特許第6404450号(P6404450)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404450
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】スクーパ芯ニードルを備えた装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20181001BHJP
   A61B 10/04 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   A61B10/02 110J
   A61B10/04
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-505077(P2017-505077)
(86)(22)【出願日】2015年7月30日
(65)【公表番号】特表2017-528185(P2017-528185A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】US2015042809
(87)【国際公開番号】WO2016019097
(87)【国際公開日】20160204
【審査請求日】2017年1月30日
(31)【優先権主張番号】62/031,629
(32)【優先日】2014年7月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フォークナー、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ラジョア、キンバリー
(72)【発明者】
【氏名】ブディマン、タントラ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、エリック
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ポール
(72)【発明者】
【氏名】アルメイダ、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】シャー、ビシャル
(72)【発明者】
【氏名】エルフマン、ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】デブリーズ、ロバート ビー.
【審査官】 湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−502365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
A61B 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部から遠位端部までの長軸方向に延び、内部を貫通して延びる管腔を備えるニードルと、
前記ニードルの前記管腔の内部に移動可能に収容されるスタイレットとを備え、
前記スタイレットは、近位端部から遠位端部までの長軸に沿って延び、前記遠位端部にスクーパを備え、
前記スクーパは、当該スクーパが前記長軸から離れるように曲げられる曲げ位置に向かって付勢されたヒンジを介して前記スタイレットの近位部分に接続され、
前記スタイレットは、前記ニードルの内面が前記近位部分と軸方向に並んだ状態に前記スクーパ拘束る拘束姿勢と、前記ヒンジが付勢された前記曲げ位置へ復帰して前記スクーパが前記長軸から離れるように曲げられることを許容するように前記スクーパが前記ニードルの前記遠位端部を超えて遠位側に延びる組織採集姿勢との間で移動することが可能であり、
前記スクーパは、径方向外側の壁と、
前記壁内を通って長軸方向に延びるチャネルと、
前記スタイレットが前記組織採集姿勢から前記拘束姿勢に移動するときに組織サンプルを通過させて当該組織サンプルを採集するために前記チャネルと連通するとともに、径方向に前記長軸から離間して前記壁の長手部分に沿って近位端部から遠位端部に前記壁の横方向に延びる窓とを含み
前記スクーパが前記拘束姿勢にある場合には、前記窓が前記ニードルの内面に臨むとともに前記チャネルが前記窓全体にわたって延びる前記ニードルの一部によって閉じられ、前記スクーパが前記組織採集姿勢にある場合には、前記窓が前記ニードルの前記遠位端部を遠位側に超えた位置において前記長軸に臨む、
組織サンプルの採集のための装置。
【請求項2】
近位端部から遠位端部までの長軸方向に延び、内部を貫通して延びる管腔を備えるニードルと、
前記ニードルの前記管腔の内部に移動可能に収容されるスタイレットと、を備え、
前記スタイレットは、近位端部から遠位端部までの長軸に沿って延び、前記遠位端部にスクーパを備え、
前記スクーパは、当該スクーパが前記長軸から離れるように曲げられる曲げ位置に向かって付勢されたヒンジを介して前記スタイレットの近位部分に接続され、
前記スタイレットは、前記ニードルの内面が、前記近位部分と軸方向に並んだ状態に前記スクーパを拘束する拘束姿勢と、前記ヒンジが付勢された前記曲げ位置へ復帰して前記スクーパが前記長軸から離れるように曲げられることを許容するように前記スクーパが前記ニードルの前記遠位端部を超えて遠位側に延びる組織採集姿勢との間で移動することが可能であり、
前記スクーパは、長軸方向に延びるチャネルと、前記スタイレットが前記組織採集姿勢から前記拘束姿勢に移動するときに組織サンプルを通過させて当該組織サンプルを採集するために前記チャネルと連通するとともに、前記スクーパの壁の横方向に延びる窓とを含み、
前記ニードルは、その前記遠位端部から近位側に延びる長溝を含み、
前記長溝は、前記スタイレットが組織採集姿勢のときに前記ヒンジの一部を通過させるような寸法および形状を有する
組織サンプルの採集のための装置
【請求項3】
前記スタイレットは、前記拘束姿勢において第1位置と第2位置との間で前記ニードルに対して回転可能であり、
前記窓は、前記第1位置において前記長溝にほぼ整合し、前記第2位置において前記長溝にほぼ対向して配置される、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記スタイレットの前記遠位端部は、少なくとも部分的に閉鎖されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記スタイレットの前記遠位端部は、テーパ状の先端を含む、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記ヒンジは、リビングヒンジである、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ニードルは、内視鏡のワーキングチャネルを通過して挿入される寸法および形状を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
近位端部から遠位端部までの長軸方向に延び、内部を貫通して延びる管腔を備えるニードルと、
前記ニードルの前記管腔の内部に移動可能に収容されるスタイレットとを備え、
前記スタイレットは、長軸に沿って延びる近位部分と、前記スタイレットが拘束姿勢と組織採集姿勢との間で移動することが可能になるように曲げ位置に向かって付勢されたヒンジを介して前記近位部分の遠位端部に接続されるスクーパとを備え、
前記拘束姿勢は、前記スクーパが前記ニードルの前記管腔の内面を介して前記長軸に沿って拘束されるものであり、
前記組織採集姿勢は、前記ニードルの前記遠位端部を通過するように前記スクーパが遠位側に延び、前記ヒンジが前記付勢された曲げ位置に復帰して、前記長軸から離れるように前記スクーパが曲げられるものであり、
前記スクーパは、径方向外側の壁と、
前記壁内を通って当該スクーパを通過するように延びるチャネルと、
前記チャネルと連通するとともに、径方向に前記長軸から離間して前記壁の長手部分に沿って近位端部から遠位端部に前記壁の横方向に延びる窓とを含み、
前記スクーパが前記拘束姿勢にある場合には、前記窓が前記ニードルの内面に臨むとともに前記チャネルが前記窓全体にわたって延びる前記ニードルの一部によって閉じられ、前記スクーパが前記組織採集姿勢にある場合には、前記窓が前記ニードルの前記遠位端部を遠位側に超えた位置において前記長軸に臨む
組織サンプルの採集のための装置。
【請求項9】
近位端部から遠位端部までの長軸方向に延び、内部を貫通して延びる管腔を備えるニードルと、
前記ニードルの前記管腔の内部に移動可能に収容されるスタイレットと、を備え、
前記スタイレットは、長軸に沿って延びる近位部分と、前記スタイレットが拘束姿勢と組織採集姿勢との間で移動することが可能になるように曲げ位置に向かって付勢されたヒンジを介して前記近位部分の遠位端部に接続されるスクーパと、を備え、
前記拘束姿勢は、前記スクーパが前記ニードルの前記管腔の内面を介して前記長軸に沿って拘束されるものであり、
前記組織採集姿勢は、前記ニードルの前記遠位端部を通過するように前記スクーパが遠位側に延び、前記ヒンジが前記付勢された曲げ位置に復帰して、前記長軸から離れるように前記スクーパが曲げられるものであり、
前記スクーパは、それを通過するように延びるチャネルと、前記チャネルと連通するとともに、前記スクーパの壁の横方向に延びる窓と、を含み、
前記ニードルは、その遠位端部から近位側に延びる長溝を含み、
前記長溝は、前記スタイレットが前記組織採集姿勢のときに前記ヒンジの一部を通過させるような寸法および形状を有する、
組織サンプルの採集のための装置。
【請求項10】
前記スタイレットは、前記拘束姿勢において第1位置と第2位置との間で前記ニードルに対して回転可能であり、
前記窓は、前記第1位置において前記長溝とほぼ整合し、前記第2位置において前記長溝とほぼ対向して配置される、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記スタイレットの前記遠位端部は、少なくとも部分的に閉鎖されている、請求項8から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記スタイレットの前記遠位端部はテーパ状の先端を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ヒンジは、リビングヒンジを含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記ニードルは、内視鏡のワーキングチャネルを通過して挿入される寸法および形状を有する、請求項8から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記ニードルおよび前記スタイレットは、患者の身体の蛇行する経路を通過するように前記ニードルの挿入を許容する十分な可撓性を有する材料によって形成される、請求項8から14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクーパ芯ニードルを備えた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ニードル生体組織検査手法は、患者の診断および病気の段階分類のために用いることができる。例えば、微細吸引ニードルは、内視鏡のワーキングチャネルを通過して標的組織部位に前進することができる。微細吸引ニードルは、高い感度および特異的な手法を備えるかもしれないが、特定の臨床症状下では適したサンプルを獲得することが困難であり得る。より多くの細胞または組織を獲得するほど、より明確な診断の可能性が高まる。大ゲージのニードルは、しかしながら、標的部位への解剖学的な曲がりくねった経路に沿って通過することが困難であり得、より多くの血液を含むサンプルを獲得して診断を得ることをより難しくする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は近位端部から遠位端部までの長軸方向に延び、内部を貫通して延びる管腔を備えるニードルと、前記ニードルの前記管腔の内部に移動可能に収容されるスタイレットとを備え、前記スタイレットは、近位端部から遠位端部までの長軸に沿って延び、その前記遠位端部にスクーパを備え、前記スクーパは、曲げ位置に向かって付勢されたヒンジを介して前記スタイレットの近位部分に接続され、前記スクーパは、前記長軸から離れるように曲げられ、前記スタイレットは、前記ニードルの内面が前記近位部分とともに軸方向に並んだ状態において前記スクーパに拘束される拘束姿勢と、前記ヒンジが前記付勢された曲げ位置へ復帰して前記スクーパが前記長軸から離れるように曲げられることを許容するように前記スクーパが前記ニードルの前記遠位端部を超えて遠位側に延びる組織採集姿勢との間で移動することが可能であり、前記スクーパは、長軸方向に延びるチャネルと、前記チャネルと、前記スタイレットが前記組織採集姿勢から前記拘束姿勢に移動するときにそれらを通過して組織サンプルを採集するために前記チャネルと連通するとともに前記スクーパの壁の横方向に延びる窓とを含む組織サンプルの採集のための装置に関する。
【0004】
前記スタイレットの前記遠位端部は、少なくとも部分的に閉鎖されていてもよい。
前記スタイレットの前記遠位端部は、テーパ状の先端を含んでもよい。
前記ヒンジは、リビングヒンジであってもよい。
【0005】
前記ニードルは、その前記遠位端部から近位側に延びる長溝を備えてもよく、前記長溝は、前記スタイレットが組織採集姿勢のときに前記ヒンジの一部を通過させるような寸法および形状を有する。
【0006】
前記ニードルは、内視鏡のワーキングチャネルを通過して挿入される寸法および形状を有していてもよい。
本開示は、また、近位端部から遠位端部までの長軸方向に延び、内部を貫通して延びる管腔を備えるニードルと、前記ニードルの前記管腔の内部に移動可能に収容されるスタイレットとを備え、前記スタイレットは、長軸に沿って延びる近位部分と、前記スタイレットが拘束姿勢と組織採集姿勢との間で移動することが可能になるように曲げ位置に向かって付勢されたヒンジを介して前記近位部分の遠位端部に接続されるスクーパとを備え、前記拘束姿勢は、前記スクーパが前記ニードルの前記管腔の内面を介して前記長軸に沿って拘束されるものであり、前記組織採集姿勢は、前記ニードルの前記遠位端部を通過するように前記スクーパが遠位側に延び、前記ヒンジが前記付勢された曲げ位置に復帰して、前記長軸から離れるように前記スクーパが曲げられるものであり、前記スクーパは、それを通過するように延びるチャネルと、前記チャネルと連通するとともに前記スクーパの壁の横方向に延びる窓とを含む、組織サンプルの採集のための装置に関する。
【0007】
前記スタイレットの前記遠位端部は、少なくとも部分的に閉鎖されていてもよい。
前記スタイレットの遠位端部は、テーパ状の先端を含んでもよい。
前記ヒンジは、リビングヒンジであってもよい。
【0008】
前記ニードルは、その前記遠位端部から近位側に延びる長溝を含んでもよく、前記長溝は前記スタイレットが前記組織採集姿勢のときに前記ヒンジがそれを通過するための寸法および形状を有する。
【0009】
前記スタイレットは、前記拘束姿勢において第1位置と第2位置との間で前記ニードルに対して回転可能であってもよく、前記窓は、前記第1位置において前記長溝とほぼ整合し、前記第2位置において前記長溝とほぼ対向する位置に配置されてもよい。
【0010】
前記ニードルは、内視鏡のワーキングチャネルを通過して挿入されるような寸法および形状を有していてもよい。
前記ニードルは、患者の身体の蛇行する経路さえも通過するように前記ニードルの挿入を許容する十分な可撓性を有する材料によって形成されていてもよい。
【0011】
本開示は、また、拘束位置における内視鏡のワーキングチャネルを介した標的組織へのニードル装置を挿入する工程と、前記装置は、ニードルおよびこれらに収容されるスタイレットを含み、前記スタイレットは、前記拘束姿勢において前記スタイレットの近位部分と軸方向において並んで配置される前記ニードルの内面を介して拘束されたスクーパを含むものであり、前記スタイレットを前記スクーパが付勢された組織採集姿勢に復帰するように前記ニードルに対して遠位側に移動させる工程と、前記スクーパは、前記装置の長軸から離れるように曲げられるものであり、前記スクーパが前記拘束姿勢に向かって移動することで前記窓を介して前記チャネル内で組織サンプルを採集するように前記ニードルを前記スクーパを超えて前記遠位側に移動させる工程と、を備える、組織サンプルの採集のための手法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の1つの実施例に関する装置の第1位置における長手方向の側面図を示す。
図2図2は、図1の装置の第2位置における長手方向の側面図を示す。
図3図3は、図1の装置の第3位置における長手方向の側面図を示す。
図4図4は、図1の装置のニードルの長手方向の側面図を示す。
図5図5は、図1の装置のスタイレットの長手方向の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、後述の詳細、および、同様の要素は同一の参照符号が付された添付した図面を参照してさらに理解されることができる。本開示は、内視鏡に関し、特に、組織サンプルを得るための装置に関する。本開示に例示される実施形態は、その遠位端部においてスクーパを含み、拘束姿勢および組織採集姿勢との間で装置を移すためのスタイレット、および、スタイレットに対して長軸方向に移動可能なニードルを含む装置について述べる。組織採集姿勢において、スクーパは、スタイレットの長軸から離れるように曲がる、または、回転するために、ニードルの遠位端部から遠位側に延びる。このようにして、ニードルのスクーパを超えた遠位側の移動は、装置が拘束姿勢へ移動することでスクーパの窓を通過して組織が採集されることを許容する。本装置がニードルの直径によって制限されず、伝統的な生体組織検査ニードルで可能なものよりも大きな組織サンプルを採集することは、当業者によって理解されるであろう。ここで用いられる「近位」および「遠位」の用語は、本装置のユーザに向かう方向(近位)、ユーザから離れる方向(遠位)を示すことを意図していることを留意されるべきである。
【0014】
図1〜5に示されるように、装置100は、その遠位端部のスクーパ104、および、装置100が拘束姿勢と組織採集姿勢との間で移動するためのスタイレット102を超えて長軸方向に移動可能なニードル108を備える本開示の例示的な実施例に従うものである。スクーパ104は、長軸方向に延びるチャネル112と、チャネル112と連通するとともに前記スクーパ104の壁132の横方向に延び、標的組織が窓114を介して採集できるような窓114とを含む。スクーパ104は、スクーパ104がスタイレット102の近位部分の長軸から離れるように曲げられまたは回転する組織採集姿勢に向かうように付勢するヒンジ120を介して、スタイレット102の近位部分126に接続される。スクーパ104は、その長軸方向に延びるチャネル112と、チャネル112と連通するとともに前記スクーパ104の壁132横方向に延びる窓114とを含み、この結果、スクーパ104が組織採集姿勢にあるときに窓114がスタイレット102の長軸を通過する。拘束姿勢において、ニードル108は、その内面128がスクーパ104を拘束し、スクーパ104がスタイレット102の近位部分と軸方向に並んで配置されるように、スクーパ104を超えて延在する。組織採集姿勢において、スタイレット102は、スクーパ104がニードル108の遠位端部110を通過して遠位側に延在するようにニードル108に対して遠位側に移動可能であり、スクーパ104がスタイレット102の近位部分に対して傾斜するその付勢された位置へ復帰することが許容される。装置100は、例えば、内視鏡または他の挿入器具のワーキングチャネルを通じて生体内の標的部位(例えば、自然な身体の開口部を介して到達した体腔を通じた)に挿入されることができる。装置100は、拘束姿勢において標的組織に隣接する部位へ進められる。標的部位に到達したとき、遠位端部110は、標的組織に挿入され、スタイレット102は、スクーパ104が付勢された組織採集姿勢に復帰するようにニードル108に対して先端側に移動する。その後、装置100が拘束姿勢に移動することで、チャネル112内の窓114を介して組織サンプルを採集するニードル108の軸と並ぶようにスクーパ104を引き戻すために、ニードル108は、スクーパ104を超えて遠位側に移動する。スクーパ104は、伝統的な生体検査ニードルで可能なものよりも大きな組織サンプルの収集を可能とすることが当業者によって理解されるであろう。
【0015】
ニードル108は、近位端部から、例えば、組織穿孔用遠位側先端として形成される遠位端部110まで長軸方向に延びる。ニードル108は、その内部を通過する管腔116と、可撓性内視鏡のような挿入装置のワーキングチャネルを通じて挿入される寸法および形状を有するように設定されたニードル108の横方向の断面領域とを含む。本実施形態のニードル108は、可撓性内視鏡によって横断されるような身体の蛇行する経路さえも通過して装置100を挿入を可能とするのに十分な可撓性を有する材料によって形成される。遠位端部110は、それらの近位側に延びる長溝118を含む。長溝118は、装置100が組織採集位置にあるときに、ヒンジ120の一部および/またはスクーパ104の近位端部122がそれらを通過して延在することを許容するような寸法および形状を有する。しかしながら、長溝118が要求されず、そして、スタイレット102が、スタイレット102の付勢された組織採集姿勢への復帰を許容するニードル108に対してさらに遠位側に簡単に移動してもよいことは、当業者によって理解されるであろう。
【0016】
スタイレット102は、近位端部から遠位端部124までの長軸方向に延び、少なくとも(スクーパ104を含む)それらの遠位部分を通過して延びるチャネル112を含む。遠位端部124は、しかしながら、装置100が標的組織内に挿入されるときに組織を穿孔するために遠位端部124を用いることができるように閉鎖される。このように、遠位端部124は、組織に穿孔することを容易にするためのテーパ状の先端130を含んでもよい。遠位端部124は、完全に閉鎖されることは要求されないが、窓114を介してチャネル112内に受け取られた組織のいくらかの部分を保持する間、標的組織の内部への挿入を容易にするために部分的に閉鎖されてもよい。窓114は、スクーパ104の壁132を、スクーパ104の閉鎖された遠位端部124から近位端部122まで横方向に延びる。スクーパ104は、ヒンジ120を介してスタイレット102の近位部分126へ接続される。ヒンジ120は、例えば、非拘束のときにスタイレット102の長軸に対して傾斜したスクーパ104とともに組織採集姿勢に向かってスタイレット102が移動するように曲げ位置に向かって付勢されたリビングヒンジであってもよい。既に述べたとおり、窓114は、スタイレット102がスタイレット102の長軸を通過する組織採集姿勢であるときにスクーパ104の一部を通過する。このように、スクーパ104が拘束姿勢における近位部分126と軸に沿って配列するように長軸に向かって移動するため、窓114を介してチャネル112内部に組織サンプルがスクープされ(scooped)、または、採集される。スタイレット102は、ニードル108をスクーパ104を超えて遠位側に移動させることによって拘束姿勢に移り、窓114を超えて延びるニードル108の管腔116の内面128を介してチャネル112内の採集された組織サンプルを捕集する。ヒンジ120は、前述し、図示したようにリビングヒンジであるが、ヒンジ120は、スクーパ104がスタイレット102の長軸から離れるように付勢されている限り、種々の形態を取り得ることは、当業者によって理解され得る。
【0017】
装置100を用いる例示的な外科手術的手法によれば、装置100は拘束姿勢において、内視鏡または他の挿入装置のワーキングチャネルを介して生体内の標的組織に挿入される。装置100は、図1に示されるようにスクーパ104の窓114がニードル108の長溝118にほぼ整合して配置される拘束姿勢の第1位置において、身体の内部に挿入されてもよい。テーパ状の先端130は、装置100がそれらの内部に挿入されることで標的組織の穿孔を容易にするためのニードル108の遠位端部110よりも僅かに遠位側に延びてもよい。一旦、標的組織が穿孔されたら、スタイレット102は、図2に示されるように、窓114がニードル108の長溝118のほぼ対向する位置に配置され、ニードル108の内面128の一部によって覆われるような拘束姿勢の第2位置に向かって、その長軸まわりに約180度回転される。スタイレット102は、その後、図3に示されるように、スクーパ104が長軸から離れるように曲がりまたは傾斜した付勢された組織採集姿勢へとスタイレット102が復帰するように、ニードル108に対して遠位側に移動させられる。既に述べられたとおり、ヒンジ120および/またはスクーパ104の近位端部122は、スタイレット102が組織採集姿勢に移動することで長溝118を通過して延びる。最終的に、ニードル108は、スタイレット102が拘束姿勢に移動することでスクーパ104が窓114を介してチャネル112内に組織サンプルを採集するようにスクーパ104を超えて遠位端部側に移動する。組織サンプルは、窓114を覆うニードル108の管腔116の内面128の一部を介してチャネル112内に捕集される。
【0018】
例示的な外科手術的手法は拘束姿勢の第1および第2位置の間のニードル108に対するスタイレット102の移動について述べたが、装置100が、ニードル108に対してスタイレット102を回転させずに用いられてもよいことは、当業者によって理解されるであろう。特に、装置100は、拘束姿勢において、長溝118と対向する窓114とともに、標的組織へ挿入されてもよく、結果、スタイレット102およびニードル108は、拘束および組織採集姿勢の互いに関して単純に軸方向に移動してもよい。加えて、ニードル108が長溝118を含まなくともよい装置100の実施形態では、ニードル108に対するスタイレット102の回転方向は、装置100の用途に関係しなくともよい。また、スタイレット102およびニードル108が、所望の組織サンプルが採集されるまで拘束および組織採集姿勢の間で互いに繰り返し移動してもよいことは、当業者によって理解され得るだろう。
【0019】
種々の変更は、本開示の範囲から逸脱しない限り、本開示の構造および方法論において形成し得ることは、当業者であれば明らかである。このように、本開示は、この開示が添付した請求項およびその均等物の範囲内において提供されるこの開示の修正および変更をカバーすることを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5