(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6404559
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】制動を有するハプティックイネーブルドシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20181001BHJP
【FI】
G06F3/01 560
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-219512(P2013-219512)
(22)【出願日】2013年10月22日
(65)【公開番号】特開2014-93086(P2014-93086A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2016年10月11日
(31)【優先権主張番号】13/785,699
(32)【優先日】2013年3月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/721,231
(32)【優先日】2012年11月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500390995
【氏名又は名称】イマージョン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】ビリントン ダグラス ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】シャー カニヤラル
(72)【発明者】
【氏名】トラン バン ヒルトン
【審査官】
鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−222826(JP,A)
【文献】
特開平08−033389(JP,A)
【文献】
特開平09−074740(JP,A)
【文献】
特開平07−147767(JP,A)
【文献】
特開2006−042477(JP,A)
【文献】
特開平04−271050(JP,A)
【文献】
特開2012−146325(JP,A)
【文献】
特開平05−083986(JP,A)
【文献】
特開平11−069873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01 − 3/0489
3/14 − 3/153
H02K 23/00 − 23/68
33/00 − 33/18
H02P 7/00
7/03 − 7/347
H03M 11/04
11/08 − 11/14
11/20 − 11/24
H04M 1/00
1/24 − 1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子および第2の端子を備えるモータであって、前記第2の端子は前記モータに一方向駆動信号を加えるように構成される電源に接続される、モータと、
前記第1の端子およびアースに接続される第1のスイッチと、
前記モータに接続され、前記モータと並列である第2のスイッチと、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとに接続されるプロセッサと、
前記モータと前記モータに前記一方向駆動信号を加えるように構成される前記電源とに接続される非極性コンデンサであって、前記モータに並列であり、定格電圧が前記モータの作動電圧と生成される逆起電力スパイクの振幅との和よりも大きい非極性コンデンサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記第2のスイッチを開きながら、前記第1のスイッチを閉じて、ハプティック効果を生成するために、前記電源から前記モータに前記一方向駆動信号が加えられ、
前記第1のスイッチを開き、
前記第1のスイッチを開いてから、ゼロではない持続時間が経過した後に、前記第2のスイッチを閉じるように構成され、前記ゼロではない持続時間が少なくとも1μ秒であるハプティックイネーブルドシステム。
【請求項2】
前記モータに接続されるダイオードをさらに備え、前記非極性コンデンサは前記ダイオードおよび前記モータと並列である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2のスイッチに接続され、前記第2のスイッチと直列であるレジスタをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記モータに接続される偏心回転体をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ハプティック効果が、前記プロセッサにより受信または生成されるハプティック効果パラメータから生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ハプティック効果パラメータが、大きさ、周波数または持続時間のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサに接続されるキーを有するタッチスクリーンをさらに備え、生成されたハプティック効果は、対象物が前記タッチスクリーンのキーの1つまたは複数と接触する場合、メカニカルキーを模倣する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
第1の端子および第2の端子を有する偏心回転体(ERM)アクチュエータのための駆動回路であって、前記駆動回路は、
前記ERMアクチュエータのモータに一方向駆動信号を加えるように構成される電源に、前記ERMアクチュエータの前記第2の端子を接続する電圧ノードと、
前記第1の端子およびアースに接続される第1のスイッチと、
前記電圧ノードおよび前記第1の端子に接続される第2のスイッチと、
前記モータと前記モータに一方向駆動信号を加えるように構成される前記電源とに接続される非極性コンデンサであって、前記モータに並列であり、定格電圧が前記モータの作動電圧と生成される逆起電力スパイクの振幅との和よりも大きい非極性コンデンサと、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとに接続されるプロセッサであって、
前記第2のスイッチを開きながら、前記第1のスイッチを閉じて、ハプティック効果を生成するために、前記電源から前記モータに前記一方向駆動信号が加えられ、
前記第1のスイッチを開き、
前記第1のスイッチを開いてから、ゼロではない持続時間が経過した後、前記第2のスイッチを閉じるように構成され、前記ゼロではない持続時間が少なくとも1μ秒であるプロセッサと、
を備える、駆動回路。
【請求項9】
アースおよび前記第1の端子に接続されるダイオードをさらに備え、前記コンデンサは前記ダイオードおよび前記モータに並列である、請求項8に記載の駆動回路。
【請求項10】
前記第2のスイッチと前記第1の端子との間に接続され、前記第2のスイッチと直列であるレジスタをさらに備える、請求項8に記載の駆動回路。
【請求項11】
制動を有するハプティック効果を生成する方法であって、前記方法は、請求項8〜10のいずれかの駆動回路を使用することを含む、方法。
【請求項12】
第1の端子および第2の端子を備えるモータであって、前記第2の端子はアースに接続される、モータと、
前記第1の端子と前記モータに一方向駆動信号を加えるように構成される電源とに接続される第1のスイッチと、
前記モータに接続され、前記モータと並列である第2のスイッチと、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとに接続されるプロセッサと、
前記モータに接続される非極性コンデンサであって、前記モータに並列であり、定格電圧が前記モータの作動電圧と生成される逆起電力スパイクの振幅との和よりも大きい非極性コンデンサと、
を備え、
前記プロセッサは、
大きさまたは周波数を含むハプティック効果パラメータを受信し、
前記第2のスイッチを開きながら、前記第1のスイッチを反復的に開閉することによって、ハプティック効果を生成するために、前記電源から前記モータに、前記一方向駆動信号が加えられ、ハプティック効果パラメータに基づいてハプティック効果を生成し、その後、前記モータがピークスピードに到達した後、前記モータに回転を停止させるために、前記第1のスイッチを開き、前記第2のスイッチを閉じるように構成されるハプティックイネーブルドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2012年11月1日に出願された米国仮特許出願第61/721,231号の優先権を主張し、その開示は本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
分野
本発明の一実施形態はアクチュエータに関する。より具体的には、本発明の一実施形態は、ハプティックイネーブルド(ハプティック動作可能な(haptically−enabled))デバイス上で振動を生成するために使用されるアクチュエータのための駆動回路に関する。
【背景技術】
【0003】
電子デバイスの製造者はユーザにとって豊かなインターフェースを製造することに注力している。従来のデバイスは、ユーザにフィードバックを提供するために、視覚的及び聴覚的合図を用いている。一部のインターフェースデバイスにおいて、より一般的には総括して「ハプティック(触覚)フィードバック」又は「ハプティック(触覚的)効果」として知られる、運動感覚フィードバック(作用力及び抵抗力フィードバック等)及び/又はタクタイル(触知的)フィードバック(振動、触感、及び熱等)もまた、ユーザに提供される。ハプティックフィードバックは、ユーザインターフェースを強化及び単純化するきっかけを提供し得る。具体的に、振動効果、すなわち振動ハプティック効果は、ユーザに特定のイベントを通知するために、電子デバイスのユーザへの合図を提供するのに有用であり得るか、又はシミュレート環境もしくは仮想環境内でより大きく感覚を集中させるために、現実的なフィードバックを提供し得る。
【0004】
ハプティックフィードバックはまた、携帯電話、スマートフォン、ポータブルゲーム機器および様々な他のポータブル電子機器などの携帯用電子機器に次第に組み込まれている。例えば、一部のポータブルゲームアプリケーションは、ハプティックフィードバックを提供するように構成される、より大きなスケールのゲームシステムと共に使用されるコントロールデバイス(例えばジョイスティックなど)と同じように振動できる。さらに、スマートフォンなどのデバイスは、ユーザにより選択される場合、それらの機械的カウンターパートのように感じるようにタッチスクリーン上に「ボタン」を生成するためにハプティック効果を使用する。
【0005】
振動効果を生成するために、多くのデバイスは一部のタイプのアクチュエータまたはハプティック出力デバイスを利用する。この目的のために用いられる公知のアクチュエータとしては、偏心体がモータによって動かされる偏心回転体(「ERM」)アクチュエータなどの電磁アクチュエータが挙げられる。典型的に、ERMは、クリスパー(crisper)動的信号を提供する、制動作用を生成するために双方向信号(すなわち、交流正電圧および負電圧信号)を必要とする。しかしながら、多くの携帯用電子機器は、特別な駆動回路が双方向信号を生成することを必要とされるように、直流のみを生成する。典型的な回路は、4つのトランジスタ/スイッチを含む回路である、H−ブリッジを含む。しかしながら、携帯用機器に関して、コストが重要な作用要因であり、4つのスイッチのコストはデバイスの全コストと比べて不均衡に高くなり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、第1の端子および第2の端子を有するアクチュエータを含むハプティックイネーブルドシステムである。第2の端子は電源に接続され、第1のスイッチは第1の端子およびアースに接続される。第2のスイッチはアクチュエータに接続される。第2のスイッチはアクチュエータと並列である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係るハプティックイネーブルドシステムのブロック図である。
【
図2】
図2は本発明の一実施形態に係る
図1のアクチュエータのERM実施形態の部分的斜視図である。
【
図3】
図3は本発明の一実施形態に係る
図1のアクチュエータと組み合わせたアクチュエータ駆動回路の回路図である。
【
図4】
図4は本発明の一実施形態に係る制動を有するハプティック効果を提供する場合のシステムの機能性のフロー図である。
【
図5】
図5はハプティック効果についての加速度対時間の2つのグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態はアクチュエータ/モータにわたってプログラム可能な短絡負荷を提供する駆動回路である。アクチュエータが回転している場合、短絡負荷の起動は、逆極性電圧を印加することを必要とせずに比較的短時間後に、回転を停止させることによってアクチュエータを遮断させる。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係るハプティックイネーブルド(ハプティック動作可能な(haptically−enabled))システム10のブロック図である。システム10は、ハウジング15内に装着されたタッチセンサ式表面11または他のタイプのユーザインターフェースを含み、かつメカニカルキー/ボタン13を含んでもよい。システム10に振動を生成するハプティックフィードバックシステムはシステム10内部にある。一実施形態において、振動はタッチ表面11上で生成される。
【0010】
ハプティックフィードバックシステムはプロセッサまたは制御装置12を含む。メモリ20およびアクチュエータ駆動回路16はプロセッサ12に接続され、その駆動回路16はアクチュエータ18に連結されている。アクチュエータ18は任意のタイプの直流(「DC」)モータであってもよく、一実施形態において偏心回転体(「ERM」)アクチュエータである。プロセッサ12は任意のタイプの汎用目的のプロセッサであってもよく、または、特定用途向け集積回路(「ASIC」)等、ハプティック効果を提供するように特定的に設計されたプロセッサであってもよい。プロセッサ12はシステム10全体を作動させる同じプロセッサであってもよく、または別個のプロセッサであってもよい。プロセッサ12は、何のハプティック効果が再生されるかを決定することができ、かつ、そうした効果が高レベルのパラメータに基づいて再生される順序を決定することができる。一般に、特定のハプティック効果を定義する高レベルのパラメータは、大きさ(強さ)、頻度(周波数)、および期間を含む。ストリーミングモーターコマンド等の低レベルパラメータはまた、特定のハプティック効果を決定するために用いられることができる。ハプティック効果は、そのハプティック効果が生成された場合にそれがこれらのパラメータから生じた一部のものを含む場合、あるいはユーザのやり取りに基づいたこれらのパラメータから生じたものである場合、「動的」であると想定してよい。
【0011】
プロセッサ12はアクチュエータ駆動回路16に制御信号を出力し、このアクチュエータ駆動回路16は電子構成要素および回路を備え、これらはアクチュエータ18に必要な電流および電圧(すなわち「モータ信号」)を供給してそれにより所望のハプティック効果を生じさせる。システム10は2つ以上のアクチュエータ18を備えてよく、各々のアクチュエータは別個の駆動回路16を備えてよく、それら全ては共通のプロセッサ12に連結される。メモリデバイス20は任意のタイプの保存デバイス、あるいはランダムアクセスメモリ(RAM)または読み出し専用メモリ(ROM)等のコンピュータ可読媒体であってもよい。メモリ20はプロセッサ12によって実行される命令を保存する。命令の中でも、メモリ20はハプティック効果モジュール22を含んでおり、これは複数の命令であって、プロセッサ12によって実行される場合に、以下により詳細に開示するように制動を有するハプティック効果を提供するアクチュエータ18に駆動信号を生成する。メモリ20はまたプロセッサ12内部に位置してよく、または、内部メモリおよび外部メモリの任意の組み合わせであってもよい。
【0012】
タッチ表面11は接触を認識し、かつその表面上の接触の位置および大きさ(強さ)も認識できる。この接触に対応したデータはプロセッサ12またはシステム10内の別のプロセッサに送信され、プロセッサ12はその接触を解釈して、それに応じてハプティック効果信号を生成する。タッチ表面11は任意の感知検出技術、例えば、静電容量性による検出、抵抗性による検出、表面音響波による検出、圧力による検出、光学による検出等を含む技術を利用して接触を感知し得る。タッチ表面11はマルチタッチ接触を感知してよく、かつ同時に生じるマルチタッチを識別することができてよい。タッチ表面11は、キー、ダイアル等を用いてユーザがやり取りする画像を生成および表示するタッチスクリーンであってもよく、または最小限の画像または画像のないタッチパッドであってもよい。
【0013】
システム10は、セル式電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、コンピュータタブレット、ゲーム機等のハンドヘルドデバイスであってもよく、あるいは1つ以上のアクチュエータを備えるハプティック効果システムを備える任意の他のタイプのデバイスであってもよい。ユーザインターフェースは、タッチセンサ式表面であってよく、あるいは、マウス、タッチパッド、ミニジョイスティック、スクロールホイール、トラックボール、ゲームパッド、またはゲームコントローラ等の任意の他のタイプのユーザインターフェースであってよい。2つ以上のアクチュエータを用いた実施形態において、各アクチュエータはデバイス上で広範なハプティック効果を生成するために異なる回転能力を有してもよい。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態に係る
図1のアクチュエータ18のERM実施形態の断面斜視図である。ERM200は、回転軸205を中心に回転する中心を外れたおもり203を有する回転体201を備える。動作中、任意のタイプのモータは、ERM200に連結されてよく、モータの2つのリード線(
図2に図示せず)にわたってモータに印加される電圧の量および極性に応じて、回転軸205を中心に、一方向または双方向の回転を生じさせる。一方の極性における電圧の印加は加速効果を有し、一方向においてERM200の回転速度を上昇させ、他方の極性における電圧の印加は制動効果を有し、反対方向においてERM200の回転速度を減少またはさらに反転させる。しかしながら、上で説明したように、ハプティック効果の制動を達成するために二方向信号/電圧を印加するのに必要とされる駆動回路は典型的に、比較的高価なH−ブリッジを含む。
【0015】
図3は、本発明の一実施形態に係る
図1のアクチュエータ18と組み合わせたアクチュエータ駆動回路16の回路図である。回路16において、DCモータ303は、第1のスイッチ304を介して一方の端子でアースに接続され、他方の端子で回路の電圧(すなわち、「V
CC」)に接続される。モータ303はアクチュエータ18であってもよく、一実施形態においてERMアクチュエータである。モータ303と並列に第2のスイッチ301およびレジスタ302がある。レジスタ302は任意であり、スイッチ301、304を保護する安全な機能を提供し、両方のスイッチが同時にオンにされた場合、スイッチ301、304を通るV
CCからの直流短絡電流路を接地させる。レジスタ302の機能はまた、別個の部品とならないように、スイッチ301内に組み込まれてもよい。一実施形態において、両方のスイッチ301および304は双極性または金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)のトランジスタである。
【0016】
回路16はさらに、モータ303に並列してダイオード305およびコンデンサ306を備える。ダイオード305およびコンデンサ306はモータ303上でのスパイクを抑制し、任意の部品でもある。
【0017】
レジスタ302の価値は、モータ制動電流とスイッチ安全措置との間のトレードオフである。一実施形態においてダイオード305の逆電圧およびコンデンサ306の定格電圧はモータ303の作動電圧プラス生成される逆起電力(「EMF」)スパイクの振幅より大きい。ダイオード305の順電圧は広範囲(例えば0.2Vまたは0.7V)であってもよく、コンデンサ306は一実施形態において非極性である。
【0018】
作動中、第1のスイッチ304および第2のスイッチ301は通常開いており、この状態においてモータ303は回転しない。スイッチ304が閉じられる場合、モータ303がオンになり、回転が開始する。スイッチ304を連続して閉じ続けることによって、モータ303は最終的にピーク速度に達して1種類のハプティック効果を生成する。スイッチ304は開閉され得、他の種類のハプティック効果を生成するためにモータ303のデューティサイクルを達成するまで反復され得る。
【0019】
モータ303が制動される場合、第1のスイッチ304は開かれ、両方のスイッチが同時(例えば1または2マイクロ秒)に閉じられることを防ぐために短い中断の後、第2のスイッチ301が閉じられる。これにより、モータ303は制動し、モータ303が運動を停止する場合、スイッチ304は開き、そしてスイッチ304および301は開いたままになり得る。
【0020】
別の実施形態において、
図3に示すように、電源に接続される第1のモータ端子およびスイッチを介してアースに接続される第2のモータ端子の代わりに、反対の構成が実施されてもよい。具体的には、この実施形態において、第1のモータ端子はアースに接続され、第2のモータ端子はスイッチを介して電源に接続される。
【0021】
図4は、本発明の一実施形態に係る制動を有するハプティック効果を提供する場合のシステム10の機能のフローチャートである。一実施形態において、
図4のフローチャートの機能は、メモリまたは他のコンピュータ可読媒体または有形的表現媒体に記憶され、プロセッサにより実行されるソフトウェア(例えば、ハプティック効果モジュール22)により実施される。他の実施形態において、機能はハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラマブルゲートアレイ(「PGA」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)など)、またはハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせの使用により実施されてもよい。
【0022】
402において、制動を含むハプティック効果パラメータがメモリまたは別のソースから生成または検索されてもよい。パラメータは、大きさ、周波数および持続時間などの特定のハプティック効果を定義する高レベルのパラメータを含んでもよいか、またはモータ電圧などの低レベルのパラメータから形成されてもよい。制動は典型的に、明瞭な(crisp)感覚を提供し、例えば、ユーザがキーを実装したタッチスクリーンをタッチする場合、メカニカルキーを模倣するために使用されてもよい。
【0023】
404において、ハプティック効果の少なくとも一部が、モータ303を回転させるために定位置または任意の所望のパターンにおいて第1のスイッチ304を閉じることにより生成される。
【0024】
406において、ハプティックパラメータに基づいて、制動がモータ303に適用されるべきかどうかが決定される。
【0025】
408において、制動を生成するために、第1のスイッチ304が開かれ、モータ303の回転が停止するまで、短時間の後、第2のスイッチ301が閉じられる。スイッチ301の閉鎖はモータ303を通る「短絡負荷」をもたらす。
【0026】
説明したように、実施形態は双方向信号またはH−ブリッジ回路を必要とせずにアクチュエータに制動を提供する。
図5はハプティック効果についての加速度対時間の2つのグラフ502および504を例示する。グラフ502は
図3の回路16を有さないハプティックイネーブルドシステムの従来技術のグラフである。グラフ504は本発明の実施形態に係る回路16(すなわち「制動回路」)を有するハプティックイネーブルドシステムのグラフである。制動回路を有さないグラフ502の加速度曲線503により示すように、300ms間の回転後、モータは停止するのに300msかかる。比較して、本発明の実施形態に係る制動回路(すなわち回路16)を有するグラフ504の加速度曲線505により示すように、300ms間の回転後、モータは停止するのに100msのみかかる。
【0027】
開示したように、実施形態は、モータを通る短絡負荷を適用することによってDCモータを制動させ、比較的短時間の後、モータの回転を停止させる。したがって、制動を有するハプティック効果が双方向電圧を必要とせずに効果的に生成され得る。
【0028】
いくつかの実施形態が本明細書に具体的に例示および/または記載されている。しかしながら、開示された実施形態の修飾および変更は上記の教示に包含され、本発明の精神および意図する範囲から逸脱せずに添付の特許請求の範囲内であることが理解されるであろう。