【文献】
Journal of Medicinal Plants Research,2010年 3月 4日,Vol.4, No.5,p.349-353
【文献】
Natural Product Communications,2009年,Vol.4, No.7,p.903-906
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ミネラルは、抽出物の全質量を基準にして、カリウム4000mg/100g以上、カルシウム600mg/100g以上、鉄40mg/100g以上、リン150mg/100g以上、マグネシウム250mg/100g以上、及び亜鉛140mg/100g以上のうちの少なくとも一つの特徴を有するものである請求項1に記載の組成物。
ビタミンは、抽出物の全質量を基準にして、ビタミンA 150μg/100g以上、ビタミンB1 8mg/100g以上、ビタミンB2 5mg/100g以上、ビタミンB6 8mg/100g以上、ビタミンC 3mg/100g以上、ビタミンK 180μg/100g以上、ナイアシン3.5mg/100g以上、パントテン酸4mg/100g以上、及び葉酸250μg/100g以上のうちの少なくとも一つの特徴を有するものである請求項1又は2に記載の組成物。
朝鮮人参の実抽出物は、プロトパナキシジオール系ジンセノサイド(PD)とプロトパナキシトリオール系ジンセノサイド(PT)との質量比(PD/PT)が0.1〜1.5である請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
2013年7月4日に出願された韓国特許出願番号10-2013-0078238号及び2014年4月30日に出願された韓国特許出願番号10-2014-0052770号は、すべての目的からその全体が本明細書に参照として取り込まれる。また、本出願は、その全体が本明細書において参照として取り込まれる韓国特許出願番号10-2013-0078238号及び10-2014-0052770号の利益を主張する。
【0018】
本発明の一実施例は、ジンセノサイドReまたはそれを含む朝鮮人参の実抽出物を有効成分として含有する月経前症候群及び月経痛の改善または緩和用組成物を提供する。
【0019】
本発明は一側面において、ジンセノサイドReまたはそれを含む朝鮮人参の実抽出物を月経前症候群及び月経痛の改善または緩和が必要な個体に投与する方法を含む月経前症候群及び月経痛の改善または緩和方法に関するものであってよい。具体的に、本発明の一側面において、前記投与は、本明細書に記載の投与方法または投与量に応じたものであってよい。
【0020】
本発明は一側面において、ジンセノサイドReまたはそれを含む朝鮮人参の実抽出物の月経前症候群及び月経痛の改善または緩和用途に関するものであってよい。
【0021】
本発明は一側面において、月経前症候群及び月経痛の改善または緩和に用いるためのジンセノサイドReまたはそれを含む朝鮮人参の実抽出物に関するものであってよい。
【0022】
本発明の一側面において、月経前症侯群は、月経前に繰り返し発生する情緒的、行動的、身体的症状を特徴とする一連の症候群であって、乳房痛、体が腫れる感じ、頭痛などの身体的症状と気持ちの変動、憂鬱感、不安、攻撃性などの心理的変化等の症状が現れることが多く、これらの症状は、排卵以降から徐々に激しくなり、生理を開始して1週前に最も激しく、月経が始まると数日以内に消える。
【0023】
本発明の一側面において、月経前症侯群は、集中力低下、攻撃性、憂鬱、不安などの精神的症状;むくみ、乳房痛、消化障害、頭痛、腰痛などの身体的症状;を含むものであってよく、本発明の一側面に係る組成物は、これらの症状の改善または緩和用組成物であってよい。
【0024】
本明細書において、朝鮮人参の実は、朝鮮人参の部位であって通常に用いられる朝鮮人参の根とは含有された成分の種類や含量の構成が異なる。
【0025】
本明細書において、朝鮮人参の実は、朝鮮人参の根に比べて、ビタミンをはじめとしたミネラル成分をより多く含有していてよい。また、朝鮮人参の実は、朝鮮人参の根に比べて、ジンセノサイドをより多く含有し、且つ含有されたジンセノサイドの組成が相違する。
【0026】
そこで、本発明の一実施例では、朝鮮人参の実抽出物がジンセノサイドRe、Rg1、Rg2などを含むジンセノサイドPT(Protopanaxatriol)系をジンセノサイドRb1、Rb2、Rc、Rdなどを含むジンセノサイドPD(Protopanaxadiol)系よりも多く含有していてよく、その結果、相違する効果を示し得る。例えば、朝鮮人参の実は、朝鮮人参の根よりも優れた抗糖尿効能を示すと報告されたことがある(非特許文献7)。
【0027】
本明細書において、ジンセノサイドは、朝鮮人参の実から得られたものであってよい。
【0028】
月経前症侯群に関して、これまでのところ、明らかに究明された原因はなく、生物学的な様々な現象を説明している。現在、原因としては、特定のホルモンの数値とは関連がないという文献による報告はあるものの、プロゲステロンの減少、エストロゲン濃度の変化、エストロゲン/プロゲステロンの比率の変化を一つの原因とみている報告もある(非特許文献8)。一般に、前記した要因が複合的に作用し、またはそれらに環境的な要因が加わることで、PMSや月経痛が現れると考えられている。
【0029】
本発明に係る朝鮮人参の実抽出物に多量含有されているジンセノサイドReの構造は、下記の化学式1のとおりである。
【0031】
本発明の一側面において、ジンセノサイドReは、朝鮮人参の実抽出物の総質量に対して5〜30質量%または10〜25質量%であってよい。具体的に、本発明の一側面において、朝鮮人参の実抽出物に含まれたジンセノサイドReは、朝鮮人参の実抽出物の総質量に対して0.1質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、12.5質量%以上、13質量%以上、15質量%以上、17質量%以上、20質量%以上、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%、または40質量%以上であってよく、45質量%以下、40質量%以下、35質量%、30質量%以下、25質量%以下、23質量%以下、20質量%以下、17質量%以下、15質量%以下、13質量%以下、12.5質量%以下、10質量%以下、7質量%以下、5質量%以下、または1質量%以下であってよい。
【0032】
本発明の一側面において、朝鮮人参の実抽出物は、プロトパナキシジオール系ジンセノサイド(PD)とプロトパナキシトリオール系ジンセノサイド(PT)との質量比(PD/PT)が0.1〜1.5または0.4〜0.9であってよい。具体的に、本発明の一側面において、プロトパナキシジオール系ジンセノサイド(PD)とプロトパナキシトリオール系ジンセノサイド(PT)との質量比(PD/PT)は、0.1以上、0.15以上、0.2以上、0.25以上、0.3以上、0.35以上、0.4以上、0.45以上、0.5以上、0.55以上、0.6以上、0.65以上、0.69以上、0.7以上、0.73以上、0.75以上、0.8以上、0.85以上、0.9以上、0.95以上、1.0以上であってよく、1.5以下、1.3以下、1.0以下、0.95以下、0.9以下、0.85以下、0.8以下、0.75以下、0.73以下、0.7以下、0.69以下、0.65以下、0.6以下、0.55以下、0.5以下、0.45以下、0.4以下、0.3以下、0.2以下、または0.1以下であってよい。具体的に、本明細書の一側面において、プロトパナキシジオール系ジンセノサイド(PD)とプロトパナキシトリオール系ジンセノサイド(PT)との質量比(PD/PT)は、0.69または0.73であってよい。
【0033】
本発明の一実施例に係る組成物は、朝鮮人参の実抽出物が前記のように豊富なビタミン、ミネラル、ジンセノサイド、及びアントシアニンなどを含有することができるため、PMSや月経痛を改善することで月経前症侯群の症状緩和を全般的に増進させることができる。
【0034】
また、本発明の一実施例に係る朝鮮人参の実抽出物は、
(a)朝鮮人参の実を前処理する段階;及び
(b)前記段階で前処理した朝鮮人参の実を、水又は有機溶媒で抽出して朝鮮人参の実抽出物を得る段階;を含む方法によって製造されていてよい。
【0035】
前記段階(a)において、朝鮮人参の実は、生の朝鮮人参の実であってよく、朝鮮人参の実の果肉と果皮は日光乾燥または熱風乾燥にて乾燥することができる。
【0036】
具体的に、本発明の一側面において、前処理は、朝鮮人参の実を乾燥することであってよく、乾燥方法の場合、朝鮮人参の実のような植物の実を乾燥するのに用いられる方法であればよく、通常の技術者に自明な方法であれば特に制限されない。具体的に、本発明の一側面において、乾燥は、日光乾燥、熱風乾燥、蒸発乾燥、噴霧乾燥、または凍結乾燥であってよく、より具体的に、日光乾燥または熱風乾燥であってよい。さらに具体的に、本発明の一側面において、前処理は、朝鮮人参の実の種子を分離、除去する段階;朝鮮人参の実の果肉と果皮を乾燥する段階;を含んでいてよい。
【0037】
本発明の一側面において、前記方法は、段階(b)の後に、(c)前記抽出物を濃縮して朝鮮人参の実抽出物を得る段階をさらに含んでいてよい。
【0038】
また、前記段階(b)において、朝鮮人参の実抽出物は、乾燥した朝鮮人参の実を水または有機溶媒を用いて室温で還流抽出した後、減圧濃縮して製造されていてよい。このとき、有機溶媒はエタノールであってよい。
【0039】
本発明の一側面において、濃縮は減圧濃縮であってよいが、抽出物を濃縮するうえで当該技術分野の通常の技術者に周知の方法であれば制限されずに用いられていてよい。具体的に、本発明の一側面において、濃縮は減圧濃縮であってよく、またこのような減圧濃縮は、40〜45℃で行われていてよい。
【0040】
本発明の一側面において、前記方法は、段階(c)の後に、
(d)脂溶性成分を除去する段階をさらに含んでいてよい。
【0041】
本発明の一側面において、脂溶性成分の除去は、朝鮮人参の実抽出物を水に溶解させた後、ジエチルエーテルを加えて分液漏斗を利用して除去を行っていてよい。
【0042】
本発明の一側面において、前記方法は、段階(d)の後に、
(e)脂溶性成分の除去後に有機溶媒を加えて抽出する段階をさらに含んでいてよい。
【0043】
具体的に、本発明の一側面において、段階(e)は、有機溶媒を加えて抽出した後に該抽出物を濃縮して朝鮮人参の実抽出物を得る段階をさらに含んでいてよい。
【0044】
本発明の一側面において、朝鮮人参の実抽出物は、例えば、生の朝鮮人参の実から種子を除去した後、朝鮮人参の実の果肉・果皮を熱風乾燥し、朝鮮人参の実の乾燥原料を製造する段階;朝鮮人参の実の乾燥物500g〜1.5kgに水または酒精(エタノール)2L〜4Lを加え、室温で還流抽出した後、ろ過し、次いで40〜45℃で減圧濃縮する段階;を含む方法にて朝鮮人参の実抽出物を製造していてよいが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0045】
本明細書において、抽出は、例えば、熱水抽出、加熱抽出、冷浸抽出、還流抽出、還流冷却抽出、または超音波抽出などが用いられていてよく、当業者に自明な抽出法であれば制限がない。抽出は室温で行われていてもよいが、より効率的な抽出のためには加温条件下で行っていてよく、好ましくは、約40〜100℃、より好ましくは、約80℃の温度で抽出していてよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。抽出時間は、好ましくは、約2〜4時間、より好ましくは、約3時間行なっていてよいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、抽出溶媒や抽出温度などの条件によって変わっていてよく、具体的に、溶媒が水である場合は90〜100℃、溶媒がエタノールである場合は65〜70℃で行われていてよい。前記抽出は、活性成分をより多量収得するために1回以上の複数回行なっていてよく、好ましくは、1〜5回、より好ましくは、3回連続行なって得た抽出物を合わせた抽出液を用いていてよい。具体的に、本発明の一側面において、抽出は還流抽出であってよく、室温で行われていてよい。
【0046】
本発明の一実施例において、ミネラルは、抽出物の全質量を基準にして、カリウム4000mg/100g以上、カルシウム600mg/100g以上、鉄40mg/100g以上、リン150mg/100g以上、マグネシウム250mg/100g以上、及び亜鉛140mg/100g以上のうちの少なくとも一つの特徴を有するものであってよい。
【0047】
本発明の一実施例において、カリウムは4000mg/100g〜10g/100gであってよく、カルシウムは600mg/100g〜5g/100gであってよく、鉄は40mg/100g〜1g/100gであってよく、リンは150mg/100g〜1g/100gであってよく、マグネシウムは250mg/100g〜5g/100gであってよく、亜鉛は140mg/100g〜5g/100gであってよいが、必ずしもこれらに制限されるものではない。
【0048】
本発明の一実施例において、ビタミンは、抽出物の全質量を基準にして、ビタミンA1 50μg/100g以上、ビタミンB1 8mg/100g以上、ビタミンB2 5mg/100g以上、ビタミンB6 8mg/100g以上、ビタミンC 3mg/100g以上、ビタミンK 180μg/100g以上、ナイアシン3.5mg/100g以上、パントテン酸4mg/100g以上、及び葉酸250μg/100g以上のうちの少なくとも一つの特徴を有するものであってよい。
【0049】
本発明の一実施例において、ビタミンAは150μg/100g〜20mg/100g、ビタミンB1は8mg/100g〜5g/100g、ビタミンB2は5mg/100g〜5g/100g、ビタミンB6は8mg/100g〜5g/100g、ビタミンCは3mg/100g〜5g/100g、ビタミンKは180μg/100g〜20mg/100g、ナイアシンは3.5mg/100g〜5g/100g、パントテン酸は4mg/100g〜5g/100g、及び葉酸は250μg/100g〜20mg/100gであってよいが、必ずしもこれらに制限されるものではない。
【0050】
本発明の一実施例において、アントシアニンは、抽出物の全質量を基準にして、20ppm以上であってよく、また、アントシアニンは、20ppm〜1000ppmであってよいが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0051】
本発明の一実施例に係る組成物は、組成物の形態に応じてジンセノサイドReまたはそれを含む朝鮮人参の実抽出物を、組成物の総質量に対して0.01〜100質量%で含んでいてよい。具体的に、本発明の一側面において、ジンセノサイドReまたはそれを含む朝鮮人参の実抽出物は、組成物の総質量に対して0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、または99質量%以上で含まれていてよく、且つ100質量%以下で含まれていてよい。
【0052】
本発明の一側面において、朝鮮人参の実抽出物は、粗サポニンの含量が朝鮮人参の実抽出物の総質量を基準にして20質量%以上であってよい。具体的に、本明細書の一側面において、朝鮮人参の実抽出物に含まれた粗サポニンの含量は、朝鮮人参の実抽出物の総質量を基準にして、20質量%以上、22質量%以上、24質量%以上、26質量%以上、28質量%以上、30質量%以上、31質量%以上、32質量%以上、33質量%以上、35質量%以上、37質量%以上、40質量%以上、または45質量%以上であってよく、且つ50質量%以下、46質量%以下、44質量%以下、42質量%以下、40質量%以下、38質量%以下、36質量%以下、34質量%以下、32質量%以下、30質量%以下、28質量%以下、26質量%以下、または24質量%以下であってよい。
【0053】
本発明の一側面において、朝鮮人参の実抽出物は、水又はC
1〜C
6の低級アルコールの抽出物であってよい。具体的に、本明細書の一側面において、C
1〜C
6の低級アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、及びヘキサノールなどからなる群より選択された一種以上を含むが、必ずしもこれらに制限されるものではない。
【0054】
本発明の一側面において、朝鮮人参の実抽出物は、朝鮮人参の実の粗サポニン抽出物であってよい。具体的に、本明細書の一側面において、朝鮮人参の実の粗サポニン抽出物は、朝鮮人参の実抽出物から脂溶性成分を除去し有機溶媒で抽出したものであってよい。より具体的に、有機溶媒は、極性の低い有機溶媒であってよく、例えば、ヘキサン、メチレンクロリド、エチルアセテート、ブタノールが挙げられる。したがって、本発明の一側面において、朝鮮人参の実の粗サポニン抽出物は、前記極性の低い有機溶媒で抽出された有機溶媒の可溶性分画物であってよい。
【0055】
本発明の一側面において、組成物は、散剤、顆粒剤、錠剤、軟質または硬質カプセル剤、及びドリンク剤からなる群から選択された剤形であってよいが、必ずしもこれらに制限されるものではない。
【0056】
本明細書において、「抽出物」とは、抽出方法、抽出溶媒、抽出された成分または抽出物の形態を問わず、天然物の成分を取り出して得られた物質をいずれも含むものとし、また天然物の成分を取り出して得られた物質を他の方法にてさらに加工または処理を施して得られた物質をいずれも含む広範囲な概念のものであり、具体的に、前記加工または処理とは、抽出物をさらに発酵または酵素処理を施すことであってよい。したがって、本明細書における抽出物は、発酵物、濃縮物、乾燥物を含む広範囲な概念であり、具体的に本明細書における抽出物は発酵物であってよい。
【0057】
本明細書において、「朝鮮人参の実抽出物」とは、抽出方法、抽出溶媒、抽出された成分または抽出物の形態を問わず、朝鮮人参の実の成分を取り出して得られた物質をいずれも含むものとし、その成分を取り出す過程で熱、酸(acid)、塩基(base)、酵素などで処理する工程を含む抽出方法にて得られた物質を含み、また朝鮮人参の実の成分を取り出して得られた物質に対して他の方法にてさらに加工または処理を施して得られた物質をいずれも含む広範囲な概念である。具体的に、前記加工または処理とは、朝鮮人参の実抽出物をさらに発酵または酵素処理などを施すことであってよい。したがって、本明細書における朝鮮人参の実抽出物は発酵物であってよい。また、本明細書における朝鮮人参の実抽出物は、下記の朝鮮人参の実の抽出物であってよい。具体的に、これは、生の朝鮮人参の実の抽出物または朝鮮人参の実乾燥物の抽出物であってよい。本明細書における生の朝鮮人参の実、朝鮮人参の実の乾燥物または抽出過程のために用いられていてよい朝鮮人参の実の他の加工物(例えば、発酵物、乾燥粉砕物など)は、互いにその組成が類似または同等であってよい。したがって、前記組成が類似または同等な生の朝鮮人参の実または朝鮮人参の実の乾燥物または朝鮮人参の実の他の加工物は、本明細書において開示する朝鮮人参の実抽出物の効果及び用途と同じ効果及び用途を示すと言えよう。
【0058】
本明細書の一側面において、「朝鮮人参の実」は、抽出物の形態であるか、生の朝鮮人参の実、生薬それ自体の粉砕物、生薬の乾燥物、生薬の乾燥粉砕物、朝鮮人参の実の発酵物であってよいが、必ずしもこれらに制限されるものではない。また、本明細書で使用される朝鮮人参の実はその入手方法に制限がなく、栽培して得たものを使用するか又は市販されるものを購入して使用してもよい。本明細書に係る朝鮮人参の実の場合、必ずしも乾燥にて製造されるものではなく、朝鮮人参の実の有効成分を抽出するのに適した形態の原料であれば特に制限されない。本明細書における生の朝鮮人参の実とは、朝鮮人参の実を収穫してから乾燥などの加工を施していない朝鮮人参の実を意味していてよい。
【0059】
本明細書の一側面において、朝鮮人参の実抽出物は、
(1)朝鮮人参の実を、水、有機溶媒、又はこれらの組み合わせで抽出して朝鮮人参の実抽出物を得る段階を含む製造方法によって調製されていてよい。
【0060】
本明細書の一側面において、前記方法は、段階(1)の後に、(2)前記抽出物を濃縮する段階をさらに含んでいてよい。
【0061】
本明細書の一側面において、前記方法は、段階(2)の後に、(3)前記濃縮物から脂溶性成分を除去する段階をさらに含んでいてよい。
【0062】
本明細書の一側面において、前記方法における段階(3)は、脂溶性成分を除去した後に有機溶媒で抽出することをさらに含んでいてよい。
【0063】
本明細書の一側面において、前記方法は、段階(3)の後に、(4)段階(3)での収得物を濃縮する段階をさらに含んでいてよく、具体的に、段階(3)での収得物は、脂溶性成分が除去された濃縮物または脂溶性成分の除去後に有機溶媒で抽出された抽出物であってよい。
【0064】
本明細書の一側面において、朝鮮人参の実抽出物は、
(i)朝鮮人参の実を、水、有機溶媒、又はこれらの組み合わせで抽出する段階;及び
(ii)前記抽出物から脂溶性成分を除去する段階;を含む製造方法によって調製されていてよい。
【0065】
本明細書の一側面において、前記方法は、段階(ii)の後、(iii)脂溶性成分を除去した後に有機溶媒で抽出する段階をさらに含んでいてよい。
【0066】
本明細書の一側面において、前記方法は、段階(iii)の後、(iv)前記抽出物を濃縮する段階をさらに含んでいてよい。
【0067】
本明細書の一側面において、水は蒸留水または精製水を含み、有機溶媒は、C
1〜C
6の低級アルコールを例に挙げられるアルコール、アセトン、エーテル、エチルアセテート、ジエチルエーテル、エチルメチルケトン、クロロホルム、ヘキサン、メチレンクロリド、エチルアセテート、及びn−ブタノールからなる群から選択された一つ以上を含むが、必ずしもこれらに制限されるものではない。具体的に、本発明の一側面において、朝鮮人参の実を抽出する有機溶媒の場合、水、エタノール、又はこれらの組み合わせであってよく、脂溶性成分を除去する有機溶媒の場合、朝鮮人参の実を抽出する有機溶媒よりも極性の低い有機溶媒であってよく、例えば、n−ブタノールが用いられていてよい。
【0068】
本明細書の一側面において、朝鮮人参の実抽出物は、朝鮮人参の実を、水又は有機溶媒を用いて室温で還流抽出した後、減圧濃縮して製造されていてよい。このとき、有機溶媒はエタノールであってよい。また、本発明の他の一実施例に係る組成物は、製剤、丸剤、丹剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、軟膏剤、ドリンク剤、または注射剤などの形態にて薬学組成物または食品組成物として剤形化することができる。
【0069】
本発明は、一実施例として、通常的な方法にてジンセノサイドReまたは朝鮮人参の実抽出物を有効成分として含有する薬学組成物を提供する。薬学剤形の製造にあって、活性成分を担体とともに混合または希釈するか、または容器形態の担体内に封入させることが好ましい。担体が希釈剤として用いられる場合は、活性成分に対する担体、賦形剤、または媒質(medium)として作用する固形、半固形、または液状の物質であってよい。したがって、剤形は、錠剤、丸剤、粉剤、サシェ、エリクシール、懸濁液剤、乳剤、溶液剤、シロップ剤、エアロゾール、軟質または硬質ゼラチンカプセル剤、滅菌注射剤、滅菌粉剤などの形態であってよい。
【0070】
好適な担体、賦形剤、及び希釈剤の例としては、ラクトース、デクストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱物油が挙げられる。剤形は、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、防腐剤などをさらに含んでいてよい。本発明に係る組成物は、哺乳動物への投与の際に活性成分の迅速、長持ちまたは遅延した放出を提供できるように当業界において周知の方法を用いて剤形化されていてよい。
【0071】
本発明に係る薬学組成物は、経口、経皮、皮下、静脈、腹腔、筋肉、局所塗布、貼付、及びイオントフォレシス(iontophoresis)を含む様々な経路を介して投与されていてよく、このうち、局所適用及び経口投与が好ましい。
【0072】
ヒトの場合、活性化合物の通常の1日投与量は1mg/kg〜100g/kg体重、好ましくは、50mg/kg〜80g/kg体重、100mg/kg〜60g/kg体重、200mg/kg〜50g/kg体重、300mg/kg〜40g/kg体重、500mg/kg〜35g/kg体重、または1g/kg〜30g/kgの範囲であってよく、1回または数回に分けて投与していてよい。しかし、活性成分の実際の投与量は、治療対象の疾患、投与経路、患者の年齢、性別及び体重、並びに疾患の重症度などの多くの関連因子に鑑みて決められるべきものと理解される必要があり、よって、前記投与量は、如何なる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。
【0073】
また、本発明は、一実施例として、通常の方法にてジンセノサイドReまたは朝鮮人参の実抽出物を有効成分として含有する食品組成物を提供する。
【0074】
本発明の一側面に係る食品組成物において、食品の種類には特に制限がない。発明の組成物が添加され得る食品の例としては、ドリンク剤、肉類、ソーセージ、パン、ビスケット、餠、チョコレート、キャンデー類、スナック類、お菓子類、ピザ、ラーメン、その他麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種のスープ、飲み物、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり、通常的な意味での健康食品をいずれも含む。
【0075】
本発明の一側面に係る食品組成物は、嗜好食品又は健康機能食品組成物を含む。前記食品組成物の剤形は特に限定されないが、例えば、錠剤、顆粒剤、粉末剤、ドリンク剤のような液剤、キャラメル、ゲル、バーなどに剤形化されていてよい。各剤形の食品組成物は、有効成分の他、当該分野において通常的に用いられる成分を剤形または使用目的に応じて当業者が難なく適宜選定して配合することができ、他の原料と同時に適用した場合、相乗効果が生じることがある。
【0076】
本明細書に係る食品組成物において、前記有効成分の投与量の決定は当業者の水準内で行なわれていてよく、その1日投与用量は、例えば、0.1mg/kg/日〜5000mg/kg/日、より具体的には、50mg/kg/日〜500mg/kg/日であってよいが、必ずしもこれに制限されるものではなく、投与しようとする対象の年齢、健康状態、合併症などといった様々な要因によって変わり得る。
【0077】
本明細書に係る食品組成物は、例えば、チューイングガム、キャラメル製品、キャンデー類、氷果子類、お菓子類などの各種の食品類、清凉飲料、ミネラルウォーター、アルコール飲料などの飲料製品、ビタミンやミネラルなどを含む健康機能性食品類であってよい。
【0078】
その他、本明細書の一側面に係る食品組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び増進剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド粘増剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などを含んでいてよい。その他、本明細書に係る機能性食品組成物は、天然果物ジュース及び果物ジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含んでいてよい。このような成分は、独立で、或いは組み合わせて用いていてよい。このような添加剤の割合はそれほど重要ではないが、本明細書の組成物100質量部当たり0〜約20質量部の範囲で含まれるのが一般的である。
【0079】
以下、本発明を下記の実施例及び試験例に基づいて説明する。実施例及び試験例は、本発明をより詳しく説明するためのものであって、本発明の範囲が下記の実施例の範囲に制限されるものではない。
【0080】
また、当該技術分野の通常の知識を有する者であれば誰でもこの発明の技術思想の範疇を逸脱することなく、特許請求の範囲内で種々の変形及び模倣が可能であることは明白な事実である。
【0081】
[実施例1]朝鮮人参の実抽出物の製造
朝鮮人参の実の前処理
生の朝鮮人参の実を収穫して種子を分離し除去してから朝鮮人参の実の果肉と果皮を日光乾燥または熱風乾燥をすることで朝鮮人参の実乾燥原料を製造した。
【0082】
朝鮮人参の実抽出物の製造
朝鮮人参の実乾燥物1kgにエタノール3Lを加え、室温で4時間還流抽出し、ろ過した後、45℃で減圧濃縮することで朝鮮人参の実抽出物300gを得た。
【0083】
[実施例2]生朝鮮人参の実抽出物の製造
生の朝鮮人参(Panax ginseng C.A. Meyer)の実を収穫して種子を分離し除去してから朝鮮人参の実の果汁、果肉、及び果皮を混合することで朝鮮人参の実原料を製造した。このようにして製造された朝鮮人参の実原料1kgにエタノール3Lを加え、室温で4時間還流抽出し、ろ過した後、45℃で減圧濃縮することで朝鮮人参の実抽出物30gを得た。
【0084】
[比較例1]朝鮮人参の根抽出物の製造
前記実施例1において朝鮮人参の実の代わりに朝鮮人参の根を用いたことを除いては、実施例1と同法にて製造した。
【0085】
[比較例2]紅参抽出物の製造
朝鮮人参の根(4年根)の乾燥物1kgにエタノール3Lを加え、室温4時間還流抽出し、ろ過した後、45℃で減圧濃縮することで紅参抽出物300gを得た。
【0086】
[試験例1]朝鮮人参の実抽出物の成分の比較
<朝鮮人参の実と朝鮮人参の根のジンセノサイド(朝鮮人参のサポニン)成分の分析>
本発明の一実施例に係る実施例1、実施例2の朝鮮人参の実抽出物と比較例1の朝鮮人参の根抽出物をそれぞれ製造した後、これらの抽出物にエーテル(ether)処理を施して脂溶性成分を除去した後にブタノール(BuOH)で粗サポニンを抽出し、濃縮して、HPLCによるジンセノサイド成分の分析を実施し、その結果を
図1及び下の表2に表した。
【0088】
分析の結果、
図1及び表2に表したように、実施例1及び実施例2に従い製造した朝鮮人参の実抽出物は、粗サポニンの含量において、比較例1に従い製造した朝鮮人参の根抽出物よりも約2倍以上の含量を有していると示された。
【0089】
含量比においては、ジンセノサイドをPD(Protopanaxadiol)系−ジンセノサイドRb1、Rb2、Rc及びRd、及びPT(Protopanaxatriol)系−ジンセノサイドRe、Rg1及びRg2の割合で区分したとき、それぞれ0.73、0.69、3.23と分析され、朝鮮人参の実と朝鮮人参の根に含有されたジンセノサイドの組成及び含量は相反する特徴を示すことが分かった。また、朝鮮人参の実抽出物は、これらの中でも特に、ジンセノサイドReを朝鮮人参の根抽出物よりも約9倍程度多く含有していると示された。
【0090】
<朝鮮人参の実抽出物のミネラル成分の分析>
実施例1及び実施例2に従い製造した朝鮮人参の実抽出物が朝鮮人参とは異なる「果実」としての特徴を持つことを区分するために、ビタミンをはじめとしたネラル成分の分析を実施し、その結果を下の表3に表した。
【0092】
前記表3の結果のように、本発明の一実施例に係る朝鮮人参の実は、朝鮮人参の根とは異なり、全般的にビタミンとミネラル16種の含量が非常に豊富であった。
【0093】
このように、本発明の一実施例に係る朝鮮人参の実は、成分的に朝鮮人参の根よりも多くの朝鮮人参サポニンを含有すると共に、サポニン組成の性質が正反対であり、且つ朝鮮人参の根とは異なり、実としてビタミンとミネラル16種の含量が豊富であることを確認することができた。また、朝鮮人参の実を乾燥して抽出した抽出物と、生の朝鮮人参の実をそのまま抽出した抽出物の場合、それらの組成がほぼ同じであることを確認することができた。このことから、このように組成がほぼ同じの二つの抽出物の場合、次の実験から確認できる効果が同一であると判断される。
【0094】
<朝鮮人参の実抽出物のアントシアニン成分の分析>
本発明の一実施例に従い製造した実施例1の朝鮮人参の実抽出物に含有されたアントシアニンの成分を定量分析した。
【0095】
このとき、アントシアニジンキット(シアニジンクロリド、デルフィニジンクロリド、マルビジンクロリド、ペラルゴニンクロリド)、シアニジン誘導体キット(シアニジンクロリド、シアニンクロリド、アイデアインクロリド(Ideain chloride)、ケラシアニンクロリド、クロマニンクロリド)、ペラルゴニジンクロリド、ペチュニジンクロリド標準を利用して朝鮮人参の実アントシアニンを定量分析し、その結果を表4に表した。
【0097】
分析の結果、前記表4に表したように、マルビジンクロリド、アイデアインクロリド、ペラルゴニジンクロリド、ケラシアニンクロリドの量が、それぞれ12.17、2.36、8.28、3.29ppmと定量され、4種の成分の和は26.1ppmと測定され、アントシアニンが豊富に含有されていることが分かった。
【0098】
[試験例2]月経前症侯群及び月経痛の改善度の評価
生理前症侯群の診断にあたって、米国精神医学会(American Psychiatric Association)では次のような診断基準を提示した。
【0099】
診断基準に従って次の11項目のうちの少なくとも5項目を満たし、且つ症状のうちの一つは項目(1)〜(4)のうちの一つを含む女性のみを試験群として採択した。
【0100】
(1)感情の変化が早い。突然悲しい感情、腹立ち、怒りを感じる。
(2)持続的且つ激しく腹が立ち、不安を感じる。
(3)不安、緊張感
(4)憂鬱な感情、希望がないように感じる。
(5)日常的な活動時に憂鬱な感情を感じる。
(6)疲れやすく、気力がなくなる。
(7)集中力がなくなるような感じがする。
(8)食欲に変化がある。
(9)過眠または不眠症である。
(10)感情が調節できない。
(11)乳房痛、頭痛、むくみ、筋肉や関節の痛み、体重増加
【0101】
前記試験例1の結果に基づき、本発明の一実施例に従って朝鮮人参の実抽出物を含有する組成物をヒトに直接適用した場合に現われる生理前症侯群診断アンケートの変化を観察及び評価した。すなわち、朝鮮人参の実抽出物の摂取前後における月経前症侯群症状及び月経痛の変化を次の方法にて評価した。
【0102】
実験のために実施例1に係る朝鮮人参の実抽出物と比較例2に係る紅参抽出物とを100質量%含有する350mgの錠剤を製造した。このとき、テーブルトップ(table top)シングルパンチ打錠機(ERWEKA,ドイツ)を利用して打錠した。
【0103】
そして、診断基準に従って20〜50代の妊娠可能期の48名の女性から40名を選定した。40名を4群、すなわち、未摂取群、紅参摂取群、ジンセノサイドRe摂取群、本発明に係る朝鮮人参の実摂取群に分けて実験を行なった。各群は10名を実験対象として含むものとした。
【0104】
紅参摂取群の場合、紅参を含有する錠剤を4週間1日2回、1回2錠ずつ摂取させた。すなわち、標準化させた紅参抽出物を1日1400mgずつ摂取させた。
【0105】
ジンセノサイドRe摂取群の場合、ジンセノサイドReが有効成分として含有された錠剤を1日2回、1回2錠ずつ摂取させた。1日に摂取する総錠剤には
図1のジンセノサイドRe含量を基準にして、240mgのジンセノサイドReと1160mgのデキストリンが含まれるようにして製造した(1錠を基準にして、ジンセノサイドRe60mg、デキストリン290mg)。このようなジンセノサイドReの摂取群の場合、
図1の分析結果に基づいて朝鮮人参の実抽出物に含まれたジンセノサイドReの質量%分を含む錠剤を投与したことを実験するためのものであって、朝鮮人参の実抽出物の効果とそれに含まれたジンセノサイドReのみを投与した場合における月経前症侯群及び月経痛に対する効果を比較するためのものである。
【0106】
朝鮮人参の実摂取群の場合、前記朝鮮人参の実抽出物を含む錠剤を4週間、1日2回、1回2錠ずつ摂取させた。すなわち、標準化させた朝鮮人参の実抽出物を1日に1400mgずつ摂取させた。
【0107】
40名の女性に対して、月経が終わった後、最初のアンケートとして診断アンケートを作成させ、各群に従って次の月経が終わるまで(約4週)、何も摂取させず、または紅参を摂取させ、または朝鮮人参の実抽出物を摂取させた後、前記米国精神医学会の診断アンケートを作成させた。摂取の前と後を比較して、月経前症侯群の脱落程度について調べ、40名が作成した診断アンケートを項目別に点数化し、総点の点数変化を確認した。このとき、項目にチェックが入った場合、1点と計算した。
【0108】
前記実験の結果を点数化した総点の点数変化を下記の表5に、また月経前症侯群を感じるヒトの変化を下記の表6に表し、これらを一緒に
図2に示した(N=40)。
【0111】
前記表5、表6及び
図2に示したように、診断アンケートの総点結果を比較すると、朝鮮人参の実抽出物を摂取した被験者らの場合、そうでない被験者らに比べて診断アンケートの総点が40%減であって著しく減少したことを確認することができた。また、月経前症侯群を感じる被験者らの数においては、朝鮮人参の実抽出物を摂取した被験者らの場合、10名から5名と50%減少したことが分かった。このことから、朝鮮人参の実抽出物が月経前症侯群の緩和または改善に非常に有効であることが分かった。
【0112】
特に、朝鮮人参の実抽出物は、紅参抽出物に比べて月経前症侯群と月経痛などを緩和または改善するのに著しい効果を示し、且つ朝鮮人参の実抽出物に含まれたジンセノサイドReのみを含むものに比べても著しい効果を示した。このことから、単に朝鮮人参の実抽出物に含まれた量とほぼ同じ量のジンセノサイドReのみを含むものよりも、これを含む朝鮮人参の実抽出物それ自体が月経前症候群などの改善または緩和に著しい効果があることを確認することができた。
【0113】
以下、本発明の一実施例に係る組成物の剤形例について説明するが、他の様々な剤形にも応用可能であり、これらの剤形例は本発明を限定するためのものではなく、単に具体的に説明するために挙げたものに過ぎない。
【0114】
[剤形例1]朝鮮人参の実100質量%エキス
実施例1に従う朝鮮人参の実抽出物の製造の際は、固形分60質量%以上になるように濃縮し、低温で熟成した後、液状の100質量%エキス製品を製造した。
【0115】
[剤形例2]軟質カプセル剤
実施例1に従う朝鮮人参の実抽出物110mg、パーム油0.8mg、植物性硬化油0.48mg、黄ロウ2.4mg及びレシチン3.6mgを混合し、通常の方法にて充填して軟質カプセルを製造した。
【0116】
[剤形例3]錠剤
実施例1に従う朝鮮人参の実抽出物160mg、ブドウ糖200mg及びデキストリン196mgを混合し、流動層乾燥機を利用して顆粒に造粒した後、糖エステル(sugar ester)7mgを添加し、打錠機で打錠して錠剤を製造した。
【0117】
[剤形例4]丸の製造
実施例1に従う朝鮮人参の実抽出物0.9g、糖0.3g、澱粉1.91g及びグリセリン0.56gを混合し、製丸機を利用して丸を製造した。
【0118】
[剤形例5]顆粒剤
実施例1に従う朝鮮人参の実抽出物160mg、ブドウ糖200mg及びデキストリン196mgを混合し、流動層乾燥機を利用して顆粒に造粒した後、包みに充填して顆粒剤を製造した。
【0119】
[剤形例6]ドリンク剤
実施例1に従う朝鮮人参の実抽出物110mg、ブドウ糖10g及びクエン酸2gを混合した後、精製水188gを加えて、各ビンに200mlずつ充填した。ビンに充填した後、90℃で2〜3時間殺菌してドリンク剤を製造した。
【0120】
[剤形例7]健康機能食品
下記の表7に表した組成にて通常の方法で健康機能食品を製造した。
【0122】
前記したビタミン及びミネラル混合物の組成比は、比較的に健康食品に適合した成分を好適な実施例にて混合組成したが、その配合比を任意に変形実施しても構わない。
【0123】
[剤形例8]チューイングガムの製造
下記の表8に表した組成及び含量にて通常の方法でチューイングガムを製造した。
【0125】
[剤形例9]キャンデーの製造
下記の表9に表した組成及び含量にて通常の方法でキャンデーを製造した。
【0127】
[剤形例10]小麦粉食品の製造
実施例1の朝鮮人参の実抽出物5質量部を小麦粉100質量部に添加し、この混合物を利用してパン、ケーキ、クッキー、クラッカー及び麺類を製造し、健康増進用食品を製造した。
【0128】
[剤形例11]乳製品(dairy products)の製造
実施例1の朝鮮人参の実抽出物5〜10質量部を牛乳100質量部に添加し、該牛乳を利用してバター及びアイスクリームのような多様な乳製品を製造した。
【0129】
[剤形例12]禅食の製造
玄米、麦、もち米、鳩麦を公知の方法でアルファ化させて乾燥させたものを焙煎した後、粉砕機で粒度60メッシュの粉末に製造した。黒豆、黒ごま、荏胡麻も公知の方法で蒸して乾燥させたものを焙煎した後、粉砕機で粒度60メッシュの粉末に製造した。そのようにして製造した穀物類及び種実類と実施例1の朝鮮人参の実抽出物を下記の表10のような割合で配合して製造した。
【0131】
[剤形例13]健康飲料
下記の表11に表した組成にて通常の方法で健康飲料を製造した。
【0133】
通常の健康飲料製造方法にて前記した成分を混合した後、85℃で約1時間撹拌・加熱した後、調製された溶液をろ過し滅菌する。