(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404458
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法
(51)【国際特許分類】
D06F 33/02 20060101AFI20181001BHJP
D06F 39/10 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
D06F33/02 T
D06F39/10 E
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-512051(P2017-512051)
(86)(22)【出願日】2015年9月18日
(65)【公表番号】特表2017-532091(P2017-532091A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(86)【国際出願番号】CN2015090056
(87)【国際公開番号】WO2016045555
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2017年3月31日
(31)【優先権主張番号】201410488183.6
(32)【優先日】2014年9月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517066021
【氏名又は名称】チンタオ ハイアール スマート テクノロジー アールアンドディ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER SMART TECHNOLOGY R&D CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジンジン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュンシゥ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ、シーロン
(72)【発明者】
【氏名】リー、イーミン
(72)【発明者】
【氏名】ラオ、チュンフェン
【審査官】
大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−042704(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第1737242(CN,A)
【文献】
中国実用新案第201390906(CN,Y)
【文献】
特開2000−084291(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2007−0063996(KR,A)
【文献】
特開2014−018502(JP,A)
【文献】
特開2003−230789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/02
D06F 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法において、
前記洗濯機は、循環水濾過システムを有し、前記洗濯機の前記清浄水洗濯機能の少なくとも1つのワーク段階において、前記洗濯機の洗濯ドラム内の水が前記循環水濾過システムに流れて、前記循環水濾過システムにて濾過された後に再び前記洗濯ドラム内に戻されて再利用され、
前記制御方法は、
衣類の種類情報に対応する洗濯プログラムの選択指令を受信するステップAと、
前記選択指令に基づいて、前記洗濯機の清浄水洗濯機能を選択することを許可或いは禁止するステップBと、
前記洗濯機の清浄水洗濯機能が選択されたか否かに基づいて、洗濯サブプログラムを確定するステップCと、
操作指令を受信して、確定した前記洗濯サブプログラムに基づいて洗濯を実行するステップDと、を含み、
前記ステップCは、
前記清浄水洗濯機能を選択できるか否かを判断し、前記清浄水洗濯機能を選択することが禁止された場合、或いは前記清浄水洗濯機能を選択することが許可され、且つ前記清浄水洗濯機能が選択された指令を受信していない場合は、前記洗濯サブプログラムがデフォルトで実行される第1洗濯サブプログラムであると確定することと、
前記清浄水洗濯機能を選択することが許可され、且つ前記清浄水洗濯機能が選択された指令を受信した場合、前記洗濯サブプログラムが前記清浄水洗濯機能を有する第2洗濯サブプログラムであると確定することとを含み、
前記第1洗濯サブプログラムは、連続に実行される少なくとも1回の通常すすぎ段階を含み、毎回の前記通常すすぎ段階は、すすぎ水を利用して前記洗濯機の洗濯ドラム内の衣類をすすぐためのものであり、
前記第2洗濯サブプログラムは、すすぎ水を利用して前記洗濯機の洗濯ドラム内の衣類をすすぐ循環水すすぎ段階を含み、前記循環水すすぎ段階の循環水すすぎステップにおいて、前記洗濯ドラム内のすすぎ水は、前記洗濯機の循環水濾過システムに流れて、前記循環水濾過システムにて濾過された後に前記洗濯ドラム内に戻される、
洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の制御方法において、
前記第2洗濯サブプログラムは、前記循環水すすぎ段階の前に実行される洗濯段階と、前記循環水すすぎ段階の後に実行される脱水段階とを更に含み、
前記洗濯段階は、前記洗濯機の注入管から水を注入することで、前記洗濯段階に洗濯水を提供するための洗濯注水ステップと、洗剤及び洗濯水を利用して前記洗濯ドラム内の衣類を洗濯するための洗濯ステップと、前記洗濯ドラム内の衣類を脱水するための洗濯脱水ステップとを含み、
前記循環水すすぎ段階は、前記注入管から水を注入することで、前記循環水すすぎ段階にすすぎ水を提供するためのすすぎ注水ステップと、前記循環水すすぎステップと、前記洗濯ドラム内の衣類を脱水するためのすすぎ脱水ステップとを含み、
前記脱水段階は、前記洗濯ドラム内の衣類を遠心力で脱水するためである、
洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載の制御方法において、
毎回の前記通常すすぎ段階の通常すすぎステップにおいて、前記洗濯機の循環水濾過システムが停止状態にある、
洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法。
【請求項4】
請求項1に記載の制御方法において、
前記衣類の種類が綿麻、化学繊維、混合或いは下着であるとき、前記清浄水洗濯機能を選択することを許可し、多種類の衣類を同時に洗濯ドラム内に入れた場合に、衣類の種類が混合であると確定し、或いは多種の材質を使用した衣類について衣類の種類が混合であると確定する、洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法。
【請求項5】
請求項1に記載の制御方法において、
前記衣類の種類がカーテンであるとき、前記清浄水洗濯機能を選択することを禁止する、
洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の分野に関し、特に洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一方、人々の生活品質の向上に連れて、人々の衣食住の業界はより多く、より良い選択がある。そのうち、人々の「衣」はより多い選択があり、複数のデザインの選択肢に現れるだけでなく、衣類の多様な材質に現れている。衣類のデザインとカラーのデザインは、一定の規格を守らなければならないため、現在の衣類のデザインにおいて材質のデザインがますます豊富であり、占める地位もますます重要である。衣類の世界では、衣類の材質は多種多様で、日に日に新しくなっている。例えば、正式な社交場所で身につける服装を製造する際に、100%コットン、100%ウール、100%シルク、100%麻の製品を選択している。衣類の材質がますます豊富、ますます貴重となり、衣類に対する保護もますます重要となっている。衣類に対するダメージは一般的に衣類の洗浄過程で起きる。
【0003】
従来の技術では、物理的な操作による衣類へのダメージを低減するために、衣類の洗浄過程において衣類の材質に基づいてプログラムを選択することができる。しかし、同じ種類の衣類対して、これらが有する汚れの程度が異なる可能性があり、同じ洗濯プログラムで選択して洗濯すると、汚れていない衣類も比較的に長い時間で洗濯され、衣類の寿命に影響を与える懸念があった。
【0004】
一方、従来の通常洗濯機による洗濯するときのプロセスは、一般的に注水、洗濯−遠心力で脱水−排水、複数回のすすぎ−遠心力で脱水−排水等を含み、すすぎ毎に大量の水を使う。洗濯或いはすすぎに使用された水は、排水管により洗濯機外面環境に排出される。全体の洗濯過程の水使用量が比較的に大きく、水資源が大いに浪費され、特に汚れてない衣類に対する水資源の浪費が大きい。
【発明の概要】
【0005】
従来技術における少なくとも1つの欠点について、本願の出願人は、すすぎ水を再利用するために、洗濯機が例えばフロントフィルタと濾過膜モジュール(例えば、限外濾過膜モジュール)とを含む循環水濾過システムを採用して衣類のすすぎ過程において洗濯ドラム内のすすぎ水に対する濾過処理を行うことを見出した。
【0006】
本発明の1つの目的は、従来技術におけるすすぎ水濾過循環機能を有する洗濯機の少なくとも1つの欠点を克服することであって、循環水濾過システムを有する洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法を提供し、ユーザが節水方式を選択して衣類を洗濯するように導き、且つ衣類を有効に洗濯することができ、衣類と循環水濾過システムを保護することができる。
【0007】
本発明のさらなる目的は、衣類と循環水濾過システムを更に保護するために、異なる種類の衣類に基づいて異なる洗濯プログラムを選択できる制御方法を提供する。
上記の少なくとも1つの目標を実現するための本願発明は、洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法を提供し、洗濯プログラムの選択指令を受信するステップAと、選択された指令基づいて、洗濯機の清浄水洗濯機能を選択することを許可或いは禁止するステップBとを含む。
【0008】
前記制御方法において、選択指令は、衣類の種類情報に対応することが好ましい。
前記制御方法において、洗濯機の清浄水洗濯機能が選択されているか否かに基づいて、洗濯サブプログラムを確定するステップCと、操作指令を受信して、確定した洗濯サブプログラムに基づいて洗濯を実行するステップDを更に含むことが好ましい。
【0009】
前記制御方法において、ステップCは、清浄水洗濯機能を選択できるか否かを判断し、清浄水洗濯機能を選択することが禁止された場合、或いは清浄水洗濯機能を選択することが許可され、且つ清浄水洗濯機能が選択された指令を受信していない場合、洗濯サブプログラムがデフォルトで実行される第1洗濯サブプログラムであると確定することと、清浄水洗濯機能を選択することが許可され、且つ清浄水洗濯機能が選択された指令を受信した場合、洗濯サブプログラムが清浄水洗濯機能を有する第2洗濯サブプログラムであると確定することを含むことが好ましい。
【0010】
前記制御方法において、第2洗濯サブプログラムは、すすぎ水を利用して洗濯機の洗濯ドラム内の衣類をすすぐ循環水すすぎ段階を含み、循環水すすぎ段階の循環水すすぎステップにおいて、洗濯ドラム内のすすぎ水は洗濯機の循環水濾過システムに流れて、循環水濾過システムにて濾過した後に洗濯ドラム内に戻されることが好ましい。
【0011】
前記制御方法において、第2洗濯サブプログラムは、循環水すすぎ段階の前に実行される洗濯段階と、循環水すすぎ段階の後に実行される脱水段階とを更に含み、洗濯段階は、洗濯機の注入管から水を注入することで、洗濯段階に洗濯水を提供するための洗濯注水ステップと、洗剤及び洗濯水を利用して洗濯ドラム内の衣類を洗濯するための洗濯ステップと、洗濯ドラム内の衣類を脱水するための洗濯脱水ステップとを含み、循環水すすぎ段階は、注入管から水を注入することで、循環水すすぎ段階にすすぎ水を提供するためのすすぎ注水ステップと、循環水すすぎステップと、洗濯ドラム内の衣類を脱水するためのすすぎ脱水ステップと、を含み、脱水段階は、洗濯ドラム内の衣類を遠心力で脱水するためのものであることが好ましい。
【0012】
前記制御方法において、第1洗濯サブプログラムは、連続に実行される少なくとも1回の通常すすぎ段階を含み、毎回の通常すすぎ段階は、すすぎ水を利用して洗濯機の洗濯ドラム内の衣類をすすぐためのものであって、毎回の通常すすぎ段階の通常すすぎステップにおいて、洗濯機の循環水濾過システムが停止状態にあることが好ましい。
【0013】
前記制御方法において、衣類の種類が綿麻、化学繊維、混合或いは下着であるとき、清浄水洗濯機能を選択することを許可し、多種類の衣類を同時に洗濯ドラム内に入れた場合に、衣類の種類が混合であると確定し、或いは多種類の材質を使用した衣類について衣類の種類が混合であると確定することが好ましい。
【0014】
前記制御方法において、衣類の種類がカーテンであるとき、清浄水洗濯機能を選択することが禁止されていることが好ましい。
前記制御方法において、ステップBは、選択指令に基づいて、洗濯機の特汚機能を選択することを許可或いは禁止することを更に含み、ステップCは、洗濯機の特汚機能が選択されたか否かに基づいて、洗濯サブプログラムを確定することを更に含むことが好ましい。
【0015】
前記制御方法において、清浄水洗濯機能は、洗濯機の洗濯ドラムから排出された洗濯水を濾過し、濾過した後の洗濯水を洗濯ドラム内戻して再利用することを含むことが好ましい。
【0016】
本発明の制御方法において、ユーザが自ら洗濯プログラムの選択できること、及び自ら清浄水洗濯機能を使用するか否かを選択することは、ユーザを、節水方式を選択して衣類を選択するように導くことに寄与するとともに、衣類を効率的に洗濯することができ、衣類と循環水濾過システムを保護することができる。さらに、ユーザに自律知能的な洗濯環境を作り出した。
【0017】
さらに、洗濯機が衣類の種類に基づいて、対応する洗濯プログラムを選択することができる。また、ユーザが衣類の汚れ程度に基づいて清浄水洗濯機能を使用するか否かを選択することができ、ユーザ操作の利便性を向上した。
【0018】
当業者は、図面を併せて以下にある本発明の具体例の詳細な説明を参照すれば、本発明の上記のおよび他の目的、利点及び特徴をより明白に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、図面を参照して、典型的で非限定的な方法で本発明のいくつかの具体的な実施例を詳細に説明する。図における同じ符号は同じ或いは類似の部材或いは部分を示している。当業者は、これらの図が必ずしも縮尺通りに描かれたものでないことを理解すべきである。
【
図1】は、本発明の一実施例に係る洗濯機を示す模式図である。
【
図2】は、本発明の一実施例に係る洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法を模式的に示すフローチャートである。
【
図3】は、本発明の一実施例に係る洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法を模式的に示すフローチャートである。
【
図4】は、本発明の一実施例に係る洗濯機の清浄水洗濯機能のステップCの示意性フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施例に係る洗濯機の模式図である。この洗濯機は、洗濯ドラム12と、排水ポンプ22と、濾過モジュールとを備えている。濾過モジュールは、フロントフィルタ24と超ろ過モジュール26とを含む。洗濯ドラム12は、一般的に外筒と外筒内において回転可能な内筒から構成されている。洗濯ドラム12の上部には、パイプ11を介して蛇口に接続される清浄水の注入口が設けられており、パイプ11上のバルブ13を開けたとき、洗濯ドラム12へ洗濯用清浄水或いはすすぎ用清浄水を注入することができる。洗濯ドラム12の下部には、排水口が設けられ、排水口と濾過モジュールとの間には排水ポンプ22を介してパイプによって繋がっている。超ろ過モジュール26の透過水口は、注入パイプ14を介して洗濯ドラム12に繋がっている。
【0021】
本発明の実施例における洗濯機は、エアポンプ32を含み、エアポンプ32の排気口は、エアパイプを介して濾過モジュールの吸気口と繋がっている。エアパイプには、チェック弁34が設けられている。濾過モジュールに空気洗浄を必要とするとき、エアポンプ32及びチェック弁34を起動し、エアを利用して濾過モジュール内に引き止め或いは粘附された不純物を吹き降ろすために、エアポンプ32は濾過モジュールにエアを供給して空気洗浄を行う。粗フィルタ24及び/又は超ろ過モジュール26に対して空気洗浄或いは水洗を行った流体を洗濯機から排出するために、粗フィルタ24の高濃度排出口と超ろ過モジュール26の汚れ排出口とは三方弁36の2つの入口に繋がり、該三方弁36の出口は洗濯機の外排出パイプ18に繋がっている。洗濯機の洗濯水は排水ポンプ22を通過した後、粗フィルタ24に流れ、且つ粗フィルタ濾過されないようにして、三方弁36の出口と洗濯機の外排出パイプ18を介して洗濯機から流出する。
【0022】
本発明の実施例の洗濯機の循環水濾過システムは、排水ポンプ22と、濾過モジュールと、注入パイプ14とを備えている。洗濯機の清浄水洗濯機能は、洗濯機の洗濯ドラム12から排出された洗濯水を濾過し、濾過した後の洗濯水を洗濯ドラム12内に戻して再利用する。本発明の実施例における洗濯機の清浄水洗濯機能を使用する際に、洗濯ドラム12内の水はポンプによって送り出され、濾過モジュールに送られて濾過し、濾過した後の水は超ろ過モジュール26の透過水口、注入パイプ14を介して洗濯ドラム12に戻されて再利用する。すなわち、該循環水濾過システムは、洗濯機の清浄水洗濯機能の少なくとも1つのワーク段階において、洗濯機の洗濯ドラム内の水が循環水濾過システムに流れて、循環水濾過システムにて濾過された後に再び洗濯ドラム内に戻されて再利用する。例えば、洗濯機すすぎを行う循環水すすぎ段階において、洗濯ドラム内の水が環水濾過システムに流れて、循環水濾過システムにて濾過された後に再び洗濯ドラム内に戻され、他のワーク段階において、例えば洗濯段階或いは脱水段階では、洗濯ドラム内の水が循環水濾過システムに流れて濾過することなく、洗濯機から直接排出してもよい。
【0023】
図2は、本発明の一実施例に係る洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法を模式的に示すフローチャートである。本発明の実施例に係る洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法は、以下のステップを含む。
【0024】
ステップA:洗濯プログラムの選択指令を受信する。ユーザは自身の好み、衣類の汚れ程度などに基づいて、洗濯プログラムを選択し、洗濯機は洗濯プログラムの選択指令を受信することが可能であり、これによりシステムから対応する洗濯プログラムを選択する。
【0025】
ステップB:選択指令に基づいて、洗濯機の清浄水洗濯機能を選択することを許可或いは禁止する。衣類の洗濯をより良くし、衣類及び循環水濾過システムを保護するために、システム内の一部の洗濯プログラムは、清浄水洗濯機能を有していなく、これによって洗濯機の清浄水洗濯機能の選択することを禁止している。また、一部の洗濯プログラムは洗濯機の清浄水洗濯機能を選択することが可能であり、洗濯機が選択された洗濯プログラムの選択指令に基づいてユーザが洗濯機の清浄水洗濯機能を選択することを許可或いは禁止する。
【0026】
本発明のいくつかの好ましい実施例では、衣類の保護及び衣類を効率的に洗濯すると同時に、ユーザが洗濯機を操作しやすくするために、衣類の種類に基づいて対応する洗濯プログラムを確定することができる。具体的には、選択指令は衣類の種類情報に対応することができる。すなわち、選択指令に衣類の種類情報或いはユーザが洗濯機の操作画面のボタンを操作したとき、洗濯機は予め記憶されたこのボタンに対応する衣類の種類情報を読取る。例えば、衣類の種類が綿麻、化学繊維、混合或いは下着であるとき、選択された実行待ちの洗濯プログラムは、清浄水洗濯機能を選択することが許可されている。衣類の種類がカーテンであるとき、選択された実行待ちの洗濯プログラムは、清浄水洗濯機能を選択することが禁止されている。
【0027】
本発明のいくつかの実施例では、
図3に示すように、本発明の実施例に係る洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法は、洗濯機の清浄水洗濯機能が選択されたか否かに基づいて洗濯サブプログラムを確定するステップCと、操作指令を受信して、確定した洗濯サブプログラムに基づいて洗濯を実行するステップDとを更に含む。
【0028】
具体的には、ステップC(洗濯機の清浄水洗濯機能が選択されたか否かに基づいて洗濯サブプログラムを確定する)は、清浄水洗濯機能を選択できる否かを判定し、清浄水洗濯機能を選択することが禁止された場合、或いは清浄水洗濯機能を選択することが許可され、且つ清浄水洗濯機能が選択された指令を受信していない場合、洗濯サブプログラムがデフォルトで実行される第1洗濯サブプログラムであると確定することと、清浄水洗濯機能を選択することが許可され、且つ清浄水洗濯機能が選択された指令を受信した場合、洗濯サブプログラムが清浄水洗濯機能を有する第2洗濯サブプログラムであると確定することを含む。
【0029】
図4に示すように、ステップCの具体的なプロセスは、清浄水洗濯機能を選択できる否かを判定し、清浄水洗濯機能を選択することが禁止た場合、洗濯サブプログラムがデフォルトで実行される第1洗濯サブプログラムであると確定する。清浄水洗濯機能を選択することが許可された場合、清浄水洗濯機能が選択された指令を受信したか否かを判定し、清浄水洗濯機能が選択された指令を受信していない場合、洗濯サブプログラムがデフォルトで実行される第1洗濯サブプログラムであると確定し、そうでなければ洗濯サブプログラムが第2洗濯サブプログラムであると確定する。
【0030】
本発明のいくつかの実施例では、第2洗濯サブプログラムは循環水すすぎ段階を含み、循環水すすぎ段階において、すすぎ水を十分に利用して、水資源を節約するために、洗濯ドラム内のすすぎ水が洗濯機の循環水濾過システムに流れて、循環水濾過システムにて濾過した後に洗濯ドラム内に戻される。
【0031】
第2洗濯サブプログラムは、循環水すすぎ段階の前に実行される洗濯段階と、循環水すすぎ段階の後に実行される脱水段階とを更に含む。洗濯段階は、洗濯機の注入管から水を注入することで、洗濯段階に洗濯水を提供するための洗濯注水ステップと、洗剤及び洗濯水を利用して洗濯ドラム内の衣類を洗濯するための洗濯ステップと、洗濯ドラム内の衣類を脱水するための洗濯脱水ステップとを含む。循環水すすぎ段階は、注入管から水を注入することで、循環水すすぎ段階にすすぎ水を提供するためのすすぎ注水ステップと、循環水すすぎステップと、洗濯ドラム内の衣類を脱水するためのすすぎ脱水ステップとを含む。脱水段階は、洗濯ドラム内の衣類を遠心力で脱水するためである。洗濯脱水ステップ及びすすぎ脱水ステップにおける衣類を脱水するときの洗濯ドラムの回転速度は、脱水段階において脱水するときの洗濯ドラムの回転速度よりも小さく、洗濯脱水ステップ及びすすぎ脱水ステップにおける衣類の脱水時間は、脱水段階の脱水時間よりも小さく、その原因は、洗濯脱水ステップ及びすすぎ脱水ステップにおける衣類の脱水は衣類の水分をなるべく除去し、脱水段階における衣類の脱水は、遠心力で脱水し易くするために、衣類の水分を可能な限り除去しているためである。本発明のいくつかの代替の実施例では、循環水すすぎステップはすすぎ脱水ステップがない。
【0032】
本発明のいくつかの実施例では、第1洗濯サブプログラムは連続に実行される少なくとも1回の通常すすぎ段階を含み、毎回の通常すすぎ段階は、すすぎ水を利用して洗濯機の洗濯ドラム内の衣類をすすぐためのものであって、毎回の通常すすぎ段階の通常すすぎステップにおいて、洗濯ドラム内のすすぎ水を洗濯ドラム内に保持するために、洗濯機の循環水濾過システムが停止状態にある(ここでの停止状態とは使用禁止状態或いはオフ状態をいい、即ちこのシャットダウン状態において、濾過水循環システム中のフィルタは作動していない)。
【0033】
第1洗濯サブプログラムは少なくとも1回の通常すすぎ段階の前に実行される洗濯段階と、少なくとも1回の通常すすぎ段階の後に実行される脱水段階とを更に含む。洗濯段階は、洗濯機の注入管から水を注入することで、洗濯段階に洗濯水を提供するための洗濯注水ステップと、洗剤及び洗濯水を利用して洗濯ドラム内の衣類を洗濯するための洗濯ステップと、洗濯ドラム内の衣類を脱水するための洗濯脱水ステップとを含む。毎回の通常すすぎ段階は、注入管から水を注入することで、循環水すすぎ段階にすすぎ水を提供するためのすすぎ注水ステップと、通常すすぎステップと、洗濯ドラム内の衣類を脱水するためのすすぎ脱水ステップとを含む。脱水段階は、洗濯ドラム内の衣類を遠心力で脱水するためのものである。本発明のいくつかの代替の実施例では、最後の1回の通常すすぎ段階にはすすぎ脱水ステップがない。
【0034】
衣類の種類が綿麻、化学繊維、混合或いは下着であるとき、選択された実行待ちの洗濯プログラムが清浄水洗濯機能を選択することが許可され、多種類の衣類を同時に洗濯ドラム内入れた場合に、衣類の種類が混合であると確定し、或いは多種の材質を使用した衣類について衣類の種類が混合であると確定する。例えば、本発明の一実施例では、電源を入れ、洗濯プログラム選択画面にし、ユーザが洗濯する衣類の種類をクリックし、即ち洗濯機は洗濯プログラムの選択指令を受信し、この選択指令は衣類の種類情報を含み、ユーザが洗濯する衣類の種類を綿麻とすると、洗濯機が受信した衣類の種類情報を含む選択指令は綿麻であり、且つ実行待ちの洗濯プログラムが綿麻洗濯プログラムであると確定し、この洗濯プログラムは清浄水洗濯機能を選択することが許可され、機能選択画面に移行する。
【0035】
ユーザは衣類の汚れ程度に基づいて、清浄水洗濯機能を選択するか否かを決定し、衣類が比較的に汚れた場合に、ユーザが起動ボタンをクリックし、洗濯機は受操作指令を受信して実行するとともに、第1綿麻洗濯サブプログラムに従って洗濯を実行する。衣類が汚れてなければ、清浄水洗濯機能画面に移動するために、ユーザは清浄水洗濯機能を選択し、ユーザは清浄水洗濯機能画面の起動ボタンをクリックし、衣類の洗濯を行うために、洗濯機は操作指令を受信して実行するとともに、確定された第2綿麻洗濯サブプログラムに従って洗濯を行う。第1綿麻洗濯サブプログラムと第2綿麻洗濯サブプログラムに対応してセットされた洗濯パラメータも異なり、例えば第1綿麻洗濯サブプログラムは3回の通常すすぎ段階を連続に行うパラメータを含み、第2綿麻洗濯サブプログラムは1回の循環水すすぎ段階を行うパラメータのみ含んでいる。
【0036】
衣類の種類がカーテンであるとき、選択された実行待ちの洗濯プログラムは、清浄水洗濯機能を選択することが禁止されている。例えば、ユーザが選択した洗濯の衣類の種類がカーテンであるとき、洗濯機が受信された衣類の種類情報を含む選択指令は、カーテンであり、且つ選択された実行待ちの洗濯プログラムは、カーテン洗濯プログラムであり、この洗濯プログラムは清浄水洗濯機能を選択することが禁止されている。カーテンは年に1回または2回ほど洗濯するため、その表面には必ず大量の汚れがあり、清浄水洗濯を選択すると、きれいに洗うことができず、且つ大量の汚れが落としにくい汚れである可能性があり、循環水濾過システムに影響を与え、よってこの種類の衣類は清浄水洗濯機能を選択することが禁止されている。その機能選択画面上の清浄水洗濯機能のボタンは選択できない状態である。ユーザが直接起動ボタンをクリックし、洗濯機は操作指令を受信して実行するとともに、確定されたデフォルトで実行される第1カーテン洗濯サブプログラムで洗濯を実行する。異なる衣類の種類に対して、第1綿麻洗濯サブプログラムと第1カーテン洗濯サブプログラムとにおいて対応の洗濯パラメータが異なり、例えば第1綿麻洗濯サブプログラムでは綿麻衣類を15分間洗濯し、第1カーテン洗濯サブプログラムではカーテンを20分間洗濯する。
【0037】
本発明のいくつかの選択可能な実施例では、洗濯機の清浄水洗濯機能の制御方法において、ステップCとステップDとの間には、確定された洗濯サブプログラムの部分或いは全部の洗濯パラメータの変更情報を受信するステップEを含む。例えば、第1洗濯サブプログラムの洗濯プロセスが自身の洗濯習慣を満たすように、ユーザが機能選択画面にて第1洗濯サブプログラムの部分或いは全部の洗濯パラメータを変更し、このような変更は洗濯時間、すすぎ時間の変更でもよい。第2洗濯サブプログラムの循環水すすぎ段階の回数は変更できないが、第1洗濯サブプログラムの通常すすぎ段階の回数は変更できる。
【0038】
本発明のいくつかの他の実施例では、ステップBは選択指令に基づいて、洗濯機の特汚機能を選択することを許可或いは禁止することを含む。ステップCは、衣類上の特汚(血痕、油痕など)を有効的に洗濯するために、洗濯機の特汚機能が選択されたか否かに基づいて、洗濯サブプログラムを確定することを更に含む。
【0039】
上述したように、当業者は、本文では本発明の複数の典型的な実施例を詳細に示して説明したが、本発明の精神及び範囲を離脱しない場合において、本発明により開示された内容に基づいて本発明原理に一致する多くの他の其他変形あるいは修正を直接確定或いは推定できると認識すべきである。従って、本発明の範囲が全ての他の変形或いは変更を含むものとして理解及び認識されるべきである。