(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接着剤組成物(a)が、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、ポリオレフィン/α−オレフィンインターポリマー及び合成ゴムからなる群から選択されるベースポリマーを含む、請求項1に記載のパッケージ入り接着剤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ホットメルト接着剤の取扱いを改善し、凝集を永続的かつ確実に防ぐブロッキング防止コーティングを含むパッケージ入りホットメルト感圧接着剤が当技術分野で依然として必要とされている。
【0013】
その個々の形態がパッケージング、輸送、保管又はさらなる加工中に融合も凝集もしないパッケージ入りホットメルト接着剤、具体的にはホットメルト感圧接着剤組成物を提供することが本発明の目的である。さらなる目的は、個々の形態の自由流動性ホットメルト感圧接着剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様では、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)と、約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックス(ASTM D 1238−190℃、2.16kgs)を有するニート低密度ポリエチレン(LDPE)、ニートポリプロピレン又はニートエチレン酢酸ビニルからなる共押出コーティング(b)とを備えるパッケージ入りホットメルト接着剤が提供される。
【0015】
本発明の一実施形態では、接着剤組成物(a)がポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、ポリオレフィン/α−オレフィンインターポリマー又は合成ゴムからなる群から選択されるベースポリマーを含む。
【0016】
本発明の好ましい実施形態では、接着剤組成物(a)がエチレン及びプロピレンホモ−又はコポリマーからなる群から選択されるベースポリマーを含む。
【0017】
好ましい実施形態では、接着剤組成物(a)がエチレン−オクテンコポリマーとして選択されるベースポリマーを含む。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、接着剤組成物(a)がメタロセン−合成ポリマー、好ましくはシングルサイト(single-site)メタロセン−合成ポリマー、より好ましくはメタロセン−合成エチレン若しくはプロピレンホモ−又はコポリマー、更により好ましくはメタロセン−合成ポリプロピレンポリマーとして選択されるベースポリマーを含む。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、接着剤組成物(a)がメタロセン−合成低分子量ポリプロピレンポリマーとして選択されるベースポリマーを含む。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、接着剤組成物(a)がスチレン−イソプレン(SI)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)又はスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)からなる群から選択されるベースポリマーを含む。
【0021】
本発明のさらなる目的は、硬度増加を示す接着剤組成物(a)を維持するための低含量の可塑剤を示すパッケージ入りホットメルト接着剤を提供することである。
【0022】
本発明の一実施形態によると、接着剤組成物(a)が、パッケージ入り接着剤の総重量に関して、約30重量%未満、好ましくは約20重量%未満、より好ましくは約15重量%未満、更により好ましくは約10重量%未満、最も好ましくは約5重量%未満の量の1種又は複数の可塑剤を更に含む。
【0023】
本発明の一実施形態では、接着剤組成物(a)が、パッケージ入り接着剤の総重量に関して、約5重量%〜約75重量%の間、好ましくは約10重量%〜約60重量%の間、より好ましくは約15重量%〜約50重量%の間の量の1種又は複数の粘着付与剤を更に含む。
【0024】
本発明の目的は、粘着性が低下しているが、パッケージ入りホットメルト接着剤の他の特性及び純度、すなわち、ホットメルト感圧接着剤組成物の成分は無影響のままであるパッケージ入りホットメルト接着剤を提供するパッケージ入りホットメルト接着剤を提供することである。長期間自由流動性である及び/又は実質的にタックフリー表面を有するホットメルトの特定の形態を提供することも本発明の目的である。
【0025】
本発明の一実施形態では、パッケージ入りホットメルト接着剤が、パッケージ入り接着剤の総重量に関して、約0.1重量%〜約5重量%の間、好ましくは約0.5重量%〜約3重量%の間、より好ましくは約1重量%〜約2重量%の間、最も好ましくは約1.5重量%〜約5重量%の間の量のコーティング(b)を含む。
【0026】
本発明の一実施形態では、パッケージ入りホットメルト接着剤がコーティング(b)を含み、コーティング(b)のメルトフローインデックス(ASTM D 1238−190°C、2.16kgs)が約50g/10分〜約180g/10分の間、好ましくは約100g/10分〜約170g/10分の間、最も好ましくは約150g/10分である。
【0027】
本発明の一実施形態では、コーティング(b)を含むパッケージ入りホットメルト接着剤が約60℃〜約150℃の間、好ましくは約100℃〜約140℃の間、より好ましくは約120℃〜約130℃の間の溶融温度(リングアンドボール法、DIN EN 1427)を有する。
【0028】
本発明の一実施形態では、コーティング(b)を含むパッケージ入りホットメルト接着剤が約0.80g/cm
3〜約1.00g/cm
3の間、好ましくは約0.90g/cm
3〜約0.93g/cm
3の間、より好ましくは約0.92g/cm
3の室温密度(ASTM D 1505)を有する。
【0029】
本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤は、本発明のパッケージ入りホットメルト接着剤の有益な特性にとって有利な特定のパラメータ範囲を包含する。本発明のさらなる有利な実施形態は対応する独立請求項に定義される。
【0030】
本発明の一実施形態では、接着剤組成物(a)が約5〜約200の間、好ましくは約10〜約100の間、より好ましくは約15〜約80の間、最も好ましくは約20〜約70の間の平均貫入数(average penetration number)(PZ)を有する。
【0031】
本発明の別の目的は、パッケージング、輸送、保管又はさらなる加工中に凝集しない、以下に定義される、ピロー又はプリル等のパッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態を提供することである。
【0032】
パッケージ入りホットメルト接着剤の凝集を永続的に防ぐことも望ましいだろう。更に、例えば、輸送又は保管中に高い圧力がパッケージ入りホットメルト接着剤に印加される場合、或いは、パッケージ入りホットメルト接着剤が高い室温、例えば、約25℃〜約45℃の間、約25℃〜約65℃の間又は約25℃〜約70℃の間の平均温度でさえ輸送又は保管される場合、包装されたホットメルト接着剤の一時的にブロッキングした個々の形態の容易な脱凝集を可能にするパッケージ入りホットメルト感圧接着剤を提供することが望ましいだろう。
【0033】
本発明のさらなる目的は、溶融後に、結合性能、溶融粘度、取扱い等のパッケージ入りホットメルト接着剤の特性を不必要には変化させないパッケージ入りホットメルト感圧接着剤を提供することである。
【0034】
本発明のさらなる目的は、環境に安全で、健康に有害でないパッケージ入りホットメルト感圧接着剤を提供することである。
【0035】
本発明の目的は、特定の適用工程中に凝集せず、それによってブロッキングもしないパッケージ入りホットメルト接着剤を提供することである。
【0036】
一実施形態によると、パッケージ入りホットメルト接着剤がピロー又はプリル等の特定の形態で形成される。
【0037】
好ましくは、ピロー又はプリル等の特定の形態が約40mm×約30mm×約12mm、又は約20mm×約20mm×約20mm、好ましくは約40mm×約20mm×約10mm、最も好ましくは約40mm×約15mm×約7mmの寸法(長さ/幅/高さ)を有する。
【0038】
好ましくは、複数のピロー又はプリル等の個々の形態が融合しない、及び/又は、機械的に分離できて個々の形態の自由流動性を誘導する。
【0039】
好ましくは、複数のピロー又はプリル等のパッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態が、パッケージ入りホットメルト接着剤が、溶融し、基材に塗布される前に自由流動性及び空気運搬可能な形態で溶融システムに運搬される接着剤適用工程に使用される。
【0040】
別の実施形態によると、パッケージ入りホットメルト接着剤が共押出ロープ等の特定の形態で形成される。
【0041】
好ましくは、共押出ロープが約0.1cm〜約5cmの間、好ましくは約1cm〜約3cmの間、より好ましくは約2.5cmの直径を有する。
【0042】
好ましくは、共押出ロープが、パッケージ入りホットメルト接着剤が、保護カバーの内側の一連の滑車を通して共押出ロープをプレメルター(premelter)に引き入れることによって、溶融システムに運搬される接着剤適用工程に使用される。
【0043】
好ましくは、複数の共押出ロープ等の個々の形態が融合しない、及び/又は、機械的に分離できて個々の形態の自由流動性を誘導する。
【0044】
個々の形態について、パッケージ入りホットメルト接着剤が周囲条件で自由流動性及び/又は空気運搬可能な形態を有する。
【0045】
本発明によると、パッケージ入りホットメルト接着剤が共押出法によって得られる。
【0046】
好ましくは、本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤が、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)を共押出ヘッドを通して吸い上げ、共押出コーティング(b)を共押出コーティング(b)がカバーシートとして接着剤組成物(a)を実質的に覆うように接着剤組成物(a)に添加する共押出法によって得られる。
【0047】
更に、パッケージ入りホットメルト接着剤が、
(i)1種又は複数のホットメルト成分を提供し、ホットメルト成分をブレンドしてホットメルト感圧接着剤組成物を形成するステップと、
(ii)約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを有するニート低密度ポリエチレン、ニートポリプロピレン又はニートエチレン酢酸ビニルから選択されるコーティング材料を提供するステップと、
(iii)接着剤がコーティング材料によって実質的に囲まれたストランドを形成するように(i)と(ii)の両方を共押出するステップと、
(iv)場合により、(例えば、組成物を回転刃に通して、ホットメルトリボンを切断して結果として生じる個々の形態を形成することによって)接着剤の得られたコーティングストランドを切断するステップと、
(v)場合により液体冷却媒体又は循環乾燥空気によって個々を冷却することによって、個々を凝固させるステップと
を含む、共押出法によって得られる。
【0048】
本発明によると、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)を共押出ヘッドを通して吸い上げ、共押出コーティング(b)を共押出コーティング(b)がカバーシートとして接着剤組成物(a)を実質的に覆うように接着剤組成物(a)に添加する方法によって得られる共押出パッケージ入りホットメルト感圧接着剤であって;ホットメルト感圧接着剤組成物が約20〜約70の間の平均貫入数(PZ)を有するホットメルト感圧接着剤。
【0049】
一実施形態では、共押出パッケージ入りホットメルト感圧接着剤が複数の個々の形態として提供される。別の実施形態では、パッケージ入り接着剤の複数の個々の形態が、パッケージ入り接着剤を溶融システムに運搬し、次いで、溶融システムで溶融状態に加熱し、基材に塗布する接着剤適用工程に使用される。更に別の実施形態では、複数の個々の形態が溶融システムに入る前に融合しない、及び/又は、機械的に分離できて個々の形態の自由流動性を誘導する。別の実施形態では、複数の個々の形態が真空運搬、管状ドラッグ運搬、ビッグバッグ運搬(big bag conveying)及びメルトオンデマンド(melt on demand)運搬からなる群から選択される運搬システムによって溶融システムに運搬される。異なる実施形態では、複数の個々の形態が複数の形態を溶融システムに自動的に分配する分配システムによって溶融システムに運搬される。
【0050】
本発明の別の態様では、パッケージ入りホットメルト感圧接着剤の複数の個々の形態を含む接着剤含有容器は、ボックス、プラスチックバッグ、ポーチ、ビッグバッグ及びスーパーサックからなる群から選択され;ホットメルト感圧接着剤が約20〜約70の間の平均貫入数(PZ)を有する。
【0051】
本発明の好ましい使用では、パッケージ入りホットメルト接着剤が衛生及びサニタリー用品、不織物品、ラベリング、弾性積層、建築積層の製造に、又は、位置決め接着剤として使用される。好ましくは、パッケージ入りホットメルト接着剤がおむつ、成人用失禁装置、生理用ナプキン、医療用ドレープ及び積層構造、例えば、テープ及びラベルの製造も含む不織衛生用品の製造に使用される。
【0052】
一態様では、本発明は、本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤の複数の個々の形態を含む接着剤含有容器であって、ボックス、好ましくはプラスチックバッグ、ポーチ、ビッグバッグ及びスーパーサックの少なくとも1つから選択される容器に関する。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の一態様では、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)と、約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを有するニート低密度ポリエチレン、ニートポリプロピレン又はニートエチレン酢酸ビニルからなる共押出コーティング(b)とを備えるパッケージ入りホットメルト接着剤が提供される。
【0055】
本発明のさらなる態様では、パッケージ入り接着剤が、溶融し、基材に塗布される前に自由流動性及び空気運搬可能な形態で溶融システムに運搬される接着剤適用工程に使用され得る本発明によるパッケージ入り接着剤の複数の個々の形態が提供される。
【0056】
以下で、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)及び共押出コーティング(b)、及びパッケージ入りホットメルト接着剤、例えば、個々の形態のブロッキング防止特性、並びに、前記パッケージ入りホットメルト接着剤を含む個々の形態をより詳細に記載する。
【0057】
特に指定しない限り、以下の略語及び定義を本発明の文脈で使用する。
【0058】
不定冠詞「一つの(a)」又は「一つの(an)」は、前記冠詞の後の用語によって示される種の1つ又は複数を意味する。例えば、「個々の形態」は1つ又は複数の個々の形態を包含する。
【0059】
本出願の文脈における「約」という用語は、「約」という用語の直後に列挙されている値の15%(±15%)以内の値を意味し、この範囲内の任意の数値、この範囲の上限に等しい値(すなわち、+15%)及び下限に等しい値(すなわち、−15%)を含む。例えば、「約100」という句は、85及び115を含む85〜115の間のいずれの数値も包含する(100%の上限を常に有する「約100%」は除く)。さらなる例外は、0又は0%の下限を常に有する「約0」又は「約0%」という句である。好ましい態様では、「約」が±10%、更により好ましくは±5%、更により好ましくは±1%又は±1%未満を意味する。
【0060】
ホットメルト感圧接着剤組成物(a)及び共押出コーティング(b)を含むパッケージ入りホットメルト接着剤に添加される特定の成分の量は、以下の比:重量%=(特定の成分のg)/(特定の成分を含む組成物のg)によって定義される重量/重量百分率として定義され得る。例えば、パッケージ入りホットメルト接着剤100g中可塑剤2.5gを使用する場合、これにより可塑剤2.5重量%(2.5/100)の比が得られる。
【0061】
本発明の目的のために、「ホットメルト」又は「ホットメルト組成物」という用語は、室温、例えば、約20℃〜約25℃の間の温度でいくぶん固体の無溶媒生成物を指す。加熱すると、ホットメルトは粘着性、好ましくは液体(溶融)になり、例えば、基材に塗布して接着面を得ることができる。
【0062】
本発明のホットメルト接着剤組成物(a)はホットメルト「感圧接着剤」組成物である。「感圧接着剤」という用語は、室温で激しくかつ永続的に粘着性であり、指又は手圧以上を必要とせず、接触のみで種々の異なる表面に堅く接着する接着剤、すなわち、冷却する場合を含めて時間と共に表面粘着性を保持するホットメルト接着剤組成物を意味する。
【0063】
A.ホットメルト感圧接着剤組成物(a)
ホットメルト感圧接着剤は、典型的には少なくとも1種の熱可塑性ベースポリマー、少なくとも1種の可塑剤及び少なくとも1種の粘着付与剤を含む。
【0064】
一般的に、本発明のホットメルトは、1種又は複数の粘着付与樹脂、可塑剤又は油及び場合によりワックスに加えて、慣用的な添加剤及び補助剤、例えば、安定剤、抗酸化剤、顔料、UV安定剤又は吸収剤、充填剤等を更に含む。ホットメルト接着剤に使用される材料は知られている。
【0065】
本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤は、パッケージ入りホットメルト接着剤の接着特性を主に決定するホットメルト感圧接着剤組成物(a)を含む。
【0066】
ホットメルト感圧接着剤組成物(a)はベースポリマーを含む。本発明は、使用されているベースポリマーに関して特に限定されない。むしろ、原則としてホットメルト組成物に使用することができるいずれのポリマーも本発明により適している。典型的には、ベースポリマーは、例えば、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー又はポリオレフィン/α−オレフィンインターポリマー、並びに、非晶性ポリ−α−オレフィン、例えば、アタクチックプロピレン、並びに、プロピレンとエチレン、ブテン、ヘキセン及びオクテンのコポリマー、又は、エチレン及びプロピレンホモ−又はコポリマー、並びに、これらの混合物から選択される熱可塑性ポリマーを含む。ポリアミド及びポリエステル、ポリウレタン、又は、合成ゴム、例えば、スチレンブロックコポリマーも有用である。
【0067】
ホットメルト感圧接着剤組成物(a)は、好ましくは少なくとも1種のエチレンポリマーを含み、2種以上のポリマーのブレンドを含んでもよい。本明細書で使用されるエチレンポリマーという用語は、エチレンのホモポリマー、コポリマー及びターポリマーを指す。
【0068】
本発明では、ベースポリマーがエチレンコポリマーからなる群から選択され得る。好ましい実施形態では、ベースポリマーがエチレン酢酸ビニル、エチレンメチルアクリレート、エチレンn−ブチルアクリレート、エチレンn−ヘキシルアクリレート、エチレン−2−エチルヘキシルアクリレート、エチレンブテン、エチレンオクテン、エチレンアクリル酸又はエチレンメタクリル酸コポリマーとして選択される。更により好ましくは、ベースポリマーがエチレン−オクテンコポリマーとして選択される。
【0069】
また、ベースポリマーがポリオレフィン/α−オレフィンインターポリマー、特にエチレンコポリマー、例えば、エチレン−オクテンからなる群から選択される。エチレンオクテン等の特に好ましいポリマーは、約0.1g/10分〜約4000g/10分の間、好ましくは約1g/10分〜約10g/10分の間、最も好ましくは約5g/10分のメルトフローインデックスを有する。エチレンオクテン等の特に好ましいポリマーは、約0.7g/cm
3〜約1.0g/cm
3の間、好ましくは約0.8g/cm
3〜約0.9g/cm
3の間、最も好ましくは約0.87g/cm
3の密度を有する。2種以上のコポリマーを使用してポリマーのメルトフローインデックス及び密度を最適化してもよい。エチレンコポリマーの好ましい例としては、Dow Chemical Company、米国から入手可能なENGAGE 8200が挙げられる。第1のポリマーに加えて第2のポリマーを添加して特性を更に最適化してもよい、例えば、エチレン酢酸ビニルポリマーをエチレンオクテンと組み合わせて使用してもよい。
【0070】
本発明の別の選択肢では、ベースポリマーが低分子量ポリプロピレンポリマーとして選択され得る。これらのベースポリマーは、プロピレンのホモポリマーであっても、プロピレンと1種又は複数のα−オレフィンコモノマー、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンのコポリマーであってもよい。本発明の範囲内の低分子量ポリプロピレンポリマーの平均分子量は、約4000g/mol〜約150000g/molの間、好ましくは約10000g/mol〜約100000g/molの間、より好ましくは約30000g/mol〜約60000g/molの間、最も好ましくは約45000g/molの範囲にあり得る。前記ポリマーは約80℃〜約170℃の間、好ましくは約90℃のビカット軟化点を有し得る。ポリプロピレンポリマーは、通常はっきり定義された融点を有さず主に非晶質である。ポリプロピレンホモポリマー又はプロピレンのコポリマーの好ましい例としては、EXXON MOBILE CHEMICALS、米国から入手可能なVISTAMAX 6202及びIdemitsu Kosan Co.、日本から入手可能なMODU S-400が挙げられる。
【0071】
本発明のホットメルト組成物に有用となり得る他のポリマーには、エチレンのホモポリマー及びと少なくとも1種のC
2〜C
20−α−オレフィンとのインターポリマーを含む、エチレン、プロピレン又はブタンのホモポリマー及びインターポリマーを含む、いわゆるメタロセン又はシングルサイト触媒ポリマーが含まれる。好ましい選択肢では、基礎ポリマーがメタロセン−合成低分子量ポリプロピレンポリマーとして選択される。メタロセンポリマーは、拘束幾何学又はシングルサイトメタロセン触媒を用いて調製される。有用なメタロセンポリマーには、例えば、エチレン/α−オレフィン/ジエンターポリマーを含む、例えば、エチレンと少なくとも1種のC
3〜C
20−α−オレフィンのインターポリマーである均質鎖状又は実質的鎖状ポリマーが含まれる。メタロセンポリマーに関して使用される「均質」という用語は、いずれのコモノマーも所与のインターポリマー分子中にランダムに分布しており、インターポリマー分子の実質的に全てがそのインターポリマー中に同じエチレン/コモノマー比を有することを示す。鎖状エチレンインターポリマーは、炭素1000個当たり0.01個未満の長鎖分岐で置換されたインターポリマー骨格を有するインターポリマーである。実質的鎖状エチレンインターポリマーは、長鎖分岐を含むインターポリマーである。長鎖分岐は、ポリマー骨格と同じコモノマー分布を有し、ポリマー骨格の長さとほぼ同じ長さほど長くてもよい。適当な実質的鎖状エチレンインターポリマーは、炭素1000個当たり約0.1個〜約3個の長鎖分岐で置換されたポリマー骨格を有する。エチレンインターポリマーの調製に使用される有用なC
3〜C
20−α−オレフィンには、例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン及びこれらの組み合わせが含まれる。特にエチレン/α−オレフィン/ジエンターポリマーの製造にコモノマーとして適したジエンは、典型的には6〜15個の炭素原子を有する非共役ジエンである。適当な非共役ジエンの有用な例としては、(1)例えば、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘプタジエン及び1,6−オクタジエンを含む直鎖非環式ジエン;(2)例えば、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメ
チル−1,6−オクタジエン及び3,7−ジメチル−1,7−オクタジエンを含む分岐鎖非環式ジエン、(3)例えば、4−ビニルシクロヘキセン、1−アリル−4−イソプロピリデンシクロヘキサン、3−アリルシクロペンテン、4−アリルシクロヘキセン及び1−イソプロペニル−4−ブテニルシクロヘキセンを含む単環非環式ジエン;及び(4)例えば、ジシクロペンタジエン、並びに、例えば、5−メチレン−2−ノルボラエン、5−メチレン−6−メチル−2−ノルボルネン、5−メチレン−6,6−ジメチル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−(3−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン及び5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネンを含むシクロアルキリデン置換ノルボルネンを含む多環非環式縮合及び架橋環ジエンが挙げられる。有用な均質鎖状又は実質的鎖状エチレンポリマーは、例えば、1.5〜3.5又は1.8〜2.8さえ含む狭い分子量分布(M
w/M
n)を有する。
【0072】
有用なメタロセンポリマーの例は、米国特許第5,324,800号明細書、第5,548,014号明細書、第5,530,054号明細書及び第6,207,748号明細書に記載されており、本明細書に組み込まれる。
【0073】
有用なメタロセンポリマーはDow Chemical Company(ミッドランド、ミシガン)からEG 8200ポリオレフィンプラストマーを含むAFFINITYシリーズの商品表示で商業的に入手可能であり、鎖状エチレンポリマーはExxonMobil(テキサス)からEXACTシリーズの商品表示で商業的に入手可能である。
【0074】
メタロセンポリマーは、好ましくは約0重量%〜約80重量%、約5重量%〜約70重量%、約10重量%〜約60重量%又は約15重量%〜約50重量%の量でホットメルト接着剤組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、ホットメルト接着剤組成物中に存在するメタロセンポリマーの量がより多く、好ましくは最大約90重量%で、より好ましくはホットメルト接着剤組成物がニートメタロセンポリマーであり得る。
【0075】
接着剤組成物(a)中に存在するメタロセンポリマーは、ある程度の結晶化度を示し得る。例えば、いくつかのグレードの低い程度の結晶化度を有する商業的低分子量ポリプロピレンポリマーが存在する。好ましくは、接着剤組成物(a)が低い程度の結晶化度を有し、本発明による共押出コーティング(b)が高い程度の結晶化度を有する。
【0076】
共押出コーティング(b)と一緒に感圧ホットメルト接着剤組成物(a)に使用するのに適した熱可塑性ベースポリマーの他の1クラスは、熱可塑性エラストマーである。適当な熱可塑性エラストマーには、ビニル芳香族化合物を含む少なくとも1つのAブロックと、水素化、非水素化共役ジエン及びこれらの組み合わせを含むエラストマー共役ジエンを含む少なくとも1つのBブロックとを有するブロックコポリマーが含まれる。AブロックとBブロックは、得られたコポリマーがランダム、ブロック、直鎖、分岐、ラジカル又はこれらの組み合わせとなるような任意の結合様式で互いに結合してよい。ブロックコポリマーは、例えば、鎖状A−Bブロック、鎖状A−B−Aブロック、鎖状A−(B−A)n−Bマルチブロック及び放射状(A−B)n−Yブロック(Yは多価化合物であり、nは少なくとも3の整数である)、テトラブロックコポリマー、例えば、A−B−A−B及びA−B−A−B−Aの構造を有するペンタブロックコポリマーを含むいずれかの形態を示すことができる。接着剤組成物は少なくとも2種の異なるブロックコポリマーのブレンドを含むことができる。
【0077】
有用なビニル芳香族化合物には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、ジフェニルエチレン(スチルベンを含む)、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルトルエン(メチルスチレンのメタ異性体とパラ異性体の混合物)、ビニルキシレン及びこれらの組み合わせが含まれる。適当な共役ジエンには、例えば、ブタジエン(例えば、ポリブタジエン)、イソプレン(例えば、ポリイソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン及びこれらの組み合わせ、並びに、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン及びこれらの組み合わせを含むその水素化バージョンが含まれる。
【0078】
有用なブロックコポリマーは、約0重量%〜約50重量%の間、約5重量%〜約50重量%の間、約15重量%〜約35重量%の間又は約20重量%〜約30重量%の間の量のポリビニル芳香族を含む。適当なブロックコポリマーは、ASTM-D 1238によって決定される約3g/10分〜約50g/10分の間、又は、約5g/10分〜約20g/10分の間のメルトフローインデックスを有する。
【0079】
Aブロックは、少量(例えば、Aブロックの重量基準で10重量%以下)の、例えば、1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテル、メチルメタクリレート、酢酸ビニル及びこれらの組み合わせを含むビニル芳香族化合物以外の不飽和モノマーに由来する構造単位も含むことができる。Bブロックは、少量(例えば、Bブロックの重量基準で10重量%以下)の、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、メチルビニルエーテル、スチレン、メチルメタクリレート及びこれらの組み合わせを含む共役ジエン以外の不飽和モノマーに由来する構造単位も含むことができる。
【0080】
有用なエラストマーポリマーには、例えば、ゴム(ポリイソプレン)、ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、ランダムスチレン−ブタジエンポリマー、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、マルチアーム型(multiarmed)及び反復スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−マルチアーム型スチレン−イソプレン(SI)
xブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー及びこれらの組み合わせが含まれる。
【0081】
有用なブロックコポリマーは、例えば、Shell Chemical Company(ヒューストン、テキサス)からKRATON D 1163及び1117並びにKRATON G 1652及び1726を含むKRATON D及びGシリーズの商品表示で、EniChem(ヒューストン、テキサス)からEUROPRENE Sol T商品表示で、Septon Company of America(パサデナ、テキサス)からSEPTON S 1001スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー並びにSEPTON 4030、4033、4044、4055及び4077ブロックコポリマーを含むSEPTON商品表示で、及びDexco(ヒューストン、テキサス)からVECTOR 4211スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーを含むVECTORシリーズの商品表示で商業的に入手可能である。
【0082】
エラストマーは、約0重量%〜約35重量%の間、約5重量%〜約35重量%の間、約10重量%〜約30重量%の間又は約15重量%〜約25重量%の間の量で接着剤組成物中に存在する。
【0083】
或いは、ベースポリマーは、合成ゴムからなる群から選択され得る。好ましくは、ベースポリマーがブタジエンスチレン、スチレン−アクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン(SI)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)又はスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)からなる群から選択される。より好ましくは、ベースポリマーがスチレン−イソプレン(SI)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)又はスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)からなる群から選択される。
【0084】
好ましい実施形態では、合成ゴムが約0.1g/10分〜約4000g/10分の間、好ましくは約10g/10分〜約60g/10分の間、最も好ましくは約25g/10分〜約40g/10分の間のメルトフローインデックスを有する。スチレン−イソプレン(SI)又はスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)等の特に好ましいポリマーは、約0.8g/cm
3〜約1.0g/cm
3の間、好ましくは約0.92g/cm
3〜約0.96g/cm
3の間の密度を有する。2種以上のスチレン−イソプレン(SI)又はスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)を使用してポリマーのメルトフローインデックス及び密度を最適化してもよい。スチレン−イソプレン(SI)又はスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)の好ましい例としては、Kraton Polymers、米国から入手可能なKRATON D1117及びKRATON D11161 NS、Dexco Polymers、米国製のVECTOR 4114A及びVECTOR 4411 Aが挙げられる。
【0085】
本発明によるベースポリマーを、例えば、少なくとも1個の官能基を有する(コ)モノマーを用いて、例えば、カルボン酸、ジカルボン酸、有機エステル、有機無水物、有機アルコール、有機酸ハロゲン化物、有機過酸化物、アミド又はイミドによって官能化された不飽和モノマーによって、官能化してもよい。
【0086】
本発明の目的は、ここに硬度と呼ばれる接着剤の構造的抵抗性の増加をもたらすパッケージ入りホットメルト接着剤を提供することである。
【0087】
特定の材料の硬度の大きさは、規定寸法の加重針を特定の試験条件下で、例えば、規定の温度で材料に貫入させることによって得られる。貫入数(PZ)は通常、所与の時間に針が貫入した深さの単位数として記録される。特定の材料が硬いほど、その貫入数は小さくなる。本発明による貫入数は、25℃の温度でDIN 51579に記載される試験手順にしたがって針貫入により測定される(実施例節も参照)。
【0088】
本発明によると、パッケージ入りホットメルト接着剤が約5〜約200の間、好ましくは約10〜約100の間、より好ましくは約15〜約80の間、最も好ましくは約20〜約70の間の平均貫入数(PZ)を有する。
【0089】
本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤の特性を決定するための別のパラメータは粘度である。典型的には、粘度は非ニュートン粘度特性を部分的に示す。これは、粘度が所与の範囲のせん断速度にわたって一定のままでないことを意味する。ポリマー粘度率は、典型的には前記粘度率が測定された対応する温度と相関すると言われている。本発明によるポリマー粘度は方法ASTM D-3236によって測定される(実施例節も参照)。
【0090】
本発明によるホットメルト感圧接着剤組成物(a)を、適当な粘度を示すように配合することができる。本発明による有用なパッケージ入りホットメルト接着剤は、約200mPas〜約20000mPasの間、好ましくは約500mPas〜約10000mPasの間、より好ましくは約100mPas〜約5000mPasの間、最も好ましくは約2000mPas〜約4000mPasの間の150℃で測定される粘度を示す。
【0091】
本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤は、典型的には異なる材料からなり、同様に異なる粘度を有し得る、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)と、共押出コーティング(b)とを含む。
【0092】
本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤は種々のパラメータによって特徴付けられる。本発明によるパッケージ入り接着剤の融点は、リングアンドボール法(DIN EN 1427)(実施例節参照)によって測定される。
【0093】
本発明によるパッケージ入り接着剤は、約60℃〜約130℃の間、好ましくは約70℃〜110℃の間のDIN EN 1427による融点を有し得る。
【0094】
また、本発明によるパッケージ入り接着剤は、約0.80g/cm
3〜約1.00g/cm
3の間、好ましくは約0.85g/cm
3〜約0.95g/cm
3の間、より好ましくは約0.91g/cm
3の密度を有し得る。
【0095】
ホットメルト感圧接着剤組成物(a)を含むパッケージ入りホットメルト接着剤は、粘着付与剤、可塑剤、安定剤、抗酸化剤、顔料、染料、紫外線吸収剤、防滑剤及びこれらの組み合わせ等のさらなる任意の添加剤を更に含んでもよい。
【0096】
本発明の一態様では、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)と、共押出コーティング(b)とを含むパッケージ入りホットメルト接着剤が1種又は複数の可塑剤を更に含む。
【0097】
適当な可塑剤には、ナフテン系油、パラフィン系油(例えば、シクロパラフィン油)、鉱物系油、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、オレフィンオリゴマー(例えば、ポリプロピレン、ポリブテン及び水素化ポリイソプレンのオリゴマー)、ポリブテン、ポリイソプレン、水素化ポリイソプレン、ポリブタジエン、安息香酸エステル、動物油、植物油(例えば、ヒマシ油、大豆油)、油の誘導体、脂肪酸のグリセロールエステル、ポリエステル、ポリエーテル、乳酸誘導体及びこれらの組み合わせが含まれ得る。本発明の意味における「可塑剤」は、典型的には熱可塑性物質、ゴム及び他の樹脂に添加して完成接着剤の押出性、可撓性、加工性及び伸縮性を改善することができる有機組成物である。周囲温度で流動し、ブロックコポリマーと適合性のいずれの材料も有用となり得る。最も一般的に使用されている可塑剤は、主に芳香族含量が低く、パラフィン又はナフテンの性質である炭化水素油である油である。油は、好ましくは揮発性が低く、透明であり、可能な限り色及び臭気が少ない。更に、オレフィンオリゴマー、低分子量ポリマー、植物油及びその誘導体並びに類似の可塑化油を可塑剤として使用してもよい。
【0098】
また、可塑剤は、Nynas AB、スウェーデンから入手可能なNYFLEX 222B及びPetrochem Carless Ltd.、英国から入手可能なKRYSTOL 550等のナフテン系プロセス油及びパラフィン系プロセス油からなる群から選択され得る。
【0099】
有用な商業的に入手可能な可塑剤には、Sonneborn(タリータウン、ニューヨーク)製のKAYDOL OIL、Exxon Mobil Chemical Company(ヒューストン、テキサス)製のPARAPOLポリブテン、BASF(Ludwigsjhafen、ドイツ)製のOPPANOLポリイソブチレン、Petrochem Carless Limited(Surrey、英国)製のKRYSTOL 550鉱物油及びPetro Canada Lubricants Inc.(Mississauga、オンタリオ)製のPURETOL 15鉱物油が含まれる。
【0100】
好ましくは、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)中の可塑剤の量が、パッケージ入りホットメルト接着剤の総重量に関して、約30重量%未満、より好ましくは約20重量%未満、更により好ましくは約15重量%未満、更により好ましくは約10重量%未満、最も好ましくは約5重量%未満である。
【0101】
ホットメルト感圧接着剤組成物(a)と、共押出コーティング(b)とを含むパッケージ入りホットメルト接着剤は1種又は複数の粘着付与剤を更に又は代わりに含んでもよい。
【0102】
粘着付与剤を、バルクハンドリング(bulk handling)のための安定性を改善するために少なくとも部分的に水素化することができる。有用な粘着付与剤は、約140℃未満、約130℃未満、約100℃未満又は約100℃〜約140℃の間のリングアンドボール軟化点を有する。粘着付与剤は室温で流体又は固体であり得る。粘着付与剤の適当なクラスには、例えば、芳香族、脂肪族及び脂環式炭化水素樹脂、混合型芳香族及び脂肪族修飾炭化水素樹脂、芳香族修飾脂肪族炭化水素樹脂並びにこれらの水素化バージョン;テルペン、修飾テルペン及びこれらの水素化バージョン;天然ロジン、修飾ロジン、ロジンエステル及びこれらの水素化バージョン;低分子量ポリ乳酸;及び、これらの組み合わせが含まれる。有用な天然及び修飾ロジンの例としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水素化ロジン、二量体化ロジン及び重合ロジンが挙げられる。有用なロジンエステルの例としては、例えば、ペールウッドロジン(pale wood rosin)のグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、天然及び修飾ロジンのペンタエリトリトールエステル(ペールウッドロジンのペンタエリトリトールエステル、水素化ロジンのペンタエリトリトールエステル、トール油ロジンのペンタエリトリトールエステル及びロジンのフェノール修飾ペンタエリトリトールエステルを含む)が挙げられる。
【0103】
有用なポリテルペン樹脂の例としては、約10℃〜約180℃のDIN EN 1427(リングアンドボール法)によって測定される融点を有するポリテルペン樹脂、水素化ポリテルペン樹脂並びに天然テルペンのコポリマー及びターポリマー(例えば、スチレン−テルペン、α−メチルスチレン−テルペン及びビニルトルエン−テルペン)が挙げられる。有用な脂肪族及び脂環式石油炭化水素樹脂の例としては、約10℃〜約140℃のリングアンドボール軟化点を有する脂肪族及び脂環式石油炭化水素樹脂(例えば、分岐及び非分岐のC5樹脂、C9樹脂及びC10樹脂)並びにこれらの水素化誘導体が挙げられる。
【0104】
有用な粘着付与剤は、例えば、Exxon Mobil Chemical Company(ヒューストン、テキサス)からESCOREZ 1310 LC、ESCOREZ 5400、ESCOREZ 5415、ESCOREZ 5600、ESCOREZ 5615及びESCOREZ 5690を含むESCOREZシリーズの商品表示、Eastman Chemical(キングスポート、テネシー)からEASTOTAC H-100R、EASTOTAC H-100L及びEASTOTAC H130Wを含むEASTOTACシリーズの商品表示、Cray Valley HSC(エクストン、ペンシルバニア)からWINGTACK 86、WINGTACK EXTRA及びWINGTACK 95を含むWINGTACKシリーズの商品表示、Eastman Chemical Company(キングスポート、テネシー)から例えば、PICCOTAC 8095及びKRISTALEX 3100を含むPICCOTAC及びKRISTALEXシリーズの商品表示、Arakawa Europe GmbH、ドイツからARKON M-100の商品表示、Kolon Industries Inc.、韓国からSUKOREZ SU-100の商品表示、及び、Arizona Chemical、米国からSYLVARES 7115及びSYLVARES SA 140の商品表示を含む種々の商品表示で商業的に入手可能である。
【0105】
好ましくは、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)中の粘着付与剤の量が、パッケージ入り接着剤の総重量に関して、約5重量%〜約75重量%の間、好ましくは約10重量%〜約60重量%の間、より好ましくは約15重量%〜約50重量%の間である。
【0106】
ホットメルト感圧接着剤組成物(a)と、共押出コーティング(b)とを含むパッケージ入りホットメルト接着剤は1種又は複数の抗酸化剤及び/又は複数の安定剤を更に又は代わりに含んでもよい。
【0107】
有用な抗酸化剤は、例えば、高分子量ヒンダードフェノール及び多官能フェノールである。有用な安定剤は、例えば、トリス−(p−ノニルフェニル)−ホスファイト(TNPP)及びビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ジフェニレン−ジホスホニト等のホスファイト並びにジ−ステアリル−3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)である。有用な抗酸化剤は、例えば、Ciba(タリータウン、ニューヨーク)からIRGANOX 1010を含む商品表示IRGANOX、及びMayzo, Inc.(ノークロス、ジョージア)からBXN 1010を含む商品表示BNXで商業的に入手可能である。有用な防滑剤は、例えば、シリコーン油である。その例は、例えば、商品表示Tegiloxanで商業的に入手可能であり、Goldschmidt Industrial Specialtiesから入手可能である。
【0108】
ホットメルト感圧接着剤組成物(a)中の抗酸化剤及び/又は安定剤の量は、パッケージ入りホットメルト接着剤の総重量に関して、約0.1重量%〜約5.0重量%の間、更には約0.1重量%〜約3.0重量%の間、より好ましくは約0.1重量%〜約2.0重量%の間、更により好ましくは約0.2重量%未満及び約1重量%となり得る。
【0109】
B.共押出コーティング(b)
本発明によると、パッケージ入りホットメルト接着剤は、パッケージ入りホットメルト接着剤のブロッキング防止特性を提供する共押出コーティング(b)を含む。
【0110】
本発明者らは、驚くべきことに、従来使用されている複合共押出材料の代わりに、ニートポリマーでできた本発明で定義される共押出コーティング(b)が、長期間にわたってパッケージ入りホットメルト接着剤、例えば、個々の形態の凝集を有効に防ぐことを見出した。更に、共押出コーティング(b)をホットメルト感圧接着剤組成物(a)に添加することによって、潜在的にブロッキングした個々の形態の容易な脱凝集が可能になる。共押出コーティング(b)が、典型的には特に高い周囲温度でいくらかの残留性又は永続的タックを有する、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー又はポリオレフィン/α−オレフィンインターポリマー、並びに、非晶性ポリ−α−オレフィンのブロッキング防止特性に特に有用であることも分かった。特に、本発明者らは、パッケージ入りホットメルト接着剤の共押出コーティング(b)のブロッキング防止特性が、ホットメルトを例えば、保管又は輸送中により高い周囲温度(例えば、約25℃〜約70℃の間)にさらしても、悪影響を受けないことを見出した。これにより、本発明の共押出コーティング(b)のブロッキング防止特性が極めて信頼できるものとなる。
【0111】
ブロッキング防止特性を有するホットメルト感圧接着剤を提供するために、粉末状コーティング材料又は複合共押出コーティングが慣用的に適用されている。
【0112】
粉末状コーティング材料は、慣用的に接着剤形成後のその後のステップでホットメルト感圧接着剤に加えられている。粉末状コーティング材料を含むホットメルト感圧接着剤の主な課題は、粉末状コーティング材料の成分の接着剤への拡散が時間と共に起こり得ることである。成分の接着剤へのこのような拡散によって、接着剤の組成が有意に変化し、これが今度は接着剤の機能的特性を損なうおそれがあり、ブロッキング防止特性が長期保管中に失われる。
【0113】
いくつかの複合共押出コーティングが知られている。複合共押出コーティングは、典型的には接着剤組成物と共押出され、典型的にはその組み合わせでホットメルト感圧接着剤のブロッキング防止及びタッキング防止特性を提供する種々の成分からなる。複合共押出コーティングの成分の移動による問題は、粉末状コーティング材料と比べて生じる程度が少ないが、複合共押出コーティングからホットメルト感圧接着剤組成物への成分の移動が、特に長期保管中の複合共押出コーティングの大きな問題をもたらし続けている。
【0114】
本発明による共押出コーティング(b)は、粉末状コーティング材料又は複合共押出コーティング等の、対応する接着剤組成物に慣用的に添加されている慣用的に使用されているブロッキング防止添加剤と比べて、有意な利点を提供する。異なるシステム間の主な差異は、本発明による共押出コーティング(b)が、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)をコーティング(b)と一緒に共押出することによって、共押出工程中にホットメルト感圧接着剤組成物(a)に適用されることである。これにより、本発明による共押出工程はブロッキング防止剤を添加する追加のステップを要さず、代わりに一段階工程での本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤の提供が可能となる。
【0115】
本発明の共押出コーティング(b)の別の重要な態様は、コーティングが「ニート」ポリマーからなることである。
【0116】
特定の理論に拘束されるものではないが、共押出コーティング(b)のブロッキング防止特性の有効性は、ニートコーティングフィルム材料の化学的及び物理的特性の結果であると考えられる。このことは、共押出コーティング(b)が保管中に時間と共にしみ込まず、接着剤成分のコーティングへの移動が回避されるという事実によって裏付けられる。また、ニートポリマー押出コーティングを用いることにより、コーティング組成物の成分の接着剤への移動によるコーティングのブロッキング防止特性の劣化が排除される。この点について、高い室温(25〜70℃)での保管中に従来の粉末状コーティングホットメルト組成物は、タック防止粉末を「吸収する」傾向があるので、タック防止有効性が劣化することが注目される。これは、共押出コーティング(b)では起こらないことが観察された。
【0117】
更に、シリカ等の従来のブロッキング防止剤のいくつかは、潜在的に有害である、又は深刻な健康問題、例えば、肺又は呼吸系の問題を引き起こし得る可吸入粉塵を作り出す。共押出コーティング(b)は吸入可能でない。これにより、健康リスク並びにフィルタ及び空気洗浄装置の費用が低下する。結果として、共押出コーティング(b)は、パッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態のためのブロッキング防止剤として、シリカに対する好ましく、環境に優しくかつ安全な代替を提供する。
【0118】
以前使用されていたタック防止コーティングと比べた「ニート」コーティングポリマーの具体的な利点は、均一な「ニート」コーティング材料を設計及び製造することができ、これを異なる接着剤組成物に適用することができることである。従来のタック防止コーティングは、前記タック防止コーティング中に存在する成分の種類及び量を、特定の特性に合うように接着剤組成物の各個々の種類用に別々に調節しなければならないという欠点を有している。対照的に、本発明による「ニート」コーティングポリマーは、接着剤組成物中に拡散しない単一成分を包含しているので、事前設計及び大量に製造することができ、その後、多種多様な異なる接着剤組成物に適用することができるだろう。そのため、本発明による「ニート」コーティングポリマーの使用によって、パッケージ入りホットメルト接着剤に共押出コーティングを提供する資源及びコスト効率的な方法が提供される。
【0119】
本発明の一態様では、パッケージ入りホットメルト接着剤がホットメルト感圧接着剤組成物(a)と、約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックス(ASTM D 1238−190°C、2.16kgs)を有するニート低密度ポリエチレン、ニートポリプロピレン又はニートエチレン酢酸ビニルからなる共押出コーティング(b)とを含む。
【0120】
ニートポリマーを指す、本発明による「ニート」という用語は、明言しているポリマーのほかにいかなる追加のポリマーも含まない、もっぱら1種のポリマーを包含する。これにより、ポリマーと追加のコポリマー又は添加剤のいずれのブレンドも、本発明による「ニート」ポリマーの定義から除外される。
【0121】
本発明による「ニート」低密度ポリエチレンコーティング(b)は、約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを有する低密度ポリエチレンを指す。前記「ニート」低密度ポリエチレンは、約0.80g/cm
3〜約1.00g/cm
3の間、好ましくは約0.85g/cm
3〜約0.95g/cm
3の間、より好ましくは約0.90g/cm
3〜約0.93g/cm
3の間、更により好ましくは約0.91g/cm
3〜約0.92g/cm
3の間、最も好ましくは約0.92g/cm
3の室温密度を有する。前記「ニート」低密度ポリエチレンは、Exxon Mobil法にしたがって測定された約60℃〜約130℃の間、好ましくは約80℃〜110℃の間、最も好ましくは約95℃〜約110℃の間の融点を有する。
【0122】
好ましくは、「ニート」低密度ポリエチレンコーティング(b)は、約20g/10分〜約120g/10分の間、好ましくは約20g/10分〜約60g/10分の間、より好ましくは約26g/10分〜約40g/10分の間のメルトフローインデックスを有する低密度ポリエチレンを含む。
【0123】
或いは、「ニート」低密度ポリエチレンコーティング(b)は、約120g/10分〜約300g/10分の間、好ましくは約140g/10分〜約160g/10分の間、より好ましくは約150g/10分のメルトフローインデックスを有する低密度ポリエチレンを含んでもよい。
【0124】
約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを有するニート低密度ポリエチレンコーティング(b)を本発明による任意のホットメルト感圧接着剤組成物(a)、好ましくはポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、ポリオレフィン/α−オレフィンインターポリマーから選択され、より好ましくはエチレン及びプロピレンホモ−又はコポリマーからなる群から選択されるベースポリマーを含む接着剤組成物(a)と組み合わせてもよい。
【0125】
同様に好ましくは、本発明によるニート低密度ポリエチレンコーティング(b)をメタロセン−合成ポリマー、好ましくはメタロセン−合成エチレン若しくはプロピレンホモ−又はコポリマー、より好ましくはメタロセン−合成プロピレンポリマーとして選択されるベースポリマーを含む接着剤組成物(a)と組み合わせてもよい。
【0126】
同様に好ましくは、本発明によるニート低密度ポリエチレンコーティング(b)をエチレン酢酸ビニルとして選択されるベースポリマーを含む接着剤組成物(a)と組み合わせてもよい。
【0127】
同様に好ましくは、本発明によるニート低密度ポリエチレンコーティング(b)を合成ゴムから選択されるベースポリマーを含む接着剤組成物(a)と組み合わせてもよい。
【0128】
本発明による「ニート」ポリプロピレンコーティング(b)はまた、約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを有するポリプロピレンを指し得る。前記「ニート」ポリプロピレンは、約0.80g/cm
3〜約1.00g/cm
3の間、好ましくは約0.85g/cm
3〜約0.95g/cm
3の間、より好ましくは約0.88g/cm
3〜約0.92g/cm
3の間、更により好ましくは約0.89g/cm
3〜約0.91g/cm
3の間、最も好ましくは約0.90g/cm
3の室温密度を有する。
【0129】
場合により、「ニート」ポリプロピレン(b)は、約50g/10分〜約150g/10分の間、好ましくは約80g/10分〜約120g/10分の間、より好ましくは約100g/10分のメルトフローインデックスを有するポリプロピレンを指し得る。
【0130】
約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを有するニートポリプロピレンコーティング(b)を本発明による任意のホットメルト感圧接着剤組成物(a)、好ましくはポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、ポリオレフィン/α−オレフィンインターポリマーから選択され、より好ましくはエチレン及びプロピレンホモ−又はコポリマーからなる群から選択されるベースポリマーを含む接着剤組成物(a)と組み合わせてもよい。
【0131】
同様に好ましくは、本発明によるニートポリプロピレンコーティング(b)をメタロセン−合成ポリマー、好ましくはメタロセン−合成エチレン若しくはプロピレンホモ−又はコポリマー、より好ましくはメタロセン−合成プロピレンポリマーとして選択されるベースポリマーを含む接着剤組成物(a)と組み合わせてもよい。
【0132】
同様に好ましくは、本発明によるニートポリプロピレンコーティング(b)をエチレン酢酸ビニルとして選択されるベースポリマーを含む接着剤組成物(a)と組み合わせてもよい。
【0133】
同様に好ましくは、本発明によるポリプロピレンコーティング(b)を合成ゴムから選択されるベースポリマーを含む接着剤組成物(a)と組み合わせてもよい。
【0134】
本発明による「ニート」エチレンポリ酢酸ビニル(EVA)コーティング(b)は、約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを有するエチレンポリ酢酸ビニルである。前記EVAポリマーは、約0.80g/cm
3〜約1.00g/cm
3の間、好ましくは約0.90g/cm
3〜約0.96g/cm
3の間、より好ましくは約0.91g/cm
3〜約0.95g/cm
3の間、最も好ましくは約0.935g/cm
3の室温密度を有する。エチレン酢酸ビニル中、酢酸ビニル含量は約2重量%〜約25重量%の間、好ましくは約5重量%〜約20重量%の間、より好ましくは約10重量%〜約15重量%の間である。前記「ニート」低密度エチレンポリ酢酸ビニルは、約60℃〜約130℃の間、好ましくは約70℃〜110℃の間、最も好ましくは約85℃〜約95℃の間の融点を有する。エチレン酢酸ビニルコポリマーの好ましい例としては、M. Hollandにより入手可能なAteva 1360が挙げられる。
【0135】
約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを有するニートエチレンポリ酢酸ビニルコーティング(b)を本発明による任意のホットメルト感圧接着剤組成物(a)、好ましくはポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、ポリオレフィン/α−オレフィンインターポリマーから選択され、より好ましくはエチレン及びプロピレンホモ−又はコポリマーからなる群から選択されるベースポリマーを含む接着剤組成物(a)と組み合わせてもよい。
【0136】
同様に好ましくは、本発明によるニートエチレンポリ酢酸ビニルコーティング(b)をメタロセン−合成ポリマー、好ましくはメタロセン−合成エチレン若しくはプロピレンホモ−又はコポリマー、より好ましくはメタロセン−合成プロピレンポリマーとして選択されるベースポリマーを含む接着剤組成物(a)と組み合わせてもよい。
【0137】
同様に好ましくは、本発明によるニートエチレンポリ酢酸ビニルコーティング(b)をエチレン酢酸ビニルとして選択されるベースポリマーを含む接着剤組成物(a)と組み合わせてもよい。
【0138】
本発明によると、共押出コーティング(b)は約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを有するニート低密度ポリエチレン、ニートポリプロピレン又はニートエチレン酢酸ビニルを含む。
【0139】
共押出コーティング材料のメルトフローインデックスはその物理特性と相関する。約20g/10分未満の低いメルトフローインデックスでは、共押出コーティング材料は高い粘度及び乏しい溶融挙動を示し、このことが部分的に不均質なメルトをもたらし、少なくとも部分的に接着剤成分の適切な混合を妨げる。
【0140】
他方、300g/10分超の高いメルトフローインデックスは対応するパッケージ入り接着剤の乏しいブロッキング防止特性、例えば、バリア特性と相関し、今度はこれが溶融工程中に凝集する傾向があり、自由流動性でない個々の形態をもたらす。
【0141】
そのため、ニート低密度ポリエチレン、ニートポリプロピレン又はニートエチレン酢酸ビニルコーティング材料の約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスは、コーティング(b)がその特性を示す最適範囲を網羅している。
【0142】
本発明者らは、驚くべきことに、共押出コーティング(b)が約20g/10分〜約80g/10分の間のメルトフローインデックスを含むニート低密度ポリエチレン、ニートポリプロピレン又はニートエチレン酢酸ビニルからなるパッケージ入りホットメルト接着剤が、優れたブロッキング防止特性、例えば、長期間自由流動性である又は実質的にタックフリー表面を有するパッケージ入りホットメルト接着剤の特定の形態を含むバリア特性を示すことを見出した。約20g/10分〜約80g/10分の間のメルトフローインデックスを含む前記共押出コーティング材料を、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)に添加してよい高い可塑剤含量と組み合わせることが有利となり得る。
【0143】
本発明では、本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤の共押出コーティング(b)が、約20g/10分〜約80g/10分の間、好ましくは約20g/10分〜約50g/10分の間、より好ましくは約20g/10分〜約30g/10分の間、最も好ましくは約20g/10分のメルトフローインデックスを含むニート低密度ポリエチレン、ニートポリプロピレン又はニートエチレン酢酸ビニルからなる。
【0144】
本発明者らは、驚くべきことに、約120g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを含むニート低密度ポリエチレン、ニートポリプロピレン又はニートエチレン酢酸ビニルからなるパッケージ入りホットメルト接着剤が、低い粘度及び最適な正常溶融挙動を示し、均質なメルトをもたらすことを見出した。約120g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを含む前記共押出コーティング材料を、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)に含めてよい少量の可塑剤と組み合わせることが有利となり得る。
【0145】
本発明では、本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤の共押出コーティング(b)が、約150g/10分〜約300g/10分の間、好ましくは約170g/10分〜約280g/10分の間、より好ましくは約180g/10分〜約250g/10分の間、最も好ましくは約220g/10分のメルトフローインデックスを含むニート低密度ポリエチレン、ニートポリプロピレン又はニートエチレン酢酸ビニルからなる。
【0146】
共押出コーティング(b)は、例えば、ホットメルトの個々の形態の表面上の塗膜層によって、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)の表面を少なくとも部分的に、好ましくは実質的に完全に覆う。本発明の目的のために、「少なくとも部分的に覆う」という用語は、個々の形態の表面の少なくとも10%、好ましくは25%超、より好ましくは50%超、最も好ましくは75%超又は90%超が本発明による共押出コーティング(b)によって覆われることを意味する。最も好ましくは、共押出コーティング(b)が、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)の表面を完全に覆う。
【0147】
特に、共押出コーティング(b)は、容易に溶融可能になる傾向がある結晶性材料からなる。好ましくは、共押出コーティング(b)が高い結晶化度を有する。
【0148】
一実施形態では、共押出コーティング(b)がパッケージ入りホットメルト接着剤の総重量に関して、約0.1重量%〜約5重量%の間の量で存在し得る。好ましくは、共押出コーティング(b)が約0.5重量%〜約3重量%の間の量で存在し得る。より好ましくは、共押出コーティング(b)が約1.0重量%〜約3.0重量%の間の量で存在し得る。更により好ましい実施形態では、共押出コーティング(b)が約1.5重量%〜約3.0重量%の間の量で存在し得る。更により好ましい実施形態では、共押出コーティング(b)が約1.5重量%〜約2.5重量%の間の量で存在し得る。最も好ましい実施形態では、共押出コーティング(b)がパッケージ入りホットメルト接着剤の総重量に関して、約1.5重量%〜約2.0重量%の間の量で存在し得る。
【0149】
ホットメルト感圧接着剤組成物(a)中に存在するベースポリマーが合成ゴムとして選択される場合、共押出コーティング(b)は、パッケージ入りホットメルト接着剤の総重量に関して、約0.5重量%〜約3重量%の間、好ましくは約1.0重量%〜約3.0重量%の間、より好ましくは約1.5重量%〜約3.0重量%の間、更により好ましくは約1.5重量%〜約2.5重量%の間、最も好ましくは約1.5重量%〜約2.0重量%の間の量で存在し得る。
【0150】
ホットメルト感圧接着剤組成物(a)中に存在するベースポリマーがポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、ポリオレフィン/α−オレフィンインターポリマーとして選択される場合、共押出コーティング(b)は、ベースポリマーが合成ゴムとして選択される場合に存在するコーティング(b)の量に対して多量で、好ましくはパッケージ入りホットメルト接着剤の総重量に関して、約0.1重量%〜約5重量%の間、より好ましくは約0.5重量%〜約4重量%の間、更により好ましくは約1.0重量%〜約3重量%の間、更により好ましくは約1.0重量%〜約2.5重量%の間、更により好ましくは約1.0重量%〜約2.0重量%の間、最も好ましくは約1.5重量%〜約2.0重量%の間の量で存在し得る。
【0151】
共押出コーティング(b)は、約60℃〜170℃の間、約60℃〜約150℃の間、好ましくは約100℃〜約140℃の間、より好ましくは約120℃〜約130℃の間の融点を有し得る。融点はリングアンドボール軟化点法(DIN EN 1427)にしたがって測定した。
【0152】
共押出コーティング(b)は、約0.80g/cm
3〜約1.00g/cm
3の間、好ましくは約0.91g/cm
3〜約0.93g/cm
3の間、より好ましくは約0.92g/cm
3の室温密度を有し得る。
【0153】
C.個々の形態
本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤は、大きさに関係なくいずれの「個々の形態」も含む、その用途に適したいずれの形態であってもよい。本発明の目的のために、「個々の形態」という用語は、顆粒、ブロック、ピロー、プリルの形態のパッケージ入りホットメルト接着剤を含む。本発明の別の目的のために、「個々の形態」という用語は、細長いロープ若しくはロッド又はホットメルトの任意の他の既知の形態を含む。細長いロープ又はロッドは任意の長さであってよく、例えば、リール若しくはスプールへ巻くことができる、又はボックス若しくは他の容器の内側に自由に置き、そこから適用することができる。ブロック、ピロー、細長いロープ又はロッド等の好ましい「個々の形態」は、例えば、最大約15cm又は最大約20cmのセンチメートルの範囲の最長寸法の大きさを有し得る。特定の実施形態では、パッケージ入りホットメルト接着剤が、粒子、プリル、チップ、フレーク、球、ビーズ、スラグ、例えば、ソーセージ形スラグ、又は、ペレット等のより小型の「個々の形態」の形態である。
【0154】
「個々の形態」は複数のピロー又はプリルから選択され得る。本発明の意味における「プリル」は実質的に球状のビーズを指す一方、「ピロー」は、場合により丸い端及び/又は角を含む円筒状ストランドから小片を切り離すことによって得られるような実質的にプリズム状の幾何学物体を指す。好ましい実施形態では、前記ピローが約40mm×約30mm×約12mm又は約20mm×約20mm×約20mmの平均寸法(長さ/幅/高さ)を有する実質的にプリズム状の長方形形態を有し得る。より好ましい実施形態では、前記ピローが約40mm×約20mm×約10mm、最も好ましくは約40mm×約15mm×約7mmの平均寸法(長さ/幅/高さ)を有し得る。
【0155】
個々の形態は重さ約15g未満又は約10g未満でさえあり得る。
【0156】
或いは、ピローが実質的に立方体様の形を有してもよい。また、このようなピローが丸い角を有し、それによってほぼ球状の形を形成してもよい。
【0157】
本発明の別の実施形態では、「個々の形態」が、任意の長さであってよい共押出ロープ又はロッドの少なくとも1つから選択される。好ましくは、共押出ロープ又はロッドが約1m〜約100mの間、より好ましくは約5m〜約50mの間の長さを有し得る。好ましい実施形態では、共押出ロープ又はロッドが約0.1cm〜約5cmの間、好ましくは約1cm〜約3cmの間、より好ましくは約2.5cmの直径を有し得る。好ましくは、共押出ロープ又はロッドがリール若しくはスプールへ巻かれる、又は、ボックス若しくは他の容器の内側に自由に置かれる。
【0158】
本発明によると、パッケージ入りホットメルト接着剤が好ましくは長期間、例えば、1か月、3か月、6か月、1年又は1年超、実質的にタックフリー表面を有する及び/又は自由流動性である。パッケージ入りホットメルト接着剤は周囲条件又は室温、すなわち、約20℃〜約25℃の温度及び/又は高い周囲温度、すなわち、約25℃〜約70℃の温度でタックフリー表面を有し得る及び/又は自由流動性であり得る。本発明で使用される「自由流動性」という用語は、パッケージ入りホットメルト接着剤の「個々」が自由にかついかなる困難及び/又はいかなる凝集もなく移動することができることを意味する。融合しない、及び/又は、機械的作用なしに若しくは最小の機械的作用で自由に移動することができる、及び/又は、機械的に分離可能である個々が「自由流動性」個々の定義に含まれる。
【0159】
E.パッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態の調製
本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態は、共押出コーティング(b)によって覆われたホットメルト感圧接着剤組成物(a)を含む。本発明の個々の形態、特にピロー又はロープは、実質的にタックフリー及び/又は自由流動性であり得る。
【0160】
本発明の一実施形態によると、本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態を調製する方法は、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)を提供する第1のステップと、コーティング(b)がホットメルト感圧接着剤組成物(a)の表面を少なくとも部分的に覆うように、前記接着剤組成物(a)をコーティング(b)と一緒に共押出して、それによってパッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態を形成し、場合により個々の形態をピロー又はプリルに切断する第2のステップとを含む。
【0161】
本発明の方法により、パッケージ入りホットメルト接着剤のタックフリー及び/又は自由流動性の個々の形態の調製が可能になる。
【0162】
パッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態、特にピロー又はプリルは、その小型のサイズ及び重量のために、例えば、真空フィーダー又は類似の運搬装置に使用するのに特に適したものとなり得る。しかしながら、大型ブロックと比べてピロー又はプリルの表面が大きいために、ピロー又はプリルは凝集する傾向が高くなり得る。したがって、本発明は、ペレット、フレーク、ブロック又は本発明のパッケージ入りホットメルト接着剤の個々の任意の他の形態でも同様に働き得るが、ピロー又はプリル等の小型の大きさの形態で特に有利である。
【0163】
パッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態、例えば、ピロー又はプリルの製造は、共回転二軸押出機を複数回通過させてホットメルト感圧接着剤組成物(a)を均質化すること、引き続いて共押出システムを通して接着剤組成物(a)をコーティング(b)と一緒に共押出すること、引き続いて凝固工程、場合により引き続いて顆粒サイズの較正を要し得る。
【0164】
好ましくは、本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤が、ホットメルト感圧接着剤組成物(a)を共押出ヘッドを通して吸い上げ、共押出コーティング(b)を共押出コーティング(b)がカバーシートとして接着剤組成物(a)を実質的に覆うように接着剤組成物(a)に添加する共押出法によって得られる。
【0165】
更に、パッケージ入りホットメルト接着剤が、
(i)1種又は複数のホットメルト成分を提供し、ホットメルト成分をブレンドしてホットメルト感圧接着剤組成物を形成するステップと、
(ii)約20g/10分〜約300g/10分の間のメルトフローインデックスを有するニート低密度ポリエチレン、ニートポリプロピレン又はニートエチレン酢酸ビニルから選択されるコーティング材料を提供するステップと、
(iii)接着剤がコーティング材料によって実質的に囲まれたストランドを形成するように(i)と(ii)の両方を共押出するステップと、
(iv)場合により、(例えば、組成物を回転刃に通して、ホットメルトリボンを切断して結果として生じる個々の形態を形成することによって)接着剤の得られたコーティングストランドを切断するステップと、
(v)場合により液体冷却媒体又は循環乾燥空気によって個々を冷却することによって、個々を凝固させるステップと
を含む、共押出法によって得られる。
【0166】
好ましくは、この方法から製造された個々がピロー又はプリルである。
【0167】
ホットメルト感圧接着剤組成物は、上記の本発明のホットメルトの個々を調製するのに適している。場合により、パッケージ入りホットメルト接着剤の個々が上記のような追加の成分を含んでもよい。
【0168】
E.個々の形態の使用
本発明の一態様では、本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤の複数の個々の形態が、パッケージ入りホットメルト接着剤が、溶融し、基材に塗布される前に自由流動性及び/又は空気運搬可能な形態で溶融システムに運搬される接着剤適用工程に使用され得る。
【0169】
以前使用されていたパッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態の欠点は、前記特定の形態が、例えば、保管中に接着剤含有容器の内側で融合し得ることである。個々の形態のこのような融合は、前記個々の形態を慣用的に大量包装する、例えば、ポーチ又はボックスに大量に包装する場合に起こり得る。倉庫に存在し得る高温が、互いに積み重ねる場合のポーチ自体の重量と合わせて、従来の個々の形態が大きな実態に融合する又は凝集することを引き起こし得る。個々の形態のこの完全な融合が、対応するパッケージ入りホットメルト接着剤を、例えば、パッケージ入りホットメルト接着剤を溶融システム、フィーダー等に運搬することによって接着剤適用工程に使用することができないという結果になり得る。
【0170】
そのため、室温並びに高温の両方で出荷又は保管中に粘着も融合もしないパッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態を提供することが本発明の目的である。個々の形態がばらばらのままである及び/又は容易に分離され得るように、パッケージ入りホットメルト接着剤の共押出コーティング(b)を修飾して融合/ブロッキング傾向が有意に低下した接着剤の個々の形態を得ることが本発明のさらなる目的である。パッケージ入りホットメルト接着剤を、接着剤適用工程中、すなわち、溶融工程中に前記個々の形態を運搬する間に包装し自動的に加工することができるように、これらの接着剤の個々の形態を改善することが本発明のさらなる目的である。
【0171】
本発明によるパッケージホットメルト接着剤の個々の形態は45℃の保管装置中で粘着も融合もせず、実質的にばらばら及び自由流動性のままである。
【0172】
「実質的にばらばら」という用語は、粒子がくっついておらず、容器に対する一蹴若しくは振動等の機械的な力の印加又は他の任意の適当な方法によって、一時的にブロッキングしている場合に容易に互いに分離することができることを意味する。
【0173】
本発明のパッケージ入り接着剤では、複数の個々の形態がブロッキング試験によって決定されるように融合していない。
【0174】
本発明の一実施形態では、パッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態が、接着剤含有容器、例えば、ダンボールカートン、ボックス、好ましくはプラスチックボックス、プラスチックバッグ、ポーチ、ビッグバッグ又はスーパーサックに保管され得る。これらの容器は約100kg〜約1000kgの間の個々の形態、好ましくは約400kg〜約1000kgの間を含み得る。
【0175】
本発明の一態様は、本発明によるパッケージ入り接着剤の複数の個々の形態を含む接着剤含有容器であって、ボックス、好ましくはプラスチックボックス、プラスチックバッグ、ポーチ、ビッグバッグ及びスーパーサックの少なくとも1つから選択される容器を包含する。
【0176】
本明細書で使用される「ビッグバッグ」という用語は、本発明の文脈で代わりに使用され得る「スーパーサック」又は「バルクバッグ」という用語も包含し、流動性製品の出荷、取扱い及び保管に使用可能な織物又は他の可撓性材料でできたバッグを指す。このようなビッグバッグは、種々の大きさで、例えば、PEMA Verpackung GmbH、ドイツから好ましくはPEMA物品番号40-09999hbで商業的に入手可能であり、100kg超〜メートルトン等の大量の個々の材料に慣用的に使用されている。このようなビッグバッグには、再利用可能、再生可能及び/又は返却可能なバージョンのビッグバッグも含まれる。
【0177】
一実施形態では、接着剤含有パッケージバッグが密閉バッグを含む。好ましい実施形態では、接着剤含有パッケージバッグが、円錐底バルクバッグ/スーパーサック又はsフラップバルクバッグ/スーパーサックで保護されたフルドロップ若しくは開放底システムとして選択され得る。好ましくは、前記バッグがコーティングされた180+30g/sqm pp織布から作られている。
【0178】
典型的な接着剤適用工程では、個々の形態が容器から溶融システムに供給され、前記個々の形態がメルターに移され、ここで個々の形態が溶融され、基材に塗布される。
【0179】
本発明の一実施形態では、複数の個々の形態が真空運搬、管状ドラッグ運搬、ビッグバッグ運搬法、メルトオンデマンド又はこれらの任意の組み合わせによって溶融システムに運搬される。
【0180】
真空運搬システムが
図1に描かれており、これは例えば、ビッグバッグ(1)によって、供給ホッパ(2)及び振動式フィーダー(3)に挿入されるパッケージ入りホットメルト感圧接着剤を含む。真空ポンプ(4)が真空コンベヤセパレータタンク(5)中で真空を生成し、それによって供給ホッパ(2)において入口点を通して空気を吸い込み、今度はパッケージ入りホットメルト接着剤を吸引させ、対応する気流で運ばせる。セパレータタンク(5)の内側では、フィルターユニット(6)がパッケージ入りホットメルト接着剤を空気から分離し、接着剤がセパレータタンク(5)に含まれる。セパレータタンク(5)が接着剤で満たされると、真空ポンプがスイッチを切り、セパレータタンク内の圧力が周囲圧力に調整され、接着剤材料が吐出弁(7)を通して、装入されるべきホットメルトタンク(8)に直接吐出される。吐出ステップは、所望の量の接着剤がホットメルトタンク(8)に充填されていることを決定するロードセル(9)によって制御される。吐出ステップ後、吐出弁(7)は直接閉じ、完全な運搬サイクルがまた再開する。
【0181】
Cablevey Company、米国によるディスク運搬システムを指す代表的な管状ドラッグ運搬法が
図2に描かれており、これは直径約7cm〜約13cm、典型的には約10cmのパイプ(4)からなり、このパイプを通して個々の形態(6)が運搬される。パイプは好ましくはステンレス鋼である。個々の形態(6)を含むスーパーサック(1)は円錐底供給ホッパ(2)に吐出され得る。ホッパ吐出(2)の下に傾斜した振動式フィーダー(3)がある。振動式フィーダーにリミットスイッチを付けて個々の形態が管状ドラッグ運搬システムに供給される速度を制御することが有用となり得る。個々の形態があまりに速く供給されると、封鎖が起こり得る。接着剤メルトタンク(8)中のレベルが下がると、レベル伝送器がシグナルをコントローラに送り、次いで、コントローラが振動式フィーダー(3)を起動する。個々の形態はホッパ(2)から出て、振動式フィーダー(3)に落ち、管状ドラッグコンベヤシステムの中に流れる。このシステムは駆動モータ、滑車及びケーブル(7)からなる。ケーブル(7)の長さに沿って約15cm〜約20cm毎に、ざっと直径約10cmのプラスチックティスク(5)が配置される。ピロー(6)がディスク(5)間の空隙を埋める。ディスク(5)がパイプライン(4)を通してゆっくり引っ張られ、個々の形態(6)をメルトタンク(9)に向けて運搬する。システムは複数のメルトタンク(9)を供給することができる。各メルトタンク(9)の上に回転弁があり、パイプ(8)の低下部がメルトタンク(9)の下にある。このタンクレベルが供給を必要とすると、弁スピン(8)が開き、ピロー(6)がこのメルトタンク(9)に落ちる。メルトタンク中のレベルが「満杯」セットポイントに達すると、コントローラ/ロードセル(10)が弁(8)にスピンを閉じるよう合図し、ピローのタンクへの流れが停止する。この同じシステムの他のメルトタンク(9)が満杯になった場合も、コントローラ/ロードセル(10)が同様に振動式フィーダー(3)及びディスクコンベヤシステムを止める。次のメルトタンクが追加の接着剤を要求すると、システムがオンになり、供給の次のサイクルを完了する。この管状ドラッグ運搬システムは個々の形態に極めて温和であり、個々の形態はいずれの運搬システムでも損傷されるべきでない、又は接着剤
をこぼれ出させ、供給システムをべとべとにする危険性があるべきでないためにこれは重要である。
【0182】
個々の接着剤形態を運搬するために管状ドラッグ運搬システムを用いる場合、最大より低い容量で運転することによって、接着剤プラグの可能性を減らしながら、十分なスループットが提供されることが分かった。管状ドラッグ運搬システムは、約50%容量未満、約30%容量未満、約20%容量未満又は約5%〜約50%容量でさえ実行することができる。
【0183】
管状ドラッグ運搬法で運搬される個々の形態はピローであり得る。実施形態では、ピローがディスクと管の壁との間で圧迫されるのを防ぐための最小の厚さを有すれば有益である。ピローが約0.318cm(0.125インチ)超、少なくとも0.635cm(0.250インチ)、又は約0.635cm(0.250インチ)〜約1.2cm(0.472インチ)の厚さを有すれば有益である。
【0184】
本発明による代表的なビッグバッグ運搬法は、例えば、ビッグバッグ又はスーパーサックとして選択される接着剤含有容器を伴い、容器の接着剤内容物が手動で又は自動的に、例えば、クレーン又はフォークリフトによって円錐供給ホッパの上に配置される。典型的には、ビッグバッグ又はスーパーサックが、ビッグバッグ又はスーパーサックが規定の位置、例えば、バッグの底部で開くように、材料を破断させ得る、材料中に製造された破断部位を含んでもよい。破断部位は、典型的には破断が、例えば、破断部位に付着したロープを引っ張ることによって、特定の衝撃でのみ起こるように作成される。スーパーサックの底を開くことによって、接着剤が標準供給ホッパに流れ込み、そこからプレメルター又はプレメルターに達するさらなる運搬システムに直接流れ込む。さらなる接着剤適用工程では、上記真空及び管状ドラッグ運搬法に記載されるシステムと類似の完全又は部分的運転自動化システムが使用され得る。
【0185】
本発明による代表的なメルトオンデマンド運搬法は、個々の形態が押出機(すなわち、単軸押出機)又は他の溶融装置に供給され、次いで、加熱ホースを通して少なくとも1つのメルトタンク及び場合により同じ位置の別の製造ラインで見られる多くのメルトタンクに注入されることを伴う。場合により、溶融接着剤を1つ又は複数の接着剤ノズルに直接供給することができる。個々の形態を振動式フィーダーの使用を含む任意の可能な方法で押出機に供給することができる。
【0186】
本発明では、本発明による真空管状ドラッグ及び/又はビッグバッグ運搬システムに使用される個々の形態がピロー、プリル、フレーク又はチップ、好ましくはピローからなる群から選択される。
【0187】
本発明の真空、管状ドラッグ運搬及びメルトオンデマンド法の別の態様は、クロスコンタミネーションを回避するものである。パッケージ入りホットメルト接着剤の個々の形態の手動供給工程中、操作者が誤ったグレードの接着剤又は異なる接着剤をメルトタンクに供給する可能性がある。上記自動化運搬システムでは、誤った接着剤を用いる可能性を警告及び最小化するバーコード表示又はスキャン要素をシステムに含めてもよい。
【0188】
コンタミネーションの別の態様は、周囲プラント粉塵がメルトタンクに進入するのを可能にする。これにより、ホットメルト接着剤が顧客の製品に塗布されると接着剤の「炭化」及び変色がもたらされ得る。ここでは操作者がホットメルトタンクの蓋を開くたび毎に、粉塵又は他の異物がタンクに進入し得る。上記自動供給システムは本質的に閉鎖系となるので、コンタミネーションの発生を最小化するだろう。現在の手動供給実務では、メルトタンクレベルが、典型的には満杯から再補充されるまでのかなり空まで周回される。これにより、著しい熱履歴にさらされる加熱タンクの壁に沿って接着剤の薄膜がもたらされ、時間と共に接着剤の炭化がもたらされ得る。記載する自動供給システムでは、接着剤のレベルが自動的に制御されてレベルを一貫して維持し、それによって高レベルと低レベルが回避され、それによって薄膜熱履歴が最小化される。
【0189】
F.パッケージ入り接着剤の一般的使用
本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤を、典型的な不織衛生用品、サニタリー装置、介護用品、使い捨て医療用ドレープ、紙、テープ及びラベル、家具、織物、履物の製造、木材加工又は建築業、例えば、屋根用膜又は他の建築型積層に使用することができる。
【0190】
更に、本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤を、不織衛生及びサニタリー用品、不織物品、ラベリング、弾性積層、建築及びコア積層又は位置決め接着剤の製造に使用することができる。また、本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤を、おむつ、成人用失禁装置、生理用ナプキン及び使い捨て医療用ドレープの製造に使用する。
【0191】
本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤を使い捨て用品の製造に使用してもよい。好ましくは、本発明によるパッケージ入りホットメルト接着剤を、使い捨て用品のコアの少なくとも一部又は使い捨て用品に付着した弾性付着物の少なくとも一部の製造に使用する。
【0192】
ここで本発明を以下の実施例により記載する。明言される全ての部、比、人及び量は特に指定しない限り重量による。
【実施例】
【0193】
本発明の文脈において、特に指示しない限り、メルトフローインデックス(MI)は190℃の標準温度及び2.16kg荷重でASTM D 1238にしたがって測定される。
【0194】
粘度は、以下の通り方法ASTM D-3236と同様に測定される。試料の粘度を、Brookfield Laboratories DVH、DV-II又はDV-III粘度計を用いて測定する。使用する軸は、約100mPas〜約4000000mPasの間の範囲の粘度を測定するのに適したSC-21、SC-27、SC-29又はSC-34ホットメルト軸であり得る。試料を予加温測定セルに入れ、今度はこれを加熱要素/容器に挿入し、所定の位置に固定する。試料を溶融するまで加熱し、溶融試料が測定軸のシリンダーより約5mm高くなるまで追加の試料を加える。粘度計装置を下げ、軸を試料に浸す。粘度計をオンにし、30%〜60%の範囲のトルク表示をもたらすせん断速度に設定する。約15分間又は弁が安定化するまで毎分読み取る。最終読取を30分後に得ることができ、これをmPasで記録する。
【0195】
本明細書で言及される全ての物質の分子量は、明示的に明言しない限り、方法ASTM D 4001-93/2006により測定される。
【0196】
融点は以下の通り要約されるリングアンドボール装置MC753を用いてDIN EN 1427(リングアンドボール法)にしたがって測定される。2つの肩リングを融点に加熱し、シリコン調製ガラス板に載せ、溶融物質をリングに注ぎ入れる。冷却後、過剰な物質を切り取り、試料を装置のサンプルホルダーに入れ、ボールを有するボールセンタリングガイドを試料の上に置く。600ml NFビーカーを500mlグリセリンで満たし、MC 753装置の加熱板にのせる。肩リングによる測定の準備のできたフレームを、ピンを中心とするようにビーカーに入れる。温度センサをフレームのそのように設計された開口に調整し、測定点を選択することによってMC 753装置を起動する(キーボード1〜10、基本ユニット)。一定の予熱時間後、プログラムが自動的に、ボールが落ちるまで5℃/分の加熱速度で作動する。両方のボールが落ち、2つの温度がディスプレイに示されたら測定を完了する。
【0197】
ポリマー密度は方法ASTM D 1505にしたがって測定される。
【0198】
貫入数(PZ、「Penetrationszahl」)は、DIN 51579に記載されている試験手順にしたがって針貫通によって測定される。同じポリマー約100gを、融点の約10〜15℃上の温度まで溶融させる。均質なメルトを対応する試験シリンダーに充填し、室温で約1時間冷却し、25℃で1時間インキュベートする。メルト含有シリンダーを事前調整した針貫入装置(質量:100g、時間:5秒、温度:25℃)に入れる。針をメルト表面に自動的に配置し、測定プロセスを開始し、貫入深さを記録する。再現性のために、3回の連続測定を行い、3回の測定の平均値を記録する。貫入数はポリマー組成物の硬度を示し、1/10mmと呼ばれる。これによって、高い貫入数は柔らかい物質を指し、低い貫入数は硬い物質を指す。
【0199】
生成物の共押出された個々(例えば、ピロー)5kgを3つのバッグに入れることによって、本発明によるブロッキング試験1を行う。特定の含有バッグを強制空気室中45℃で2時間おいた。インキュベーション期間後、バッグを互いの上に積み重ねた。5kgのおもりをバッグのスタックの上部に1時間置いた。その後、おもりを取り除き、バッグ中の個々を以下に示される基準にしたがって評価した。
【0200】
生成物の共押出された個々(例えば、ピロー)15kgを蓋付のダンボール箱に入れることによって、本発明によるブロッキング試験2を行う。箱を30℃のオーブンに1時間入れた。インキュベーション期間後、箱をオーブンから取り出し、ピローを投げ出し、評価した。
【0201】
溶融工程中のさらなる適用中に共押出された個々がブロッキングしない可能性を分類するための1〜5に及ぶ格付けシステムを開発した。
【0202】
1:個々の形態が完全に融合している
2:個々の形態がほとんど融合している
3:個々の形態が部分的に融合しており、機械的な力によって分離することができない
4:個々の形態が部分的に融合しており、機械的な力によって分離することができる
5:個々の形態の融合が観察されない
【実施例1】
【0203】
鉱物油含量20.6重量%及び15重量%ポリスチレン含有鎖状スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(MW220000、カップリング効率81%、Kraton D-1161 NS)を有する標準的なホットメルト感圧接着剤に対する共押出コーティング材料としてメルトフローインデックス150g/10分及び室温密度0.913を有する1重量%低密度ポリエチレン(LDPE)を用いて、パッケージ入りホットメルト接着剤を調製した。結果を以下の表1に示す。
【実施例2】
【0204】
鉱物油含量27重量%及びエチレン−オクテンコポリマー(ENGAGE 8200, Dow Chemical Company)を有する標準的なホットメルト感圧接着剤に対する共押出コーティング材料としてメルトフローインデックス150g/10分及び室温密度0.913を有する2重量%低密度ポリエチレン(LDPE)を用いて、パッケージ入りホットメルト接着剤を調製した。結果を以下の表1に示す。
【実施例3】
【0205】
鉱物油含量16重量%及びメタロセン−合成低分子量ポリプロピレンポリマー(L-MODU S-400、Idemitsu Kosan Co., Ltd.)を有する標準的なホットメルト感圧接着剤に対する共押出コーティング材料としてメルトフローインデックス150g/10分及び室温密度0.913を有する2重量%低密度ポリエチレン(LDPE)を用いて、パッケージ入りホットメルト接着剤を調製した。結果を以下の表1に示す。
【0206】
以下の比較実施例が含まれる。
比較実施例1
【0207】
今度は40.0重量%水素化マイクロワックス(Shell Microcrystalline Wax HMP、Shell)、35.9重量%脂環式炭化水素樹脂粘着付与剤(ESCOREX 5320、Exxon Mobil Company)、23.9重量%スチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマー(SEPTON 8007、Kuraray America, Inc.)を含む2重量%のコーティング組成物と共押出される26.5重量%鉱物油及びエチレン−オクテンコポリマー(ENGAGE 8200、Dow Chemical Company)を有する標準的なホットメルト感圧接着剤を共押出することによって、パッケージ入りホットメルト感圧接着剤を調製した。結果を以下の表1に示す。
【0208】
【表1】
【0209】
ブロッキング試験結果
1:個々の形態が完全に融合している
2:個々の形態がほとんど融合している
3:個々の形態が部分的に融合しており、機械的な力によって分離することができない
4:個々の形態が部分的に融合しており、機械的な力によって分離することができる
5:個々の形態の融合が観察されない
【0210】
表1によると、1重量%及び2重量%の量で実施例1、2及び3に使用される本発明によるニートLDPEコーティングは、使用されるベースポリマーに拘わらず、比較実施例1及び2に使用される従来のコーティング組成物と比べてブロッキング試験で優れた結果をもたらす。
【0211】
更に、実施例2の組成物をホットメルト感圧接着剤のベースポリマーの種類及び可塑剤の量が同一である比較実施例1の組成物と直接比較すると、従来のコーティング材料と比較してニートLDPEコーティングのブロッキング試験における改善を示す。
【0212】
以下の表2は、実施例1、2及び3との比較実施例A、B、C及びDを提供し、対応する貫入数(PZ)に対して変化する量の可塑剤を含む異なるポリマーを開示している。
【0213】
【表2】
【0214】
上記特定の実施例は発明を限定することを意図していない。むしろ、他の実施形態も添付の特許請求の範囲内にある。