(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態であるマスク100の具体的な態様について、
図1から
図4に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は図示例に限定されるものではなく、あくまで特許請求の範囲の記載を基に判断される。
なお、以下においては、
図1に示すように、マスクの着用者を基準として、前後、左右及び上下を定めて説明する。
【0014】
[構成の説明]
(全体構成)
マスク100は、
図1及び
図2に示すように、着用者の顔面の鼻、口、顎等を覆うマスク本体部1と、マスク本体部1を着用者の右耳に係止するための右耳掛け部2と、マスク本体部1を着用者の左耳に係止するための左耳掛け部3と、を備えている。なお、マスク100は、マスク本体部1の後面側を着用者の顔面に向けて着用される。
【0015】
(マスク本体部)
マスク本体部1は、
図2に示すように、3枚以上の複数のシート材によって形成されたシート部11と、シート部11の上端部付近に取り付けられた鼻部補強部材12と、シート部11の上下方向中央部付近に取り付けられた口部補強部材13と、を備える。
【0016】
(シート部)
シート部11は、
図2に示すように正面視略矩形状に形成されたシート状の部材であり、複数のシート材を積層して形成されている。
シート部11は、左右方向120mmから210mm、好ましくは145mmから175mm、上下方向70mmから100mm、好ましくは80mmから90mmに形成される。
【0017】
シート部11は、
図3に示すように、肌から遠い面から順に、シート部11の肌から最も遠い面に位置する外面側不繊布111、フィルター112、シート部11の肌から最も近い面に位置する着用者側不繊布113の順にシート材を積層して形成されている。具体的なシート材としては、例えば不繊布として、ポリプロピレンスパンボンド、ポリエチレンスパンボンド、ナイロンスパンボンド等が用いられ、フィルターとして、ポリプロピレンメルトブロー、レーヨンスパンボンド等が用いられる。また、着用者側不繊布113には、保湿剤、柔軟剤、抗菌剤等を塗布することも可能である。
最も好適には、外面側不繊布111としてポリプロピレンスパンボンドが用いられ、着用者側不繊布113として保湿剤を塗布したナイロンスパンボンドが用いられ、これらの間に挟み込むフィルター112としてポリプロピレンメルトブローが用いられる。
【0018】
シート部11を形成する外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113は、上下及び左右の端部付近において、熱・超音波等によって前後に溶着されており、上端部付近に上端部接続部11aが、下端部付近に下端部接続部11bが、右端部付近に右端部接続部11cが、左端部付近に左端部接続部11dが形成されている。
【0019】
シート部11の上部には、後述の鼻部補強部材12を取り付けるため、鼻部補強部材12を囲むように外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113を、熱・超音波等によって溶着した鼻部補強部材周辺接続部11eが形成されている。
鼻部補強部材周辺接続部11eは、正面視において鼻部補強部材12の形状と略一致するように形成されていることが望ましいが、鼻部補強部材12の周囲に若干の間隙が存在し、鼻部補強部材12を動かすことが可能であってもよい。
【0020】
シート部11の上下方向中央部付近には、後述の口部補強部材13を取り付けるため、口部補強部材13を囲むようにフィルター112及び着用者側不繊布113を、熱・超音波等によって溶着した口部補強部材周辺接続部11fが形成されている。
口部補強部材周辺接続部11fは、正面視において口部補強部材13の形状と略一致するように形成されていることが望ましいが、口部補強部材13の周囲に若干の間隙が存在し、口部補強部材13を動かすことが可能であってもよい。
【0021】
また、
図1及び
図2においては夫々の接続部11a〜11fが別個に設けられた場合について図示したが、これに限られず、複数の接続部を兼ねる部分が存在していてもよい。例えば、上端部接続部11aと鼻部補強部材周辺接続部11eの上部とが重なり、上端部接続部11aが鼻部補強部材周辺接続部11e上部を兼ねていてもよい。
また、これらの接続部は、前後にシート材が接続されていればよく、必ずしも熱・超音波等による溶着によって形成されている必要はない。
また、
図1及び
図2においてはこれらの接続部が実線状に形成された場合につき図示したが、これに限られず、接続部は例えば破線状に形成されていてもよい。
【0022】
(プリーツ)
シート部11は、
図3に示すように上下方向に折り返されており、これによって、前面側に、
図1から
図3に示すように、上部プリーツ11gと、下部プリーツ11h、11hとが形成されている。マスク100の着用時には、これらを上下方向に展開することによって、シート部11が外側に膨出する山型の立体形状となって、着用者の顔面の鼻、口、顎等が覆われるようになっている。
【0023】
上部プリーツ11gは、
図1から
図3に示すように、シート部11前面の上下方向中央部よりも上部に形成された、上方に凸となる折り目であり、上下方向に展開することができる。本実施形態においては、上部プリーツ11gは、シート部11の1か所に備えられている。
【0024】
下部プリーツ11h、11hは、
図1から
図3に示すように、シート部11前面の上下方向中央部よりも下部に形成された、下方に凸となる折り目であり、上下方向に展開することができる。本実施形態においては、下部プリーツ11h,11hは、シート部11の2か所に備えられている。
【0025】
上部プリーツ11g及び下部プリーツ11h,11hは、シート部11の上下方向中央部を含む、上部プリーツ11gと下部プリーツ11h,11hのうち上方に形成されたものとの間の部分の間隔が、最も広くなるように配置され、特に当該部分が、シート部11の上下方向の幅の3分の1以上の幅を有するように配置されていることが望ましい。これによって、着用者の口元の空間を確保し易くなる。
【0026】
また、上部プリーツ11g及び下部プリーツ11h,11hは、これらの配置間隔が全て異なる間隔となるように配置されていることが望ましい。これによって、プリーツごとに配置間隔を変え、適切な位置に配置することが可能となる。
なお、プリーツの配置間隔には、上部プリーツ11gとマスク上端縁との間隔及び下部プリーツ11h,11hのうち下方に形成されたものとマスク下端縁との間隔を含むものとする。
【0027】
(鼻部補強部材)
鼻部補強部材12は、マスク本体部1の上部が着用者の鼻付近の形状に沿って、隙間が生じないようにするためのものであり、
図2に示すように、シート部11の上端縁に沿って備えられている。
鼻部補強部材12は、左右方向に長い可塑性を有する部材であり、シート部11の横幅よりも短く、左右方向に80〜135mm、好ましくは90mm〜120mmの長さを有し、上下方向に幅3mm〜5mm、前後方向に厚み0.5mm〜1.0mmとなるように形成されている。
【0028】
鼻部補強部材12の材料としては、可塑性を有する任意の材料を使用可能であるが、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂等が用いられ、最も好適には、ポリプロピレン樹脂が用いられる。
【0029】
鼻部補強部材12は、フィルター112と、着用者側不繊布113との間に配置され、外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113を、鼻部補強部材12の上下及び左右において熱・超音波等を用いて前後に溶着させることで、鼻部補強部材12を囲むように形成された鼻部補強部材周辺接続部11eによって、シート部11に取り付けられている。
【0030】
なお、鼻部補強部材12は、マスク本体部1の上部に隙間が生じないようにすることが可能であれば、任意の配置及び取り付け方法によってシート部11に取り付けることができる。
例えば、後述の口部補強部材13と同様に、外面側不繊布111は溶着されないようにして鼻部補強部材周辺接続部11eを形成し、鼻部補強部材12をシート部11に取り付けてもよい。また、例えば、鼻部補強部材12は、外面側不繊布111と、フィルター112との間に配置されていてもよい。
【0031】
(口部補強部材)
口部補強部材13は、マスク本体部1の着用者の口元付近の形状を維持するためのものであり、
図2及び
図3に示すように、シート部11の、上部プリーツ11gと、下部プリーツ11h,11hのうち上方に形成されたものとの間の位置の、シート部11の上下方向中央部付近に取り付けられている。
なお、口部補強部材13の取り付け位置としては、シート部11の上下方向中央部から5mmから10mm程度下方にずれた位置に取り付けられていることが望ましいが、マスク本体部1の着用者の口元付近の形状を維持することができればよく、このような配置位置には限られない。
【0032】
口部補強部材13は、左右方向に長い可塑性を有する部材であり、
図2に示すようにシート部11の横幅よりも僅かに短く、左右方向に100〜150mm、好ましくは115mm〜145mmの長さを有し、上下方向に幅3mm〜5mm、前後方向に厚み0.5mm〜1.0mmとなるように形成されている。
【0033】
口部補強部材13の材料としては、可塑性を有する任意の材料を使用可能であるが、例えば、鼻部補強部材12と同様、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂等が用いられ、最も好適には、ポリプロピレン樹脂が用いられる。
【0034】
口部補強部材13は、
図3に示すように、フィルター112と、着用者側不繊布113との間に配置され、フィルター112と着用者側不繊布113とを、口部補強部材13の上下及び左右において、熱・超音波等を用いて前後に溶着させることで、口部補強部材13を囲むように形成された口部補強部材周辺接続部11fによって、シート部11に取り付けられている。
これによって、口部補強部材13が、フィルター112と、着用者側不繊布113とに対して固定され、フィルター112、着用者側不繊布113及び口部補強部材13が、着用者の口元付近において固定されるが、外面側不繊布111については、シート部11の四辺の端部付近以外においては、他の部材に固定されていないこととなる。
【0035】
なお、マスク本体部1としては、着用者の対称部位を覆い、耳掛け部を取り付けた際にマスクとして機能し得るものであれば任意の構成を用いることが可能である。
【0036】
(耳掛け部)
右耳掛け部2及び左耳掛け部3は、いずれも耳ゴム200をマスク本体部1に取り付けることによって形成されている。
具体的には、
図1及び2に示すように、右耳掛け部2はマスク本体部1の右側において、耳ゴム200の一方の端部をシート部11の右端部の上部に熱・超音波等によって溶着させ、他方の端部をシート部11の右端部の下部に熱・超音波等によって溶着させることによって形成されている。また左耳掛け部3はマスク本体部1の左側において、耳ゴム200の一方の端部をシート部11の左端部の上部に熱・超音波等によって溶着させ、他方の端部をシート部11の左端部の下部に熱・超音波等によって溶着させることによって形成されている。
【0037】
(耳ゴム)
耳ゴム200は、
図4に示すように複数のゴム紐201…によって形成された組211…を編み込むことによって形成されている。
【0038】
(ゴム紐)
ゴム紐201…は、伸縮性の材料によって形成された細い紐状の部材である。ゴム紐201…の材料としては、例えば、天然ゴムの場合にはラテックス等が、合成ゴムの場合にはポリウレタン等が用いられる。なお、ゴム紐201…としては、全て同じ太さのものを用いてもよいし、異なる太さの複数種類のものを混合して用いてもよい。
【0039】
(組)
所定数のゴム紐201…を束ねることによって、
図4に示すように組211…が形成される。組211としては、複数のゴム紐201…を束ねたのみでもよいし、これを捻る等してまとめてあってもよい。
図4においては3本のゴム紐201…によって組211…が形成された場合につき図示したが、組211…を形成するゴム紐201…の数はこれに限られない。各組211…を形成するゴム紐201…は、全て同じ太さであってもよいし、異なる太さの複数種類のゴム紐201…が混合されていてもよい。
【0040】
耳ゴム200は、
図4に示すように、複数の組211…を所謂三つ編みの要領で編み込むことで、各組211…が、耳ゴム200の長さ方向に対して斜めに配置され、かつ、各組211…が一組ずつ交差するように編み込まれる。また、耳ゴム200は、全てのゴム紐201…が耳ゴム200の長さ方向の全体に亘って延在するように形成される。また、これによって、組211…を形成するゴム紐201…が、耳ゴム200の長さ方向に対して斜めに配置されるように編み込まれることとなる。
【0041】
具体的には、組211…は、1〜4本のゴム紐201…によって形成され、このような組211…を3〜15組で編み込むことによって耳ゴム200が形成されることが望ましい。
また、耳ゴム200は、幅5〜7mm程度の扁平な帯状に形成されることが望ましい。
【0042】
なお、耳ゴム200は、上記のようにゴム紐201…のみによって形成されていてもよいが、
図5に示すように、ゴム紐201…の周囲をポリエステル等の繊維状部材202…で巻いた上で、これを編み込んでもよい。この場合、耳ゴム200の質感を柔らかいものとすることができ、より装着感を向上させることができる。また、ゴム紐201…の周囲を巻く繊維状部材202…としては、ポリエルテルの他にナイロン等を用いることもできる。また、捲縮された繊維を用いると、よりふんわりとした柔らかい質感とすることができる。
【0043】
[製造方法の説明]
(1) 例えば、被服用の紐を製造する製紐器のボビンに糸の代わりにゴム紐201を巻き、それを編み込むことで耳ゴム200を形成する。
(2) 肌から最も遠い面から順に、外面側不繊布111、フィルター112、着用者側不繊布113の順でシート材を重ね、フィルター112と、着用者側不繊布113との間の所定の位置に、鼻部補強部材12及び口部補強部材13を配置する。
(3) 外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113を、鼻部補強部材12の上下及び左右において熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、鼻部補強部材周辺接続部11eを形成する。また、フィルター112と着用者側不繊布113とを、口部補強部材13の上下及び左右において熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、口部補強部材周辺接続部11fを形成する。
(4) 重ねられたシート材を、上部プリーツ11g及び下部プリーツ11h、11hが形成されるように折り畳む。
(5) 折り畳まれたシート材の上下及び左右の端部付近を、熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、上端部接続部11a、下端部接続部11b、右端部接続部11c及び左端部接続部11dを形成する。
(6) 耳ゴム200の両端部を、シート材の右端部の上下に熱・超音波等を用いて溶着させ右耳掛け部2を形成し、耳ゴム200の両端部を、シート材の左端部の上下に熱・超音波等を用いて溶着させ左耳掛け部3を形成する。
【0044】
[効果の説明]
本実施形態に係るマスク100によれば、右耳掛け部2及び左耳掛け部3は、複数のゴム紐201…が、長さ方向に対して斜めに配置されるように編み込まれた耳ゴム200によって形成されている。これによって
図4に示すように、各ゴム紐201…の張力が掛かる方向Aと、マスク100の装着時に耳ゴム200が伸縮する方向Bが異なるため、力が分散され、右耳掛け部2及び左耳掛け部3による耳への負担を軽減させることができる。
【0045】
また、所定数のゴム紐201…を束ねることによって組211…が形成され、複数の組211…を所謂三つ編みの要領で編み込むことで、耳ゴム200が形成されるようにすることよって、多数のゴム紐201…をそのまま編み込んだ場合と比較して、耳ゴム200に幅及び厚みを出すことができる。また、組211…と同じ幅、厚みを有する太いゴム紐を用いて編み込んだ場合、耳ゴムが硬くなってしまうが、本構成によれば、耳ゴム200に柔らかさを出すことも可能となる。
【実施例】
【0046】
次に、本発明の実施例及び比較例について、引張強度の測定及び実使用評価を行った結果について説明する。以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
(実施例1)
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を3本束ねることによって組211を形成し、このような組211を6組編み込むことによって形成された耳ゴム200である。
(実施例2)
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を4本束ねることによって組211を形成し、このような組211を6組編み込むことによって形成された耳ゴム200である。
(実施例3)
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を5本束ねることによって組211を形成し、このような組211を6組編み込むことによって形成された耳ゴム200である。
(比較例1)
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を直線状に18本束ねることによって形成された耳ゴムである。
(比較例2)
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を直線状に24本束ねることによって形成された耳ゴムである。
(比較例3)
天然ゴム(ラテックス)によって形成された、太さ550dtexのゴム紐201を直線状に30本束ねることによって形成された耳ゴムである。
【0048】
上記実施例及び比較例の耳ゴムを用いて、以下の試験を行った。
【0049】
(引張強度の測定)
実施例及び比較例の耳ゴムにつき、チャック間距離50mm、速度300mm/分で、耳ゴムを長さ方向に200%(100mm)伸ばした時の強度を測定した。なお、引張試験機としては、AND社のTENSILON RTG-1210を用いた。
【0050】
(実使用評価)
実施例及び比較例の耳ゴムにつき、マスク本体部1に取り付けて、5人の評価者が実際に3時間着用し、着け心地、ずれ難さ及び長時間着用の可否について評価した。
具体的には、外面側不繊布111として秤量17gsmのポリプロピレンスパンボンド、フィルター112として秤量20gsmのポリプロピレンメルトブロー、着用者側不繊布113として秤量20gsmのナイロンスパンボンドを用い、左右方向175mm、上下方向90mmに形成されたシート部11に、鼻部補強部材12及び口部補強部材13を備えたマスク本体部1を用い、その左右に、長さ160mmの耳ゴムを取り付けて右耳掛け部2及び左耳掛け部3を形成し、実使用評価に用いるマスクを作成した。
なお、試験結果は、比較例1(△)を基準として、とても優れていた場合は◎、優れていた場合は○、劣っていた場合は×とした。
【0051】
試験の結果を表Iに示す。
【0052】
【表1】
【0053】
(評価)
実施例1と比較例1との比較、実施例2と比較例2との比較及び実施例3と比較例3との比較により、同じ本数のゴム紐を用いても、これを耳ゴムの長さ方向に対して斜めに配置されるように編み込むことにより、耳ゴムの長さ方向の引張強度が弱まり、ひいては耳ゴムによる締め付けが軽減され、耳への負担を軽減することができることが分かる。
【0054】
比較例1と実施例2とを比較すると、引張強度の数値はほとんど同じであるにもかかわらず、実施例2が、着け心地、ずれ難さ及び長時間使用の可否の全てにおいて大きく上回っている。また、比較例2と実施例3を比較すると、引張強度の数値に大きな違いがないにもかかわらず、実施例3が、着け心地、ずれ難さ及び長時間使用の可否の全てにおいて大きく上回っている。
したがって、長さ方向の引張強度が同一であっても、長さ方向に対して斜めに配置されるようにゴム紐を編み込むことにより形成された耳ゴムの方が、着け心地、ずれ難さ及び長時間使用の可否の点で優れていることが分かる。
マスク本体部1の左右に備えられる耳ゴム200であって、複数のゴム紐201が編み込まれてなる。また、複数のゴム紐201が束ねられて形成された組211が、耳ゴム200の長さ方向に対して斜めに配置されるように複数編み込まれ、複数のゴム紐201が、耳ゴム200の長さ方向に対して斜めに配置されていることが望ましい。