特許第6404454号(P6404454)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404454
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】電力供給装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20181001BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20181001BHJP
   H02J 1/10 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   H02J7/35 K
   H02J1/00 304H
   H02J1/10
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-507560(P2017-507560)
(86)(22)【出願日】2016年2月3日
(86)【国際出願番号】JP2016053192
(87)【国際公開番号】WO2016152264
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2017年9月14日
(31)【優先権主張番号】特願2015-61052(P2015-61052)
(32)【優先日】2015年3月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宮原 一典
【審査官】 原 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0082525(US,A1)
【文献】 特開2012−147508(JP,A)
【文献】 特開2000−152496(JP,A)
【文献】 特開昭61−094128(JP,A)
【文献】 実開昭59−138336(JP,U)
【文献】 特開2014−39466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00−1/16
7/00−7/12
7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位発電ユニットからなる電力供給装置であって、
単位発電ユニットは、
光発電パネルと、
蓄電池と、
前記光発電パネルの発生する電荷を直流電圧に変換し、前記蓄電池に充電する充電部と、
外部から直流電圧が入力される直流電圧入力端子と、
直流電圧を出力する直流電圧出力端子と、
前記直流電圧入力端子と前記直流電圧出力端子を接続する直流電力ラインに挿入され、前記直流電圧入力端子から前記直流電圧出力端子へ電流を整流する第1整流器と、
前記第1整流器の前記直流電圧出力端子側の直流電力ラインと前記蓄電池との間に接続され、前記蓄電池から前記直流電圧出力端子へ電流を整流する第2整流器と、
を備え、
前記単位発電ユニットは、前段の単位発電ユニットの直流電圧出力端子を後段の直流電圧入力端子にカスケード接続する
電力供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の単位発電ユニットは、
データ入力端子と、データ出力端子と、
前記データ入力端子と前記データ出力端子を接続するデータ通信バスと、
を備え、
前記充電部は、前記データ通信バスに接続され、
前記単位発電ユニットは、前段の単位発電ユニットのデータ出力端子を後段のデータ入力端子にカスケード接続する
電力供給装置。
【請求項3】
請求項2に記載の前記単位発電ユニットをカスケード接続する個数は、供給すべき電力量に応じて決定されることを特徴とする、電力供給装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電を用いて機能部に電力を供給する電力供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、防災の観点から、地滑り等の観測を行うシステムが各種考案されている。例えば、特許文献1に記載の観測データ回収システムは、複数の解析装置、複数の中継装置、および集約装置を備える。
【0003】
1つの中継装置には複数の解析装置がリンクしている。各中継装置がリンクする解析装置は異なる。集約装置は、複数の中継装置にリンクしている。
【0004】
中継装置は、自身がリンクしている複数の解析装置の観測データを取得する。中継装置は、取得した複数の観測データをまとめて、集約装置に送信する。
【0005】
解析装置は、中継装置、集約装置とは離れた位置に配置されており、商用電源から電力供給を受けられない位置に配置されることもある。この場合、解析装置は、自装置にて発電を行い、この発電した電力によって観測データの生成および送信を行わなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−185459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、解析装置が配置される位置によって、必要とする電力量は異なることが多い。例えば、無線通信の通信環境が良好であれば通信に係る電力は小さくて済むが、無線通信の通信環境が悪ければ通信に係る電力は大きくなる。
【0008】
また、解析装置の発電を太陽光発電で行う場合、日照等の環境によって発電量が異なってしまう。したがって、配置位置によって、必要とされる太陽光発電パネルの枚数が異なる。ここで、全ての解析装置において十分に電力をまかなえるようにすると、発電機能部が増長になる解析装置が存在する。一方、最も少ない消費電力の解析装置の発電機能部に合わせると、機能が停止して観測データを送信できない解析装置が存在してしまう。また、それぞれの解析装置に合わせて発電機能部を個別に形成すると、設計、製作費用が嵩んでしまう。また、経時変化によって必要とされる電力量が変化することもあり、解析装置毎に個別に発電機能部を形成したとしても、適切な電力供給を行えるとは限らない。
【0009】
したがって、本発明の目的は、設置位置や状況に応じて、適切な回路規模で適切な電力量を供給することができる電力供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の電力供給装置は、光発電パネル、蓄電池、および充電部を備える。充電部は、光発電パネルの発生する電荷を直流電圧に変換し、蓄電池に充電する。電力供給装置は、さらに、外部から直流電圧が入力される直流電圧入力端子と、直流電圧を出力する直流電圧出力端子とを備える。電力供給装置は、さらに、第1整流器と第2整流器を備える。第1整流器は、直流電圧入力端子と直流電圧出力端子を接続する直流電力ラインに挿入される。第1整流器は、直流電圧入力端子から直流電圧出力端子へ電流を整流する。第2整流器は、第1整流器の直流電圧出力端子側の直流電力ラインと蓄電池との間に接続される。第2整流器は、蓄電池から直流電圧出力端子へ電流を整流する。
【0011】
この構成では、上記機能部からなる回路を単位発電ユニットとし、供給すべき電力量に応じた個数を用意する。前段の単位発電ユニットの直流電圧出力端子を後段の直流電圧入力端子に接続する。すなわち、複数の単位発電ユニットをカスケード接続する。これにより、適切な回路規模で適切な電力量を供給することができる。
【0012】
また、この発明の電力供給装置は、データ入力端子、データ出力端子、および、データ入力端子とデータ出力端子を接続するデータ通信バスを備える。充電部は、データ通信バスに接続されている。
【0013】
この構成では、充電部の動作状況を、単位発電ユニット毎に外部から取得可能になる。これにより、電力供給装置全体の動作状態を観測することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、設置位置や状況に応じて、適切な回路規模で適切な電力量を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電力供給装置を含む観測システムの構成を示すブロック図
図2】本発明の第1の実施形態に係る電力供給部のブロック図
図3】本発明の第1の実施形態に係る電力供給部を構成する単位発電ユニットのブロック図
図4】本発明の第2の実施形態に係る電力供給部を構成する単位発電ユニットのブロック図
図5】本発明の第2の実施形態に係る電力供給部のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1の実施形態に係る電力供給装置を含む観測システムについて、図を参照して説明する。なお、本実施形態で示す観測システムは、例えば、地滑り検出システム等に用いられる。しかしながら、遠隔地で取得した観測データを用いて、所定の現象について解析を行うシステム、すなわち商用電源を容易に利用できず、光発電を利用するシステムであれば、本実施形態の構成を適用することができる。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力供給装置を含む観測システムの構成を示すブロック図である。
【0018】
観測システム10は、子機(観測データ送信装置)20、親機(観測データ中継装置)30、ファイルサーバ40、解析装置50、および通信ネットワーク100を備える。
【0019】
子機20は、観測位置に配置される。観測位置が複数箇所の場合、観測位置毎に子機20が配置される。
【0020】
子機20は、制御部21、GNSS受信機22、GNSSアンテナ23、無線LAN制御部24、無線LAN用アンテナ25、メモリ26、通知部27、および、電力供給部60を備える。子機20は、観測対象位置に配置されている。子機20は、可能な限りオープンスカイな環境に配置されていることが好ましい。地滑り検出システムの場合、観測対象位置は、山中等の商用電源が利用しにくい、または、商用電源が利用できない場所である。したがって、子機20の電力供給部60は、自力発電により、直流電圧を発生して、子機20の各機能部(制御部21、GNSS受信機22、無線LAN制御部24、通知部27)に電力を供給する。なお、通知部27は省略することもできる。
【0021】
制御部21は、子機20の全体制御を行う。また、制御部21は、観測データの記憶、アップロードの制御を行う。制御部21における観測データの記憶、アップロードの制御についての具体的な内容は、後述する。
【0022】
GNSS受信機22は、制御部21に接続されている。GNSS受信機22は、GNSSアンテナ23で受信したGNSS信号から観測データを生成する。GNSS受信機22は、生成した観測データを制御部21に出力する。
【0023】
GNSSとは、Global Navigation Satellite Systemの略語であり、GPS(Global Positioning System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galileo等を含む。
【0024】
GNSS受信機22で生成される観測データは、搬送波位相等、地滑りの解析、検出に利用し、GNSS信号の受信結果(捕捉、追尾によって得られるデータ)から得られるデータである。
【0025】
また、GNSS受信機22は、GNSS信号から航法メッセージを復調する。GNSS受信機22は、航法メッセージから時刻データを取得する。なお、GNSS受信機22は、GNSS信号の追尾結果から子機20を測位してもよい。この場合、観測データには、測位結果が含まれる。
【0026】
無線LAN制御部24は、無線LAN用アンテナ25、制御部21に接続されている。無線LAN制御部24は、無線LAN用アンテナ25および無線LAN用アンテナ31を介した無線LAN用AP32との無線通信を、予め決められたプロトコルによって実行する。無線LAN制御部24は、制御部21から与えられた観測データを、無線通信のプロトコルに変換して、無線LAN用アンテナ25から送信する。また、無線LAN制御部24は、無線LAN用アンテナ25で受信した親機30からの遠隔設定データをプロトコル変換して制御部21に出力する。
【0027】
メモリ26は、制御部21に接続されている。メモリ26は観測データを一時記憶する。
【0028】
通知部27は、制御部21に接続されている。通知部27は、LED等の簡易な表示素子によって構成されている。通知部27は、制御部21からの通知信号によって、所定の表示態様に駆動される。
【0029】
親機(観測データ中継装置)30は、無線LAN用アンテナ31、無線LANAP(アクセスポイント)32、ルータ33、および、電力供給部60を備える。地滑り検出システムの場合、親機30も、商用電源が利用しにくい、または、商用電源が利用できない場所に配置されることがある。この場合、親機30の電力供給部60は、自力発電により、直流電圧を発生して、親機の各機能部(無線LANAP32、および、ルータ33)に電力を供給する。なお、親機30の電力供給部60と子機20の電力供給部60は、同じ記号を付しているが、後述するように、内蔵される単位発電ユニットの個数は同じであるとは限らない。
【0030】
無線LANAP32は、無線LAN用アンテナ31および無線LAN用アンテナ25を介した無線LAN制御部24との無線通信を、予め決められたプロトコルによって実行する。無線LANAP32は、ルータ33を介して取得した遠隔設定データをプロトコル変換して、無線LAN用アンテナ31から送信する。また、無線LANAP32は、無線LAN用アンテナ31で受信した子機20からの観測データをプロトコル変換してルータ33に出力する。
【0031】
ルータ33は、無線LANAP32をネットワーク100に接続する。すなわち、ルータ33は、親機30と子機20との無線通信網とネットワーク100との間でのプロトコル変換を実行する。ルータ33は、無線LANAP32から出力される観測データを、ファイルサーバ40に送信する。ルータ33は、ネットワーク100を介して接続された解析装置50からの設定信号を、無線LANAP32に送信する。
【0032】
ファイルサーバ40は、親機30から送信される観測データを記憶する。また、ファイルサーバ40は、解析装置50からの読み出し要求に応じて、観測データを、解析装置50に送信する。
【0033】
解析装置50は、ファイルサーバ40から読み出した観測データを用いて、観測対象に対する検出データを生成する。例えば、観測システム10が地滑り検出システムであれば、観測データから各観測位置の位置変化および速度を取得して、地滑りを検出する。解析装置50は、親機30および子機20に対して設定信号を送信する。設定信号は、解析装置50に備えられた操作入力部を用いてオペレータによって設定される。また、設定信号は、解析装置50がこれまでの解析結果に基づいて設定される。
【0034】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電力供給部のブロック図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る電力供給部を構成する単位発電ユニットのブロック図である。
【0035】
図2に示すように、電力供給部60は、単位発電ユニット610,620,630を備える。単位発電ユニット610,620,630は、図3に示す単位発電ユニット600の構成を備える。
【0036】
図3に示すように、単位発電ユニット600は、光発電パネル601、充電部602、蓄電池603、整流器604,605、直流電圧入力端子Pin、および、直流電圧出力端子Poutを備える。
【0037】
光発電パネル601は、充電部602に接続されている。充電部602は蓄電池603に接続されている。蓄電池603は、整流器604(本発明の第2整流器)を介して直流電圧出力端子Poutに接続されている。直流電圧入力端子Pinと直流電圧出力端子Poutは、整流器605(本発明の第1整流器)を介して接続されている。整流器604の直流電圧出力端子Pout側の電力伝送ラインと、整流器605の直流電圧出力端子Pout側の電力伝送ラインは接続されている。
【0038】
光発電パネル601は、照射された光量に応じて電荷を発生する。充電部602は、光発電パネルで発した電荷を直流電圧に変換する。充電部602は、MPPT制御等を行うことによって、光発電パネル601の発生した電荷を直流電圧に変換する。充電部602は、変換した直流電圧を、蓄電池603の充電電圧に変換して、蓄電池603に供給する。蓄電池603は、充電部602からの充電電圧によって充電されるとともに、整流器604を介して、直流電圧出力端子Poutに直流電圧を供給する。
【0039】
整流器604は、蓄電池603から直流電圧出力端子Poutに電流が流れるように回路が構成されている。例えば、整流器604は、蓄電池603に接続するアノードと、直流電圧出力端子Poutに接続するカソードを備えるダイオードからなる。
【0040】
整流器605は、直流電圧入力端子Pinから直流電圧出力端子Poutに電流が流れるように回路が構成されている。例えば、整流器605は、直流電圧入力端子Pinに接続するアノードと、直流電圧出力端子Poutに接続するカソードを備えるダイオードからなる。
【0041】
このような構成とすることによって、単位発電ユニット600は、蓄電池603に蓄電されている電力が十分であり、蓄電池603から出力可能な電圧が直流電圧入力端子Pinから入力される直流電圧よりも高ければ、蓄電池603から直流電圧出力端子Poutに、直流電圧(直流電力)を供給する。
【0042】
一方、単位発電ユニット600は、蓄電池603の蓄電量が不十分で、蓄電池603から出力可能な電圧が直流電圧入力端子Pinから入力される直流電圧よりも低くれば、直流電圧入力端子Pinから直流電圧出力端子Poutに、直流電圧(直流電力)を供給する。
【0043】
電力供給部60は、このような構成からなる単位発電ユニット600(610,620,630)を、図2に示すように接続する。
【0044】
具体的には、単位発電ユニット610の直流電圧出力端子Poutを子機20の各機能部に接続されている。単位発電ユニット620の直流電圧出力端子Poutを単位発電ユニット610の直流電圧入力端子Pinに接続されている。単位発電ユニット630の直流電圧出力端子Poutを単位発電ユニット630の直流電圧入力端子Pinに接続されている。言い換えれば、単位発電ユニット630,620,610は、この順でカスケード接続されている。
【0045】
このような構成とすることによって、子機20の必要な電力量に応じて、電力供給部60を構成する単位発電ユニットの個数を適宜調整することができる。すなわち、消費電力量が小さな子機20に対しては、カスケード接続する単位発電ユニットの個数を少なくする。一方、消費電力量が大きな子機20に対しては、カスケード接続する単位発電ユニットの個数を多くする。
【0046】
これによって、回路構成が増長にならず、必要な電力量を供給できる電力供給部60を、子機毎に設置することができる。
【0047】
また、本実施形態の構成を用いることによって、経時的に必要な電力量が変化したときに、電力供給部60の全体を取り替える必要はなく、単位発電ユニットの個数を調整するだけでよい。特に、必要な電力量が多くなった場合、発電量を増加させる必要があるが、本実施形態の構成を用いることによって、必要数の単位発電ユニットを増設すればよく、電力供給部60の仕様を容易に適正化することができる。特に、地滑り検出システムでは、作業が容易でない山中に子機20が配置されることが多いが、この構成を用いることによって、子機20の電力量に応じた電力供給部60を容易な作業によって実現できる。
【0048】
また、本実施形態の構成を用いることによって、設置された環境の変化に応じて適切に電力を供給することができる。これによって、子機の動作時間をできる限り長くし、観測データの送信を継続することができる。例えば、積雪等によって発電および充電ができないような状況になっても、上述の複数の単位発電ユニットのカスケード接続によって、供給電力が自動的に調整され、適切な電力の供給を実現することができる。
【0049】
なお、上述の説明では、子機20の電力供給部60について示したが、親機30の電力供給部60も同様の構成からなる。これによって、親機30に対して、回路構成が増長にならず、必要な電力量を供給できる電力供給部60を実現できる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施形態に係る電力供給装置を含む観測システムについて、図を参照して説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係る電力供給部を構成する単位発電ユニットのブロック図である。図5は、本発明の第2の実施形態に係る電力供給部のブロック図である。
【0051】
本実施形態に係る観測システムでは、電力供給部60Aの構成が、第1の実施形態に係る観測システムと異なる。
【0052】
図5に示すように、電力供給部60Aは、複数の単位発電ユニット610A,620A,630Aを備える。単位発電ユニット610A,620A,630Aは、図4に示す単位発電ユニット600Aと同じ構成である。
【0053】
単位発電ユニット600Aは、第1の実施形態に係る単位発電ユニット600に対して、データ入力端子PinD、データ出力端子PoutD、および、データ通信バス606を備える。データ入力端子PinDとデータ出力端子PoutDは、データ通信バス606によって接続されている。データ通信バス606は、例えば、I2Cバスによって実現される。
【0054】
充電部602は、データ通信バス606に接続されている。
【0055】
電力供給部60Aは、このような構成からなる単位発電ユニット600A(610A,620A,630A)を、図5に示すように接続する。
【0056】
具体的には、単位発電ユニット610Aの直流電圧出力端子Poutを子機20の各機能部に接続されている。単位発電ユニット620Aの直流電圧出力端子Poutを単位発電ユニット610の直流電圧入力端子Pinに接続されている。単位発電ユニット630Aの直流電圧出力端子Poutを単位発電ユニット630Aの直流電圧入力端子Pinに接続されている。言い換えれば、単位発電ユニット630A,620A,610Aにおける電力供給の機能部は、この順でカスケード接続されている。
【0057】
さらに、単位発電ユニット610Aのデータ出力端子PoutDは、子機20の制御部21に接続されている。単位発電ユニット620Aのデータ出力端子PoutDは、単位発電ユニット610Aのデータ入力端子PinDに接続されている。単位発電ユニット630Aのデータ出力端子PoutDは、単位発電ユニット620Aのデータ入力端子PinDに接続されている。この構成によって、単位発電ユニット610A,620A,630Aの充電部602は、データ通信バス606を介して制御部21に接続されている。
【0058】
このような構成とすることによって、各単位発電ユニット610A,620A,630Aの充電部602の動作を監視することができる。例えば、各充電部602のMPPT制御の状態、蓄電池603の充電量等を監視することができる。
【0059】
これによって、例えば、各単位発電ユニット610A,620A,630Aの整流器に対して制御信号を入力できる構成を加え、各整流器を制御部21から制御することも可能である。これにより、さらに、各単位発電ユニット610A,620A,630Aの状態に応じて、安定して子機20に直流電圧を供給することができる。
【0060】
なお、本実施形態の構成も、親機30にも適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
10:観測システム
20:子機(観測データ送信装置)
21:制御部
22:GNSS受信機
23:GNSSアンテナ
24:無線LAN制御部
25:無線LAN用アンテナ
26:メモリ
27:通知部
30:親機(観測データ中継装置)
40:ファイルサーバ
50:解析装置
60:電力供給部
100:通信ネットワーク
600,610,620,630,610A,620A,630A:単位発電ユニット
601:光発電パネル
602:充電部
603:蓄電池
604,605:整流器
606:データ通信バス
図1
図2
図3
図4
図5