特許第6404464号(P6404464)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国人民解放軍第二軍医大学の特許一覧

<>
  • 特許6404464-膜式尿管結石バリア取出器 図000002
  • 特許6404464-膜式尿管結石バリア取出器 図000003
  • 特許6404464-膜式尿管結石バリア取出器 図000004
  • 特許6404464-膜式尿管結石バリア取出器 図000005
  • 特許6404464-膜式尿管結石バリア取出器 図000006
  • 特許6404464-膜式尿管結石バリア取出器 図000007
  • 特許6404464-膜式尿管結石バリア取出器 図000008
  • 特許6404464-膜式尿管結石バリア取出器 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404464
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】膜式尿管結石バリア取出器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20181001BHJP
【FI】
   A61B17/22
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-517164(P2017-517164)
(86)(22)【出願日】2015年1月21日
(65)【公表番号】特表2017-517368(P2017-517368A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(86)【国際出願番号】CN2015071175
(87)【国際公開番号】WO2016008291
(87)【国際公開日】20160121
【審査請求日】2016年12月13日
(31)【優先権主張番号】201410334431.1
(32)【優先日】2014年7月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516375137
【氏名又は名称】中国人民解放軍第二軍医大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】孫 穎浩
【審査官】 宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2001/0007947(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/087395(WO,A1)
【文献】 特表2002−526196(JP,A)
【文献】 特開2012−143377(JP,A)
【文献】 特表平06−510677(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0119691(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22 − 17/221
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端が開口し、遠位端が閉鎖されかつ中空となる操作レバーが設けられる膜式尿管結石バリア取出器において、
操作レバー遠位端セグメントには封止膜が設けられ、
使用状態では、前記操作レバーの一端から他端へみて、前記封止膜が円形の封止物を構成し、
封止膜自由辺から操作レバー近位端までの距離が、封止膜固定辺から操作レバー近位端までの距離よりも短く、
前記操作レバーの壁には貫通孔が設けられ、前記操作レバーのチャンバーから前記貫通孔を経て流出した水流が前記封止物の内壁に付勢力を与え、
前記封止膜は全膜であり、使用状態では広げられるとその外面が曲面状をなし、
前記封止膜と前記操作レバーとの間に支持体が設けられ、前記支持体が封止膜内壁及び操作レバー外壁のいずれにも接続し固定され、前記封止膜を支持し、
前記支持体が前記操作レバーに周回し放射状に等間隔で配列され、前記貫通孔が隣り合う前記支持体の間に配列されている、
ことを特徴とする膜式尿管結石バリア取出器。
【請求項2】
前記操作レバー遠位端セグメントには嵌合溝が設けられ、前記封止膜が前記嵌合溝内に設けられ、前記貫通孔が前記嵌合溝の壁に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の膜式尿管結石バリア取出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療機器分野に関し、具体的には膜式尿管結石バリア取出器に関する。
【背景技術】
【0002】
尿路系結石は発病度が5%〜10%と高く、腎臓、膀胱、尿管及び尿道のいずれかの部位に発生し得る。これらの結石のうち、腎臓と尿管の結石がよく見られる。尿管鏡砕石術は、人体の自然トンネルを介して結石を粉砕するもので、低侵襲、及び確実な砕石が可能であるというメリットがあり、現在、尿管結石の1つの主な治療手段である。しかしながら、現在の尿管鏡砕石術では、(1)尿管内の上段の結石及び結石の破片が、注入された水流又は砕石ツールの反力で腎内に押し流されやすい、(2)尿管腔内に残った結石の切屑を迅速でかつ効果的に取り出すことができない、というデメリットもある。
【0003】
ツールにより尿管結石の上方を封止することは、尿管結石が腎臓に押し流されるのを防止する重要な手段である。現在、臨床的には尿管封止器もあり、通常の場合には、このような結石バリアツールは、結石を取り出す機能も持つ。しかしながら、これらの尿管封止器は実際の使用においてデメリットがある。
【0004】
ドルミヤバスケットは、現在最も慣用の結石バリア取出ツールであり、結石の上方を跨って網状に広げられることによって、結石切屑の上方への浮遊を防止する作用を奏する。また、ドルミヤバスケットは結石取出しツールとして、小さな結石切屑を取り囲んで取り出す。しかしながら、ドルミヤバスケットが毎回取り出す結石の数量が限られるため、通常、鏡を数回入れる必要があるが、注水による鏡入れを繰り返すと、残存する切屑が浮遊するリスクが高くなる。また、ドルミヤバスケットは尿管腔を完全に封止することができず、依然として結石がバスケットから漏れる可能性がある。さらに、ドルミヤバスケット内の結石リブがバスケットの孔から押し出されやすいので、牽引による結石取出しの際に尿管壁に損傷を与えやすく、ひいては合併症を引き起こす可能性がある。
【0005】
また、シート又はバルーンにより尿管腔をできるだけ封止するという封止方法もある。例えば特許文献1(出願番号200910057068.2、公開日:2009.10.14)には、体腔内の障害物を封止する封止装置が開示されている。該封止装置は、ガイドワイヤと、カテーテルと、封止物と、を備え、上記ガイドワイヤの一端がカテーテル及び封止物チャンバーを通過し、上記封止物の遠位端がガイドワイヤと固定され、ガイドワイヤの近位端を牽引すると、展開された封止物が軸方向に圧縮され、栓状の封止物を形成し、上記封止物が扁平な膜状封止物となる。該封止装置は、栓状の封止物を形成することによって結石の上方への移動を防止し、砕石術の終了後に封止装置により複数の結石切屑を同時に膀胱に牽引することができる。しかし、尿管腔を完全に封止することができない。特に結石を牽引する過程において、装置の形態は内視鏡の作業チャンネル内への注水によって変化しやすいので、結石が装置と尿管壁との間から滑り抜けるか、あるいは砕石の数が多くて結石が該封止器とともに尿管内に嵌まり込み、尿管の粘膜に損傷を与えるリスクがある。また、従来の膜状封止器又はバルーンは通常体積が大きく、ドルミヤバスケットに比べて放置が不便で、結石を腎臓内に押し返しやすくなる。
【0006】
以上より、完全な封止が可能で、結石取出しが便利で、結石牽引の際に変形し難くかつ尿管壁に損傷を与えないとともに、放置が便利で結石の変位を招きにくい尿管結石バリア取出器が強く要求されているが、現在、このような装置に関する記事がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許出願公開第101554343号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、先行技術の欠陥を解決するために、膜式尿管結石バリア取出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の目的を達成するために、本発明は以下のように構成されている。
【0010】
すなわち、本発明は、近位端が開口し、遠位端が閉鎖されかつ中空となる操作レバーが設けられる膜式尿管結石バリア取出器において、操作レバー遠位端セグメントには封止膜が設けられ、使用状態では、前記操作レバーの一端から他端へみて、前記封止膜が円形の封止物を構成し、封止膜自由辺から操作レバー近位端までの距離が、封止膜固定辺から操作レバー近位端までの距離よりも短く、前記操作レバーの壁には貫通孔が設けられ、前記操作レバーのチャンバーから前記貫通孔を経て流出した水流が前記封止物の内壁に付勢力を与える、ことを特徴とする膜式尿管結石バリア取出器に関する。
【0011】
好ましくは、前記操作レバー遠位端セグメントには嵌合溝が設けられ、前記封止膜が前記嵌合溝内に設けられ、前記貫通孔が前記嵌合溝の壁に設けられている。
【0012】
本発明の1つの好ましい例として、前記封止膜は全膜であり、使用状態では広げられるとその外面が曲面状をなす。
【0013】
前記封止膜と前記操作レバーとの間に支持体が設けられ、前記支持体が封止膜内壁及び操作レバー外壁のいずれにも接続し固定され、前記封止膜を支持する。
【0014】
前記支持体が前記操作レバーの周りに放射状に等間隔で配列され、前記貫通孔が隣り合う前記支持体の間に配列されている。
【0015】
本発明の別の好ましい例として、前記封止膜が複数枚あり、使用状態では各々の前記封止膜が広げられると扇形をなしかつその表面が曲面状をなし、各々の前記封止膜が前記操作レバーの周りに交互に重ね並べられている。
【0016】
隣り合う前記封止膜間の前記操作レバーには補強膜構造が設けられ、前記補強膜構造が前記操作レバーに周設され、前記封止膜固定辺が前記補強膜構造の近位端に固定されている。
【0017】
前記封止膜の2本の側辺のそれぞれが前記封止膜固定辺と狭角領域を形成し、2つの狭角領域が互いに引き寄せられ、いずれも前記操作レバーの壁を被覆している。
【0018】
本発明の別の好ましい例として、使用状態では、前記封止膜が広げられると前記操作レバーの壁に螺旋状に周回し固定されている。
【0019】
操作レバー1周回を1つの封止膜分割単位とし、各々の前記封止膜分割単位が同径又は変径である。
【発明の効果】
【0020】
本発明のメリットは以下のとおりである。
【0021】
1.本発明に係る尿管結石バリア取出器の封止物は封止膜で、膜状物である。該封止物は体積が小さいので、尿管に入れやすく、結石を押して腎臓へ逆走させることがなく、尿管壁に損傷を与えにくい。また、該封止物は柔軟性を持つため、封止物の径を尿管の径よりも僅かに大きくすることができる。このように、完全な封止が可能で、結石の滑り抜けや漏れを防止し、結石を一回で取り出すという目的を達成できるとともに、結石の嵌まり込みの発生率を低下させることもできる。
【0022】
2.操作レバーには貫通孔が設けられ、操作レバーの近位端からチャンバーに注入され、貫通孔を経て流出した水流が封止物の内壁に付勢力を与えることができ、これによって、この付勢力と、内視鏡操作チャンネルを経て注入された水流による封止膜への付勢力とが相殺され、封止膜の反転が効果的に防止され、結石の漏れが回避される。
【0023】
3.封止膜自由辺から操作レバー近位端までの距離が、封止膜固定辺から操作レバー近位端までの距離よりも短いので、封止膜が、一部の結石を収納し、結石と尿管壁との摩擦を軽減させるスペースを形成できる。また、この設計は、手術中、封止膜の反転の回避にも寄与する。
【0024】
4.操作レバーに嵌合溝が設けられ、前記封止膜が嵌合溝内に設けられるので、本発明に係る尿管結石バリア取出器は小径を有し、挿入が容易で、また挿入時に腎臓方向へ結石が押し付けられること、および、尿管壁に損傷を与えることを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】枚葉膜式尿管結石バリア取出器の構成を示す模式図である。
図2図1中のAの拡大図である。
図3】枚葉膜式尿管結石バリア取出器の未使用状態の模式図である。
図4】多数枚膜式尿管結石バリア取出器の構成を示す模式図である。
図5図4中のBの拡大図である。
図6】多数枚膜式尿管結石バリア取出器の正面図である。
図7】スパイラル型膜式尿管結石バリア取出器の構成を示す模式図である。
図8図7中のCの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本文では、「近位端」とは手術中、術者に近い一端であり、「遠位端」とは手術中、術者から遠い一端である。「操作レバー近位端セグメント」とは、操作レバーの近位端に近いセグメントであり、「操作レバー遠位端セグメント」とは、操作レバーの遠位端に近いセグメントである。
【0027】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態について詳しく説明する。
【0028】
(実施例1)
枚葉膜式尿管結石バリア取出器
図1を参照されたい。図1は枚葉膜式尿管結石バリア取出器を示している。前記尿管結石バリア取出器には、近位端が開口し遠位端が閉鎖される円柱形の中空管体である操作レバー1が設けられている。操作レバー近位端セグメント11の外周にはハンドル2が設けられている。操作レバー遠位端セグメント12の先端には、半球状のガイドヘッド3が設けられている。
【0029】
図2を参照されたい。図2図1中のAの拡大図である。前記操作レバー遠位端セグメント12において、ガイドヘッド3の後方に、操作レバー1を1周回する嵌合溝4が設けられている。嵌合溝4には封止膜5が設けられている。使用状態では、前記封止膜5は半球状に広げられる。封止膜5の遠位端エッジは、嵌合溝4の遠位端外壁に周回し固定され、その遠位端エッジを封止膜固定辺51と記す。封止膜5の近位端エッジは、前記封止膜固定辺51と対向する辺であり、封止膜自由辺52と記す。前記封止膜自由辺52から操作レバー近位端までの距離は、封止膜固定辺51から操作レバー近位端までの距離よりも短い。前記封止膜5と嵌合溝4との間には、3つの支持体6が設けられ、各支持体6がいずれもシート状構造であり、1本の辺が嵌合溝4の外壁に固定されかつ操作レバーの軸方向に位置し、1本の辺が曲線状で封止膜5の内壁に固定され、もう1本の辺が支持レバー1に対して垂直である。3つの支持体6が、操作レバー1の周りに放射状に等間隔で配列されている。前記嵌合溝4の壁には貫通孔7がさらに設けられ、前記貫通孔7が3つあり、隣り合う支持体6の間に配列されている。
【0030】
図3を参照されたい。図3は枚葉膜式尿管結石バリア取出器の未使用状態の模式図である。本発明に係る尿管結石バリア取出器の未使用状態で、即ち出荷時に、前記封止膜5と支持体6がいずれも収縮し嵌合溝4内に貼着しているので、嵌合溝4の径は操作レバー1の径以下である。
【0031】
なお、前記封止膜5は、結石を封止し、操作レバー1による結石取出しに協力する。封止膜5自体は膜状物であり、尿管壁との接触面が小さいので、砕石が尿管に嵌まり込むリスクを大きく低下させることが可能である。また、封止膜5が柔軟性を持つので、封止膜5の径を尿管の径よりも僅かに大きくすることができ、10〜35mmとすることが好ましい。このように、完全な封止が可能で、結石の滑り抜けや漏れを防止し、結石を一回で取り出すという目的を達成できるとともに、結石の嵌まり込みの発生率を低下させることもできる。封止膜自由辺52から操作レバー近位端までの距離は、封止膜固定辺51から操作レバー近位端までの距離よりも短く設定されている。すなわち、封止膜5全体は傘状のように操作レバー1の遠位端をカバーしている。この設計によって、使用中に封止膜5が内視鏡操作チャンネルの水流及び貫通孔7内の水流の作用で、予備成形された形状を維持し、反転及び変形が発生し難く、結石の漏れ及び嵌まり込みが発生しないことが確保される。一方、この形状の封止膜5は、結石を収納し、結石と尿管壁との摩擦を減少させ、損傷を軽減させるためのスペースを形成できる。封止膜5の形状は半球状に限定されるものではなく、封止膜5の外面が曲面状をなしかつ最大の断面径が尿管の径よりも僅かに大きいことを確保すればよい。ただし、半球状は封止膜5の最適な形状であり、封止膜5と尿管壁との密着を確保でき、完全な封止が可能となり、使用中に最も変形し難い。
【0032】
前記支持体6は、封止膜5を固定支持し、封止膜5の塑性成形に寄与する。支持体6の数及び形状は本実施例に限定されるものではなく、封止膜5を支持できればよい。ただし、支持体6は支持レバー1の周りに放射状に等間隔で配列されていることが好ましい。これにより、均一な支持力を提供できる。また、支持体6はシート状構造であり、1本の辺が嵌合溝4の外壁に固定されかつ操作レバーの軸方向に位置し、もう1本の辺が曲線状でかつ封止膜5の内壁に固定されることが好ましい。これにより提供する支持力が最も顕著である。
【0033】
前記操作レバー1は内部が中空となり、近位端が開口し、前記嵌合溝4の壁には貫通孔7が設けられているので、操作レバー1のチャンバーに水を注入することができる。その後、水が貫通孔7から流出し、封止膜5の内壁に外向きの付勢力を与える。この付勢力と、内視鏡操作チャンネルを経て注入された水流による封止膜5への付勢力とが相殺され、これにより、封止膜5、特に封止膜自由辺52の反転が防止され、手術中に封止膜5が変形しないことが確保される。前記貫通孔7は円形孔に限定されるものではなく、正方形などの形状であってもよく、注水チャンネルを形成すればよい。貫通孔7の配列及び位置も限定されず、封止膜5の内壁に外向きの付勢力を与えることができればよい。
【0034】
前記封止膜5及び支持体6はPU、TPU、Pebax、FEP、ETFE、PTFEなどの材質であってよく、予め塑性成形される。該材質が収縮し折り畳むと体積が小さいので、本発明に係る尿管結石バリア取出器の小さな体積が確保できる。また、該材質自体は優れた靭性及び塑性成形能力を有し、変形しにくく、結石に対するバリア力を有する。
【0035】
前記嵌合溝4は未使用状態での封止膜5及び支持体6を収納しているので、本発明に係る尿管結石バリア取出器は、全体の径が小さく、挿入されるとき、結石を迂回しやすく、結石の変位を招きにくく、かつ尿管壁に損傷を与えない。前記嵌合溝4は、操作レバー1を1周回する構成に限定されるものではなく、複数の帯状嵌合溝が操作レバー1に周回し間隔をおいて配列される構成などでもよい。
【0036】
前記ハンドル2のポートは、直接注水の便宜上、注射器のポートと一致するように設けられ、注水の操作方法はこれに限定されるものではなく、内視鏡作業チャンネル又はその他の尿管内に導入され得るチューブを経て注水してもよい。前記ガイドヘッド3は半球状に設けられることが好ましく、その他の曲面状であってもよく、本発明に係る尿管結石バリア取出器を尿管へガイドするときに尿管壁に損傷を与えない。
【0037】
前記ガイドヘッド3、封止膜5、支持体6は溶接、接着又は他の方法で操作レバー1に固定される独立した部材として形成されてよく、操作レバー1と一体成形されてもよい。
【0038】
本発明に係る尿管結石バリア取出器の使用方法は以下のとおりである。尿管鏡砕石術を行う際に、内視鏡作業チャンネルを形成し、内視鏡を入れ、本発明に係る尿管結石バリア取出器の出荷時包装を開封し、ハンドル2を手に持ち操作レバー1のガイドヘッド3を内視鏡作業チャンネルに挿入し、結石を迂回し結石の上方に到達させる。その後、操作レバー1の近位端によって操作レバー1のチャンバー内に注水し、水流が貫通孔7を経て流出して封止膜5の内壁に衝突し、そのため、封止膜5が支持成形され、尿管壁と密着する。その後、内視鏡作業チャンネルを経て尿管へ注水しながら、操作レバー1のチャンバー内への注水を維持し、近位端へ操作レバー1を牽引する。砕石は、水流の絶えない衝撃で、封止膜5で形成されたスペース内に押し流されるか、または水流の絶えない循環撹拌に伴い、操作レバー1の緩やかな牽引及び水流の流れによって膀胱に流れる。
【0039】
(実施例2)
多数枚膜式尿管結石バリア取出器
図4を参照されたい。図4は多数枚膜式尿管結石バリア取出器の構成を示す模式図である。前記尿管結石バリア取出器には、近位端が開口し遠位端が閉鎖される円柱形の中空チューブである操作レバー1が設けられている。操作レバー近位端セグメント11の外周にはハンドル2が設けられている。操作レバー遠位端セグメント12の先端には、半球状のガイドヘッド3が設けられている。
【0040】
図5を参照されたい。図5図4中のBの拡大図である。前記操作レバー遠位端セグメント12において、ガイドヘッド3の後方に、操作レバー1を1周回する嵌合溝4が設けられている。嵌合溝4には2つの補強膜構造がさらに設けられ、前記補強膜構造8が環状のもので、2つの補強膜構造8がいずれも嵌合溝4に周設されて嵌合溝4を3つのセグメントに仕切る。各嵌合溝4のセグメントには、封止膜5が設けられ、使用状態では、前記封止膜5が広げられると略扇形状をなし、その表面が曲面状をなしている。3つの封止膜5の遠位端エッジはいずれも嵌合溝4の外壁に固定され、その遠位端エッジを封止膜固定辺51と記す。具体的には、前記封止膜固定辺51はそれぞれ嵌合溝4の遠位端又は補強膜構造8の近位端に固定されている。封止膜5の近位端エッジは、前記封止膜固定辺51と対向する辺であり、封止膜自由辺52と記す。各封止膜5の封止膜自由辺52から操作レバー近位端までの距離は、封止膜固定辺51から操作レバー近位端までの距離よりも短い。3つの封止膜5は、操作レバー1の周りに交互に重ね並べられている。各嵌合溝4のセグメントの壁には、その位置が封止膜5の対称軸に対応する貫通孔7がさらに設けられている。
【0041】
図6を参照されたい。図6は多数枚膜式尿管結石バリア取出器の正面図である。封止膜5の各側辺53と封止膜固定辺51とが狭角領域54を形成し、2つの狭角領域54が互いに引き寄せられる傾向にあり、嵌合溝4の壁を被覆している。
【0042】
なお、本発明に係る尿管結石バリア取出器の未使用状態で、即ち出荷時に、前記封止膜5が収縮し嵌合溝4内に貼着しているので、嵌合溝4の径は操作レバー1の径以下である。
【0043】
前記封止膜5は、結石を封止し、操作レバー1による結石取出しに協力する。封止膜5の数は本実施例に限定されるものではなく、4つ、5つ、6つ又はその他の数であってもよく、各封止膜5が操作レバー1の周りに交互に重ね並べられ、操作レバー1の一端から他端へみて、各封止膜5が円形を形成できかつ明らかな隙間がないことを確保できればよい。隣り合う封止膜5間の距離は、結石がそこから滑り抜けて逆走することを確保できればよい。封止膜5は予め塑性成形されたもので、好ましくは表面が曲面状をなす扇形のものである。この形状は、各封止膜5を組み合わせることで隙間を有しない完全な封止構造を形成することを確保する。この封止構造の最大の断面径は、尿管の径よりも僅かに大きくなるように設けられることが好ましく、具体的に10〜35mmであることが好ましい。各封止膜5の封止膜自由辺52から操作レバー近位端までの距離は、封止膜固定辺51から操作レバー近位端までの距離よりも短くなるように設けられる。すなわち、封止膜5からなる封止構造は、傘状のように操作レバー1の遠位端をカバーしている。この設計によって、使用中に封止膜5が内視鏡操作チャンネルの水流及び貫通孔7内の水流の作用で、予備成形された形状を維持し、反転及び変形が発生し難く、結石の漏れ及び嵌まり込みが発生しないことが確保される。一方、この形状の封止膜5は、結石を収納し、結石と尿管壁との摩擦を減少させ、損傷を軽減させるためのスペースを形成できる。2つの狭角領域54は互いに引き寄せられる傾向にあり、嵌合溝4の壁をカバーしている。これにより、貫通孔7の水流が封止膜5の下方に被覆されていることが確保され、封止膜5の形状が効果的に維持される。3つの封止膜5の封止膜固定辺51が嵌合溝4の遠位端又は補強膜構造8の近位端に固定されることによって、嵌合溝4の遠位端又は補強膜構造8の近位端によって封止膜自由辺51を規制することができ、さらに反転を防止する。封止膜5自体は膜状物であり、尿管壁との接触面が小さいので、砕石が尿管に嵌まり込むリスクを大きく低下させることが可能である。前記封止膜5の材質として、PU、TPU、Pebax、FEP、ETFE、PTFEなどが挙げられる。該材質が収縮し折り畳むと体積が小さいので、本発明に係る尿管結石バリア取出器の小さな体積が確保できる。また、該材質自体は優れた靭性及び塑性成形能力を有し、変形しにくく、結石に対するバリア力を有する。
【0044】
前記操作レバー1は内部が中空となり、近位端が開口し、前記嵌合溝4の壁には貫通孔7が設けられているので、操作レバー1のチャンバーに水を注入することができる。水が貫通孔7から流出し、封止膜5の内壁に外向きの付勢力を与える。この水流が封止膜5に与える力と、内視鏡操作チャンネルを経て注入された水流による封止膜5への付勢力とが相殺され、これにより、封止膜5の反転が防止され、手術中に封止膜5が変形しないことが確保される。前記貫通孔7は円形孔に限定されるものではなく、正方形などの形状であってもよい。貫通孔7の配列も限定されず、封止膜5の内壁に外向きの付勢力を与えることができればよい。ただし、貫通孔7は封止膜5の対称軸に対応する位置に設けられることが好ましい。これにより、封止膜5に均一な付勢力を提供することができる。
【0045】
前記嵌合溝4は未使用状態での封止膜5を収納しているので、本発明に係る尿管結石バリア取出器は、全体の径が小さく、挿入されるとき、結石を迂回しやすく、結石の変位を招きにくく、かつ尿管壁に損傷を与えない。嵌合溝4は補強膜構造8を設けない完全なセグメントであってもよい。前記嵌合溝4は、操作レバー1を1周回する構成に限定されるものではなく、複数の帯状嵌合溝が操作レバー1に周回し間隔をおいて配列される構成などでもよい。
【0046】
前記ハンドル2のポートは、直接注水の便宜上、注射器のポートと一致するように設けられ、注水の操作方法はこれに限定されるものではなく、内視鏡作業チャンネル又はその他の尿管内に導入され得るチューブを経て注水してもよい。前記ガイドヘッド3は半球状に設けられることが好ましく、その他の曲面状であってもよく、本発明に係る尿管結石バリア取出器を尿管へガイドするときに尿管壁に損傷を与えない。
【0047】
前記ガイドヘッド3、封止膜5は溶接、接着又は他の方法で操作レバー1に固定される独立した部材として形成されてよく、操作レバー1と一体成形されてもよい。
【0048】
本発明に係る尿管結石バリア取出器の使用方法は以下のとおりである。尿管鏡砕石術を行う際に、内視鏡作業チャンネルを形成し、内視鏡を入れ、本発明に係る尿管結石バリア取出器の出荷時包装を開封し、ハンドル2を手に持ち操作レバー1のガイドヘッド3を内視鏡作業チャンネルに挿入し、結石を迂回し結石の上方に到達させる。その後、操作レバー1の近位端によって操作レバー1のチャンバー内に注水し、水流が貫通孔7を経て流出して封止膜5の内壁に衝突し、そのため、封止膜5が支持成形される。各封止膜が円形の封止構造を形成し、該封止構造のエッジが尿管壁と密着する。その後、内視鏡作業チャンネルを経て尿管へ注水しながら、操作レバー1のチャンバー内への注水を維持し、近位端へ操作レバー1を牽引する。砕石は、水流の絶えない衝撃で封止膜5で形成されたスペース内に押し流されるか、または水流の絶えない循環撹拌に伴い、操作レバー1の緩やかな牽引及び水流の流れによって膀胱に流れる。
【0049】
(実施例3)
スパイラル型膜式尿管結石バリア取出器
図7を参照されたい。図7はスパイラル型膜式尿管結石バリア取出器の構成を示す模式図である。前記尿管結石バリア取出器には、近位端が開口し遠位端が閉鎖される円柱形の中空管体である操作レバー1が設けられている。操作レバー近位端セグメント11の外周にはハンドル2が設けられている。操作レバー遠位端セグメント12の先端には、半球状のガイドヘッド3が設けられている。
【0050】
図8を参照されたい。図8図7中のCの拡大図である。前記操作レバー遠位端セグメント12において、ガイドヘッド3の後方に、操作レバー1を1周回する嵌合溝4が設けられている。嵌合溝4には封止膜5が設けられている。使用状態では、前記封止膜5が広げられると嵌合溝4の壁に螺旋状に周回し固定されている。封止膜5が3周回し、1周回を1つの封止膜分割単位55と記し、合計で3つの封止膜分割単位55がある。各封止膜分割単位55の遠位端エッジは、嵌合溝4の外壁に螺旋状に周回し固定されている。封止膜分割単位55の遠位端エッジを、封止膜固定辺51と記す。封止膜分割単位55の近位端エッジは、前記封止膜固定辺51と対向する辺であり、封止膜自由辺52と記す。前記封止膜自由辺52から操作レバー近位端までの距離は、封止膜固定辺51から操作レバー近位端までの距離よりも短い。各封止膜分割単位55は径が等しい。すなわち、操作レバー1の遠位端から近位端へ見て、各封止膜分割単位55のエッジが重なっており、封止膜5全体が円柱形の封止構造を構成する。隣り合う封止膜分割単位55間の嵌合溝4の壁には、貫通孔7が設けられている。
【0051】
なお、本発明に係る尿管結石バリア取出器の未使用状態で、即ち出荷時に、前記封止膜5が収縮し嵌合溝4内に貼着しているので、嵌合溝4の径は操作レバー1の径以下である。
【0052】
前記封止膜5は、結石を封止し、操作レバー1による結石取出しに協力する。封止膜5は全膜であってもよく、数枚の膜が螺旋状に配列されてもよく、操作レバー1の一端から他端へみて、封止膜5が円形の封止構造を形成できかつ明らかな隙間がないことを確保できればよい。螺旋状の封止膜5は結石に対する多重バリアを実現でき、結石の逆走を効果的に防止できる。隣り合う封止膜分割単位55間の距離は一定でなく、結石が腎臓方向へ逆走しにくいことを確保できればよい。各封止膜分割単位55は同径であってよく、変径であってもよい。すなわち、操作レバー1の遠位端から近位端へみて、各封止膜分割単位55のエッジは重なってもよく、重ならなくてもよい。封止膜5全体は円柱形の封止構造を構成してもよく、柱状の封止構造を構成してもよい。封止膜5全体の最大の断面径は、尿管の径よりも僅かに大きくなるように設けられることが好ましく、具体的に10〜35mmであることが好ましい。封止膜自由辺52から操作レバー近位端までの距離は、封止膜固定辺51から操作レバー近位端までの距離よりも短い。すなわち、封止膜分割単位55は操作レバー1に対して傾斜角がある。この設計によって、使用中に封止膜5が内視鏡操作チャンネルの水流及び貫通孔7内の水流の作用で、予め塑性成形された形状を常に維持し、反転及び変形が発生し難く、結石の漏れ及び嵌まり込みが発生しないことが確保される。一方、この設計によって、封止膜5は、結石を収納し、結石と尿管壁との摩擦を減少させ、損傷を軽減させるためのスペースを形成できる。封止膜5自体は膜状物であり、尿管壁との接触面が小さいので、砕石が尿管に嵌まり込むリスクを大きく低下させることが可能である。前記封止膜5はPU、TPU、Pebax、FEP、ETFE、PTFEなどの材質であってよく、予め塑性成形される。該材質が収縮し折り畳むと体積が小さいので、本発明に係る尿管結石バリア取出器の小さな体積が確保できる。また、該材質自体は優れた靭性及び塑性成形能力を有し、変形しにくく、結石に対するバリア力を有する。
【0053】
前記操作レバー1は内部が中空となり、近位端が開口し、前記嵌合溝4の壁には貫通孔7が設けられているので、操作レバー1の内部に水を注入することができる。その後、水が貫通孔7から流出し、封止膜5の内壁に外向きの付勢力を与える。この水流による封止膜5への付勢力と、内視鏡操作チャンネルを経て注入された水流による封止膜5への付勢力とが相殺され、これにより、封止膜5の反転が防止され、手術中に封止膜5が変形しないことが確保される。前記貫通孔7は円形孔に限定されるものではなく、正方形などの形状であってもよい。貫通孔7の配列も限定されず、封止膜5の内壁に外向きの付勢力を与えることができればよい。
【0054】
前記嵌合溝4は未使用状態での封止膜5を収納しているので、本発明に係る尿管結石バリア取出器は、全体の径が小さく、挿入されるとき、結石を迂回しやすく、結石の変位を招きにくく、かつ尿管壁に損傷を与えない。前記嵌合溝4は、操作レバー1を1周回する構成に限定されるものではなく、複数の帯状嵌合溝が操作レバー1に周回し間隔をおいて配列される構成などでもよい。
【0055】
前記ハンドル2のポートは、直接注水の便宜上、注射器のポートと一致するように設けられ、注水の操作方法はこれに限定されるものではなく、内視鏡作業チャンネル又はその他の尿管内に導入され得るチューブを経て注水してもよい。前記ガイドヘッド3は半球状に設けられることが好ましく、その他の曲面状であってもよく、本発明に係る尿管結石バリア取出器を尿管へガイドするときに尿管壁に損傷を与えない。
【0056】
前記ガイドヘッド3、封止膜5は溶接、接着又は他の方法で操作レバー1に固定される独立した部材として形成されてよく、操作レバー1と一体成形されてもよい。
【0057】
本発明に係る尿管結石バリア取出器の使用方法は以下のとおりである。尿管鏡砕石術を行う際に、内視鏡作業チャンネルを形成し、内視鏡を入れ、本発明に係る尿管結石バリア取出器の出荷時包装を開封し、ハンドル2を手に持ち操作レバー1のガイドヘッド3を内視鏡作業チャンネルに挿入し、結石を迂回し結石の上方に到達させる。その後、操作レバー1の近位端によって操作レバー1のチャンバー内に注水し、水流が貫通孔7を経て流出して封止膜5の内壁に衝突し、そのため、封止膜5が支持成形される。封止膜5全体は円柱形又は柱状又はその他の形状の封止構造を形成し、そのエッジが尿管壁と密着する。その後、内視鏡作業チャンネルを経て尿管へ注水しながら、操作レバー1のチャンバー内への注水を維持し、近位端へ操作レバー1を牽引する。砕石は、水流の絶えない衝撃で封止膜5で形成されたスペース内に押し流されるか、または水流の絶えない循環撹拌に伴い、操作レバー1の緩やかな牽引及び水流の流れによって膀胱に流れる。
【0058】
本発明に係る尿管結石バリア取出器は体積が小さいので、尿管に入れやすく、結石を押して腎臓へ逆走させたり、尿管壁に損傷を与えたりすることがなく、かつ尿管を完全に封止でき、結石や結石の破片が注入された水流によって腎内に押し流されるのを効果的に防止でき、結石の嵌まり込みが発生し難く、結石を牽引して取り出すときに変形及び尿管壁との摩擦が発生し難く、全ての結石を一回で取り出し、結石を効果的に排出するという目的を達成することができる。
【0059】
本発明に係る尿管結石バリア取出器は、尿管結石の封止や除去だけでなく、その他の体腔の封止や異物除去にも適用可能である。その適用範囲は腎臓結石の封止や除去、血管血栓の封止や除去、血管穿刺孔の封止止血、体腔異物の封止や除去、例えば気管や腸管内異物の処理を含むが、これらに限定されるものではない。
【0060】
以上は本発明の好ましい実施形態にすぎない。なお、本発明の方法を逸脱しない範囲で様々な改良や補足が可能であることは当業者にとって明らかである。これらの改良や補足も本発明の保護範囲内とみなされるべきである。
【0061】
(付記)
(付記1)
近位端が開口し、遠位端が閉鎖されかつ中空となる操作レバーが設けられる膜式尿管結石バリア取出器において、
操作レバー遠位端セグメントには封止膜が設けられ、
使用状態では、前記操作レバーの一端から他端へみて、前記封止膜が円形の封止物を構成し、
封止膜自由辺から操作レバー近位端までの距離が、封止膜固定辺から操作レバー近位端までの距離よりも短く、
前記操作レバーの壁には貫通孔が設けられ、前記操作レバーのチャンバーから前記貫通孔を経て流出した水流が前記封止物の内壁に付勢力を与える、ことを特徴とする膜式尿管結石バリア取出器。
【0062】
(付記2)
前記操作レバー遠位端セグメントには嵌合溝が設けられ、前記封止膜が前記嵌合溝内に設けられ、前記貫通孔が前記嵌合溝の壁に設けられている、ことを特徴とする付記1に記載の膜式尿管結石バリア取出器。
【0063】
(付記3)
前記封止膜は全膜であり、使用状態では広げられるとその外面が曲面状をなす、ことを特徴とする付記1又は2に記載の膜式尿管結石バリア取出器。
【0064】
(付記4)
前記封止膜と前記操作レバーとの間に支持体が設けられ、前記支持体が封止膜内壁及び操作レバー外壁のいずれにも接続し固定され、前記封止膜を支持する、ことを特徴とする付記3に記載の膜式尿管結石バリア取出器。
【0065】
(付記5)
前記支持体が前記操作レバーに周回し放射状に等間隔で配列され、前記貫通孔が隣り合う前記支持体の間に配列されている、ことを特徴とする付記4に記載の膜式尿管結石バリア取出器。
【0066】
(付記6)
前記封止膜が複数枚あり、使用状態では各々の前記封止膜が広げられると扇形をなしかつその表面が曲面状をなし、各々の前記封止膜が前記操作レバーの周りに交互に重ね並べられている、ことを特徴とする付記1又は2に記載の膜式尿管結石バリア取出器。
【0067】
(付記7)
隣り合う前記封止膜間の前記操作レバーには補強膜構造が設けられ、前記補強膜構造が前記操作レバーに周設され、前記封止膜固定辺が前記補強膜構造の近位端に固定されている、ことを特徴とする付記6に記載の膜式尿管結石バリア取出器。
【0068】
(付記8)
前記封止膜の2本の側辺のそれぞれが前記封止膜固定辺と狭角領域を形成し、2つの狭角領域が互いに引き寄せられ、いずれも前記操作レバーの壁を被覆している、ことを特徴とする付記7に記載の膜式尿管結石バリア取出器。
【0069】
(付記9)
使用状態では、前記封止膜が広げられると前記操作レバーの壁に螺旋状に周回し固定されている、ことを特徴とする付記1に記載の膜式尿管結石バリア取出器。
【0070】
(付記10)
操作レバー1周回を1つの封止膜分割単位とし、各々の前記封止膜分割単位が同径又は変径である、ことを特徴とする付記9に記載の膜式尿管結石バリア取出器。
【符号の説明】
【0071】
1 操作レバー
2 ハンドル
3 ガイドヘッド
4 嵌合溝
5 封止膜
6 支持体
7 貫通孔
8 補強膜構造
11 操作レバー近位端セグメント
12 操作レバー遠位端セグメント
51 封止膜固定辺
52 封止膜自由辺
53 側辺
54 狭角領域
55 封止膜分離単位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8