定金具331と逆側の面(外部導体固定リング332の後端面)を押圧し、第2フランジ部94は、外部導体固定金具331における外部導体固定リング332と逆側の面(外部導体固定金具331の先端面)を押圧する。この状態で、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332との間の外部導体22aにかかる全体の規定トルクは、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332とをボルトV2を所定のトルクで締め付ける際に、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332との間の外部導体22aにかかる全体の規定トルクと、同じ軸力のトルクである。これにより、外部導体22aは、外部導体固定金具331の形状に沿って変形し、外部導体固定金具331に沿う癖が付いた形状に変形する。つまり、外部導体22aが外部導体固定金具331および外部導体固定リング332間で固定される際の形状、外部導体22aの固定形状が形成される。
【0113】
このように本実施の形態に係る電力用同軸ケーブルの端末接続部の組立方法によれば、中心から順に、少なくとも内部導体21a、内部絶縁体21c、外部導体22a、外部絶縁体22c、及びケーブル遮へい層23が同心状に形成されてなる電力用同軸ケーブル20の先端部20aを段剥ぎして、少なくとも内部導体21a、内部絶縁体21c、及び外部導体22aを露出させる。次いで、外部導体22aに電気的に接続される外部導体接続部品33、内部導体21aと外部導体22a間の電界を制御するための第1の電界緩和部品32、および、外部導体22aとケーブル遮へい層23間の電界を制御するための第2の電界緩和部品34を取り付けてケーブル端末部を形成する。次いで、ケーブル端末部を、内部導体21aに電気的に接続される導体引出棒(内部導体接続部)11及び外部導体接続部品33に電気的に接続される埋込電極12の外周面を包囲するように形成され、且つ、硬質の絶縁材料からなる絶縁部13の同軸ケーブル端末受容部13aに装着して組み立てる。外部導体接続部品33は、ボルト(固定ボルト)V2を介して外部導体22aを規定トルクで押圧した状態で挟持して固定する外部導体固定金具(第1の固定部材)331と外部導体固定リング(第2の固定部材)332とを有する。外部導体22aの内側の根元に曲げ癖治具71を挿入し、外部導体22aが根元部分で放射方向に拡がる曲げ癖を付け、曲げ癖治具71を電力用同軸ケーブル20から外した後、ボルト(固定ボルト)V2により、外部導体固定金具(第1の固定部材)331と外部導体固定リング(第2の固定部材)332の間に外部導体22aを挟持して固定する前に、締め付け治具90により、締め付け治具90の締め付けボルト962を介して外部導体22aを挟むように配置した外部導体固定金具(第1の固定部材)331と外部導体固定リング(第2の固定部材)332に、規定トルクと同等のトルクを掛けて、外部導体22aを外部導体固定金具(第1の固定部材)331と外部導体固定リング(第2の固定部材)332で固定される固定形状にする工程を有する。
【0114】
これにより、外部導体22aを均等に押圧するように外部導体固定金具331と外部導体固定リング332が電力用同軸ケーブル20上に位置決めされるので、締め付け治具90を外部導体固定金具331および外部導体固定リング332から取り外した後、外部導体固定リング332と外部導体固定金具331に架け渡される外部導体固定用のボルトV2を容易に所定のトルクで締め込むことができる。
【0115】
また、曲げ癖治具71により外部導体22aに曲げ癖を付けた後に外部導体固定金具(第1の固定部材)331を外部導体22aの内側に挿入するようにしたので、後工程の外部導体固定リング332を外部導体固定金具331の傾斜面上に配置される外部導体22a上に配置する工程が容易になったため、従来と異なり、外部導体22aを外部導体固定金具331の形状に沿うように変形させるために外部導体22aの上方から樹脂製のハンマーで強く叩く作業をする必要がない。よって、外部導体固定金具331が配置される位置の電力用同軸ケーブル20、本実施の形態では、内部絶縁用外部半導電層21dに外部導体固定金具331が衝突して電力用同軸ケーブル20が凹む等の絶縁性能が低下することを防止できる。また、外部導体固定金具331の先端側の内部には、外部導体22aの固定が完了するまで直出し治具81が挿入されているので、外部導体固定金具331が傾くこと無く正確に固定される。また、外部導体固定金具331上の外部導体22aを固定形状にする前に、外側に開いた状態の外部導体22aを外部導体固定金具331上に沿うように寝かせるために、打撃具で軽く叩く工程があるが、外部導体固定金具331が、電力用同軸ケーブル20(本実施の形態では内部絶縁用外部半導電層21d)に衝突して凹み等損傷することを心配するおそれがなくなる。仮に外部導体22aを軽く叩いた際の衝撃が外部導体固定金具331に伝わったとしても、外部導体固定金具331は、直出し治具81に接触しているため、外部導体固定金具331が、内部絶縁用外部半導電層21dが損傷を受ける程度の衝撃で内部絶縁用外部半導電層21dに接触することがない。
【0116】
このように外部導体22aを容易に固定形状にできるので、外部導体22aが外部導体固定リング332と外部導体固定金具331とで挟持して固定される際に、周回りに渡って均等に押圧され、外部導体固定金具331と外部導体固定リング332との間に容易に固定される。
【0117】
締め付け治具90を用いて、外部導体22aを固定する際のボルトV2による軸力と同じ力で一度外部導体22aを挟持して潰しているので、ボルトV2を用いた実際の固定時に、規定トルクを容易に掛けることができ、ボルトV2に何度もトルクを掛けることなく、再組立による作業時間の延長を軽減できるとともに、ボルトV2の機械的性質への影響を軽減できる。
【0118】
ところで、締め付け治具90により、外部導体固定金具331および外部導体固定リング332を規定トルクで締め付ける際には、外部導体固定金具331に大きな軸力がかかる。
【0119】
これにより、締め付け治具90においてボルトを均等に締め込めなかった場合、ボルトに均等にトルクがかからず、外部導体固定金具331の先端側の面に僅かな歪みが生じることがある。
【0120】
外部導体固定金具331は、周囲に配設したマルチラムバンド等の導体接触子37によって、挿入される押し金具パイプ324の内面に接触する構造である(
図3参照)。
このため、本実施の形態の端末接続部1において、外部導体固定金具331に替えて、外部導体固定金具331の構成において面取部3315が無い構成である従来の外部導体331Aを用いた場合では、先端側の面に僅かな歪みが発生(
図9参照)し、この歪みにより導体接触子37を装着した外部導体固定金具331が押し金具パイプ324内に挿入できず、嵌合できないことが考えられる。なお、外部導体固定金具331Aは、外部導体固定金具331の中空円錐台部3311と同様の中空円錐台部3311Aと、面取りされていないフランジ部3313Aとを有する。
【0121】
しかしながら、本実施の形態を適用して組み立てられる電力用同軸ケーブルの端末接続部1では、外部導体固定金具331の先端側の外周縁には、面取部3315が形成されている(
図4において破線で示す面取部3315)。
【0122】
これにより、締め付け治具90によるボルト962の締め付けにより外部導体固定金具331の先端側の面が歪むことがあっても、
図4の面取部3315の実線で示すように、挿入される押し金具パイプ324の内径(本実施の形態では、マルチラムバンドが形成されるフランジ部3313の外周面)より径方向に大きくなることがなく、押し金具パイプ324と好適に嵌合できる。
【0123】
また例えば、実施の形態では、導体引出棒11の先端部11bが電力用機器に接続されるガス中終端接続部に適用される場合について説明したが、本発明は、油中終端接続部、気中終端接続部あるいは中間接続部に適用することもできる。
【0124】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。