【実施例】
【0015】
(不等像視測定装置の外観構成の実施例)
図1は本発明の実施例に係る不等像視測定装置の概略構成を示す斜視図、
図2はその
図1に示す不等像視測定装置の断面図である。
【0016】
その
図1、
図2において、1は不等像視測定装置を示す。この不等像視測定装置1は、表示装置3と、光学箱4と、これらを設置する設置枠体2とを有する。この実施例では、設置枠体2は、表示装置設置用の設置枠2Aと、光学箱設置用の設置枠2Bとから構成されている。
【0017】
設置枠2Aは脚部2Cを有し、
図2に示すように、検査用のテーブル5に斜めにセットされる。設置枠2Bは、例えば、矩形状を呈しており、設置枠2Aに着脱可能に固定される。なお、設置枠2Bの設置枠2Aに対する固定方法は嵌合ピンと嵌合孔とによる締結方法その他の方法を採用することができる。
【0018】
表示装置3は、例えば、タブレット型のコンピュータから構成され、
図3に示すように表示画面6を有する。
その表示画面6は、
図4に示すように、制御回路(コンピュータ)7により制御される。表示画面6には、タッチパネル式の視標サイズ設定部8、測定ボタン9、測定ボタン10等が表示されている。
【0019】
その制御回路7には、視標サイズ設定部8、測定ボタン9、測定ボタン10等により指示信号が入力される。また、その制御回路7には、図示を略す画像メモリが設けられ、この画像メモリには、左眼用の視標11Lの視標像データと右眼用の視標11Rの視標像データとがテンプレートとして保存されている。
【0020】
その表示画面6には、
図3に示すように、背景が黒色の画面上に、左眼用の視標11Lと右眼用の視標11Rとが提示される。
その視標11L、11Rの詳細、本発明の測定原理については、後述することとし、先に光学箱4について説明する。
【0021】
この光学箱4は、概略直方体形状の暗箱から構成されている。その光学箱4には、平均の瞳孔間距離(PD)に相当する間隔を開けて、一対の接眼レンズ鏡筒12L、12Rが設けられている。この光学箱4は、設置枠2Bに対して着脱可能である。
なお、瞳孔間距離PDは、個人によって異なるため、接眼レンズ鏡筒12L、12Rを光学箱4に対して左右方向にスライド可能な構成とすることもできる。
【0022】
その接眼レンズ鏡筒12L、12Rには、接眼レンズ13L、13Rが設けられている。この接眼レンズ13L、13Rの度数は、例えば、8ディオプターであり、表示画面6から被検者の目までの光軸方向の距離は、12.5cmに設定されている。
【0023】
視標11L、11Rは、例えば、
図3に示すように、それぞれ互いに交差する方向に延びる二本の斜線LQ、LQ’、RQ、RQ’と、間隔を開けて互いに平行に縦方向に延びる二本の縦線LP、LP’、RP、RP’とから構成されている。
【0024】
斜線LQ、LQ’、RQ、RQ’は、人間の左右眼の径線方向(縦方向と横方向)の不等像視の大きさを測定するのに用いられる。縦線LP、LP’、RP、RP’は人間の左右眼の全面不等像視の大きさを測定するのに用いられる。
ここで、径線方向の不等像視とは、縦方向と横方向との倍率が異なる不等像視をいい、全面不等像視とは縦方向と横方向との倍率が等しい不等像視をいう。
【0025】
その斜線LQ、LQ’の交点LZは、接眼レンズ13Lの光軸OLと一致され、斜線RQ、RQ’の交点RZは、接眼レンズ13Rの光軸ORと一致されている。
この実施例では、斜線LQと斜線LQ’、斜線RQと斜線RQ’は互いに90度の角度をなして交差している。
表示画面6上の交点LZ、RZの左右方向の距離も瞳孔間距離PDに応じて調節可能としても良い。
【0026】
測定ボタン9は、径線方向の不等像視の大きさを測定するために用いられる。測定ボタン10は、全面不等像視の大きさを測定するのに用いられる。視標サイズ設定部8は、表示画面6に表示される視標11L、11Rのサイズを変更するのに用いられる。
【0027】
この視標サイズ設定部8は、被検眼の径線方向の不等像視を測定するために、例えば、左眼用視標の斜線LQと斜線LQ’とが為す角度θ(
図14参照)を設定変更する径線設定変更ボタンと、被検眼の全面不等像視を測定するために縦線LPと縦線LP’との間隔(サイズ)、縦線RPと縦線RP’との間隔(サイズ)を設定変更するサイズ設定変更ボタンとを有する。
【0028】
制御回路7は、測定ボタン9を操作すると、左眼用の視標11Lと右眼用の視標11Rとを表示画面6に同時に提示して径線方向の不等像視を測定する第1ステップを実行させる。
【0029】
ここでは、左眼用の視標11Lは、互いに交差する二本の斜線LQ、LQ’とこれらの交差する二本の斜線LQ、LQ’の交点LZを通りかつこれらの二本の斜線LQ、LQ’の為す角度θに対してθ/2(θ1/2)の傾きを有する基準直線LR(
図14を参照)とからなっている。
【0030】
右眼用の視標11Rも、互いに交差する二本の斜線RQ、RQ’とこれらの交差する二本の斜線RQ、RQ’の交点RZを通りかつこれらの二本の斜線RQ、RQ’の為す角度θに対してθ/2(θ2/2)の傾きを有する基準直線RR(
図14を参照)とからなっている。
【0031】
斜線LQ、LQ’は、基準直線LRに対して線対称、斜線RQ、RQ’は、基準線RRに対して線対称の構成であり、斜線LQ、LQ’(RQ、RQ’)の為す角度θは例えばθ=θ1=θ2=90度である。
【0032】
径線方向の不等像視を有しない被験者の場合、
図14に示す左眼用の視標11Lと右眼用の視標11Rとを両眼視すると、
図15に示すように、両視標が融像して基準線LL,RRに対して対称な斜線LQ、RQ、LQ’、RQ’が被検者に知覚される。
【0033】
その
図14に示す左眼用の視標11Lと右眼用の視標11Rとを、
図16(A)、(B)に示す径線方向(横方向(水平方向))の不等像視を有する被検者に提示して、両眼で視認させると、両視標が融像して
図17に示すように基準線LL、RRに対して非対称な斜線LQ、RQ、LQ’、RQ’が被検者に知覚される。
なお、その
図16において、(A)は
図14に示す左眼の視標を左眼のみで目視したときに知覚される視標のサイズを模式的に示し、(B)は
図14に示す右眼の視標を右眼のみで目視したときに知覚される視標のサイズを模式的に示す。
【0034】
このような場合には、視標サイズ設定部8の径線設定変更ボタンを操作して視標11Lの斜線LQ、LQ’の為す角度θ1が視標11Rの斜線RQ、RQ’の為す角度θ2と一致するように左眼の視標11Lの横幅LE(
図14参照)を大きくする方向に変更する。
【0035】
この左眼の視標11Lの横幅LEを変更することにより、左眼の視標11Lの角度θ1と角度θ2とが一致したとき、その被検者に対する径線方向(横方向(水平方向))の不等像視が解消される。すなわち、水平方向の不等像視が中和され、基準線LL、RRに対して対称な斜線LQ、RQ、LQ’、RQ’が被検者に知覚される。
【0036】
左眼の視標11Lの斜線LQ、LQ’の為す角度θ1が視標11Rの斜線RQ、RQ’の為す角度θ2と一致するように左眼の視標11Lの横幅LEを変更したときの変更後の横幅と変更前の横幅との差を変更前の横幅LEで除算した値を径線方向の不等像視量M1という。
【0037】
また、その
図14に示す左眼用の視標11Lと右眼用の視標11Rとを、
図18(A)、(B)に示す径線方向(縦方向(垂直方向))の不等像視を有する被検者に提示して、両眼で視認させると、両視標が融合して
図19に示すように基準線LL、RRに対して非対称な斜線LQ、RQ、LQ’、RQ’が被検者に知覚される。
なお、その
図18において、(A)は
図14に示す左眼の視標を左眼のみで目視したときに知覚される視標のサイズを模式的に示し、(B)は
図14に示す右眼の視標を右眼のみで目視したときに知覚される視標のサイズを模式的に示す。
【0038】
このような場合には、視標サイズ設定部8の径線設定変更ボタンを操作して視標11Rの斜線RQ、RQ’の為す角度θ2が視標11Lの斜線LQ、LQ’の為す角度θ1と一致するように左眼の視標11Rの横幅REを大きくする方向に変更する。
【0039】
この右眼の視標11Rの横幅REを変更することにより、右眼の視標11Rの角度θ2と角度θ1とが一致したとき、その被検者に対するに径線方向(縦方向(垂直方向))の不等像視が解消される。すなわち、垂直方向の不等像視が中和され、
図15に示すように基準線LL、RRに対して対称な斜線LQ、RQ、LQ’、RQ’が被検者に知覚される。
【0040】
右眼の視標11Rの斜線RQ、RQ’の為す角度θ2が視標11Lの斜線LQ、LQ’の為す角度θ1と一致するように右眼の視標11Rの横幅REを変更したときの変更後の横幅と変更前の横幅との差を変更前の横幅REで除算した値を、同様に径線方向の不等像視量M1という。
【0041】
制御回路7は、測定ボタン10を操作すると、左眼用の視標11Lと、右眼用の視標11Rとを表示画面6に同時に提示して全面不等像視の大きさを測定する第2ステップを実行させる。
【0042】
第2ステップでは、左眼用の視標11Lは、互いに交差する二本の斜線LQ、LQ’とこれらの交差する二本の斜線LQ、LQ’の交点LZを挟んで互いに平行に縦方向に延びる二本の縦線LP、LP’とからなっている。
【0043】
右眼用の視標11Rは、互いに交差する二本の斜線RQ、RQ’とこれらの交差する二本の斜線RQ、RQ’の交点RZを挟んで互いに平行に縦方向に延びる二本の縦線RP、RP’とからなっている。
なお、縦線LP、LP’は交点LZに対して線対称、縦線RP、RP’は交点RZに対して線対称である。
【0044】
(全面不等像視の測定原理の説明)
以下に、本発明に係る不等像視測定装置の全面不等像視の測定原理を説明する。
表示画面6に、例えば、
図20に示すように、縦線LP、LP’の間隔と縦線RP、RP’の間隔とが等しい左眼用の視標11Lと右眼用の視標11Rとが同時に表示されているものとする。
【0045】
この
図20には、ステップ1において、径線方向の不等像視が検出されたとき、その径線方向の不等像視を中和する修正処理が施された斜線LQ、LQ’を有する左眼用の視標11Lが右眼用の視標11Rと共に表示画面6に表示されている状態、若しくは、不等像視を中和する修正処理が施された斜線RQ、RQ’を有する右眼用の視標11Rが左眼用の視標11Lと共に表示画面6に表示されている状態が示されている。
【0046】
この
図20には、左眼用の視標11Lの斜線LQ、LQ’の為す角度θ=θ1及び右眼用の視標11Rの為す角度θ=θ2を45度として示してあるが、これは説明の便宜上のためであって、径線方向の不等像視を有する被検者にはこの左眼用の視標11Lの斜線LQ、LQ’若しくは右眼用の視標11Rの斜線RQ、RQ’の為す角度θはその径線方向の不等像視を中和する角度θとされた斜線LQ、LQ’若しくは斜線RQ、RQ’が提示されている。
【0047】
従って、径線方向の不等像視を有するが全面不等像視を有しない被検者に
図20に示す左眼用の視標11Lと右眼用の視標11Rとを両眼視させたとき、両視標11L、11Rが融像して、
図6に示すように、基準線LL、RRに対して対称な斜線LQ、RQ、LQ’、RQ’と、平行な二本の縦線LP、RP、LP’、RP’が被検者に知覚される。
【0048】
これに対して、径線方向の不等像視と共に全面不等像視を有する被検者に
図20に示す視標11Lと右眼用の視標11Rとを両眼視させると、両視標11L、11Rが融像して、
図8に示すように、交点LZ、RZに対して対称な斜線LQ、RQ、LQ’、RQ’を基準にして、左側の縦線LP、RPが手前側に見え、右側の縦線LP’、RP’が奥側に存在するように立体的に知覚される。
【0049】
なお、ここでは、被検者に不等像視がある場合、例えば、
図7(A)に示すように、左眼のみで
図20に示す左眼用の視標11Lを見た場合の縦線LP、LP’の間隔(サイズ)aに対して、
図7(B)に示すように、右眼のみで
図20に示す右眼用の視標11Rを見た場合の縦線RP、RP’の間隔(サイズ)bであるような不等像視を被検者が有するものとして説明している。
【0050】
すなわち、被検者に全面不等像視が存在する場合、間隔aの縦線LP、LP’を有する左眼用の視標11Lと間隔aと同一の間隔の縦線RP、RP’を有する右眼用の視標11Rとを両眼視したとき、表示画面6に提示された視標11L、11Rからなる融像が被検者に立体的に知覚される。
【0051】
そこで、左眼用の視標11Lの縦線LP、LP’の間隔aのサイズが右眼のみで右眼用の視標11Rを見たときの縦線RP、RP’の間隔bのサイズと同じになるように、左眼用の縦線LP、LP’の間隔aをa’=bに変更して、
図9に示すように、表示画面6に提示すると、被検者はこれらの視標11L、11Rを両眼視したとき、両視標11L、11Rが融像して
図10に模式的に示すように、左眼用の視標11Lと右眼用の視標11Rとが平面的に知覚される。
【0052】
ついで、変更後の左眼用の視標11Lの縦線LP、LP’の間隔a’を変更前の視標11Lの縦線LP、LP’の間隔aで除算して、全面不等像視の倍率M2を求める。
M2=a’/a
不等像視率Mは、径線方向の倍率M1と全面不等像視の倍率M2によって表される。
【0053】
(測定精度確認実験)
本発明の実施例に係る不等像視測定装置1の測定精度を確かめるための測定実験を行った。以下に、これについて説明する。
ここでは、
図11に示すように、不等像視を有しない正常な被験者の片眼に10%の全面不等像視を惹起するサイズレンズLENSを装用させて、表示画面6に
図5に示す視標11L、11Rを提示して、検証実験を行った。
【0054】
図5に示す視標11L、11Rを表示画面6に提示して、この視標11L、11Rを両眼視させると、両視標11L、11Rが融像して
図8に示すように立体的に知覚される。
【0055】
視標サイズ設定部8のサイズ設定変更ボタンを操作して、視標11Lの間隔を変え、両視標11L、11Rが融像して
図12に示すように平面的に見えたときに被験者に応答させ、そのときの不等像視を求めた。
【0056】
30人の正常な被験者に対して、この測定を行ったところ、測定値Xの平均値は、サイズレンズLENSの倍率10%に対して+2%の誤差であった。
すなわち、測定値Xのばらつきは後述する従来の測定方法に較べて小さかった。
【0057】
これに対して、同じ30人の被験者に対して、従来から、
図13に示すように、視標として用いられている左眼用の緑色の半月LMのサイズと右眼用の赤色の半月RMとを表示画面6に同時に提示して、被験者に両視標LM、RMを両眼視させた。
【0058】
そして、左眼用の緑色の半月LMのサイズと右眼用の赤色の半月RMのサイズとが同じサイズに見える方向に半月LMのサイズを変更して、被験者が左眼用の緑色の半月LMのサイズと赤色の半月RMのサイズとが同じに見えると応答したときの被験者に提示した緑色の半月LMのサイズcと赤色の半月RMのサイズdで除算したときの測定値Xを求めた。
この測定を行ったところ、測定値Xの平均値は、サイズレンズLENSの倍率10%に対して、−42%の誤差であった。
【0059】
つまり、正常な被験者は、左眼用の半月LMのサイズが右眼用の半月のサイズの6割程度の大きさで、両半月LM、RMの大きさが同じであると応答した。
このように、従来の測定方法では、理論値に対する測定値Xのずれが大きく、また、そのばらつきも大きかった。
【0060】
これに対して、本発明の実施例に係る不等像視測定装置1では、被検者の左右眼において像の大きさの見え方に差異がある場合、表示画面6に平面的に同時に提示された左眼用の視標11Lと右眼用の視標11Rとを両眼視したとき、その両視標11L、11Rの融像が立体的に知覚される。
【0061】
ついで、この立体的に知覚された融像が平面的に知覚されるように、提示された左眼用の視標11L又は右眼用の視標11Rのサイズを変更して、不等像視の大きさを測定する方法であるので、平面的に視標の大きさを直接比較する場合に較べて、被検者は視標の見え方の変化を敏感に知覚でき、不等像視の大きさを精密に定量化して測定可能である。
【0062】
以下、この不等像視測定装置1を用いた測定方法の一例を図面を参照しつつ説明する。
(測定方法の一例)
まず、表示装置3の電源をオンして、測定ボタン9を操作する(第1ステップ)。これにより、表示画面6に
図14に示す左眼用の視標11Lと右眼用の視標11Rとが同時に提示される。被検者は接眼レンズ13L、13Rを覗き込んで両視標11L、11Rを視認する。
【0063】
被検者の左右眼に径線方向の不等像視が存在する場合、
図14に示す両視標11L、11Rを両眼視した場合、
図17、
図19に示すように、両視標11L、11Rが融像して基準直線LR、RRに対して斜線LQ、RQ、LQ’、RQ’が回転したかのように非対称に知覚され、基準直線LR、RRに対して斜線の為す角度が45度に対してずれて見える。
【0064】
この基準線LR、RRに対して斜線LQ、RQ、LQ’、RQ’の為す角度が対称的に知覚されるように、視標サイズ設定部8の径線設定変更ボタンの操作により例えば左眼用の視標11Lの角度θ=θ1を変更する。これにより、被検者の径線方向の不等像視が中和方向に解消される。
【0065】
ついで、測定ボタン10を操作する(第2ステップ)。すると、例えば、
図20に示す視標11L、11Rが表示画面6に同時に提示される。被検者にこの
図20に示す視標11Lと右眼用の視標11Rとを両眼視させると、両視標11L、11Rが融像して、
図8に示すように、交点LZ、RZに対して対称な斜線LQ、RQ、LQ’、RQ’を基準にして、左側の縦線LP、RPが手前側に見え、右側の縦線LP’、RP’が奥側に存在するように立体的に知覚される。
【0066】
ついで、その被検者に視標11L、11Rを両眼視させたとき、
図6に示すように、融像した視標が平面的に見える方向に、視標サイズ設定部8のサイズ設定変更ボタンを操作して、例えば、視標11Lのサイズを変更する。
【0067】
被検者は、左眼用の視標11Lと右眼用の視標11Rとを両眼視しながら、検者の「視標11L、11Rが平面的に見えましたか」との問診に対して、視標11L、11Rが平面的に見えたとき、「はい」との応答を行う。
これにより、被検者の不等像視の測定は終了する。
【0068】
被検者の不等像視の倍率は、第1ステップにより得られた径線方向の不等像視の倍率と第2ステップにより得られた全面方向の不等像視の倍率との積によって表される。
【0069】
このように、この実施例によれば、径線方向の不等像視の測定を行って、全面不等像視の測定を行う手順を踏むので、不等像視の測定を精密に行うことができる。
なお、この実施例では、表示画面6には、操作ボタンとして3個のボタンしか示されていないが、本発明の実施例に直接関係しないキャンセルボタン、再生表示ボタン、確定ボタン等のその他のボタンは捨象している。
【0070】
このように不等像視の測定を精密に行うことが可能となると、不等像視を矯正する等像レンズの作成に役立ち、ひいては、被検者の眼精疲労や遠近感欠如等の目に起因する症状の改善に貢献することができる。