特許第6404385号(P6404385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404385
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】位置特定システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20181001BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   G01S5/02 Z
   G06K7/10 128
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-36704(P2017-36704)
(22)【出願日】2017年2月28日
(65)【公開番号】特開2018-141719(P2018-141719A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2017年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(72)【発明者】
【氏名】波多野 達也
(72)【発明者】
【氏名】池田 剛
(72)【発明者】
【氏名】洞井 晋一
(72)【発明者】
【氏名】塩見 なぎさ
(72)【発明者】
【氏名】森 友則
(72)【発明者】
【氏名】中田 亮太
【審査官】 東 治企
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−012031(JP,A)
【文献】 特開2010−091432(JP,A)
【文献】 特表2004−516205(JP,A)
【文献】 特開2006−209315(JP,A)
【文献】 特開2010−146180(JP,A)
【文献】 特開2006−076688(JP,A)
【文献】 特開2000−113077(JP,A)
【文献】 特開2006−160388(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/070463(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02514690(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00−5/14
G01S 7/00−7/42
G01S 13/00−13/95
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配置される複数の壁状制限区画によって形成された、複数の第一出入口と同数の第二出入口とを有し並列する複数の通路を有し、
前記通路のそれぞれに沿って複数のRFIDタグが列状に設置されてあり、
上記RFIDタグは位置を示す固有の位置特定情報、上記通路を特定する通路特定情報、またはその両方の情報を特定可能に有しており、
上記壁状制限区画は、
上記通路の途中での間を跨ぐ移動を制限するものであり、
上記第一出入口及び上記第二出入口を構成する両端部から途中まで、それぞれの上記通路に設置された上記RFIDタグが有する情報を読み取るRFIDリーダが使用する電波が、当該通路に隣接する上記通路に到達することを遮断する電波遮断シートを備え、かつ、上記電波遮断シートが備えられていない非遮断領域が上記第一出入口と上記第二出入口との間に存在している、
位置特定システム対応通路。
【請求項2】
上記RFIDタグは、
上記通路特定情報を有する通路特定RFIDタグと、
上記位置特定情報を有する位置特定RFIDタグと、
を有し、
上記位置特定RFIDタグは上記第一出入口から上記第二出入口に亘って設置され、
上記通路特定RFIDタグは上記第一出入口及び上記第二出入口から、上記電波遮断シートによって隣接する上記通路からの電波が遮断された領域にのみ設置される
請求項1に記載の位置特定システム対応通路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の位置特定システム対応通路において設置された上記RFIDタグの情報を電波強度情報とともに受信する上記RFIDリーダと、
一旦特定された上記通路特定情報を記録する記憶部と、
上記RFIDリーダで読み取った上記RFIDタグの情報から、上記通路特定情報を求める通路特定情報抽出手段と、
受信した上記RFIDタグの情報のうち上記電波強度情報が最大である上記RFIDタグの上記通路特定情報と、受信した上記RFIDタグの情報に含まれる上記通路特定情報のうち数が最大である上記通路特定情報と、を対比する通路特定対比手段と、
上記通路特定対比手段の結果が一致した場合には、当該通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定し当該通路特定情報を上記記憶部に記録する通路特定手段と
上記通路特定対比手段の結果が一致しない場合には、上記記憶部に記録された上記通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定する通路特定継続手段と、
を有する位置特定システム対応端末。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の位置特定システム対応通路と、
上記位置特定システム対応通路において設置された上記RFIDタグの情報を電波強度情報とともに受信する上記RFIDリーダと、
上記RFIDリーダと接続された位置特定システム対応端末とからなり、
上記位置特定システム対応端末は、
一旦特定された上記通路特定情報を記録する記憶部と、
上記RFIDリーダで読み取った上記RFIDタグの情報のうち、上記通路特定情報を求める通路特定情報抽出手段と、
受信した上記RFIDタグの情報のうち上記電波強度情報が最大である上記RFIDタグの上記通路特定情報と、受信した上記RFIDタグの情報に含まれる上記通路特定情報のうち数が最大である上記通路特定情報と、を対比する通路特定対比手段と、
上記通路特定対比手段の結果が一致した場合には、当該通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定し当該通路特定情報を上記記憶部に記録する通路特定手段と
上記通路特定対比手段の結果が一致しない場合には、上記記憶部に記録された上記通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定する通路特定継続手段と、
を有する位置特定システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の位置特定システム対応通路に、下記(1)の構成を有する位置特定システム対応端末を保持する利用者が進入した際に、
上記位置特定システム対応端末が、
下記通路特定情報抽出手段により、上記通路特定情報を求めるステップ、
下記通路特定対比手段により、受信した上記RFIDタグの情報のうち下記電波強度情報が最大である上記RFIDタグの上記通路特定情報と、受信した上記RFIDタグの情報に含まれる上記通路特定情報のうち数が最大である上記通路特定情報と、を対比するステップ、
を実行し、さらに、
下記通路特定対比手段の結果が一致した場合には、下記通路特定手段により、当該通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定し当該通路特定情報を下記記憶部に記録するステップを、
下記通路特定対比手段の結果が一致しない場合には、下記通路特定継続手段により、下記記憶部に記録された上記通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定するステップを、
実行する、位置特定方法。
(1)
上記位置特定システム対応通路において設置された上記RFIDタグの情報を電波強度情報とともに受信する上記RFIDリーダと、
一旦特定された上記通路特定情報を記録する記憶部と、
上記RFIDリーダで読み取った上記RFIDタグの情報から、上記通路特定情報を求める通路特定情報抽出手段と、
受信した上記RFIDタグの情報のうち上記電波強度情報が最大である上記RFIDタグの上記通路特定情報と、受信した上記RFIDタグの情報に含まれる上記通路特定情報のうち数が最大である上記通路特定情報と、を対比する通路特定対比手段と、
上記通路特定対比手段の結果が一致した場合には、当該通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定し当該通路特定情報を上記記憶部に記録する通路特定手段と
上記通路特定対比手段の結果が一致しない場合には、上記記憶部に記録された上記通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定する通路特定継続手段と、
を有する位置特定システム対応端末。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の位置特定システム対応通路において設置された上記RFIDタグの情報を電波強度情報とともに受信する上記RFIDリーダと、
一旦特定された上記通路特定情報を記録する記憶部と、
を有する端末に、
上記RFIDリーダで読み取った上記RFIDタグの情報から、上記通路特定情報を求める通路特定情報抽出手段と、
受信した上記RFIDタグの情報のうち上記電波強度情報が最大である上記RFIDタグの上記通路特定情報と、受信した上記RFIDタグの情報に含まれる上記通路特定情報のうち数が最大である上記通路特定情報と、を対比する通路特定対比手段と、
上記通路特定対比手段の結果が一致した場合には、当該通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定し当該通路特定情報を上記記憶部に記録する通路特定手段と
上記通路特定対比手段の結果が一致しない場合には、上記記憶部に記録された上記通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定する通路特定継続手段と、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の通路が並ぶエリアにおけるRFIDを用いた位置情報の特定に関する。
【背景技術】
【0002】
RFID(Radio Frequency Identifier)タグをRFIDリーダで読み取ることで、ユーザの位置を特定する位置特定システムが様々な形で使われている。基本的にはRFIDリーダが電波を照射し、これを受けたRFIDタグが固有情報を乗せて電波を反射する。この反射電波をRFIDリーダが受信し、固有情報を読み取ったり電波強度を測定したりする。ただし、RFIDの電波は広範囲に広がるため、遮断しようとしても回折して漏洩することがあり、一つだけを選択して受信することは難しい。また、反射電波の強度のみで位置特定ができるほどには精度が高くない。これらの問題を解決しながら位置を的確に特定する手段が様々に提案されている。
【0003】
設置の態様としては、各地点にRFIDリーダを設置しておき、位置情報を認識しようとする利用者にRFIDタグを所持させるケースが一般的である(非特許文献1,2)。この例として、特許文献1には、階層型の建築物において各階の天井にRFIDリーダを設置し、各階に位置する利用者のRFIDタグを読み取ることで、利用者が位置する階層を特定する技術が記載されている。各階天井に設けるRFIDリーダの電波は当該階だけでなく、隣接階にも到達しているため、そのままでは隣接階に存在する利用者のRFIDタグまで読み取ってしまい、誤検知を起こすことがある。これに対して、部屋の入口付近に設置したRFIDリーダと部屋の内部に設置したRFIDリーダに、共通の階床識別情報を取り決めておき、入口付近のRFIDリーダの電波範囲を利用者が通過する際に、利用者が所持する応答器のRFIDタグに階床識別情報を記録させ、この応答器は当該階床識別情報と同じ当該階床識別情報を持ったRFIDリーダからの問い合わせに対してのみ応答するようにすることが提案されている。
【0004】
また別の設置の態様として、各地点にRFIDタグを設置して、位置情報を認識しようとする利用者が所持するRFIDリーダで読み取る場合がある。RFIDタグを多数設置するため、最も近いRFIDタグだけを読み取ることが理想であるが、実際には複数のRFIDタグを読み取れてしまう。これに対して特許文献2では、RFIDリーダに電波侵入を遮断しつつ一つのRFIDタグだけを読み取れるカバーを取り付け、強制的に一つのRFIDタグだけを半ば接触して読み取る手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−148543号公報
【特許文献2】特開2005−165519号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】NTTコムウェア(株) 研究開発部著「RFIDの現状と今後の動向」電気通信協会、2005年12月1日、p.1-12
【非特許文献2】岸上順一監修「ポイント図解式RFID教科書―ユビキタス社会にむけた無線ICタグのすべて」アスキー、2005年3月4日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、複数のRFIDタグを場に設置して利用者が所持するRFIDリーダで読み取る形式の場合、特許文献2のように毎回RFIDタグを覆う作業を行うのは、利用者に作業負担を強いることになる。このため、できるだけ利用者が作業を行うことなく自動的に読み取りながら、高い精度で読み取れることが望ましい。
【0008】
位置特定システムを適用しようとする現場として、幅1m未満程度の細い通路が幾つも連なっているエリアで、どの通路に利用者が位置しているかを特定しようとするケースが考えられる。だがそれぞれの通路に多数のRFIDタグを配置して、どのRFIDタグまで読み取るかによってどの通路をどこまで進んだか位置特定しようとしても、単純に電波強度が最大のものがユーザ位置であると判断できない。電波の反射や干渉、回折その他の電波特性により位置精度が上がらないのが現実である。実際に位置している隣の通路であると誤認識してしまうことは往々にある。
【0009】
これに対して、それぞれの通路に入る段階でまずどの通路であるかを特定し、その後にその通路の侵入深度によってユーザ位置を特定する方法が考えられる。だが、通路を特定する段階でも、電波強度を利用する手法のみであると、通路列を特定するために必要な情報以外に多くの情報を取得するため、通路列違いという状況が起こりうる。
【0010】
そこで、通路列同士を仕切る壁の全てに電波を遮断する電波遮断シートを設置し、隣接する通路、又はさらに離れた通路からの電波を遮断した上で、電波遮断シートよりも通路側に設置された、その通路の位置を特定するためのRFIDタグのみを読み込むようにすることが考えられる。しかし、電波の回り込みを防ぐためには少なくとも床下から天井裏程度の高さまでは到達するような電波遮断シートを設けなければならず、フロア内に設置する程度のシートでは遮断能力が不十分となるため現実的ではなかった。また、十分な電波遮断能力を持つ電波遮断シートは高価であり、それを複数の通路の全てに隈無く設置するには費用負担が掛かりすぎるという問題があった。
【0011】
そこでこの発明は、細い通路が連なるエリアにおいて、RFIDタグとRFIDリーダとを用いて、どの通路にいるかを含む高精度な位置特定を、利用者が測定の手間をかけることなく、実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、並列に配置される複数の壁状制限区画によって形成された、複数の第一出入口と同数の第二出入口とを有し並列する複数の通路を有するエリアにおいて、
前記通路のそれぞれに沿って複数のRFIDタグを列状に設置し、
上記RFIDタグは位置を示す固有の位置特定情報、上記通路を特定する通路特定情報、またはその両方の情報を特定可能に有するものとし、
上記壁状制限区画が、
上記通路の途中での間を跨ぐ移動を制限し、
上記第一出入口及び上記第二出入口を構成する両端部から途中まで、それぞれの上記通路に設置された上記RFIDタグが有する情報を読み取るRFIDリーダが使用する電波が、当該通路に隣接する上記通路に到達することを遮断する電波遮断シートを備え、かつ、上記電波遮断シートが備えられていない非遮断領域が上記第一出入口と上記第二出入口との間に存在しているように位置特定システム対応通路を構成することにより上記の課題を解決したのである。
【0013】
すなわち、両方の出入口(上記第一出入口及び上記第二出入口)付近に設けられた上記RFIDタグに上記通路特定情報を設定しておき、その両方の出入口付近は隣接した通路のRFIDタグが読み取られないように上記電波遮断シートで各通路を電波的に遮断してあるので、出入口付近ではそれぞれの通路を特定する上記通路特定情報のみを受信できる。なおかつ、上記壁状制限区画が上記通路の途中での上記通路の間を跨ぐ移動を制限してあるので、一旦出入口から入った利用者は、先へ進もうが戻ろうが、出入口から出るまでは同一の上記通路に有り続けることになる。ゆえに、出入口付近で進入した上記通路を特定してしまえば、後は多少の測定エラーがあったとしても、その特定した上記通路が変わることはない。このため、出入口付近以外の部分では上記電波遮断シートを設けない非遮断領域があっても通路特定が十分可能となるので、費用の掛かる上記電波遮断シートの設置を大部分省いても精度の高い通路特定が実現できる。
【0014】
そして、上記RFIDリーダが存在する通路を特定した上で上記位置特定情報と照らし合わせることで、どの通路にどこまで入り込んだ位置にあるかを特定できる。
【0015】
上記RFIDタグが上記位置特定情報や上記通路特定情報を特定可能に有するとは、具体的な座標値や番号を上記RFIDタグが記録する方式(直接記録型)と、上記RFIDタグのRFIDの情報を読み取った端末やサーバ側で、予め定めておいたデータベースを参照して上記位置特定情報や上記通路特定情報を特定できるように定めることで記録されている等しい状態にする方式(間接参照型)と、どちらの方式でもよい。また、直接記録型と間接参照型とのいずれの方式によってでも、一つの上記RFIDタグが上記通路特定情報と上記位置特定情報とを併せ持ってもよい。また別の形態として、上記RFIDタグは、上記通路特定情報を有する通路特定RFIDタグと、上記位置特定情報を有する位置特定RFIDタグとに役割を分けてもよい。上記位置特定RFIDタグは上記第一出入口から上記第二出入口に亘って設置され、上記通路特定RFIDタグは上記第一出入口及び上記第二出入口から、上記電波遮断シートによって隣接する上記通路からの電波が遮断された領域にのみ設置する。
【0016】
この発明にかかる位置特定システム対応通路を利用して位置を特定する利用者が所持する位置特定システム対応端末は次のような構成となる。上記位置特定システム対応通路において設置された上記RFIDタグの情報を電波強度情報とともに受信する上記RFIDリーダと、
一旦特定された上記通路特定情報を記録する記憶部と、
上記RFIDリーダで読み取った上記RFIDタグの情報から、上記通路特定情報を求める通路特定情報抽出手段と、
受信した上記RFIDタグの情報のうち上記電波強度情報が最大である上記RFIDタグの上記通路特定情報と、受信した上記RFIDタグの情報から求められる上記通路特定情報のうち数が最大である上記通路特定情報と、を対比する通路特定対比手段と、
上記通路特定対比手段の結果が一致した場合には、当該通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定し当該通路特定情報を上記記憶部に記録する通路特定手段と
上記通路特定対比手段の結果が一致しない場合には、上記記憶部に記録された上記通路特定情報をもって上記RFIDリーダが存在する上記通路として特定する通路特定継続手段と、有するようにする。各手段は、上記RFIDリーダと上記記憶部を有する端末を、本発明にかかる位置特定システム対応端末として動作させるように実行されるプログラムとして実装可能である。
【発明の効果】
【0017】
この発明にかかる上記位置特定システム対応通路と、上記位置特定システム対応端末とによって、精度がよく導入しやすい位置特定システムが構築できる。それぞれの手段であるステップを順に実行することで、上記位置特定システム対応端末を保持して上記位置特定システム対応通路に進入した利用者の位置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明にかかる位置特定システム対応通路の第一の実施形態の平面図
図2】電波遮断シートとRFIDタグとの配置条件を示す図
図3】この発明にかかる位置特定システム対応通路の第二の実施形態の平面図
図4】この発明にかかる位置特定システムの実施形態例の機能ブロック図
図5】この発明にかかる位置特定システムの処理例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下この発明にかかる位置特定システム対応通路、位置特定システム対応端末、及びこれらからなる位置特定システムについて、具体的に説明する。図1に位置特定システム対応通路の第一の実施形態の平面図を示す。
【0020】
上記の位置特定システム対応通路となるエリアには、並列に配置される複数の壁状制限区画23によって形成された、並列する複数の通路21がある。これらの並列する壁状制限区画23によって、それぞれの通路21の両端には第一出入口22aと第二出入口22bとが形成されている。これらの通路21は一方通行でもよいし、前後自在であってもよい。従って、これらの出入口22は片方が入口で片方が出口でもよいし、どちらも出入口でもよい。
【0021】
上記の壁状制限区画23は床面から天井近くまで十分な高さがあり、通路21を移動する者が通常の手段では通過することができず、通路の途中で通路21の間を跨ぐ移動は制限されている。従って、通路21aから通路21bへ移動しようとするならば、必ず第一出入口22a又は第二出入口22bから一旦通路21の外へ出なければならない。
【0022】
なお、図1ではいずれも通路21及び壁状制限区画23を直線に描いているが、必ずしも直線状である必要はなく、並列であれば途中で曲がっていてもよい。一方、それぞれの通路21の幅と長さはできるだけ揃えられている方が、位置特定が容易かつ高精度になるため好ましい。この発明を好適に用いることができる通路21の幅は0.5m以上2.0m以下程度である。なお、通路21の長さは、上限については無制限に対応できる。一方で、短すぎると本発明を導入する意義に乏しく、少なくとも10m以上あるものに対してこの発明を好適に利用できる。
【0023】
それぞれの通路21には、通路21に沿って複数のRFIDタグ25が列状に設置されている。図1では壁状制限区画23の壁面に沿って設けてあるが、取り付け形態はこれに限るものではなく、通路21の床面や天井に設けていてもよい。ただし、後述する通路特定RFIDタグと位置特定RFIDタグとを兼務させる場合、壁状制限区画23内の電波遮断シート24にできるだけ近づけることが望ましい。
【0024】
ここでRFIDタグ25は、固有の識別情報(「RFIDタグの情報」と記載することがある。)を持ち、電波を受信すると上記識別情報を載せて反射波を返すことができるものである。この電波は利用者が保有するRFIDリーダ20から照射される。この電波の有効な到達距離は通路21の幅よりも長い。ただし、長すぎると収集する情報が増えすぎてしまう。また、RFIDリーダ20が発する電波は基本的に指向性を有さず、全方位に向けて照射されるものであることが望ましい。ただし、電波自体の性質として、RFIDリーダ20から発せられた電波は後述する電波遮断シート24によって吸収、遮断され、なおかつ電波遮断シート24の縁で回折する。
【0025】
上記のRFIDタグ25の設置間隔は、短すぎると設置個数が膨大になり、長すぎると位置特定の精度が低下しすぎてしまう。このため、設置間隔は0.2m以上あると好ましく、一方で2m以下であると好ましい。
【0026】
それぞれの壁状制限区画23の両端部、すなわち第一出入口22a、第二出入口22bから途中までには、電波遮断シート24が設けてある。図では壁状制限区画23の内部に一枚のみ設置しているが、通路21の両方の壁面にそれぞれ設置してもよい。一方、電波遮断シート24が設けられていない非遮断領域26が、第一出入口22aと第二出入口22bとの間に存在している。電波遮断シート24は、RFIDリーダ20が使用する電波が、当該通路21aに隣接する通路21bに到達することを遮断するものである。電波遮断シート24の上下からの電波の回折による誤認識を防ぐため、後述のRFIDタグ25の設置位置に対して条件を満たす程度の高さを有することが必要である。また、設置場所が建物の内部である場合は、床下から天井裏まで到達しているとより望ましい。
【0027】
RFIDリーダ20が発する電波が回折するため、隣接する通路21からの電波がRFIDタグ25に到達することを電波遮断シート24によって防ぐためには、最も端部に近いRFIDタグ25と電波遮断シート24との配置が図2に示すような条件を満たす必要がある。電波が届く距離x、電波起点Sから電波遮断シート24の端までの通路幅方向の距離y,電波起点Sから電波遮断シート24の端までの通路奥行き方向の距離zに対して、電波遮断シート24の端である回折点Dから下記式(1)の最短設置限界距離Lより遠い位置にRFIDタグ25を設置すると、端部における誤認識を防ぐことができる。ここで電波起点Sとは、通常の利用者が通路21を通過するときのRFIDリーダ20の存在位置である。
【0028】
[式(1)]

L=x−(y+z1/2 ・・・(1)
【0029】
こうしてRFIDリーダ20によって読み取られるRFIDタグ25には、位置を示す固有の位置特定情報、上記通路を特定する通路特定情報、またはその両方の情報を特定可能に有するようにする。上記位置特定情報や上記通路特定情報を特定可能に有するとは、それ自身が情報を有する直接記録型でも別途データベースを参照して求められる間接参照型でもよい。直接記録型の方式とは、例えば具体的な座標値や番号をRFIDタグ25が直接記録しておき、RFIDリーダ20が直接それらを取得する方式である。一方、間接参照型の方式とは、例えば予めRFIDリーダ20や位置特定システム対応端末10、又は位置特定システム対応端末10が無線接続するサーバ(図示せず)に、予めどのRFIDタグ25がどの上記位置特定情報やどの上記通路特定情報に対応するかを参照可能に定義したデータベースを保存しておく。その上で、RFIDタグ25のRFIDの情報を読み取ったRFIDリーダ20や、位置特定システム対応端末10は、前記のデータベースを参照して上記位置特定情報や上記通路特定情報を特定できるように定める方式である。いずれの方式にしても、それぞれの情報は予め定義付けしてあり、RFIDリーダ20から情報を受け取った位置特定システム対応端末で解釈可能とする。具体的な定義方法としては例えば、上記位置特定情報は上記RFIDタグの情報(RFIDタグ番号)を設置場所におけるXY座標に紐付けておくことが挙げられる。一方、上記通路特定情報は通路21(21a,21b……)に通路番号を割り振ることが挙げられる。
【0030】
図1に示す実施形態では、RFIDタグ25のうち、電波遮断シート24によって隣接する通路21からの電波が遮断されている通路特定RFIDタグ25aと、遮断されていない位置特定RFIDタグ25bとを使い分ける。遮断されている通路特定RFIDタグ25aには、上記位置特定情報と上記通路特定情報との両方を記録しておく。遮断されていない位置特定RFIDタグ25bには、上記位置特定情報のみを記録しておく。この場合、RFIDタグ25の設置個数を少なくし、設置コストを抑制することができる。
【0031】
また第二の実施形態を図3に示す。上記位置特定情報を有する位置特定RFIDタグ25bを、通路21に沿って設置している。設置する場所は図1における通路特定RFIDタグ25aの位置も含む。それとは別に、上記通路特定情報を有する通路特定RFIDタグ25cを、電波遮断シート24にできるだけ近づけ、隣接する通路21からの電波が遮断された領域に設置する。電波遮断シート24に近い位置に設置すればするほど、電波遮断シート24の特性によりRFIDタグ25からの反射波が弱くなる傾向にある。このため、位置特定RFIDタグ25bと通路特定RFIDタグ25cとの役割を一種類のRFIDタグ25に兼用させると、同一通路内の、電波遮断シート24に隣接して設置したRFIDタグ25(図1の通路特定RFIDタグ25a)とそれ以外のRFIDタグ25(図1の位置特定RFIDタグ25b)とで反射波の強さが変わり、電波遮断シート24の影響を受けない(電波遮断シート24に隣接して設置していない)遠いRFIDタグ25の反射波が強くなる可能性があり、これが精度に影響を及ぼす可能性がある。従って、役目を分けた位置特定RFIDタグ25bと通路特定RFIDタグ25cとを使い分けて使用する方が最終的な位置特定の精度は上がると考えられる。
【0032】
図1図3どちらの実施形態であっても、この発明によって存在位置及び存在する通路(以下、まとめて「位置」と記載することがある。)を特定しようとする者が、第一出入口22a又は第二出入口22bのいずれかから、いったん通路21に進入した後は、第一出入口22a又は第二出入口22bから出るまでは同一の通路21を移動することになる。そこで、通路特定RFIDタグ25a又は通路特定RFIDタグ25cに記録された上記通路特定情報から、どの通路21に侵入したのかを特定し、通路21の途中に深く侵入した後はその情報を維持し、次に出入口22から出て新規に通路21に進入するまでそのままの状態を続ける。
【0033】
上記位置を特定しようとする者は、RFIDタグ25(25a〜25c)に記録された情報を電波により読み取ることができるRFIDリーダ20を備え、受け取った情報から上記通路特定情報と上記位置特定情報の定義に従って、通路の特定及び位置の特定を行う処理部を有する位置特定システム対応端末10を所持して通路21に進入する。なお、ここで位置を特定しようとする「者」とは、必ずしも人である必要はなく、倉庫、工場や農場などの作業現場において移動する能力を持つ貨車や作業用ロボットでもよい。
【0034】
この位置特定システム対応端末10とRFIDリーダ20とRFIDタグ25との機能ブロックを図4に示す。位置特定システム対応端末10はスマートフォンやロボットなどであり、演算装置(制御部31)と記憶部32を有する。また、位置特定システム対応端末10は、単一の筐体に組み込まれているか、又は別の筐体に含まれているRFIDリーダ20と有線又は無線で接続され、RFIDリーダ20が読み取った情報を、通信部33を通じて取り込む。位置特定システム対応端末10がスマートフォンのような個人用端末である場合は、キーボードやタッチパネルなどの入力装置を有し、液晶や有機ELなどのディスプレイやプリンタなどの出力装置を有していると好ましい。これら入力装置や出力装置との接続を、入出力部35を介して行う。
【0035】
さらに、通信部33から取り込んだ情報を、情報解析部34により解析して、位置特定システム対応端末10が存在する位置及び通路21を特定する。具体的には次のような各手段を実行する。
【0036】
位置を特定しようとする者が第一出入口22a、第二出入口22bから通路21に進入する際に、最初にどの通路に進入しているかを認識する必要がある。このときまず、RFIDリーダ20で読み取ったRFIDタグ25(25a〜25c)の情報から、上記通路特定情報を求める通路特定情報抽出手段を実行する。この通路特定情報抽出手段の手順は、方式により異なるが、具体例としては次のような手段が挙げられる。上記の直接記録型の方式の場合は、読み取ったRFIDタグ25の情報から直接に上記通路特定情報を抽出する。上記の間接参照型の方式の場合は、予め、位置特定システム対応端末10側に通路番号などにあたる上記通路特定番号と上記のRFIDタグ25の情報(RFID番号)とを紐付けたデータベースを保持させておく。その上で、位置特定システム対応端末10はRFIDリーダ20から送信されてくるすべてのRFIDタグ25の情報から、RFIDタグ25(通路特定RFIDタグ25a,通路特定RFIDタグ25c)を上記データベースとのマッチングで抽出し、上記通路特定情報を得る。ただし、いずれの方式の場合も、ほぼ確実に複数のRFIDタグ25からの情報を同時に読み取ることになる。そのままではどのRFIDタグ25の情報を正しい通路21の情報とすればよいかわからないので、条件を課して信頼性の高い選別を行う。
【0037】
そのために、受信した複数のRFIDタグ25からの信号について、RFIDタグ25自体の固有識別符号に対して、求めた上記通路特定情報とともに、受信した際の電波強度情報とをセットで一時記憶する受信情報一時記憶手段を実行する。その一時記憶した情報の中から、受信したRFIDタグ25の情報のうち上記電波強度情報が最大であるRFIDタグ25の上記通路特定情報を特定する最大強度通路番号特定手段を実行する。これはすなわち、RFIDリーダ20に最も近いものである可能性が高いRFIDタグ25の上記通路特定情報を得るステップである。併せて、その一時記憶した情報の中から、受信したRFIDタグ25の情報に含まれる上記通路特定情報のうち数が最大である上記通路特定情報を特定する最大頻度通路番号特定手段を実行する。これはすなわち、受信できたRFIDタグ25の中で最も多く受信できた上記通路特定情報を得るステップである。エラーが無ければ、RFIDリーダ20が存在する通路21の上記通路特定情報を示すRFIDタグ25のカウント数が、隣接する通路21の上記通路特定情報を示すRFIDタグ25のカウント数よりも多くなるはずである。その上で、上記の最大強度通路番号特定手段で特定された上記通路特定情報と、上記の最大頻度通路番号特定手段で特定された上記通路特定情報とを対比する通路特定対比手段を実行する。すなわちこれは、二通りのアプローチで通路21を特定することで、エラーの介在する余地を無くすための対比である。
【0038】
上記通路特定対比手段の結果が一致した場合には、当該通路特定情報をもってRFIDリーダ20が存在する通路21として特定し当該通路特定情報を記憶部32に記録する通路特定手段を実行する。どちらのアプローチからも同じ通路21であるとの判断が得られたのであれば、ほぼエラーは無いと言える程度の確からしさを得られる。そこで、現在RFIDリーダ20が存在する通路21として、当該通路特定情報を記憶部32に記録しておき、以後はその情報を優先的に取り扱う。なお、既に記憶部32に、「RFIDリーダ20が存在する通路21」としての上記通路特定情報が記録されている場合には、それを上書きする形で記録する。新たに出入口22から入り直して、別の通路21に入った可能性が高いからである。
【0039】
一方で、上記通路特定対比手段の結果が一致しない場合には、どちらを正しいとすることもできない。既に「RFIDリーダ20が存在する通路21」としての上記通路特定情報が記憶部32に記録されている場合には、その情報を上書きすることなく、引き続き記録された上記通路特定情報をもってRFIDリーダ20が存在する通路21として扱う通路特定継続手段を実行する。一方、記憶部32に記録されていない場合は、特定をしないまま、上記の一連の特定のための各手段を次に実行するときまで保留する。ただし、測定から上記の特定は長くとも数秒程度の間隔で行うことが好ましい。
【0040】
記憶部32の記録を更新しているか否かにかかわらず、その時点でRFIDリーダ20が存在する通路21を示すものと扱う上記通路特定情報について、通路特定システム対応端末10は、所有者や管理者にその情報を伝達することが好ましい。例えばスマートフォンである場合、抽出して特定された上記通路特定情報を、記憶部32に記録してある上記通路特定情報の定義と照らし合わせて、通し番号等で何番の通路であるかを求める通路特定情報対照手段を実行する。判明した通路の通し番号等は、入出力部35に受け渡し、モニタなどに表示可能とする。一方、制御ロボットなどである場合には、その情報を別途別の管理サーバなどに送信してもよい。
【0041】
一連の手順を実行する形態の例を図5のフローチャートに沿って説明する。まず(S101)、RFIDリーダ20は定期的に電波を送信して、周囲のRFIDタグ25のうち、電波遮断シート24によって遮断されない位置にあるものから、反射波として情報を受け取る(S102)。ここでは仮に、一秒間に検知した情報を用いるとする。このとき、受け取っている情報は、個々のRFIDタグ25の識別情報と、上記通路特定情報と上記位置特定情報と、電波強度とが混在している。また、この段階ではRFIDタグ25が通路特定RFIDタグ25c(25a)であるか、位置特定RFIDタグ25bであるかを判別していない。ただし、電波遮断シート24の効果によって、概ねの傾向としてその時点でRFIDリーダ20が存在する通路21の当該通路特定情報と、上記位置特定情報とが集まりやすくなる。これらの情報はまとめてRFIDリーダ20から位置特定システム対応端末10へ送信される(S103)。位置特定システム対応端末10では、記憶部32に送信された情報をまとめて記録する、上記受信情報一時記憶手段を実行する(S104)。
【0042】
ここからは通路21を特定するための処理になる。まず、受信した中で電波強度が最大である通路特定RFIDタグ25c(25a)の上記通路特定情報を特定する上記最大強度通路番号特定手段を実行する(S111)。次に、受信した中で最も頻度の高い上記通路特定情報を特定する上記最大頻度通路番号特定手段を実行する(S112)。その上で、これらの結果を対比する上記通路特定対比手段を実行する(S113)。これらが一致したら(S113→一致)、その通路21に存在しているとみなし、記憶部32に記録する上記通路特定手段を実行する(S114)。これで特定された通路21が記憶部32に記録されることで、次の処理でも利用することになる。
【0043】
一方、電波の回り込みなどの理由により、上記通路特定対比手段の結果が一致しなかった場合(S113→不一致)、すでに記憶部32に特定された通路21が記録されていれば(S115→あり)、既に特定済みの通路に引き続き存在と扱う(S116)。もし記憶部32に特定された通路21が記録されていなければ(S115→なし)、存在する通路21を特定せずに、次の結果を待つ(S117)。
【0044】
また、RFIDリーダ20によるスキャン開始が通路21の中央付近であったり、出入口22付近で通路を特定できないまま通路21の中央付近を移動する場合、上記通路特定情報が得られないままとなり(S113→未検知)、通路21を特定できない。ただし、これは基本的に取り扱いを間違えた場合である。
【0045】
いずれにしても存在する通路21が特定された上で、位置特定システム対応端末10はさらに、読み込んだRFIDタグ25の上記位置特定情報について、定義された上記位置特定情報を参照することで、さらに存在する位置を厳密に絞り込む。ここでの上記位置特定情報による特定は、多数設置された位置特定RFIDタグ25bから、受信電波強度が大きいものを選び出したり、定義された座標と照会したりするなど、既存の方法による位置情報特定でよい。ただしこの発明においては、上記位置特定情報からの位置特定についてある程度の誤差があったとしても、どの通路21に存在するかを既に特定されているため、上記位置特定情報によって通路21にどの程度入り込んだ場所であるかを確認することができればよく、通路21が連なるエリアにおいて必要な範囲において、極めて高い精度で位置情報を確定させることができる。
【0046】
電波遮断シート24の素材は特に限定されるものではなく、金属シートやその他の樹脂シートなどとの複合シートなどの汎用の電波遮断用の素材を用いることができる。
【0047】
この発明にかかる位置特定システム対応通路としては、本棚や倉庫のような壁を有する建築物や、農業用ビニールハウスにおいて畝と通路が交互に並ぶような区画であったり、特に限定されず、通路が並列する区画であればよい。畝の場合、壁状制限区画は畝に沿って設置された農作物自体であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 位置特定システム対応端末
20 RFIDリーダ
21,21a,21b 通路
22 出入口
22a 第一出入口
22b 第二出入口
23 壁状制限区画
24 電波遮断シート
25 RFIDタグ
25a、25c 通路特定RFIDタグ
25b 位置特定RFIDタグ
26 非遮断領域
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 情報解析部
35 入出力部
D 回折点
L 最短設置限界距離
S 電波起点
x 電波到達距離
y 端までの幅方向距離
z 端までの奥行き方向距離
図1
図2
図3
図4
図5