【実施例】
【0058】
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0059】
製造例1 <ジオール(D1−1)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物439重量部(60.6モル部)、ビスフェノールA・PO3モル付加物329重量部(39.4モル部)、テレフタル酸206重量部(66.8モル部)、アジピン酸90重量部(33.2モル部)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.5重量部を入れ、次いで230℃まで徐々に昇温しながら、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。酸価が1未満になった時点で取り出し、ジオール(D1−1)を得た。
ジオール(D1−1)のTgは45℃、水酸基価は25、数平均分子量は3,900、重量平均分子量は11,000、分子量分布は2.8であった。
【0060】
製造例2〜4 <ジオール(D1−2)〜(D1−4)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載した多価アルコール及びポリカルボン酸を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ジオール(D1−2)〜(D1−4)を得た。
【0061】
【表1】
【0062】
製造例5 <ジオール(D1−5)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、3−メチルー1,5−ペンタンジオール508重量部(100モル部)、テレフタル酸338重量部(49.9モル部)、アジピン酸298重量部(50.1モル部)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.5重量部を入れ、次いで220℃まで徐々に昇温し、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。酸価が1未満になった時点で取り出し、ジオール(D1−5)を得た。
ジオール(D1−5)のTgは−40℃、水酸基価は25、数平均分子量は3,800、重量平均分子量は11,000、分子量分布は2.9であった。
【0063】
製造例6 <ジオール(D1−6)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載した多価アルコール及びポリカルボン酸を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ジオール(D1−6)を得た。
【0064】
製造例7 <ジオール(D1−7)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載した多価アルコール及びポリカルボン酸を仕込み、それ以外は製造例5と同様に反応を行い、ジオール(D1−6)を得た。
【0065】
製造例8 <ジオール(D1’−1)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載した多価アルコール及びポリカルボン酸を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ジオール(D1−6)を得た。なお、この(D1’−1)は数平均分子量が15,000を超えるので比較例の原料として使用する。
【0066】
製造例9 <ジオール(D1’−2)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載した多価アルコール及びポリカルボン酸を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ジオール(D1−6)を得た。なお、この(D1’−1)は数平均分子量が1,000より小さいので比較例の原料として使用する。
【0067】
製造例10と11 <3価以上のポリオール(D2−4)と(D2−5)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載した多価アルコール及びポリカルボン酸を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリオール(D2−4)と(D2−5)を得た。
【0068】
製造例1〜11で得られたジオール(D1−1)〜(D1−7)と(D1’−1)〜(D1’−2)、ポリオール(D2−4)と(D2−5)について、それぞれの組成と物性値を表1に示す。
【0069】
製造例9 <プレポリマー(A−1)溶液の合成>
攪拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器にポリオール(D1−1)447重量部、トリメチロールプロパン1.2重量部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)(E−1)52重量部及び酢酸エチル500重量部を投入し、密閉状態で80℃、10時間反応を行い、分子末端にイソシアネート基を含有するプレポリマー(A−1)溶液を得た。
プレポリマー(A−1)のウレタン基濃度は2.3、数平均分子量は6,200、重量平均分子量は32,240、分子量分布は5.2であった。
【0070】
製造例10〜18 <プレポリマー(A−2)溶液〜(A−10)溶液の合成>
攪拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器に表2に記載したジオール、ポリオール、ジイソシアネート及び酢酸エチルを投入し、それ以外は製造例9と同様に反応を行い、分子末端にイソシアネートを含有するプレポリマー(A−2)溶液〜(A−10)溶液を得た。
【0071】
【表2】
【0072】
なお、表2中の(E−2)はヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)である。
【0073】
比較製造例1 <プレポリマー(A’−1)溶液の合成>
攪拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器にジオール(D1−1)447重量部、イソホロンジイソシアネート52重量部及び酢酸エチル500重量部を投入し、密閉状態で80℃、10時間反応を行い、分子末端にイソシアネート基を含有するプレポリマー(A’−1)溶液を得た。
プレポリマー(A’−1)のウレタン基濃度は2.0、数平均分子量は6,900、重量平均分子量は25,000、分子量分布3.6はであった。なお、(A’−1)は3価以上のポリオールは使用していないので比較例1の樹脂粒子に使用する。
【0074】
比較製造例2 <プレポリマー(A’−2)溶液の合成>
攪拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器にジオール(D1−1)447重量部、トリメチロールプロパン7.2重量部、イソホロンジイソシアネート52重量部及び酢酸エチル500重量部を投入し、密閉状態で80℃、10時間反応を行い、分子末端にイソシアネート基を含有するプレポリマー(A’−2)溶液を得た。
プレポリマー(A’−2)のウレタン基濃度は3.8、数平均分子量は20,000、重量平均分子量は158,000、分子量分布は7.9であった。なお、(A’−2)では(D1)/(D2)のモル比が1.9なので比較例2の樹脂粒子に使用する。
【0075】
比較製造例3 <プレポリマー(A’−3)溶液の合成>
攪拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器に表2に記載したジオール、ポリオール、ジイソシアネート、酢酸エチルを用いて実施例2に準じて反応を行い、分子末端にイソシアネートを含有するプレポリマー(A’−3)溶液を得た。なお、(A’−3)では(D1)/(D2)のモル比が27.6なので比較例3のに使用する。
【0076】
比較製造例4 <プレポリマー(A’−4)溶液合成>
攪拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器に表2に記載したジオール(D1’−1)、ポリオール、ジイソシアネート、酢酸エチルを用いて比較例2に準じて反応を行い、分子末端にイソシアネートを含有するプレポリマー(A’−4)溶液を得た。なお、(A’−4)は使用したジオール(D1’−1)の数平均分子量は15,800なので比較例9の樹脂粒子に使用する。
【0077】
比較製造例5 <プレポリマー(A’−5)溶液合成>
攪拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器にポリオール(D2−4)447重量部、イソホロンジイソシアネート79重量部及び酢酸エチル500重量部を投入し、密閉状態で80℃、10時間反応を行い、分子末端にイソシアネート基を含有するプレポリマー(A’−5)溶液を得た。
プレポリマー(A’−5)のウレタン基濃度は3.2、数平均分子量は3,300、重量平均分子量は13,860、分子量分布は4.2であった。なお、(A’−5)はジオール(D1)を使用しないので比較例5の樹脂粒子に使用する。
【0078】
比較製造例6 <プレポリマー(A’−6)溶液合成>
攪拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器にポリオール(D2−5)500重量部及び酢酸エチル500重量部を投入し、密閉状態で80℃、5時間攪拌を行い、分子末端にイソシアネート基を含有しないプレポリマー(A’−6)溶液を得た。なお、(A’−6)はジイソシアネートを使用しないので比較例6の樹脂粒子に使用する。
【0079】
比較製造例7 <プレポリマー(A’−7)溶液合成>
攪拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器に表2に記載したジオール(D1’−2)、ポリオール、ジイソシアネート、酢酸エチルを用いて比較例2に準じて反応を行い、分子末端にイソシアネートを含有するプレポリマー(A’−7)溶液を得た。なお、(A’−7)は使用したジオール(D1’−2)の数平均分子量は860なので比較例7の樹脂粒子に使用する。
【0080】
製造例9〜18及び比較製造例1〜7で得られたプレポリマー(A−1)〜(A−10)溶液及び比較のプレポリマー(A’−1)〜(A’−7)溶液について、それぞれの組成と物性値を表2に示す。
【0081】
製造例19<非結晶性ポリエステル樹脂(L−1)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物418重量部(58.5モル部)、ビスフェノールA・PO3モル付加物314重量部(38.0モル部)、トリメチロールプロパン10重量部(3.5モル部)、テレフタル酸243重量部(82.3モル部)、アジピン酸46重量部(17.7モル部)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.5重量部を入れ、次いで230℃まで徐々に昇温しながら、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸31部を加え、常圧密閉下1時間反応後、取り出し、非結晶性ポリエステル樹脂(L−1)を得た。
非結晶性ポリエステル樹脂(L−1)のTgは58℃、水酸基価は28、酸価は18、数平均分子量は3,000、重量平均分子量は9,500であった。
【0082】
製造例20<結晶性ポリエステル樹脂(M−1)の合成>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、1,6-ヘキサンジオール387重量部(95.6モル部)、ベヘニルアルコール48重量部(4.4モル部)、セバシン酸687重量部(100.0モル部)及び重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、180℃に昇温し、同温度で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させ、次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成する水を留去しながら4時間反応させ、更に0.007〜0.026MPaの減圧下で水を留去しながら反応させ、酸価が0.5以下になった時点で取り出し、結晶性ポリエステル樹脂(M−1)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂(M−1)のTmは70℃、水酸基価は7、酸価は2、数平均分子量は6,300、重量平均分子量は19,900であった。
【0083】
製造例21 <[微粒子分散液]の製造>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、水690.0重量部、ポリオキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステルのナトリウム塩「エレミノールRS−30」[三洋化成工業(株)製]9.0重量部、スチレン90.0重量部、メタクリル酸90.0重量部、アクリル酸ブチル110.0重量部及び過硫酸アンモニウム1.0重量部を投入し、350回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
次いで75℃まで昇温し、同温度で5時間反応させた。更に、1重量%過硫酸アンモニウム水溶液30重量部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の[微粒子分散液]を得た。
微粒子分散液に分散されている粒子の体積平均粒径を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−920」[(株)堀場製作所製]を用いて測定したところ、0.1μmであった。
[微粒子分散液]の一部を取り出し、Tg及びMwを測定したところ、Tgは65℃であり、Mwは150,000であった。
【0084】
製造例22<[着色剤分散液]の製造>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、プロピレングリコール557重量部(17.5モル部)、テレフタル酸ジメチルエステル569重量部(7.0モル部)、アジピン酸184重量部(3.0モル部)及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3重量部を投入し、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール及び水を留去しながら4時間反応させ、更に0.007〜0.026MPaの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは175重量部(5.5モル部)であった。
次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸121重量部(1.5モル部)を加え、常圧密閉下で2時間反応後、220℃、常圧で軟化点が180℃になるまで反応させ、ポリエステル樹脂(Mn=8,500)を得た。
ビーカーに、銅フタロシアニン20重量部と着色剤分散剤「ソルスパーズ28000」[アビシア(株)製]4重量部、得られたポリエステル樹脂20重量部及び酢酸エチル56重量部を投入し、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液]を得た。
[着色剤分散液]の「LA−920」で測定した体積平均粒径は0.2μmであった。
【0085】
製造例23 <[変性ワックス]の製造>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、キシレン454重量部、低分子量ポリエチレン 「サンワックス LEL−400」[軟化点:128℃、三洋化成工業(株)製]150重量部を投入し、窒素置換後撹拌下170℃に昇温し、同温度でスチレン595重量部、メタクリル酸メチル255重量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34重量部及びキシレン119重量部の混合溶液を3時間かけて滴下し、更に同温度で30分間保持した。次いで0.039MPaの減圧下でキシレンを留去し、[変性ワックス]を得た。
[変性ワックス]のグラフト鎖のSP値は10.35(cal/cm
3)
1/2、Mnは1,900、Mwは5,200、Tgは56.9℃であった。
【0086】
製造例24<[離型剤分散液]の製造>
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、パラフィンワックス「HNP−9」[融解熱最大ピーク温度:73℃、日本精鑞(株)製]10重量部、製造例13で得られた[変性ワックス]1重量部及び酢酸エチル33重量部を投入し、撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、[離型剤分散液]を得た。体積平均粒径は0.25μmであった。
【0087】
製造例25 <[結晶性ポリエステル樹脂(M−1)分散液]の製造>
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、結晶性ポリエステル樹脂(M−1)20重量部及び酢酸エチル80重量部を投入し、撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却して結晶性ポリエステル樹脂を微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、[結晶性ポリエステル樹脂(M−1)分散液]を得た。体積平均粒径は0.3μmであった。
【0088】
製造例26 <ブロック化アミン化合物(B−3)の製造>
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、イソホロンジアミン50重量部とメチルエチルケトン300重量部を投入し、50℃で5時間反応を行った後に脱溶剤して、ケチミンブロック化アミン化合物(B−3)を得た。
アミン化合物(B−3)の全アミン価は415であった。
【0089】
実施例1 <樹脂粒子(S−1)の製造>
ビーカーに、イオン交換水170重量部、[微粒子分散液]0.3重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液「エレミノールMON−7」[三洋化成工業(株)製]36重量部及び酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
次いで、非結晶性ポリエステル樹脂(L−1)71重量部、[着色剤分散液]40重量部、[離型剤分散液]39重量部及び酢酸エチル54重量部を投入し、撹拌して均一に溶解させた樹脂溶液にプレポリマー(A−1)溶液18重量部及びイソホロンジアミン(B−1)0.26重量部を投入して、TKオートホモミキサーにて10,000rpmで2分間撹拌した。次いでこの混合液を撹拌機及び温度計を備えた反応容器に移し、50℃で濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、トナーバインダー(T−1)を含む樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た後、洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。ついで、トナー粒子100部に外添剤としてコロイダルシリカ(「アエロジルR972」日本アエロジル製)1.0部をサンプルミルにて混合して、本発明の樹脂粒子(S−1)を得た。
【0090】
【表3】
【0091】
実施例2 <樹脂粒子(S−2)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A−2)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.19重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T−2)を含む樹脂粒子(S−2)を得た。
【0092】
実施例3 <樹脂粒子(S−3)の製造>
実施例9において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A−3)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.42重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T−3)を含む樹脂粒子(S−3)を得た。
【0093】
実施例4 <樹脂粒子(S−4)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A−4)に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.28重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T−4)を含む樹脂粒子(S−4)を得た。
【0094】
実施例5 <樹脂粒子(S−5)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A−5)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.27重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T−5)を含む樹脂粒子(S−5)を得た。
【0095】
実施例6 <樹脂粒子(S−6)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A−6)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.25重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T−6)を含む樹脂粒子(S−6)を得た。
【0096】
実施例7 <樹脂粒子(S−7)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A−7)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.26重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T−7)を含む樹脂粒子(S−7)を得た。
【0097】
実施例8 <樹脂粒子(S−8)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A−8)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.26重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T−8)を含む樹脂粒子(S−8)を得た。
【0098】
実施例9 <樹脂粒子(S−9)の製造>
ビーカーに、イオン交換水170重量部、[微粒子分散液]10.3重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液「エレミノールMON−7」[三洋化成工業(株)製]36重量部及び酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
次いで、非結晶性ポリエステル樹脂(L−1)67重量部、[着色剤分散液]40重量部、[離型剤分散液]39重量部及び酢酸エチル54重量部を投入し、撹拌して均一に溶解させた樹脂溶液にプレポリマー(A−8)溶液27重量部及びイソホロンジアミン(B−1)0.39重量部を投入して、TKオートホモミキサーにて10,000rpmで2分間撹拌した。
次いでこの混合液を撹拌機及び温度計を備えた反応容器に移し、50℃で濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、トナーバインダー(T−9)を含む樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た後、洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。ついで、トナー粒子100部に外添剤としてコロイダルシリカ(「アエロジルR972」日本アエロジル製)1.0部をサンプルミルにて混合して、本発明の樹脂粒子(S−9)を得た。
【0099】
実施例10 <樹脂粒子(S−10)の製造>
ビーカーに、イオン交換水170重量部、[微粒子分散液1]0.3重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液「エレミノールMON−7」[三洋化成工業(株)製]36重量部及び酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
次いで、非結晶性ポリエステル樹脂(L−1)63重量部、[結晶性ポリエステル樹脂(M−1)分散液]40重量部、[着色剤分散液]40重量部、[離型剤分散液]39重量部及び酢酸エチル54重量部を投入し、撹拌して均一に溶解させた樹脂溶液にプレポリマー(A−8)溶液27重量部及びイソホロンジアミン(B−1)0.26重量部を投入して、TKオートホモミキサーにて10,000rpmで2分間撹拌した。次いでこの混合液を撹拌機及び温度計を備えた反応容器に移し、50℃で濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、トナーバインダー(T−10)を含む樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た後、洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。ついで、トナー粒子100部に外添剤としてコロイダルシリカ(「アエロジルR972」日本アエロジル製)1.0部をサンプルミルにて混合して、本発明の樹脂粒子(S−10)を得た。
【0100】
実施例11 <樹脂粒子(S−11)の製造>
実施例8において、イソホロンジアミン(B−1)0.26重量部をヘキサメチレンジアミン(B−2)0.18重量部に変更する以外は実施例8と同様にしてトナーバインダー(T−11)を含む樹脂粒子(S−11)を得た。
【0101】
実施例12 <樹脂粒子(S−12)の製造>
実施例8において、イソホロンジアミン(B−1)0.26重量部をブロック化アミン化合物(B−3)0.42重量部に変更する以外は実施例8と同様にしてトナーバインダー(T−12)を含む樹脂粒子(S−12)を得た。
【0102】
実施例13 <樹脂粒子(S−13)の製造>
ビーカーに、イオン交換水170重量部、[微粒子分散液]0.3重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業(株)製)36重量部及び酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
次いで、非結晶性ポリエステル樹脂(L−1)71重量部、[着色剤分散液]40重量部、[離型剤分散液]39重量部及び酢酸エチル54重量部を投入し、撹拌して均一に溶解させた樹脂溶液にプレポリマー(A−8)溶液18重量部を投入して、TKオートホモミキサーにて10,000rpmで2分間撹拌した。
次いでこの混合液を45℃で48時間熟成を行い、その後、撹拌機及び温度計を備えた反応容器に移し、50℃で、酢酸エチルの残存濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、トナーバインダー(T−13)を含む樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た後、洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。ついで、トナー粒子100部に外添剤としてコロイダルシリカ(「アエロジルR972」日本アエロジル製)1.0部をサンプルミルにて混合して、本発明の樹脂粒子(S−13)を得た。
【0103】
実施例14 <樹脂粒子(S−14)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A−9)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.27重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T−14)を含む樹脂粒子(S−14)を得た。
【0104】
実施例15 <樹脂粒子(S−15)の製造>
ビーカーに、イオン交換水170重量部、[微粒子分散液]10.3重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液「エレミノールMON−7」[三洋化成工業(株)製]36重量部及び酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
次いで、非結晶性ポリエステル樹脂(L−1)78重量部、[着色剤分散液]40重量部、[離型剤分散液]39重量部及び酢酸エチル54重量部を投入し、撹拌して均一に溶解させた樹脂溶液にプレポリマー(A−10)溶液5重量部及びイソホロンジアミン(B−1)0.03重量部を投入して、TKオートホモミキサーにて10,000rpmで2分間撹拌した。
次いでこの混合液を撹拌機及び温度計を備えた反応容器に移し、50℃で濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、トナーバインダー(T−15)を含む樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た後、洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。ついで、トナー粒子100部に外添剤としてコロイダルシリカ(「アエロジルR972」日本アエロジル製)1.0部をサンプルミルにて混合して、本発明の樹脂粒子(S−15)を得た。
【0105】
実施例16 <樹脂粒子(S−16)の製造>
ビーカーに、イオン交換水170重量部、[微粒子分散液]10.3重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液「エレミノールMON−7」[三洋化成工業(株)製]36重量部及び酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
次いで、非結晶性ポリエステル樹脂(L−1)45重量部、[着色剤分散液]40重量部、[離型剤分散液]39重量部及び酢酸エチル54重量部を投入し、撹拌して均一に溶解させた樹脂溶液にプレポリマー(A−3)溶液72重量部及びイソホロンジアミン(B−1)1.16重量部を投入して、TKオートホモミキサーにて10,000rpmで2分間撹拌した。
次いでこの混合液を撹拌機及び温度計を備えた反応容器に移し、50℃で濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、トナーバインダー(T−16)を含む樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た後、洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。ついで、トナー粒子100部に外添剤としてコロイダルシリカ(「アエロジルR972」日本アエロジル製)1.0部をサンプルミルにて混合して、本発明の樹脂粒子(S−16)を得た。
【0106】
3価以上のポリオール(D2)としてトリメチロールエタン(D2−6)を使用して本発明の樹脂粒子を得ることができる。
【0107】
比較例1 <樹脂粒子(S’−1)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A’−1)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.31重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T’−1)を含む樹脂粒子(S’−1)を得た。
【0108】
比較例2 <樹脂粒子(S’−2)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A’−2)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.06重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T’−2)を含む樹脂粒子(S’−2)を得た。
【0109】
比較例3 <樹脂粒子(S’−3)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A’−3)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.29重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T’−3)を含む樹脂粒子(S’−3)を得た。
【0110】
比較例4 <樹脂粒子(S’−4)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A’−4)に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.09重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T’−4)を含む樹脂粒子(S’−4)を得た。
【0111】
比較例5 <樹脂粒子(S’−5)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A’−5)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.47重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T’−5)を含む樹脂粒子(S’−5)を得た。
【0112】
比較例6 <樹脂粒子(S’−6)の製造>
ビーカーに、イオン交換水170重量部、[微粒子分散液1]0.3重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液「エレミノールMON−7」[三洋化成工業(株)製]36重量部及び酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
次いで、非結晶性ポリエステル樹脂(L−1)71重量部、[着色剤分散液]40重量部、[離型剤分散液]39重量部及び酢酸エチル54重量部を投入し、撹拌してトナーバインダーを均一に溶解させた樹脂溶液にプレポリマー(A’−6)溶液18重量部を投入して、TKオートホモミキサーにて10,000rpmで2分間撹拌した。
次いでこの混合液を撹拌機及び温度計を備えた反応容器に移し、50℃で、酢酸エチルの残存濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、トナーバインダー(T’−1)を含む樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た後、45℃で48時間熟成を行い、その後洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。ついで、トナー粒子100部に外添剤としてコロイダルシリカ(「アエロジルR972」日本アエロジル製)1.0部をサンプルミルにて混合して、樹脂粒子(S’−6)を得た。
【0113】
比較例7 <樹脂粒子(S’−7)の製造>
実施例1において、プレポリマー(A−1)溶液をプレポリマー(A’−7)溶液に、イソホロンジアミン(B−1)の重量部を0.76重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてトナーバインダー(T’−7)を含む樹脂粒子(S’−7)を得た。
【0114】
樹脂粒子(S−1)〜(S−16)、(S’−1)〜(S’−7)について下記の方法で体積平均粒径、粒度分布を測定し、低温定着性、耐ホットオフセット性、光沢度を評価した。その結果を表3に示す。
【0115】
<体積平均粒径、粒度分布>
樹脂粒子(S−1)〜(S−116)、(S’−1)〜(S’−7)を水に分散してコールターカウンター「マルチサイザーIII」(ベックマンコールター社製)で体積平均粒径、粒度分布を測定した。
【0116】
<低温定着性>
樹脂粒子を紙面上に0.8mg/cm
2となるよう均一に載せる。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm
2の条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
一般に、この評価条件では125℃以下が好ましいとされる。
【0117】
<耐ホットオフセット性(ホットオフセット発生温度)>
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。
加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。
一般に、この評価条件では170℃以上が好ましいとされる。
【0118】
<光沢性>
低温定着性と同様に定着評価を行う。画像の下に白色の厚紙を敷き、光沢度計(株式会社堀場製作所製、「IG−330」)を用いて、入射角度60度にて、印字画像の光沢度(%)を測定した。
光沢度が高いほど、光沢性に優れることを意味する。
一般に、この評価条件では15%以上が好ましいとされる。
【0119】
本発明の実施例9〜21の樹脂粒子は低温定着性、耐ホットオフセット性、光沢度のいずれも優れた性能を示した。
一方、3価以上のポリオール(D2)を併用しないで得たプレポリマー(A’−1)をアミン伸長した比較例7の樹脂粒子は耐オフセット性が不良である。また、3価以上のポリオール(D2)を併用しているが、ジオール(D1)とポリオール(D2)とのモル比(D1)/(D2)が2未満であるプレポリマー(A’−2)をアミン伸張した比較例8の樹脂粒子では光沢度と低温定着性が不良であり、一方(D1)/(D2)が25を超えるプレポリマー(A’−3)をアミン伸張した比較例9の樹脂粒子は耐オフセット性が不良である。
また、数平均分子量が15,000を超えるジオール(D1)を使用したプレポリマー(A’−4)をアミン伸張した比較例10の樹脂粒子、及びジオール(D1)を用いないプレポリマー(A’−5)をアミン伸張した比較例11の樹脂粒子は光沢度が不良である。
更に、ポリウレタンウレアを含有しないプレポリマー(A’−6)を使用した比較例12の樹脂粒子では光沢度が不良であった。