【実施例】
【0073】
以下は実施例を通じて具体的に本発明のロバプラチン結晶形態A、BとFの調製方法と各新結晶形態の選別分離工程とその鑑定および特性測定を説明する。
【0074】
(実施例1)各結晶形態の選別分析
1.1 常温揮発結晶法選別
20mgのロバプラチン三水和物のサンプルを取り10mlのサンプル瓶の中に入れ、3mlの無水アルコールあるいは無水メタノールを加え、十分に溶解した後、25℃環境下に置いてゆっくりと揮発させ、固体の乾燥物を得て、PXRD測定を行う。結果は下記の表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】
結果によって無水メタノールと無水エタノールの中で獲得した結晶形態を比較することによりそれは同一の結晶形態であることが表明され、とりあえず結晶形態Bと命名する。
【0077】
1.2 懸濁状態の結晶法選別
20mgのロバプラチン三水和物のサンプルを取り10mlのサンプル瓶の中に入れ、4mlの下記の有機溶剤を加え、懸濁液に調製し、25℃環境下に置いて1.5hに揺るがした後に溶剤を取り除き、固体が乾燥した後に、PXRD測定を行う。結果は下記の表3に示す。
【0078】
【表3】
【0079】
結果によって、懸濁結晶について獲得できる結晶形態は9種類があることが表明され、とりあえず結晶形態A、B、C、D、E、G、H、I、Lと命名する。
【0080】
1.3 溶析結晶法選別
20mgのロバプラチン三水和物のサンプルを取り、3mlの無水メタノールあるいは無水エタノールの中に溶解させて溶液を整合し、固体を析出するまで、その中に少しずつ下記の有機溶剤を加え、上澄みを取り除き、固体が乾燥した後に、PXRD測定を行う。結果は下記の表4に示す。
【0081】
【表4】
【0082】
結果によって、懸濁結晶について獲得できる結晶形態は7種類があることが表明され、とりあえず結晶形態F、J、K、M、N、O、Pと命名する。
【0083】
1.4 各結晶形態の表徴
結晶形態A―Pのサンプルに対してPXRD測定を行う以外、またDCS、TGA表徴を行い、その中、採用した各器具の名称、型番とメーカーは下記の表5で示す。
【0084】
【表5】
【0085】
測定結果は以下である。
【0086】
結晶形態A、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約11.04、12.32、12.61、13.85、15.14、15.55、16.68、17.67、17.86、19.03、20.06、21.00、22.68、22.92、23.76、25.39、25.58、26.37、26.77、27.00、27.71、28.13、29.71、31.42、31.94、32.89、34.29、34.60、36.10、36.93、37.66、40.78、43.41箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
結晶形態A、その特徴として、DSCパターンは220±5°C近くに放熱ピークがある。
【0087】
結晶形態B、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約8.25、9.77、11.70、13.13、15.28、16.48、17.22、17.74、19.01、19.56、22.28、23.72、24.04、24.30、25.62、26.20、28.57、30.22、30.61箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
結晶形態B、その特徴として、DSCパターンは230±5°C近くに放熱ピークがある。
【0088】
結晶形態C、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約6.79、8.07、12.24、12.61、13.50、16.50、17.83、18.32、18.79、20.09、21.64、22.27、23.19、24.73、27.34、28.35、29.12、31.92箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
結晶形態C、その特徴として、DSCパターンは228±5°C近くに放熱ピークがある。
【0089】
結晶形態D、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約6.76、11.07、12.35、12.65、13.88、15.18、15.56、16.68、17.70、17.90、20.08、21.02、22.70、22.92、25.41、25.64、26.41、26.79、27.02、28.15、31.44、31.96、32.96、34.34、34.62、36.93、40.82、43.46箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
結晶形態D、その特徴として、DSCパターンは218±5°C近くに放熱ピークがある。
【0090】
結晶形態E、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約6.61、8.09、12.38、13.03、15.40、16.66、17.47、19.07箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
結晶形態E、その特徴として、DSCパターンは214±5°C近くに放熱ピークがある。
【0091】
結晶形態F、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約8.21、11.60、12.99、15.24、16.44、17.11、17.55、18.42、19.01、19.20、19.42、21.81、22.17、22.42、23.33、23.85、24.18、24.40、24.77、25.46、25.98、26.13、27.89、28.42、29.03、30.32、31.17、31.94、33.30、36.20、37.62、39.66箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
結晶形態F、その特徴として、DSCパターンは229±5°C近くに放熱ピークがある。
【0092】
結晶形態G、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約8.62、10.82、11.03、12.26、12.59、13.82、15.12、15.57、16.59、17.43、17.65、18.48、19.46、20.11、20.37、21.01、22.66、22.86、24.60、25.40、26.33、26.77、27.00、28.11、29.79、31.42、31.94、32.87、34.25、34.58、36.06、40.76、42.75、43.39箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
【0093】
結晶形態H、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約8.35、8.53、8.68、12.97、15.24、17.41、18.40、19.13、19.48、20.37、24.68、25.41、30.33、31.66、36.34箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
【0094】
結晶形態I、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約6.75、8.39、11.07、11.59、12.32、12.63、12.99、15.20、16.80、17.07、17.57、19.14、19.46、21.00、22.13、22.84、23.29、23.77、24.22、25.82、26.76、28.38、30.34、30.83、31.90、33.63、36.32、38.47箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
【0095】
結晶形態J、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約5.94、8.35、9.87、13.05、15.28、16.66、19.15、22.22、22.68、25.09、30.71、33.56箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
【0096】
結晶形態K、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約8.29、11.02、12.31、12.61、13.84、15.14、15.53、16.70、17.66、19.05、20.06、20.98、22.68、22.90、25.60、26.37、26.77、26.98、27.68、28.23、29.75、31.40、31.88、32.90、33.81、34.29、34.60、36.10、36.84、37.64、39.93、40.76、41.51、42.36、4 2.70、43.39箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
【0097】
結晶形態L、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約6.71、7.91、10.75、11.84、14.06、14.29、15.85、16.78、17.29、19.76、20.20、20.63、21.08、21.58、21.89、22.17、23.87、25.09、26.83、27.02、28.73、29.18、29.92、30.56、31.61、33.95、40.33、41.33箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
【0098】
結晶形態M、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約8.05、13.03、15.20、16.19、17.47、18.77、19.32、24.06箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
【0099】
結晶形態N、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約7.94、12.67、14.83、16.32、17.16、18.71、21.83、22.44、24.10、24.89、27.97、30.02、30.48箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
【0100】
結晶形態O、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約6.75、8.15、16.29、18.95、22.23、24.52、29.93箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
【0101】
結晶形態P、その特徴として、PXRDパターンに2θ値は約6.61、8.17、13.34、16.52、20.10、24.97、27.02、33.99、41.06箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
【0102】
1.5 繰り返し、拡大実験
更に結晶形態A―Pを選んで、上述の「1.2懸濁状態の結晶法選別」によってそれぞれ100mg拡大繰り返し実験を行って、結晶形態の可再現性を検証する。結果は下記の表6に示す。
【0103】
【表6】
【0104】
結果によって、結晶形態A―Fが安定的で、結晶形態G―Pのある一部は拡大に困難があり、ある一部は転晶の現象が現れ、更なる考察に適しないことが表明された。
【0105】
すなわち、常温揮発、懸濁結晶、溶析結晶などの方法をまとめて、原料に対して結晶選別を行い、PXRDで表徴をした後にパターンに対する分析比較を通じて、一応ロバプラチンが16種の結晶形態A―Pが存在する可能性があることを判定した。繰り返して、拡大検証を通じて、最終的に結晶形態A―Fは重複可能性が良いことを確定され、比較的安定した結晶形態となる。その他の結晶形態はある一部は収率が比較的低く、生産を拡大することを行いにくい。ある一部は転晶の現象を生じ、それが不安定な結晶形態だと推定される。そのため、結晶形態A―Fを選んで、更に全面的な考察を行う。
【0106】
(実施例2)
結晶形態Aと命名されるロバプラチン新結晶形態の調製、製品性質の測定および対比分析
2.1 結晶形態Aと命名するロバプラチン二水和物の調製
(調製例1)
1gのロバプラチン三水和物を計り取り容器に入れ、15mlのトルエンを加え、室温下で48h懸濁攪拌して、結晶を析出して、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥後に白色粉末0.85gを得て、ロバプラチン二水和物となる。
【0107】
(調製例2)
1gのロバプラチン三水和物を計り取り容器に入れ、15mlのエチルエーテルを加え、室温下で45h懸濁攪拌して、結晶を析出して、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥後に白色粉末0.88gを得て、ロバプラチン二水和物となる。
【0108】
(調製例3)
1gのロバプラチン三水和物を計り取り容器に入れ、20mlの酢酸ブチルを加え、室温下で50h懸濁攪拌して、結晶を析出して、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥後に白色粉末0.83gを得て、ロバプラチン二水和物となる。
【0109】
(調製例4)
1gのロバプラチン三水和物を計り取り容器に入れ、25mlの1,4−ジオキサンを加え、室温下で48h懸濁攪拌して、結晶を析出して、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥後に白色粉末0.90gを得て、ロバプラチン二水和物となる。
【0110】
(調製例5)
1gのロバプラチン三水和物を計り取り容器に入れ、30mlのヘプタンを加え、室温下で46h懸濁攪拌して、結晶を析出して、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗って、真空乾燥後に白色粉末0.87gを得て、ロバプラチン二水和物となる。
【0111】
(調製例6)
1gのロバプラチン三水和物を計り取り容器に入れ、15mlのメチルtert−ブチルエーテルを加え、室温下で48h懸濁攪拌して、結晶を析出して、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗って、真空乾燥後に白色粉末0.92gを得て、ロバプラチン二水和物となる。
【0112】
上記の各実施例で調製して得たサンプルは上記の実施例1の中の1.4の方法によって、XRD回折を行った測定をした後、6種類のサンプルの結晶形態は同じだと鑑定され、その特徴ピークは以下である:PXRDパターンは2θ値が約11.04、12.32、12.61、13.85、15.14、15.55、16.68、17.67、17.86、19.03、20.06、21.00、22.68、22.92、23.76、25.39、25.58、26.37、26.77、27.00、27.71、28.13、29.71、31.42、31.94、32.89、34.29、34.60、36.10、36.93、37.66、40.78、43.41箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
【0113】
元素分析結果は:C
9H
18N
2O
3P
t*2H
2O M=433.36
計算値(%):C 24.95 H 5.11 N 6.46 Pt 45.01
実測値(%):C 24.94 H 5.08 N 6.41 Pt 45.07
この種の結晶形態をA型と命名する。
【0114】
2.2 結晶形態はAとなるロバプラチン結晶体の製品性質測定および対比分析
1.実験サンプル
本発明のロバプラチン二水和物1―6:それぞれは本発明の実施例1―6の調製方法で得た結晶形態をAとするロバプラチン二水和物である。
対比サンプル1:欧州特許第0324154号明細書の実施例1aの方法で調製して得たロバプラチンを採用して、具体的な調製方法は以下である。
【0115】
3.8g(0.01Mol)のシス―[トランス―1,2―シクロブチルビス(メチルアミン)―N,N’]―ジクロロプラチナ(II)を20mlの水の中に懸濁させ、40℃まで加熱し、その中に3.39g(0.02Mol)の硝酸銀を加える。1.5時間攪拌した後に、冷蔵庫で冷却させ、析出された塩化銀の沈殿を濾過して除き、そして10mlの水で洗い、濾液を100mlのアルカリ性のイオンを含む交換カラムを通過させ、150mlの水で洗う。それから4.5gの(0.01Mol、20%水溶液)のL―乳酸中へ滴加する。室温下で3日間攪拌した後に、反応混合物を濃縮した後、メタノールの中で溶解しそして活性炭を入れて攪拌して脱色する。また活性炭を濾過して除き、濾液の中にエチルエーテルを加え、急速に濃縮して固体を得て、無定形態のロバプラチンとなる。
【0116】
対比サンプル2:欧州特許第0611303号明細書の実施例の方法で調製して得たロバプラチン三水和物を採用して、具体的な調製方法は以下である。
【0117】
3.8g(0.01Mol)のシス―[トランス―1,2―シクロブチルビス(メチルアミン)―N,N’]―ジクロロプラチナ(II)を20mlの水の中に懸濁させ、40℃まで加熱し、その中に3.39g(0.02Mol)の硝酸銀を加える。1.5時間攪拌した後、冷蔵庫で冷却させ、析出した塩化銀の沈殿を濾過して除き、そして10mlの水で洗い、濾液を100mlのアルカリ性のイオンを含む交換カラムを通過させ、150mlの水で洗う。それから4.5g(0.01Mol、20%水溶液)のL―乳酸中へ滴加する。室温下で3日間攪拌した後、反応混合物をおよそ20mlまで濃縮して、冷蔵庫の中で1晩放置する。析出した結晶を吸い込んで濾過させ、濾液を濃縮して、冷蔵庫の中で1晩放置し、また結晶を析出し、また濾過収集して、結晶を集めた後に、20mlの水/アセトン(1/1、V/V)再結晶、得た結晶はロバプラチン三水和物となる。
【0118】
2.形態鑑定
対比サンプル1:得たロバプラチンは無定形態である。
【0119】
対比サンプル2:X―放射線の回折を通して、PXRDパターンは2θ値が6.71、8.35、12.89、15.14、16.74、17.45、19.01、19.40、22.07、22.76、23.16、24.30、25.21、25.74、27.08、30.26、30.79の箇所に回折ピークがあって、その2θ値の誤差範囲が0.2より小さく、欧州特許第0611303号明細書の中でその融点が210℃(分解)なることを述べた。
【0120】
本発明の結晶形態Aのサンプル1―6:X―放射線の回折を通して、PXRDパターンは2θ値が約11.04、12.32、12.61、13.85、15.14、15.55、16.68、17.67、17.86、19.03、20.06、21.00、22.68、22.92、23.76、25.39、25.58、26.37、26.77、27.00、27.71、28.13、29.71、31.42、31.94、32.89、34.29、34.60、36.10、36.93、37.66、40.78、43.41箇所で回折ピークがあって、その2θ値の誤差範囲が0.2より小さい。DSCパターンは117℃ぐらいに1つ広い吸熱ピークがあることを示し、単晶とTGAデータを結び付けて判断して、このピークは恐らく2つの結晶水を失ったことより生じた、220±5℃に一つ放熱ピークがあり、TGAと文献のヨーロッパの欧州特許第0611303号明細書中の融点データを結び付けて判断して、該ピークは溶解ピークである。TGAパターンは150℃の前に9.49%の重量減少があって、2つの結晶水を失ったことにより生じた。サンプル1―6は同一の結晶形態であることが表明され、ロバプラチン二水和物ともなる。
【0121】
3.溶解度の考察
濃度がそれぞれ60μg/ml、80μg/ml、200μg/ml、400μg/ml、800μg/mlのロバプラチン三水和物の対照溶液を調製し、HPLC法を通じて検量線を作り、得た検量線の方程式はY=4.8641X+20.5794、R=0.9998である。ロバプラチン二水和物のサンプル6および対比サンプル2にて飽和水溶液(懸濁液)を整合し、25℃下でシェーキングテーブル(撹拌機)に置いて6h揺るがして、それから濾過して、適切な倍数を希釈して、HPLC分析を行う。溶解度結果は下記の表7に示す。
【0122】
【表7】
【0123】
結果について:本発明で得たロバプラチン二水和物の可溶性(溶解性)がロバプラチン三水和物より優れることが表明された。
【0124】
4.ロバプラチン新結晶形態の品質対比研究
ロバプラチン二水和物の6つのサンプル、対比サンプル1―2をそれぞれ20mg取り、製品の水分、不純物の含有量、活性成分の含有量、収率などを指標にして、製品の品質と収率を考察する。結果を下記の表8に示す。
【0125】
【表8】
【0126】
上記の結果について:ロバプラチン無水物及びロバプラチン三水和物と比べ、本発明が得たロバプラチン新結晶形態Aは含有量の高い、不純物が低い、収率の良い特徴があることを表明した。
【0127】
注1:含有量の測定方法:高効率の液体クロマトグラフィー分析によって測定する。液クロ条件:オクタデカン基のシランが結合したシリカゲルをフィラーとして、リン酸二水素カリウムの溶液:アセトニトリル=92:8を流動相として、測定波長を210nmにし、柱温度は40℃、ロバプラチンピークによって計算した理論板数は1000より低くない、ロバプラチンピークと不純物ピークの分解度は要求を満たす。対照品溶液の調製:ロバプラチン三水和物対照品10mgを取り、精密に計り50mgの計量フラスコに置いて、目盛りまで水で希釈し、均一に振って得る。供試品溶液の調製:サンプルを各20mg取り、精密に計り、それぞれ100mgの計量フラスコに置き、目盛りまで水で希釈し、均一に振って得る。測定と結果:精密的に各対照品とサンプル溶液をそれぞれ10μl計り取り、それぞれを液体クロマトグラフに注ぎ込んで、クロマトグラムを記録して、外標準法によってピークの面積で計算し、無水物によって計算して得て、標準範囲は97.0%―102%である。
【0128】
注2:不純物の検査方法:薄層クロマトグラフィーを用いてロバプラチン、1,2―ジアミノメチル基のシクロブタン(CBMA)、乳酸などのすでに知っているのと未知な不純物の含有量を測定する。展開剤:エタノール:クロロフォルム:25%アンモニア水:水=53:39:15:1.5(体積比)、薄層クロマトグラフィー板:シリカゲル60F
25410×10の薄いプライウッド。開いた後にヨウ素蒸気の中で0.3%のニンヒドリン(ninhydrin)試薬とp−ニトロソジメチルアニリン(para−nitroso−dimethylaniline)の試薬で顕色し、不純物CBMAおよび未知な不純物を検査する。
【0129】
注3:水分の測定方法:KarlFischer方法を採用して測定する。二水和物が含んだ水分の理論量は8.77%で、三水和物が含んだ水分の理論量は11.96%である。
【0130】
5.安定性考察
本発明の実施例で調製して得たサンプル6と対比サンプル2をそれぞれ60℃のオーブンの内に置き、相対湿度がおよそ95%の環境の下で、照度がおよそ4500luXのライトスタビリティ試験箱(光照機能があるのサーモスタット)の内で、それぞれ5日、10日間の後でサンプルを取り出してPXRDテストおよび、HPLC分析を行い、サンプルの高温、高湿度、光照条件下で安定性を考察し、結果は表9に示す。
【0131】
【表9】
【0132】
上述の試験結果は、本発明のロバプラチンは新結晶形態で、溶解度はロバプラチン三水和物より高く、収率と純度はとても理想的で、高温、高湿度、光照考察結果から見れば、ロバプラチン新結晶形態の安定性が良く、転晶現象が生じなく、HPLC結果は有効な成分含有量がロバプラチン三水和物より優れ、しかも明らかな変化が発生していないことを表明して、本発明のロバプラチンの新結晶形態の安定性はロバプラチン三水和物より優れ、潮解しにくい、流動性が良いことを示した。
【0133】
(実施例3)
結晶形態Bと命名されるロバプラチン新結晶形態の調製、製品性質の測定および対比分析
3.1 結晶形態Bと命名されるロバプラチン新結晶形態の調製
(調製例1)
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、30mlのトルエンを加え、室温下で48h懸濁攪拌して、濾過、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.73gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0134】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中で置いて、無水メタノール40mlを加えて、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、換気フードに置きゆっくりと揮発させ、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥した後得た白色粉末は0.74gであり、ロバプラチンの新結晶形態Bとなる。
【0135】
(調製例2)
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、15mlのメチルtert−ブチルエーテルを加え、室温下で48h懸濁攪拌して、濾過、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.84gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0136】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中で置いて、無水メタノール50mlを加え、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、換気フードに置きゆっくりと揮発させ、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥した後得た白色粉末0.76gは、ロバプラチンの新結晶形態Bとなる。
【0137】
(調製例3)
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、20mlの酢酸ブチルを加え、室温下で50h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.68gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0138】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中で置いて、n−ヘキサン20mlを加えて、室温下で48h懸濁攪拌して、結晶を析出し、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥した後得た白色粉末0.75gは、ロバプラチンの新結晶形態Bとなる。
【0139】
(調製例4)
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、25mlの1,4−ジオキサンを加え、室温下で、45h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.76gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0140】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中で置いて、アセトン15mlを加えて、室温下で48h懸濁攪拌して、結晶を析出し、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥した後得た白色粉末0.78gは、ロバプラチンの新結晶形態Bとなる。
【0141】
(調製例5)
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、30mlのn−ヘプタンを加え、室温下で、50h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.75gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0142】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中で置いて、酢酸エチル18mlを加えて、室温下で50h懸濁攪拌して、結晶を析出し、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥した後得た白色粉末0.75gは、ロバプラチンの新結晶形態Bとなる。
【0143】
(調製例6)
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、15mlのエチルエーテルを加え、室温下で48h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.78gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0144】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中で置いて、ニトロメタン25mlを加えて、室温下で48h懸濁攪拌して、結晶を析出し、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥した後得た白色粉末0.77gは、ロバプラチンの新結晶形態Bとなる。
【0145】
(調製例7)
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、18mlのメチルtert−ブチルエーテルを加え、室温下で48h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.82gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0146】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中で置いて、テトラヒドロフラン30mlを加えて、室温下で46h懸濁攪拌して、結晶を析出し、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥した後得た白色粉末0.79gは、ロバプラチンの新結晶形態Bとなる。
【0147】
(調製例8)
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、25mlのメチルtert−ブチルエーテルを加え、室温下で、46h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.83gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0148】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中で置いて、ジクロロメタン15mlを加えて、室温下で48h懸濁攪拌して、結晶を析出し、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥した後得た白色粉末0.76gは、ロバプラチンの新結晶形態Bとなる。
【0149】
(調製例9)
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、30mlのメチルtert−ブチルエーテルを加え、室温下で、48h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.85gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0150】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中で置いて、アセトニトリル25mlを加えて、室温下で48h懸濁攪拌して、結晶を析出し、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥した後得た白色粉末0.78gは、ロバプラチンの新結晶形態Bとなる。
【0151】
(調製例10)
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、15mlのメチルtert−ブチルエーテルを加え、室温下で、48h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.84gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0152】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中で置いて、2−メチルエチルケトン20mlを加えて、室温下で48h懸濁攪拌して、結晶を析出し、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで2―3回洗い、真空乾燥した後得た白色粉末0.73gは、ロバプラチンの新結晶形態Bである。
【0153】
(調製例11)
ロバプラチン三水和物を1g計り取り容器の中に入れ、40mlの無水メタノールを加え、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりと揮発させ、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、乾燥後得た白色粉末0.68gは、ロバプラチンの結晶形態Bとなる。
【0154】
(調製例12)
ロバプラチン三水和物を1g計り取り容器の中に入れ、85mlの無水エタノールを加え、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりと揮発させ、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、乾燥後得た白色粉末0.70gは、ロバプラチンの結晶形態Bとなる。
【0155】
上記各調製例1―10の中のステップaによって調製して得たサンプルを上記実施例1.4節の方法でXRD回折測定を行った後、10種類のサンプルの結晶形態が同様となり、結晶形態Aであることが鑑定され、その詳しい鑑定データは前記の具体的な実施方式中の第(1)一部の「本発明の第一実施形態」の鑑定データと上記実施例2の中に示したデータと同様である。
【0156】
他方、上記各調製例1―10の中のステップb及び調製例11−12中に調製して得たサンプルを上記実施例1.4節の方法でXRD回折測定を行った後、12種類のサンプルの結晶形態が同様であることが鑑定され、その特徴として、PXRDパターンに2θ角値が約8.25、9.77、11.70、13.13、15.28、16.48、17.22、17.74、19.01、19.56、22.28、23.72、24.04、24.30、25.62、26.20、28.57、30.22、30.61箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする。
該結晶形態はBと命名される。
【0157】
3.2 結晶形態がBとなる製品性質測定および対比分析
1.実験サンプル
サンプル1―12:それぞれは本発明の調製例1―12の調製方法で得た結晶形態をBとなるロバプラチン化合物である。
【0158】
対比サンプル1:前記実施例2の2.2部分の対比サンプル1と同様に、欧州特許第0324154号明細書の実施例1aの方法で調製して得たロバプラチンを採用して、具体的な調製方法は前記実施例2の2.2部分の対比サンプル1の調製方法と同様である。
【0159】
対比サンプル2:前記実施例2の2.2部分の対比サンプル2と同様に、欧州特許第0611303号明細書の実施例の方法で調製して得たロバプラチン三水和物を採用して、具体的な調製方法は前記実施例2の2.2部分の対比サンプル2の調製方法と同様である。
【0160】
2.形態の鑑定
鑑定の結果は実施例2の2.2部分の対比サンプル1と対比サンプル2と同様に、具体的に次の通りである。
対比サンプル1:得たロバプラチンは無定形態である。
【0161】
対比サンプル2:X―放射線の回折を通して、PXRDパターンは2θ値が約6.71、8.35、12.89、15.14、16.74、17.45、19.01、19.40、22.07、22.76、23.16、24.30、25.21、25.74、27.08、30.26、30.79箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲が0.2より小さく、欧州特許第0611303号明細書の中でその融点が210℃(分解)となることを述べた。
【0162】
本発明のサンプル1―12:X―放射線回折を通して、PXRDパターンは2θ値が約8.25、9.77、11.70、13.13、15.28、16.48、17.22、17.74、19.01、19.56、22.28、23.72、24.04、24.30、25.62、26.20、28.57、30.22、30.61箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲が0.2より小さく、DSCパターンは230±5℃に一つ放熱ピークがあり、TGAと欧州特許第0611303号明細書の融点データを結び付けて判断して、このピークは熔融分解ピークである。サンプル1―12は同一結晶形態であり、ロバプラチンの新結晶形態Bともなる。
【0163】
3.溶解度考察
濃度がそれぞれ60μg/ml、80μg/ml、200μg/ml、400μg/ml、800μg/mlのロバプラチン三水和物の対照溶液を調製し、HPLC法を通じて検量線を作り、得た検量線の方程式はY=4.8641X+20.5794、R=0.9998である。ロバプラチン新結晶形態Bのサンプル1および対比サンプル2を飽和水溶液(懸濁コロイド)に整合し、25℃下でシェーキングテーブル(撹拌機)に置いて6h揺るがして、それから濾過して、適切な倍数を希釈して、HPLC分析を行う。溶解度結果は下記の表10に示す。
【0164】
【表10】
【0165】
結果について:本発明が得たロバプラチン化合物の溶解性はロバプラチン三水和物より優れることを表明した。
【0166】
4.ロバプラチン新結晶形態の品質対比研究
サンプル1−12、対比サンプル1―2を各50mg取り、製品の水分、不純物の含有量、活性成分の含有量、収率などを指標にして、製品の品質と収率を考察する。三水和物の水分含有理論量は11.96%で、結果を下記の表11に示す。
【0167】
【表11】
【0168】
上記の結果について:ロバプラチン無水物及びロバプラチン三水和物と比べ、本発明が得たロバプラチン新結晶形態Bは含有量が高く、不純物が低く収率が良い特徴があることを表明した。
注1:含有量の測定方法:前記実施例2の2.2部分と同様である。
注2:不純物の検査方法:前記実施例2の2.2部分と同様である。
注3:水分の測定方法:前記実施例2の2.2部分と同様である。
【0169】
5.安定性考察
本発明の実施例3で調製して得たロバプラチン結晶体Bのサンプル1と対比サンプル2をそれぞれ60℃のーブンの内に置き、相対湿度がおよそ95%である環境下で、照度がおよそ4500luxのライトスタビリティ試験箱(光照機能があるのサーモスタット)の内で、それぞれ5日、10日間の後でサンプルを取り出してPXRDテストおよびHPLC分析を行い、高温条件下でのサンプルの安定性を考察し、結果は下記の表12に示す。
【0170】
【表12】
【0171】
上述の試験結果は、本発明のロバプラチンは新結晶形態Bが、溶解度はロバプラチン三水和物より高く、収率と純度はとても理想的で、高温、高湿度、光照考察結果から見れば、ロバプラチン新結晶形態Bは安定性が良く、転晶現象は生じなく、HPLC結果で有効な成分含有量がロバプラチン三水和物より優れ、しかも明らかな変化が発生していないことを表明して、本発明のロバプラチン新結晶形態の安定性は既存のロバプラチンより優れ、潮解粘りしにくい、流動性が良いと表した。
【0172】
(実施例4):結晶形態Fと命名されたロバプラチン新結晶形態の調製、製品性質の測定および対比分析
4.1 結晶形態Fと命名されるロバプラチン新結晶形態の調製
調製例1
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、30mlのトルエンを加え、室温下で48h懸濁攪拌して、濾過、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.73gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0173】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中に置いて、メタノール40mlを加えて、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりとエチレングリコールジメチルエテールを120ml入れ、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで洗い、真空乾燥した後得た白色粉末は0.71gであり、ロバプラチンの新結晶形態Fとなる。
【0174】
調製例2
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、15mlのメチルtert−ブチルエーテルを加え、室温下で48h懸濁攪拌して、濾過、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.84gであり、ロバプラチン二水和物である。
【0175】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中に置いて、メタノール50mlを加えて、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりと150mlのn−ヘキサンを加え、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで洗い、真空乾燥した後得た白色粉末は0.68gであり、ロバプラチンの新結晶形態Fとなる。
【0176】
調製例3
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、20mlの酢酸ブチルを加え、室温下で50h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.68gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0177】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中に置いて、エタノールを80ml加え、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりと200ml酢酸エチルを加え、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで洗い、真空乾燥した後得た白色粉末は0.70gであり、ロバプラチンの新結晶形態Fとなる。
【0178】
調製例4
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、25mlの1,4−ジオキサンを加え、室温下で45h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.76g、ロバプラチン二水和物である。
【0179】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中に置いて、エタノールを90ml加えて、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりとアセトンを180ml加え、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで洗い、真空乾燥した後得た白色粉末は0.72gであり、ロバプラチンの新結晶形態Fとなる。
【0180】
調製例5
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、30mlのn−ヘプタンを加え、室温下で50h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.75gであり、ロバプラチン二水和物である。
【0181】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中に置いて、メタノールを45ml加えて、室温下に固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりとニトロメタンを160ml加え、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで洗い、真空乾燥した後得た白色粉末は0.69gであり、ロバプラチンの新結晶形態Fとなる。
【0182】
調製例6
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、15mlのエチルエーテルを加え、室温下で、48h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.78gであり、ロバプラチン二水和物となる。
【0183】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中に置いて、メタノールを40ml加えて、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりとアセトニトリルを150ml加え、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで洗い、真空乾燥した後得た白色粉末は0.73gであり、ロバプラチンの新結晶形態Fとなる。
【0184】
調製例7
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、15mlのメチルtert−ブチルエーテルを加え、室温下で、48h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.84gであり、ロバプラチン二水和物である。
【0185】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中に置いて、エタノールを85mlを加えて、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりとテトラヒドロフランを180ml加え、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで洗い、真空乾燥した後得た白色粉末は0.67gであり、ロバプラチンの新結晶形態Fとなる。
【0186】
調製例8
a、ロバプラチン二水和物の調製:ロバプラチン三水和物を2g計り取り容器の中に入れ、20mlのメチルtert−ブチルエーテルを加え、室温下で46h懸濁攪拌して、濾過し、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥後に得た白色粉末は1.80gであり、ロバプラチン二水和物である。
【0187】
b、目標結晶形態の調製:ステップaで得たロバプラチン二水和物を1g計り取り、容器の中に置いて、メタノールを40ml加えて、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりとジクロロメタンを150ml加え、結晶を析出した後に、該結晶を濾過分離出し、エチルエーテルで洗い、真空乾燥した後得た白色粉末は0.66gであり、ロバプラチンの新結晶形態Fとなる。
【0188】
上記各調製例1―8の中のステップaによって調製して得たサンプルを上記実施例1.4節の方法でXRD回折測定を行った後、8種類のサンプルの結晶形態が同様で、該結晶形態は
Fとなり、その詳しい鑑定データは前記の具体的な実施方法中の第(1)部分の「本発明の第一実施形態」の鑑定データと上記実施例2の中に示したデータと同様である。
【0189】
他方、上記各調製例1―8で調製して得たサンプルを上記実施例1.4節の方法によってXRD回折測定を行った後、8種類のサンプルの結晶形態が同様と鑑定され、その特徴ピークは以下であり、PXRDパターン中に2θ角値が約8.21、11.60、12.99、15.24、16.44、17.11、17.55、18.42、19.01、19.20、19.42、21.81、22.17、22.42、23.33、23.85、24.18、24.40、24.77、25.46、25.98、26.13、27.89、28.42、29.03、30.32、31.17、31.94、33.30、36.20、37.62、39.66箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲が±0.2とする。該結晶形態はFと命名される。
【0190】
4.2 製品性質測定および対比分析
1.実験サンプル
サンプル1―8:本発明の調製例1―8の調製方法で得た。
対比サンプル1:前記実施例2の2.2部分の対比サンプル1と同じ、欧州特許第0324154号明細書の実施例1aの方法で調製して得たロバプラチンを採用して、具体的な調製方法は前記実施例2の2.2部分の対比サンプル1の調製方法と同様である。
【0191】
対比サンプル2:前記実施例2の2.2部分の対比サンプル2と同じ、欧州特許第0611303号明細書の実施例の方法で調製して得たロバプラチン三水和物を採用して、具体的な調製方法は前記実施例2の2.2部分の対比サンプル2の調製方法と同様である。
【0192】
2.形態の鑑定
鑑定の結果は実施例2の2.2部分の対比サンプル1と対比サンプル2と同様で、具体的に次の通りである。
対比サンプル1:得たロバプラチンは無定形態である。
対比サンプル2:X―放射線の回折を通して、PXRDパターンは2θ値が約6.71、8.35、12.89、15.14、16.74、17.45、19.01、19.40、22.07、22.76、23.16、24.30、25.21、25.74、27.08、30.26、30.79箇所に回折ピークがあり、その2θ値の誤差範囲が0.2より小さく、欧州特許第0611303号明細書の中でその融点が210℃(分解)になることを述べた。
【0193】
本発明のサンプル1―8:前述のようにX―放射線の回折を通して、PXRDパターンは2θ値が約8.21、11.60、12.99、15.24、16.44、17.11、17.55、18.42、19.01、19.20、19.42、21.81、22.17、22.42、23.33、23.85、24.18、24.40、24.77、25.46、25.98、26.13、27.89、28.42、29.03、30.32、31.17、31.94、33.30、36.20、37.62、39.66箇所で回折ピークがあって、その2θ値の誤差範囲が0.2より小さい。DSCパターンは229℃付近に1つ放熱ピークがあることを示し、TGAデータと文献の融点データを結び付けて判断して、このピークは熔融分解ピークであり、サンプル1―8は同一の結晶形態であることが表明され、ロバプラチンの新結晶形態Fともなる。
【0194】
3.溶解度の考察
濃度がそれぞれ60μg/ml、80μg/ml、200μg/ml、400μg/ml、800μg/mlのロバプラチン三水和物の対照溶液を調製、HPLC法を通じて検量線を作り、得た検量線の方程式はY=4.8641X+20.5794、R=0.9998である。ロバプラチン新結晶形態のサンプル6および対比サンプル2を飽和水溶液(懸濁コロイド)に製合し、25℃下でシェーキングテーブル(撹拌機)に置いて6hに揺るがして、それから濾過して、適切な倍数を希釈して、HPLC分析を行う。溶解度結果は下記の表13に示す。
【0195】
【表13】
【0196】
結果について:本発明が得たロバプラチン化合物の溶解性はロバプラチン三水和物より優れることを表明した。
【0197】
4.ロバプラチン新結晶形態の品質対比研究
サンプル1−8、対比サンプル1―2をそれぞれ20mg取り、製品の水分、不純物の含有量、活性成分の含有量、収率などを指標にして、製品の品質と収率を考察する。結果を下記の表14に示す。
【0198】
【表14】
【0199】
上記の結果について:ロバプラチン無水物及びロバプラチン三水和物と比べ、本発明が得たロバプラチン新結晶形態Fは含有量が高く、不純物が低く、収率の良い特徴があることが表明された。
注1:含有量の測定方法:前記実施例2の2.2部分と同様である。
注2:不純物の検査方法:前記実施例2の2.2部分と同様である。
注3:水分の測定方法:前記実施例2の2.2部分と同様である。
【0200】
5.安定性考察
本発明の実施例で調製して得たサンプル6と対比サンプル2をそれぞれ60℃のオーブンの内に置き、相対湿度がおよそ95%の環境の下で、照度がおよそ4500luxのライトスタビリティ試験箱(光照機能があるのサーモスタット)の内で、それぞれ5日、10日間後にサンプルを取り出してPXRDテストおよび、HPLC分析を行う、高温条件下でのサンプルの安定性を考察し、結果は下記の表15に示す。
【0201】
【表15】
【0202】
上述の試験結果は、本発明のロバプラチンは新結晶形態Fで、溶解度はロバプラチン三水和物より高く、収率と純度はとても理想的で、高温、高湿度、光照考察結果から見れば、ロバプラチン新結晶形態は安定性が良く、転晶現象が発生せず、HPLC結果は有効な成分含有量がロバプラチン三水和物より優れ、しかも明らかな変化が発生していないことを表明して、本発明のロバプラチン新結晶形態の安定性が良いと表した。
【0203】
(付記)
(付記1)
結晶構造中に2分子の結晶水を含む、ことを特徴とするロバプラチン化合物結晶体。
【0204】
(付記2)
結晶形態はAで、PXRDパターンは2θ値が約11.04、12.32、12.61、13.85、15.14、15.55、16.68、17.67、17.86、19.03、20.06、21.00、22.68、22.92、23.76、25.39、25.58、26.37、26.77、27.00、27.71、28.13、29.71、31.42、31.94、32.89、34.29、34.60、36.10、36.93、37.66、40.78、43.41の箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする、ことを特徴とする付記1に記載のロバプラチン化合物結晶体。
【0205】
(付記3)
融点Tm.p.=220±5℃である、ことを特徴とする付記2に記載のロバプラチン化合物結晶体。
【0206】
(付記4)
結晶形態はAで、その結晶は斜方晶系に属して、空間群はP212121で、単位格子のパラメーターはa=10.601(2)Å、b=14.020(3)Å、c=9.759(2)Å、α=β=γ=90.0°、単位格子の体積V=1450.5(5)Å3、単位格子内でアシンメトリー単位数はZ=4である、ことを特徴とする付記1に記載のロバプラチン化合物結晶体。
【0207】
(付記5)
ロバプラチン三水和物を懸濁結晶溶剤に加え、懸濁状態は攪拌して、結晶を析出して、溶剤を取り除いた後に乾燥して該結晶を得るステップを含む、ことを特徴とする付記1―4のいずれか1つに記載のロバプラチン化合物結晶体の調製方法。
【0208】
(付記6)
溶剤を取り除いた後、乾燥する前にエチルエーテルを用いて洗い、前記乾燥は真空乾燥とする、ことを特徴とする付記5に記載の方法。
【0209】
(付記7)
前記ロバプラチン三水和物と結晶溶剤の質量体積比はロバプラチン三水和物:結晶溶剤=1:15−30である、ことを特徴とする付記5または6に記載の方法。
【0210】
(付記8)
前記結晶溶剤は、メチルt−ブチルエーテル、トルエン、エチルエーテル、酢酸ブチル、1,4―ジオキサンあるいはn−ヘプタンから選択される、ことを特徴とする付記5―7のいずれか1つに記載の方法。
【0211】
(付記9)
懸濁を室温下で行い、懸濁45―50hを優先的に選別する、ことを特徴とする付記5―8のいずれか1つに記載の方法。
【0212】
(付記10)
結晶形態はBで、PXRDパターンは2θ値が約8.25、9.77、11.70、13.13、15.28、16.48、17.22、17.74、19.01、19.56、22.28、23.72、24.04、24.30、25.62、26.20、28.57、30.22、30.61の箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする、ことを特徴とするロバプラチン化合物結晶体。
【0213】
(付記11)
融点Tm.p.=230±5℃である、ことを特徴とする付記10に記載のロバプラチン化合物結晶体。
【0214】
(付記12)
ロバプラチン三水和物の中に無水メタノールあるいは無水エタノールを加え、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりと揮発させ、結晶を析出した後に、結晶を分離し、乾燥した後得た白色粉末は、ロバプラチンの結晶形態Bとなるステップを含む、ことを特徴とする付記10または11に記載のロバプラチン化合物結晶体の調製方法。
【0215】
(付記13)
ロバプラチン二水和物の中に無水メタノールを加え、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりと揮発させ、結晶を析出した後に、結晶を分離し、乾燥した後得た白色粉末は、ロバプラチンの結晶形態Bとなるステップb)を含む、ことを特徴とする付記10または11に記載のロバプラチン化合物結晶体の調製方法。
【0216】
(付記14)
ロバプラチン二水和物の中に有機溶剤を加え、室温下で懸濁攪拌して、結晶を析出して、該結晶を分離し、乾燥後得た白色粉末は、ロバプラチンの結晶形態Bとなるステップb)を含む、ことを特徴とする付記10または11に記載のロバプラチン化合物結晶体の調製方法。
【0217】
(付記15)
前記ロバプラチン二水和物の調製方法は、
ロバプラチン三水和物に懸濁結晶溶剤を加え、懸濁攪拌して、結晶を析出して、溶剤を取り除いた後にエチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥で該ロバプラチン二水和物の結晶を得るステップa)を含む、ことを特徴とする付記13または14に記載の方法。
【0218】
(付記16)
ステップa)の中、前記結晶溶剤は、メチルt−ブチルエーテル、トルエン、エチルエーテル、酢酸ブチル、1,4―ジオキサンあるいはn―ヘプタンから選択され、ロバプラチン三水和物と結晶溶剤の質量体積比はロバプラチン三水和物:結晶溶剤=1:15−30である、ことを特徴とする付記15に記載の方法。
【0219】
(付記17)
ステップb)の中、結晶を分離した後、乾燥する前にエチルエーテルを用いて洗い、前記乾燥は真空乾燥とする、ことを特徴とする付記13―14のいずれか1つまたは15−16のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
(付記18)
ステップb)において、懸濁を室温下で行い、懸濁45―50hを優先的に選別する、ことを特徴とする付記14または15−17のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
(付記19)
ステップb)の中、無水メタノールとロバプラチン二水和物の質量体積比はロバプラチン二水和物:無水メタノール=1:40―50である、ことを特徴とする付記13または15−18のいずれか1つに記載の方法。
【0222】
(付記20)
前記ステップb)において、有機溶剤は、n−ヘキサン、アセトン、酢酸エチル、ニトロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2―ブタノンあるいはジクロロメタンから選択され、質量体積比はロバプラチン二水和物:有機溶剤=1:15―30である、ことを特徴とする付記14または15−19のいずれか1つに記載の方法。
【0223】
(付記21)
前記無水メタノールとロバプラチン三水和物の質量体積比はロバプラチン三水和物:無水メタノール=1:40―50;無水エタノールとロバプラチン三水和物の質量体積比はロバプラチン三水和物:無水エタノール=1:80―90である、ことを特徴とする付記12に記載の方法。
【0224】
(付記22)
結晶形態はFとなり、PXRDパターンは2θ値が約8.21、11.60、12.99、15.24、16.44、17.11、17.55、18.42、19.01、19.20、19.42、21.81、22.17、22.42、23.33、23.85、24.18、24.40、24.77、25.46、25.98、26.13、27.89、28.42、29.03、30.32、31.17、31.94、33.30、36.20、37.62、39.66の箇所に回折ピークがあり、その中の2θ値の誤差範囲は0.2とする、ことを特徴とするロバプラチン化合物結晶体。
【0225】
(付記23)
融点Tm.p.=229±5℃である、ことを特徴とする付記22に記載のロバプラチン化合物結晶体。
【0226】
(付記24)
ロバプラチン二水和物の中に、メタノールあるいはエタノールを加え、室温下で固体を溶解するまで攪拌して、溶けない物を除いて、ゆっくりと有機溶剤を加え、結晶を析出した後に、該結晶を分離し、乾燥した後得た白色粉末は、ロバプラチンの結晶形態Fとなるステップb)を含む、ことを特徴とする付記22または23に記載のロバプラチン化合物結晶体の調製方法。
【0227】
(付記25)
前記ロバプラチン二水和物の調製方法は、
ロバプラチン三水和物に懸濁結晶溶剤を加え、懸濁攪拌して、結晶を析出して、溶剤を取り除いた後に、エチルエーテルを用いて洗い、真空乾燥で該ロバプラチン二水和物の結晶を得るステップa)を含む、ことを特徴とする付記24に記載の方法。
【0228】
(付記26)
ステップa)の中、前記結晶溶剤は、メチルt−ブチルエーテル、トルエン、エチルエーテル、酢酸ブチル、1,4―ジオキサンあるいはn−ヘプタンから選択され、前記ロバプラチン三水和物と結晶溶剤の質量体積比はロバプラチン三水和物:結晶溶剤=1:15−30である、ことを特徴とする付記25に記載の方法。
【0229】
(付記27)
ステップb)の中、結晶を分離した後、乾燥する前にエチルエーテルを用いて洗い、前記乾燥は真空乾燥とする、ことを特徴とする付記24―26のいずれか1つに記載の方法。
【0230】
(付記28)
ステップb)において有機溶剤は、エチレンジメチルエーテル、n−ヘキサン、酢酸エチル、酢酸エチル、アセトン、ニトロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフランあるいはジクロロメタンから選択される、ことを特徴とする付記24−26のいずれか1つに記載の方法。
【0231】
(付記29)
前記ステップb)においてロバプラチン二水和物と有機溶剤との質量体積比はロバプラチン二水和物:有機溶剤=1:120―200である、ことを特徴とする付記24−28のいずれか1つに記載の方法。
【0232】
(付記30)
前記ステップb)においてロバプラチン二水和物とメタノールとの質量体積比はロバプラチン二水和物:メタノール=1:40―50;ロバプラチン二水和物とエタノールとの質量体積比はロバプラチン二水和物:エタノール=1:80―90である、ことを特徴とする付記24−29のいずれか1つに記載の方法。
【0233】
(付記31)
付記1−4のいずれか1つ、10、11、22または23に記載のロバプラチン化合物結晶体を活性成分とする、ことを特徴とする薬物の組成物。
【0234】
(付記32)
前記薬物の組成物の最小ユニットの中に含んだロバプラチン化合物結晶体の量は5mg、10mgあるいは50mgとする、ことを特徴とする付記31に記載の薬物の組成物。
【0235】
(付記33)
前記薬物の組成物が任意の臨床の上で受けとれる薬物の剤形である、ことを特徴とする付記31または32に記載の薬物の組成物。
【0236】
(付記34)
剤形は注射用凍結乾燥製剤である、ことを特徴とする付記31―33のいずれか1つに記載の薬物の組成物。
【0237】
(付記35)
付記1―4のいずれか1つ、10、11、22または23に記載のロバプラチン化合物結晶体、あるいは付記31―34のいずれか1つに記載の薬物の組成物の抗がん薬の調製においての応用。
【0238】
(付記36)
乳癌、小細胞肺癌あるいは慢性粒細胞性白血病の治療に用いる付記1―4のいずれか1つ、10、11、22または23に記載のロバプラチン化合物結晶体、あるいは付記31―34のいずれか1つに記載の薬物の組成物。