特許第6404305号(P6404305)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404305
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】スライドドア装置
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/06 20060101AFI20181001BHJP
   E05F 15/655 20150101ALI20181001BHJP
   E05F 15/40 20150101ALI20181001BHJP
【FI】
   B60J5/06 D
   E05F15/655
   E05F15/40
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-243242(P2016-243242)
(22)【出願日】2016年12月15日
(65)【公開番号】特開2017-109736(P2017-109736A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2016年12月22日
(31)【優先権主張番号】14/971,613
(32)【優先日】2015年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514248868
【氏名又は名称】アイシン テクニカル センター オブ アメリカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AISIN TECHNICAL CENTER OF AMERICA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】大熊 恵美子
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−177455(JP,A)
【文献】 特開2001−288961(JP,A)
【文献】 特開2007−198051(JP,A)
【文献】 米国特許第08282156(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/06
E05F 15/40
E05F 15/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のスライドドアのための安全装置であって、
中間係止ブラケットを含むロアレールと、
外側端部で前記スライドドアに取り付けられるとともに内側端部で前記ロアレールに接続されるアーム部とを備え、同アーム部は回転可能な中間係止レバーを含み、開放位置において、前記中間係止レバーは、前記中間係止ブラケットに接触するとともに前記アーム部の前記内側端部の舌部に接触し、前記スライドドアが中間の開放位置を超えることを防止するものであって、
前記中間係止レバーはD字状のピンを介して支持板の頂部上に取り付けられ、
中間レバーは前記D字状のピンによって前記支持板の底部の上に取り付けられ、
前記D字状のピンは、前記中間係止レバーの非円形の穴に挿入される非円形のメスの肩部、前記支持板の円形の穴に挿入される円形のメスのウェスト部、および前記中間レバーの非円形の穴に挿入されるとともに前記円形のメスのウェスト部に挿入される非円形のオスの肩部を含む、ことを特徴とする車両のスライドドアのための安全装置。
【請求項2】
前記中間係止レバーは、前記中間係止レバーが前記開放位置に回転すると、前記中間係止ブラケットおよび前記舌部に接触する隆起部を含むことを特徴とする請求項1に記載の安全装置。
【請求項3】
前記中間係止レバーの前記隆起部は、前記中間係止ブラケットに接触する主平坦部、前記アーム部の前記内側端部の前記舌部に接触する副平坦部、および前記副平坦部から前記主平坦部に向けて延びる湾曲部を含むことを特徴とする請求項2に記載の安全装置。
【請求項4】
閉鎖位置において、前記中間係止レバーは、前記中間係止ブラケットに接触しないように回転され、前記スライドドアを完全な開放位置に配置し、前記中間係止レバーが前記閉鎖位置に配置されると、前記中間係止レバーの前記隆起部はバンパ上に配置されることを特徴とする請求項2に記載の安全装置。
【請求項5】
前記中間係止ブラケットは、前記中間係止レバーが閉鎖位置にある場合に接触しないように前記アーム部の前記内側端部を通過させるように構成される本体、および前記中間係止レバーが前記開放位置にある場合に前記中間係止レバーに接触する平坦なヘッド部を含むことを特徴とする請求項1に記載の安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両のスライドドアのための安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のスライドドアの動作はそのユーザにとって不便であることがある。例えば、ユーザの物品、例えばバッグはスライドドアと車両本体との間に挟まれることがある。ユーザの物品を通過させることができる開放されるウィンドウをスライドドアが有する場合、そのような種類の不便が起こりがちである。更に、ドアが力強く開かれると、開いたウィンドウと車両の本体との間に挟まれた物品は、激しく破損され得る。
【0003】
そのような種類の不便が生じるのを防ぐために、ウィンドウの開放により始動される安全装置が利用可能である。
これらの利用可能な装置は、互いに妨害し得る長尺状かつ突出する部分を作動させる開放される大型の機構に依存する複雑な構成に基づく。
【0004】
これらの装置はそのような種類の不便を防ぐことにおいて一定の成功を達成したが、これらは多数の短所を有する。
不運にも、これらの装置はその複雑かつ厄介な構成により故障しがちである。顕著に、これらの装置は容易に変形され、それらを踏みつけるかスライドドアを力強く閉めすぎることにより故障する。これらの装置の主な要素は、うまく保護されず、グリースや埃のような外部要素にさらされ、結局適切に機能しない。加えて、これらの装置はかさばるとともに隠すことが困難であり、その結果、車両の好ましくない外観が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5979971号明細書
【特許文献2】米国特許第6412222号明細書
【特許文献3】米国特許第6477806号明細書
【特許文献4】米国特許第6513285号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/0116995号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2004/0189045号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2004/0194385号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2004/0256883号明細書
【特許文献9】米国特許第6848216号明細書
【特許文献10】米国特許第6966148号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2006/0202507号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2007/0107313号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2007/0138832号明細書
【特許文献14】米国特許第7288907号明細書
【特許文献15】米国特許第8069611号明細書
【特許文献16】米国特許第8245447号明細書
【特許文献17】米国特許第8282156号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、構造の複雑さ、信頼性、簡便さ、および美学の上述した課題を解決する車両のスライドドアを開放するための安全装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本開示の課題は、上述した制限を克服する車両のスライドドアのための安全装置を提供することにある。
本開示の安全装置は、より一体的に構成されるとともに直接的に操作される機構により、信頼性、簡便さ、および美学が確実に得られる。本開示の装置は、装置の主な要素および機能性を保護する方法として、スライドドアの支持構造体を直接利用する。加えて、本開示の装置は、その主な要素間の直接的な接続および配置により、妨害および複雑さを回避する。
【0008】
非制限的かつ例示的な一例において、車両のスライドドアの安全装置は、中間係止ブラケットを含むロアレールと、外側端部でスライドドアに取り付けられるとともに内側端部でロアレールに接続されるアーム部とを備え、アーム部は、回転可能な中間係止レバーを含む。開放位置において、中間係止レバーは中間係止ブラケットに接触するとともにアーム部の内側端部の舌部に接触し、スライドドアが中間の開放位置を超えることを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の所定の態様による車両の側部内に搭載されるスライドドア・アセンブリを示す斜視図。
図2A】本開示の所定の態様による中間の開放位置における下部ローラ・アセンブリおよびロアレールを示す斜視図。
図2B】本開示の所定の態様による完全な開放位置における下部ローラ・アセンブリおよびロアレールを示す斜視図。
図3】本開示の所定の態様による下部ローラ・アセンブリを示す分解斜視図。
図4】本開示の所定の態様によるD字状のピンを示す斜視図。
図5】本開示の所定の態様によるローラ・サブアセンブリを示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の完全な理解およびこれに伴う効果の多くは、後述する発明の詳細な説明を参照して添付の図面に関して考慮するとより容易に理解され、得られる。
図面において、同様の参照符号は、図面にわたって同一乃至対応する部分を示す。更に、ここに使用されるように、用語「1つ」、「1つの」などは、特に記載が無ければ通常「1つ以上」の意味を有する。図面は別に記載があるか、概略的構造体やフローチャートに示されなければ、通常ダウンスケールされる。
【0011】
図面を参照して、同様の参照符号は、いくつかの図面にわたって同一または対応する部分を指示する。
図1は、本開示の所定の態様による車両2000の側部2002内に搭載されるスライドドア・アセンブリ1000を示す斜視図である。
【0012】
車両2000の側部2002は、床部2014、屋根2016および開口部2004を含み、前縁部2006は後縁部2008に対向し、頂縁部2010は底縁部2012に対向する。ここに使用されるように、用語「正面」は前縁部2006にもっとも近い車両2000の領域を示し、用語「後部」は、後縁部2008にもっとも近い車両2000の領域を示し、用語「頂部」は頂縁部2010にもっとも近い車両2000の領域を示し、用語「底部」は底縁部2012にもっとも近い車両2000の領域を示す。
【0013】
図1に示すように、開口部2004は、側部2002の後部領域に配置されるか、車両2000上の任意の位置に配置され、任意の寸法を有する。
スライドドア・アセンブリ1000は、スライドドア1002、車両2000の側部2002に搭載されるとともに内部でスライドドア1002に取り付けられるセンターレール・アセンブリ3000、およびスライドドア1002の底部を車両2000の床部2014に搭載されるロアレール4200に接続する下部ローラ・アセンブリ4000を含む。
【0014】
スライドドア1002は、ドア後縁部1002bに対向するドア前縁部1002a、およびドア底縁部1002dに対向するドア頂縁部1002cを有する。スライドドア1002は、フレーム1004、ドア開口部1010に挿入されるドア・ガラスパネル1008を備えるドア・ウィンドウ1006を含む。ドア開口部1010は、ウィンドウ後縁部1010bに対向するウィンドウ前縁部1010a、およびウィンドウ底縁部1010dに対向するウィンドウ頂縁部1010cを特徴とする。ドア・ウィンドウ1006は、ガラスパネル1008がウィンドウ頂縁部1010cに隣接する閉鎖位置から、ガラスパネル1008がウィンドウ頂縁部1010cに隣接する開放位置まで移動可能である。
【0015】
センターレール・アセンブリ3000は、車両2000の側部2002に沿って、かつ開口部2004の後縁部2008から長手方向に延びるセンターレール3002の他、一端がスライドドア1002の後部に取り付けられ、他端がセンターレール3002に挿入されるセンター・ガイド3004を含む。
【0016】
図3に示すが、下部ローラ・アセンブリ4000は、アーム部4020を含み、アーム部4020は、スライドドア1002に取り付けられる外側端部4022、およびローラ・ガイド4110がロアレール4200に挿入された、ローラ・サブアセンブリ4100で終端する内側端部4024を備える。
【0017】
ロアレール4200は、開口部2004の前縁部2006と後縁部2008との間を、車両2000の床部2014上で長手方向に延びるS字形状を有する。図2Aに示すが、ロアレール4200の後部は、ロアレール4200が終端する完全係止ブラケット4202によって画定される。
【0018】
加えて、上側床部2014aは、ローラ・サブアセンブリ4100およびロアレール4200とともにアーム部4020の内側端部4024を覆い、例えばタール、グリース、砂利などの外部要素、および例えば意図しない踏み込みや衝突などの危険から保護する。
【0019】
センターレール・アセンブリ3000、下部ローラ・アセンブリ4000、およびロアレール4200により、スライドドア1002は車両2000の側部2002に沿って移動可能である。センター・ガイド3004はセンターレール3002内を摺動し、ローラ・サブアセンブリ4100はロアレール4200内を回動する。スライドドア1002の摺動は、ユーザの手動の作動によって、あるいは電気的なモータや油圧装置を使用する電動機械的な作動によって、あるいは当業者に周知の任意の他の技術によって行われる。
【0020】
スライドドア1002は、スライドドア1002のウィンドウ前縁部1010aが車両2000の前縁部2006に取り付けられる完全閉鎖位置から、スライドドア1002のウィンドウ前縁部1010aが車両2000の後縁部2008に隣接して配置される完全開放位置に移動される。図3A乃至3Cに示すが、スライドドア1002は、ラッチ機構4170によって移動されるラッチ・レバー4172を介して完全開放位置に保持され、側部2002のアンカー・ポイント上に掛けられる。
【0021】
ドア・ウィンドウ1006が開放位置に配置されると、ローラ・サブアセンブリ4100が駆動され、スライドドア1002の完全開放位置が不能とされ、スライドドア1002は、開口部2004の後縁部2008と側部開口部1010のウィンドウ前縁部1010aとの間に間隔が保持される中間の開放位置にブロックされる。
【0022】
中間の開放位置にスライドドア1002をブロックすることにより、ドア・ウィンドウ1006を通して突出する物品あるいは本体部は、開口部2004の後縁部2008とドア・ウィンドウ1006のウィンドウ前縁部1010aとの間に挟まれることが防止される。
【0023】
図2Aおよび図2Bは、本開示の所定の態様による、中間の開放位置および完全開放位置のそれぞれにおける下部ローラ・アセンブリ4000およびロアレール4200を示す斜視図である。
【0024】
下部ローラ・アセンブリ4000は、中間係止レバー4144、およびロアレール4200上に搭載される中間係止ブラケット4142を含む。
図2Aに示すが、中間係止ブラケット4142は、完全係止ブラケット4202から所定距離dを置いてロアレール4200上あるいは上側床部2014a上に搭載される。中間係止ブラケット4142は、平坦なヘッド部4048が載置される半分管状の形状を備える本体4046を含む。完全係止ブラケット4202は1つの、あるいは一体的に組み立てられてモールド成形されるか機械加工され、ボルト、接着剤、あるいはこれらの組み合わせのような締結器具を使用して、ロアレール4200上、あるいは床部2014上に固定される。
【0025】
中間係止レバー4144は、隆起部4145および下部4144bを備えた弦形状を有するプレートによって形成される。隆起部4145は、主平坦部4145a、副平坦部4145b、および主平坦部4145aと副平坦部4145bとを連結する湾曲部4145cを特徴とする。
【0026】
ドア・ウィンドウ1006が閉鎖位置から開放位置に移動されると、中間係止レバー4144は開放位置に回転し、また、ドア・ウィンドウ1006が開放位置から閉鎖位置に移動されると、中間係止レバー4144は、閉鎖位置に戻るように回転する。
【0027】
中間係止レバー4144とドア・ウィンドウ1006との間の接続は、機械的、電気的、あるいはこれらの組み合わせである。例えば、ウィンドウ・レギュレータによって作動されるケーブル・ハウジング4026aに挿入されるケーブル4026は、中間係止レバー4144を回転駆動し、ウィンドウ・レギュレータは、ドア・ウィンドウ1006の開閉を制御する。ケーブル4026およびケーブル・ハウジング4026aは、空間を節約するためにアーム部4020の溝内に装填される。
【0028】
図2Aに示すように、中間係止レバー4144が開放位置において回転すると、中間係止レバー4144の隆起部4145はアーム部4020の内側端部4024上を突出し、下部4144bは、バンパ4148、例えばゴム・ワッシャにより円周を包囲される固定ピン上に配置される。
【0029】
加えて、中間係止レバー4144の隆起部4145の副平坦部4145bの残りは、アーム部4020の内側端部4024によって形成される舌部4030に僅かに接触する。中間係止レバー4144の隆起部4145は、主平坦部4145aが中間係止ブラケット4142の平坦なヘッド部4048に当たり、アーム部4020が完全に開放した係止ブラケット4202に接触するのを防止するように、突出する。中間係止レバー4144が中間係止ブラケット4142に当たると、スライドドア1002は中間の開放位置においてブロックされ、完全な開放位置に強制的に至らしめられることができない。ユーザが完全な開放位置にスライドドア1002を配置しようとすると、レバー4144の下部4144bはバンパ4148を圧縮し、隆起部4145は舌部4030に対して押しつけられる。
【0030】
アーム部4020が強力かつ頑丈な構造体であるので、舌部4030はスライドドア1002が完全に開放位置に配置されるのを防止するように頑丈にブロックする。
図2Aに示すが、完全係止ブラケット4202と中間係止ブラケット4142との間の所定距離dは、開口部2004の後縁部2008とウィンドウ・ドア1006のウィンドウ前縁部1010aとの間の間隔が事故が起こるのを防止できるほど十分に大きくなるように選択される。
【0031】
図2Bに示すように、中間係止レバー4144が閉鎖位置に戻るように回転すると、中間係止レバー4144の4145の隆起部の主平坦部4145aは、アーム部4020の内側端部4024およびバンパ4148の頂部上の位置に対して折りたたまれる。閉鎖位置では、中間係止レバー4144は中間係止ブラケット4142に接触することができず、アーム部4020が完全開放係止ブラケット4202に接触することを防止することができない。アーム部4020は中間係止ブラケット4142の上方を通過するとともに完全開放係止ブラケット4202に接触し、スライドドア1002を完全な開放位置に配置する。加えて、隆起部4145の湾曲部4145cにより、中間係止ブラケット4142の上方のアーム部4020の移動が促進される。
【0032】
図3は本開示の所定の態様による下部ローラ・アセンブリ4000を示す分解斜視図である。
下部ローラ・アセンブリ4000はアーム部4020、ローラ・サブアセンブリ4100、およびローラ・ガイド4110を含む。ローラ・ガイド4110およびローラ・サブアセンブリ4100は、複数のボルトによってアーム部4020の内側端部4024の下方に取り付けられる支持板4120に支持される。
【0033】
後述するが、中間係止レバー4144はD字状のピン4180によって支持板4120の頂部上に取り付けられ、ラッチ機構4170は支持板4120の下方に取り付けられる。互いの近傍に係止レバー4144およびラッチ・レバー4172を有さないことにより、係止レバー4144とラッチ・レバー4172との間の干渉が防止され、これにより、より頑丈な機構が得られる。
【0034】
中間係止レバー4144は、アーム部4020の内側端部4024によって形成されるエンボス加工部4028によって部分的に覆われる。エンボス加工部4028は中間係止レバー4144およびD字状のピン4180を保護する。アーム部4020が強力かつ頑丈な構造体であるので、エンボス加工部4028は中間係止レバー4144およびD字状のピン4180を、踏み込みのような外的応力負荷に対して頑丈に保護する。
【0035】
中間係止レバー4144とラッチ機構4170との間の間隔の他、エンボス加工部4028も、下部ローラ・アセンブリ4000の厚みを最小化し、これにより床部2014と上側床部2014aとの間の必要な距離を最小化する。床部2014と上側床部2014aとの間の距離の最小化により、アーム部4020の内側端部4024、ローラ・サブアセンブリ4100、およびロアレール4200が外部要素にさらされることが低減される他、車両2000の美学が改善される。
【0036】
図4および図5は、本開示の所定の態様によるD字状のピン4180を示す斜視図およびローラ・サブアセンブリ4100を示す分解斜視図である。
ローラ・サブアセンブリ4100はD字状のピン4180、支持板4120の下方に配置される中間レバー4152、および支持板4120の下方に配置されるより下方の支持板4164上に配置されるトリガー4162を含む。
【0037】
D字状のピン4180、中間レバー4152、およびトリガー4162は、中間係止レバー4144を支持板4120に取り付けることに、およびウィンドウ・レギュレータによって制御されるケーブル4026によって中間係止レバー4144を関節駆動することに使用される。
【0038】
中間レバー4152が支持板4120に直交する軸線zを中心として中間係止レバー4144とともに回転するように、D字状のピン4180により中間係止レバー4144を中間レバー4152に直接接続可能である。すなわち、D字状のピン4180により、中間係止レバー4144および中間レバー4152は個別に回転することが防止される。
【0039】
D字状のピン4180は、例えばねじ締めによりメスの本体4182aに挿入することができるオスの本体4182bを含む。メスの本体4182aは、円形の断面を備えるウェスト部4184a、例えば平坦部を形成するように切断されたより大きな円形の断面、あるいは任意の非円形の断面を備えるメスのD字状の肩部4186a、およびヘッド部4188aを含む。オスの本体4182bは、オスのヘッド部4188bが載置される、メスのD字状の肩部4186aと同様のオスのD字状の肩部4186bを含む。
【0040】
メスのウェスト部4184aは支持板4120の穴4190を通して挿入され、メスのD字状の肩部4186aは中間係止レバー4144の第1のD字状の穴4192を通して挿入され、メスのヘッド部4188aは、中間係止レバー4144の頂部上に載置される。第1のD字状の穴4192は、メスのD字状の肩部4186aにきつく嵌合するような形状および寸法を有する。
【0041】
オスのD字状の肩部4186bは、中間レバー4152の第2のD字状の穴4152aを通して挿入され、オスのヘッド部4188bは中間レバー4152の底部に載置され、オスの本体4182bはメスのウェスト部4184aに挿入される。第2のD字状の穴4152aは、オスのD字状の肩部4186bにきつく嵌合するような形状および寸法を有する。
【0042】
これに代えて、D字状のピン4180は、中間係止レバー4144および中間レバー4152が個別に回転するのを防止する任意の種類の固定器具であり、例えばキー・ジョイント、ロックナットを備えるフランジ付きボルト、あるいは当業者に周知の他の器具である。
【0043】
中間係止レバー4144および中間レバー4152を支持板4120に取り付けることにより、並びに中間係止レバー4144および中間レバー4152を一体的に直接接続することにより、D字状のピン4180は、中間係止レバー4144を駆動するために使用される例えばバネ、穴などの要素の数を最小化し、ローラ・サブアセンブリ4100の頑丈さの他、小型化も改善する。
【0044】
中間レバー4152が回転すると、第2のD字状の穴4152はオスのD字状の肩部4186b上に保持され、支持板4120の円形の穴4190内でメスのウェスト部4184aを回転させる。メスのウェスト部4184aの回転により、メスの形状に形成される肩部4186aと第1のD字状の穴4192との間の接続によって中間係止レバー4144が回転する。
【0045】
ドア・ウィンドウ1006がユーザによって閉鎖位置から開放位置に移動されると、ケーブル4026はトリガー4162を駆動し、トリガー4162は中間レバー4152と係合し、D字状のピン4180を強制的に回転させ、中間係止レバー4144を閉鎖位置から開放位置に移動させる。
【0046】
係止レバー4144が開放位置に配置されると、中間係止レバー4144の隆起部4145は、アーム部4020の上方に突出するとともに舌部4030に掛けられ、下部4144bがバンパ4148に掛けられる。中間係止レバー4144の開放位置により、中間係止レバー4144の隆起部4145を中間係止ブラケット4142に当てるとともにスライドドア1002を中間の開放位置にブロックすることにより、スライドドア1002が完全な開放位置に配置されることが防止される。
【0047】
ドア・ウィンドウ1006がユーザによって開放位置から閉鎖位置に移動されると、ケーブル4026はトリガー4162を開放し、トリガー4162は中間レバー4152から係合が解除され、少なくとも1つのバネによって生じる付勢力下で中間係止レバー4144が開放位置から閉鎖位置に戻るようにD字状のピン4180を強制的に回転させる。
【0048】
係止レバー4144が閉鎖位置に配置されると、隆起部4145はアーム部4020の内側端部4024に対して折り返され、中間係止ブラケット4142に当たることができなくなり、スライドドア1002が完全に開放位置に配置されるのを防止することができなくなる。
【0049】
先の議論は、本開示の目的の例示的な実施形態のみを開示するとともに記述する。当業者によって理解されるように、本開示の目的は、その趣旨や本質的特質から逸脱することなく他の特定の形態で具体化されてもよい。従って、本開示は、例示を意図したものであり、本開示の目的の範囲の他、特許請求の範囲を制限するものではない。
【0050】
本開示上の多数の修正および変化が上記教示に照らして可能である。従って、添付の特許請求の範囲内において本開示は実施されるか、ここに具体的に開示されたもの以外で実施されるものといえる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5